蛞蛇の歌(作者 坂本ピエロギ
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#蹂躙戦記イスカンダル  #ペルセポリス包囲作戦  #ペルセポリス  #ダレイオス3世 

『ええい、忌々しい!』
 壮麗な装飾が施された白亜の宮殿。
 大都ペルセポリスの中心部たる一室で苛立ちも露わに文机を叩き壊すのは、『ダレイオス3世』その者であった。
 イスカンダル大王の支配を逃れ、新たな勢力に鞍替えを図る計画が遅々として進まぬこと――それこそが、都の王たる亜人の苛立ちの源だ。
 周辺の情勢を探りに行かせた偵察部隊は未だ戻らず、法正からの音沙汰も無い。絶大な力を誇るダレイオス3世も今は待つ以外に術はなく、その事実は一層焦りを募らせる。余裕を失った口から洩れるのは、今や悪態の言葉ばかりであった。
『くそっ! リグ・ヴェーダへ降伏するには、頃合いを間違える訳にいかんと言うのに……!』
 下手なタイミングで反旗を翻せば、イスカンダル大王の軍勢はペルセポリスへ攻めて来るだろう。
 先の大戦で敗れたとはいえ、断片の王は未だ健在。その勢力とぶつかれば只では済まないことを、彼は理解している。
『……悩んでいても始まらぬ。今一度、周辺の亜人部族を我が都に召集せねば』
 この情勢下において、信じられるのは己のみ。
 抑えようの無い焦りに心を焦がしながら、ペルセポリスの王は耽々と好機を待ち続けるのであった。

●新宿駅グランドターミナル
「やあ皆。攻略旅団の方針で、ペルセポリス包囲作戦が行われることに決まったよ!」
 ️リュカ・アルページュ(人間のサウンドソルジャー・g01327)はそう告げて、復讐者たちに説明を開始した。
 先の奪還戦におけるイスカンダル大王の敗走により、王の支配を逃れつつある亜人『ダレイオス3世』。ペルセポリスの王でもある彼は、現在、隣接ディヴィジョンである『蛇亀宇宙リグ・ヴェーダ』への鞍替えを目論んで、その準備を着々と整えつつある状況だ。
 周囲の亜人部族をかき集め、情勢を掴むべく偵察や伝令を送り――そして時が来れば、彼は行動を起こす気なのだろう。
「それを止めるために、皆には『ペルセポリスの包囲』を頼みたいんだ!」
 情報収集を行う部隊を撃破し、都の防衛部隊を誘引して各個撃破すれば、ダレイオス3世を孤立させることが出来る。
 そうすれば、大都ペルセポリスを攻略することも可能となる。イスカンダル東部の要衝である都を抑えれば、断片の王たるイスカンダル大王の力は更に失われる筈だ。

 今回の作戦では、『偵察部隊の撃破』と『防衛部隊の撃破』の二つが目標となる。
 最初に撃破すべき目標は『オーガコンスル』の偵察部隊だ。こちらはペルセポリス周辺の情報を集め終え帰還している最中で、周辺への警戒もさして行っていない。戦闘を仕掛ければ問題なく勝利できるだろう。
 偵察部隊を倒した後は、ペルセポリスを守る『ジャヒー』と『オタマジャクシ歌劇団』の防衛部隊を撃破する必要がある。こちらは都の城壁を防衛する任務に就いているため、挑発を行って戦場へ誘い出さねばならない。そうして戦闘を行い、部隊の指揮官であるジャヒーを撃破すれば作戦は成功だ。
「防衛部隊は、歌や踊りに自信がある亜人で構成されているよ。彼らの前で皆の歌や踊りを見せてあげれば、対抗心を露わに出てくるだろうから――その機を逃さず、一網打尽にしてやって」
 作戦自体には難しい要素こそ無いが、王であるダレイオス3世は既に余裕を失いつつある。
 従って、攻略に時間を掛け過ぎれば、ペルセポリスが封鎖されている状況を察したダレイオス3世は、都から脱出を試みる可能性も無視できないとリュカは言った。もし脱出を許せば、リグ・ヴェーダは勢力を更に拡大してしまうだろう、とも。
「ダレイオス3世を逃がさないためには、攻略のスピードが大事になる。皆、頑張ろうね!」

 現時点において、ダレイオス3世がリグ・ヴェーダへの降伏を考えていることはほぼ間違いない。
 だが、肝心のアーディティヤらの軍勢が現れないため、最後のところで踏ん切りがつかない状況のようだ。
「リグ・ヴェーダはともかく、法正はダレイオス3世を騙して使い潰そうと企んでいてもおかしくない。もしかすると彼は、そのあたりの情報も調べたいのかもね」
 そんな敵の状況は、復讐者側にとっても付け入る好機と言える。
 逃げる隙を与えることなくダレイオス3世を撃破するなら、今回の作戦は確実かつ迅速に成功させる必要があるだろう。
 そうして説明を終えたリュカは、パラドクストレインの発車準備を完了する。復讐者たちが勝利し、無事に帰還することを心から信じて。
「さあ、出発するよ。ダレイオス3世に決戦を挑むためにも、ペルセポリスの亜人たちをやっつけてやろう!」

●蹂躙戦記イスカンダル:ペルセポリス近郊
『おお、城壁が見えてきたぞ』『これで、後は報告を行うのみだな。だが……』
 帰還すべき地へと急ぎながら、偵察部隊の『オーガコンスル』たちは一様に曇った表情を浮かべていた。
 浮かない表情の理由はシンプルだ。彼らがダレイオス3世より受けた周辺の情報収集という密命こそ果たしたものの、その内容を聞いた時の王の態度が、彼らにはありありと想像できたからである。
『リグ・ヴェーダの軍勢も、法正様の部隊も、周囲には確認できず……この情報をどう伝えたものか』
『ここで悩んでも仕方あるまい。急ぐぞ』
 大都ペルセポリスを目指し、オーガコンスルたちは道を急ぐ。
 彼らを狙って動き出している復讐者の存在を、未だ知らぬままに――。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
2
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【現の夢】
1
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【水面走行】
2
周囲の水面が凪ぎ、ディアボロスが地上と同様に走行や戦闘を行えるようになる。ディアボロスと手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人も同行可能。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。
【防衛ライン】
3
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV4 / 【ダメージアップ】LV1 / 【先行率アップ】LV4 / 【アヴォイド】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

坂本ピエロギ
 坂本ピエロギです。このシナリオはイスカンダルの大都ペルセポリス近郊が舞台となります。
 帰還中の偵察部隊と都の防衛部隊、二つの部隊を撃破して、都の包囲を進めていきましょう。
 以下、作戦の概要となります。

🌍現地情報🌍
 ペルセポリス近郊(蹂躙戦記イスカンダル)

✏作戦概要✏
 今回の作戦目標は、『偵察部隊の撃破』と『防衛部隊の撃破』です。
 ペルセポリスへ帰還してくる偵察部隊を襲撃・撃破した後(③)、防衛部隊を挑発で誘引(①)。出撃してきた亜人たちを撃破すれば作戦は成功となります(②・④)。
 防衛部隊の亜人たちは歌や踊りに自信を持つ個体で構成されており、その性質を利用すれば挑発は容易となるでしょう。

 攻略順は③→①→(②・④)。成功条件は④の達成です。
 速度重視のシナリオという性質上、執筆は参加人数が揃い次第、適宜開始いたします。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしています。
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このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


旗楽・清政
【翠緑の師弟】

いよいよダレイオス3世の撃破、ペルセポリス攻略も視野に入ったでござるか。
それがし、以前(シナリオ「偽装攻城戦」にて)、
「じきに始まる総掛かりにて、ダレイオス3世をはじめ貴様等を鏖とし、ペルセポリスの民等を解放致す!」と
ペルセポリスの中に向けて告げた事がござる。
如何に計のためとは言え、ペルセポリスの民等がもしやそれを信じ、
期待しておるのではあるまいかと、かねてより気がかりでござった。
だが、これでようやくその言を真に出来る。

さて、まずは偵察部隊のオーガコンスル達の撃破でござるな。
此度は、エスメラルダが初手、嘉内が二番手、そしてそれがしが最後に仕掛けるでござるよ。
エスメラルダが絶海砲戦で敵を乱し、さらに嘉内の緑翠蝗で混乱を加速させ、
それがしの家臣団突撃で残らず殲滅と言う寸法でござる。

嘉内の緑翠蝗の後にすかさず家臣団突撃を発動し、
一気呵成に畳みかけるでござるよ。
「かかれぇ! かかれぇ! 彼奴等の一体たりとも、討ち漏らすでないぞ!」
【大声】で叫び、彼奴等の混乱に拍車をかけると致そう。


エスメラルダ・リベロ
【翠緑の師弟】

(常時軍人モード)

ペルセポリスか、懐かしいな。
ディアボロスがここを攻撃すると装うべく、清政殿と訪れて以来だな。
その時以来、清政殿は此処のことが気がかりだったようだが、
計のために発した言葉を真実に出来るとあって、随分と張り切っているな。
私と嘉内が連れ出されるのももう何時ものことになった気はするが、
それならばそれで、しっかりと手伝うとしようか。

さて、まずこのオーガコンスル達の撃破だな。
では、手筈どおりに私から仕掛けるぞ。
絶海砲戦のパラドクスを発動して、オーガコンスル共を次々と砲撃だ。
この重装型戦艦級海戦装『肥後』の、四基の試製大口径三連装砲、
計十二門の大口径砲による砲撃の火力を思い知れ!

