ペルセポリス包囲作戦

 攻略旅団の方針により、リグ・ヴェーダへの鞍替えの可能性が高いジェネラル級亜人『ダレイオス3世』が支配するペルセポリスの包囲作戦を行います。
 ダレイオス3世は、情報収集と周囲の亜人戦力を糾合する為に、多数の偵察部隊や伝令部隊を動かしているようなので、この部隊を撃破、情報を封鎖して、ダレイオス3世を孤立させてしまいましょう。
 更に、ペルセポリスを護る部隊に挑発を行ない、城から撃って出させて撃破する事で、孤立無援となったペルセポリスを制圧、ダレイオス3世を撃破する事も可能になる筈です。



ダレイオス3世

舌剣は鉄剣より強……くはないか?(作者 残念矜持郎
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#蹂躙戦記イスカンダル  #ペルセポリス包囲作戦  #ペルセポリス  #ダレイオス3世 


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「情勢を探りに行かせた部隊はどうなっている?」
「まだ帰還しておりません」
「兵力はどれほど集まった……?」
「まだ集まっておりません」
「……法正からの連絡は!?」
「まだ来ておりません」
 ダァン!!ペルセポリスが宮殿、その玉座にて、苛立ちを抑えきれなくなったダレイオス3世の拳が玉座を叩き、その振動で控えていた従者が吹き飛んでいく……。
「昨日も、一昨日も、その前も……いつ聞いてもまだまだまだまだ……何をやっているのだ貴様らァ!?」
「も、申し訳ございません!早急に報告できるよう急がせます……!」
 主に許しもなく、怯え切った様子の従者はそそくさと逃げていった。

「諸君、お集まりいただき感謝する」
 一礼したダスク・ノーライズ(サイボーグの破軍拳士・g03370)は地図を広げて。
「攻略旅団の方針により、ダレイオス3世の籠るペルセポリスを包囲する作戦を行う事になった。ダレイオス3世は、情勢の把握の為に周囲に偵察部隊を派遣し、更に、ペルセポリスに戦力を集めるべく、伝令なども送っているようでな。伝令部隊を撃破し、報告に戻る偵察部隊を撃破すれば、ダレイオス3世を孤立させることが出来る筈だ。同時に、挑発を行って、ペルセポリスの戦力を誘引して各個撃破できれば、イスカンダル東部の要衝であるペルセポリスの攻略も可能になるだろう」

 で、地図のペルセポリスの周囲にいくつかの線を引き。
「まずは、ペルセポリスの封鎖を確かなものとして、出入りしようとする敵を発見、撃破する事が重要だ。その為にも周囲の警戒には工夫が必要だろう」
 その線にいくつか印をつける。どうやら、敵さんが出入りするなら使うであろう移動ルートの候補らしい。
「ペルセポリスを護る亜人達は、ダレイオス3世からは出撃が禁じられ、防衛に徹するよう命令を受けているようだが、亜人だからな。うまく挑発すれば、釣り出すのは難しく無いだろう。ただ、あまり作戦に時間を掛けすぎれば、ペルセポリスが封鎖されている状況を理解したダレイオス3世が、ペルセポリスからの脱出を試みるかもしれない。そうならない為にも、この作戦はスピードが重要になるだろう」

 説明を終えた時先案内人は首を捻り。
「今回はまず、城から出てきているクロノヴェーダと交戦する必要があるが、相手は偵察部隊とあって飛行能力を持ったクロノヴェーダが担当している。空を飛んだ所で撃墜してしまえばいい話だが、城側のクロノヴェーダにその姿を発見されると援護射撃が飛んできてもおかしくない。相手が空を飛ぶ前に決着をつけるか、あるいは飛べなくする手段を用意しておいた方がいいかもしれないな」
 まぁ、クロノヴェーダってパラドクスが絡んでないと速攻で解除しちゃうから、意味があるか怪しいんだけども、ギャグ依頼だからね。細かい事は気にせずに行こうか!

「此度も収穫はなし、ですか……」
「イスカンダル大王の軍勢も見られませんでしたが、リグ・ヴェーダの軍勢も法正様の部隊も見つかりませんでしたねぇ……」
 ペルセポリスへの帰り道。偵察に出ては来たものの、何も見つけられなかったクロノヴェーダ達は、トボトボ……人生にくたびれたサラリーマンのような哀愁を漂わせながら、帰路についていた……。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【傀儡】
1
周囲に、ディアボロスのみが操作できる傀儡の糸を出現させる。この糸を操作する事で「効果LV×1体」の通常の生物の体を操ることが出来る。
【現の夢】
1
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【隔離眼】
1
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【冷気の支配者】
1
ディアボロスが冷気を自在に操る世界になり、「効果LV×1km半径内」の気温を、最大で「効果LV×10度」低下可能になる(解除すると気温は元に戻る)。ディアボロスが望む場合、クロノヴェーダ種族「アルタン・ウルク」の移動速度を「効果LV×10%」低下させると共に、「アルタン・ウルク」以外の生物に気温の低下による影響を及ぼさない。
【使い魔使役】
1
周囲が、ディアボロスが「効果LV×1体」の通常の動物を使い魔にして操れる世界に変わる。使い魔が見聞きした内容を知り、指示を出す事もできる。
【防衛ライン】
1
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV4 / 【ダメージアップ】LV2 / 【反撃アップ】LV1 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

残念矜持郎
残念です

ヒャッハー『ギャグ依頼』だァ!!

