リプレイ
ディアナ・レーヴェ
※フード等の服装で種族は誤魔化して動く
最初に予知にあったウェアキャットの男をスラムで探すわ。
見つけたらわざとすれ違い、すれ違いに「臭い!」と一言。
多分逃げようとするからまず腕をつかんで人気ない所に連れ込みつつ、
「しーっ、私も『同業者』よ!掃除係をしてる!…もーっ駄目じゃない、そんな風に匂いプンプンさせて歩いてちゃあ!万一亜人様に場所を突き止められたら、私達の首が皆飛んじゃう…!」
【平穏結界】作動させつつ、そんな切り口から始めるわ!
まずこれが何の匂いか突き止めたい。
自分の嗅覚で頑張るのはもちろんだけど
「アレの匂いを消せそうな奴、持ってたかなー、露店まで買いに行かなきゃ駄目かな――」みたいな流れで「アレ」って何か喋らせられない?
「っていうか、何で全然匂い消えてないの!すぐ近くに『水場』があるんだから、ちゃんと洗ってから帰ってよ!」
と怒るフリのカマかけで場所の検討もつけたいわ。
(この辺の水場は予め調べておく)
…んー、個人的には刃物で脅してもいいんだけど…ま、怪しまれた時の最終手段にしましょうか
その日のオリュンピアは実に天気が良い。頭からフードマントを被ったディアナ・レーヴェ(銀弾全弾雨霰・g05579)の姿もまた、この日差し照り付けるオリュンピアのスラムで特に見咎められる様な事は無かった。
まずは予知にあったウェアキャットの男を捜すディアナ。まずは接触しなければ話にならない。
(「――見つけた」)
薄汚れた格好の男は木のスコップ担いで此方に歩いてくる。
ディアナは平穏結界を展開し、わざとすれ違いながら彼を呼び止めるつもりでいた。切り口は彼が何やら気にしてる彼自身の『におい』。それがヒントに繋がる筈、と自分の嗅覚で突き止める為に。
――が。
「くっさいっ!?」
すれ違い様にディアナは男に向けて告げた。わざでは無い。ガチの臭さに本音全開。平穏結界張ってなかったら周囲から人が集まっていたのではなかろうか。
「え、あ、ご、ごめん……」
当然彼女の声とリアクションに男は驚き、その場から逃げようとするも。ディアナはガシッと彼の腕を掴んで逃がさない。そしてむしろ路地に無理矢理連れ込みながら、口に人差し指立てて告げた。
「しーっ、私も『同業者』よ! 掃除係をしてる」
「あ、そ、そうなのか?」
男はその言葉をすっかり信じた様だ。同業者――と言っても本職の方の事だろう。それは彼が発する強烈な臭いと汚れた服とスコップである程度の想像が付いた。
獣の糞の臭い、そして付着した藁の欠片――家畜厩舎の掃除が本来の彼の仕事か。良くある汚れ仕事の一つ。掃除係と告げたディアナの言葉もそれだと受け取ってくれたのだろう。
「……もーっ駄目じゃない、そんな風に匂いプンプンさせて歩いてちゃあ!」
「いや、どうせ次の厩舎に真っ直ぐ向かうつもりで……」
「万一亜人様に『臭ぇぞコラァ!!』って場所を突き止められたら、私達の首が皆飛んじゃう……!」
「……!! ああ、確かにイチャモン付けられかねないな……」
すまない。と男はショボンとした顔で項垂れた。
「ああ、もう……その臭い消せそうな奴持ってたかなー。露店まで買いに行かなきゃ駄目かな……」
「いや、水で洗えば落ち……」
「じゃあ行こう、すぐ行こう!!」
むしろこの強烈な臭いに鼻が死ぬ。ディアナは男の腕を引っ張り連れて行く。近くの水場は予め調べてある。確か小川があった筈だ。
川に放り込まれたウェアキャットの男はザバザバと己の手足や顔を洗う。それはもう念入りに。
「どれ、臭いは落ちた?」
側に近付いて男の臭いを嗅ぐディアナ。先程の鼻が曲がりそうな獣糞の臭いはもう感じない。
「すぐ近くに水場があるんだから、ちゃんと細々洗って帰ってよ!!」
ディアナが怒る様に告げる間も男は自分の臭いをクンクンと確認する様に嗅いでいる。その様子に何か違和感を感じ、首傾げて彼女は改めて問うてみた。
「っていうか、まだ臭い消えてない様に感じるの?」
「あー、いや、俺の気のせいだとは思うんだけど。……昨日の掃除の後もすぐに此処で身体は洗って来たんだぜ?」
仕事道具のスコップを握り直し、肩を竦めて男は告げた。
「昨日担当した馬小屋、血の跡があって……あ、いや、その、亜人の癇癪で殺されたウェアキャットの同朋のだけどさ。何か身体に臭い残ってる気がずっとしてて。なぁ、残ってない? 大丈夫?」
「――――大丈夫、全然そんな臭いしてないわよ」
ディアナは一瞬考えたあと、ニッコリ笑って安心させるように告げた。
次の厩舎の掃除に向かうか、と礼を述べながら去って行くウェアキャットの青年に手を振って見送りながら、ディアナは彼の言動から一定の推測を導き出したのだった。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【平穏結界】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
ウェアキャットの青年の本来の仕事は、比喩では無しに馬小屋の掃除係。持っていたスコップは馬糞除去や藁の敷き詰めに使うもの。
そして彼が昨日行った馬小屋に例の秘密の入口があるのだろう。本職の同業者も多数いる事を考えると、うっかり見つからない為に朝早くに行って秘密の仕事場――殺し合いの中で血に汚れた迷宮の掃除に向かったのだろう。
だから、彼は己に残った臭いを気にしていた。普段は身体に付く事の無い血の臭いを纏わせていては、万が一何か勘付かれては困るから。
普通の馬小屋掃除の同業者、なら臭いの差を解ってくれると思ったか。ウェアキャットは亜人にあっさり殺されると言う例を出したお陰か、彼も咄嗟の嘘が思いついたのかも知れない。実際、血の臭いは感じなかった――彼も安心した事だろう。
昨日も同じ小川で身体を洗ったと言う……近くの馬小屋を探せば良さそうである
「ぶひーん」
「ぶるるるる」
この先のトループス級の鳴き声では無い。馬小屋のガチのお馬さん達のお言葉である。
板張りの馬小屋は馬一頭づつ部屋が区切られ、沢山の藁が敷き詰められ。
その上には強烈な臭いを放つ――うまのふん。
ウェアキャットが馬糞の臭いを連れてきていた事を思うと、多分、クリーニングが必要な気がする。今じゃなくても。
さて、ここのどこかに迷宮への秘密の裏口が隠されている筈なのだ。
そのカモフラージュはウェアキャットのDIY的な工夫。儀式に乱入する亜人が現れては困るから、と言う偽装。
とは言え、ディアボロス達が探せば見つかる――恐らくそんな簡易なものだ。バカで安直な亜人達が念入りに探す様な真似などする筈が無いのだから――。
ディアナ・レーヴェ
よし、事前調査の通り川近くの馬小屋に行きましょう!