敵の反撃は、巻物を怪力で振り回してくるのか。
ならば、緑の大盾でそれを遮り防ぐとしようか。
もし緑の大盾で防ぎきれなければ、肥後の装甲やオーラフィールド、
何より私自身の生命力で耐え抜くぞ。
いくら相手が怪力とは言え、所詮はトループス級の攻撃。
多少殴られたところで、どうと言うことはない!

では続け、嘉内!


旗楽・嘉内
【翠緑の師弟】

ペルセポリスって言うと、アケメネス朝ペルシャの首都、だったか。
それもイスカンダルのディビジョンの中となれば、
やっぱり史実のアケメネス朝ペルシャみたいな雰囲気なのかな。
そうだとすると、御先祖達はともかく、オレは純粋にワクワクするね。
ただ、今回はまだ包囲の段階なのね。

さて、その包囲を成功させるためにもまずはこのオーガコンスルを撃破しなくちゃなんだが。
何でコンスルがトループス級としてこんなにワラワラいるんだよ!
(共和制ローマの)コンスルは定員2名だろ!?

まぁ、いいや。
とにかくオレは、エスメラルダさんの絶海砲戦に続いて緑翠蝗を発動して、
砲撃を受けた奴等の混乱を加速させるぜ。
往け、災厄の蝗よ! 奴等を残らず喰らい尽くせ!

とは言え、流石に全部は仕留めきれないか。
反撃は、無数の情報をぶつけてくるんだな。
物理的なものじゃないから対処が悩ましいけど、
とりあえず【精神集中】して、その情報に流されないようにするぞ。

オレが動けなくなっても、続く御先祖の家臣団突撃が待ってるだけだがな。


 静寂が包む、ペルセポリス近郊の荒地。
 そこを群れ成して進むのは、トループス級亜人『オーガコンスル』たちの偵察部隊だ。
 目指す大都は目の前だというのに、彼らの表情は一様に暗い。主であるダレイオス3世が求める情報が得られず、手ぶらの帰還となったことが其の理由であった。
『やれやれ、ダレイオス様にどう報告を行ったものか……』『まったくだ。ああ、気が滅入るわい』
 ため息を交わしあいながら、帰還を急ぐコンスルたち。
 そんな彼らの元へ、今まさに三人の復讐者たちは迫りつつあった。偵察部隊であるコンスルを倒し、ダレイオス3世が籠るペルセポリスを封鎖するために――。

「いよいよダレイオス3世の撃破、ペルセポリス攻略も視野に入ったでござるか」
 亜人の大都ペルセポリス。その威容を、旗楽・清政(知勇兼備の昼行灯・g08816)は身を隠した岩陰から見澄ましていた。
 堅牢な城壁に守られた都が今いかなる状況なのか、伺い知ることは未だ出来ない。だが、亜人が支配する地での人間たちの暮らしは、考えを巡らせずとも想像することは容易だ。
(「こうしている今も、民等は怯えながら暮らしておる筈。……亜人どもめ、許せぬ」)
 民の窮状に思いを巡らせ、清政が拳を握る。
 骨が軋みを上げそうな程にまで込めた力は、彼が抱く亜人への怒りに等しい。同時に其処には、かつてペルセポリスで行われた偽装攻城戦において、大都の民へ向けた言葉――それが未だ、現実となっていないことへの歯痒さも含まれていた。

 ――じきに始まる総掛かりにて、ダレイオス3世をはじめ貴様等を鏖とし、ペルセポリスの民等を解放致す!

 復讐者である清政にとって、其れはあくまで計略の甘言として放ったもの。
 だが、同時に彼はこうも思う。都に住む人々の中には、その言葉を救いに今を生きている者も居るのではないか。期待を胸に耐えている者も居るのではないかと。
「そのこと、かねてより気がかりでござった。だが、これでようやくその言を真に出来る」
 日本から遠い異邦の地であろうと、苦しむ民を見捨てることは出来ない。
 包囲を完成させ、ダレイオス3世を討ち、そして、1日も早くペルセポリスを解放してみせよう――そう決意を新たにする清政の姿を、エスメラルダ・リベロ(蒼海に輝く翠緑・g10981)は静かに見守っていた。
(「ペルセポリスか、懐かしいな。私にとっても、此処は清政殿と訪れて以来だが……」)
 かの大都攻略に清政が賭ける並々ならぬ思いは、弟子であるエスメラルダも当然理解している。
 こうして弟子である自分が連れ出されるのも、何時ものことと思えば気にもならない。全てのクロノヴェーダを滅ぼすことは、復讐者である彼女にとっても同じであった。
(「……だが、前とは違うこともある。新たに出来た弟子が一緒ということだ」)
 そう思って視線を向けた先に居るのは、彼女の弟弟子――旗楽・嘉内(フルアーマーウィザード・g11216)だ。
 彼は今、清政やエスメラルダと岩陰に身を隠し、じきに現れるであろうオーガコンスルを襲撃する機を窺っている。だが、その意識と目線はペルセポリスの方にもちらちらと向けられていた。初めて目にする亜人の大都に、その好奇心をいたく刺激されたらしい。
「ペルセポリスか。蹂躙戦記イスカンダルの中となれば、史実のアケメネス朝ペルシャみたいな雰囲気なのかな」
 清政やエスメラルダとは異なり、彼の心に宿るのは純粋な好奇心である。
 城壁に囲われた大都の中には、どんな景色が広がっているのだろう。今回はまだ包囲の段階なのが、少々残念だ――そんなことを人知れず考えていると、警戒を行っていたエスメラルダの声が耳朶を打つ。
「……敵影だ。攻撃の準備を整えておけ、嘉内」
 そうしてエスメラルダが指さした先、道の彼方からは、偵察を終えて帰還するオーガコンスルの一団が見えた。
 ペルセポリスを包囲する為にも、彼らの情報をダレイオス3世に届けさせる訳にはいかない。清政とエスメラルダに遅れじと支度を整えつつも、歴史を嗜む嘉内の口からは敵への疑問が反射的に零れる。
「何でコンスルがトループス級としてこんなにワラワラいるんだよ! 共和制ローマのコンスルは定員2名だろ!?」
「答えの出んことを考えている余裕は無いぞ、嘉内。お前は二番手だ、分かっているな?」
「ああ、勿論。師匠にはしっかりトリを飾って貰わないとな!」
 互いに言葉を交わし合いながら、三人の復讐者は滞りなく攻撃準備を完了する。
 潜伏する復讐者の存在に気づかぬまま、コンスルの一団が次第に近づき、そして――。
「今ぞ、かかれ!」
 清政の声を嚆矢に、復讐者たちの攻撃は開始された。

