踊ればいいと思うよ(作者 西灰三)
#黄金海賊船エルドラード
#リオのヨサコイダンスカーニバル
#リオ
#ダンスカーニバル
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リオと言えばカーニバルである。カーニバルと言えばダンスである。ダンスと言えばよさこいである。
つまりリオのヨサコイダンスカーニバルはとても自然なイベントである、そこに何の問題もない。いいね?
「ヨサコイとはこう踊るのだ!」
「ステイヴさん! 体型が独特で良くわかりません!」
さて、それはクロノヴェーダの作戦の一環なのだけれども、まずはヨサコイを一般人に踊ってもらわないとなんともならない。のでアークデーモン達が模範演技を見せているのだが、正直人選ミスなのではと首をかしげざるを得ない。アヴァタール級のクロノヴェーダはなんか角ばってる『『地獄のクラフター』ステイヴ』だし、部下のトループス級達は二足歩行に擬人化したアライグマのような『クリーナーデーモン』達だ。設備の維持管理にはこの上ないメンバーだろうが、エンタメとなると微妙なメンバーである。それでも命令とあればやらざるを得ないのが実働部隊の彼らの悲しい所である。
「ステイヴさーん! 頑張ってー!」
クリーナーデーモンの一体が自分の身体に不釣り合いな大きな旗を振って応援する。かくてアークデーモン達の陰謀は着々と進むのだった。
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「リオで、カーニバルで、ヨサコイなんだって」
森部・灯(全力全開高気圧バール!・g03325)がまるで意味のわからないものを語るように説明を始めた。
「ええと……これにはきっかけとなった事件があって、前にリオ近郊の町で泡沫のウェパルの『幼体』がエネルギーを集めていたんだって。これはリオで新しいダンスカーニバルを開くためだったみたい」
良くわからないがジェネラル級アークデーモン『泡沫のウェパル』の策謀でほっとくと敵が力をつけるのは確からしい。
「このままにしておくと、リオでどんどんダンスカーニバルが開かれて、めちゃめちゃエネルギーを溜め込んで敵にプレゼントしちゃうことになるから何とか止めないと……って感じ」
トンチキな作戦をとられてそのまま敵を強化するのは流石に避けたい。
「リオの街ではリオのカーニバルの次として新しいカーニバル、つまりTOKYOエゼキエル戦争伝来のヨサコイを伝えようとアークデーモン達が頑張ってるんだって」
ヨサコイソーラン祭りをリオで行うという頭がクラクラする内容だが、アークデーモン達は至って真面目だ。真面目だから始末に負えないとも言える。
「この1から8くらいまではツッコミどころがある野望を阻止して、大天使やアークデーモンの拠点のリオを制圧できれば、エルドラードの攻略も進む……はずだから」
ちょっと自信なさげに彼女は言う。むべるかな。
「リオの住人達は大天使やアークデーモンの人間離れした技量のダンスに感動して、そのクロノヴェーダの命令を受けてヨサコイダンスの練習を頑張ってるみたい」
結果としてこの住民たちの尊敬、『信仰』や『畏怖』に近い感情のエネルギーが練習の段階でも効果が出て、ダンス指導をしているアヴァタール級に力を与えているらしい。
「まあリオに入るのは簡単だよ、お祭りだから警備緩いし。で、まず入ったらキレキレのダンスを住民達に見せつけて信頼を勝ちとって」
今リオの街はダンスシティだ。ダンスが上手い者が尊敬を集める、それは誰であっても変わらない。
「そうするともちろん目立つからダンス担当のクロノヴェーダがやってくるよ、そこでやるべきはもうみんな分かるよね」
そう、ダンスバトルである。
「クロノヴェーダ達は一般人による強化がなくならないように、ダンス対決で尊敬を奪われないようにするんだ。ここで勝てばクロノヴェーダとの戦いでも有利になれるよ。なんならダンスが関わるパラドクスを使うと、リオの人も盛り上がるかも」
特に有利になるかというと怪しいが、まあそれらしくはある。
「まあTOKYOエゼキエル戦争って――いや私達もそうだけど――季節イベントにかこつけて感情エネルギーを稼いでたから、リオで同じことをしてるんじゃないかなーって。ヨサコイがうまく行ったら盆踊りとかハロウィン仮装ダンスとか多分やるんじゃないかな。ほっとくときっとどんどん手がつけられなくなるから今のうちに止めておきたいよね」
イベントの内容はただの賑やかなお祭りだが、引き起こされる事象はディアボロスにとって見過ごせない現象だ。ともかくまずはダンスバトルに勝たねばならない……!
