リプレイ
クレイム・ケンディル
「どうしよう……アレでアタシよりも賢いんでしょうか?ホント、どうしよう……」
【戦闘】
戦闘中は常に敵群を挑発し続け敵の攻撃を耐えて、時間稼ぎを狙います。
最初に『跳び蹴り』で敵の真正面から攻撃を仕掛けます。攻撃の直後は即座に敵から距離を取って、攻撃した敵を誘き出します。
敵の反撃は、腕や脚で受けて流すか、受けて耐え忍ぶかしてやり過ごします。
敵の反撃が終わったあとは、敵の側面にダッシュで移動してそこから再び『跳び蹴り』で攻撃して、同様に敵の反撃を耐え凌いでいきます。
あと一撃で倒せそうな敵がいれば優先して狙って倒します。誘き出した敵がいなくなったら再度真正面から攻撃を仕掛けます。
可能であれば、他の参加者の方への攻撃をダッシュして庇いに行き、敵の得物を掴んで隙をつくるようにします。
「とりあえず!やろうってのならなんぼでも蹴っ飛ばしてやりますよ!!」
撤退時、必要であれば殿となって敵を食い止めて時間稼ぎをしながら自分も撤退します。
一ノ瀬・綾音
うーん、亜人が好色なのはわかるけど、その中でもさらに好色と来たか……
こういうのって、なんか色気とかある方が狙われるイメージあるけど、綾音ちゃんみたいなちっこいJKでも需要あるのかな……
これで襲われないとなるとそれはそれで少し寂しさがあるかも(?)
とりあえず女として狙われる前提で作戦を立てるか。
数名ほどの溜まってそうな奴らの前に立って少し休憩とばかりに隙をあえて見せる。
そこから飛んでくるのを狙って綺羅星の星光や他の仲間の攻撃の射程位置に誘導していくよ。そう、あえて女性として狙われることで敵を誘引する役割だ。あるいは誘引まではいかなくとも相手を油断させるようなことはできそうだね。
あ、隙は見せるけど過度にアレな事はしないよ。綾音ちゃん彼氏いるし……むしろこれ言ったら相手テンション下がってそれも隙を作れるか?
まあいつまでもこんな作戦が通用するかと言うと否だろうし、程よい所で撤退するよ。
また必ず来るからね、その時綾音ちゃんを倒せたら――ふふ、なんてね?
マリオン・タフニネル
※アドリブ、共闘歓迎
【心境】
「ここがイスカンダルでありますか…海も波もない場所は本当に不安を掻き立てるでありますな。」
しっかし、なにあの野蛮なクロノヴェーダは…
さ、さすがに幼女なヒルコまで対象にならないでありますよな…正直キモイ(切実)
【行動】
見た目と行動がアレでありますが、相手はクロノヴェーダ。決して油断も慢心もできなであります。
まずは軽巡級海戦装はこの場で展開。火砲にる射撃で小生らの援護を…。
では軍曹…小生の腕に!!
パラドクス『涙天ノ海嘯』を発動。
大砲と化した軍曹による砲撃を浴びせるであります。
なんか絶対近づきたくないでありますし…。
接近されたらサーベルでバッサリであります。
うん、このサーベル帰ったら破棄して新しいサーベルを発注確定であります。
ある程度の砲撃の効果を確認したら、他のディアボロスと共に撤退。
所詮これはファーストアタック。この地の戦争のただの一幕であります。
…早く帰ってシャワー浴びて寝て存在を忘れたい…。
その軍勢は大気すら揺らめくような熱気を伴っていた。
熱気の大本はトループス級亜人『モンキーモデルメーカーズ』たちである。彼らは禁欲状態にある。
意図してそのような状態にあるわけではない。
「ここがイスカンダルでありますか……海も波もない場所は本当に不安をかきたてるでありますな」
ヒルコであるマリオン・タフニネル(海戦装姫の三佐・g10701)は、その小さな体躯をわずかに震わせた。
眼の前には欲求不満の煮凝りのようなトループス級亜人。
女性の身であれば不安を覚えるのは仕方のないことであろう。
「うーん、亜人が好色なのはわかるけど、その中でもさらに好色と来たか……こういうのって、なんか色気とある方が狙われるイメージあるけど」
「まさか幼女なヒルコまで対象にならないでありますよな……」
