【蹂躙戦記イスカンダル奪還戦】猿技術者(?)を削れ!(作者 秋津透)
#蹂躙戦記イスカンダル
#【蹂躙戦記イスカンダル奪還戦】タウリカの略奪王
#蹂躙戦記イスカンダル奪還戦
#⑤スパルトコス2世
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蹂躙戦記イスカンダル、タウリカ(クリミア)半島を支配するジェネラル級亜人『スパルトコス2世』配下の軍団は、ディアボロスとの決戦近しの報に猛り立っていた。
「陛下の話では、まもなく、ディアボロスとの決戦があるってことでオサル」
「生意気なディアボロスどもを殴りつける良い機会でオサル」
「俺達の略奪の邪魔をしやがった、ディアボロスに目にもの見せてやるでオサル」
「ディアボロスを撃退すれば、ディアボロスの領土に攻め込んで、略奪し放題でオサル」
「ウッキー! ウッキー! ウッキッキー!」
トループス級亜人『モンキーモデルメーカーズ』は、かくの如く猛りに猛っていた。どうにも滑稽だが舐めてはいけない。興奮した猿の大群は怖いのだ、たぶん。
「腹が減っては戦ができぬ。喰いながら話を聞いてくれ」
時先案内人の陳・修賢(人間の特級厨師・g03221)が、いつものように手製の饅頭を配りながら告げる。
「知っての通り、蹂躙戦記イスカンダル奪還戦の発生を告げる断層碑文が確認された。新宿駅には、その前哨戦に向かうパラドクストレインが続々と出現している。俺のところに来たのは、タウリカ…現在でいうクリミア半島を支配しているボスポロス王国の君主の名を持つ『パイリサデス1世』…じゃない、その弟の名前を持つジェネラル級亜人『スパルトコス2世』の軍を削るパラドクストレインだ。なぜか宴にうつつを抜かして自己満足している兄貴と違ってこの弟王はなかなかの武闘派で、吸血ロマノフ王朝ディヴィジョンへの侵入を主導していたらしい」
それを、ヴァンパイアノーブルではなくディアボロスが阻止したので、余計な邪魔をしやがってと全軍怒り心頭に発しているようだな、と、修賢は小さく溜息をつく。
「パラドクストレインが到着する場所の近くにいるのは、トループス級亜人『モンキーモデルメーカーズ』の大軍団だ。蹂躙戦記イスカンダルより機械文明が進んでいることが多い他ディヴィジョンの技術を研究するために作り出された先進的技術者たるべき知的亜人らしいが……現状ではしょせん猿の亜人で、良くも悪くも興奮してわやくちゃになっている。策など弄してくることはないだろうが、亜人にしては組織的に行動し、一方で亜人らしく無茶苦茶をしてくる可能性も高い。油断はならないぞ」
そして修賢は、一同を見回して続ける。
「亜人は本来、他のディヴィジョンを侵略蹂躙して、繁殖により戦力を飛躍的に増大させることができる非常に危険な種族だ。それが、蹂躙したディヴィジョンの技術を取り入れて兵器や戦術を向上させようなどとマトモなことを考え始めては、正直、手がつけられなくなる危険性がある。侵略志向の強いジェネラル級の元に、技術性を持つトループス級という組み合わせは、見た目よりもずっと恐ろしい。どうか、皆とパラドクストレインの無事帰還を前提としてではあるが、何とかうまく削ってきてくれ」
リプレイ
九十九・静梨
※連携・アドリブ歓迎
くっ、ただでさえマッスルに定評のある(静梨内調べ)亜人でさらにマッスルブレイン(脳筋)の優れた者たち
これは強敵の気配しかしませんわ!
しかしどんなマッスルブレインであろうとこのマッスルで乗り越え打倒して見せますわ!
奇襲であろうとも真っ向勝負!
敵陣へと一気に突撃
肉体改造(トレーニング)してきた我が筋肉で放つパラドクス!
敵への強打と共に魔力の嵐を引き起こし
その嵐は対象以外にも吹き荒れ吹き飛ばし
布陣を撹乱しますわ!
その隙を他の皆様がつけるよう
筋肉でとにかく大暴れする切り込みがわたくしの役!
反撃には肉弾戦で対応
グラップルの構えから敵の挙動を観察
ダブルガントレットでスパナを防御
または拳や蹴りの強打で迎撃
衝撃波をも起こすその力で威力を弱め軌道を反らし
急所だけは守り抜いて少しでも継戦時間を延ばしますわ
囲まれないようできるだけ移動を心掛け
味方の援護や連携で敵の数を減らすことを留意
戦力を限界まで削れたかジェネラルが出てきたら撤退開始
殿で筋肉やガントレットで追撃を防御するのを引き受けますわ
柳・凛風
なるほど、他の亜人よりは少し頭の良いお猿さんが相手な訳ネ。
ワタシ達も猿の動きを真似て戦ったりするからネ、敬意は持ってるヨ。
まぁそれはアナタ達みたいな猿っぽい姿の亜人の事ではないからネ、遠慮無く殴り合うとしようヨ。
さて、頭が良い割に手近な凶器で殴ってくるとは乱暴な攻撃ネ。
そこはちょっと親近感があるヨ、存分にしばき合うとするネ。
敵の攻撃からは硬気功と扇で身を守りつつ、こっちもその猿面をぶん殴ってやるヨ!
