水着コンテスト会場『マヨルカ島』で夏休み大作戦
蹂躙戦記イスカンダル奪還戦に勝利したディアボロスの次なる戦い、それは、水着コンテストに他なりません。
水着コンテストの会場は『地中海の夏の首都』と称される、観光名所『マヨルカ島』です。
マヨルカ島には、帰還したヨーロッパの一般人を招いています。ディアボロスと彼らとの絆を強めることも出来るでしょう。
数ヶ月前に『帰還』したばかりのヨーロッパの人々と、ディアボロスとの絆を強められれば、『人類応援度』の大幅な上昇も期待できるかもしれません。
チープな夜しか似合わないから(作者 西灰三)
#最終人類史(新宿島)
#水着コンテスト会場『マヨルカ島』で夏休み大作戦
#🍉夏休み選択肢有
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「蹂躙戦記イスカンダル奪還戦お疲れ様&おめでとー!」
森部・灯(全力全開高気圧バール!・g03325)がなんか凄まじい結果となった戦争のねぎらいをする。ぺんぺん草の一つすら残さなかった。
「しかし、戦いはまだ終わってはいないのだ。……つまり水着コンテスト!」
それ人によっては戦争だけども、別に関係ないディアボロスには関係ないやつじゃね? という突っ込みはさておき。
「今年の水着コンテストは『地中海の夏の首都』って異名のある観光地、マヨルカ島だよ! マヨルカ島には帰還したヨーロッパの一般人を多く招待してるから、これまでディアボロスに馴染みの無かった人たちに大きくアッピルすることができるよ!」
なんでそんな事しなきゃいけないのか、って問いには彼女は指を立てる。
「説明するの面倒くさいから他の時先案内人に聞いてね!」
秘技・丸投げ。要するに『人類応援度』的になんか必要、という事らしい。
「まあヨーロッパの人たち、全然ディアボロスと触れ合ってないからよく分かんないんだって! なんで親近感持ってもらおうって作戦。……で、マヨルカ島に集める感じなんだけど……ぶっちゃセレブ感って合わないディアボロスの人もいるから、普通にご飯食べたりお酒飲んだりえっちなお店に行ってもらおうかなって。レッツ盛り場!」
どこで覚えてきたのそんなの。
「いやさ、ディアボロスって超人感有りすぎて人間味ないよねーって話だから、もっと俗っぽさを盛っていった方がいいかなって。酔っ払ってディアボロス同士で殴り合ったり、なぜか腕相撲大会始めたり、見知らぬ所でしけこみにいったり」
なおそこそこ治安悪めの地域でもある、流石観光地。
「で、まあそういうスキャンダラスなのを撮って売るパパラッチって言うカメラマンがいてだね」
つまり一部のディアボロスの俗な所を撮ってもらおうという魂胆らしい。もちろん観光地ならではのトラブルを処理する姿を見せるのも有りだろう。
「まあこういう事情伏せて行ってもらってる人もいるから、アスアドさんとか」
本人まるでバカンスに合わないので、多分普通に静かに酒飲んでるだけ。でも喧嘩とか仲裁してるかもしれない。もちろんこれを聞いているディアボロスも詳細を伏せて友人知人を誘っても良い。
「マヨルカ料理とかワインもあるみたいだしね。あ、でも年のために飲酒は日本の法律に合わせてね」
お酒は二十歳から。残念。
「ま、ディアボロスのイメージアップ、というわけじゃないけどさ。ディアボロスもみんなと同じ人間なんだよ、って所を分かってもらえればいいなって。それじゃ、楽しんできてね。……あ、あとで私も行くからね!」
そう言って彼女はディアボロス達を送り出す。特別な日の特別じゃない日常、それを見せるのもたまにはあって良いのではなかろうか。
●パパラッチのみなさん
「で、ディアボロスってその名の通り悪魔みたいな連中なんかねぇ」
カメラのメンテナンスをしながら仲間内で言葉を交わすパパラッチ仲間。実際気づいたらカレンダーが一気に進んでいていまいち現実感がない。その中で戦っている姿はメディアを通して見たことはあるものの。
「本当に人間なのかねえ、パラドクス? とかいう変な力使うらしいが」