 襲撃の始まりは、戦場を吹き抜ける一陣の風だった。
 先行率アップの効果を受けたエスメラルダは岩陰から音も無く飛び出すと、重装型戦艦級海戦装『肥後』を展開。大口径の連装砲にパラドクスを注ぎ込み、挨拶代わりの砲撃をオーガコンスルめがけ発射し始めた。
「計十二門の大口径砲による砲撃だ――亜人ども、思い知れ!」
 空気を震わす『絶海砲戦』の轟音が、号砲となって響く。
 残留効果で先攻を得たエスメラルダの砲撃に、コンスルたちは完全に虚を突かれたらしい。肥後の一斉発射を浴びて、先頭の個体が次々に砲弾で粉砕されていく。
 ほぼ理想的な形で幕を開けた復讐者たちの攻撃だが、亜人たちとて案山子ではない。襲撃を察知すると同時、手中の巻物をこん棒よろしく振りかざし、繰り出すはエスメラルダへの反撃である。
『ディアボロスの襲撃か!』『所詮は寡勢だ、殴り殺せ!』
「ふん。お前たちの反撃など、元より織り込み済みだ……!」
 コンスルの巻物が、ブンと唸りを上げて振り下ろされる。
 パラドクスを使えぬ一般人ならば、頭蓋を砕かれ即死を免れぬであろう一撃。それをエスメラルダは緑の大盾を頼りに一歩も引かず、なおも逆説連鎖戦の応酬を繰り広げていった。いかに怪力を誇る敵と言えど、トループス級の一発や二発で倒れる程、彼女は柔ではない。
「そうとも。多少殴られたところで、どうと言うことはない! さあ続け、嘉内!」
「任せろ、エスメラルダさん!」
 そこへ続くように、嘉内はパラドクス『緑翠蝗』を発動。混乱に陥るコンスルの群れへ、更なる追撃を浴びせていく。
 彼らコンスルとの戦いは今回の作戦において、言わば前哨戦だ。トループス相手に手古摺るのは論外として、時間をかけるのも好ましくは無い。
 ならばと嘉内は思う。ここは奇襲からの一斉攻撃で混乱させ、亜人どもを一気に仕留めるべきだ。清政やエスメラルダには未だ及ばぬ身であっても、それを可能とするくらいの力を、自分はもう持っているのだから――!
「往け、災厄の蝗よ! 奴等を残らず喰らい尽くせ!」
 今は只、目の前の戦いに集中するのみ。
 そうして発動したパラドクスの光は、エメラルド色の蝗の群れへと姿を変えて、足並みを乱したコンスルの群れへと食らいつく。群がる蝗に全身を覆われたコンスルたちは、たちまち鋭い顎に肉体を嚙み千切られ絶命。骨だけを残して地面に転がるのであった。

 エスメラルダの砲撃と嘉内の蝗に襲われて、コンスルから為る偵察部隊は早くも壊滅状態に陥り始めていた。
 蝗の襲撃から難を逃れたコンスルの中には、巻物に記された情報の洪水で反撃を試みる個体も見て取れたが、標的となった嘉内が苦戦を強いられている様子は無い。
『無知は罪なり! 其の愚かさ、死をもって悔いるが良い!』
「流石に全部は仕留めきれないか。だが……この程度なら耐えてみせる!」
 脳が破裂しそうな圧倒的情報に曝されながら、眦から洩れる血を拭って嘉内が笑う。
 彼とて、もはや新米ではない。その目は既に次を見据え、保っている余力も未だ十分な状態にある。対するコンスルたちは息も絶え絶え、死力を尽くして辛うじて嘉内を防戦を強いている状況だ。
(「……勝負あり、でござるな」)
 そんな光景を見遣り、清政の顔には微笑みが浮かんでいた。
 かつてヒヨッコ同然だった弟子は、今も着実に成長を重ね続けている。であるならば、其れに応えるのも師匠である自分の仕事であろう。
「どこまで成長するのやら。全くもって楽しみに欠かぬ」
 そうして――戦いの最後を締めくくるように、清政は己が背後にパラドクスの光を展開した。
 光はやがて戦国武者たちの幻影へと姿を変え、突撃の体制を整え終える。同時、清政は今こそ好機と鬨の声を轟かせ、一斉突撃を指示した。混乱の渦中にあるオーガコンスルの偵察部隊を、残さず殲滅する為に。
「かかれぇ! かかれぇ! 彼奴等の一体たりとも、討ち漏らすでないぞ!」
 パラドクス『家臣団突撃』。清政が率いる武者の幻影は、僅かに残ったコンスルを飲み込んで、容赦なく討ち取っていく。
 幾度かの断末魔が響き渡り、程なくして戦場を支配する静寂。そこに転がった亜人たちの骸を見回して、清政は偵察部隊の殲滅を確認すると、
「エスメラルダ、嘉内、見事であった。いざ、次なる戦場へ向かわん!」
 そう告げて、ペルセポリスの城壁へと駆けていく。
 そこに、弟子たちの怪我を憂う声は無い。エスメラルダも嘉内も、トループス相手の前哨戦で音を上げる二人ではない――そんな不動の信頼があるからだ。
 果たして、彼の信頼に応えるように弟子たちの足音が続く。息一つ上げることなく二人が交わし始めるのは、次なる戦場の立ち回りであった。
「城壁にいる防衛部隊の誘引か。何やら、歌や踊りを見せるのが効果的と聞くが……」
「歌って踊る、蛇とオタマジャクシね……相変わらずツッコミが追い付かない連中だ、まったく!」
 背中から聞こえる弟子たちの会話に、清政が微笑を浮かべる。
 この作戦を通じて、あの二人は更に成長していくだろう。その頼もしい姿が、彼には今から楽しみでならない。
 次なる戦いも必ず勝とう――そんな決意を胸に、清政は弟子たちと駆けていく。新たなる戦場、ペルセポリスの城壁へと。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
【水面走行】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV2が発生!

旗楽・嘉内
【翠緑の師弟】

一回急ぎ新宿島に戻って、以下の準備を整えます。
・エスメラルダさんに着せる衣装を調達
・インド映画の、キレッキレのダンスシーンの動画をエメラルド・タブレットに保存

戻ってきたら、エスメラルダさんには衣装を渡して、着替えてもらいましょう。
何時もの姿ではいけないのかって?
せっかくキレッキレの動きをしてもらうんですから、身体の動きはよく見えた方が良いでしょう?

それで、御先祖様には家臣団突撃の持続時間について確かめます。

今回私が狙うのは、インド映画のキレッキレなダンスによる挑発です。
そのためにも、御先祖様の家臣団がバックダンサーになってくれれば迫力も出ていいのですが、練習時間含めてそこまでパラドクスが持続してくれるかどうか。

まぁ、無理なら3人でやるまでです。その場合、パラドクスの持続時間を気にしなくていい分、みっちり練習時間が取れますね。

家臣団がバックダンサー出来るなら後方彼氏面ならぬ後方プロデューサー面してますが、
自分で踊ることになったらへばってそうですね。体力ないの、忘れてました…。


エスメラルダ・リベロ
【翠緑の師弟】

(まずはお姉さんモード)

挑発に向けて嘉内クンが衣装を調達してきた様だけど、何なのよコレぇ!?
緑色のビキニの水着みたいなのに、同じ色の肩や腰にかける薄いヴェール…。
アラビアン系のセクシーな踊り子風、って言えばいいの?

本当に、こんな露出度の高い格好しなくちゃいけないの!?
え? キレッキレの踊りで挑発するんだから、身体の動きがしっかり見えた方が良い?
…わかったわよ、そう言うコトにしといてあげる。

で、アタシがセンターとして、嘉内クンのタブレットに保存してある動画のように踊れば良いのね?

(軍人モード発動)

いいだろう。これも奴等を誘引するためだ。
しっかりと覚えて、踊りきってやるさ。
ただし、清政殿と、家臣団になるか嘉内になるかはわからんが、
やるからにはバックダンサー達にもみっちり練習してもらおう。

さぁ、ペルセポリスの防衛部隊達よ!
躍動感溢れる、私のこのキレッキレのダンスを見ろ!
貴様等に、これだけのダンスが果たして出来るか!?
ついでに、センターとして海賊王の威風も纏っておくぞ。


旗楽・清政
【翠緑の師弟】

彼奴等への挑発を如何にせん、幸若なり敦盛でも舞うかと考えておったら、嘉内が妙な事を聞いて来おった。
家臣団突撃の持続時間……うーむ。共に焼肉を食ろうた事はござるが。

なるほど、パラドクスで喚んだ家臣団にバックダンサーをさせたいと。
確かに、それが叶えば迫力ある威容を演出することは出来よう。
されど、みっちりダンスの練習をさせた上で本番まで持続するかは、それがしもやってみねばわからぬ。

――と言うわけで、実際に試してみた上で、パラドクスが持続するならば家臣団と共に、
パラドクスが持続せぬならば3人で、嘉内のタブレットに保存されておる
動画を見つつみっちりダンスの練習でござる。
しかし、インド映画のこのダンスシーン、なかなか趣深いでござるな。
こう言うのを、「キレッキレ」と言うのでござるか。
確かに、動きにキレは感じるでござる。
では、それがしは此度はバックダンサーとして、
「キレッキレ」のダンスを披露してみせると致そう。

とくと見るが良い、クロノヴェーダ共!
これが、人類の文化、その一つの表れよ!