一ノ瀬・綾音(色彩に溢れし少女・g00868)はどうなんだろう? と首を傾げる。
亜人たちにも好みというものがあるのかもしれない。
が、今の『モンキーモデルメーカーズ』は、長らく日照りの日々であったのだろう。
欲求の収まった器はカラッカラに乾ききっている。
そこに一滴の水でも落ちれば、瞬く間に吸い込まれていくのは明白であった。
「着やがったッキー! ディアボロスの雌だッキー!」
「タッパが足りねぇッキー! でもそんなの関係ないッキー!」
「早い者勝ちだって『ギガス・ポルピュリオン』様は言ったッキー! なら、一足先に味見するッキー!!」
彼らは一斉にマリオンたちへと襲いかからんと疾駆する。
部隊行動だとか、軍勢の連携だとかまるで考えていない洪水のような突進であった。
「どうしよう……アレでアタシよりも賢いんでしょうか? ホント、どうしよう……」
クレイム・ケンディル(へなちょこおおかみ・g10198)は飛び込んできた『モンキーモデルメーカーズ』たちの姿を見て、不安と忌避の感情が湧き上がる。
「これで襲われないとなるとそれはそれで少し寂しさがあるかも……なんて、心配をしている暇はないようだよね!」
綾音は自分たちが『モンキーモデルメーカーズ』たちの欲求の対象になっていることに怖気を覚える。
背筋を走る嫌悪。
それは当然のことであっただろう。
もとより、女性として狙われることを前提として作戦を立ててきたのだ。
「綾音ちゃんが引き付けるよ!」
「うう、正直キモイであります……ですが!」
「一人だけ危険な目にはさらさないです」
綾音が『モンキーモデルメーカーズ』たちの前に姿を表すのと同時にクレイムもまた敵を挑発するように立ち並ぶ。
その姿に彼らは興奮が最高潮に達しているようだった。
長らくの禁欲。
それによって彼らはまるで抑えが聞いていない。
女性ディアボロスと見れば、襲いかからずにはいられないのだ。
「この光は全ての穢れし存在を消し去る極光――綺羅星の星光(オーバーラン・アステル・ディザスター)!」
放たれる魔力の光線。
その一撃が猪突猛進のように突っ込んできた『モンキーモデルメーカーズ』を真正面から打ち据える。
魔力が生み出す光熱に焼かれながらも、それでお『モンキーモデルメーカーズ』は邁進をやめない。
「オレらの欲求は止まらないッキー!」
「……うわ」
クレイムは勢いよく飛びかかってくる『モンキーモデルメーカーズ』の顔面へと跳び蹴り(トビゲリ)を叩き込む。
膝蹴りの一撃が衝撃波を生み出し、さらに飛びかかってきていた敵を巻き込みながら吹き飛ばす。
「賢さの欠片もないです」
「しゃらくせえッキー! 抵抗すんなッキー!」
組み付こうとしてくる『モンキーモデルメーカーズ』。
伸ばされる手に、ぞわりと背筋が泡立つ。
パラドクスに寄る一撃を受けて尚、止まらない。生命尽きることがなければ、女性を襲わんとする欲求は尽きることはないのだというように迫ってくるのだ。
「綾音ちゃんには彼氏がいるんだから、指一本触れさせないんだからね!」
「知ったことじゃないッキー! そんなもん関係ないッキー!」
綾音は自分に彼氏がいることを叫べがテンションが下がるかも知れないと思ったが、彼らはお構いなしだった。
それ以上に濁流のように迫ってくる『モンキーモデルメーカーズ』たちが厄介であった。
「まったく見た目と行動がアレでありますな。ですが、油断も慢心もできないであります。軍曹!」
その言葉と共にマリオンの腕にサーヴァント、アクアスライム『カリュブディス軍曹』が巻き付き大砲へと変貌する。
展開した海戦装と共に周囲の水分をかき集め、その砲身から涙天ノ海嘯(メイルストローム・ブレーザー)たる砲撃を濁流の如く迫る『モンキーモデルメーカーズ』へと叩き込むのだ。
砲撃を浴びて吹き飛ぶ『モンキーモデルメーカーズ』たちにクレイムの蹴撃が飛ぶ。
「とりあえず! やろうってのなら、なんぼでも蹴っ飛ばしてやりますよ!!」
