嗜虐遊戯(作者 灰紫黄)
#断頭革命グランダルメ
#淫魔の音楽隊
#1802年
⊕
●嗜虐の宴
とあるフランスの片田舎に、それは現れた。辺鄙な村には似合わない、派手な音楽隊だった。
その隊長を名乗る男はいかにも紳士というなりで、何も怪しいところはなかったのだ。いずれパリで演奏する夢があり、そのために修行の旅をしているのだと。人のいい村長はすぐにそれを信じ、来た日の午後には演奏会が開かれた。
嵐のごとき、激しい音楽はおおいに村人を楽しませた。そう、ここまでは普通の演奏会だった。
「ミスをした子がいますね。前に出なさい」
「は、はい……」
音楽隊の少女が、指揮者であり団長でもある男の前に立った。
「いけない子ですね。お仕置きです」
あろうことか、男は鞭で少女を打ったのだ。同時、始まる演奏。鞭は指揮棒を兼ねているのか、演奏をバックに鞭叩きが行われるという不可思議な光景だった。
「そらそら、鳴きなさい、鳴いて許しを請いなさい!!」
「ごめんなさいごめんなさごめんなさい……」
鞭で叩かれるうち、錯乱したのか、声が熱を帯びてくる。服は破けて、真っ赤になった肌が露になっていく。
おぞましい光景に、村人達は子供や家族とともに家に戻った。一部の観客を残して。
演奏が終わると、少女はうつろな表情で汗みずくのまま倒れ伏していた。
「あなた達は真の芸術を理解しておられるようだ。どうか、彼女達を指導してあげてください」
残った観客の前に、音楽隊の少女がおずおずと鞭を差し出す。それを手に取ると、観客は少女とそれぞれの家に入っていった。
●嗜虐について
「嗜虐も、ひとつの愛のテーマではあるのでしょうが」
ディアボロス達の前で、ヴィオレット・プリュネ(サキュバスのリコーダー使い・g03579)が深いため息をついた。何のことか分からないディアボロス達に深く頭を下げる。
「いえ、忘れてください。お越しいただいてありがとうございます」
グランダルメでは、淫魔率いる音楽隊がフランスの片田舎に現れ、村ごと堕落させてしまう事件が起きている。この音楽隊を駆逐するのが、今回の依頼だ。
「音楽隊を率いるのはアヴァタール級淫魔マルキ・ド・サド。配下に武装淫魔を連れているだけでなく、誘惑された一般人が自動人形になりかけているようです」
すぅ、と一息つくヴィオレット。少し逡巡してから、
「サドは人々の嗜虐心を刺激し、利用することで村人の堕落を促しているのです」
と言いにくそうに告げた。ちなみに嗜虐とは、人や動物に苦痛を与えて喜ぶこと、あるいはそういった性癖である。
「音楽と嗜虐を組み合わせたパフォーマンスにより、村人達は嗜虐心を煽られています。最初は受け入れる人は少なかったようですが、演奏の度に賛同者は増えているようです」
暴力による快楽、そしてそれが村を支配する異様な空気。それこそサドの目論見だ。
「この空気を打ち破るためには……こちらも『音楽』の力を信じましょう」
まず、村の真ん中にある広場で演奏し、村人に活気を取り戻すとともに淫魔を挑発する。
「サドの音楽隊は激しい、暴力的な演奏を好みます。対抗するなら、穏やかで優しい音楽でしょうか」
そして、迎え撃ってきた淫魔を戦闘で倒す。
「淫魔に誘惑された人が自動人形化して、戦闘に加わります。戦闘能力は低く、人間の心が残っているなら倒せば元に戻すことができるはずです」
演奏がうまくいくほど、人間に戻る可能性は高くなる。あるいは、言葉をかけながら戦ってもいいだろう。サドは配下をけしかけてくる。配下となるトループス級を先に叩くことで、有利に戦えるだろう。
「誰の心にも、嗜虐心は在りうるものです。それを許すのも愛ですが、ひけらかし、そそのかすのは違います。……つまり、その、このクロノヴェーダは許せないと思います」
わずかに赤くなり、こほん、とひとつ咳払い。ちょうどパラドクストレインが到着した。
ヴィオレットの持論は置いておくといて、淫魔の悪趣味を捨て置けないのは間違いない。
●嗜虐の徒
連れ込んだ少女に鞭を打つ。すると、甲高い声で鳴く。悲鳴には違いないはずだが、どうしてこんなにも耳をくすぐるのか。どうしてこんなにも胸を高鳴らせるのか。
「痛いです、痛いんです、本当に痛いんです……」
少女は泣きながらも、その瞳は爛々と輝いていた。まるで、もっと打ってほしいとでも言うように。
「ダメだ、お前がうまく演奏できないのが悪いんだ」
鞭をふるうたび、少女の腕が、足が、赤く腫れていく。痛むたび濡れていく女から目が離せない。例えその手が、機械になったとしても。
リプレイ
黒城・廉也
音楽はこんな事の為にするものじゃ…それに、無理矢理鞭で叩くなんてまるで…っ、今の記憶…余計なことを考えてる場合じゃない…怒りや他の事を抑えてまずは酷い村の状況を一刻も早く…!
