リプレイ
ジェーン・コーネリアス
全く、間一髪だったね
とはいっても、危機はまだまだ終わらないようだけど
ポルトで頂戴して、遥々大西洋を越えてきた船だ
こんなところで沈めさせはしないさ
空を飛ぶのが一番手っ取り早いけど、こんな待ち構えているところで飛んだらいい的だ
それじゃあ、こっちかな
【浮遊】で水面から少しだけ浮いて戦闘を行おう
歩く程度の速さしか出せないから速度じゃあっちが有利だけど、代わりにこっちは海藻の動きに左右されずに戦場を動くことができる
その利点を生かして敵の左右に動き、下手に動くと敵の足場になってる海藻が絡まるようにして敵も自由には動きづらいようにしよう
攻撃はカトラス「Macha」で一体ずつ。まずは敵が足場にしている海藻を『ヒルコ縮地撃』切りつけて切断、敵を粘つく海中へと落としてからこっちは浮遊で浮かびながら再度『ヒルコ縮地撃』で攻撃しよう
そんな海藻に乗ってくるくらいだ
多少慣れてるとはいえ、完全に対応できるわけじゃないんだろう?
海はそっちだけの味方じゃないって教えてあげるよ
一角・實生
海に棲む魔物――なんて言葉が脳裏を過ぎる
打ち勝っていかないとな
水面走行を使わずと海面に立てるとは相当だなあ
軍靴にスパイクやアイゼンを装着しておこう
気休めでも気持ち的に何かしておきたくて
会敵前に海面に降り、粘度がどれ程なのか知っておきたい
海賊船に巻き付く海藻にも足をかけ程度を確認する
敵の鎧からはみ出るフグ的な身体にほんの少しだけ和ん……駄目だ、気を引き締めないと
海賊船或いは巻き付く海藻に乗った状態で敵との戦闘に入るよ
しかしあの頭の膨れようは相当興奮しているね
風穴を開けたらしぼんだりするのだろうか
仲間と連携を重視して戦っていくよ
死角を補い、仲間の動きをフォローできる位置取りや動きを理想に
グラナトゥムを構え応戦する気が満々なのを見せつける
敵を更に興奮させたい
気合十分状態の奴らの攻撃タイミングを看破しパラドクスを発動
【命中アップ】の効果も使い、より的確な箇所へ当て撃破或いは海に落としてしまいたい
奴らを落とした後の海藻へは【エアライド】で飛び乗り戦闘を継続
反撃はグラナトゥムを盾とし受け流そう
●fell out
「全く、間一髪だったね……とはいっても、危機はまだまだ終わらないようだけど」
ジェーン・コーネリアス(pirate code・g10814)は、船を停めたことで逃れた最悪から、息も吐かせぬ海藻の襲撃を前に、鋭い眼差しを彼方へやった。
敵の首魁……サルガッソーが何処にいるのか、解らなくとも、宣戦布告の一睨みくらいはしても良かろう。
「海に棲む魔物、か」
ぽつり、一角・實生(深い潭・g00995)は脳裏に過った言葉を、呟く。
現実に存在する海域と、その特性、そこから派生した諸諸の物語。
濃密な潮の匂いに包まれながら、そんな試練に、見舞われている現実を前に。心に浮かぶのは緊張か、好奇心か――しかし、実際、船を絡める海藻を前に、気は引き締まる。
(「……打ち勝っていかないとな」)
彼の横顔を一瞥し、ジェーンも不敵な笑みを深め、誰にでもなく肯くと、
「ポルトで頂戴して、遥々大西洋を越えてきた船だ――こんなところで沈めさせはしないさ」
目前の問題へと意識を切り替えたように、貌を上げた。
「ヒャッハァ!」
フグ面の海賊らが歓声を上げて、海藻で波乗りしながら迫ってくる――。
「フグだ……」