流石に常時ウェアキャットが居るって事はないでしょう?
近くの物陰に暫く潜んで人の気配がなくなった事を確かめてから侵入するわ。
…。
うう、くっさい……
ほろりと涙が溢れちゃう――いや悲しいとかじゃなくて普通に目に沁みるんだってコレ!?
でもいまクリーニングしたら逆に馬小屋に侵入の痕跡を残す事になりかねないので我慢するわよ?ねえ?私、頑張るわよ??
さて!
まず怪しいのは藁の下で、万一違ったら板張りの壁を一枚一枚時間をかけて丁寧に調べ…
調べ……
(ほろり)
え、えーい時間かけるのは色んな意味で得策じゃないわね!?
【動物の友】使用!
お馬さんお馬さん、「いっぱいのお掃除道具を抱えて、この馬小屋の普通の出入口以外のところから姿を消した人」とか見たことなあい??
藁の下とか、壁の向こうとかね!
もしくは、何か「ガコン!」と板を外すような変な音とか聞いた子はいない?
変に濃い血の匂いに覚えはない?
さあ、これで地道に探すよりはショートカットできるでしょう!
エイレーネ・エピケフィシア
まさか掃除の行き届いていない馬小屋に入り口が隠されているとは……
このような場所は亜人にとっても不快かと思うのですが、彼らは気にしないのでしょうか?
むう……ディアナ様を覚悟を無碍にするようで申し訳ありませんが、ここは素直に【クリーニング】を使うべきでしょう
臭いが集中力を削ぎますし、足元を埋め尽くすものを掻き分けて時間をかけていては、却って見つかる危険が大きくなります
入り口を見つけた後に隠す必要があるなら、土や藁を被せ直せばよいでしょう
それに【平穏結界】もあり、異変に気づかれる確率は減っているはずです
行きますよ!
かつてエーリスの地を治めたアウゲイアース王、その穢れた家畜小屋を、ヘーラクレース様がたった一日で洗い清めたように!
場が整った所で調査に入りましょう
あまり複雑な隠蔽ではないということは……藁山の下に穴を掘るとか、地下への階段に通じる扉を隠すといった方法を取っていそうですね
怪しいと思った部分からは藁を取り去ったり、床や壁を叩いて空洞のような軽い音がしないか試して、入り口を見つけましょうか
ウェアキャットの語った言葉を元に周囲の馬小屋を探せば、それらしき一棟が見つかった。
先程の小川に程近く。昨日掃除されるも今日は恐らく手付かずな雰囲気の馬小屋。今日の掃除担当者はまだ来てないらしいのか。そもそも常時ウェアキャットがいる様な場所でも無いだろう。
ディアナ・レーヴェ(銀弾全弾雨霰・g05579)は近くの物陰に潜んで人の気配が周囲に無いか、様子を窺っていた。
「まさか掃除の行き届いていない馬小屋に入口が隠されているとは……」
目星を付けたと聞いてやってきたエイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)は思わず顔を顰めて呟いた。離れていても悪臭が鼻に届く。流石に周囲に居住者はおらず物置ばかりの様だ。
「このような場所は亜人にとっても不快かと思うのですが……彼らは気にしないのでしょうか?」
「んー、だからこそ裏口の隠蔽としては心理的にも忌避感出て良いのかも知れないわね」
首を傾げたエイレーネにディアナが言う。亜人が試練を受ける為の正当な入口は別にあり、そこは恐らく荘厳で如何にもな造りをしているのだろう。
だが此方は裏口。試練の資格無き亜人が乱入を目論んで入って来てはならぬ事を思うと――。
「確かに、わざわざ不潔な場所を探る事はしないでしょうね」
「そう言う事よね。それじゃお邪魔しま――」
す、まで言えずにディアナは一瞬息を止めた。
「……」
「……」
「うう、くっさい……ほろりと涙が溢れちゃう――」
「大丈夫ですかディアナ様……! 確かに斯様な場所を探索するのは屈辱ですが」
「いや悲しいとかじゃなくて普通に目に沁みるんだってコレ!?」
二人共割と涙目。現れた二人の見慣れぬ女子の姿にお馬さん達が好奇の視線を浴びせつつもマイペースに彼らは干し草を食ったり臭いの元をリアルタイムで排出したりとしているのだ。
「でも、今クリーニングしたら逆に馬小屋に侵入の痕跡を残す事になりかねないし……」
苦悩の表情を見せながらディアナは鼻腔に布きれ突っ込んで耐久の姿勢を見せた。
「我慢するわよ? ねぇ、私、頑張るわよ!?」
「ディアナ様……」
ほろり、とエイレーネは片目から涙の粒がほろり。その涙ぐましき決意に感動したせいか、この強烈な悪臭によるものか……最早自分でも良く解らない。
「さて! まず怪しいのは藁の下で、万一違ったら板張りの壁を一枚一枚丁寧に調べ……」
そこらに放置してあった農具用フォークで藁をよいしょと大きくかき分けると、下には板が見えてきた。
「調べ……」
ほろり。目に刺さる臭い。布を貫通して嗅覚にダメージも刺さる。
「え、えーい時間かけるのは色んな意味で得策じゃないわね!?」
「むう……ディアナ様の覚悟を無碍にするようで申し訳ありませんが……」
いつの間にか外の風上に避難していたエイレーネは平穏結界を展開しながら彼女に告げる。
「ここは素直にクリーニングを使うべきでしょう。臭いが集中力を削ぎますし……」
と喋りながらもエイレーネは軽く咽せ、お馬さん達の足元を埋め尽くす藁の量を指差して言う。
「時間をかけていては却って見つかる危険が大きくなります。――行きますよ!」
エイレーネは意を決した様に馬小屋の中に入り、その中央で槍を掲げて叫ぶ。
「かつてエーリスの地を治めたアウゲイアース王! その穢れた家畜小屋をヘーラクレース様がたった一日で洗い清めたように!!」
彼女を中心に周囲が清潔を望む空間へと変化する。馬小屋を構築する木材の薄汚い色や藁本来の薫りはそのままに、臭いを生み出す雑菌とそこから発生した悪臭有害物質は全て一掃される!