「うぅ、なんか絶対近づきたくないでありますのに!」
迫る敵をマリオンはサーベルで受け止める。
だらだらと涎をこぼして迫る『モンキーモデルメーカーズ』たちの姿をマリオンはサーベルで薙ぎ払う。
べったりと刀身に涎がこびりつくようだった。
異臭、とも言うべき亜人の唾液。
それにマリオンは顔がひきつる。
「うん、このサーベル、帰ったら破棄して新しいサーベルを発注確定であります」
「ホント、そうした方が良いよ……」
綾音はマリオンの言葉に同意する。
「ああ、所詮これはファーストアタック。この地の戦争のただの一幕であります」
そう言いながらマリオンは砲撃をかいくぐるようにして突進してくる『モンキーモデルメーカーズ』をいなし、早く帰りたいと思った。
あの野卑たる好色な亜人たちの視線。
それをシャワーを浴びて寝て存在を忘れたいと思ったのだ。
「敵勢力への効果は確認したであります。後は後続に任せるであります」
「此方の殿はアタシに任せてください」
「程よいところだね」
「逃げるなッキー!!」
好色なる咆哮。
それを受けて、綾音たちは立ち止まることはなかった。
代わりに彼女は振り返って笑うのだ。
「また必ず来るからね、その時、綾音ちゃんを倒せたら――ふふ、なんてね?」
そんな小悪魔的な笑みを浮かべて、さらなる敵の突出を引き出しながら綾音たちは後続のディアボロスと入れ替わるのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
【ダブル】LV1が発生!
クロエ・アルニティコス
亜人ですからね。
イラン高原で戦った奴らのように、ジェネラル級になれば多少会話ができる者もいますが大半はこんなものです。
下半身で物を考えるような奴らですが、それ故の躊躇のない突破力は脅威です。
敵群の正面【防衛ライン】を敷き、敵の正面突破を強制的に止めた上で、こちらから仕掛けて再度勢いを付けられる前に仕留めましょう。
【スピンクス・オレア】を使用。ギリシャ神話の怪物、スフィンクスを象った植物の怪物を作り出します。
まともに考えられる状態でもないでしょう。スフィンクスの問いかけに答えられなかった者を爪と牙で食らわせ仕留めていきます。
他の復讐者の攻撃で弱った者を狙い、一体ずつ確実に。
反撃の手りゅう弾は守護の赤薔薇の防御結界で物理的な被害を軽減します。
撤退は少し早めを意識し、敵の勢いを止められなくなり、勢いのままに追撃されないよう、こちらがまだ優勢のうちに撤退判断を。
そろそろ頃合いです。手遅れにならないうちに退きましょう
本来ならば今すぐ皆殺しにしたいところですが。
数日後に取っておきましょう。
ジズ・ユルドゥルム
真の雄がどうこうと喚き散らす亜人と戦ったことがあるが、奴らも似たたぐいか。
優れた雄などというものが存在するなら、女が自ら子を産みたいと望みそうなものだが。
そんな経験をした亜人は皆無だろうな。
とはいえ今更亜人に説教を垂れる気は無い。
奴らにつける薬は、「死」だけだ。
「羆嵐」を起動。ジンに大熊へ変身してもらう。
戦闘開始と同時、ジンの大咆哮によって敵の委縮を試みる。
奴らは我々をいい声で啼かせたいらしい。よく聞かせてやろう、ケレイ!
元から頭の鈍い敵が、下半身に血を送って更に阿呆になったのなら
戦闘より「その後」の事で頭が一杯だろう。
戦いに集中しない者が、どれほど我らの爪と刃を凌げるだろうか。
ジンは強靭な爪と牙で敵を裂き、私は斧の斬撃で四肢や首を斬り飛ばす。
敵集団に暴力の嵐を吹かせよう。
反撃は…単純な暴力か。ふふ、悪くない
暴力には暴力だ。殴打攻撃には爪による殴打で対抗しよう。
敵はおそらく間合いも気にせず殺到してくるだろう。
囲まれんように大熊のジンや仲間と連携を取り、継続戦闘が難しくなれば迷わず撤退を。
ピエダド・ロザーノ
いやまあ、ワタシもぜーんぜん正義の味方ってタイプじゃないけど
消費ってねえ…やっぱそれなりにお互いの同意ってか、快楽にはWin-Winが必要じゃない?