 亜人の偵察部隊を撃破し、ペルセポリス周辺の情報遮断に成功した復讐者たち。
 彼らの次なる目標は、都を守る防衛部隊の撃破であった。
 堅牢な城壁に守られた敵部隊と戦うには、挑発による誘引が欠かせない。そんな敵に対する秘策を用意して、復讐者たちは作戦に臨もうとしていた――。

「という訳で、さっそく着替えちゃって下さい。これが衣装です」
 そう言って旗楽・嘉内(フルアーマーウィザード・g11216)が差し出したのは、小さな一つの袋であった。
 衣装と言うには妙に軽い手応えに胸騒ぎを覚えつつ、袋を受け取ったエスメラルダ・リベロ(蒼海に輝く翠緑・g10981)は中身を改めて驚愕の声を上げる。
「ちょっ、何なのよコレぇ!?」
「ん? 勿論、見ての通りですよ」
「……いつもの姿じゃダメなの?」
「何言ってるんです、身体の動きはよく見えた方が良いでしょう? せっかくキレッキレの動きを、それもセンターでやって貰うんですから」
 偵察部隊との戦闘を終えて口調が一変している嘉内だが、その表情は相変わらず大真面目だ。
 一方のエスメラルダも普段の陽気なお姉さんモードの口調であるが、こちらは若干――いや、かなり動揺の色が濃い様子。羞恥に頬を染めて抗議を示すも、それに嘉内が譲歩する様子はない。実際、今回の秘策において、エスメラルダの衣装は外せないファクターの一つなのだった。
「じゃ、私は御先祖とも打ち合わせがありますから。着替え終わったら呼んで下さい、頼みましたよ!」
「あっ、ちょ……もう!」
 口を尖らせるエスメラルダを背に、嘉内は次の手筈へと移り始めた。
 周囲には敵影こそ無いものの、ここは亜人の勢力圏内――いわば敵地である。あまり長々と時間を潰すことは、出来る限り避けたいところだ。すぐ近くで待機していた旗楽・清政(知勇兼備の昼行灯・g08816)と合流すると、嘉内は次の打ち合わせに取り掛かっていった。

「エスメラルダさんは受けて貰えました。これで挑発の方は、一層上手く行きそうです」
「亜人どもを誘い出す策にござるな。それがしも、幸若なり敦盛でも舞うかと考えておったが……」
「いい案ですね。ただ折角ですし、御先祖にはもっと派手なパフォーマンスの方が似合うと思うんですよ」
「……ふむ?」
 何やら妙案があるらしいと、嘉内に先を促す清政。
 そうして嘉内が見せたのは、彼が愛用する『エメラルドタブレット』に映し出された海外映画のワンシーンだった。其れは画面を埋め尽さんばかりの大人数が全員で情熱的に踊るシーン――最終人類史のインドと呼ばれた地の映画だ。エスメラルダに渡した袋の中身と同じく、新宿島で嘉内が用意したものである。
「見てください、このキレッキレのダンスシーンを」
「なるほど、それがしの召喚する家臣団に、これを踊らせたいと?」
「そうです。見た目も派手ですし、間違いなく亜人どもは釣られますよ」
「確かに、それが叶えば迫力ある威容を演出することは出来ようが……どれ、ものは試しにござる」
 そう言うと同時、清政は家臣団突撃のパラドクスを発動した。
 嘉内のタブレットが映す映像を見せつつ指示を飛ばす清政。しかし――家臣たちの幻影は其れに一切の反応を見せぬまま、儚く消える。
「あらら、ダメでしたか……」
「ふむ。『幻影を踊らせて攻撃するパラドクス』であれば、恐らく行けたであろうが……」
 落胆に落ちた嘉内の肩を、清政は叩いて言った。
「望み通りの結果が得られぬのは儘あること、気に病むでない。これより如何にする、嘉内よ?」
「3人バージョンの振り付けも用意してありますから、挑発はそっちで進めましょう。多分、彼女もそろそろ――」
 嘉内が振り返った先、見えたのは二人の元へ合流してくるエスメラルダである。

「ねえ……本当に、こんな露出度の高い格好しなくちゃいけないの!?」

 そう言って現れた彼女の姿は、思わず嘉内と清政に言葉を忘れさせる程であった。
 ビキニの水着に似た衣装、そして肩や腰にかける薄いヴェール。緑色で統一された其れを纏うエスメラルダは、戦場で勇猛果敢に戦う普段の彼女からは想像出来ぬほどに儚く、そして妖艶な気配を醸し出している。復讐者である嘉内と清政の眼すら奪っている彼女が踊れば、亜人の注意を引きつけるなど造作もないだろう。
(「事前情報では、防衛部隊は歌と踊りに自信のある亜人で構成されている。なら、其れを利用しない手はありません」)
 踊りで亜人を誘い出す――これが復讐者の基本方針だ。
 だが、それだけでは挑発としてやや弱いと考えた嘉内は、そこへ更なる要素を二つ加えたのである。
 すなわち、目を引くキレッキレのダンススタイルと、挑発的な衣装を纏いセンターで踊るエスメラルダ。この二要素こそ、復讐者の秘策であった。
 早くも成功を確信したようにガッツポーズを取る嘉内。一方のエスメラルダは露出度の高さに不満げな様子だ。
「アラビアン系のセクシーな踊り子風……って言えばいいの、コレ?」
「ええ、似合ってますよ。それじゃ時間も押してますし、皆で準備を済ませちゃいましょうか」
 キレッキレの踊りで挑発するんだから、身体の動きがしっかり見えた方が良いですしね――そう言って、清政に見せたものと同じ映像をタブレットに映す嘉内。そんな彼の言葉にやや不純なニュアンスを感じつつ、エスメラルダは頷きを返した。
「……わかったわよ、そう言うコトにしといてあげる。で、アタシがこの動画みたいに踊れば良いのね?」
「さすがエスメラルダさん、理解が早い! それじゃ、練習しながら城壁へ向かいましょう!」
「――いいだろう、これも奴等を誘引するためだ。しっかりと覚えて、踊りきってやるさ……ただし」
 音頭を取って先頭を進みだす嘉内に、口調を一変させたエスメラルダが頷きを返した。
 敵を前にした挑発、それも先頭で仕掛ける立場とあってか、身に纏う気配もまた武人の其れに変わっている。そうして彼女は無言の圧を帯びた視線を二人に送り、笑ってみせた。
「清政殿と嘉内も、やるからにはバックダンサーとしてみっちり練習してもらおう。手抜きは許さんぞ……?」
「うむ、心得ておる」
「わ、分かりました!」
 作戦の為ならこの程度の要求は当然だろうと、有無を言わさぬプレッシャーを背に告げるエスメラルダ。
 そんな彼女に清政は勿論、嘉内も首を縦に振るほか選択肢は無く、3人は揃ってダンスの練習に勤しみながら目的地の城壁へと向かっていった。
「しかし、このダンスシーン、なかなか趣深いでござるな。こう言うのを『キレッキレ』と申すのでござるか」
「ああ、上手ですね。結構……というか相当似合ってますよ、御先祖」
 清政は飲み込みも早く、コツを掴むとあっという間に動きに磨きがかかり始めた。一方のエスメラルダも、作戦ということで気持ちを切り替え、目覚ましい上達を見せていく。
「ふむ、凡そは分かった。後は亜人相手に通じることを祈るのみ……だな。しかし、中々に個性的な踊りだ」
「いかにも。確かに、動きにキレは感じるでござる」
「これは私も負けてられませんね。頑張りましょう、二人とも!」
 程なく練習を終え、歩く速度を上げる復讐者たち。作戦開始の時は、着々と迫りつつあった。

 一方その頃、ペルセポリス城壁の一角。
 其処には、玉のような体で歌声を響かせながら元気一杯に踊る小型亜人たちと、それを見守る蛇型亜人の姿があった。
『ケロロ~ケロロ~♪』『歌って、踊って~♪』
『ンフフフフ。今日も調子はバッチリねぇ、みんな♪』
 彼らこそペルセポリスの防衛部隊、『オタマジャクシ歌劇団』と『ジャヒー』である。歌と踊りを得意とする亜人たちは、今日も技の練習に余念がない様子だ。
 歌いさざめき、跳びはねるオタマジャクシたちを満足そうに見守るジャヒー。
 と、その時。ふと彼の眼が、彼方から向かって来る三つの人影を捉えた。そう――嘉内ら復讐者である。
『……ンッ!? アイツら一体何を――』
 不審に思ったジャヒーがオタマジャクシたちへ警戒を呼びかけようとした、しかし次の矢先。
 嘉内のエメラルドタブレットが流す音楽に、亜人たちは踊り手の心に火が付いたのを感じた。
『なになに?』『何が始まるの!?』
 防衛の任についているオタマジャクシたちの眼は、早くも復讐者たちに釘付けの様子だ。
 小さな亜人たちは無論、嘉内の流す音楽が映画の曲であることを知らない。だが、其れが踊りの曲であるらしいことは早々に察したようだ。
 その反応は、復讐者のツカミが上々であることを示すもの。そうして掴んだ流れに乗るように、海賊王の威風で士気高揚を発動したエスメラルダが堂々たる声で告げる。
「ペルセポリスの防衛部隊よ、見るがいい! 躍動感溢れる、このダンスを!」
 そして――華やかな空気と共に、復讐者たちの踊りは始まった。