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「……その不思議な踊りはなんだ?」
身体の動きが明らかに生物のもつものではないダンスの練習をしている住民に、そう質問が問いかけられた。
「ああこれか? なんでもステイヴさんが地元の踊り方の一種って言ってたのを真似してみたんだ。ロボットダンスって言うんだってよ」
「へえ、こんなピシッって感じの身体の動かし方もあるんだ。……ロボットってなんだ?」
「さあ? 人の名前とかじゃないか?」
ともかく運動量を全開にして動かすだけが踊りじゃないと、彼らは理解する。
「ところでそのステイヴさんは?」
「ああ、もっとキレのある動きをしないとって一人でトレーニングしてるらしい。真面目だよなあの人」
ロボットダンスは彼的に不本意だったらしい。そして今日もリオの夜はふけていくのであった。
リプレイ
奴崎・娑婆蔵
トン……トン……トン、カラ、トン……
トトンがトン……トン、カラ、トン……
・唄いながら『トンカラ号』を漕ぎ漕ぎ、ダンス練習がアツそうな所へふらりとエントリー
あっしは通りすがりのダンスの伝道師、謎の覆面ダンサー
舞い踊る諸人の気配を感じフラリと湧いて出て参りやした次第
・氏素性を細かに名乗るでもなけりゃ目的を語るでもなく「ダンスに言葉は要るめえ」とばかりにいきなり踊り出す
・周囲を探る等は一切せず、心のリソースを全てただただ踊ることに注ぐ
●【ダンス】披露
・基本は「自転車を漕ぎながら両手を高く掲げつつ上半身を巧みにキレさせる」ムーブ
・ハンドル手放しのままペダリングと重心移動だけでスラローム走行、住民の前を魅せるように巡っていく(【残像】出るレベルで)
・腰に『トンカラ刀』『トンカラ大刀』の二振りを提げているのにそんな重心移動をこなすとかいう凄さ、わかる人にわかってもらえるといいな(あえて自分からはアピらない)
・走ったまんまの自転車のサドルから跳躍&宙返りしてからライディングし直す【空中戦】もいっちゃう
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ダンスシティと化した黄金海賊船エルドラードはリオの街。街は次の祭りであるヨサコイソーランに合わせて、街のあちこちでダンスの練習に勤しむ住人たちがいた。その中を異形の物体に乗って疾駆する謎の影が現れる。
「……あれは、なんだ? 人……か?」
「トン……トン……トン、カラ、トン……トトンがトン……トン、カラ、トン……」
とある住民がその存在を指差して近くにいたものに知らせる。それも仕方ないだろう、彼らの時代には自転車などありえないし、ディアボロスである奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)の事など露ほども知らない。
「……あっしは通りすがりのダンスの伝道師、謎の覆面ダンサー。舞い踊る諸人の気配を感じフラリと湧いて出て参りやした次第……」
包帯の奥からくぐもった声を放った彼は、その場で自転車を走らせ上半身を激しく動かす。それはディアボロスならではの確かな体幹と運動能力あってのものだ。加えて腰に吊るした二本の剣がそのバランスを取るのを難しくしている。
「おい、みんな来てみろよ、あれなんだか分からんがすごいぞ!」
娑婆蔵のその動きに住民たちが集まってくる、それに合わせて彼はくるりとその場で空中に跳び上がり、そして綺麗に自転車の上へと戻って来る。その動きに拍手が巻き起こり、娑婆蔵は得意げに包帯の中で唇を歪ませる。一通りを見せた所に住人たちが集まってくる。
「いやー、どこの誰だか知らないが、あんたすごいな!」
口々に讃辞が向けられる娑婆蔵。
「すげえ曲芸師だな、ダンスをしてもすげえんだろうな!」
「…………………え?」
娑婆蔵の口から間抜けな声が漏れた。一般的に乗り物の上で上半身を動かすのはダンスとは呼べないだろう。例え足元が車輪であったとしても、足は単にペダルを漕いでいるだけで複雑な動きをしている訳では無い。上半身と同じくらいに下半身の動き、足運びやステップと呼ばれる動作も重要なのだ。