「ヒヒーン!!」
「ぶもっぶもっ!!」
お馬さん達も綺麗になった事を感じて喜んでいるのか、何だか嬉しそうに鳴きだした。
「それじゃ更にここで、動物の友使用!」
ディアナもまた早く見つける為に、ここに住むお馬さん達を利用する事にした。流石に騎乗する為に飼っている家畜までは七曜の戦を経た後のクロノヴェーダ達も排除は出来なかったと見られる。
「お馬さんお馬さん、いっぱいのお掃除道具を抱えて、この馬小屋の普通の出入り口以外の所から姿を消した人――とか、見た事なあい?」
「ひひーん、ぶひんぶひん」
「藁の下とか、壁の向こうとかね!」
馬達が顔を見合わせて、とある一つの部屋に視線を向ける。
「もしかして、今見てるその部屋に?」
「ブルルル……ヒヒーン」
「あまり複雑な隠蔽ではないということは……藁山の下に穴を掘るとか、地下への階段に通じる扉を隠すといった方法を取っていそうですね」
エイレーネがその部屋にいた馬を別の空き部屋に移動させ、藁をどかし始めた。
「あと、何か板を外す様な変な音を聞いた子はいない?」
「ぶひひひん」
「エイレーネ聞こえた? ガコンって音が昨日してたって言ってるわ!」
「ええ、ここの床……叩くと何か不自然な音が致します……!」
臭いも消えた中なら涙で視界が滲む事なく集中して床板も調べられる。
「……ここ、指掛けられそうね」
ぐい、と板と板の隙間に指を掛けて持ち上げたディアナは驚きと歓喜の表情を見せた。
「見つけたよエイレーネ……! 秘密の階段!!」
「成る程、元々地面にあった石洞窟の入口を隠す様にこの馬小屋が建てられた……そんな感じですね」
蓋の様に入口を隠す板の上に藁を乗せておけば、侵入した後も良い案配に被せ直されてカモフラージュは出来そうだ。後続のディアボロス達にもその旨は伝わる事だろう。
「さあ、これで地道に探すよりはショートカット出来たし、後は乗り込んで儀式とやらを潰すだけ!」
「ええ、いざ行きましょう……迷宮への戦いに」
こうして、ディアボロス達は床の隠し通路から身を滑らせる様に地下迷宮へと侵入を果たしたのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【動物の友】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!
儀式場とは名ばかりのジメジメした迷宮。石造りの壁に時折土壁が混ざったその通路は入り組んでおり、内部で殺し合いをする事が前提な造りだと言う事が解る。
壁や床を力尽くで破れる気はしないのはこの迷宮自体がクロノ・オブジェクトに相当するからであろう。
あの狭い入口からは想定出来ない内部の広さは魔法的なもの。都市の地下にあるには不自然すぎる内部。
灯りを用いずとも中はある程度視界は確保出来る。が、角に隠れたりされては流石に良くは見えない。
時折壁に残された血痕などは『掃除』しきれなかった戦いの痕跡か。
そして。
――聞こえる息遣い。
あちらこちらから感じる殺気。
選ばれしトループス級亜人達は他の参加者を撃破していく都度、その力を高めていく。
隠れて奇襲を狙う者。徘徊して獲物を探す者。作戦は各々違うも、目的は最後の一体として君臨する事だ。
その前にディアボロス達はこの迷宮にいる予選参加の亜人達全てを殲滅させて勝者となる。
各個撃破するも良し、敢えて潰し合わせてから強くなった個体を倒すも良し。
やり方は参加するディアボロス達の戦術次第となろう。
エイレーネ・エピケフィシア
儀式の妨害を完遂するまでにかけられる時間はそう長くありません
気が急きそうになる所ですが、だからこそ焦らず着実に事を成しましょう
いかにも、迂闊に突き進めば待ち伏せに遭いそうな迷宮ですからね
一定の視界はあるとのことですが、【完全視界】を発動して更に磐石に
敵にとっても光源となる松明やランタンを持たず、一方的に暗がりを見通せるようにします
基本的には敵が同族を探しながら少数でいる所を先んじて狙ったり、戦闘中に乱入して強くなる前に着実に数を減らしていきましょう
目を凝らして闇に潜む敵の姿を探し、足音や呼吸音に耳を澄まします
曲がり角や段差の下には敵がいると考えて、油断しないように
敵を発見したなら《神護の輝盾》から『射竦める蛇眼』を放って攻撃
邪視で生命力を奪い取り、やがては石化させることによって、断末魔の声をあげさせず静かに仕留めましょう
腕がないのにどうやって薬を飲むのでしょうか。口の中にはじめから仕込んでいる……?
いずれにせよ、疾駆による突撃は盾で受け止めて威力を抑え、振り向かれる前に再び攻撃しましょう
ディアナ・レーヴェ
ジメジメの地下迷宮なのね!
…これねえ、割と音が響きやすい気がするのよねー。蹄の音とかするならヒントにしたかった。いやホントなんでその上下なの??
ともあれ、
完全視界で視界は確保ね!
角でバッタリは避けたいから、慎重に目と耳で確かめながら進んでいく。
仲間と交代で偵察役と後方・側方警戒役とか分担できると良さそうね!
いつでも助けに入れるよう離れすぎず、だからって纏めて轢かれないよう近づきすぎずで動きましょう。
囲まれるのは避けたいし、敵の機動力を生かされたくもない。戦闘時は段差や障害物を活かして立ち回るわ!
遠目に徘徊する敵を先に発見した時は、トラップ作成で足元掬うと不意打ちに良いかも。
悪路難渋の計がやりやすくて助かるわ。
やーいやーい余った方ぅー!
…
ところで、その馬部分。
………そんなに爆走すると、丈…ギリギリじゃない…?
(小声。戦闘だし目を逸らす訳にもいかない、気まずッ――あっいやごめんねどうでも良いとこ気を取られて!?集中!集中!!)
薬は奥歯に仕込むといいとか諜報の奴が言ってたわ。(集中ー!!)