 嘉内と清政をバックに従えて、エスメラルダのダンスが見る間に切れを増していく。
 露出の高い衣装と、彼女の内からにじみ出る戦闘的なオーラ。それらはセンターで堂々と踊る彼女の姿を、より一層魅力的なものへと変えていた。
 オタマジャクシ歌劇団とジャヒーは言うに及ばず、嘉内と清政もまた、その目が自然と彼女に吸い寄せられる。
「どうだ亜人ども! 貴様等に、これだけのダンスが果たして出来るか!?」
 復讐者と亜人、その視線を今や一身に浴びながら誇らしげに告げるエスメラルダ。
 その後方、バックダンサーを務める清政が披露するのはキレッキレのダンスだ。その動きのキレは正に刀のごとき鋭さで、他所に目を向けることを亜人たちに許さない。
「とくと見るが良い! これが人類の文化、その一つの表れよ!」
「はあっ、はあっ……! た、体力ないの、忘れてました……!」
 一方の嘉内もまた、早くも笑い始めた膝を叱咤しながら清政とエスメラルダに負けじと踊り続ける。所々でばてそうな時は歌を挟みつつ、上手く息を整えることも忘れない。
「ら~ら~♪ はぁはぁ、ま、まだまだ……っ!」
(「……ふむ。これは、戻ったら少々鍛え直しが必要やもしれぬ」)
「どうした亜人ども、見ているだけか? 違うと言うなら、此処まで出て来て踊ってみるがいい!」
 嘉内、清政、そしてエスメラルダ。復讐者たちの歌と踊りに亜人の防衛部隊が動きを見せたのは、次の瞬間であった。

 素晴らしい踊りは見る者の心と、時として体さえ動かすもの。
 果たしてエスメラルダら復讐者たちが防衛部隊に見せた踊りも、その例には洩れなかったらしい。
『……なんだか、すごく踊りたい……!』『踊りたい。あの場所で、ボクたちも踊りたい!』
『ンフフ、ええそうね。このまま引き下がったら沽券に関わるわ。さあ皆、踊って踊って、奴らを踊り死なせておやり!』
 復讐者の踊りに触発され、ジャヒーとオタマジャクシ歌劇団が城壁の外へ飛び出していく。
 それが罠と知らず――否、知っていても彼らは同じ行動を取っただろう。かくして亜人たちは先を争うようにして、一斉に復讐者たちの元へ迫っていった。自らの歌と踊りを示し、その代価として復讐者の命を貰い受ける為に。

 ペルセポリス防衛部隊、誘引成功。
 後は全力を尽くし、ジャヒーとオタマジャクシ歌劇団と踊り、戦い、そして撃破するのみ――!
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
【防衛ライン】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!

エスメラルダ・リベロ
【翠緑の師弟】

(常時軍人モード)

上手く、ペルセポリスの防衛部隊が誘い出されたか。
こんな格好までした甲斐があったと言うものだ。

今回はオタマジャクシ歌劇団に先手を取らせるぞ。
せっかく、此処まで出てきたのだ。踊らずに逝っては、死んでも死にきれまい。
貴様等のダンスを、私達に見せてみるが良い!

ふふ、さすがに私達のダンスを目にしても出てきただけのことはある。
手足を生やしてまでの、そのキレッキレの動き、見事だよ。
単純なダンスバトルであれば、所詮付け焼き刃の私は敗れていただろうな。

――だが、これはダンスバトルではなく逆説連鎖戦だ。

奴等の使ってきたパラドクスと、この状況を考えれば、
私が使うべきパラドクスはやはりこれだろう。
イルミネイト・エスメラルダを発動して、私をアイドルの如く演出しながら突撃だ。
可能ならば、引き続きのキレッキレなダンスを交えながら、な。

そして、奴等を圧倒してやるぞ。
純粋なダンスパフォーマンスでではなく、海戦装「肥後」の重量を以てして、だがな。

踊りながら逝けるのだ。満足いく最期だろう?


旗楽・清政
【翠緑の師弟】

彼奴等め、のこのこと出てきおったでござるな。
なれば、疾く殲滅すると致そう。

此度は、エスメラルダに続く二番手としてパラドクスを発動致す。
エスメラルダはダンスに拘っていたようでござるが、それがしには最早関わりなきこと。
此奴等のパラドクスも、ダンスとは関係ない質量攻撃のようでござるしな。

エスメラルダのパラドクス発動後、すかさず家臣団突撃を発動し、
残るオタマジャクシ歌劇団を一気に減らしにかかるでござるよ。
【先行率アップ】【命中アップ】【ダメージアップ】をフル活用し、
彼奴等が動く隙を与えず、直撃からの大ダメージを狙うでござる。
もちろん、それがしも先頭に立って片鎌槍を存分に振るうでござるよ。
質量攻撃は対処がなかなか難しい故、反撃される前に彼奴等の数は
出来る限り減らしておきたいところ。

反撃に対しては、具足の守りとそれがし自身の生命力で耐えると致そう。
如何に鉄球の如く重いとは言え、所詮はトループス級の攻撃。
それがしを、早々圧し潰せるものには非ず!

最後の締めは任せたでござるぞ、嘉内。


旗楽・嘉内
【翠緑の師弟】

ハァ……ハァ……ゼェ……ゼェ……。
どうやら、防衛部隊の誘引は成功したようですね。となれば……。

戦闘の時間だ、オラァ! へばってなんかいられねぇ!
(とは言いつつも、まだ肩で息をしてたり)

で、今回のオレは3番手。少しの間だけでも休んでおけって事らしい。
そもそも今回使うパラドクスは派手に身体を動かすようなものじゃないけど、有難く従っておこう。
何故だか知らないけど、(御先祖が鍛え直しが必要かもと思った事による)ゾッとするような悪寒も感じたしな。

ともあれ、締めは任されたぜ、御先祖。
エスメラルダさんと御先祖のパラドクスを受けたなら
奴等もまともに生き残ってないだろうが、
恨むのなら此処まで生き残ってしまった不運を恨むんだな。
多分、二人のパラドクスで死ねた方が幸せだったと思うぜ。

緑翠蝗を発動して、残りの奴等を一掃だ。
「全てを喰らい尽くす災厄の蝗よ! 彼奴等を欠片も残さず喰らい尽くせ!」
オレに対して何を歌うつもりだったのか知らねぇが、歌う暇なんか与えねえよ。
そのまま、災厄の蝗に喰われて逝け!


 蹂躙戦記イスカンダル、ペルセポリス城壁に面した荒野。
 物々しい空気に満ちた其の場所は、今や踊りと歌の熱気に満ちる戦場に早変わりしていた。
 挑発の踊りに誘われて城壁から現れたのは、亜人『オタマジャクシ歌劇団』の一団である。彼らはボウリング球ほどの体をぴょんぴょんと揺らしながら、対抗心も露わに復讐者の下へ向かって来ていた。
『負けないぞー!』『ぼくたちの踊りを見せてやる!』
『ンフフフ、良い意気よ! さあ、あのディアボロスたちを踊り死にさせておやり!』
 指揮官の『ジャヒー』が飛ばす号令の下、オタマジャクシ歌劇団の戦意は今や最高潮だ。
 自分たちが誘き出されたことにも気づかぬまま、戦いを挑まんと迫る亜人の防衛部隊。そんな彼らを撃破すべく、復讐者の本格的な攻勢が今始まろうとしていた。