「よかったら今度は踊って見せてくれよ! あんたならすげえ上を目指せるだろうしさ!」
「あ、ああ……」
娑婆蔵は呻きとしか呼べ無いような声で返すのだった。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【強運の加護】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
風見・茜
この私を差し置いてロボットダンスたあ聞き捨てならんね
見たまえ、私の方がよっぽどロボットなんだが!?(※厳密にはサイボーグ)
やい妙に四角いの、こっちはもっとすごいロボットヨサコイをお見せするぞ!
ロボットヨサコイって何かって?
私にもわからないね!
とりあえず漁師の労働歌に合わせて踊るやつでいいかな
大漁や繁栄を願う気持ちは時代と国境を越えて人の魂に届きやすいだろう、そんな感じで行ってみよう
会場に割り込んだら新宿島で調達した鳴子を手に、オリジナルの即興の節を朗々と歌い
腕を大きく回して網を引く動作を振り付けに盛り込みんで、全力で楽しく踊るよ!
♪荒れる波間もえんやこーら
愛しボロ船やれ進めー ヒョイと大波乗り越えてー
そら引け!網引け!
明日は宴だ どっこいしょー!
サイボーグの体躯を駆使して大きな動きにも一切ブレない体幹を魅せ付ける
簡単なフレーズを繰り返す事で皆も一緒に参加しやすくして、グルーヴ感を生み出していこう
どっこいしょー!
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「この私を差し置いてロボットダンスたあ聞き捨てならんね」
賑やかな街の一角にふらりと現れたのは風見・茜(サイボーグのバウンサー・g10800)。
「あ、あんたは? いやそれよりもロボットダンスをできるだって?」
突如現れた彼女にロボットダンスの話をしていた住民が問いかける、その彼に茜は不敵に笑みを向ける。
「見たまえ、この私の体を。この私のほうがよっぽどロボットだろう!」
厳密には彼女はサイボーグだし、そもそもロボットに機械的な意味が付くのはもっとずっと後世の話なので、急に振られた住民たちにはなんのことだかさっぱりわからない。しかしそれでも、そのなんだか分からんが大した自信に呑まれてしまう。
「た、確かになんか鎧っぽいが……そういうことなのか!?」
そんな会話をしているとこの場を預かるクロノヴェーダ達が異常に気付いてやってくる。
「どうした騒々しい。……いやそれはいつも通りか」
「それよりステイヴさん! あれ多分ディアボロスですよ!」
「なに!?」
ステイヴとよばれたアヴァタール級を認めた茜は、その彼に指先をビシリと突きつける。
「やい、妙に四角いの!」
「言われてますよ! ステイヴさん!」
「わざわざ言わんでもいい!」
「こっちはもっとすごいロボットヨサコイをお見せするぞ!」
「ロボットヨサコイ……だと!?」
「先生と流れのダンサーがダンス対決をするって!?」
見守る住民が急にオーディエンスに変わり茜とステイヴのいたあたりから人が離れる。
「……ロボットヨサコイって何?」
「さあ! 私にも分からないね!」
大切なのは理屈ではなくパッションである。新宿島から持ち込んできたらしき鳴子を手に取り楽器を鳴らす住民に労働歌のリクエストをする。
「さあ、始めようか!」
「ならば来い!」
独特のゆったりしたテンポながら、それ故に力強いリズムに合わせて双方が手足を大きく伸ばし動かす。
「ふうん!」
「えんやこーら! どっこいしょー!」
関節の少ないステイヴと比べて、全身のバネを使いダイナミックに四肢を動かす茜。その単純ながらも魅力的な動きと要所要所の掛け声に当てられて、住民の中にも踊り始める者が出てくる。
「くっ……なんというグルーヴ感!」
「どっこい……しょー!」
今、リオの街が熱い。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!