まずは空を飛べる敵さん(発見時は歩いてる)を、飛ぶ前に仕留めるか、飛べないようにする必要があるんですって。なんかねばねばさせてもいいし、羽毛がもっふもふだから水ぶっかけてもいいかもだし、口先で丸め込めるんならそれも有効でしょう

で、そいつぶっ倒したら進行方向にお城が見えます

敵さんが隠れてて、アヴァタール級が若干ヒステリックになってます

ほとんど話なんか聞いてくれなさそうなコイツを挑発して誘き出すのがメインのお仕事ですね

ではでは、皆さまの口八丁手八丁なプレイングをお待ちしております
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


ラウム・マルファス
えっとつまり、敵が沢山いて全部倒せばオッケーだネ、了解。とりあえず最初は隠れてコソコソすればいいのカナ。

トタテグモ型ドローンで地中から攻めるヨ。無人航空機?大丈夫広義には無人機だカラ。むしろフライトドローンがわざわざフライトって付いてるし人乗れるから、ちょっとくらい平気ヘーキ。

地中からパッシブソナーで敵の位置を特定して、上に来たらガシッと掴んで地中に引きずり込むヨ。その後爆破すれば音もそんなに響かないし、煙も土煙に紛れて気づかれないハズ。

本物は黒いしキモイから、機体は目立たないよう、周囲に紛れる土の色にしてちょっとコミカルな感じにしておこウ。……ダメそうならダスクにモザイクかけておいてもらおうカナ。

ボクは土色のローブ被って適当な岩陰に潜んでおくヨ。


エイレーネ・エピケフィシア
あの仰々しい風貌をしたトループス級の弱々しく覇気のない様子を見ると、何とも言えない気分になりますね……
尤も、放置していればダレイオスと法正の合流を許してしまうでしょう
疲れ切っていようと亜人は亜人、容赦なく仕留めます!

物陰や地形の凸凹に潜みながら敵に接近し、疲弊して周囲への注意が散漫になっている所に奇襲を仕掛けます
『精霊たちの召喚』を発動し、敵の背後に蛇の精霊を出現させましょう
蛇は敵の足下を静かに這いまわっては噛みつき、次々と毒牙の餌食にしていきます
それに気づいた敵が焦って空に逃げようとするなら、頭上から梟の精霊が急襲
眼から放つ光線で焼き払うなり、首を蹴り折るなりして、敵が高く飛ぶのを妨害しながら片付けましょう

反撃に対しては≪神護の輝盾≫を構えるか、咄嗟に身を反らして≪神護の胸当て≫部分で受け止めることにより防御
爪や嘴が身体を傷つけないようにした上で、攻撃を弾かれた敵が隙を晒した所で再び攻勢に転じます

主君の裏切りに巻き込まれるとは難儀なことですね
同情するつもりはないですが、心中お察しします


「えっとつまり、敵が沢山いて全部倒せばオッケーだネ、了解。とりあえず最初は隠れてコソコソすればいいのカナ」
 今回の作戦を分かってるんだか分かってないんだか怪しい雰囲気のラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)だが、最終的には敵を全滅させるのは基本中の基本?だからまぁ、あっているのかな?そんな彼が身を潜める物陰には、復讐者がもう一人。
「あの仰々しい風貌をしたトループス級の弱々しく覇気のない様子を見ると、何とも言えない気分になりますね……」
 エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)……え、大丈夫?あなた結構まとも寄りの復讐者じゃなかった?来てしまった以上はシリアスキャラとして、って意味では生かしては帰さないけども。
「尤も、放置していればダレイオスと法正の合流を許してしまうでしょう。疲れ切っていようと亜人は亜人、容赦なく仕留めます!」
 案の定、すっごい真面目な雰囲気で盾を掲げて、自らが信仰する女神に祈りを捧げてから岩場の陰から陰へ移り、距離を詰めると。
「女神に仕える聖なる獣よ、穢れし者共へその爪牙を立てよ!」
 うっわどう見てもシリアス界隈の人の詠唱だよ……この子無事に帰れるかしら。
 こちらの心配をよそに、エイレーネの信仰を核に祈りが肉体を編み、蛇の精霊が顕現する。大型の蛇の姿をした精霊が音もなく忍び寄り、トボトボしていた鳥っぽいアレの足首にガブゥ!!
「いったい!?敵襲!敵襲!!」
 襲撃を受けた敵さんが翼を広げて、飛び立とうとするが足に噛みついた蛇の牙は内側に向かって湾曲しており、精霊そのものがクロノヴェーダと地上を繋ぐ鎖となる。飛びそこなった同胞を横目に舞い上がる個体に食らいつき、引きずり下ろす精霊もいたが、それでも取り逃がしたスプンタ・マンユはエイレーネへ狙いを定めて。
「おのれディアボロス!!」
「主君の裏切りに巻き込まれるとは難儀なことですね」
 若干嬉しそうな気がしないでもない声音に、きっと復讐者の首を持って帰って褒賞を貰えると思ってるんだろうなー、決してここまで何の成果もないから敵襲すらも嬉しいとか思ってるわけじゃないんだろうなーと、心の中でコスモウェアキャットになりかけていた内なるエイレーネに、アテナ様からオリーブの枝で作られたハリセンでツッコミという名の啓示が入って、シリアス味を取り戻したエイレーネは盾を構える。
「同情するつもりはないですが、心中お察しします」
 急降下攻撃を仕掛けて来た爪を盾で受け、逸らし、ゴルゴーンの装飾の蛇髪部分に爪が引っかかって、空中でズッコケたような恰好になった敵さんへ、今度は梟の精霊が突撃。サイズ的にはエイレーネと同じか、それ以上はあろうかという巨大な梟が、鳥っぽい敵さんの頭へキック!!
「おうるっ!?」
 吹っ飛ばされて地面に叩きつけられる……と、思いきや。

