リプレイ
レイラ・イグラーナ
流れ着いた亜人、アルタン・ウルクとの境界、冬の訪れ……
今見えていない問題も、新たに発生、顕在化する可能性は大いにございます。
作り出した好機を活かし、攻められる時には大いに攻めましょう。
たとえそれが、人民の皆様の暮らす街を破壊することであっても。
人民の皆様、革命の時は来ました!
市街地で声をあげ、まずは人民の皆様の注目を集めます。
破壊活動をするにも「何が起きたか分からない」ではなく「破壊活動をやっている者がいる」と分かった方が皆様避難もしやすいでしょう。
吸血ロマノフ王朝は斜陽を迎えております。モスクワの領主であったココツェフ伯爵、代わりに権勢を誇ったカーミラ、皇帝の信任深い僧侶ラスプーチン……その悉くが革命により今は亡き者となっています!
サンクトペテルブルクも革命の波より逃れることはできません。王朝に滅びの時が来たのです!
今ここで、それをお見せしましょう。
【避難勧告】と合わせて危険な言動をする私から急ぎ離れてもらい、【天上奉仕・熱狂】の奏でる音楽で周囲の建物に重圧をかけ破壊します。
サンクトペテルブルク――「聖ペテロの街」を意味する吸血ロマノフ王朝の王都は、バルト海東部のフィンランド湾最奥部に位置し、その面積をして東京23区の2倍を上回る。
(「流れ着いた亜人、アルタン・ウルクとの境界、冬の訪れ……」)
シュリッセリブルク要塞より出撃したレイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)は、広大なる都の東部より侵入する。
(「今は見えていない問題も、新たに発生、顕在化する可能性は大いにございます」)
なればこそ、好機は逃さない。攻められる時は大いに攻めるべきだ――喩え、一般人が暮らす街の破壊と同義であろうとも。
決して、褒められた作戦で無いのは承知の上だ。
「人民の皆様! 革命の時は来ました!」
広場に立ち、レイラは大きく息を吸い、声を張る。
「吸血ロマノフ王朝は、斜陽を迎えております。モスクワの領主であったココツェフ伯爵、彼に代わり権勢を誇った死妖姫カーミラ、皇帝の信任厚い怪僧ラスプーチン……その悉くが、革命により今は亡き者となっています!」
「…………」
レイラの言葉を耳にした人々の表情には、怪訝よりも怯えが見て取れた。
(「そう言えば……凱旋公演を迎えるにも、作法がありましたっけ」)
サンクトペテルブルクの住人は、ヴァンパイアノーブルへの従属が徹底的に刷り込まれてしまっている。生半可な扇動や流言は、通用しない。
「サンクトペテルブルクも、革命の波より逃れることはできません。王朝に滅びの時が来たのです!」
既に知っていながら、レイラが演説を止めないのは――ひとえに、彼らの注目を集める為。
(「『何が起きたか分からない』ではなく……『破壊活動をやっている者がいる』と分かった方が、皆様も避難しやすいでしょうから」)
やおら、銀の針を指揮棒のように構えるレイラ。
「では……今ここで、終焉とは何たるかを、お見せしましょう」
――――!!