實生は思わず、呟く。ふくやかなまるっとした形がでっぷりと載っている……目つきはちょっとアレだが、フォルムとしては、和み――かけて、ぐっと眉根に力を籠める。
「……駄目だ、気を引き締めないと」
滑稽な愛嬌があるのは否定しないが――ジェーンは、表情を変えず、戦況を判じる。
(「空を飛ぶのが一番手っ取り早いけど、こんな待ち構えているところで飛んだらいい的だ」)
だからといって、海を踏みしめるのは悪手といわれている。
「それじゃあ、こっちかな」
囁き、ひらりと海面へ跳ぶ――ジェーンの身体は、海面よりもふわりと浮いて、触れぬところで留まる。
浮遊した彼女は、儘、血のように赤い魔力を帯びるカトラスを構えた。
一方で實生は、海藻に片足を掛けたまま、海面を試すように片足を下ろしてみる。
「これは、駄目だな……慰めにはなるかもしれないけど」
スパイクを備えた軍靴でも、ねっとりと粘り着く海からは逃れられそうにない――早々に判断するや、船に絡みつく、海藻の上へと逃れる。
こちらなら、むしろ踏みしめが効く気がする――そんなことを考えながら、相棒たる銃を腕に抱く。
「ここは俺に任せて皆は先に!」
「ああ!」
「頼んだよ!」
頭上から、声が響いた。二人は振り返らず返答し、それぞれに敵を迎え撃つ。
雄叫びをあげる、フグ頭へ、ジェーンは常より浮つく身体を制御し、左右にゆっくりと歩き動いて、海藻の動きを乱す――絡み合って混乱すれば、なお良しと言えたが、頭上から振って来た爆撃が、海賊どもの進軍を少し乱した。
その機を逃さず、ジェーンはカトラスを構え、跳びかかる――間の距離を無視し、敵の眼前へと躍り掛かる、縮地の伎。
それは浮遊の不自由さから、一瞬、彼女を解き放つ。
「!」
驚きに、更に膨らんだフグ面を冷笑で見下ろし、ジェーンは鮮やかに剣を振るう。ばっさりと断ち切られたのは海賊の身体ではなく――その足元の、海藻。
「げっ!」
海賊が、目を剥く。
前進する海藻の勢いから切り離され、共に、海面へと転がり落ちる――否、ジェーンはふわりと浮き上がって、踏み止まる。
「そんな海藻に乗ってくるくらいだ。多少慣れてるとはいえ、完全に対応できるわけじゃないんだろう?」
「っ舐めやがって」
フグは、怒り混じりに、踏み込んでくる。確かに、ジェーンが海面で動くよりは、早い。だが、常相手にするアビスローバーの動きと比べると、鈍い。
「海はそっちだけの味方じゃないって教えてあげるよ」
不敵に告げ、繰り出される毒の突剣を、剣を合わせ凌ぐ。
掠めただけで毒を喰らうというのだから、油断はならぬ。相手の剣を大きく弾き、大きく跳躍して距離を稼ぎ、浮遊で速度が出せぬ状態で、最大に揺さぶりをかける。
しかし、敵にしても、ジェーンの指摘通り、安易に追いかけまわせぬ。相手も海の上にいれば、意気揚々と仕掛けたであろうが――。
ふっ、と息を吐いて、彼女は海賊の喉元へ刃を滑らせる。
鈍い音を立てて噛むのは、鎧の顎当てのような部分だろうか。しかし、衝撃に吹き飛ばされた敵が、海面に転ぶ。
その姿を、無様と笑うまい――ジェーンは真剣な眼差しで、その腕が動くのを見た。斬撃が、正しく自分を狙って、来る。
剣を正面に、身を守りながら、相手が万全の姿勢を取り直すより早く――地を縮め、剣を振り下ろした。
大鴉の爆撃が去って行く。水飛沫は重く、すぐに収まる。
それを見届けた實生は、断たれた海藻の上……銃を構えた儘、それを蹴った。