 \パカッ/

「「えっ」」
 スプンタ・マンユと、エイレーネが同時にびっくりした。だって地面が突然、蓋を開けて穴に変わったんだもの。そのままホールインワンをキメてしまったスプンタ・マンユが深く落ちていくと、ぱたむ。蓋が閉まり。
「なんですかあなた……ちょ、来ないでくださ……ぎやぁあああああああ!?」
 土の下から、くぐもった悲鳴と一緒にザザザザクッ、ジュルジュルジュルメギメギメギ……なんか水っぽい鈍い音が聞こえてくる。猫耳をピコッと向けて、音を拾ってしまったエイレーネが若干引いてしまい。
「中で一体何が……?」
「今回はトタテグモのドローンを使ってみたんだヨ」
 白衣という個性を脱ぎ捨てて、代わりに土色の布を被って保護色と成し、没個性として自然と一体化を試みていたラウムが眼鏡をキラリ。
「地中からパッシブソナーで敵の位置を特定して、上に来たらガシッと掴んで地中に引きずり込むヨ。元ネタの蜘蛛も、地下に穴を掘って待ち構えてて、獲物が近づいてくると蜘蛛糸で固めた蓋を開けて、中に引きずり込むんダ」
「アリジゴクのような生態ですね……」
 デフォルメされたイラスト図解を見せていたラウムが、興味を向けていたエイレーネから目を逸らし。
「ちなみに、ビジュアルはちょっとアレだから、虫が苦手なら見ない事をお勧めするヨ」
「え!?」
 そんな事言われたら逆に見てしまうのが人の性。白猫が視線を向けた先でちょうど蓋が開き、干からびたクロノヴェーダだったモノがぽいちょ。投げ捨てられて、蛇に捕まっていた個体を狙って飛び出して来た蜘蛛が『お代わり』を持って帰って行く……。
 その一瞬でエイレーネが見てしまったモノは、腹の部分に感覚器を兼ねているのか繊毛を生やし、しかし脚や胸にはツルツルスベスベした印象を受ける。平たい頭胸部は甲羅のようにも見えるが、その先端にクリッとした目と牙とも脚ともつかないおててが二本。全体的にぷっくりした可愛らしい外見をしているが、苦手な人は夢の中まで追いかけられる事になりそうなデザイン……この記録を見てしまった、蜘蛛が苦手な方、正気度判定のお時間です。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV2が発生!

 色々あったけど、とりあえず、外回りしてたクロノヴェーダは仕留めた。そしたら籠城してる連中に出て来てもらわないといけないんだけども。
「復讐者がッ!復讐者が私を殺しに来るんだわッ!!絶対に外になんて出ないんだからッ!!」
「落ち着いてください、確かに我々の仕事はここに立てこもる事ですが、そんなに騒がれますと部隊の士気にかかわります……」
 ヤベー上司と、苦労人の部下の会話かな?こいつらを挑発して外に出て来てもらわないといけないわけだが、まぁ、普通に挑発してもいいんだけどこちらに取り出しますは敵さんのプロフメモ。人間の男性を生きたまま解体して生贄にするのが趣味なんですって。つまり、生贄にしがいのある綺麗な男性を装っても効果的かもしれない……というわけでご都合主義的に男装用の衣装を用意しておいた。
 復讐者は『生贄向き男性or男装の麗人コンテスト』をしてもいいし、普通に煽り散らかしてもいい。
ラウム・マルファス
解体されル!?えっと……とりあえずボクはカッコ良くないから大丈夫カナ?
ショーやるにしろ挑発するにしろ、見えるところまでは出てきてもらわないとネ。

ってわけで全知の魔法書に、敵が引きこもってる部屋を映すヨ。
出口と反対側の壁に、血文字っぽい感じでミツケタって現地の言葉で書こウ。ホラー映画とか知らなくても、ディアボロスが来たと思えば、びっくりして部屋から逃げだすカナ?うまくいったら、入口まで誘導するように血文字を書いていくヨ。

念のため誰も来てくれなかった時に備えて、黒色ローブを目深にかぶっておこウ。ローブの隙間からちらっと見えるだけなら、綺麗な人に誤認されるかもしれナイ。さっきの土色ローブだと、目立たなさ過ぎて誰もいないと思われるかもしれないからネ。