響き渡る革命の意思を訴える熱狂の調べは、本来、クロノヴェーダの精神をも圧するパラドクスだ。
「!?」
パラドクスの武威を浴びせる代わりに、ギョッと顔色を失う人々の周囲で、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。
(「さあ、私の危険な言動から、急ぎお逃げください」)
血煙を雑踏に、歌い奏で、今や割れた刃が迫り来る――危険の元凶が、ディアボロスであろうとも。残留効果【避難勧告】は、一般人に危険地域からの脱出を強いる。
他のディアボロス達も、既に市街地に侵入している筈。直に、本格的な破壊作戦が開始されるだろう。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【避難勧告】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
マティアス・シュトローマー
シュリッセリブルクの制圧を経て、いよいよ断片の王の牙城を崩せる訳だけど
ディアボロスとしての力を一般の人が暮らす市街地に向ける日が来るなんて思いもしなかったよ
現地に到着次第、仲間と手分けして住民の避難を促そう
時には説得し、動けない人には【フライトドローン】で手を貸しながら迅速に。逃げ遅れる人がいないよう、無人に見える建物の前でも声掛けを
早く避難を
今からここで起こるのはヴァンパイアノーブルを相手取った、取り戻すための戦い
君達を傷付ける意図は無いんだ
治安の悪化に、働けども豊かにならない生活――薄々感じている人も多いんじゃないかな
もう貴族様はあてにならないと
君達の生活を壊しておきながら、信じてほしい、理解してほしいとは言えない
ただ、生きるために行動してほしい
住民の避難を確認したらパラドクスで具現化した大鴉達を放ち市街地を破壊。目立つ建造物を優先的に狙いたい
俺達の為すべき事はロマノフの奪還
これまでの戦いの結果が市民生活に影を落としている事も知ってる
だからこそ、こんなところで足を止めてはいられないね
その一帯に、サイレンが鳴り響き、赤い光が明滅する――。
「早く避難を」
残留効果【避難勧告】に抗えず、通りを急ぐ人々がいる一方――何事かと建物の中で身を寄せ合う一般人にも、マティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)は避難を促す。
「あ、あんたは……?」
「あ、うーん……」
思わず、言葉を濁して頬を掻く。
人々の警戒心を和らげる残留効果は、準備していない。正直に「今から街を破壊する」と言っていいものか……。
「今からここで起こるのは……取り戻すための戦い。君達を傷付ける意図は無いんだ」
何とも曖昧な言葉なのは、マティアス自身、判っている。
(「まさか、ディアボロスとしての力を、一般の人が暮らす市街地に向ける日が来るなんて……俺だって、思いもしてなかったよ」)
「ねぇ、治安の悪化に、働けども豊かにならない生活……薄々感じているんじゃないかな? もう、貴族様はあてにならないって」
「!?」
見る見る、妻子を庇うように立つ男の顔が青褪める。それは、明らかな怯えだ。下手な事を言えば、いとも簡単に粛清される――そんな日々を、彼らが送ってきていたであろう事を、マティアスは実感する。
「……ごめん。俺を信じてほしい、理解してほしいなんて言えない。ただ、今は、生きるために行動してほしい」
大きくドアを開ければ、鳴り響くサイレンの音が耳をつんざくよう。明滅する赤い光を目の当たりにして、その家族も、ノロノロと動き出す。
(「残留効果、様々かな」)
それでも、【避難勧告】初期レベルでは、一帯の避難完了までまだまだ時間が掛るだろう。元より、サンクトペテルブルクの人口は、街の一角であろうと周辺の村落と比べるべくもない程多いのだ。
逃げ遅れた者がいないか、念の為、無人と思しき家屋にも声を掛けて。
「おいで、出番だよ」
顕れるは七羽の大鴉。マティアスが無人を確認した酒場を指差せば、我先にと突撃し、爆撃していく。
(「住民の生活を壊しておきながら……流石に、これを無邪気な善意、とは言えないね」)
漸く、ディアボロスは、断片の王が坐す牙城に手を掛ける事が出来た。此処に至るまで、ディアボロスの作戦が市民生活に影を落としている事だって、重々承知の上。
(「だけど……俺達の成すべきは、吸血ロマノフ王朝の地の奪還」)
込み上げる苦さを呑み下すマティアス――この期に及んで、足を止めてはいられない。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
ロザーリヤ・ユスポヴァ
作戦の一環とはいえ、我らの手で良民が暮らす街を焼き払うことになるとはな
だが、そうまでしても「貴族もどき」の凋落を人々に知らしめる必要があるのは間違いない
帝都サンクトペテルブルクすらも、もはや盤石ではないのだとな……
メガホンを片手に居丈高に破壊活動の開始を宣言しよう
聞け、市民諸君!たった今より我々はサンクトペテルブルクの市街を破壊する!
全ては、この地の支配者にもはや力などないと世に示すためだ
我々はあなた方の安全を望んでいるが、待てる時間はそう長くない
瓦礫の下敷きとなり、この街と共に朽ち果てる末路を望まぬのなら、一刻も早く逃げ去りたまえ!
幾らかの猶予の後、避難の進みが早い建物や区画から破壊する
逃げ遅れた者や動けない傷病者・老人がいれば、【飛翔】で接近した後に少し離れた所まで連れ出そう
一定の安全を確保した後に≪悪竜伝承『翼広げし■■■』≫を発動し、火球で建物を焼き払う
知るが良い。斯様な暴挙が罷り通ること自体が、帝国の衰微の徴なのだよ
「貴族もどき」どもに、最早都の隅々まで目を光らせる力などない!
