リプレイ
リズ・オブザレイク
マヨルカ島について調べてきたんですけれど、オリーブやブドウ以外にもオレンジが名産らしいんです。
オレンジを手で絞った数のギネス記録もあるとかで、現地のオレンジを使ったオレンジジュース屋はどうでしょう!
レモンを絞ったレモネード売りがポピュラーなバイトになる子がいる国もあるらしいですし、大丈夫ですよね?
許可がとれたら市場でたくさんオレンジを買ってきて『無双馬』ユニコーンに引かせて海の家のスペースまで持ってきます。
手で絞るオレンジの水滴が飛んでもいいように水着に着替えて……と。
さぁいらっしゃい、マヨルカ島の名産オレンジを使ったフレッシュなオレンジジュースですよ。
僕が絞ったら1杯これだけですが、なんとイベント開催中!
お客様自身が絞ったオレンジジュースは半額になります!
時間内に絞れた数だけお持ち帰りできるので、我こそは力自慢という方やオレンジジュースが大好きな方は挑戦してみてください!
これで楽しんで貰えるといいな。
……パラドクスを持っていたって、普通の人と変わりないって知って貰えたらもっと嬉しいな。
シル・ウィンディア
遊里さん(g00512)と一緒に海の家を用意するよっ!
ふぁぁ、綺麗な海だね~。水着コンテストをするにはもってこいな感じだね。
…とりあえず、人を集めるために頑張らないとね。
アイテムポケットには、かき氷に使う削り機やシロップ、練乳を用意。
到着したら、海の家を開店ッ!
焼きそば、お好み焼き、イカの姿焼き…。
冷たいものは、かき氷を用意。シロップや練乳はかけ放題♪
さて、程よい時間になったら、一旦離脱して衣装チェンジ。
青のツーピースの水着+白のミニスカート風パレオを付けて、海のアイドルに変身ですっ!
マジカル・アリア・デバイスとエレキギターをセットして…。
さぁ、ここからミニライブっ♪
この太陽よりも熱くなるようにっ!楽しんでいこうねーっ♪
曲はアップテンポで陽気な感じの歌で行くよ。
遊里さん、緊張しなくても大丈夫だから。
努力は裏切らないからね。それじゃ、二人で行くよっ♪
演奏を開始して歌い始めるよ。
盛り上がり始めたら、観客の人達に向って合いの手を求めるよ。
最後は遊里さんとハイタッチで締めるよっ♪
おつかれさまっ!
飛鳥・遊里
シル(g01415)と一緒に海へGOだ
青い海、白い雲、熱い砂浜…これぞ夏て感じだな
と、まずは海の家の準備だな。シルも色々持ち込んで来てくれたけど
俺の方はちょっと別件の用意だ
そう…今日は海辺のゲリラミニライブ…その舞台を組み上げるという仕事があるのだ
ライブに使った後は水着コンテストに流用してもいいし、一石二鳥だ
海の家の設営も手伝いつつ、舞台を組み上げたら、ライブ用衣装に着替えていざ出陣!
…なあシル、この服変じゃないかな?アイドルの服ってのがよくわかんなかったから、
有名なアイドルグループの服をできる限り真似てみたんだけど…
いや…今日はシルと一緒に舞台に上がることにこそ価値があるんだ。この日のために
歌もダンスも楽器の演奏も、必死の思いで練習してきたんだから
どんなにぎこちなくとも、最後までやり遂げて、最後に笑顔のハイタッチを決めて〆る!
ギターを持ち、観客の視線を受け、俺の最高の相棒とともに、鮮烈のデビューを飾ろう
この夏の思い出が決して消えることのないように、世界の全てに俺たちを刻もう!