…………
……
熱イ


「解体されル!?」
 突然の追加情報に一瞬ビビるラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)だったが、すぐに落ち着いて。
「えっと……とりあえずボクはカッコ良くないから大丈夫カナ?ショーやるにしろ挑発するにしろ、見えるところまでは出てきてもらわないとネ」
 というわけで羽の装飾がされた怪しい本を取り出すと、勝手に開いてどっかの部屋が映るが、敵の姿は見えない……。
「逆説連鎖戦が起こせてないカラ、干渉しきれてないのカナ……?」
 まぁ、パラドクスって本来はこういう使い方するもんじゃねぇからな。
「とりあえず、気づいてもらわないと話にならないカラ……」
 サラサラと何かを書き記すと、建物の中から、バン、バン、バン、バン!何かを叩きつける様な音がする。
 実は、中の壁に血文字で「ミ ツ ケ タ」と書いてあるのだが、まぁ、亜人が読めるわけもない、が。
「なんだこれ!?」
「侵入者か!?」
「いや、ディアボロスかもしれん!!」
 それでも城壁の中は大騒ぎ。アヴァタール級と思しき個体が窓からこそっと様子を窺うと、そこには黒づくめの男の姿。
「なにあれ……?」
 その正体は、土色の布では敵に発見されにくいと思って真っ黒のローブを目深に被り、砂漠の民っぽい恰好になったラウム。ローブの目元から碧眼だけが覗き、細められた流し目にアヴァタール級がゴクリ。
「あの目玉……抉り抜いて供物にしたいわね……」
 なんか危ない方向で興奮しているようだが、当のラウムはっていうと。
「……熱イ」
 暑い、じゃなくて熱い、な辺り、どんだけヤバいかお察しください。直射日光を避けるために、全身を布でぐるぐる巻きにするものだが、それは同時に夜の寒暖差に備える意味もあり、まぁ、昼間の熱波に耐えられるかって言うとそれとこれとは別。そういう環境に慣れているならまだしも、色白モヤシなラウムはローブの中で蒸し焼きになっており……。
「ふ、ふふ……敵が炙り出されるのが先か、ボクが炙り焼きになるのが先か……我慢対決ダネ……」
 普段のラウムなら絶対にとらないであろう根性論な作戦になっている辺り、コイツ既に頭が熱でやられてないか……?
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!

エイレーネ・エピケフィシア
実に拘り抜いた造形で形作られた蜘蛛の機械でしたね
あれこそヘーパイストス様の祝福を受けし職人技です!
今しばらく眺めていたいぐらいでしたが……今は戦いに集中しましょう

背が低くてすぐに露見しそうに思えてなりませんが、折角衣装があるなら男装に挑戦です
この時代の重装歩兵の装備を身に着けて敵の前に姿を現します
派手な兜の頭頂部の飾りで背丈を誤魔化し、頬当ての間から顔を見せることで女性らしさを曖昧に
きりっと精悍な表情を作れば、勇気ある少年のように見える……と助かりますね

男装が上手くいくにしろ敢え無く見抜かれるにしろ、挑発は声高に
いつもより太く声を張って、変声期後でもギリギリあり得る……?ぐらいの男声を目指します

生け贄を欲する忌まわしき怪物よ、あなたの蛮行に終わりの日が来ました!
今まで人々を脅かしてきた血染めの刃も、この身に届くことはありません
わたしの言葉を思い上がりと断じるつもりなら、自ら打って出てくるのですね
雑兵どもだけでは相手になりませんよ

苛烈で生意気な言葉を浴びせ、生け贄にしたい欲を掻き立てます!


「実に拘り抜いた造形で形作られた蜘蛛の機械でしたね。あれこそヘーパイストス様の祝福を受けし職人技です!」
 鍛冶の神様だったか火種の神様だったかうろ覚えだが、エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)の感動具合の引き合いに出されてその神様も「あれ、加熱処理して作るもんなん……?」って疑問符を浮かべていることだろう。
「今しばらく眺めていたいぐらいでしたが……今は戦いに集中しましょう」
 というわけで、岩陰に用意された簡易更衣室に入ったエイレーネだが、自分の猫耳の上に手を添えて、その高さを見上げつつ。
「背が低くてすぐに露見しそうに思えてなりませんが、折角衣装があるなら男装に挑戦です」
 というわけでエイレーネドレッシーング☆上はお腹から背中をクルっと覆う筒状の鎧を、肩を覆う留め具を兼ねた防具で固定。ノースリーブで可動域を確保しつつ色白な腕を見せる形に。下は厚手の生地で作られた布地に金属の帯を無数に重ねた、二重スカート。膝上の丈で太腿はわずかに見えているが、脛から膝までは強固な金属製の脚甲が覆い、防御性能としては申し分ない。
 最後に金属製の壺に楕円形の穴を三つ開けたような形で、視界と呼吸口を確保した兜をかぶり、ちぎれたT字型にカットされているために顔の輪郭を隠してくれる頬当てをぺちぺち。
「派手な兜の頭頂部の飾りで背丈を誤魔化し、頬当ての間から顔を見せることで女性らしさを曖昧に、きりっと精悍な表情を作れば、勇気ある少年のように見える……と助かりますね」
 兜の上についた巨大な羽扇のような飾りをフリフリしつつ、キュッと唇を結んで眉間に力を入れ、顎を引き喉を下げるエイレーネは、「あ、あ……」その場でちょっと声出しの練習をしてから城壁の前へ立つと。
「生け贄を欲する忌まわしき怪物よ、あなたの蛮行に終わりの日が来ました!」
 できる限り低い声を目指して宣戦布告を叩きつける。大きく出した分、太さを目指したアルトボイスは思いのほか低くならず、男性にしては高すぎる気もするが、兜の装飾で背丈をごまかそうとした程度にはやや背が足りない彼女の姿は、声変わりするか否かの少年兵に見えていたのだろう。アヴァタール級が、窓からこそっと見ている……。
「今まで人々を脅かしてきた血染めの刃も、この身に届くことはありません……わたしの言葉を思い上がりと断じるつもりなら、自ら打って出てくるのですね。雑兵どもだけでは相手になりませんよ!」
 雑魚じゃ話にならねぇから殺したければお前が出てこい、という分かりやすい挑発に……。
「雑兵だとぉ!?」
 トループス級の方がブチ切れた。
「……あれ!?」
 思ってたのと違う反応に、エイレーネは尻尾をブワッと膨らませて瞳孔がキュッと細まる。
「我々は選りすぐりのエリート部隊なのだ!」
「それを……雑兵だと!?この青二才が!!」
「あいつヤっちまっていいですか?ていうかヤりますね!?」
「ちょ、待ちなさい!アレはさっきの綺麗な目玉と合わせて、私が今夜の贄にするんだから!!」
 これは酷い……多分知らなかったんだろうけど、トループス級のプライドとアヴァタール級の性癖を同時に刺激してしまったエイレーネ。城壁からはバタバタと騒々しい足音が聞こえてくる……。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!