――聞け、市民諸君! たった今より、我々はサンクトペテルブルクの市街を破壊する!
全ては、この地の支配者にもはや力などないと世に示すため。
我々はあなた方の安全を望んでいるが、待てる時間はそう長くない。
瓦礫の下敷きとなり、この街と共に朽ち果てる末路を望まぬのなら、一刻も早く逃げ去りたまえ!
突然の居丈高な演説に、サンクトペテルブルクの人々は何事かと顔を見合わせる。
だが、間を置かず、サイレンが響き渡り赤い光が明滅するや、人々は急き立てられるように離散した。
(「【避難勧告】か……手間が省けるな」)
メガホン片手に、碧眼を眇めるロザーリヤ・ユスポヴァ(“蒐集卿”・g07355)。
それでも、初期レベルであれば、避難にも時間が掛る。病や怪我で動けない者、老人が残されるのを良しとせず、目を配る。
(「だが、【飛翔】は流石に拙いか……」)
当初、移動に使う算段であったが、ディアボロスの侵入を許そうともサンクトペテルブルクは断片の王の御座所。ジェネラル級の集結は、即ち戦力の集中と同義だ。【飛翔】は余りに目立つ。ディアボロスの破壊行動に防衛部隊が駆け付ける迄が時先案内人に示唆されている現状、即撃墜もあり得るだろう。
「……よし」
避難の程度にも差が生じれば、逸早く無人となった区画に足を向けるロザーリヤ。
――我は悪竜、翼持つ最も大いなる者なり!
練り上げた魔力が、火球と化す。大通りに面した建物目掛けて放てば、扉が窓が、いとも容易く爆砕する。
(「作戦の一環とはいえ……我らの手で、良民が暮らす街を焼くことになるとはな」)
吸血ロマノフ王朝程、人々の生存がクロノヴェーダに依存しているディヴィジョンは無いだろう。故に、ディアボロスがクロノヴェーダの動きを妨害すればする程、一般人の暮らしをも損なう皮肉が生じている。
だが、そうまでしても、ロザーリヤ曰く『貴族もどき』の凋落を、人々に知らしめる必要があるのだ――断片の王坐すサンクトペテルブルクすら、いよいよ盤石ではないのだと。
「知るが良い。斯様な暴挙が罷り通ること自体が、衰微の徴なのだよ」
人影無き通りに立ち、パラドクスを撃ちながらロザーリヤは声高に言い放つ。間も無く駆け付けて来るだろう、ヴァンパイアノーブルの耳に入るように。
「お前達『貴族もどき』に、最早、都の隅々まで目を光らせる力などないのだ!」
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
エレオノーラ・アーベントロート
思うところや感慨にふけることもあるでしょうね。
機械化ドイツ帝国をブチ壊してから2年と少し。吸血ロマノフ王朝でも随分と長く戦ってきたのですもの。
わたくしが言えることは――街を破壊するのも、嘆きながらするよりも愉しくやった方が得ですわ!
うふふ、どうせ壊すんですもの。派手に愉しくいきましょう!
街を焼くなんて……こんな機会、今を逃せばそうそうありませんわ。
住民への呼びかけは他の方に任せましょう。せめてもの補助として【フライトドローン】の残留効果を積んで速度は上げておきますわ。
渋る住民が居るようなら脅すようにして無理やりでも逃げてもらいましょう。
うぅん、まだ逃げませんの?
あんまりグズグズしている連中は街と一緒に燃えたいのだと、そうみなしても構いませんわよね。
避難が終わったら電磁レールガン「フェアレーター」を手に「第七の魔弾【火災】」を投射。上空で炸裂し、降り注ぐ炎の魔弾で市街地の建物を派手に燃やしましょう。
さぁ、派手に火の海に変えますわよ!
さあ、そろそろ良い頃合いだろうか?