「でも実際に作物がものすごい速さで成長したりするしなあ。最近はイタリアの下半分とかが帰ってきたりしたらしいぜ」
「マジかよ。やっぱすげえ連中ではあるんだな。……じゃあそいつ等の写真を取ればそれなりに金になるか?」
機材の掃除をしていたもう片方の男が手を止めて返す。
「そうだなあ、まあセレブみたいなもんだろ。何かどいつもこいつも美人に美形ばっからしいしな。それだけでもまあ価値があるんじゃね? そういう奴の普通の顔とか撮れればそれも別に値段付きそうだね」
布を置きカメラを組み立て直しながら彼は言う。
「……行くか」
「行くってどこへ?」
「マヨルカ島だよ。なんでも水着コンテストとやらをやるらしい、シャッターチャンスってやつだろ? それにスキャンダルの一枚でも撮れれば船代くらいにはなるだろ」
「ついでに俺達もバカンスと行くか。お前の奢りで」
「バカ。お前も撮るんだよ」
かくてディアボロスの姿をフレームに収めるために彼らは乗船チケットを握るのであった。
リプレイ
リブシェ・レッドスケイル
パパラッチ。有名税ということかしら。いいわ、その『ゲーム』付き合っても良くてよ。
夜の観光地ということで、盛大に行きましょう。
デコルテを大胆にみせた赤いドレスに、黄金の鎖と大粒のルビーのネックレス。派手なのは、ごちゃごちゃしていない方が綺麗ですからね。
そして毎晩毎晩パーティを渡り歩くわ。まったく、貴族みたいだこと。
で、そうねえ。隠し撮りしている狩人を逆に狩るのも面白いわね。
こっそりと近寄って、籠絡してしまいましょう。
お仕事熱心なのねぇ。でも、こういう日くらいは、遊んでも宜しいのよ。
それとも、こう言うべきかしら。
「こんな退屈なパーティ抜け出して、一緒に遊ばない?」って。
確保した新しいお友達を使って、地元の酒場にGO!
穴場という穴場を教えて貰うわ。ただの夜にはさせないわよ。
そしてバンドやらなにやらを呼んで、朝まで楽しく遊んで……ああ、支払いはわたくしが持つわよ。ご安心を。偽金などではありませんから。
これくらいやれば、こちらも気前の良い「人間」だとアピールできるんじゃないかしら。
●
「………成程ね」
パラドクストレインから降りてマヨルカに降り立ったリブシェ・レッドスケイル(愚者の緋金・g09919)は、来て早々自身に向けられる視線を見て確信する。
「『ゲーム』の序盤は上々の仕上がりって事ね」
彼女の『ゲーム』の相手はパパラッチ。彼らは人の中や物陰に隠れながらもレンズをリブシェに向けている。対する彼女も胸元を大きく開けた赤いドレスに身を包み、白い肌を彩るように金の鎖と紅玉の首飾りがかけられている。
「……さあ、楽しみましょう?」
彼女がマヨルカ島に足を踏み入れてから、毎晩煌めきが巻き起こっていた。ある時はバルある時はホテル、またある時はレストラン。いずれにせよ彼女が足を踏み入れた所がパーティとなり、最終人類史に於いて財や権力を持っていた者同士がコネクションを作ろうと集っていた。その噂は直ぐに広まり更に人を呼ぶ。それが繰り返され幾度目かの夜の事だ。
「こんな退屈なパーティ抜け出して、一緒に遊ばない?」
それは彼女がパーティの切欠となって暫くした会。密かに身を眩ませた彼女は初日からファインダーを彼女に向けていたパパラッチの男の背後に周り、カメラを持つ手の上に重ねて上記の台詞を囁いた。
「なっ……!?」
「静かに。貴方に色々教えて欲しい事があるの」
蠱惑的な、それでいてどこか子供っぽさを含んだ微笑を彼女は見せた。
「さあ! 次のお店行きましょう!」
「ええ、何軒目で?」
「そんなものは数えてないわ。支払いは全部払ってるでしょう?」
リブシェはパパラッチの肩を掴みながら夜のマヨルカ島を練り歩く、その途中で歌手や演奏家を拾ってはパーティを増やしていく。
「さあ、この子達が演奏できるような場所を教えて? ずっと私を追っていた貴方なら詳しいでしょ?」
彼女のこの軽さは決して酒のせいだけではあるまい。もっとも酒がしでかしている部分もそれなりに大きいだろうが。ともかく新たに賑やかなパーティを作り出したリブシェの姿は、その一連の破天荒さと華やかさを込めた写真と記事によって後日広められるのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