「人の事舐め腐んのも大概にしろやゴラァ!?」
「誰が雑兵じゃこちとら完成系の新人類じゃい!」
「その中身空っぽな頭カチ割って、花瓶にしてやっかんなぁ!?」
「待ちなさい!それは私が贄にするって言ってるでしょう!?」
 あーもーめちゃくちゃだよ……完全にプッツンしちゃってるトループス級と性癖全開のアヴァタール級が一斉に復讐者目掛けて突っ込んでくる……とりあえず、こいつらを撃破するのがお仕事です。もう、これ以上は悪化しないよね……?
ラウム・マルファス
熱くて焦げるかと思ったヨ。黒くなったらダスクに白モヤシって呼ばれなくなるカナ?……焦げモヤシに進化しそうだから焦げないように頑張ろウ。

熱いのはもうヤだから寒いのにするヨ。変な引きこもり方するから時間かかっちゃったじゃないか、って怒りで凍らせるヨ。

アヴァタールは引き続き引き付けておかないとだし、黒ローブ続行だヨ。周囲が氷に囲まれれば多少は涼しく……やっぱり熱イ。冷気の支配者も使っておこウ。

敵のパラドクスが何言ってるかわかんないから(熱さで思考放棄)とりあえず敵の攻撃が止まるまで凍らせ続けるヨ。


エイレーネ・エピケフィシア
失礼しました。先程の言葉は飽くまでもあなた達を誘き寄せるための挑発で、実際に舐め腐っている訳ではありません
トループス級が相手であっても時には深傷を負わされ、敗死すらもあり得ることは理解しています

それはそれとして、頭が空っぽなのはあなた達の方かと……
出撃してしまった時点でもう手遅れですよ!

打って出てきた敵群に《神護の投槍》を投擲し、『降り注ぐ影の槍』を発動
最初に飛んできた実物の槍に注目を集めさせた後、少し遅れて出現する幾つもの幻影の槍で撃ち抜きます
ラウム様の放つ冷気で動きの鈍った敵がいれば、態勢を立て直される前に槍の雨に巻き込んで仕留めてしまいましょう
人間とは鍛練の中で日々成長するもの。完成形など息絶えるその瞬間までありません!

反撃に対しては《神護の輝盾》を構えて様子を見つつ、具体的な内容を観察
毒を塗った武器や爪での直接攻撃なら盾で受け止めて防ぎましょう
毒ガスや毒性の液体を周囲に広げる攻撃なら、【フライトドローン】を足場として乗り継いで【エアライド】で連続跳躍し、素早く攻撃範囲から逃れます