「ジメジメの地下迷宮なのね……!」
ディアナ・レーヴェ(銀弾全弾雨霰・g05579)は侵入した迷宮の空気や造りなどを眺め回して言う。日の当たらぬ地下にあるせいで外と比べて湿度が高い。とは言え気温も低い為に不快とは感じないのが幸いだ。
「儀式の妨害を完遂するまでにかけられる時間はそう長くありません」
急な下り階段を降り、警戒する様に周囲を見回したエイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)は儀式が今も行われているであろう事を考え、だからこそと気を引き締める。
「気が急きそうになる所ですが……だからこそ着実に事を成しましょう」
「……これねえ、割と音が響きやすい気がするのよねー……蹄の音とかするならヒントにしたかった」
二人の履き物はさほど音を立てる物では無いが、予知されている敵の姿を思い浮かべながら角を曲がった所に。
「……あ」
『ぶひっ!?』
出会い頭に馬頭のナマモノ出現。発作的にディアナとエイレーネはパラドクスをぶち込んでいた。一瞬で石化し、火砲で砕かれるケンタウルス亜種。
「いや……ホントなんでその上下なの??」
馬の首から上と人間の男の生足。所謂ケンタウルスと身体構成が逆。素足だから多分足音も響かないと思われる。
「いかにも、迂闊に突き進めば待ち伏せに遭いそうな迷宮ですからね。一定の視界はあるとは言え……」
今のは待ち伏せと言うより事故だった気もしないでも無いが。エイレーネは完全視界を発動させてその薄暗い視界を自分達だけでもハッキリと確保出来る様にする。
「うん、これで視界は確保ね!」
「更に盤石となったとは言え、慎重に進みましょう」
「今みたいに曲がり角でバッタリは避けたいからね……」
ディアナはそこで役割分担を提案。前方偵察と、後方側方警戒を交代でしながら進むと言うものだ。
「慎重に目と耳で確かめながら進む……にしても集中力も保たなくなるしね」
「確かに。それではまずはわたしが先を進みましょう。ディアナ様は後背をお願いします」
即座に攻撃に移れる様に、そして身を守れる様に。輝盾を手にエイレーネはゆっくりと通路を進む。
敵にとって光源になる松明もランタンも不要、一方的に暗がりを見通す。耳を澄ませば馬独特の荒い息遣いが向こうの角より聞こえてくるのが解る。裸足でぺたりぺたりと進む足音の妙な不規則さは向こうも同族を探しながら進んでいる証左か。
ディアナもエイレーネの後ろを離れすぎず……だからと言って敵に纏めて轢かれぬ様に適度の距離を保ちながら後ろを警戒しつつ進む。
「ディアナ様、ここを曲がった所に一体います」
「こっちも、向こうの段差の下から近付いて来てるのが一体いるみたい」
囲まれるのは避けたい。機動力を活かされて先んじて攻撃される目に遭う訳にも行かない。
「折角だし、どっちもハメて同士討ち開始させてから乱入しない?」
ディアナの悪戯じみた表情に、エイレーネは軽く驚いた表情を見せるも、軽くこくりと頷いたのだった。
『敵発見、突げ――あばーっ!!??』
角を曲がって姿見せた亜人を見つけたもう一体の亜人が全速力で襲いかかりに駆け出した所、派手にすっ転んだ。ディアナのトラップ生成で見えない様に足が引っかかるようなロープが張られていたのだ。
『ぶひーひひんっ!! 油断したな同朋、俺のパワーアップの経験値にな――おわーっ!!?』
同じく突撃しかけてトラップに足を取られ、すっ転んだナマモノその2。
「誘い込まれた二匹とも油断大敵よ!」
腕も無いので起き上がるのに手間取っている二匹の周囲には既にディアナのパラドクス「悪路難渋の計」が仕掛け済み。炸裂する雷管の音に怯んだ一体に向けて必殺の砲撃をお見舞いする。
「やーいやーい余った方ぅー!」
『ぶひひひん!!? 今なんっつったゴルァ!!』
火砲の直撃喰らってぶっ飛ばされた方と別の一体が反応した。何とか立ち上がったその姿。改めて良く見るとその身体の構造、良く解らないにも程がある。
『(ごっくん)……ぶひんぶひん、ぶるるるる……テンション上がってきたぜー!』
「え、今もしかして薬とやらを飲んだ……!?」
エイレーネは目を丸くする。腕が無いのにどうやって飲んだと言うのか。
「口の中にはじめから仕込んでいる……?」
『うおおぉぉぉぉぉっっっ!!!!』
二人に向かって爆走してくるケンタウルス亜種。エイレーネは咄嗟に盾を構えて直撃を受け流し威力を抑えるものの、猛進した馬もどきはそのまま派手に壁に激突した。
(「あの馬部分……あんなに爆走すると、丈……ギリギリじゃない??」)
戦闘中だと敵の一挙一動は目を逸らす訳にはいかない。が、何なのあのあいつの身体構造。あの境目どうなってるの? 服なの身体なの? それともエジプトのメジェドみたいなもの?――とディアナの思考はどうでも良い事に気を取られてままならない。
「く、薬は奥歯に仕込むといいとか諜報の奴が言ってたわ」
どうにか集中する為にも、先のエイレーネの疑問に対する回答に思考を傾ける。どうにもあのナマモノは長時間見てはいけない気がした。
「振り向かれる前に、こちらからの攻撃も……! 汝、死を見よ!!」
ディアナの苦悩を知ってか知らずか。エイレーネはいつも通りの戦いを見せ、その輝盾より戦技を発動させる。描かれたゴルゴンの首の絵が邪視を放ち、壁に激突して振り返った亜人は直視すると同時に生命力を失い、その身を石化させたのだ。断末魔の声を上げる事も無く、槍で突けば石化したその身体は一瞬で砕け散る。
「もう少し静かに仕留めていきたい所でしたが……」
「まぁこいつら自体喧しいし、ね。自爆特攻もやらかすみたいだし、大丈夫……じゃない?」
ディアナのパラドクス「悪路難渋の計」も雷管やら爆薬やらでなかなか音を立てるのだがそれ以上にこのケンタウルス亜種の騒々しさも比にならないし。
何よりここにいない連中はトループス級同士の戦いだと思っている筈だ。誰かがやられたとなれば、もう一体がその強さを取り込んだと思い、適度に警戒しつつ来る事だろう。
「雑魚が協力体制にないと言うのは有り難いと言うか何と言うか……」
「よし、この調子で殲滅させていこう」
と、二人の女傑は慎重に迷宮の先を進みながら馬のナマモノを順調に減らして行くのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV2になった!