レイ・ディース
この作ったばかりのパラドクスを使えと言われた気がしたのよ…
敵のトループス級もモフモフで可愛いけど、仔山羊の可愛さには勝てる者なし!
ダンスバトルの現場に来たらエインが満面の笑顔で手を振ってご挨拶「めぇ〜!」
私は控えめに一礼
エインと幻影の赤ちゃんヤギ達は普通に法被着て鳴子持ち
私も同じデザインの法被に加えてヤギの角&耳付きカチューシャ着けて端で踊る
タップシューズ履いてよりリズミカルに、鳴子と合わせて音でも楽しませよう
敵はキレッキレと言うから私も体の隅々まで気を張り巡らせ、決めポーズも格好良さを目指す!
パラドクスの奇襲攻撃部分はダンスに紛れて蹴りで地面に空撃ち
敵と一般人からは充分距離を取り
普通のヨサコイをジャンプ多めにアレンジ
可愛さもさることながらヤギの跳躍力は赤ちゃんでも決して侮れない
私も戦闘業だからそれなりに見せられるジャンプはできる
キレッキレに跳ねて踊ってリズミカルに鳴子を鳴らし、合いの手の代わりに仔山羊達の可愛い鳴き声合唱でリオの人達を魅了!
ここは自分もとことん楽しむのが上策と見たわ
●
「あなた達、暇そうね!」
「新しいディアボロスのエントリー!?」
一対一のダンスバトルに集中しているステイヴを応援していたクリーナーデーモン達の前に現れたのはレイ・ディース(光翼のダークハンター・g09698)と彼女のサーヴァントのメーラーデーモンのエインだ。彼女はこのタイミングこそ新しく作ったパラドクスのお披露目所……じゃなかった使い所としてきたようだ。
「私はレイ、こちらはエイン」
「めえ~!」「めえ~!」「めえ~!」「めえ~!」
「これからあなた達にダンス勝負を挑むわ!」
なんかパラドクスっぽい赤ちゃんヤギまで揃え、おそろいの法被や付け角を装備したレイがヤギたちと一緒に一礼をした後、宣戦布告をする。対するクリーナーデーモン達は大わらわだ。
「ど、どうしよう!?」
「今はステイヴさんに頼れないし……」
「ボク達はボク達でやるしか無いね! 受けて立つよ!」
「良いでしょう、それでは始めましょう! あなた達はモフモフで可愛いけど、仔山羊の可愛さには勝てる者なし!」
流れている曲に合わせて短い手足を懸命に動かし踊り始めるクリーナーデーモン達。ステイヴ配下だったせいか、配置などのコンビネーションはバッチリで、見ている者に安らぎすら与えるだろう。
「中々やりますね、ですが!」
レイ達は曲の一番テンションの強まる所で跳び上がり、クリーナーデーモン達の直前にリズムに合わせてタップシューズを履いた靴で着地する。
「ほーら!」
「うわーっ!?」
そして彼らの眼前でキビキビと長い手足を舞わし、キレのある動きで格の違いを見せつけていく。彼女たちの握る鳴子やタップシューズが音を響かせる度にクリーナーデーモン達は気圧されていく。それと反比例するようにレイ達のテンションは上がっていく。