「熱くて焦げるかと思ったヨ。黒くなったらダスクに白モヤシって呼ばれなくなるカナ?……焦げモヤシに進化しそうだから焦げないように頑張ろウ」
 謎の方向への心配やら安堵やらをまぜこぜにしたラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)だが、多分黒ローブならどんだけ暑くなっても白モヤシなんじゃねぇかな。日焼けしたくないなら、黒づくめの服に白の日傘って誰かが言ってた。そんな気がする。
 さて、隣で白眼鏡が半ば溶けてる一方、男装白ニャンコは荒ぶる敵さんに頭を下げて。
「失礼しました。先程の言葉はあくまでもあなた達を誘き寄せるための挑発で、実際に舐め腐っている訳ではありません。トループス級が相手であっても時には深手を負わされ、敗死すらもあり得ることは理解しています」
 敵さんにも礼儀を欠かないエイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)……いや本当に、なんでこんな良い子がこの手のふざけた依頼に来ちゃったのか、いまだに分からない。
「それはそれとして、頭が空っぽなのはあなた達の方かと……」
 ……おや?
「籠城していればよかったのに、出撃してしまった時点でもう手遅れですよ!」
「結局馬鹿にしてんじゃねぇかゴラァ!?」
 礼儀は礼儀として、やっぱり言う事は言うエイレーネは敵陣のど真ん中に槍を投げ込む。誰にも当たることなく地面に突き立った槍に、そこから何か起こるのかと警戒したトループス級が一斉にそちらを見るが。
「何も起こらないだと?」
「な、なーんだ、ビビらせやがって……」
 で、振り返ると、ぬりっ。
「なんか真っ黒な壁で囲まれてるー!?」
「熱いのはもうヤだから寒いのにするヨ。変な引きこもり方するから時間かかっちゃったじゃないか」
 ラウムが理不尽なようなそうでもないような事を言いながら、真っ黒ローブをパタパタ揺らして覗き穴から冷気を取り込もうとする……そう、冷気だ。
「なんだこの壁……すごく……冷た……」
「凍ってんぞお前ーッ!?」
 黒い包囲網の中では、壁に触れたトループス級が凍てつき、真っ白に染め上げられていく。徐々に範囲を狭めてくる壁から逃れようと中心に集まるクロノヴェーダを、地を這う冷気が襲いじわじわと氷像に変えていく中、不意に円の中を影が塗り潰す。
「え?」
 見上げれば、降り注ぐは、槍の雨。
「えぇえええええ!?」
 逃げるための退路はなく、その身はよじ登ってくる凍気に蝕まれて氷像と化し、もはや己の体を動かす事すら叶いはしない。
「馬鹿な……我々は完成系のディアドコイ……到達点の新人類だぞ!?それが……こんな……!」
 言葉が途切れたのは喉が凍てついたためか、あるいは降り注ぐ槍に打ち砕かれてシャーベットの肉片と散った為か。円形の壁の中身が見えない以上、復讐者達にその最期を知る術はない。
 パラドクスの完遂と共に手元に現れた槍を振るい、残り血を払うエイレーネは小さくなって消えていく氷点下の牢獄を見つめて。
「……来ます!」
 解き放たれたそこにあったのは、道連れにしようと広がる毒の霧。既に死した歴史が確立しながらも、クロノヴェーダの遺志を宿した殺意がエイレーネへ手を伸ばす。わざわざやられてやる道理もない……エイレーネの周囲に現れるは首と少女像。おぞましい顔をした蛇髪の女の首っぽいドローンを足場にして跳んだエイレーネは、悲し気に顔を伏せた少女像っぽいドローンが重ねた手を踏み台に、さらに高く跳んで毒霧から距離をとるが。
「ラウム様は!?」
 本来、浮遊機は彼の十八番。だが、その本人が全く動く気配を見せない。もしや別のパラドクスを食らったのかと声をかけても、何の反応もしないラウムだったが……。
「アレ?呼んダ?」
 上空でパタパタしていたエイレーネに気づくと、氷の耳栓を外して見せる。
「なんで戦場で耳栓を!?」
「敵がパラドクスで何か言ってたんだケド、何言ってるか分かんないから耳ふさいじゃってたヨ」
 戦闘中に自ら聴覚を潰すという、普通ならありえない挙動に開いた口が塞がらないエイレーネだったが、残留思念と化していたパラドクスの霧散を確認すると、遺された死骸に向けて槍を掲げ。
「人間とは鍛練の中で日々成長するもの。完成形など、息絶えるその瞬間までありません!」
 傲慢と共に散っていたクロノヴェーダの在り方を真っ向から否定しながら、戦士として送り出すのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV3になった!

「あぁ、そうね、やはりディアボロスが殺しに来たのね!」
 さーて本日のボスさんはとってもヒステリック。歓喜か恐怖か分からないけど、とてもビブラートな声でジリジリ迫り。
「殺しに来たのだもの、殺されても構わないわよね?うふ、うふふ……あぁ、いい、いいわ……実に素晴らしい贄になりそう……綺麗に解体してあげるわぁあああああ!!」
 性癖駄々洩れな視線と声と共に襲い掛かってくるタイプの変態だコレー!?
獅子城・羽鳥
※連携・アドリブ歓迎

猟奇系の変態でヤンデレでこじらせ女子だなんて一体どっからツッコめばいいんだ?
(モフ犬が全身の毛を逆立て超低音で唸ってる)

…いや、この手合いはこちらから好意全開でグイグイ迫れば怒ったりドン引きしたりで混乱が見込めるかもな
なに、本心が1ミクロンもこもってない恋歌なんて職業柄珍しくないさ(元吟遊詩人で今も副業で音楽業)

ソードハープを情熱的に奏で【アサシネイトソング】発動

『黒曜石の様にきらめく瞳
 子鹿の様にしなやかな手足
 麗しの人イーピゲネイア
 貴女こそ我が愛、我が心
 今こそ貴女の贄となろう』

歌のサビに合わせ、懐に仕込んだ血糊入りの袋を突き、そのまま勢いで敵をバッサリぶった斬る大出血サービス
変態相手ならやり過ぎということはないだろう
少しでも引いた隙に拳銃、右腕のサブマシンガン、膝のグレネード、スエニョのキャノンを一斉発射して、召喚した大勢の亜人ごと黒焦げの蜂の巣にしてやんよ
変態死すべし慈悲はない
スエニョも変態が嫌なのか、普段以上に情け容赦なく撃ってんなあ…


ラウム・マルファス
サイコホラー依頼だコレ!?そういう方向の寒さは望んでないヨ!?
怖いからパラドクス発動。
「まぁ待って、目の黒いうちにって慣用句があるくらいだし死んだ魚の目って言葉もあるし、抉ったら色変わっちゃうかもしれないから抉らない方が良いんじゃないカナ。それはともかく容姿褒められ慣れてないからどう反応したらいいかわかんないけど喜ぶべきところなのかなコレ。ところで目が黒くないボクは目の青いうちにっていうべきなのか黒で良いのか結構悩むんだケドってイーピゲネイアの目の色確認しようと思ったけど黒目なことより馬なのか鹿なのか何なのかが気になるよボク。馬っていえば、生き馬の目を抜くって言うけど馬って時速70kmくらい出るらしいから走ってる車のドアノブ引っ張るくらいの勢いだし飛翔のレベル1が90kmだからウッカリすると引っこ抜かれそうだけどそういえばボクの目が狙われてるんだった怖いから逃げるネ」
フライトドローンに乗って逃げるヨ。反撃来るのは知ってるヨ。抉らないで、やーめーテー。


エイレーネ・エピケフィシア
アテナイが誇る劇作家の作品を名に冠しての蛮行、赦しませんよ!
野蛮さの在り方が少しばかり想定外でしたが……!