伏見・逸
(連携アドリブ歓迎)(味方は苗字呼び)
必要に応じ、味方をディフェンス
殺気がびりびり来やがる。喧嘩の臭い…悪くねえ。悪くねえんだが…なんだありゃ。
何がどうなってんだか、気になるような…気にしたら駄目なような…。
(境目でずばっと斬り分けちまえば、気にならなくなるだろうか…?などと長ドスを抜く)
敵を探す時・戦闘時共に、味方同士で隙や死角をできるだけ減らすように意識して動く
(残留効果や持ち込みの照明は使わず、完全視界を使わせて貰う)
戦闘音や足音、声で敵の位置を探る。他の味方と警戒する方向を分担し、敵からの不意打ちを防ぐ
戦闘時は【禍竜の凶舞】使用。足技に尻尾の動きを加えた喧嘩殺法
敵の攻撃は武器や翼・尻尾で受け流し、ガードアップで凌ぐが、基本的には攻撃優先
撃破可能な敵個体を優先、複数巻き込んで倒せそうならそこを最優先で狙う
潰し合っている敵はある程度放置、可能なら弱ったところを仕留める
強化された個体は、強くなりすぎないうちに早めに仕留める
「こちらの消耗が嵩む前に倒しきる」を目標に、効率重視で敵を殲滅
完全視界で己の見える領域はしかと確保出来ているが、薄暗く湿った地下独特の空気と風は充分感じられる。
そして、その中にビリビリと感じるのは殺気。刻逆以前の新宿でも薄暗い路地に一歩踏み入ればその筋の無鉄砲な連中が放っていたあれだ。
「は、喧嘩の臭い――悪くねぇ」
伏見・逸(死にぞこないの禍竜・g00248)は白鞘に納まった長ドスを肩に乗せたまま、音と震動と気配を全身で感じ取る様に迷宮を歩む。照明は不要。見えてりゃそれで充分。
足元には既に倒されたらしき亜人どもの亡骸。石化し砕かれた亜人は仲間の仕事か。向こうの無残に潰されているのは同士討ちの敗者と見える。
最後の勝者を決めるトループス級亜人同士の命懸けの真剣勝負、それすら制して予選決勝の場に征く事こそ今回の仕事。喧嘩の舞台としては実に悪くはない。
「悪くねえんだが……なんだありゃ」
何せ、足元で転がっている亜人の形状が全てを台無しにしている。
上半身:馬の首、下半身:野郎の生足。
「何がどうなってんだか、気になるような……気にしたら駄目なような……」
思考をぶった斬る為に逸は長ドスを抜いた。境目でズバッと斬り分けてしまえば気にならなくなる……かも知れない。多分。恐らく。
そこで聞こえて来た戦闘音。ぶつかり合う音と嘶きの様な声は同士討ちをしている所か。ならば片方がくたばる前にと逸はそちらに急ぐ。
『ぶひひん!!』
『ぶるるるる……!!』
お互いに罵り鳴きながら全力爆走で頭からぶつかり合うだけの戦い。
「……こいつら、走ってぶちかますしか攻撃方法ねぇのか」
二匹の視界の死角より様子を窺いながら双方の状況を見極める逸。潰し合っているなら都合が良い。ある程度互いにダメージを重ねた所に乱入して一網打尽にするのが良さそうだ。
一応己の後方の気配も確認し、自分が不意打ちを受けぬ様に見計らってると。
『ッザッケンナゴルァ! 俺の事、残りだなんだって言っただろおぉ!!』
『テメェこそ自分棚に上げて何ほざいてんだ!』
横合いからまさかの三体目が乱入。戦いは混戦を極めだす。
「絵面がひでぇが、ここは見極めが肝心なヤツだな……」
最初からいた二匹は同じくらい弱りつつある。後から飛び込んで来た方はまだ余力を残していると言った所か。
大体二対一の構図に移りつつあるが、最初からいた方のがそろそろくたばってもおかしくない。
「――今だな」
三匹がぶつかり合った瞬間に逸は飛び込んだ。禍竜の凶舞――右足の蹴りが一体目の脛を蹴り、回転しつつ硬化させた竜尾で二体目の腰を砕き、飛び上がって三体目の脳天に踵落としを喰らわせた。
『『『ぶもぉぉぉぉっっ!?』』』
完全に目の前に集中していた三匹はノーガードで逸の攻撃喰らい、崩れる様に転倒した。
『ヒヒン? ディアボロスが何故此処に……!?』
身体構造的にか起き上がるのにも手間取っている。腰を砕いたヤツはそのまま逝ったか。
「この期に及んで仲間割れしてる場合じゃねぇだろ?」
反撃の爆走すらもたつき空ぶった所に、逸は今度は剣舞の如く凶舞を叩き込む。既に満身創痍だったケンタウルス亜種達は蹴りで首の骨を折られ、上下の境目を尻尾と長ドスにて真っ二つに裂かれ。トドメだけ持って行かれる様な形で三体とも共倒れとなったのだ。
「イキがったチンピラ風情じゃあ勝ち抜けやしねぇよ」
刃から血を振るって鞘に戻した逸は、ふと迷宮の空気の変化を感じ取る。
突如、目の前の壁に扉が現れ、勝者を迎え入れる様に両奥にゆっくりと開く。
「此処から先が予選会決勝の舞台って訳だな」
ディアボロス達は息を整えてその扉より迷宮の外に出る。もう一つの迷宮の勝者が向こうに待っている事だろうから。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【照明】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!
扉を抜けた先は大きな広間の様な場所であった。四角いその空間は戦いの闘技場(リング)なのだろう。
向かい側には同じ様な扉。ゆっくりと開いた向こうから出て来た者は先程まで此方の迷宮で戦っていたのと同じトループス級亜人。しかし傷付いたその一体はただのトループス級とは既に何か別物の様な力が漲っている――遠目で観察しながらもその覇気が感じ取られた。
『はぁ……はぁ……勝ち抜いたぞ……後少しで手が届く……』
蹌踉めきながらも一歩二歩と進み、扉からその亜人が完全に出て来た、その時であった。
迷宮全てを劈くかの様な轟音と共に、目の前のケンタウルス亜種を雷が貫いたのだ……!!
その音と閃光にディアボロス達の視界が閉ざされた一瞬。
二足の足がメキメキと蹄を伴った四足へと化し、その胴体からしなやかな腕が伸びる。獣そのものの顔は整った人間の形となり、その亜人は完全なるケンタウルスと同型の人馬たる姿へと進化を果たした――!