こんな奴らを生かしておく選択肢ってのは、ちょっとあり得ないわよねえ
てなわけで、茹だった頭も身体も焼き尽くしてあげましょ
可能なら連携というか、特に女性と組んで助け合い希望かなあ
ワタシの格好は普段通り、肌は出し惜しんで煽る感じ
大事な所を物理的にチラチラと誘って、手榴弾なんて投げさせずに直接襲い掛かってるように誘導するわ
で、ワタシたちの周囲にはマグマを湧出させるわよお
広げすぎず、無理すれば泳いで渡れそうなぐらいの面積の池を作るの
もし迂回や飛び越えを選ばれても、敵の動きを阻害して仲間の攻撃の援護になるでしょ
…誓願によって地中より貴なる御方の威光を現し…粘度低めのサラサラ池に、ドボンとハメちゃうわけ
すべてを熔かす超高温、二度と浮かび上がれず焼けちゃってねえ
本当はマグマは自在に操れるのよね
最後は派手に周囲にぶち撒いて、きっちり撤退できるように支援するわあ
龍胆・茜
アドリブ、共闘歓迎。
「最低すぎて言葉も出ない……」
奪還戦の有利不利に関わらずこいつらはここである程度駆逐しないと。
出来る事なら全員塵にしたい所だけれど多勢に無勢だし本番は今じゃないしね。
「行って」
敵の姿を視界に捉えたら【ブラッドキャルバリー】を発動。
パラドクス発動後に【泥濘の地】で敵の移動速度を出来るだけ下げるよ。
これで少しは仕留めやすくなるかな。
「近付かないで汚らわしい」
【竜胆の髪飾り】を複数の投げナイフに変えてヒット&ウェイで敵を攻撃。
近付きたくないし、近付いて欲しくないからね。
離れて攻撃できるならそれに越した事は無いよ。
「最悪……」
敵から距離を取れなくなったら【【蒼刃】咲夜】に武器を切り替えて対応。
敵からの攻撃は【魔力障壁】で軽減しながらパラドクスを交えて敵を攻撃していくよ。
基本的に深追いはしない。戦況を冷静に判断する様に努めるよ。
連携する場合は仲間の攻撃をサポートする形で動き、撤退する時は周りの仲間と合わせるよ。
生理的嫌悪が酷いけれど決着はここじゃなくて奪還戦の時にね。
「逃げるなッキー! てめーらはオレたちのモンだッキー!!」
トループス級『モンキーモデルメーカーズ』たちは口々に後退するディアボロスたちを追って、大地をけたたましい叫びを上げながら突進してきていた。
戦略も戦術もへったくれもない。
そこに知性は感じられない。
彼らは亜人の中にあってはある程度の知能を有したトループス級であった。
だが、ジェネラル級亜人『ギガス・ポルピュリオン』の好色なる振る舞いによって、この地域の女性全てを消費しつくし、性欲の発散ができなくなっていたのだ。
そこに見目麗しき女性ディアボロスたちが前哨戦を仕掛けてくればどうなるか。
火を見るより明らかであった。
「オンナ、オンナ、オンナだッキー!!」
涎撒き散らし、血走った目は亜人の平均を上回る知能を塗りつぶす。
「真の雄がどうこうとか喚き散らす亜人と戦ったことがあるが、奴らも似た類か」
ジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)は先行したディアボロスたちと入れ替わるようにして、濁流のように殺到する『モンキーモデルメーカーズ』たちを見やる。
嘗て戦った亜人たちとの記憶が蘇る。
彼らは一般人の女性たちを利用して数を増やす。それも恐るべき速度で、だ。
「優れた雄などというものが存在するなら、女が自ら子を産みたいと望みそうなものだが」
「オンナの都合なんぞ知ったことかッキー!!」
迫るはモンキーレンチを振りかぶった敵。
ジズは、仮面の下で息を吐き出すようにして嘲笑する。
無駄だった。
女性というものがどういう感情を持つのかなど説くだけ無駄なのだ。
亜人に説教を垂れるつもりなど毛頭なかった。
「そんな経験をした亜人は皆無だということを忘れていたよ。貴様たちにつける薬は『死』だけだ」
パラドクスに輝くジズの瞳。
羆嵐(クマアラシ)たる暴風が吹き荒れ、鷹のジンが巨大な熊へと変貌し『モンキーモデルメーカーズ』を咆哮で吹き飛ばす。
「しゃらくせえッキー! オンナは黙ってオレたちに使われていればいいんだッキー!」