「めえ~!」
「ええ楽しいわね。あなた達もそう思うでしょ?」
額に汗を流しながらもクリーナーデーモン達に微笑みかけるレイ。既に勝負は決していた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
●ダンスバトル、結果
「く……ディアボロス達のダンス力がここまでとは……!」
「ステイヴさん、ボクたちも負けちゃいましたー!」
ダンスバトルで負けたアークデーモン達から力が失われていく、もし勝てなければ相当の強敵となっていただろう。
「だが仕方ない、こうなってしまっては実力で勝敗をつけるのみ!」
「あ、オーディエンスのみんなは離れてくださいねー。近くにいるとあぶないのでー」
クリーナーデーモン達が立て札を並べて戦いの場を整える。なんやかんや一般人はパワーソースなんで彼らは気をつけてるのかもしれない。そしてステイヴたちとの本当の戦いが始まるのだった。
レイ・ディース
※連携・アドリブ歓迎
(パワーソースとはいえ)一般人を戦闘に巻き込むことなくむしろ遠ざけてくれるのね
見た目が可愛い上に中身まで正々堂々としたいい子達じゃない
クロノヴェーダでさえなければ……
せめて戦闘での勝負で見送りましょう
(でもなるべく敵の苦痛は少なくしたいわね)
(作りたての光の槍と【フェイバーズウォール】で生み出した戦士達の武器が極細の槍や刺突剣なのは、できるだけ相手の損傷を抑えたい&一撃の刺突で倒したい為)
本来は防御用に生まれたパラドクスなんだけど、オフェンスに使うことが多いわね
可能なら敵の攻撃を《ダッシュ》《一撃離脱》で避けるか、光の大盾でガードしてダメージを抑えながら、急所を狙って一斉に《貫通撃》を叩き込むわ
来世は普通のアライグマに生まれてきますように……
(エインも見送るように鳴く)
風見・茜
めんこいのが居るねえ~
しかもみんなを危険な戦いから遠ざけててエライ!
でも放置したらどんどん変なカーニバルを広められちゃうからね
仲間と一緒に連携をキメて、パパッとお掃除しちゃおっか!
唸れ私の魂!「メタリックプロミネンス」!
両腕からの炎を放出して『クリーナーデーモン』を攻撃するよ!
仲間の攻撃を逃れた子が居ればそいつを狙ってみよう
そうだねえ、私も出来るだけ一撃で楽にしてあげたい所なんだけど……
残念ながら今の私は他の皆と比べてあんまり強くないんだ
だからせめて【ロストエナジー】で体力を奪って次の一撃に繋げてみるよ
洗浄ってそのブラシで!?
いくらサイボーグでもそれでゴシゴシやられたらボディーに傷が付いちゃうな
仲間が発動してくれる【反撃アップ】があれば、上手いこと見極められないかな?
格好良くデッキブラシを真剣白刃取りしてみたい!
あっ無理……ってなったら腕で掃除用具をガードするよ
故郷のディヴィジョンを失ってから、流れ着いた土地でここまでよく頑張ったね!お疲れ様だよ!