レイジ・ラージュ
パパラッチ:元から気配に敏い為、気付いてはいるが、可能な限りスルー。
行動と思考
視線と気配が絶えず付き纏うが、意識的にシャットアウト。
今回は|コレ《パパラッチされる事》が仕事だからな。
…何処が良いのかはいまいち分からんが、兎に角その辺のレストラン…?バル?に入って何か食うとしよう。
「(相も変わらず、絶えず湧き出る憤怒に身を焦がされているとは言え…腹は減るものだしな)」
飲食
ソブラサダも悪くはないが、俺の好みとしてはこのパンボリとパナダスだな。
パンボリはこのシンプルさが素材の良さを示すのも同義である訳だが、パナダスは肉や魚が入っている辺りが良い。
酒は…良く分からんから、店員に任そう。
どうせ、|元から《刻逆以前からの任務の影響で》酒を飲んだ程度では酔わなくなっているし、今に至っては憤怒の炎に注ぐ油も同然だからな…
●
ディアボロスというのは基本能力として超人である。故にレイジ・ラージュ(緋の憤怒・g05744)にとっては自身を隠れながら追うパパラッチの存在など島に来てすぐに分かった。分かったからといっても特に行動を起こすような相手でもないと彼は判断し、意識の外に追いやったが。
(「今回は『コレ』が仕事だからな」)
端的に言えばモデルのような仕事である。もっとも彼にとってそれが如何ほどの価値があるのかは分からない。ともかくもレイジは付いてくるパパラッチの存在を振り切らぬ程度に繁華街を行く。どこに入るか見分しているようだ。しばらくしてから彼は適当なバルに足を踏み入れて軽く腹に触れる。
「(相も変わらず、絶えず湧き出る憤怒に身を焦がされているとは言え……腹は減るものだしな)」
生きている、と言うことは飢えが訪れるという事でもあるのだろう。食べるのに難儀する戦いの中ならいざ知らず今は祭りの最中だ。財布の蓄えがあるのならそれを満たすのは自然な成り行きだろう。彼は適当に外から見える席に腰掛けて適当にオーダーを通す。注文したものが来るまで喉を潤すためのスパークリングワインのグラスを傾ける。
(「……この程度では燃えない、か」)
弾ける泡のせいか彼の心の底で燃えるものの燃料にはなりはしなさそうだ。もっともアルコールの類はずっとそうだが。カメラのシャッターが切られる音を聞きつつも、軽食として食べられる幾つかの料理が運ばれてくる。それぞれの味を確かめながら評価をしていく。
(「ソブラサダも悪くはないが、俺の好みとしてはこのパンボリとパナダスだな」)
ソブラサダは柔らかめのドライソーセージ、パンポリはトマトを塗ってオリーブオイルをかけたパンの上にハムやチーズを乗せたオープンサンドイッチの一種。パナダスはいわゆるダンプリング料理の一種だ。
「パンポリはシンプルで良い。素材の味が良く引き出されている」
調理と呼ぶにはいささかシンプル過ぎるがだからこそというものはある。パナダスはそれに比べれば大分『料理』だ。
「……魚が入っているのも欲しいな」
頼んだのは肉が入ったものだが、魚介類が入ったものも欲しくなる辺り彼は戦士なのだろう。再度注文を終えるとその間を保たせるようにコーヒーが運ばれてくる。それをすすれば砂糖とアルコールの甘みが舌を刺激する。どうやら砂糖入りのコーヒーリキュールだったようだ。指の幅1本分程度を喉の奥に流し込むと不意に声が喉から返ってくる。
「………」
夜空を見上げる彼は思う。つい先日蹂躙戦記イスカンダル奪還戦があったとは思えない程に穏やかで、腹の底で燃える憤怒がなければ現実から遠ざかりそうだ。だがあくまで今ここは心身を休める場所である、彼がそう思っていると魚介類が入ったパナダスが運ばれてくる。彼は戦いの間の休養を続けるために、運ばれてきたものにナイフを入れるのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【おいしくなあれ】LV1が発生!
効果2【ダブル】がLV2になった!