敵は多分格闘技を知らないけど油断は出来ないネ。
単純に腕力が強いって言うのはちょっとやそっとの技術より厄介ヨ。
慎重に防いで行きたいネ。
後は引き時を考えないといけないネ。
気力や集中力が尽きるまで戦う訳にもいかないし……少し余裕を持って離脱したいネ。
逃げながらでも何匹かは倒せるくらいの余力が理想的かしらネ。
さ、気合入れて行くヨ!
一ノ瀬・綾音
余計な邪魔っていうけど……そもそもイスカンダル以外にディアボロスがいる可能性を考えなかったのかな?そういう先入観に囚われてしまっては、進撃なんてきっと夢のまた夢、イスカンダルはきっとそういうところちゃんとしてたんだろうけど……きっとスパルトコス二世とか言うのはその辺考え付かないおバカさんなんだろうね?もしかしたらこのトループス達よりも。いや逆にそんな奴の手下だから君達の方が頭悪いのかなぁ。
と、挑発気味にしたところで戦闘と行こう。相手の挑発に負けてしまうわけにはいかないからね。
いくら手榴弾を飛ばされようと降り注ぐ流星剣で相殺、あるいは弾いてしまえばきっとそれまでだ。万が一こっちに飛んできても多分致命箇所を破竜剣で防ぐだけで足りる……はず!
なるべく孤立した奴を狙っていくよ、オブジェクトの数的優位も狙っていきたいからね。
相手がわらわら集まってきたところで無理せず撤退を。
あ、綾音ちゃん君達の講義に耳傾けるつもりはないんだ。じゃあねー!
伊佐沼・チカ
村々襲って、人を攫って……亜人って奴らは、まるで野伏せりです
チカ、民草ぁ苦しめる悪ぃおさむらいさんを、ぜってぇに許さねぇのです!ここが海のずーっと向こうにある、「いすかんだる」の土地でも、変わりません!
「いすかんだる」なのに、あんの敵さん、天魔武者の鉄砲みてぇな武器を持ってやがるのです
変な奴らですが、猿真似と侮らず、囲まれて蜂の巣にされねぇよう気を付けます
お猿さんが、どわーっと押し寄せて来る速さを、【泥濘の地】をば広げて鈍らせます
これでちびっとでも時間稼ぎしつつ、『神懸・地竜之顎門』で迎え撃つのです!
娘っこが気になって、前ばっかし見てるならきっと、足下はお留守になりがちじゃねえかと思います
だったら、いきなり地面を槍みてぇに盛り上げて、尻から頭までぐっさりと刺し貫いてやるのです!
うぇ、折角鉄砲があるのに、それで殴ってくるのです?
≪天魔鎚『山崩』≫の鎚頭でレンチをば受け止め、得物の重さの差で弾き返して、防ぎましょう
十分に敵さん倒したら、足止めの泥濘を背に逃げるのです
続きはまた今度、なのです!
「くっ、ただでさえマッスルに定評のある亜人で、さらにマッスルブレインの優れた者たち! これは強敵の気配しかしませんわ! しかしどんなマッスルブレインであろうと、このマッスルで乗り越え打倒して見せますわ!」
何と言うか「言葉の意味はよくわからんが凄い決意に違いない」宣言を九十九・静梨(魔闘筋嬢・g01741)が渾身の気合を籠めて言い放つ。更に柳・凛風(柳家風心拳修行者・g04711)が、こちらは比較的軽く、余裕ありげな口調で嘯く。
「なるほど、他の亜人よりは少し頭の良いお猿さんが相手な訳ネ。ワタシ達も猿の動きを真似て戦ったりするからネ、敬意は持ってるヨ。まぁそれはアナタ達みたいな猿っぽい姿の亜人の事ではないからネ、遠慮無く殴り合うとしようヨ」
そう言うと、凛風は静梨とともに、トループス級亜人『モンキーモデルメーカーズ』の大群に向かって疾走する。すると、二人が向かった大群の先頭あたりから、怒涛のような歓声が一斉に湧く。
「ウッキー! 女! 女! 女でオサル! 生きの良い女でオサル!」
女、女、女、と喚きながら、凄まじい数の『モンキーモデルメーカーズ』は静梨と凛風に向かって殺到する。その知性のカケラも見えない挙動を見やって、一ノ瀬・綾音(色彩に溢れし少女・g00868)が呆れた声を出す。
「はあ…余計な邪魔っていうけど……そもそもイスカンダル以外にディアボロスがいる可能性を考えなかったのかな? そういう先入観に囚われてしまっては、進撃なんてきっと夢のまた夢、イスカンダルはきっとそういうところちゃんとしてたんだろうけど……きっとスパルトコス二世とか言うのは、その辺考え付かないおバカさんなんだろうね? もしかしたらこのトループス達よりも。いや逆にそんな奴の手下だから君達の方が頭悪いのかなぁ……あ、聞いちゃいないか…」
一方、伊佐沼・チカ(土興しの鎚・g08514)は厳しい表情で拳を握って言い放つ。