父の手で生贄に捧げられたはずのイーピゲネイアは、劇中ではアルテミス様に命を救われています
その引き換えに課せられた異郷での責務からも、後にアテーナー様の計らいで解放されたのです
ですが……名を盗んだだけの怪物が、女神の恩恵を賜ることなどありません
――覚悟なさい!

《神護の長槍》と《神護の輝盾》を油断なく構え敵と対峙します
皆様も、その……普段と雰囲気が異なるようですし、隙が大きそうなら素早く敵への攻撃を差し込みフォローしますね

突きつけた槍の穂先から『勝利齎す女神の威光』を解放
高まった【命中アップ】の導きの下に放たれる聖光の奔流で敵を飲み込み、その身を粉砕します
まだ気付いていないようですね。私は女ですよ!
流石にそろそろ分かると思っていましたが!

反撃の水は《神護の輝盾》で受け、魔力耐性で洗脳効果を弱めます
ふむふむ。贄に捧げられるのは名誉なのですね
では、まずはあなたが栄光に浴すのはいかがでしょう?


「サイコホラー依頼だコレ!?」
 参戦する依頼を間違えてしまった気配に、ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)はドン引きしてビビり涙を流す。いやほら、最近暑くなってきたし、こういう方向性も需要あるかなって……。
「そういう方向の寒さは望んでないヨ!?」
「アテナイが誇る劇作家の作品を名に冠しての蛮行、赦しませんよ!野蛮さの在り方が少しばかり想定外でしたが……!」
 はぁはぁ言いながらにじり寄ってくるクロノヴェーダに、エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)は怒りと侮蔑と困惑がないまぜになった心境を抱きつつ。
「父の手で生贄に捧げられたはずのイーピゲネイアは、劇中ではアルテミス様に命を救われています。その引き換えに課せられた異郷での責務からも、後にアテーナー様の計らいで解放されたのです。ですが……名を盗んだだけの怪物が、女神の恩恵を賜ることなどありません……覚悟なさい!」
 と、少しでもシリアス味を取り戻そうとしたのだが。
「猟奇系の変態でヤンデレでこじらせ女子だなんて一体どっからツッコめばいいんだ?」
 獅子城・羽鳥(メタリックトルバドゥール・g02965)の一言で、全てが台無しになる。
「士気に関わりますから、気にしないようにしていましたのに……!」
「あれを気にしない方が無理じゃないか……?」
 鼻息荒く手をワキワキさせながら迫りくるクロノヴェーダに、羽鳥は全身の毛を膨らませて威嚇するスエニョのモチモチほっぺをプニプニして、普段ならそう見る機会のない犬歯を露わにしながら。
「しかし、この手合いはこちらから好意全開でグイグイ迫れば怒ったりドン引きしたりで混乱が見込めるかもな。なに、本心が一ミクロンもこもってない恋歌なんて職業柄珍しくないさ」
「それはそれで、お仕事としてはどうなのですか……?」
 そうだそうだー、クリエイターを名乗るならプロアマ問わず、心を込めて作るべきだろー?
「人の心の欠片もない邪神が何か言っている気がスル……」
 知ってはいけない何かの知識を獲得している節のあるラウムが虚無の眼差しを浮かべているが、やだなぁ。生温い作戦行動なんかするから腸を引きずり出したくなるだけじゃないか……。
「何か不穏な気配がするヨ……?」
 身震いするラウムや、戦場でスエニョのほっぺをモチモチしながら発声練習をする羽鳥。敵も味方も混沌としてきた戦場を前に、ついて行けないまとも枠のエイレーネはちょっと引いて。
「皆様も、その……普段と雰囲気が異なるようですし、隙が大きそうならフォローしますね?」
「遠回しに頭大丈夫?って言ってナイ!?」
「そ、そんなことは……」ふいっ
 エイレーネが目を逸らしたタイミングで戦闘開始デース☆
「うふふふまずは目玉を抉り抜いて左右逆の眼窩に嵌め直した後、頭蓋を上下ひっくり返して祭壇に飾ってあげるわぁ!!」
「うわぁああああああ来たァアアアアアアアア!?」
 鹿の口から細長い舌を伸ばしてベロンベロンに振り回しながら迫りくる狂気の鹿さんに、ラウムは恐怖の涙を噴き上げながら。
「まぁ待って目の黒いうちにって慣用句があるくらいだし死んだ魚の目って言葉もあるし抉ったら色変わっちゃうかもしれないから抉らない方が良いんじゃないカナそれはともかく容姿褒められ慣れてないからどう反応したらいいかわかんないけど喜ぶべきところなのかなコレところで目が黒くないボクは目の青いうちにっていうべきなのか黒で良いのか結構悩むんだケドってイーピゲネイアの目の色確認しようと思ったけど黒目なことより馬なのか鹿なのか何なのかが気になるよボク馬っていえば生き馬の目を抜くって言うけど馬って時速七十キロくらい出るらしいから走ってる車のドアノブ引っ張るくらいの勢いだし飛翔のレベル一が九十キロだからウッカリすると引っこ抜かれそうだけどそういえばボクの目が狙われてるんだった怖いから逃げるネ……逆説連鎖戦からは逃げられナイ?」
 長文早口言葉を紡ぎあげながら、ドローンに乗って逃走を図るラウム。しかし戦場はいつの間にか巨大な神殿にすり替わっており、両足の裏をくっつけて飛び上がる8の字ポーズめいた構えで虫捕り網を振りかざすクロノヴェーダ。
「ヒャッハー!綺麗なおめめはサクリファイスよー!!」
「やぁあああああだぁあああああああ!?」
 というわけでデッカイ虫捕り網から逃げ回るラウム。ふと、戦場が真っ暗になりスポットライトに照らされるラウム、イーピゲネイア、そして羽鳥。
「おぉ、選ばれし青年は逃げ惑い、贄求む巫女は追う。その追走劇の果てに二人を待つ結末とは……」
「何かボク、悲劇の登場人物にされてナイ!?」
「巻き込まれただけだと主張する青年は、命乞いとして歌を捧げるのだった……」
「しかもボクが言ってナイ事を言った事にされてル!?」
 逃げ回るラウムを他所に、羽鳥は竪琴剣の弦を撫ぜ。