ジョルジョ・ストレッポーニ
【モフ部】
同業者から別荘を借りることができた
小ぢんまりとしてるがプライベートビーチ付き、人が隠れられる岩や観葉植物にも困らない
私一人じゃ絵にならないから獅子城君とレイ君も頼むよ
だが二人がアダルトなデタラメ話のネタにされないよう、主役はモフモフサーヴァント達だ
ペット動画バズらせを狙うように行ってみよう
私は無難かつシックなデザインの水着
日除けのサングラスかけてビーチチェアに寝そびりながら冷やしたマヨルカワインでも飲んでいよう
海遊びに大はしゃぎのエインもスエニョもいつも通り可愛いなあ(グラサン越しにデレデレ)
もうすぐイタリア南部の私の家族も帰ってくるからその時は、サーヴァントじゃない大型の長毛雑種とも仲良くしてくれよ
※ちょっと水遊びに飽きてきたモフモフ達が寄ってきたら膝の上でタオルドライして更にモフる
※間食直後、普通のペット飼いが真似して人間用の料理をあげたら危険と気付き
3人+2体でパパラッチを探し回る
見つけたモフモフ達がメモ持って彼等の背後から突っつき
つぶらな瞳で見上げながらメモを差し出す
獅子城・羽鳥
【モフ部】
最終人類史で音楽の仕事続けて行くならパパラッチにも慣れた方がいい、とジョルジョさんに言われてな…
幸いセレブらしい滞在先は確保できた
警備機器もあえて切っておき、おいでませパパラッチ御一行
彼等の好みそうな色っぽいデマは勘弁だが、うちの可愛いモフモフ達はたっぷり見せてやるよ
テイクアウトしてきた軽食と飲み物、シートは準備してパラソルとチェアはビーチに設置済み
ジョルジョさんが昼寝してる間、俺とレイ、モフモフ達で水の掛け合い合戦だ
「つかもうぜ♪モフ犬ボール♪」
「苦しくったってー♪悲しくったってー♪モフっていれば平気なの♪」
欧州で流行ってる日本アニメの主題歌を適当に替え歌にして歌いながらも、戦いは本気!
戦闘の合間にはデレデレしながらワンコと仔山羊をモフりまくり(通常運転)
「うおっ!?暑苦しー!手を離せん!」
疲れたらがっつりホールドしながらパラソルの下で昼寝
飽きたモフモフ達がジョルジョさんにモフられてる!?
まるでマフィアのボスが血統書付きの猫を撫でてるように見えてきたぞ…
レイ・ディース
【モフ部】
セレブアピールって例えば高級ブランド買い占め?それとも札束に火を付けて照明にするとか?
…いや、他の案内人さんに聞いた時は難し過ぎて頭真っ白になったわ…
今日はサーヴァントの可愛さアピールでもいいと言われてついてきました
私単体で見られるのはなんだけど、宇宙一可愛いエインとスエニョちゃんは是非とも、パパラッチを通して欧州の皆さんに見てもらわなくちゃ♪
ちなみに私と獅子城さんは去年の水着コンテストの格好
バスケットにテイクアウトした軽食と焼き菓子、クーラーボックスは私とモフモフ用のジュースやお茶、成人用にビールとマヨルカワイン、アイス
三人で分担して運べる量です
ビーチでは張り切って二人をモフりながら(通常運転)、全力で水遊び
疲れたらトロピカルなジュースをエインとカップル飲みしたり
パエリアやマヨルカの郷土料理(海辺なのに肉多い?)、伝統的なお菓子ガト・ダ・マトラを二人にあーん♪
これパパラッチが撮ってて世界中に流すのよね?
サーヴァントは人間と同じ料理も大丈夫だけど普通のペットで真似したら危険!