●ディアボロスの海の家
「青い海、白い雲、熱い砂浜……これぞ夏って感じだな」
真夏のマヨルカ島、その砂浜で飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)は静かに物思いに耽る……まるでこの後の祭りに備えるかのように。
その隣には、青く長い髪を白いサマードレスに流したシル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)の姿があった。
「ふぁぁ、綺麗な海だね~。水着コンテストをするにはもってこいな感じだね。でも……とりあえず、人を集めるために頑張らないとね」
そう言って振り返ると、そこには無双馬のユニコーンにオレンジが山のように積み上げられた箱を曳かせるリズ・オブザレイク(人間の妖精騎士・g00035)の姿があった。
「シルさん、遊里さん! マヨルカ島について調べてきたんですけれど、オリーブやブドウ以外にもオレンジが名産らしいんです。オレンジを手で絞った数のギネス記録もあるとかで……現地のオレンジを使ったオレンジジュース屋はどうでしょう!」
そう声を掛けるリズに、ナイスアイディアとシルは喜びの声を上げる。
「みんな、それじゃ……海の家を開店だよッ!」
オーっと言う掛け声で、三人は海の家へと向かう。
まずシルが用意したのは、アイテムポケットのパラドクス効果で収納してきたかき氷機や各種シロップ、それに練乳……動きやすいように水着の上にTシャツを羽織り、髪の毛をシュシュでポニーテールに纏めて店先に立つ。
「みなさーん! ジャパニーズソウルフード、焼きそば! お好み焼き! イカの姿焼きだよっ!!」
そう言って焼き台からソースの香ばしい匂いが漂い始めると……訪れたヨーロッパの観光客はなんだなんだと集まって来る。
幸い、ディアボロスはその能力で現地の言葉を理解し読み書き出来る。イタリア語、英語、フランス語、ドイツ語……と様々な言葉が飛び交うが、シルはそれをすべて母国語で理解し、自動的に翻訳され話せるのだ。
「これは何だね?」
「焼きそばです、ソースを掛けたヌードルを肉や野菜と一緒に焼いた物です。美味しいですよ!」
「オッー、デリシャス!!」
……こんな感じに、跳ねるソースの熱さにも負けずシルは屋台を盛り上げる。
「冷たい物はあるかい?」
「かき氷がありますよ! 今削りますね、シロップはかけ放題ですよ!」
そう言って巨大なかき氷機をグルグル回し、氷を削っていくシル。
差し出されたかき氷にシロップをたっぷりと掛けた観光客は、シャリシャリとした氷の食感と、冷やされて脳がキーンと来る感覚を楽しむのであった。
一方、可愛い水着に着替えたリズはと言うと、沢山のオレンジと観客に囲まれ少し照れくさそうに声を上げる。
「さぁいらっしゃい! マヨルカ島の名産、オレンジを使ったフレッシュなオレンジジュースですよ!」
そう声を張り上げるリズに、心配そうに観光客が声を掛ける。
「君が絞ってくれるのかね? その……小さいが、大丈夫かね?」
「大丈夫です、見ててください!」
そう言って、リズはぎゅーっと手にしたオレンジを絞り、フレッシュなジュースをグラスに注ぐ。
「ふう……僕が絞ったら一杯これだけですが、なんとイベント開催期間中はお客様自身が絞ったオレンジジュースは半額になります!」
小柄で細身の身体……まだ十二歳の彼から信じられない量のオレンジジュースが絞られ、観客たちが驚きの声が上がる。
そんな歓声に照れつつも、リズは続けて告げる。
「時間内に絞れた数だけお持ち帰りできます! 我こそは力自慢という方や、オレンジジュースが大好きな方は挑戦してみてください!」
その言葉に、観客たちは顔を見合わせて腕を捲る。
小柄な少女にしか見えない少年が出来たのだから、自分たちならもっと絞れると言う力自慢たち。
そしてオレンジジュースな大好きな女の子たちグループは、キャッキャウフフとはしゃいでいる。
「ふんっ……! どうだディアボロスさん、俺の方が絞れただろ?」
「うーん、堅いよぉ……絞ってー!」
次々と来る来客に右へ左へ大忙しのリズ。中には美少年が絞ったジュースが飲みたいと言うマダムなお客様も。
「ふふふ、美味しいの、絞って頂戴ね?」
怪しげな笑顔にも無邪気に対応するリズに、毒気を抜かれたマダムたちはジュースを楽しむ。
「あーっ、若返る気がするわ、もう一杯!」
「はーい、ただいま参ります! お姉さんたち、貸して下さい。それっ!」
硬くて絞れなかった女の子グループのオレンジを次々とジュースにしていくリズ。
キャーっと黄色い歓声があがり、少し照れながら次のお客へと向かう。