 黒曜石の様にきらめく瞳
 子鹿の様にしなやかな手足
 麗しの人イーピゲネイア
 貴女こそ我が愛、我が心
 英雄の手を振り払い、花嫁の幸福は露と消えた
 王女の誇りを胸に、あなたは国の為に消ゆ
 その未来に血が流れるならば
 女神が貴女の肉を求むならば
 この身、この命を差し出そう
 今こそ貴女の贄となろう

 しめやかに歌い上げた羽鳥へ、ラウムはじとー……。
「……その歌だと、ボク犠牲になってナイ?」
「悲劇に犠牲は付き物だろう?というわけでドーンといってくれ。ドーンと」
「ナンデー!?」
 羽鳥がラウムの胸にナイフをグッサァ!噴き出す鮮血がクロノヴェーダを濡らす!!
「あ、もちろん刃が引っ込むナイフの内側に血糊が仕込まれてて、本当に刺さったように見える舞台の小道具だから安心してね」
「だとしても思いっきり当てすぎだヨ……普通に痛いヨ……」
 モヤシぼでーにサイボーグパワーはアカンかったらしい。蹲ってプルプルするラウム……そーしーて。
「その表情豊かなはずなのに、どこか無機質な顔……いい、実にいい……喜びなさい。美しき贄は名誉ある贄の中でも、特に価値があるわ」
「……おや?」
「顔の皮を剥いで仮面を作り、供物にしましょうかッ!!」
 敵さんのターゲットが羽鳥に!ついでに舞台の床を開けてエキストラっぽい亜人の群れが出て来ようとしたが、その蓋をスエニョが犬パンチして閉じ、上にお座りして封鎖。大砲背負ってるから実は結構重いのかもしれない。
 結局単独で籾削ぎ包丁(作物の収穫に使う石器。正式名称は知らん)を両手に飛び掛かってくるクロノヴェーダに、羽鳥は半身を向けて、チャキッ。
「歌の最後は派手な演出と決めているんだ」
 右腕から飛び出したサブマシンガンの弾幕で接近を押しとどめながら拳銃を発砲。ビシビシペチペチと嫌がらせをしている間にスエニョが砲身を向けて、羽鳥の膝が開く。
「スエニョ!」
「わふ!」
 羽鳥の膝から飛び出したグレネードと同時にスエニョが砲撃。リズミカルに飛び出す爆弾に合わせて砲手犬も連射ァ!!
「スエニョも変態が嫌なのか、普段以上に情け容赦なく撃ってんなあ……」
 前身の爆弾、後身の砲弾。爆発の板挟みに遭ったクロノヴェーダは驚異的ダイエットを果たしてプレートボディを獲得するが、爆煙に紛れてぽむっと復活。
「贄に捧げられるのは名誉なのですね。では、まずはあなたが栄光に浴すのはいかがでしょう?」
 そして煙幕が晴れるより先に、エイレーネが舞台の暗がりからスポットライトの中に躍り出て、クロノヴェーダの胴体を刺し貫く。槍が貫通してなお、イーピゲネイアはエイレーネに手を伸ばし。
「色白の柔肌に、その動物の尾……あぁ、解体のしがいがあるわねぇ……!」
 狂気の光を宿す敵さんに、エイレーネが半眼を返す。
「まだ気付いていないようですね。私は女ですよ!流石にそろそろ分かると思っていましたが!」
「えっ」
 イーピゲネイアはエイレーネの胸をペタペタペチペチ。
「こんなにぺったんこなのに……?」
「重装歩兵の鎧なんだからぺったんこなのは当たり前じゃないですか!なんで変な所でおばかさんなんですかー!!」
 実際にはちゃんと『ある』彼女は、男装の為に身に着けていた鎧の胸部をコンコン叩いていたクロノヴェーダを頭上に掲げて。
「あなたこそ偉大なるアテーナー様の贄となりなさい!!」
 槍から溢れ出す光の奔流が、クロノヴェーダの体を天高く運んでいき……パァン!!
「え、何アレ、細かすぎナイ……?」
「アテーナーといえば、月とオリーブと梟ですから!」
 どっかのコインの裏側みたいな花火を見上げてツッコむラウムに、エイレーネはドヤ顔を返すのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【傀儡】LV1が発生!
【現の夢】LV1が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【命中アップ】がLV4になった!

最終結果:成功

完成日2024年06月13日