『歌うぞ! 踊るぞ!』『覚悟しろー!』
 黒い波濤のごとく、大挙して押し寄せるオタマジャクシ歌劇団。
 その進路上に立ちはだかるのは、旗楽・清政(知勇兼備の昼行灯・g08816)を始めとする三人の復讐者であった。
「彼奴等め、のこのこと出てきおったでござるな。なれば、疾く殲滅すると致そう」
 そう言って敵群を凝視する清政の眼差しは、既にバックダンサーから戦人の其れへと変わっている。
 彼が渾身の踊りを見せたのも、全ては作戦目的であるペルセポリス包囲の為。敵防衛部隊を誘引するという目的を果たした今、其の心にあるのはクロノヴェーダの撃破のみだ。
「敵は目前に迫っておる。急ぎ支度を整えよ、嘉内」
「ハァ……ハァ……ゼェ……ゼェ……。ええ、勿論。防衛部隊の誘引は……完全成功のようですしね……!」
 懸命に肩で息を整えながら、旗楽・嘉内(フルアーマーウィザード・g11216)が返事を寄越す。
 全身を駆使して行った踊りと歌は、彼の体には相応の負担だったらしい。本来ならば小休止の一つも挟みたいところだが、目の前に亜人の集団が居るとなれば話は別だ。
 気持ちを切り替えるべく、大きく深呼吸する嘉内。然る後、気合の叫びをあげて敵群を睨み据えた。
「……戦闘の時間だ、オラァ! へばってなんかいられねぇ!」
 そうして清政と同様、復讐者の心を奮い立たせ、嘉内はオタマジャクシ歌劇団と対峙する。
 一方、エスメラルダ・リベロ(蒼海に輝く翠緑・g10981)はと言えば、早々に軍人モードへと切り替わり、三人の最前列で迎撃準備を完了していた。
「上手く、ペルセポリスの防衛部隊が誘い出されたか。こんな格好までした甲斐があったと言うものだ」
 そう言って、踊り子の衣装で胸を張る彼女の眼前で、オタマジャクシ歌劇団が颯爽と隊列を整える。
 あんな踊りを見せられたからには、黙ってなど居られない――そんな想いを顔に滲ませるオタマジャクシたちを見澄まし、エスメラルダは傲岸不遜に笑ってみせた。
 自分たちは逃げも隠れもしない。堂々と勝負を受けて立とうではないか、と。
「せっかく此処まで出てきたのだ。踊らずに逝っては、死んでも死にきれまい?」
 その言葉を待っていたかのように、オタマジャクシたちが一斉に踊り出す。
 亜人のパラドクスが戦場を席巻していく中、エスメラルダは不敵な笑みを浮かべて告げた。歌と踊りを交えた死闘、それを制するのは自分たち復讐者だ――そう告げるように。
「さあ! 貴様等のダンスを、私たちに見せてみるが良い!」
 かくして、防衛部隊と復讐者の戦いは、ここに幕を開けるのであった。

『ダンスバトルだ!』『行くぞっ、ビート・ハート!』
 球体のボディを揺らしながら、歌劇団のオタマジャクシたちがエスメラルダを取り囲む。
 一糸乱れぬ動きは、彼らの連携の綿密さを物語るものだ。当然、その踊りにも絶対の自信があるのだろう。
 逆説連鎖戦の開始と同時、オタマジャクシたちの踊りが時空の流れを書き換えて、エスメラルダに襲い掛かる。リズミカルでスピーディーに、愛くるしい体を活かした魅惑のダンスであった。復讐者たちの其れにも劣らぬキレッキレの動きは、見る者の心を奪い、やがては命さえも奪うことだろう。
 そんな誘惑のパラドクスを前にして、エスメラルダが最初に送ったのは、惜しみ無き賛辞の言葉であった。
「ふふ、さすがと言っておこうか。手足を生やしてまでの、そのキレッキレの動き、見事だよ」
 実際のところ、これは彼女の本心だ。
 単純なダンスバトルであったなら、付け焼刃の自分は敗れていただろう――そう思わせるほどに、オタマジャクシ歌劇団の踊りは見事なものであった。
 だが、其の踊りに、復讐者であるエスメラルダが屈することは無い。
 本当の戦いは此処からだと告げるように、彼女の装備した海戦装が、突如としてエメラルドの如き輝きを放ち始める。
「そう、これはダンスバトルではなく逆説連鎖戦だ! 目に焼き付けろ、キラキラ☆エスメラルダの登場を!」
 パラドクス『イルミネイト・エスメラルダ』が、戦場を魅惑の光で満たしていく。
 同時、オタマジャクシたちの視線は、またも一斉にエスメラルダに釘付けとなった。背中に後光の如き輝きを負った其の姿は、眼を逸らすことを亜人たちに許さない。
 呼吸さえ忘れさせるような圧倒的オーラを身に纏いながら、キレッキレのダンスを披露するエスメラルダ。そうして彼女が繰り出したのは、輝く海戦装「肥後」による猛々しい突撃であった。
「せめて最期は、満足いく死を与えてやる。踊りながら逝くがいい!」
 肥後の轟音が空気を震わせ、オタマジャクシたちを吹き飛ばす。
 エスメラルダの砲撃はさながら死闘の開始を告げる旋律にも似て、戦場を蹂躙していった。

 ズン、ズン――。
 肥後の砲撃が轟くたび、オタマジャクシ歌劇団の隊列が削り取られ、直撃を浴びた個体が爆散していく。
 エスメラルダの猛攻によって俄かに乱れ始める敵の隊列。果たして其の好機を、清政は見逃さなかった。
「これ以上、彼奴等に動く隙を与えてはならぬ! 家臣団、いざ突撃せよ!」
 掲げた旗印の下に武者たちの幻影を集わせながら、清政は先陣を切って駆けだした。
 清政にとって踊りとは、あくまで敵を挑発する手段であり、それ以上でも以下でもない。誘引が成功した今、彼にとっては効率的な敵の殲滅こそが、最優先されるべき行動なのだ。
 いまだ残る敵勢力を撃破するべく、怒涛の如き勢いで清政がオタマジャクシ歌劇団に迫る。命中アップの光が導く先、増幅した怒りを胸に、亜人の群れを残らず撃破する為に。
「かかれ! かかれぇー!」
 片鎌槍を構えた清政が、オタマジャクシ歌劇団の群れへと殺到する。
 武者の幻影と共に果たした切り込みは、エスメラルダの突撃で浮足立った亜人の群れを、更なる大混乱へと陥らせた。
『わああ、このままじゃ負けちゃう!』『推し活で圧し潰すぞー!』
 オタマジャクシの中には勇猛果敢にも、鉄球めいたボディプレスで清政を圧し潰さんと襲い掛かる者も居たが、歴戦の猛者たる清政がその程度で怯む筈もない。多少のダメージなど構うこと無く、家臣団と共に暴れ狂う清政の奮戦によって、歌劇団は早々に壊滅状態に陥り始めていた。
 そろそろ、前座とは決着の頃合いだろう。最後方に控える嘉内を振り返り、清政は大声で檄を飛ばす。
「最後の締めは任せたでござるぞ、嘉内!」
「ああ。任されたぜ、御先祖!」
 そう返す嘉内の声に、もはや息の上がった様子は無い。
 エスメラルダと清政の二人が稼いでくれた時間は、ペースを取り戻すのに十分すぎるほどの猶予だ。残り僅かとなった敵を狙い定めながら、嘉内の顔に僅かな苦笑が浮かぶ。
 いまだ抵抗を続けるオタマジャクシの戦意は何とも健気だが、其れが自身の苦しみを伸ばす結果でしかないことを、彼らは気づいていないらしい。これから彼らの辿る末路を考えると少々気の毒な気はしたが、相手が亜人である以上、手心を加える選択肢は存在しなかった。
 ――恨むのなら此処まで生き残ってしまった不運を恨むんだな。
 ――多分、二人のパラドクスで死ねた方が幸せだったと思うぜ。
 そんな哀れみめいた思いを抱きながら、嘉内は今、パラドクスの発動を完了する。
 標的を骨まで残さず食い尽くす、悪夢の如き一撃――『緑翠蝗』を。
「オレに対して何を歌うつもりだったのか知らねぇが、歌う暇なんか与えねえよ。そのまま、災厄の蝗に喰われて逝け!」
 嘉内の両手から散布される翡翠色の粒子が、戦場の空を埋め尽くしていく。
 同時、粒子はエメラルド色に輝くイナゴへ姿を変えて、生き残ったオタマジャクシたちめがけ襲い掛かり始めた。
 魔法によって顕現したイナゴの群れは、戦場のオタマジャクシを残らず覆い尽くして、その全身を翠色に染め上げていく。頑丈な顎で肉を齧り、骨を齧り、そうして攻撃が終わった後には、もはや亜人の歌劇団は跡形も無く消え去って――其処には指揮官の蛇型亜人が残されるのみであった。
「さあ、残るはお前だけだ。覚悟しろ、ジャヒー!」
『よくも、可愛いオタマジャクシちゃんたちを……! 許さないわ、覚悟おし!』
 互いに敵意を向け合い、対峙する復讐者とジャヒー。
 ペルセポリス包囲作戦を巡る一つの戦い、その締め括りとなる決戦が、いま始まろうとしていた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【士気高揚】がLV2になった!
【防衛ライン】がLV3になった!
【パラドクス通信】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV3になった!
【先行率アップ】がLV3になった!