リズのオレンジジュース屋さんは、彼の目論見通りマヨルカ島へ来た人たちに楽しんで貰えたのであった。
「さて、舞台の準備は整ったな……なぁシル。この服、変じゃないかな? アイドルの服ってのがよくわかんなかったから、有名なアイドルグループの服をできる限り真似てみたんだけど」
「大丈夫だよ遊里さん。とっても似合ってる!」
世界的に有名なアイドルグループの衣装を真似た遊里は、ギターを抱えステージ裏で緊張を隠せない。
簡易的なカーテンで作った仕切りの向こうでは、シルが水着を海の家モードから、青のツーピース水着に白のミニスカート風パレオを巻いて、海のアイドル衣装へと着替えながらそう声を掛ける。
本当かよとチラ、チラっとシルの方を見ていると、バサッとカーテンが開き彼女が出て来る。
「さぁ、ここからミニライブっ♪ この太陽よりも熱くなるようにっ!楽しんでいこうねーっ♪」
海の家の横に設けられた簡易ステージ。そこから突然アップテンポで陽気な感じの曲が流れる。
「遊里さん、緊張しなくても大丈夫だから。努力は裏切らないからね。それじゃ、二人で行くよっ♪」
「(そうだ……今日はシルと一緒に舞台に上がることにこそ価値があるんだ。この日のために歌もダンスも楽器の演奏も、必死の思いで練習してきたんだから、どんなにぎこちなくとも最後までやり遂げて、最後に笑顔のハイタッチを決めて〆る!)」
シルが遊里の背中をポンと叩く。彼も決意が固まったのか、シルと一緒に最初の一歩を踏み出す……アイドルとして、彼女の隣に並び立つための第一歩を。
「俺の!」
「私の!」
「「メロディを胸に刻めえーっ!!」」
そう同時に叫んだ遊里とシルは思いっきり歌い出す。歌いながら掻き鳴らすギターのコードを間違えても気にしない。遊里は今、最高の観客の視線を受け、彼の最高の相棒とともに、最高で鮮烈なデビューを飾ったのだ。
「シル! この夏の思い出が決して消えることのないように、世界の全てに俺たちを刻もう!」
「うん! さあみんな、手拍子カモーン!」
遊里の言葉にシルが頷くと、観客にマイクを向け煽る……いつの間にか溢れるぐらいに集まっていたオーディエンスは、乗りに乗った二人に手拍子を送る。
そして初めてのステージを歌い切った遊里は、シルに向かい手を高く上げる。
彼女はそれに届けと高く飛び、二人のハイタッチでステージの幕は下りる。
「……ダイブ、しなくて良かったの?」
「俺のシルがもみくちゃにされるのはダメです!」
ステージを降りた遊里に、スポーツドリンクを飲みながらシルが聞く。
ライブと言えば観客席へのダイブ。折角のデビューなのにしなくて良かったの? との問いに、彼女が大切なのでダメですと生真面目に返す遊里なのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【修復加速】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
イツカ・ユメ
古安くん(g02347)と一緒にバカンスだよ。
有名人の熱愛発覚!的なゴシップは、今までは見る側だったけれども……まさかパパラッチされる側になるとはびっくりだよ!
キット、サングラス掛けとく?
クルーザーでセレブな休日、いいね♪
乗り込む時は転ばないように、古安くんにエスコートをお願いしたいな。
…ディアボロスだって、普通の女の子だもの。好きな人には甘えたいのだよ。
海に出たなら、パラソルの下で優雅に寛いでセレブ感を出すね。
まずはワイン…じゃなくて、葡萄ジュースで乾杯♪
ゴージャスなフルーツポンチも美味しく頂くのだよ。
ふふ、中身をくり抜いてそのまま器にしちゃうなんて、おしゃれだよね……こらキット、黄色いスイカばっかり食べないの!
古安くんも食べてる?甘くて美味しいよ。はい、あーん♪
あとはサンオイル塗り合ったりして仲良しアピールもしちゃう?
古安くんには、戦争の時にもたくさん守ってもらっているから、感謝の気持ちを込めて、丁寧に。いつもありがと、ね。
…塗ったり塗られたりで、ちょっとだけ、ドキドキしたのは内緒。
九重・古安
イツカ(g02834)と一緒に。
パパラッチ前提のバカンスというのも不思議なものだな。
有名人の日常というのは見ていて盛り上がるものなのだろうか。
セレブな夏休みなら余裕のある休日感がある方が良さそうだな。ここは一つ、クルーザーを借りて海の上でのんびりとしてみるか。
パラソルの下で優雅に冷えたドリンクやスイーツを頂くというのも乙なものだ。もちろん、エスコートは任されよう。
実のところ一度やってみたかったことがあってな。大きめな果物を半分に切って器代わりにするあれだ。
普段なら中々踏み込めないところだが、セレブな今なら許されるはず!