「しかし……あの頭の膨れようは相当興奮しているね――風穴を開けたらしぼんだりするのだろうか」
呟き、宙に躍ると同時。
彼が放った銃弾は、落ちろ、と言う意図を含むように敵の足元を狙っていた――海藻が抉れ、海賊は均衡を失いながらも、踏み止まり、毒を孕む突剣を繰りだした。
到底、刀身は届かぬ距離だ――が、毒を孕む衝撃波として、空中に身を躍らせた實生に襲いかかる。
彼は冷静に身体を捻り、翼を広げたり畳んだりとバランスをとって、宙を蹴る角度を調整した。
ひゅっと肩口を掠め行く気配を余所に、實生は宙にあるまま、次の一手を仕掛けるべく、銃を構え直す――狙う着地地点は、敵が乗ってきた海藻。
海藻はまだ、速度をもって前進している……。
翼持たぬ者であろうとも必ず体験できる、一瞬の無重力。跳躍の最高到達点から、重力に引っ張られるまでの一瞬、スコープ越しに敵を見つめる。
膨れ上がるフグ面を捉えても、もう笑みは、浮かばない。
「ここだね」
ただ穏やかに、引鉄を引いた。
「あッ!?」
刹那の砲火、海賊の足、海藻ごと激しく爆ぜて、千切れる。
焦りの一声と入れ替わりに、ふわりと實生が、無事な海藻の上に降り立つ。
「卑怯だぞ! かくなる上は――てめえも落ちやがれ!」
海に落ちたフグ面は、ますます膨れて叫ぶや、毒剣を、實生目掛け――海藻ごと貫くように、振るう。
足元に、穴が開く。海藻がぐらりと揺れるも、實生は銃を盾に、衝撃を凌ぐと、海藻の上を駆ける。更なる攻撃を仕掛けるために身構える海賊は、慎重だ。自由に動ける實生に対し、自分は制限を受けているのだから、当然だろう。
それでも、アビスローバーの意地とばかり、粘性の高い海をそれなりの速度で駆けながら、實生へと剣を突き出す――視界から逃しさえしなければ、この距離はいくらでも詰まるのだ。
果たして、實生は、それを見越し。首筋を狙う鋒を銃把で叩き、弾いた。
衝撃を逃すように後ろへ跳びながら、ぎょっと目を剥いたフグ頭へ、銃口を向け。
「さて、しぼむかな――」
独り言と、高らかな銃声。そして、破裂する音が海上に響いた――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【浮遊】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
マティアス・シュトローマー
おおー、ギリギリセーフって感じ?
仲間の慧眼に救われたなー
……でもまさか、サルガッソー海域全体に罠を仕掛けていたなんて
アビスローバー達も面白い手を考えてくるね
――壊し甲斐があるって意味で!
海藻に捕えられないよう【フライトドローン】を足場にして海上に浮かび、パラドクスを発動。具現化した大鴉達を放ち、一面に広がる海藻達を爆破していく
向かってくるアビスローバー達も巻き込んでダメージを与えつつ、敵の注意を引きつけよう
ここは俺に任せて皆は先に!
完全にフラグなんだけど言ってみたかったんだよなー、このセリフ
もちろん意地でも折るんだけど!
爆発によって上がる水飛沫を目隠し代わりに戦場を縦横無尽に移動。こちらへと伸びてくる海藻も躱していこう
呼び出したフライトドローンからフライトドローンへと、飛び石のように移動していくのも手だろうか
フグ達の水鉄砲もライオットシールドを構える事で直撃を回避。海水はともかく、毒を浴びるのは御免だからね
さてと、お掃除完了!