『は、はは、はははっ!! ついに進化したぞ! 後は最後の勝者となりてこの肉体を完全にするのみよ!!』
アヴァタール級『ディオメーデースの人喰い馬』はその身に雷の直撃を受けたとは思えぬ程――むしろ身に負っていた傷は全て消え去り、高まった力がバチバチと周囲に電気の如きオーラとして発せられている。
『其方の勝者は貴様等か? 一体では無いのか? まぁ良い、全て殺し尽くせば良き事!!』
興奮状態にあるのか人喰い馬は戦い殺す事しか頭に無い状態らしい。
後はこいつを倒すのみ。予選会の勝者は――ディアボロス達なのだから。
オイフェ・スタンフィールド
連携アドリブ可
うわぁ、すごいものを見てしまったけどこれはいかなる原理なのでしょうか?
興味はありますけど調べる暇もないですし・・・・やってしまいましょう!
真面に火炎なんて受けるわけにはいかないですから【トラップ生成】で障害物となる壁を呼べるだけ呼び出して盾代わりにします。
後は高速詠唱で相手よりも早く必殺の一撃を叩きこんであげますね!
相手の火炎ブレスは呼び出した壁を盾にしながら射程外へひたすら逃げますね。
色々思索に耽りたいですけど今は進むとしましょう。
明日の為にも・・・眠いですし
「わぁ……」
オイフェ・スタンフィールド(ヒルコのミスティックウィッチ・g11034)はトループス級がアヴァタール級にその姿を大きく変化させた様子に思わず変な声が出てしまったのを自覚する。
(「すごいものを見てしまったけど――これはいかなる原理なのでしょうか?」)
興味は尽きない。恐らくこの儀式の場となっている迷宮の魔術的な何かだろうか。だが今はそれを調べる暇も無い。
「……やってしまいましょう!」
火炎なんて受ける訳にはいかないから。しかし障害物も何も無いこの場。遮るものが無ければ、あとは先手必勝となる。
箒に跨がり、オイフェは素早く宙を舞う。そこから放つは古き魔女に伝わりし力――星の様に輝きながら降り注ぐ魔力の雨だ。
身に浴びるパラドクスの魔力攻撃に人喰い馬は顔を顰めながら両腕で防御の姿勢を取り、そして。
『効かぬ、効かぬなぁ小娘!!』
アヴァタール級亜人となったその人馬は己の強さに酔いしれる様に嗤う。言葉通り、さほど効いてないのか。
『今度は私の番だ、喰らえ!!』
大きく息を吸い込んだ人馬の亜人はその口から燃え盛る炎を吐き出した。
宙に浮いていたオイフェは咄嗟に地上に降りて逃げる様に距離を開けるも、パラドクスに射程などこの狭い領域では関係無い話であった。
しかも。彼女はトラップ生成で見えない障害物として呼べるだけの壁を設置していた。それを盾として避けるつもりだった。だが用途が本来違う、非殺傷性の罠でしか無いそれは驚きを与え不意を突くのが精一杯……!
『小細工をしようが無駄だ、無駄無駄ァ!!』
紙切れ同然に見えない壁をぶち破りながら、炎はオイフェの身を焼いた。四肢の踏ん張りで反動を抑えながら放つ火炎放射は見えぬ壁全てを貫き、彼女に届いたのだ。
バチバチとその身に帯びている電撃はまるで神の雷の如く、亜人に強力な力を与えているのか。
そして力溢れるその相手に対し、オイフェの見積もりは少々甘かったのか。
生命力を半分近く削られた彼女は咄嗟に来た道を戻る様に退く。恐らくもう一度あの炎を受けたら命すら危うい。
『ははは! 流石は――の与えし力だ!!』
追いかけてくる事はしないのが幸いか。オイフェは迷宮を戻り、敵の視界から完全に姿を隠して退避を済ませた。
今倒れる訳には行かない。色々思索に耽りながら帰って寝て休もう。明日からの戦いの為にも。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
伏見・逸
(連携アドリブ歓迎)(味方は苗字呼び)
必要に応じ、味方をディフェンス
(敵の変化に、興味深さと「なにあれ…」が半々)
随分動きやすそうなナリになったじゃねえか。もう「残り」とは言わせねえよ、ってか。
殺し尽くせばいい、ってのはこっちとしても同じ事だ
どっちかが潰れるまで、楽しくやろうや
味方同士声を掛け合い、敵の動きの特徴や敵・味方双方の消耗具合等の情報を共有
立ち位置は前衛。突進の為の距離を取られないように敵に張り付き、更に声掛けで挑発して自分に引きつけ、味方が敵の観察をする為の余裕と、攻撃を叩き込む為の隙を作る
【禍竜の雷霆】使用、【エアライド】も利用した立体的な動きからの、自分の重量と落下速度を乗せた一撃。武器は基本的には長ドスだが、防がれれば蹴りでも尻尾でも叩き込めるものを使う
【ダメージアップ】を乗せ、できるだけ効率よく敵の体力を削る
敵の噛みつきは長ドスを噛ませて受け、炎は翼を盾代わりにして受ける
【ガードアップ】も利用して消耗を抑えるが、基本的には自分の負傷は然程気にせず、敵を倒す事を優先する
クロエ・アルニティコス
……まぁ、先ほどまでの姿と比べると喜ぶ、もとい調子づくのも分かります。
お前が誰かを蹂躙することなどもうありませんが。
お前を殺せば、ここの亜人どもは全て殺し尽くせます。
【ケンタウロス・タクスス】を使用。ディオメーデースの人喰い馬と似通った姿のケンタウロスを象った植物の怪物を作り出します。
接近した戦う仲間の援護をするように足を狙って矢を射かけ、たたらを踏ませることで機動力を殺します。
反撃の雷により強化された炎は【ガードアップ】と「守護の青薔薇」の結界術で耐え、火傷を減らしましょう。
また、猛烈な勢いの火炎放射は踏ん張りがあってのもの。ケンタウロスに攻撃をさせたり、他の復讐者にフォローしてもらったりで敵に踏ん張らせないようにすることで攻撃を阻害します。
また、私も他の復讐者が攻撃を受けそうならばフォロー。噛みつき攻撃を行おうとする頭部や喉を目掛けて矢を放たせ貫きます。
終わりです、怪物。
同族殺しの罪だけを背負い、奈落に落ちなさい。
目の前の亜人の大きな姿の変化に、伏見・逸(死にぞこないの禍竜・g00248)は不思議な驚愕を覚えていた。
(「なに、あれ……」)
半分は興味深さもあるのだが。何をどうやったらケンタウルスの残りがケンタウルスそのものに反転するのだと。