というわけで、くりぬいたメロンに果肉とシロップと、キットのリクエストの黄色い西瓜を詰めたフルーツポンチだ。
見られている中でやるのは中々勇気がいるが……あーん。
一息ついたらサンオイルなど塗ったり塗って貰ったり。
……もちろん見られているというのは忘れていないぞ。
だがしかし、これは日焼け対策であってやましいことなど何もなし。
優しく丁寧に、労わりの気持ちを込めて、だ。
●パパラッチ・バカンス!
マヨルカ島の波止場……何隻もの豪華なクルーザーが停泊しているなか、一隻のクルーザーへ向かう二人のディアボロスが居た。
「有名人の熱愛発覚! 的なゴシップは今までは見る側だったけれども……まさかパパラッチされる側になるとはびっくりだよ!」
「有名人の日常というのは、見ていて盛り上がるものなのだろうか?」
そう囁くのは、イツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)と九重・古安(巻き戻り路逸れる針・g02347)……背後からパパラッチの視線を感じる二人はどうも落ち着かない。
「キット、サングラス掛けとく?」
ユメはサーバントであるモーラット・コミュの『キット』にサングラスを掛けさせる……これで少しは落ち着くかも知れないと彼女は思う。
とりあえず、セレブな休日を過ごしてみようと古安はクルーザーに足を掛けると、ユメに向かい手を伸ばす。
「イツカ、手を……」
「ありがとう、古安くん! ……クルーザーでセレブな休日、いいね♪」
古安にエスコートして貰い、クルーザーへと乗り込むユメ……ディアボロスだって普通の女の子。好きな人には甘えたいと思って何が悪い。
そう甘える彼女の姿を、パパラッチはシャッターチャンスとばかりにカメラに収める。
だが恋する女の子は無敵だ。そんな邪まな視線なんて屁でもない。
そうしてクルーザーに乗り込んだ二人は、波止場から外洋へと出港する。
……パパラッチも逃がしてなる物かと水上バイクで追いかけて来るが、クルーザーの上はすっかり二人の世界であった。
「それじゃ、乾杯しようか? 古安くんはアルコールはまだダメだから、葡萄ジュースだよ!」
パラソルの下、ワイングラスに注がれる葡萄ジュースで乾杯を交わすユメと古安。
氷で冷やした濃厚な葡萄ジュースは、ワインにも劣らぬ美味しさ……雰囲気だけで酔ってしまいそうだとユメは思う。
「イツカ、俺……実のところ一度やってみたかったことがあってな。大きめな果物を半分に切って器代わりにするあれだ」
そう言って古安が取り出したのは、大きく育ち熟したメロン。それにスイカを始めとするフルーツが沢山。
「普段なら中々踏み込めないところだが……セレブな今なら許されるはず!」
まな板の上にフルーツを並べると、古安はまず包丁でメロンを二つに割る。そして中をスプーンで丸くくりぬき、カットしたフルーツとシロップを盛り付ける。
「キットが黄色いスイカはあるかって聞いてるんだよ?」
「勿論入れてある。リクエストには応えないとだからな」
その声に、ユメの膝の上でキットは喜びのダンスを踊る。そんな姿に苦笑しながら、古安はユメと自分の前のテーブルに超豪華なフルーツポンチを差し出した。
「ふふ、中身をくり抜いてそのまま器にしちゃうなんて、おしゃれだよね……こらキット、黄色いスイカばっかり食べないの!」
さっそくフルーツポンチに夢中なキットを叱りながら、二人でスプーンを動かす。
パパラッチが近寄って来た気配を感じたユメは、古安に目配せをしながら彼に向かってフルーツを乗せたスプーンを向ける。
「古安くんもちゃんと食べてる? 甘くて美味しいよ。はい、あーん♪」
「見られている中でやるのは中々勇気がいるが……あーん」
パシャパシャパシャパシャ、そうシャッターが連続で切られる音が聞こえた気がした。
だが敵意のない者にいちいち反応するほど暇ではない。今は彼女との時間が大切だと古安はお返しにユメに対しあーんをする。
一息付いた二人は、クルーザーのテラスにマットを敷くとサンオイルを取り出す。
「仲良しアピールなら、これだよね?」
「そうだな、サンオイルは日焼け対策であってやましいことなど何もない」
「それじゃ、横になれー!」
ユメにそう言われマットへ転がされる古安。その背中にサンオイルが塗りたくられる。
「(古安くんには、戦争の時にもたくさん守ってもらっているから、感謝の気持ちを込めて、丁寧に)」