俺の大鴉達にとっては絶好の獲物だったみたい
●breakdown
「おおー、ギリギリセーフって感じ? 仲間の慧眼に救われたなー」
軽やかに。マティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)はいつもの調子を崩さず、一見、何の変哲もない海を冷やかした。
そして、船に絡みつく巨大な海藻に視線を移す。
「……でもまさか、サルガッソー海域全体に罠を仕掛けていたなんて、アビスローバー達も面白い手を考えてくるね」
ぱちり、グレーの瞳がひと瞬き、悪戯っぽく細められる。
そこに宿るは、敵の仕掛けた絶体絶命を掻い潜る、快味。
「――壊し甲斐があるって意味で!」
指を鳴らし、マティアスは船から飛び出す――跳躍と同時、フライトドローンを空中に放つ。
全ドローンに複雑な動きを命じることはできないが、飛び石の足場にできればいいと、船と迫るアビスローバーらの中間地点に適当に配置しながら、マティアスはその上を駆けながら、うねり、船を絡める海藻へ、仕掛ける。
「Bitte schön!」
マティアスを中心に――一斉に、大鴉達が羽ばたいてゆく。
刹那、あちこちから爆発音と、燻った臭いが立ち上がる。鴉たちの爆撃で、千切れた海藻が、縮みながら海へと落ちていく。
船の海藻を消し飛ばしながら……彼は更に迫り来るフグ頭海賊達へも、わざと流れ弾を喰らわせる。
「ほらほら、鬼さんコチラ――ってね!」
引き寄せることで、仲間達が仕掛けやすいように。必要以上に深入りするつもりはないが、狙いを掻き乱し、船を守る。
「ここは俺に任せて皆は先に!」
ドローンを足場に駆けて、高らか叫ぶ――。
「ああ!」
「頼んだよ!」
すかさず届いたいらえに、はは、と無邪気に声をあげて破顔しつつ、
「完全にフラグなんだけど言ってみたかったんだよなー、このセリフ――もちろん意地でも折るんだけど!」
言いながら……また、うぞうぞと立ち上がってきた海藻へ、大鴉を放つ。
広い範囲の爆撃によって、再び穴だらけになった海藻が、海へと戻っていく。
その間も、マティアスは絶えず位置を変え、敵の集中をこちらへと誘導する。
海にも落ちた爆撃の影響で、水飛沫が上がれば目隠しにできる――と思っていたが、粘性の高い海では、さほど高い飛沫はたたなかった。目眩ましに使えたのは、海藻から昇る煙だろうか。
「ちまちま鬱陶しい!」
進路を爆撃され、苛立った海賊が、頬を膨らませ、びゅっと天に水を吐く。
「おっと」
マティアスはドローン上を跳びながら、さっと腕をあげる。小型の盾が、海賊が放った毒を受け止め、弾く。
彼はにやっと笑い……これで最後と放った大鴉で、船にしがみつく海藻の一房を一掃し。
もうもうと立ち上った灰色の煙を、ドローンの上で満足げに眺める。
海風が、額に掛かるタンジェリンの前髪を掠い、大いに楽しそうな表情を、輝くグレーの瞳を、顕わにした。
「さてと、お掃除完了! ――俺の大鴉達にとっては絶好の獲物だったみたい」
晴れやかな声で、不敵に。
さあ、次はどうする?
海藻の上で唸るアビスローバーを見下ろした。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
ジェーン・コーネリアス
配下は失い、船に絡みつく海藻は掃除され……
くっくっ、戻ったら親玉に大目玉を食らいそうだね?