●
「まずはボク達が相手です! ステイヴさんは今のうちにー!」
「ああ、任せた。決戦のバトルフィールドを組み立てる間の時間稼ぎをしてくれ!」
ディアボロスの前にぽてぽてと進み出たクリーナーデーモン達、その姿を見て風見・茜(サイボーグのバウンサー・g10800)とレイ・ディース(光翼のダークハンター・g09698)は思わず呟いた。
「めんこいのが居るねえ~」
「見た目が可愛い上に中身まで正々堂々としたいい子達ね」
「アークデーモンを見た目で判断すると痛い目見るんですよ!」
その台詞をアライグマを擬人化したような姿で言ってもいまいち迫力に欠ける。もちろんクロノヴェーダなので一般人が巻き込まれると危険なのだが、幸い向こうから人払いしてくれている。
「戦う前にみんなを危険から遠ざけてエライ!」
「そ、そんな褒めても手加減しないですからね!」
デッキブラシとバケツを構えるクリーナーデーモン達を前にした彼女たちの意見は奇しくも一致していた。
(「できれば一撃で楽にしてあげたい所なんだけど……」)
(「なるべく敵の苦痛は少なくしたいわ……」)
そもそもトループス級というのは数で押すタイプのクロノヴェーダの階級である。大体の場合アヴァタール級一体に付きトループス級がそれなりの数で作戦に当たる、というのがクロノヴェーダの基本なのだが、なぜだか今回の彼らは少数編成である。当然それほど苦戦する要素はない。ましてやダンスバトルには既に勝利を治めているのだ。
「……考えてても仕方ないし、パパッとお掃除しちゃおっか!」
「そうね、あとは努力目標って事で!」
「何をー! お掃除されるのはそっちの方ですよー!」
襲いかかってくるクリーナーデーモン達を食い止めるべくレイが光の粒子を翼から放ち、それにて槍やレイピアを持った防衛部隊を作り出す。
「ここで食い止めます!」
「押し流せー!」
ツンツンと攻撃を受けながらも水をばらまきデッキブラシを振り回し防衛部隊ごとレイを掃除しようと頑張るクリーナーデーモン達。しかし元々数の少ない彼らは防衛部隊を超えることができない。
「うーん……弱いものいじめみたいでちょっと気が引けるけど……唸れ私の魂! メタリックプロミネンス!」
茜から放たれた炎がトループス級達を取り巻き焼き払っていく。
「も、燃え移ったー!?」
「早く火を消してー!?」
バケツの水をかけて少しでもダメージを減らそうというのかわちゃわちゃするアライグマ型アークデーモン。その内の一体が少しでも状況を改善しようと、炎を放った茜にデッキブラシの一撃を放とうと飛び出す。
「洗浄……しまーす!」
「洗浄ってそのブラシで!? ……はっし!」
その相手の攻撃を一瞬早く悟った茜はデッキブラシの柄を真剣白刃取りの要領で抑え込む。
「いくらサイボーグでもそれでゴシゴシやられたらボディーに傷が付いちゃうな……!」
「全部分解して洗ってあげます!」
双方ともにお互いに腕に力を込める、しかしその中で茜がニヤリと笑う。
「故郷のディヴィジョンを失ってから、流れ着いた土地でここまでよく頑張ったね! お疲れ様だよ!」
「それって……」
クリーナーデーモンが問いを返す前に、その胸から光の槍の穂先が生えていた。彼は力を失いどうと倒れ、デッキブラシが音を立てて転がる。
「来世は普通のアライグマに生まれてきますように……」
「めぇ~……」
彼女が槍を抜き振り返れば、残るクリーナーデーモン達も地面に倒れていた。しかし彼らはそれなりの時間稼ぎには成功したらしく、決戦のバトルフィールドである大きなステージが出来上がっていた。
「よくやった、お前達。あとは俺が仇を取る!」
ステージの上でクリーナーデーモン達の亡骸とディアボロス達を見下ろしステイヴはピッケルを握った。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
【熱波の支配者】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】がLV2になった!
レイ・ディース
※連携・アドリブ歓迎
①の仲間と敵の会話が終わるまで待機
部下を労い、仇討ちに臨むその意気やよし!