ユメの優しい手付きでしっかりと塗られるサンオイルに、夢見心地になる古安。
「……いつもありがと、ね」
「ん? 何か言ったか?」
「なーんにも、さぁ交代交代!」
パシンと逞しい背中を叩いたユメに、古安は身体を起こし現実へと返る。
そして彼女にも優しく丁寧に、労わりの気持ちを込めて古安はサンオイルを塗るのであった。
後日、ゴシップ誌にクルーザーでのユメと古安の記事が載る。
手を取りクルーザーに乗り込む二人。仲良くあーんとしながらフルーツポンチを食べる姿。そして仲睦まじくサンオイルを塗り合う二人……ディアボロスもパパラッチされるんだな、仲睦まじくて素敵だな、と一部の人々の話題に上ったのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【水中適応】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
陳・桂菓
釣りか。
山岳地域の出身ゆえ、海釣りの経験は全くないな。川釣りや川海老漁やらの経験はあるのだが。
ま、何とかなるだろう。
まずは、頑丈第一の釣り竿、釣り糸を用意してもらおう。取り敢えず大物を狙うのであれば、大物の重量に耐えうる道具を使わないことには話になるまい。
餌は……海老で鯛を釣るなんて言葉もあるし、海老ないしザリガニあたりを使うか。
そして、ボートを借りて海へとこぎ出し、釣りを開始。
あとは、木石のごとくに気配を消し、ひたすら竿に反応があるのを待つばかり。餌をどう動かしたら魚を誘えるといった細かい技術はないからな。愚直なやり方を採るしかない。
まあ、うまくいくかどうかは運任せの風任せ、波任せさ。
仮に大物が釣れなかったとして、空気感を楽しむことは出来よう。その場合、バズる動画にはならんかもしれんが……まあ、そこは勘弁してもらう。
逆に大物が掛かったとして、釣り上げられるかどうか? パラドクスが使えんといって、普段もっとシビアな呼吸での戦いを強いられているのだ。釣り上げそびれるということもなかろうよ。
●バズれ、魚釣り大会!
マヨルカ島の海岸。陳・桂菓(如蚩尤・g02534)は、用意して貰った鯨でも釣れると言う頑丈な釣り竿と釣り糸を片手にポイントを探す。
「釣りか。山岳地域の出身ゆえ、海釣りの経験は全くないな。川釣りや川海老漁やらの経験はあるのだが……ま、何とかなるだろう」
向けられたアクションカメラにそう告げた彼女は、ボートに飛び乗ると沖へと出る。
そこでは同じように釣り糸を伸ばす一般の参加者たちの姿があった。
「餌は……海老で鯛を釣るなんて言葉もあるし、海老を使おう。名物のロブスターだ」
餌の用意をする桂菓の手元をカメラはアップで押さえる。
「あとは、木石の如く気配を消して……」
その瞬間、カメラに映る桂菓の姿が一瞬かき消えたように見え、画面の向こうに居る視聴者から驚きの声が上がる。
勿論、彼女はちゃんとカメラの前に居て釣り竿を垂らしているのだが、あまりの気配の断絶さに画面からも消えたように見えたのだ。
流石はディアボロス、と言ったコメントが流れるなか、桂菓は釣り針に意識を集中させる。
「まあ、うまくいくかどうかは運任せの風任せ、波任せさ」
カメラに向かい桂菓がそう告げた直後……竿が大きくしなる。
「これは……大物だ、釣り上げられるかどうか?」
リールが激しく巻かれ、魚とのバトルが始まる。呼吸を読み、動きを読み、竿を引き、時には泳がせ……少しずつ手元に引き寄せていく。
「パラドクスが使えんといって、普段もっとシビアな呼吸での戦いを強いられているのだ。釣り上げそびれるということもなかろうよ!」
この大会は公平を期すため、ディアボロスはパラドクスの使用を禁じられている……それこそ【怪力無双】が使えれば、逃げる魚の抵抗など虚しく釣り上げられることだろう。
だが、それでは面白くない。正々堂々と勝負してこそディアボロス。一般人と競うなら、ルールに則り戦うのだ。
そして……視聴者が見守るなか、桂菓は呼吸を読みきり巨大魚を釣り上げる。
何位だったかは問題ではない。釣り上げたことが勝利なのだ。コメント欄にはナイスフィッシュ、の文字が世界中の言語で書かれたのであった。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【一刀両断】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!