●
ジョルジョ・ストレッポーニ(Il Voce Grande・g10013)は刻逆の直前に日本で公演をできる程のオペラ歌手、つまり元からセレブリティと呼ばれる類の人種である。つまりヨーロッパにおけるバカンスでの立ち振舞も弁えている人物である。その彼であるから観光地であるマヨルカ島の別荘を借りるというのは造作も無いことだった。
「……さて」
借りた鍵で別荘の扉を開けながら庭の方に目をやるジョルジョ。開かれた庭と脇に植えられた植物、そして海の方へと続く下り坂。そちらの方から年若い青年たちの声が響いてくる。
「やれやれ」
そう言いながら扉を開けて自身の荷物と置きっぱなしになった若い同行者達の荷物を館の中に入れてから、彼は二人を追った。
他方プライベートビーチの側、それぞれサーヴァントを連れた獅子城・羽鳥(メタリックトルバドゥール・g02965)とレイ・ディース(光翼のダークハンター・g09698)が地中海に面したプライベートビーチに見とれていた。
「最終人類史で音楽の仕事続けて行くならパパラッチにも慣れた方がいい、とジョルジョさんに言われた時はどうしようかと思ってたけども……」
「こういう風景が見られるなら来て良かったわ」
地中海の美しさというのは多くの時代で語られ或いは謳われている。レイの言う通りにあれこれ考えずにまずは訪れるのが正解だったのだろう。
「レイはセレブアピールって聞いて『高級ブランドの買い占め』とか『札束に火を付けて証明にする』とか言ってたよな」
「もう! ……他の案内人さんから聞いた時は難しすぎて頭真っ白になってただけだから」
前者は景気が良くなって通貨価値が高くなった国の人が海外に出てやることで、後者は成金のムーブである。どこで学んだのだろうか。
「さて、おいでませパパラッチ」
「……なんでパパラッチの人たちって私達を写真に、それも隠れて撮る必要があるの?」
「それは荷解きしながら説明するとしよう」
言葉を交わす羽鳥とレイを姿を認めたジョルジョが降りながら2人に呼びかける。2人は顔を見合わしてからバカンスの準備も兼ねてジョルジョを先頭に館へと入った。
「つまり……その?」
「色っぽい話はどこでも需要があるという事さ」
「そういうデマは勘弁だ」
それぞれ水着姿でビーチに降りてきた彼らの手には荷物があった。ジョルジョと羽鳥の手には丸めたシートやパラソル、そして椅子。レイの両手には軽食の詰まったバスケットや水筒など。それらを支えるようにパンツァーハウンドのスエニョとメーラーデーモンのエインが付き従う。というより彼らを主役にするつもりなのが今回の作戦である。
「さて、私はここにいるから皆は適当にくつろいでくれ」
設営の準備ができたのと同時にジョルジョはグラスにマヨルカワインを注ぎ、自身はビーチチェアに体を預ける。もっとも彼のサングラス下の視線はそこらに隠れているパパラッチの位置を把握してもいるのだが。
「海遊びに大はしゃぎのエインもスエニョもいつも通り可愛いなあ」
同時に主達と遊ぶスエニョやエインにも目をやる。羽鳥やレイも当然の如く彼らの位置を理解しているため、被写体の中心にサーヴァントが来るように遊んでいる。主の彼ら彼女らもイメージにあったカラーの水着の上から薄手の服を着ており紫外線対策もバッチリだ。
「つかもうぜ♪ モフ犬ボール♪」
海水をスエニョと共に巻き上げてエイン達を水浸しにする羽鳥。対するエインたちも負けじと水を投げ返す。サーヴァントが二足歩行な分彼女達のほうが若干有利だろうか。
「やったわね! えーい!」
「びしょ濡れになったーって♪ 苦しくったってー♪ 悲しくったってー♪ モフっていれば平気なの♪」
そうこうしている間に時は過ぎ、体が空腹を音で知らせてくる。一時休戦だと二人はパラソルの元へ戻り、二匹はジョルジョにタオルで体を拭かれる。
「お疲れ。休憩の準備ならできてるよ」
「じゃあ皆で食べましょうか。……今も撮影されているんですよね?」
パナダスをエインと分け合いながらレイはジョルジョに問いかける、どうやら普通の動物には人と同じものは食べられないということが広まるのは良くないと思っているらしい。
「私の実家の犬の事も思い出してね。その点に付いてはもう『分かってもらっている』から問題はないよ」
いつの間にやらパパラッチと話を付けていたジョルジョがウィンクをする。二人が遊んでいる間にあれこれしていたらしい。もっとも今の彼の手はエインやスエニョの毛皮をモフっているだけだが。
「食事に飽きたモフモフ達がジョルジョさんにモフられてる!? まるでマフィアのボスが血統書付きの猫を撫でてるように見えてきたぞ……」
「はっはっは。……君は主の元に帰るが良い」
完全にフカフカに戻ったスエニョが羽鳥に飛びかかり押し倒す。
「うおっ!? 暑苦しー! 手を離せん! はぐっ!?」
その手の離せない彼の口にレイがガト・ダ・マトラを突っ込み黙らせる。もう一個を笑っていたジョルジョの口の中に入れたレイがドリンクをエインと同じグラスからストローで吸い上げる。
「ふう……エイン、バカンスって楽しいわね」
問われたサーヴァントは頷く。静かになったプライベートビーチには、ささやかに波の音が響くのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【通信障害】LV1が発生!