「街を焼くなんて……こんな機会、今を逃せば早々ありませんわ」
足取りも軽く、エレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)は人影の消えた通りを闊歩する。
「うふふ、どうせ壊すんですもの。派手に愉しくいきましょう!」
一応、申し訳程度に【フライトドローン】の速度を上げておいたが、エレオノーラ自身は住民の避難は人任せ。
(「あんまりグズグズしている連中は……街と一緒に燃えたいのだと、見做しても構いませんわよね」)
満面の笑みの裏で剣呑に呟きながら、徐に電磁レールガン『フェアレーター』を構える。
【火災】解放――目標は、建物の更に上。第七の魔弾をまず上空へと投射、炸裂。火の雨を降らせる。
「さぁ、派手に火の海に変えますわよ!」
口にする言葉も物騒だが、幸か不幸か、延焼はせず爆砕すればそれまで。凡そ、パラドクス1発の威力で建物1棟倒壊だろうか。
だからこそ、いっそ小気味よく、次々とパラドクスを撃つエレオノーラ。景気よく、通りを瓦礫の山にする勢いで。
――その実、彼女にとって、吸血ロマノフ王朝参戦頻度は、他のディヴィジョンに比べれば、決して多くない。
(「それでも……機械化ドイツ帝国をブチ壊してから2年と少し。吸血ロマノフ王朝でも、随分と長く戦ってきましたわ」)
長い付き合いともなれば、思う所も感慨に耽る所も無きにしも非ず。
「だけど今は、これだけ断言しておきましょう。街の破壊は、嘆きながらよりも愉しくやった方が得ですわ!」
ここまで派手にやらかせば、直に、ヴァンパイアノーブルの部隊も駆け付けて来るだろう。それまでに1棟でも多く――エレオノーラは、魔弾を撃ち続ける。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【フライトドローン】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
マティアス・シュトローマー
随分と早いお出ましで
生憎ギャラリーはいないけど安心して――盛り上がるのはここからだから
名ばかりの貴族様を倒し、革命を成し遂げるための第一幕
当然踊ってくれるよね?
複数の敵を相手取る上で厄介なのが密な連携。街の惨状を見て気が立っているであろう彼らをさらに挑発し、冷静さを欠くよう仕向けよう
反応を見つつも、敵に先手を取られないタイミングでパラドクスを発動。具現化した数多の剣で黄金騎士団を取り囲み、指を鳴らす合図で串刺しにする
例え急所を突けなくても、重ねた【ダメージアップ】の効果を乗せた一撃は通常のそれよりも重く刺さるはず
以降は消耗の激しい個体を狙って撃破。先も見据えて効率良く敵の数を減らしていきたい
ハルバートか鉤爪か
どちらを喰らいたくないかで言えばこっちかな
反撃の連続攻撃に対しては、ハルバートの射程範囲に入らないようこちらから敵に肉薄。左手の鉤爪を振り抜かれる前に至近距離からライオットシールドで受け止めるようにし、ダメージの軽減に努めよう
貴族なら見て呉れ以上に立ち居振る舞いに気を付けないと
「な、何と!」
足音も荒く、駆け付けたヴァンパイアノーブルは、市街の破壊の光景に怒り心頭の表情。
「余のサンクトペテルブルクを……よくも!」
(「迎撃部隊を率いてるって事は……アヴァタール級、だよね?」)
その割には偉そうだと、マティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)は思う。
「随分と早いお出ましで」
恰幅良いヴァンパイアノーブルが掲げるのは――よもやレガリア、帝笏か。引き連れている『黄金騎士団』からして、豪奢な甲冑が威圧感満載だ。だからこそ、少年は反発を覚える。
「生憎ギャラリーはいないけど安心して――盛り上がるのはここから、だから」
敢えて生意気な笑みを浮かべ、慇懃無礼にボウ・アンド・スクレープ。
「名ばかりの貴族様を倒し、革命を成し遂げるための第一幕……当然、踊ってくれるよね?」
「小童が……この『アレクサンドル二世』に逆らう愚かしさ、己が無謀を悔いて死ね!」
居丈高な怒声に応えるように、次々とハルバードを構える黄金騎士団。
(「さて……暫く時間稼ぎ、かな」)
ディアボロスの破壊活動がそれぞれ単身であれば、救援機動力があるとして、仲間の合流まで独力で凌がねばなるまい。
(「頭の方は、挑発に乗ってくれそうだけど」)
複数の敵を相手取る時、厄介なのは密な連携だ。主の権威を示す存在として、暴虐に振舞う彼らは、トループス級と言えど油断は禁物。
「……知ってる? 状況が絶望的なほど、『観客』は盛り上がるんだ」
逸早く、マティアスが異空間から出現させた数多の剣が、敵2体を取り囲む。
「さあ、捕らえたよ。君達は、どんな奇跡を見せてくれる?」
パチリと指を鳴らした瞬間、刃の切先が二点に集束する。一見して、剣刺しのイリュージョン。だが、【ダメージアップ】を重ねた刃の鋭利は、悪戯という名の真実。喩え急所を突けなくとも、重い刺突となった筈。
――――!!