「村々襲って、人を攫って……亜人って奴らは、まるで野伏せりです。チカ、民草ぁ苦しめる悪ぃおさむらいさん…おさるさん?…を、とにかくぜってぇに許さねぇのです! ここが海のずーっと向こうにある「いすかんだる」の土地でも、変わりません!」
そして、綾音とチカは改めて戦況を見る。前進した静梨と凛風は、殺到してくるトループス級の大群と接触。静梨は得たりとばかりにパラドクス「超魔筋技・破怪粉災乱打(アークデーモンアーツ・クラッシュディザスター)」を発動、殺到する『モンキーモデルメーカーズ』どもを当たるを幸いふっ飛ばす。
「九十九家家訓が1つ!『時には容赦なき破壊も必要!』荒れ狂え我が魔の筋肉! 全てを破壊し粉砕する嵐とならん!」
成人男性ボディビルダー並みにバンプアップされた筋肉から魔力の風が吹き荒れて、凄まじいばかりの嵐と化す。巻き込まれたトループス級はひとたまりもなく粉砕されるが、潰れ際に反撃のパラドクス「モンキーレンチで殴る」を発動。イレギュラーではあるが、モンキーレンチに執念のパラドクスを籠めて投擲する。投げられたレンチは、筋肉の嵐に弾かれるものもあるが、嵐を突破し静梨に当たって小ダメージを与えるものもある。
一方凛風は、静梨が起こす嵐に巻き込まれないよう位置取りしながらパラドクス「デストロイスマッシュ」を発動。武器となる扇を振るい、拳撃、蹴撃も交え、襲いかかってくる『モンキーモデルメーカーズ』を文字通り打ち砕く。こちらもとうていトループス級が耐えられるレベルの攻撃ではなく、一撃された『モンキーモデルメーカーズ』はあっけなく即死するが、やはり執念で「モンキーレンチで殴る」を発動。投擲されたり、ちぎれた腕に握られたモンキーレンチが凛風を襲い、いくつかは扇等で弾き飛ばすが、いくつかは当たってダメージとなる。とにかく、相手の数が多いのだ。
「これは…下がって参りましょうか。きりがありませんわ」
「賛成ネ」
一瞬、言葉を交わし、静梨と凛風は戦いながら後退を始める。そして、小賢しい猿知恵か、それとも単なる成り行きか、左右から回り込もうとしてきた『モンキーモデルメーカーズ』の集団をそれぞれ綾音とチカが迎撃する。
「天の星は剣となりて道切り拓かんと降り注ぐ!」
綾音はパラドクス「降り注ぐ流星剣(フリソソグリュウセイケン)」を発動。本来は本人が高く飛翔し剣を降らせるパラドクスだが、大群の前でそんな真似をしたら命取りになりかねないので、そこは我慢。イレギュラーではあるが、剣のみを空中に生成してトループス級の頭上から叩きつける。
「キーッ、キーッ、ウキーッ!」
ぐさぐさと剣に貫かれた『モンキーモデルメーカーズ』は断末魔の猿叫を発して絶命するが、執念で反撃のパラドクス「亜人は頭が悪い…その先入観が命取りだッキー」を発動。死に際に挑発などする余裕があるわけもないので、ただ単純に手榴弾を投げる。どこから誰が天から剣を降らせたのかわからず、滅茶苦茶に投げ上げられた手榴弾は、大半が見当違いの場所で爆発するが、偶然綾音の近くに落ちたものもあり、多少ではあるがダメージを受ける。
一方チカは、自分を中心に【泥濘の地】を発生させた上で、パラドクス「神懸・地竜之顎門(カミガカリ・チリュウノアギト)」を発動する。
「野のかみさま、あんの不届き者を、足元から噛み砕いてやってくだせぇ……なのです!」
「ウキーッ! ウキーッ! グキーッ!」
いきなり足元の地面が鋭い槍のように隆起し『モンキーモデルメーカーズ』をぐさぐさと刺し貫く。多数のトループス級が一瞬で息絶えるが、やはり執念の「モンキーレンチで殴る」を発動。イレギュラーでモンキーレンチを投擲するが、やはりどこの誰が地を隆起させたかわからないので、ただ無茶苦茶にぶん投げることになる。それでも数が多いというのは恐ろしく、いくつかのモンキーレンチがチカに向かって飛び、「天魔鎚『山崩』」で懸命に払ったものの、物理的な固さや重さを無視するパラドクス攻撃のためダメージを被る。
とはいえ、誰も足を止められるほど深刻なダメージを受けなかったが幸い、四人のディアボロスは全員女性であるにもかかわらず、亜人の大集団の追撃を躱し潰してパラドクストレインへと帰還。無事撤収に成功した。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【建造物分解】LV2が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!