【傀儡】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【凌駕率アップ】LV1が発生!
篝・子火
【然しも】
シモンと来た。
新しい水着着て気分が高揚している。
何をしに来たか?飲みに来たに決まっているが……
疾倶利とニエも一緒だ。バカンスだ、バカンス。頭バカになるまで飲もう。
でもおまえ達は飲んじゃダメだからな。まだお子様だから。
酔った!おい、酔ったぞ。聞いてるのか?
酒はがぶがぶ行けると思っていたが。ワインはだめだな。
なぁ?疾倶利。ワインは慣れないなぁ。子火は多分忘れるから、おまえ覚えておいてくれよ。
疾倶利。呆れているな?今度飲もうとしたら後脚でパンっとしてくれ。すぐにやろうとするな。まだ蹴らなくて良い。
あ、シモン瓶を返せ。疾倶利と連携しなくて良い。瓶を……ほう。かき氷にかけると。かき氷寄越せ。全部寄越せ。
ニエ~ニエニエ可愛いな。
ウチの子にならないか?そうしよう。
わかった!シモン、勝負しよう。正々堂々腕相撲だ。
……写真?良いな。撮ろう撮ろう。
貸してくれ。子火が撮ってやる。
子火は全部知ってる。大丈夫だ。できる。
どうすれば良い?思い切り押せば良いんだな?
シモン・ディマンシュ
【然しも】
子火ちゃん+サーヴァント達と。
ボクは昨年仕立てていただいた水着と羽織りで。
お酒言うキミには苦笑いを返して。君はそやな。頼むから頭バカになるまでは飲まんといてくださいね。
ボクは酒類の中でもワイン好きですねぇ。日本酒より好みやわ。料理にもピッタリ。
……嘘やんワインで悪酔いするタチだったんです?どうするん、疾倶利くん。キミのあるじ様やで。
疾倶利くんとの連携でワイン瓶を拝借。
デザート代わりに甘口ワインを少しかけて……大人風なかき氷の完成。ニエくんはやめときましょうね。普通のシロップかけたかき氷にしとき。
ほんで子火ちゃんが腕相撲言っとるけど聞き流します。
ボクのほっそい腕が鬼さんの腕に適うわけないやろ。正々堂々ならんわ。
予め聞いとったけど…ほんまに写真撮るんやとパパラッチを眺めて。カメラを壊しそうな子火ちゃんを止めに、そんで持ち主さんに謝りに行きましょ。
子火ちゃん止まって~
ほら、ニエくん抱っこしてほしいて言うとるよ。
(仰天顔のメーラーデーモン)
●
夜のマヨルカ。最終人類史から帰還した西欧の人々が綺羅びやかに集まるこの島で、水着に上着を羽織った程度の男女が馬と羊を連れて練り歩いていた。女の方は既に一杯引っ掛けているのか、若干覚束ない。
「新しい水着が嬉しいのは分かるんやけど、ボクら何しに来たか覚えとる?」
素面だと思われる男の方、シモン・ディマンシュ(紫門の怪・g06086)は一応の目的があることをそれなりに弁えているようだ。有り体に言えば彼ら彼女らのようなディアボロスの広報活動の一環ではある。
「何をしに来たか? 飲みに来たに決まっているが……」
答えを返す篝・子火(天高し・g02594)の返事はそのような気負いもへったくれも無いものだった。シモンもこれにはなんとも言えない笑顔でしか返すことができない。
「疾倶利とニエも一緒に来たんだ。バカンスだ、バカンス。頭バカになるまで飲もう。でもおまえ達は飲んじゃダメだからな。まだお子様だから」
「君はそやな、バカンスなのは分かったから、頼むから頭バカになるまでは飲まんといてくださいね」
二体のサーヴァントを両手でそれぞれ撫でながら言い聞かせる子火に、シモンは肩を竦ませる。いまいち頼りにならない彼女の腰を落ち着かせるために、軒先に幾つかの椅子と机を並べた店にシモンは彼女の手を引いて席に着かせる。