(こんなトンチキな作戦なのに)尊敬できる敵と出会えるとは思わなかったわ(見た目はユニークだけど……)
このバトルフィールドであなたも全力で倒し、魂の逝く先を見送りましょう
普段はクロノヴェーダの悪行を非難や罵倒することが多いから、こんな風に好意を感じるのは珍しいわよね
物作りが得意な創造の力は、破壊の力と紙一重
敵の一撃一撃に注意して行きましょう
敵の目の前で姿を隠すのは無理でも【サドンコンビネーション】はスピードのある突進技として使うわ
ほんの一瞬でも敵の死角を取れたら、そこから突撃してすれ違いさまに光の槍と電磁槍を叩き込み、そのままスピードを落とさず駆け抜けるように《ダッシュ》《一撃離脱》でトロッコ突撃の致命傷は避け、避けきれないものは光の大盾でガードしてダメージを軽減
その物作りと人の上に立つ才を、来世では平和に活かせますように……
(エインも一緒にお祈りしてお見送り)
風見・茜
私も対話が終わるまで大人しく待ってるね
ストレッチでもしとくかー
とりあえず私は、一緒に戦う人達の攻撃が通りやすいように、死角を作ればいいかな?
出番が来たら、全力で行くよ!
ふっ……ダンスバトルはほんのお遊び、ここからがディアボロスvsクロノヴェーダの真の戦いよ
犬笛を一吹き、呼び出したるは頼れる相棒
行くぞ福丸……「ハウンドキャノン」だ!
あのステイヴとやらの四角い顔面めがけてドカンとやっちゃて!
ピッケル攻撃が飛んで来た時は私のガントレットとバールのようなもので受け止めるよ
創造には破壊が付き物。同感だね!
だが私を壊したいなら、そのピッケルじゃあちょっと足りないかもね~
次はしっかりと強化のおまじないをかけておきたまえよ!
まあそう言いつつしっかり痛いんだけども
気持ちだけでもディアボロスはタフだって事をアピールしておこうかな!
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「部下を労い、仇討ちに望むその意気やよし!」
「なんでエラそうなんだお前は!?」
レイ・ディース(光翼のダークハンター・g09698)の言葉にステイヴが思わず突っ込む。確かにそれなりに彼は不利であるものの勝負が決した訳では無い。
「ふっ……ダンスバトルはほんのお遊び、ここからがディアボロスvsクロノヴェーダの真の戦いよ!」
「いやお前も俺の言葉を無視すんなよ! ここディヴィジョン! 基本俺達の領域、借家だけど!」
ステイヴの言葉をこれまたスルーした風見・茜(サイボーグのバウンサー・g10800)が犬笛を吹いてパンツァーハウンドの福丸を呼び出す。
「行くぞ福丸……『ハウンドキャノン』だ! あのステイヴとやらの四角い顔面めがけてドカンとやっちゃって!」
「むっ! 来るか!」
走って寄ってくるステイヴの顔面に正確に照準を合わせた福丸が砲撃を放つ。しかしその一撃をステイヴはピッケルで簡単に弾く。いやこんなナリなんですがちゃんとしたアヴァタール級クロノヴェーダなんですよ彼。
「喰らえ!」
がんと振り下ろされたその一撃に対し、茜がガントレットとバールでなんとか防ぐ。
「俺達の未来を創造するために、お前達はここで破壊せねばならんのだ!」
「……創造には破壊が付き物。同感だね! だが私を壊したいなら、そのピッケルじゃあちょっと足りないかもね~」
じりじりと鍔迫り合いを二人がする中、戦場をこそこそと動き回っていたレイが隙を突いてエインと一緒にステイヴの真後ろから突撃し背中に槍を突き立てる。
「うおお!? しまった!」
「物作りが得意な創造の力は、破壊の力と紙一重。でも使う隙を与えなければ!」
槍をエインと共にグリグリしながら言うレイ。しかしステイヴはまだ余裕を崩さない。鍔迫り合いをやめ槍から逃れて彼は言う。
「ここは俺の作ったバトルフィールドだ! 足元をよく見ろ!」
「これは……レール!」
二人がそれを確認したときにはステイヴはトロッコに乗ってバトルフィールドを縦横無尽に駆けていた。
「お前達ごときにやられるものかよ!」
「くっ……(こんなトンチキな作戦なのに)尊敬できる敵と出会えるとは思わなかったわ(見た目はユニークだけど……)」