咆哮が轟く。甲冑の隙間から朱を噴き出しながら、黄金騎士団のハルバードが交錯する。
(「ハルバート、それから鉤爪か」)
長柄の間合いを殺すなら、逆に肉薄すれば良い。だが、反撃も二方からであれば、身のこなしはより精密さを求められる。
「どちらを喰らいたくないかで言えば……こっちかな」
判断は瞬時。ライオットシールドを構える側に思い切りよく踏み込む。逆からの斬撃は、この際度外視。
ガキィッ!
踏み込んだ方の鉤爪の軌跡に、小型盾が割り込む。衝撃に腕がビリビリと痺れるも、片方の反撃に専念した結果、総被ダメージを軽減出来たのは必然の幸いであった。
「嗚呼、もう。獣でもあるまいし、うるっさいなぁ」
片身の痛みはおくびにも出さず、あからさまに顔を顰めるマティアス。
「仮にも貴族を名乗るならさ、見てくれ以上に立ち居振る舞いに気を付けないと」
喩え単身対多数であろうと、効率よく各個撃破で敵数を減らしていきたいが……。
(「うん、きついものはきつい……あ」)
黄金甲冑の向こうに、少年は確かにメイドの影を見る――それは、迅速なる僥倖であった。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【コウモリ変身】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
レイラ・イグラーナ
ヴァンパイアノーブルたちの部隊が駆けつけてきたなら破壊活動を止め、戦闘へと移ります
そちらにしてみれば私たちはただの破壊者でしょうね。
ですが、私たちは未来に繋がると信じております。この破壊も……この戦いも。
氷の魔術を仕込んだ針を手に戦闘を行います。
針を投擲し、突き刺さったところから凍り付かせる【既成奉仕・冬】により強固な鎧で身を守ろうとその上から凍てつかせ、黄金騎士団を撃破していきましょう。
【先行率アップ】を積んで、正面きっての戦いでも機先を制し先手を取りやすくしておきます。
また、周囲のまだ無事な建物の側で戦うようにし、敵が無造作に広範囲に黄金色の稲妻を放てば建物も巻き込まれるように立ち回ります。街を破壊してくれても、攻撃を躊躇しても損にはなりません。
敵が上手く稲妻をコントロールできるようでしたら傷を減らすことを重視し、直撃回避に方針変更。
私たちも、ただ破壊を振りまきに来たわけではございません。
貴方がたを討ち、難攻不落のサンクトペテルブルクの戦力を削るのも作戦のうち。お覚悟を。
風が、瓦礫広がる戦場に吹き荒れる。
――痺れる末梢、吹雪く咆哮。回る妖精が終わりを告げる。
孤軍奮闘の少年に駆け寄りながら、氷の魔術を仕込んだ針を投擲するレイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)。僅かでも針が刺されば、魔術発動。如何な黄金鎧で身を守ろうと、その上から凍てつかせていく。
(「そちらにしてみれば……私たちはただの破壊者でしょうね」)
振り返れば、吸血ロマノフ王朝に於いて、ディアボロスは色々なものを壊してきた――そこに、後悔は無い。
(「全て、未来に繋がると信じておりますので。この破壊も……この戦いも」)
新手を認め、凍結を振り払った黄金騎士団らは四方からハルバードを構える。
――――!!
斧刃が纏うのは黄金色の稲妻。敵の肉体を灼き滅ぼすべく、薙ぎ払う!
「……っ!」
身をたわめたレイラがサイドステップする先に、扉が開いたままの家屋。先んじて、周囲の状況は確認している。
(「建物を巻き込んで破壊してくれても、攻撃を躊躇しても、損にはなりません」)
――――!!
だが、敵も然るもの。反撃に放たれた『轟雷波』は「『敵の肉体』を灼き滅ぼす」パラドクスであれば。
ディアボロスのパラドクスとて、己が意に添わぬ『巻き添え』は起こらない。それはクロノヴェーダのパラドクスも同様だろう。
「仕方ありませんね……」
パラドクスの稲妻を、敵が制御しているとなれば……思い切りよく切り替える。幸いにして【反撃アップ】の残留効果のお陰で、幾許かながら敵の攻撃の動きは悟り易い。一転して、攻防を通しての傷を減らす挙動を心掛けるレイラ。
――――!