ま、安心するといい
そんな時なんて来やしないんだから
二丁のピストル「Badhbh」、「Nemain」を手に戦闘
【フライトドローン】を足場に借りて、アクロバティックに跳びまわりながら『血彩の驟雨』。二丁のピストルからの連射でキャプテン・オルカを撃ち抜くよ
【エアライド】も合わせてフライトドローンから落下しないよう、最適な経路を見極めて空中ジャンプ
積み重ねた残留効果で地形の悪さをカバーしよう
敵がシャチ海賊団を呼び出してきたらそのまま血彩の驟雨の連射で対応。近づかれないように立ち回り、ジャンプでマスケット銃やロープを避けながら撃ち抜いていこう
盗人でもなんでも、何とでも言うといいさ
何を言ったところでこの船は返しやしない
海の底でサルガッソーにもそう伝えなよ、まだ口が利ければの話だけどね
一角・實生
フラグを見事に折った仲間に少しだけ笑顔を浮かべる
いいね。このままの勢いで押し切ってしまおう
船も海藻やこの海水にまとわりつかれて辟易しているかもだし
俺は仲間より後方に位置し、状況を広く見るようにしておきたい
海藻やそばに控えさせたフライトドローンを足場とするほか、飛翔でも浮かぼう
差は縮まったかもしれないけれど、地の利は未だ敵にあるだろう
仲間とは連携を意識しつつ別方向からの攻撃といくよ
1対多数の利をこちらは活かす
幻影がこの戦場を自由自在に動き回られるのは困る
パラドクスを発動し敵が幻影に行う指示を遮ってしまいたい
そのままグラナトゥムで連続した銃撃を行い、仲間の援護と幻影の撃破を図ろう
命中アップとダメージアップの効果をのせ、より的確な位置へ更なるダメージを
悪いな、数の利までは渡したくないんだよ
それに群れ――統制のとれた集団の恐ろしさは十分知ってる
戦いが終わればこの海域からは一旦離脱だね
制服や軍靴についた粘つく海水を払いながら
……翼!! 羽根の中に海水が入り込んでいたら相当落ち込むかもしれない……
エヴァ・フルトクヴィスト
海賊島に何事も無く近づけるとは思っていませんでしたが。
体勢を立て直す為にも、引きずり込まれる訳にはいきませんね!
海藻は断ち切っていただいたので、あとは襲い掛かる海賊を断つのみ。
キャプテン・オルカ……、私自身の因縁ではありませんが。
意志と力を受け継ぎし者として、此処で墜ちて貰いますよ!
味方と連携して、討ち取りますよ!
足場を更に増やすべくアイスクラフトも使用。
フライトドローンも駆使して足場を確保。
敵の攻撃には高速詠唱で生み出し、統率した氷像たちに混じることによって攪乱。
精神を集中し、敵の殺気から攻撃を看破。
急所を外しつつ、オーラ防御や衝撃波で音波を乱してダメージを最小限に。
海に落ちてあげる程私達は優しくもありませんし、
少ない足場で貴方の攻撃を捌けないと、部下を見て学ばなかったようですね。
お返しに加減速による残像のフェイントも交えつつ氷像たちと共に制圧射撃や斬撃で攻撃していきます。
生みの藻屑となるのは、キャプテン・オルク、貴方だとその身を以って識りなさい!
仕切り直して、準備にリベンジですね!
マティアス・シュトローマー
間違いない
この戦いが終わったら真っ先にシャワーを……って、これもフラグになる?
頼もしい仲間達のお陰で背中を気にせず戦える。仕掛けるタイミングや位置取りで連携を意識し“キャプテン”に挑もう
後手に回ってくれるのなら有難く
こちらから行かせて貰うよ
【フライトドローン】から飛び降りると同時にパラドクスを発動。効果レベルの増した【エアライド】で宙を蹴り、不規則な軌道を描きながら加速し肉薄。勢いそのまま衝撃波を伴う一撃をお見舞いするよ
地の利があるとはいえ、相手にとっても海藻の上は不安定なはず。盛大にバランスを崩して貰えたら嬉しいね
そういう役割は一人で十分
君に譲るよ
攻撃後は【フライトドローン】の一つに指示を出し、体を受け止めて貰う事で着水を回避