「いや今お前何を思った?」
「このバトルフィールドであなたも全力で倒し、魂の逝く先を見送りましょう」
「また聞いてないし」
レイの感想通りクロノヴェーダの作戦は概ね人間の犠牲を考えてない事が多い。というか犠牲にしないとエネルギーが得られないことが多いので当然といえば当然だが。なのでレイが好意を抱くような状況はあまりない。
「この高速移動からの襲撃お前達には見切れまい!」
確かに強敵ではある、しかしディアボロス側にはこれを打破する事ができる存在がいた。
「福丸、もう一回お願い!」
「わん!」
ハウンドキャノンは正確な攻撃である、なので高速移動しているステイヴにいともたやすく命中し、トロッコを制御できなくなったステイヴはバトルフィールドから落ちていく。
「君の敗因は私を壊せなかった事、次は装備にしっかりと強化のおまじないをかけておきたまえよ!」
地面と激しく衝突した音が響き渡り、レイがそれに祈りを捧げる。
「その物作りと人の上に立つ才を、来世では平和に活かせますように……」
エインと共に手を組むレイ。そのステージの下ではステイヴが地面に文字通り突き刺さっていた。
「……まだ死んでねえよ」
あ、生きてた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【動物の友】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
ソラス・マルファス
助太刀に来たぜ。
「『借家』で随分好き勝手やってるじゃねぇか。大家に吹っ掛けられねぇよう、気をつけるんだな」
挑発しつつ大剣を構えるぜ。
敵の力は侮れねぇ、だが力の差を覆すために道具があるんだ。
怪力無双を使い、敵の攻撃を片手で振るう大剣でいなしつつ、左手のリストバンドからワイヤーを射出。ピッケルに絡めて思い切り引き体勢を崩させるぜ。すかさず風を纏った大剣を振るい、斬り伏せよう。
クラフターなら、ダイヤの剣くらい持ってくるんだったな。
●
「助太刀に来たらもう虫の息か?」
バトルフィールドから落ちたステイヴを待ち受けていたのは、応援に来たソラス・マルファス(呪詛大剣・g00968)だった。彼は担いでいた天使の大剣を構える。その柄を通して流れ込む感情は目の前のアークデーモンを討てというもの。
(「少し待ってな、向こうだって意地があるだろうしな」)
剣の意志をコントロールしながらステイヴの態勢が整うまで待つソラス。立ち上がりピッケルを構え直したステイヴはソラス向かって言い捨てる。
「ふん、余裕を見せやがって。後悔することになるぞ」
「言うじゃねぇか。『借家』で随分好き勝手やってるようだが大家に吹っ掛けられねぇよう気をつけるんだな」
「これもその家賃を払うためだからな、多目に見てくれるだろう……よっ!」
ステイヴが思い切りピッケルを振りかぶりソラスに殴りかかる。片手で持った大剣とぶつかり合い激しい金属音を上げる。
「ちっ、やるな……!」
「岩を砕く俺の攻撃を防ぐとは、口先だけじゃないか!」
「そうだ、だからこういう手も使える」
ソラスが反対側の手を挙げると巻いてあったリストバンドからワイヤーが伸びピッケルに絡みつく。
「何!?」
「クラフターならダイヤの剣くらい持って来るんだったな。そうすりゃワイヤーも切れたろうに」
ソラスがワイヤーを引くとステイヴがたまらずバランスを崩す。その揺らいだ敵の頭上に風を纏った大剣が振り下ろされる。
「こいつでダンスフェスティバルはおしまいだ、じゃあな」
大剣がステイヴの体を断ち切ると、そのまま倒れてしまう。敵を無力化したのを確認するとソラスは大剣を担いで帰途へ着く。
「さて、この騒ぎもそろそろ終わるか?」
リオで行われているエゼキエル勢の動き、ディアボロスの働きによりそろそろ次の段階に進むだろう。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【怪力無双】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!