旗楽・嘉内
【翠緑の師弟】

よくもって言うけど、オタマジャクシ達を殺されたくなければ
ペルセポリスの防衛部隊なんかにならなければ良かっただろ?
それに、オレ達を踊り死なせるつもりだったんだから、
逆に殺されても文句は言えねえよな?

ともかく、だ。そんなにオタマジャクシ達が可愛かったのなら、
すぐに後を追わせてやるぜ。オレのこのパラドクスでな!
4つまで重なってる【先行率アップ】を駆使して、速攻で
ダイブアンドフルファイアを発動するぜ。

急降下かにするか急接近にするかは状況次第だが、
こちらも4つまで重なった【命中率アップ】を駆使して、直撃狙いで
加速が付いた状態からのマギア・アステール4門からのビームと、
ミサイルポッドからのミサイルを全弾、
【ダメージアップ】付きで、叩き付けてやる!

反撃は、鞭による打撃か。
マジックシールドで防ぎ、止められなかった分は翠緑天鎧とオレ自身の生命力で耐えるとしようか。
【アヴォイド】が発動してくれれば、御の字なんだけどな。
まぁ、発動しなかったとしても、もう早々にやられるほどヤワじゃねえよ。


旗楽・清政
【翠緑の師弟】

彼奴め、何やら恨み言を言うておるが、何を今更な話でござるな。
それがしらディアボロスと、此奴等クロノヴェーダとの間にあるは、
つまるところ生命の奪い合いのみ。
嘉内も言うておるが、それほどオタマジャクシ達が可愛いのであれば、
ペルセポリスの防衛に当たらせるべきではなかったでござるな。

さて、それがしは嘉内に続いて動くと致そう。
彼奴が嘉内のパラドクスを受けた直後を狙い、
【先行率アップ】を用いて、暴風吉祥撃を発動でござる。
此処で、流れを彼奴に渡すようなヘマは致さぬ。

【命中アップ】も多重にかかっておるし、それがしも直撃を狙っていくでござるぞ。
後にエスメラルダが続く段取りではござるが、【ダメージアップ】も用いて、
その前に仕留めてしまうぐらいの気概と気迫で突撃するでござるよ。

とは言え、アヴァタール級の耐久力を考えれば、仕留めきれずに反撃が来るでござろう。
鞭の打撃ならば、五枚胴具足と闘気で防ぎ、抜けたダメージもそれがし自身の生命力で耐えるでござるよ。

仕上げは任せたでござるぞ、エスメラルダ。


エスメラルダ・リベロ
【翠緑の師弟】

覚悟しろ、か。私達3人を前に、随分と威勢の良いことだ。
だが、やられてやる気など毛頭ないよ。

それよりも、だ。
私としては、早々に決着を着けて、この衣装を着替えたいのだよな。
如何にも、この衣装は普段に比べると露出が多すぎて落ち着かん。

私は、嘉内、清政殿に続いて最後に仕掛けるぞ。
二人のパラドクスを立て続けに受けたならば、流石に隙も出来ているだろう。
【先行率アップ】で立ち直る隙を与えるのを防ぎ、流れを掴んだまま、
出来ているはずの隙を衝いてエメラルド・フィンガーを発動し、ジャヒーを仕留めにかかるぞ。
【命中率アップ】で奴の頭をしっかりと掴み、【ダメージアップ】で威力の増大も狙い、止めに相応しい一撃としよう。
「私が速やかに着替えるためにも、ペルセポリスを速やかに攻略するためにも、
貴様如きにもたついてはいられんのだ!
これで、死んでもらう! エメラルド・フィンガー!」

仕留め損ねるなど考えたくもないが、万一そうなってしまったら、
反撃は緑の大盾と肥後の艤装、そしてオーラフィールドで防ぎ止めるぞ。


 ペルセポリスを巡る包囲作戦は、いよいよ終盤に迫りつつあった。
 城壁を守る防衛部隊を誘引し、『オタマジャクシ歌劇団』の撃破に成功した復讐者たち。
 戦場には今や指揮官の蛇型亜人『ジャヒー』だけが残され、完全に孤立状態だ。お気に入りの配下だったであろう歌劇団を全滅させられ、ジャヒーが怒りも露わに叫ぶ。
『よくも、オタマジャクシちゃんたちを……! 許さないわ、覚悟おし!』
 手に握る鞭をヒュンと唸らせ、戦闘態勢を取るジャヒー。
 劣勢ながらも勝利への執念を捨てない姿勢は指揮官としてのプライド故か、はたまた単に戦況が見えていないだけなのか。一方の復讐者たちは最早遠慮も無用とばかり、そんなジャヒーを全力で撃破せんと動き出すのだった。

「覚悟しろ、か。私たち3人を前に、随分と威勢の良いことだ。だが……」
 やられてやる気など毛頭ないよと、エスメラルダ・リベロ(蒼海に輝く翠緑・g10981)は挑発するように胸を張って言う。
 仇討ちに臨む敵の心情は、理屈として分からなくは無い。
 だが、そもそもこれはペルセポリスの防衛を削ぐ『戦い』である。エスメラルダたちの挑発に誘われた時点で、亜人たちの運命は決まっていたと言えるだろう。
「戦いである以上、容赦はせん。覚悟して貰おうか、亜人の隊長よ」
「同感だな。……て言うか、先に仕掛けたのは、お前たち亜人だろ?」
 エスメラルダの言葉を継いで、旗楽・嘉内(フルアーマーウィザード・g11216)がジャヒーの視線を睨み返した。
 防衛部隊として城壁を守る任に着いた以上、戦いで死ぬことは常に覚悟すべきだと彼は蛇の亜人に告げる。お前の言葉は、単なる負け犬の遠吠えでしか無いのだと。
「殺しに来たなら、殺されても文句は言えねえよな。違うか?」
『ええ、その通りよ。あれほど見事な踊りを見せておいて、まさか踊り以外の攻撃で殺しに来るなんて予想もしなかった……だからこれは、アタシの八つ当たりと思えばいいわ!』
「成程、言いたいことは理解したぜ。けど生憎、やられる訳にはいかねえな!」
 そう言って嘉内がジャヒーに突き付けるのは、全身に展開する物々しくも無骨な兵装だった。
 両肩にはビーム砲『マギア・アステール』、大腿には『脚部ミサイルポッド』。その出で立ちは、ここから先の戦いが踊りなどではないことを、雄弁に告げている。
「戦いとは即ち殺し合いだぜ。本気で来い、ジャヒー!」
「左様。何やら恨み言を言うておるが、何を今更な話でござるな」
 得物の『緑玉の片鎌槍』を構えながら、旗楽・清政(知勇兼備の昼行灯・g08816)が冷徹に告げた。
 戦場に立つ以上、謀に嵌まる方が悪い――それは復讐者であり武将である彼の、一貫した信念だ。まして相手は、和解などあり得ない亜人である。
 全力をもって戦い、その上で叩きのめす。それ以外の選択肢を、清政は端から視界に入れていない。
「それがしらディアボロスと、貴様等クロノヴェーダとの間にあるは、つまるところ生命の奪い合いのみ。戦う理由はそれで十分にござろう!」
『言ってくれるじゃない……! 死ぬのはアンタたちよ、ディアボロス!』
 敵意を露わに、戦闘態勢を取る復讐者とジャヒー。
 その死闘の幕開けを告げるように、清らかな風が戦場を駆け抜けていった。