時に先手を打ち、仲間と照準を合わせ、着実に黄金の壁を排除していく。
「貴様ら、よくも……!」
果たして、配下を討ち果たされたアヴァタール級は、怒髪天を衝かんばかり。
「私たちも、ただ破壊を振りまきに来たわけではございません」
貴方がたを討ち、難攻不落のサンクトペテルブルクの戦力を削るのも作戦の内――わざわざ口にして手の内を明かす程、レイラは敵に優しくない。真っ向からアレクサンドル二世を見据え、銀の針を突き付ける。次いで紡ぐ言葉は、唯の一言。
「――お覚悟を」
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
――瓦礫の山と化した市街地の一角を、ハインツ・ゼーベック(猖獗・g00405)は往く。その静かな足取りは、寧ろ学者然として。
(「強襲作戦結構、焦土戦結構……その戦果が、ディアボロスの勝利に繋がるならば」)
最善手と判断すれば、どんな手段も躊躇なく選ぶ。それが、かつては軍参謀であった彼の神算軍師の信条だ。
――――!!
前方に、戦闘音。この界隈の家屋の破壊の進行度からして、ディアボロスと迎撃部隊の衝突は既に始まっているだろうという推測は、正しかったようだ。
「……ふむ」
如何なる敵であろうと、戦闘に臨むに当たって油断はしない。喩え、今しもトループス級が掃討され、残るはアヴァタール級のみであろうと。
瓦礫の陰、ハインツの周囲に、騎馬兵団が顕れる。
――騎馬は今でも現役だとも。それをお見せしよう。
物量優越、火力優勢、そして、奇襲攻撃――敵の後方に回り込み、騎馬兵団は突撃する。小銃を構える兵士らの馬上立射の弾丸が、クロノヴェーダに浴びせられる。
油断しないからこそ、単体を物量で圧殺せんと。
「ぐ……! これは……召喚の業か」
だが、逆説連鎖戦はパラドクスの応酬であれば、『アレクサンドル二世』の血に濡れた右眼は、すぐさまハインツを捉える。
「なれば、余は『宣告』する」
――只今を以て、兵の召喚、用兵を禁ずる。
「……っ」
肉弾戦は流儀ではない。だからこそ、反撃の防御に様々な『盾』を講じていたが。
(「これは、精神攻撃の類か……」)
ハインツが統率する兵団自体がパラドクスであれば、流石に封殺されるには至らない。だが、『弾圧皇帝』の法令は滞りなく施行され、背いた者に苦痛を齎す。
それでも、ハインツの唇は薄笑みを刷く。
「私にだけ、かまけている暇は無いと思うが」
「何だと?」
初手にのみ有効の奇襲は成った。であれば――後は、真打に任せても良いだろう。
(「援護射撃の労は惜しまないがね」)
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
マティアス・シュトローマー
さて、残るはそこの皇帝陛下だけ
配下と同じ見掛け倒し、なんて事は無いといいなー
敵はノリの良さそうな(挑発に乗ってくれそうな)相手とはいえ、あの黄金騎士団を率いていたアヴァタール級。仲間と合流し、連携出来るのは有難い
配下を倒され、怒りを露わにしている今こそ速攻を仕掛けよう
パラドクスを発動。ダッシュで地を駆け【エアライド】を使った宙返りで敵とすれ違い様に肉薄。その瞬間、衝撃波を伴った一撃をお見舞いするよ
狙いは正面にいる仲間と挟撃するための位置につく事
ダメージアップの効果を乗せ、油断せず確実にダメージを与えていく
可能であれば仲間とはアイコンタクト等で同時に攻撃を仕掛け、対応する敵を少しでも錯乱させたいね
蝙蝠は黒い翼と無駄のないスマートな体付きがカッコいいのに
反撃として放たれた蝙蝠はライオットシールドで払い、吸血中のものは銃で撃ち抜く。背中等手が回らない箇所はガードアップの効果を纏う事で受けるダメージの軽減を図ろう
俺達の目指す先にいるのは吸血皇帝ニコライ2世
名ばかりの皇帝陛下にはここで退場願おうか
レイラ・イグラーナ
その名は仮初のもの。
貴方を討てど、人民の……そして私の望みは叶いません。
ですが、ここが革命の終着点でないとしても、この一歩は革命の終着点へと続く一歩です。
針状の細剣「惨禍鬼哭血革針」を抜き、革命家の姿のネメシス形態に。
【天上奉仕・革命】の刺突を中心とした剣術で戦闘を行います。
マティアス様が反対側に着地するのと同時にアレクサンドル二世へと駆けて挟撃しましょう。
堅実に戦い、マティアス様へと注意や反撃の手が向いている隙をついて攻撃を行い、着実にダメージを積み重ねましょう。
こちらに対して血の蝙蝠で反撃を行ってきたなら、急所を狙う者や戦闘の邪魔になるもの、こちらの血を吸い巨大化し厄介になったもののみを打ち払い、他は無視をしてアレクサンドル二世へ攻撃することを重視。
他者の血肉でその身を肥やすのは貴方たちらしいといえばらしいのでしょうね。
私たちは貴方を食らい強くなることはございません。ですが、己と仲間が傷つき、血が流れれば……革命はより激しいものとなる!