幻影達が持つカットラスと放たれた銃弾はライオットシールドで弾き、ロープはP08で狙い撃ってその軌道を逸らす。手数では敵わないだろうから、深手を負わないようガードアップの効果も纏っておこう
……ドンマイ
でも船は守り切れたんだ。この借りはサルガッソー戦で返してやろう
●so, freely
あっという間に、窮地を凌がれた――キャプテン・オルカは、愕然と、しかし、つぶらに見える瞳を光らせ、ディアボロスらを睨んだ。
「配下は失い、船に絡みつく海藻は掃除され……くっくっ、戻ったら親玉に大目玉を食らいそうだね?」
ジェーン・コーネリアス(pirate code・g10814)の揶揄に、彼はぐっと口を噤む。
自棄になって反論しても同じ事――ボスに何を言われようが、言われなかろうが……目の前に立ち塞がるディアボロスらを倒して、再度海藻を仕掛け直すより他にない。
「ま、安心するといい。そんな時なんて来やしないんだから」
「なんの。調子に乗っている者どもから、略奪するのもまた一興――」
くるりと二挺の拳銃を左右それぞれにくるりと回し、嘲るジェーンに。
オルカもまた、カットラス片手に、存外獰猛な歯を見せ笑いかえす。
斯様なやりとりを躱しながらも――それの乗る海藻は、粘つく海をぐんぐんと進む。
対するジェーンは、フライトドローンを足場に、海上からは離れている。
粘つく海での戦いを考えれば、不利有利はイーブンに近い。
――しかし、オルカを囲むのは、彼女ひとりではない。
「いいね。このままの勢いで押し切ってしまおう。船も海藻やこの海水にまとわりつかれて辟易しているかもだし」
一角・實生(深い潭・g00995)が軽く天を仰ぎ、マティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)に、柔らかな笑みを見せる。
視線の高さ程度にホバリングしているフライトドローンの上にいるマティアスは、晴れやかな、不敵な笑みを返す。
「間違いない――この戦いが終わったら真っ先にシャワーを……って、これもフラグになる?」
「どっちかっていうとフラグ……かなぁ」
實生は、更に笑みに目を細めた。
「まあ――俺の死亡フラグとは限らないよね」
「うん。確かに」
そういうやりとりを、交わして。
お先にと告げるように手を振って、マティアスが前へと跳びだしていく。
「Leck mich am Arsch! ……なんてね」
瞬時、マティアスの振り上げた腕を、鋼鉄の籠手が覆い、
「頼もしい仲間達のお陰で背中を気にせず戦えるからね。こちらから行かせて貰うよ」
「!」
彼は、宙を蹴って、角度を変え――ぎょっとしたオルカの頭上まで肉薄し、拳を振り抜く。
咄嗟に身体を傾げたものの、その胴を捉えるや、衝撃にオルカはバランスを崩す――否、それの身体を伝わり、足元の海藻までを揺らした。
海藻の上でバランスを崩すようにと狙った打撃だ。
「てめぇっ」
ぐらっと、致命的に足を滑らせて……オルカは、くわっと目を剥いた。
「そういう役割は一人で十分――君に譲るよ」
マティアスは、オルカにウインクを投げる。
「チクショウ、てめぇら、やっちまえ!」
即座に、カットラスやマスケット銃で武装したシャチ海賊団の幻影がマティアスを取り囲む。
マティアスも、宙に留まる力を行使していないので、ただ落下するのみだが――一機のドローンを引き寄せ、その上に着地する。
追いかけて来る、様々な海賊の武装は……小型の防護盾で受け止めながら、彼はじっと難を凌ぐ。
海上に立ったオルカといえば、
「蝕む痛みを」
實生は相棒であるグラナトゥムを確り抱え、翼を広げ空に浮かび――オルカ目掛けて、あらん限りの銃弾を放つ。
それらは、彼の身に宿る昏冥の力を込めた弾であり。
あらゆる防御を貫通する性質を持つ――必ずそうとは限らぬが、少なくとも銃弾に籠められた呪いは、相手の身体を貫き、蝕む。