「最低すぎて言葉もでない……行って」
横合いから龍胆・茜(祈りのペンタス・g10438)の血を媒介しにて発露したパラドクスによって生み出されたブラッドキャバルリーが突進する。
血の槍の一撃が『モンキーモデルメーカーズ』を貫く。
噴出する血潮。
さらに残留効果を手繰り寄せる。
泥濘が生まれ、己たちに迫るであろう大軍勢と一番槍とばかりに突出してきたトループス級たちとを分断する。
移動速度を落とす泥濘は、敵の大軍勢においては焼け石に水であったかもしれない。
だが、これは前哨戦。
此方の戦力を如何に消耗せずに敵を消耗させるかにある。
ならば、敵をわずかな時間でも分断することには意義があるだろう。
茜は冷たい目で『モンキーモデルメーカーズ』たちを見下ろす。いや、見下すというのが正しいだろう。
奪還戦における前哨戦の役割は言うまでもないが、しかし、彼女の心中にあるのは、この場にいる亜人を全て塵にしてやりたいという欲求だけだった。
「亜人ですからね」
茜の心の中を察したのか、クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は、さもありなんと頷く。
イラン高原に存在した亜人のようにジェネラル級になれば多少会話のできる者もいなくはない。
だが、大半の亜人とはこういうものだ。
ただ己の欲求に従うまで。蹂躙とはそういう性質しか発露しない。
「下半身でものを考えるような奴らですが」
「ええ、数と勢いだけは凄まじい。最悪……」
茜はさらに泥濘すら乗り越えてやってくる『モンキーモデルメーカーズ』たちの勢いに辟易していた。
穢らわしい。
茜は心底嫌気が差すよう瞳を細める。瞳に光が失せたようだった。心底侮蔑しているようだった。
「敵の正面突破は、防ぎます」
クロエは残留効果を手繰り寄せ、防衛ラインを前面に敷く。
突進は阻止できてもパラドクスは距離を無意味にする。
故に、クロエは仕掛けられる前に仕留めるとパラドクスを輝かせる。
「種子に宿るは我が敵意、芽吹け『スピンクス・オレア』!」
手にした種子に注ぎ込まれる敵意と魔力。
急成長した種子は植物の怪物となって『モンキーモデルメーカーズ』たちへと立ちふさがる。
問いかける声に『モンキーモデルメーカーズ』たちは、応えられなかった。
振るわれる爪と牙。
そう、平時の『モンキーモデルメーカーズ』であったのならば、その問いかけに応えることもできたかもしれない。だが、今の彼らは禁欲によって欲求が最高潮に達しているのだ。
頭で者を考えることはできない。
「まさに下半身でものを考えているってわけね」
ピエダド・ロザーノ(聖餐を供する者・g03960)は、もたつくようにして仲間たちのパラドクスに足を止める『モンキーモデルメーカーズ』たちを見やる。
「いやまあ、ワタシもぜーんぜん正義の味方ってタイプじゃないけど、消費ってねえ……やっぱりそれなりにお互いの同意ってか、快楽にはWin-Winが必要じゃない?」
とは言え、幾ら快楽のためとはいえ、亜人たちを生かしておく選択肢はピエダドにはない。
「赫々たる熱き血潮(ヒートウェイヴ)は湯だった頭も体も焼き尽くしてあげましょ」
ピエダドのパラドクスは誓願である。
それゆえに彼女を中心とした場は聖域。
地面から噴出するマグマが『モンキーモデルメーカーズ』たちを焼き滅ぼしていく。その熱波は凄まじいものであったし、クロエの生み出した植物の怪物が振り下ろす爪、ジズのジンが変じた大熊の猛攻、さらには茜の血の騎兵たちによって『モンキーモデルメーカーズ』たちは徐々に包囲しようとしていた動きを封じられ始めていた。
言うまでもないが彼らは女性ディアボロスたちを数で囲い、痛めつけた後で己たちの欲求を満たそうとしていたのだ。
性欲にまみれた頭であっても、そのような行動を取れる当たり、亜人の本能と能力はクロエの言う通り油断ならぬものであったのだろう。
「撤退は早めを意識いたしましょう。敵は、やはり本能的に動いていても、此方を囲おうとしています」
本来ならば今すぐに皆殺しにしてやりたい。