血を流すことで強化されたパラドクスで貫きます。
『アレクサンドル二世』の気が逸れた瞬間、マティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)は駆ける。
――Leck mich am Arsch!
跳躍、更に宙を蹴って飛距離を伸ばす。敵とのすれ違い様、鋼鉄の籠手を振い、衝撃波を巻き起こす。
「……なんてね」
吹っ飛べと嘯きながら、重い手応えに苦笑する。
(「恰幅いいもんなぁ、このヒト」)
「余、とか言っちゃってさ。配下と同じ見掛け倒し、とか無いといいなー」
少年の生意気な口調に案の定、『ノリのいい』敵は憤怒の形相で、赤い蝙蝠の群れを喚ぶ。
「わぁ、ずるっこい。『兵』じゃなきゃ召喚していいんだ」
「黙れ、小僧!」
アレクサンドル二世の意に従い、粛清の蝙蝠がマティアスを襲う。咄嗟にライオットシールドで払うも、蝙蝠共はヒラリと躱し喰らい付く。
「……蝙蝠ってさ。黒い翼とか無駄のないスマートな体付きとかがカッコいいのに」
マティアスの血肉を得た蝙蝠の巨大化を目の当たりにして、思わずげんなりとぼやいた。尤も、対応するならば、逆説連鎖戦の度に顕在する『パラドクス』そのものより、操り手であるクロノヴェーダ自体を叩く方がよっぽど早い。
幸いにして、【ダメージアップ】の積み上げはそれなりに。速攻で畳み掛けんと、マティアスは再度、文字通りの鋼の拳を振り上げる。
――――!!
あたかも、壁を突き破るように。立ちはだかるもの全てを打ち払う、嵐のような一撃を。
「『俺達』の目指す先にいるのは、吸血皇帝ニコライ2世」
刹那、マティアスの視線が逸れる。アレクサンドル二世の、肩越しに。
「名ばかりの皇帝陛下には、ここで退場願おうか」
「何たる不敬――!」
息巻くアレクサンドル二世の背後に、刺突が奔る。
「ガァッ!?」
「アレクサンドル二世……その名は仮初のもの」
狙い澄まして針状の細剣を突き立て、レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)は囁く。
「貴方を討てど、人民の……そして私の望みは叶いません」
これまでのマティアスの動きは、ひとえにレイラとの挟撃態勢を整える為。
「この戦いは、革命の終着点ではない。けれど……革命の終着点へと続く一歩となるでしょう」
「革命、だと……」
ネメシスと化したレイラの姿は、正しく革命家のそれであれば。反体制派に暗殺された皇帝を名乗るヴァンパイアノーブルの憎悪も宜なるかな。
――――!!
反抗には粛清を。血色の蝙蝠が群れを成す。
「他者の血肉でその身を肥やす……この蝙蝠は、貴方たちらしいといえばらしいのでしょうね」
粛清の蝙蝠は敵の血を吸い、肉を食いちぎる事で巨大化し、その力を増していく。だが、レイラは基本、アレクサンドル二世への攻撃を優先する。
「私自身は吸血鬼ですが……貴方を食らって強くなることはございません。ですが、己と仲間が傷つき、血が流れれば……革命はより激しいものとなる!」
同胞の血こそが、革命の刃を研ぎ澄ます――革命とは、血によって始まり、血によって成され、血によって終わるものだから。
「俺の拳も、忘れて貰っちゃ困るけど!」
とある盗賊騎士の戯曲から着想を得た技だ。それを、正義の鉄拳とは言うまい。だからこそ、マティアスはわざと荒くれを誇示する言い草で、鋼の籠手を叩きつける。
ウ、グアアァッ!