海上に落とされたオルカは、逃れられず、四肢を穿たれ、その全身は赤い飛沫に包まれる。
すぐに實生は風を撃ち、空をスライドするように駆ける。
果たして、オルカの召喚したシャチ海賊団は彼の眼前に現れて、逃すまいと剣を振るう。
それをスピードで翻弄しながら、ぴっと鋒に外套を引っ掛けられ、僅かに痛みが走ろうと――全速力で、風の如く、突破した。
悔しそうに歯がみしながら……しかし、トループス級よりは、まだ自由が利くらしいオルカは、駆け出す。
そのままの場所に留まる危うさを、理解しての行動――しかし、その眼前に突如と、氷の壁が聳え立ち、行く手を阻んだ。
「海賊島に何事も無く近づけるとは思っていませんでしたが――体勢を立て直す為にも、引きずり込まれる訳にはいきませんね!」
氷の上で、エヴァ・フルトクヴィスト(星鏡のヴォルヴァ・g01561)は。
オルカをひたと見据えて、告げる。
「キャプテン・オルカ……、私自身の因縁ではありませんが。意志と力を受け継ぎし者として、此処で墜ちて貰いますよ!」
フライトドローンを渡って、アイスクラフトで作った足場の上、朗々と唱う。
「託された思いを受け継ぐ者として、そのお力お借りします。識りなさい、美しくも散りし復讐者たちの氷像たち、その闘いを!」
彼女の魔力によって紡ぎ出された、氷像は、セイレーンのような姿を形取り……オルカを目掛けて、雄々しく剣を振るう。
あちらはパラドクスの作った像ゆえ、海の影響を受けず、鋭く斬りこめる。反撃すら恐れる必要の無い氷像は、深々と間合いを詰めて、カトラスを薙ぎ払う。
「コイツッ」
オルカも、咄嗟に剣を合わせて身を守ったが……腕に走った疵口は、霜と灼けて、オルカを更に甚振る。
「クソ、万全なら、こんなヤツ!」
苛立ちから、負け惜しみが、思わずそれの口から零れると、エヴァは呆れたように嘆息する。
「海に落ちてあげる程私達は優しくもありませんし、少ない足場で貴方の攻撃を捌けないと、部下を見て学ばなかったようですね」
「チィッ」
痛いところを突かれ――とはいえ、咄嗟に用意できるものではないという悔しさはあろうが、新しい海藻に乗ったところで、それを優先して破壊されることは間違いない。
オルカに出来ることは、確実に攻撃を凌ぎ、反撃して相手を潰すこと、だ。
「うっせぇ!」
そう叫ぶと同時、オルカはエコロケーション――のようなモノで、粒子の振動を励起し、エヴァ目掛けて、熱を放つ。
高音に、氷塊は溶け、エヴァもまた高熱の放射に襲われるが、予測し身を守りながらドローンに飛び移ることで距離を置く。
そんな彼女と入れ替わりに、
「いい様だね」
笑いを含んだ声が降ってくる。
「派手にいこうか!」
宙返りや横飛びで、アクロバティックにドローンを渡って来たジェーンが、二挺拳銃を突きつけ、次々撃つ。
高い銃声、肉を穿つ鈍い音が、続けて鳴り響き、粘つく海の上に新たな血霞が漂った――。
オルカも、既に覚悟は決めている。歯を鳴らし、幻影のシャチ海賊団を召喚する。
「ロープを投げろ! 撃ち落とせ!」
自分を鼓舞するように、それが叫べば、海賊団は高く鳴き、一斉にジェーンへ武器を放つ。
飛び交うロープの合間を、銃弾の隙間を、ジェーンは軽やかに潜り抜け、宙を多段に跳びながら、ドローンからドローンへ渡る。
無論――完璧にとはいかず、膚を掠め行く熱をいくつも感じたが、それを表情には出さず、ただ、攻撃は狙い通りにいかなかったという結果を突きつける。
苛立ちを隠さぬオルカは……しかしディアボロス達から、これだけの猛攻を受けながら、まだ猛然と挑み掛かる。
再びの幻影が、ぼうっと實生を囲うよう浮かび上がる。
行く手を遮るシャチの群れを目前に、彼はただ銃を構えた。自分に降りかかる攻撃を打ち破るように、引鉄を引き――昏冥の力を、掃射する。