クロエはそう思っていた。
茜も同様であったことだろう。彼女たちは基本的に深追いしない方針を取っていた。
あくまで前哨戦。
それを理解することで彼女たちは互いに連携を取り、仲間たちのパラドクスでもって死角を埋めるように戦っていたのだ。
「生理的嫌悪がひどいけれどね」
決着は此処ではない。
奪還戦の時にこそ、と茜は頷く。
「まったく、無理すれば泳げそうな……くらいにマグマを噴出させてあげれば、まあ、なんて……」
ピエダドは己のパラドクスによって生み出したマグマすらも泳いで己に迫ろうとする『モンキーモデルメーカーズ』を見やる。
性欲に支配された頭であっても、肉体に刻まれる火傷の痛みは拭えるものではないだろう。
だが、それでも彼らはピエダドという極上めいた女性を求めて火の海すら越えようとしているのだ。
きっと肌を出し惜しむような衣装すらも、今の彼らにとっては煽情的なのだろう。何としても手に入れたいと手を伸ばす彼らにピエダドは笑む。
「真に貴なる御方の威光は、二度とあなた達を浮かび上がらせることはないでしょう」
浅瀬と思わせたマグマの中に沈んでいく『モンキーモデルメーカーズ』。
その手は最後までピエダドたちディアボロスたちに伸ばされていた。
「本当に汚らわしいわ」
茜の息が漏れる。
瞬間、彼女の頭上に影が落ちる。
見上げた瞬間、彼女は見ただろう。その白き巨体。浮かぶは劣情。
ジェネラル級亜人『ギガス・ポルピュリオン』――!
「オンナ! オンナ! オンナァ!! グハハハッ! ディアボロスのオンナ、確かにいい女だな!」
振るう巨腕は嵐のように凄まじ衝撃となって茜を吹き飛ばす。
彼女の可憐なる着衣が切り裂かれ、その肌が顕になる。
「まさか……」
茜は肌を隠すように腕でかばいながら、血の騎兵を白き巨人『ギガス・ポルピュリオン』へと走らせる。だが、その突撃を振り払いながら、『ギガス・ポルピュリオン』は共に戦うディアボロスたちへと一にも二にもなく劣情を炸裂させるように腕を振るう。
「こいつが『ギガス・ポルピュリオン』……!」
「なんて馬鹿力……いえ、これは!」
「溜め込んだ……禁欲の力だとでも言うのですか、忌々しい」
ピエダドの胸元を暴くような『ギガス・ポルピュリオン』のパラドクス。さらにジズの装束もまた嵐のような圧倒的な衝撃によって巻き上げられ引き裂かれる。
クロエもまた同様であった。
『ギガス・ポルピュリオン』は此方を圧倒できるだけの力を持っている。そして、この一撃で己たちを仕留めきれなかったことを酷く悔やみ、同時に彼女たちのあらわになった肌に更に……。
「ウオオオオッ! たまらねぇ! ディアボロスのオンナァ! この俺が姦るッ! お前たち一人残らずな!!」
猛り狂う。
同時に彼女たちは決断する。
「単純な暴力で私達を屈服させようとするか。ふふ、悪くない、が」
「ごめんなさいね、今は相手にしてあげられないの」
ジズの言葉と共にピエダドのパラドクスが炸裂する。さらにクロエの生み出した植物の怪物が『ギガス・ポルピュリオン』に組み付き、さらなる進撃を阻むのだ。
「邪魔すんじゃあねェェェ!」
怒り狂う暴風の如き力。あの圧倒的な膂力を前にしては、トループス級と戦った消耗を抱えた彼女たちは容易く組み敷かれてしまうだろう。
だからこそディアボロスたちは判断を誤らない。
如何に『ギガス・ポルピュリオン』が女性の不倶戴天の敵であろうとも、倒すべきは今ではないと知っているからだ。
「……本当に下劣」
「その命運、数日後まで預けます」
彼女たちは己たちを狙い現れた『ギガス・ポルピュリオン』に背を向け、即座に撤退する。
その背にどこまで粘つくような、己の獲物だと言わんばかりな好色の視線がこびりつくのを感じながらディアボロスたちは『ギガス・ポルピュリオン』の追撃を躱してパラドクストレインへと駆け込むのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
【おいしくなあれ】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!