騎馬兵団が突撃し、刺突と打撃が交錯する度、紅の蝙蝠が群れを散る。殺到するパラドクスの激しさに、クロノヴェーダは堪え切れず絶叫するが――まだ、斃れない。
(「もう一手、足りませんか……」)
堅実に戦い、着実にダメージを積み重ね――それでもまだ、仕留めきれぬもどかしさに、レイラは柳眉を寄せる。
作戦は完遂してこそ。忸怩たる思いを堪え、サンクトペテルブルクの人々の生活を破壊した意義を無に帰さない為にも――迎撃部隊は、削り切ってしまわねばならない。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【エアライド】LV1が発生!
【傀儡】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV2になった!
オイフェ・スタンフィールド
もう、なんで眠ってくれないんでしょうねぇ・・・・もうすぐなんですよ?皇帝追放まで
私も眠いですから貴方もいい加減に寝てください!
眠いからこそ出し惜しみはしませんよぉ。たかが知れていますからねぇ・・・・
命令なんて聞きませんよぉ。貴方は主ではありませんからぁ、皇帝ですけど遠慮はしませんよ。
早口なので高速詠唱から撃ちまくって本格的に命令される前に仕留めますねぇ。
消えてとにかく消えてください!相手が尊大に格好つけているうちに消し飛ばしますよぉ!
死後の命令は届くでしょうけどそんなのには耐えちゃいますよ。
私はさっさと眠りたいので・・やらなきゃいけないお仕事たくさんありますし。
崩れ掛けた屋根の上――オイフェ・スタンフィールド(ヒルコのミスティックウィッチ・g11034)は、忌々しく眉根を寄せる。
「もう、なんで眠ってくれないんでしょうねぇ……」
もうすぐの筈だ、断片の王追放まで。なのに、アヴァタール級の『皇帝』の方は、まだしぶとく立っている。
重い瞼で瞬き、眠い目を擦りながら、魔法の箒に跨るオイフェ。
「私も眠いのですから……貴方もいい加減に寝てください!」
勢いよく蹴った屋根の破片が地面に墜ちると同時、オイフェは飛び出す――アレクサンドル二世の、頭上に。
「出し惜しみはしませんよぉ!」
長い青髪が翻る。詠唱ももどかしく、魔力の雨を降らせる。元より、ディボロスとしては3度目の実戦。吸血ロマノフ王朝では初陣であれば、出し惜しみの余裕などない。
「!?」
咄嗟に帝笏を翳す、アレクサンドル二世の右眼がぬらりと輝く。
――我が頭上を飛ぶ不敬、赦されざる大罪也。
「命令なんて聞きませんよぉ。貴方は主では……あぐっ!?」
逆説連鎖戦はパラドクスの応酬だ。オイフェの『ウィッチスターダスト』がパラドクスであるならば、敵の『弾圧皇帝』たる姿も又。そして、パラドクスは基本、必ず命中する。強気を口にしたオイフェだが、容赦ない苦痛に箒の上から転げ落ちないでいるのが精一杯だ。
だが、敵の注意が頭上に向いた――それこそが致命的。
――――!!
地上を奔るパラドクスが幾筋も、ヴァンパイアノーブルに集中する。
グアァァァッ!
「消えて……とにかく消えてください!」
仰け反るその姿に、オイフェもダメ押しを浴びせ掛ける。
「貴方如きに、時間なんて掛けてられないのです……!」
最後に身を貫いた苦痛を耐えきり、荒く息を吐きながら小さな肩を上下させる。
――いつまでも、敵地の只中で宙に在っては、格好の的になる。
迎撃部隊の完全な沈黙を確認して、オイフェは取り急ぎ地上に降りる。
「よし、撤収ね……まだまだ、やらなきゃいけないお仕事はたくさんありますし」
何より、少しでも睡眠時間を確保する為にも――周囲を促したオイフェは、潔く身を翻した。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【飛翔】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV2になった!