打ち破られる幻影の姿と、その向こう、海面で蹲ったオルカに向かい、囁きかける。
「悪いな、数の利までは渡したくないんだよ。それに群れ――統制のとれた集団の恐ろしさは十分知ってる」
だから、徹底して潰す――穏やかな口調は、一貫して変わらぬ。
上を睨むオルカへ、隙ありと、ひらりと身を躍らせ、マティアスが拳を振るう。肉を打つ、空砲がして――オルカは一気に吹き飛ばされる。
「ぐ!」
思わずそんな声を漏らしたのは、その勢いの儘、氷の壁に叩きつけられたからだ。
全身の骨を砕かれるのではないかという程の衝撃で、息を詰まらせた瞬間、
「海の藻屑となるのは、キャプテン・オルク、貴方だとその身を以って識りなさい!」
凜乎としたエヴァの声が、空気を揺らし。
氷壁へ縫い止めるかのように、氷像の美しきセイレーンの海賊達が、流麗な剣を海賊の身に突き立てる。
最後の距離を詰めるべく、ジェーンがドローンを足蹴に、伸身で宙を舞い――さかさまに美しい弧を描きながら、二挺の銃を、全弾撃ち出す。
満身創痍で動けぬオルカは。
それでも幻影の海賊を紡ぎかけたが――胸を穿つ銃弾と、吹き出した夥しい地の中に沈んでいく。
「盗人でもなんでも、何とでも言うといいさ。何を言ったところでこの船は返しやしない。海の底でサルガッソーにもそう伝えなよ――……まだ口が利ければの話だけどね」
最後に、ジェーンはそう告げて。
緩やかに赤を広げていく海面を眺めながら、ドローンの上へ、鮮やかに着地した。
●excursus
「さて、片付いたね――この海域を無事に脱出するまでは、この攻防は続くだろうけど」
忌々しげに――されど、さっぱりとした声音で、ジェーンが船を振り返る。
様々な迷信渦巻くサルガッソー海域だ。様々な警戒はしていたが、こうしてはっきりと害となる力を得られると、辟易とする。腕が鳴ると言えば、鳴るのだが。
「仕切り直して、準備にリベンジですね!」
エヴァは、明るく言う。
進むためには、対処せねばならぬ。
そして、ディアボロス達はそれを実行してきた――この船旅も、そうだ。
「切り抜けて見せましょう」
「そうだね」
にっこりと笑うエヴァは、自信に満ちている。ジェーンも、片頬で笑う。
魔のサルガッソーを攻略したとなれば、海賊として箔が付く――そう考えて、悪い気はしないと、潮風に髪を揺らして、肯いた。
實生は海水にべたつく全身を手で払い、確かめ――ねっとりとしたそれは、海水独特の臭いを放ちつつ、ジェルのように凝っている。
服や靴は、仕方ないかというように拭っていた彼だったが、全身の点検を終えて、はっと気付く。
「……翼!!」
くるっと振り返っても、背の翼が綺麗かどうか、自分では確かめられない。
――鳥の翼などは、油があって、簡単に汚れないものだけれども、汚れないものではなくて……。
もし、羽の中にこの海水が入り込んでいたら……と考え、どんよりと表情を暗くした實生の肩を、マティアスが励ますように叩く。
「……ドンマイ」
それは、翼は残念なことになっているって意味だろうか――肩を落とした彼に、マティアスは曖昧な笑みを向ける。
悪戯好きの彼の事、どっちともとれる優しい微笑み浮かべ、神妙な声音で続ける。
「でも船は守り切れたんだ。この借りはサルガッソー戦で返してやろう」
「それに異論はないけど――」
何とか翼を確認しようと首を回す實生に、頑張ろう、マティアスはにっこり笑う。グレーの瞳に宿る耀きから、面白がっているのは間違いない。
果たして、帰還するまで、實生は、翼の状態にやきもきしたままであったとか、なかったとか――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV2が発生!
【アイスクラフト】LV1が発生!
【エアライド】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!