「ああ、なんか適当に名物っぽいのを、酒と一緒に」
出てきた給仕にささっと注文をだし子火だけではなくメーラーデーモンのニエも席に座らせる。流石に無双馬である疾倶利の座る椅子は無いので彼(彼女?)は主のたもとで横になり頭を机側に向けた。疾倶利の視線の先には早速瓶と杯と肴を持った給仕の姿が入っていた。
「まずは駆けつけ三杯だ。飲め」
シモンと自身の杯に並々とこの島ならではの葡萄酒を注ぎ込む。二人は手に持った杯を打ち鳴らして呑み口を確かめる。
「……ふむ」
シモンが一飲みしてから肴に手を付け、もう一度葡萄酒を飲む。
「日本酒より好みやわ。料理にもピッタリ」
「なあ」
「はい?」
食通じみた振る舞いを決めていたシモンに子火が無遠慮に声をかけた。もうなんかどうしようもない空気が漂っている気もするが一応彼は問い返す。
「どうしたんです?」
「酔った! おい、酔ったぞ。聞いてるのか?」
「ええ、聞ぃてます。……嘘やんワインで悪酔いするタチだったんです?どうするん、疾倶利くん。キミのあるじ様やで」
こそこと無双馬とやり取りする彼らに更に無遠慮な声が投げかけられる。
「酒はがぶがぶ行けると思っていたが。ワインはだめだな。なぁ?疾倶利。ワインは慣れないなぁ。子火は多分忘れるから、おまえ覚えておいてくれよ。……ん?」
笑い上戸と化した子火に、自身に出された水を差し出すニエ。それを見た彼女はよりニエを撫で回す。
「ニエ~ニエニエ可愛いな。疾倶利なんて呆れているだけというのに」
その彼女の視線が疾倶利と合った時、彼はすっと立ち上がって嘶き後ろ足を打ち鳴らした。急な動きに子火が目を奪われたその瞬間に、シモンも酒瓶を奪い取って残った分をいつの間に用意したのか削り氷に振りかけた。
「あー! 返せ! ニエとそのかき氷を賭けて、シモン、勝負だ。正々堂々腕相撲だ」
「ボクのほっそい腕が鬼さんの腕に適うわけないやろ。正々堂々ならんわ」
綽々と氷を口の中に運びながらシモンは返す。酔っ払いの戯言に耳を貸していたら腕が何本あっても足りない。そんな彼の目に都合よく彼女の意識を向ける相手が入った。
「ああ、子火ちゃん。その人が写真撮ってくれるって」
「……写真?良いな。撮ろう撮ろう」
ずかずかとパパラッチの元に歩いていく子火。きっと彼は人に潰される羽虫の気持ちを理解できただろう。彼女は彼らの商売道具であるカメラをむんずと掴む。
「貸してくれ。子火が撮ってやる。子火は全部知ってる。大丈夫だ。できる」
大抵のディアボロスなら確かに問題なく可能である。大抵なら。
「どうすれば良い?思い切り押せば良いんだな?」
泣きそうなパパラッチの顔と子火の台詞を聞き、流石に介入したほうが良いかとシモンがニエの首根っこを持って声を掛けた。
「子火ちゃん止まって~。ほら、ニエくん抱っこしてほしいて言うとるよ、一緒に写真撮ってもらい?」
スケープゴートにされた事に驚くニエと、商売道具の破壊の恐怖から脱したパパラッチ。運命とは時に残酷なものである。
「そうか、じゃあ上手く撮ってくれ」
子火に抱きしめられ撮影されるニエを見て、シモンは疾倶利にぼそりと訊いた。
「ホントにうちの子になる?」
対する疾倶利は一鳴きするだけ、その意味に答えるものがいないマヨルカの夜はそのまま更けていく――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【おいしくなあれ】がLV2になった!
【現の夢】LV1が発生!
効果2【リザレクション】がLV2になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!