「――随分動きやすそうなナリになったじゃねえか。もう『残り』とは言わせねえよ、ってか」
『くははは! そうだ、これこそが私の求めていたもの! そして溢れしこの力も!!』
嬉しそうに人喰い馬は叫ぶ。歓喜と狂喜が入り交じったその声色に対し、クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は冷静に杖を手にしながら見つめていた。
「……まぁ、先ほどまでの姿と比べると喜ぶ、もとい調子づくのも分かります。お前が誰かを蹂躙することなどもうありませんが」
『何を言うか! 私は貴様等を殺し尽くす! そして外に出た暁には将として人間どもを蹂躙し尽くしてくれる!!』
「殺し尽くせばいい、ってのはこっちとしても同じ事だ」
抜き身の長ドスを相手に向けて逸が告げる。
「どっちかが潰れるまで、楽しくやろうや」
「お前を殺せば、ここの亜人どもは全て殺し尽くせます……種子に宿るは我が哀傷、芽吹け『ケンタウロス・タクスス』!」
クロエは手にしたイチイの種に魔力を籠め、目の前の亜人――ディオメーデースの人喰い馬と似通った姿をしたケンタウロスを象りし植物の怪物を作り出す。しなる枝と強靱な蔓は弓となり、向こうの四脚を狙って正確な狙いで射掛けた。
『っと……!?』
細くなった脚を掠める矢にたたらを踏む人馬。前に立つ逸に迫ろうとしていた勢いがそこで削がれ、視線をクロエに向けて大きく息を吸い込み反撃の炎を吐き出した。
「来るぞお嬢、構えろっ」
逸は背の大きな竜翼を広げてクロエに届かんとする炎を半分遮り、彼女自身の青薔薇の結界もあって火傷は最小限に抑えられた。その間にも逸は亜人に向かって距離を詰める。そのまま踏ん張りが利かぬ様に、そして突進するだけの助走距離を持たせぬように。
「おら、その程度でイキがってるなよチンピラ上がりが!」
エアライドによる多段跳躍から、逸は禍竜の雷霆を放つ。焼けた翼など痛くも痒くも無い。大きく広げて飛び上がると人喰い馬の頭上を狙ってまずは長ドスによる斬撃。それを腕で食い止められた所に宙を一度蹴って横薙ぎに一撃、側頭部に蹴りを見舞う。
『がはっっ!? おのれ、その脚も尾も喰らってやる!!』
荒々しく雷帯びた牙を剥き、噛み付きにて逸の竜尾を狙い顎を開く人喰い馬。
そこに咄嗟に長ドスを噛ませて受ける逸。更に背後からクロエの操るイチイのケンタウロスが彼を避ける様に矢を次々と射掛けてその喉や胸部に鏃が突き刺さる。
「その人から離れなさい、不届き者が」
『ぐぅ……貴様達、鬱陶しい奴等め!!』
逸が前衛として前に出、距離を詰めて立体的な攻撃を仕掛けながら敵の炎攻撃を阻害しつつ。クロエが後衛として後ろから矢を射掛け、その噛み付きによる攻撃を阻害する。
不死身の龍と妖花の魔女による即興のコンビネーションは互いに声を掛け合い状況を把握し援護を心掛けた動きだから出来た見事なものであった。
とは言え、炎を半分近く請け負い噛み付きを平気で身を以て受け止めようとする逸の戦い方にクロエは僅かに顔を顰めてはいたが。
「無理はなさらず……! 私は自分の身くらいどうとでもなります」
「なぁに、俺はこんな傷程度、然程気にはしねぇ。それより」
大きく跳躍し、その尻尾で思い切り横殴りに人喰い馬を殴りつけて長ドスの刃を叩き込む逸。
「このクソッタレ馬を倒すのが先、だろう!?」
「ええ、終わりです、怪物」
植物の射手に命じながら、クロエは辛辣な視線を敵に向けて告げた。
「同族殺しの罪だけを背負い、奈落に落ちなさい」
『うがああぁぁぁっっっ!!??』
連続して与えられる攻撃に、まともな反撃すらままならぬ人喰い馬は悲鳴の様な咆吼を上げるより他なくなりつつあるのであった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【エアライド】LV1が発生!
【完全視界】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!
エイレーネ・エピケフィシア
力に酔う怪物よ、その蹄が都市を踏み荒らすことはありません
何故なら……わたし達が今日ここであなたを滅ぼすからです
最後の勝者とやらは、奈落で同族と再会した時にでも決めるのですね
【トラップ生成】により、戦場に馬の脚を引っかける小さな穴を幾つも作り出します
逆説連鎖戦において、クロノ・オブジェクトではない罠が大きな効果を発揮しないのは百も承知ですが……
一瞬なりとも動きが淀めば、そこを起点に攻め立てることは出来るはずです
それに相手はまだ馬の下半身には慣れていないでしょうから、今までの感覚が抜けきらないまま罠に手間取ってくれるかもしれません
仲間の攻撃や罠への反応で攻撃の好機が生まれたなら『流星が如く燃え立つ投槍』を発動
≪神護の長槍≫を凄まじい速度で投擲し、敵が的確に反応する余裕を取り戻す前に頭部や胸といった急所を貫きます
噛み付き攻撃に対しては≪神護の輝盾≫を構えて受け止め、牙が肌を直接噛み裂くのを防ぎましょう
我々の作戦で、オリュンピアの儀式は既に破綻寸前でしょう
このまま蹂躙の終焉まで駆け抜けましょう!
ディアナ・レーヴェ
ん、殺戮たくさんご苦労さまだわ! 勝ち抜きおめでとう。
(ニッコリ。亜人同士の己を高め合う争いなら、それ自体は特に咎めもせず素直に「お疲れ様」と労おう)
(だってクロエの言う通り、ここで殺してしまえばもう蹂躙もなにもないのだから)
さて!
雷撃には雷撃で対抗ってことで、【Umarmung】で突っ込んでいくわ!
相手もすばしっこいでしょうけど、このそこまで広くないリングなら多少は軌道も読みやすいでしょうし、それに足止めに動いてくれてる味方もいるしね!
張り付いてる伏見と挟むように、私も前衛で動いてみるわ。
反撃で齧りにくるの?
その動きには、驚いて反射的に腕で無駄なガードをしようとする――と見せかけて、その掲げた腕にはこっそり装備品のナイフを仕込んであるわ。
骨を粉砕するほどに強い、とはいえ流石に刃物を美味しくいただくほど悪食でもないでしょう?