「行くぜ! ジャヒー、覚悟!」
 先行率アップの風を背に浴びた嘉内がパラドクスを発動し、推進力を背に突撃していく。
 敵対する復讐者を抹殺せんと、鞭を手に身構えるジャヒー。そこを狙い定め、嘉内はすぐさま逆説連鎖戦を開始した。
「そんなにオタマジャクシたちが可愛かったのなら、すぐに後を追わせてやる!」
 パラドクスを駆使した『ダイブアンドフルファイア』の猛突撃に、瞬く間に彼我の距離が縮む。
 急接近を果たした嘉内は、展開した武装を一斉発射。マギア・アステールの魔力を帯びたビームがジャヒーの身を焼き焦がし、続けて発射されたミサイル群れが上空より降り注ぐ。命中アップの光が誘導ビーコンめいて捉える先は、亜人の頭上であった。
 断続的な爆発音と共に、咲き乱れる爆炎。紛うことなき直撃の手応えに、嘉内が雄叫びを上げた。
「どうだ! 全武装での一斉攻撃、遠慮せず持っていけ!」
『……ンフフフフ、やるじゃな~い? ――けど!』
 だが、次の瞬間である。ジャヒーの声と共に、爆炎を突き破って現れたのは鋭い鞭の反撃であった。
 刃の如き切れ味を帯びた鞭はパラドクスで速度を増して、眼にも留まらぬ速度で嘉内を襲う。直撃を浴びれば大怪我を免れぬであろう反撃を、嘉内はマジックシールドを展開しながら余裕をもって凌ぎ続ける。この程度で復讐者を倒せると思うな――そう告げるように。
「オレだって、いつまでもヒヨっ子な訳じゃない。もう早々にやられるほどヤワじゃねえよ!」
『生意気ね! その瘦せ我慢、いつまで保つか試してやるわ!』
 このまま勢いで押し切らんと鞭の勢いが激しさを増そうとした、しかし次の刹那である。
 ジャヒーの浅はかな意図を見抜いたように、彼の体を横殴りの激しい風が叩きつけた。その源は、片鎌槍を構えた清政の全身から生じるパラドクスの風――『暴風吉祥撃』の生み出す力であった。
「此処で、流れを渡すようなヘマは致さぬよ。オーム ナモー バガヴァテー ルドラーヤ!」
 エメラルド色に輝く『緑玉色の闘気』を全身に帯びて、清政がジャヒーへと迫る。
 ペルセポリスの人々に吉祥となり得る一陣の風。それが今、クロノヴェーダを滅ぼす恐ろしきもの――ルドラの如く、牙を剥いて襲い掛かろうとしていた。

「ジャヒーよ! 一足先に、地獄でダレイオスを待っているが良い!」
 パラドクス発動と同時、清政が捨て身の突撃を敢行する。
 叩きつける暴風を浴びたジャヒーが体勢を崩し、よろめいた刹那を狙い片鎌槍が突き出された。シヴァ神の加護を受けて放つ刺突は、狙いすましたように亜人の胸板を穿ち、その臓腑を貫く。ダメージアップの宿る穂先に致命傷を刻まれ、ジャヒーは苦悶の絶叫を迸らせた。
『アアアァァァァァァッ!!』
 夥しい血を吐き、悶絶するジャヒー。
 紛れも無い致命傷を刻まれてなお立ち続けるのは、ひとえに復讐者への執念の為せる業であろう。死に物狂いで振るう反撃の鞭は、しかしエメラルド色の闘気を充溢させる清政の命を奪うには至らない。変幻自在の鞭による猛攻を凌ぐと、彼の女弟子へ最後の一撃を託した。
「仕上げは任せたでござるぞ、エスメラルダ」
「承知した、清政殿。跡形も無く粉砕してみせる!」
 頷きに代わって発動したパラドクスの力で、エスメラルダの手がエメラルド色の輝きを帯び始めた。
 致命傷を負い、今や虫の息となったジャヒーめがけ、残像を生みかねない超速度で接近を果たすエスメラルダ。そして次の瞬間、目を焼くような輝きを放つ手が鷲掴みにしたのは、彼女が狙った標的――ジャヒーの頭部である。
「ペルセポリスを速やかに攻略する為にも、私が速やかに着替える為にも。貴様如きにもたついてはいられんのだ!」
『――!!』
「これで、死んでもらう! エメラルド・フィンガー!」
 何事かを叫ぶように、驚愕の表情を浮かべるジャヒー。
 その頭部を、『エメラルド・フィンガー』の眩い輝きは覆い尽くすと、跡形も無く粉砕した。絶命と同時にジャヒーが爆発四散するのを確認すると、エスメラルダは戦いの決着を告げるようにパンパンと手をはたいて打ち鳴らす。
「さて、これで着替えられそうだな。……二人とも、少し外して貰えるか?」
 有無を言わさぬ圧を帯びた笑顔を浮かべる彼女に、嘉内と清政は黙って頷きを返すのであった。

「うむ、やはり衣装は普段のものに限るな。二人とも、もういいぞ!」
 程なくして元の装いに戻ると、エスメラルダは嘉内と清政を呼んだ。
 敵の誘引に貢献できたことに文句は無かったが、あの衣装は露出が多すぎて落ち着かない。普段使いの衣装の着心地の良さに安堵の息を洩らしていると、戻って来た嘉内がエスメラルダの姿にガックリと肩を落とす。
「うう、着替えてしまいましたか……出来るなら、もう少し拝みたかった……」
「何か言ったか、嘉内?」
「いえ、何も! お疲れ様でした!」
 そう言って慌てて首を横に振る嘉内の横で、清政は彼方のペルセポリスを見遣っていた。
 防衛部隊の排除によって、あの大都の守りは更に薄くなった筈だ。この様子であればダレイオス三世が動くのも、そう先のことでは無いだろう。
「願わくば……あの都の人々が無事であらんことを。さあ二人とも、帰還の頃合いにござる」
「そうですね。エスメラルダさんも、御先祖も、お疲れ様でした」
「作戦成功! さ、帰りましょ!」
「ところで嘉内よ、鍛錬の負荷を少しばかり増やそうと思うのだが……」
「え!? ちょ、ちょっと待って――」
 清政の言葉に二人の弟子は頷きを返し、共に最終人類史への帰路に就く。
 偵察部隊の情報を封鎖され、防衛部隊の撃破によって守りを欠いた大都ペルセポリス。
 その地を巡る、復讐者と亜人との大きな戦が始まる日は、刻々と迫りつつあった――。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV1が発生!
【水面走行】がLV2になった!
【現の夢】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【命中アップ】がLV4になった!
【先行率アップ】がLV4になった!

最終結果:成功

完成日2024年06月26日

ペルセポリス包囲作戦

 攻略旅団の方針により、リグ・ヴェーダへの鞍替えの可能性が高いジェネラル級亜人『ダレイオス3世』が支配するペルセポリスの包囲作戦を行います。
 ダレイオス3世は、情報収集と周囲の亜人戦力を糾合する為に、多数の偵察部隊や伝令部隊を動かしているようなので、この部隊を撃破、情報を封鎖して、ダレイオス3世を孤立させてしまいましょう。
 更に、ペルセポリスを護る部隊に挑発を行ない、城から撃って出させて撃破する事で、孤立無援となったペルセポリスを制圧、ダレイオス3世を撃破する事も可能になる筈です。



ダレイオス3世

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選択肢『籠城する亜人への挑発』のルール

 封鎖中の都市の戦力を低下させるため、籠城する亜人を挑発、外に打って出てくるように仕向けてください。
 亜人は総じて頭が悪いので、その知能程度に応じた、下品な挑発を行うと、効果が高いかもしれません。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【🔑】この選択肢の🔵が👑に達しない限り、マスターは👿のリプレイを執筆できない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾護衛するトループス級『オタマジャクシ歌劇団』のルール

 事件の首魁であるクロノヴェーダ(👿)を護衛するトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 👾を撃破する前に👿と戦闘を行う場合は、👾が護衛指揮官を支援してくるので、対策を考える必要があるでしょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾ペルセポリス封鎖戦『オーガコンスル』のルール

 ディアボロスが封鎖しているペルセポリスに流入してくる亜人、或いは、ペルセポリスから外に出る亜人の群れを撃破して情報の封鎖を行ってください。
 ペルセポリス周辺の街道を警戒し、移動してくる敵の撃破を行いましょう。
 内外の情報伝達を阻止する事で、ペルセポリスを支配するダレイオス3世の行動を阻害することが出来ます。
 詳しくは、オープングやリプレイを確認してください。


 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『🔵が👑に達すると、敵の大規模な作戦に影響を及ぼす。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との決戦『ジャヒー』のルール

 事件の首魁である、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破する事で、この事件を成功で完結させ、クロノヴェーダの作戦を阻止する事が可能です。
 敵指揮官を撃破した時点で、撃破していないクロノヴェーダは撤退してしまいます。
 また、救出対象などが設定されている場合も、シナリオ成功時までに救出している必要があるので、注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「ケイミア・アレーン」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。