何だこれって一瞬でも力が緩まれば、こっちは肉が裂けるのも構わず強引に引き抜くまでよ!
そーれ、はしゃいでる敵が冷静さを取り戻す前に一気に攻め落としちゃいましょう!
パチパチパチ、と。最後の闘技場に響く拍手。
「ん、殺戮たくさんご苦労さまだわ! 勝ち抜きおめでとう」
ディアナ・レーヴェ(銀弾全弾雨霰・g05579)はニッコリと笑みを浮かべ、勝ち上がり進化を果たした目の前の人喰い馬に称賛の言葉を贈った。亜人同士が己を高め合う争い。ただそれ自体を咎める事は無い。素直に労ってやり勝者を褒めてやるだけの話。
『くはは、やっと貴様等も我が力認めたか。後は大人しく私に殺し尽くされ――』
「力に酔う怪物よ、その蹄が都市を踏み荒らすことはありません」
エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)はその手に槍と盾を携えながら凜とした声で告げる。
「何故なら……わたし達が今日ここであなたを滅ぼすからです」
「そそ、クロエやエイレーネの言う通り、ここで殺してしまえばもう蹂躙もなにもないのだから!」
この迷宮を新生したばかりのアヴァタール級が脱する事は無いのだと改めて告げた。
「最後の勝者とやらは、奈落で同族と再会した時にでも決めるのですね」
この蠱毒に似た呪われた儀式も、最後に残った一体さえ仕留めてしまえば終わりなのだから。
仲間の攻撃で人馬亜人はその体力を削られてはいるものの、纏った雷より得るパワーは有り余る程であった。
「さて、雷撃には雷撃で対抗ってことで!」
火砲をしかとその腕に掴んでディアナは人喰い馬に向かって駆け出す。同時に得物の電気制御機構を起動――いや、暴走させる。ディアナの周囲にバチバチと相手に負けぬ程の電流の渦が巻き起こっていくのを見、さしもの亜人も回避が必要かと蹄を得た四脚にて彼女から距離を離し避けようとするも。
『うあっ!?』
エイレーネが仕掛けていたトラップ――馬の蹄であれば埋まっておかしくない小さな穴ぼこに見事に引っかかり、駆けようとした速度が緩み身を突っかけた。
(「逆説連鎖戦において、クロノ・オブジェクトではない罠が大きな効果を発揮しないのは百も承知ですが……」)
一瞬なりとも動きが淀めば僥倖。それに向こうは先程までは二足歩行で人間の素足にて動いていたのだ。進化したばかりの今、これまでの感覚が抜けきってない可能性にエイレーネは賭けたのだ。
「仲間同士で殺し合って強くなったあなたと違って、私達は仲間がいるってこと!」
Umarmung――己の身毎、敵を大きな電流の渦に巻き込んだディアナ!
『ぐあぁぁ!!??』
「どう? 一味違うでしょう? この痺れも痛みも何もかも!!」
足止めに動いてくれた仲間がいるから。この広くないリングにおいて動きを読み切った。不死身の龍が足止めした所に全力で叩き込むこの一撃はディアナ自身も痛みを覚えるが、そんなの笑って吹き飛ばす。この電気制御機構だって、元々自分のものでは無い――ひとりのチカラでは無い。
『くっそ、喰ろうてやる! 貴様の腕から頭から!!』
真近にいるディアナ目掛けて整った女の顔した亜人はその牙を見せ、荒々しくその顎を大きく開き向かってくる。
「囓りに来るの!?」
驚き咄嗟に腕でガードしようするディアナ。本来なら無駄だ――だが、これはフェイク。
「いいわ、食らえるものならね……!」
腕に仕込んであったナイフが骨に到達する前に人馬の牙に当たり、一瞬の戸惑いがそこに生じ。
『なっ!?』
「流石に刃物を美味しく頂くほど悪食でもないでしょう?」
噛み付きが弱まった隙にディアナはその顎から腕を強引に引き抜き、逃れる様に後ろに飛んだ。血が迸るも重なるガードアップの恩恵で幸い腕はまだ動く。
「そーれ、はしゃいでる敵が冷静さを取り戻す前に一気に攻め落としちゃいましょう!」
ディアナが仲間を鼓舞する様に痛みすら無視して崩さぬ笑みで叫ぶ。それが一斉攻撃の合図。
追う暇を与えぬ様にエイレーネはその手にした神護の長槍に祈りを、力を籠めて構えた。この好機を逃す訳には行かぬ。妖花の魔女による援護射撃を受けながら、彼女は槍を全力全霊にて人喰い馬目掛け放つ!
「輝ける槍よ、悪しき者の命を過たず穿たんことを!」
それは流星が如く。超高速で投擲された槍は大気摩擦の炎を纏い、人喰い馬のその上半身に生じた胴体を刺し貫いたのだ。
『あ、が……!?』
一瞬の事に目を見開く人喰い馬。瞬時に長槍がエイレーネの手元に戻れば、胴体に穿たれた風穴より大量の体液と臓器が滑り落ちてくる。
『私が何故……勝ち抜き力を得た、この私が……!』
決死の反撃は疾走を伴う。血を零しながら向かって来たその噛み付きはエイレーネが構えた盾で難無く受け止められ、牙は彼女の服を裂いただけで肌には肉には届かない。
「これであなたもお終い!!」
『ぅがああぁぁぁっっ!!??』
ダメ押しにディアナの電撃が人喰い馬に叩き込まれれば、最早四つ脚で立つ事もままならず。どう、とその身を横たわらせて僅かにピクピクと痙攣した後、動かなくなった。
「ようやっと息絶えましたか」
雷纏うパワーアップのその力の源は何なのか。エイレーネは多少連想する神の名を脳裏に浮かべるも、口には出さず。
「我々の作戦で、オリュンピアの儀式は既に破綻寸前でしょう」
闘技場に違う扉が大きく開いたが、あの向こうは勝ち抜いた者を讃える亜人どもが歓声を上げる広場なのだろう。
故に、ディアボロス達はここまで辿り着いた迷宮の来た道をそのまま戻っていく。亜人達は儀式が完遂されずに邪魔された事に気付くのかどうかは知らないが。
「このまま蹂躙の終焉まで駆け抜けましょう!!」
この地を奪還するまで。蹂躙を続ける亜人を蹂躙して見せる事が、ディアボロスとしての矜持なのだから。
🎖️🎖️🎖️🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】がLV2になった!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【能力値アップ】LV1が発生!