旅人の振りをして村に紛れこむッスよ。その後は路銀稼ぎの一環と言うことで、夢魔の奉唱で慈愛や好意、俺の中のありったけの正の感情を込めて歌うッス。
俺が記憶を無くしても何故か持っていた音楽が純粋に好きって気持ち…皆もそう思っていたならどうか思い出して欲しいッス…
シル・ウィンディア
被虐?嗜虐??
え、えーと、なんだろ…
変態さん、ここにも出現なのかなぁ…
でも、痛いのはだめと思いますっ!!
アップテンポも好きだけど、いろいろ歌の練習もしているし、がんばるっ!
こう見えても、アイドル(候補生)だしねっ!
イメージは、草原吹き抜けるそよ風のイメージ
風に身を任せて、流れる雲のように…
優しく、のんびり、ゆっくり…
そんな想いを、イメージを、聞いている人に伝えていくよ
ふぅ、正気に戻ってくれたかな?
ほんと、嫌がる人に無理強いするのはだめだよ?
まぁ、それをけしかけた人が、そこにいるのなら…
覚悟はいいよね?
お代は、あなたの命でいいからね
サドに向って、剣を突きだすよ。
イフ・ノクテ
アドリブ連携歓迎
嗜虐……ね
お父様もたまにぺしぺしすると喜んでくれるけれど……それとはちがうのね
あんなのは度を越しているわ
愛がなければ嗜虐たりえないのよ
愛がないとすれば、それは――
ねえ、まちの方
わたしたちの歌も、どうぞ聞いて行って?
旅の吟遊詩人のふりをして、街角で唄うわ
歌うは、夜空の様な小夜曲
しずかに見守るような子守唄
激しいだけではない
やさしい腕でくるむような愛もすばらしいものよ
どうか思い出して
歌にわたしとお父様の【浄化】の力を載せて
ハープをそっと鳴らしながら、声の届く限り優しく歌うわ
シャーリー・ラフォルス
★アドリブ、連携歓迎
【心情】
ご主人様に殴られるなら本望でございますが、わたくしにはそういう趣向はございませんの
つまり、わたくしの熱い想いを音楽にすれば良いのでございます!
【行動】
この為の【演奏】でございます!
「ではでは、品のない演奏と罵声なんかよりも、眠れる様な曲にしましょう」
楽器?そんなの必要ございません。
【機械知識】で大きめの組み立て式のオルゴールを組み立てるのでございます
もちろん『月の光』でございます
「あとは楽譜を差し込んで……と、手回しで鳴らすだけでございます。ゆっくりと」
これも立派な演奏でございますわよ!
自動のロマンのないオルゴールではなく、人力のオルゴールは回し加減が難しいのです
アンゼリカ・レンブラント
暴力による快楽とか許せないな
私は鍛錬で程よく自分の体に負荷をかけるけど
其れとは全く違うからね、絶対止めよう
ヨーロッパのお祭り風の軽快な曲を歌えればいいかな
記憶がなくってもきっと知っているよ!
そういえばハロウィンも近いものね
歌唱の技量はないかもしれないけど、
めいっぱい声を張り、元気よく歌おう
さぁ痛いとか苦しいとかじゃなくって
楽しいことに心を震わせないか
苦しませるのじゃなくて
子ども達の喜ぶ顔こそ、みんなが本当に見たいんじゃないか
みんなの心に【勇気】を灯せるように――
共に作戦にあたる仲間がいれば
積極的に声を合わせられるといいかなって思うよ
演奏担当がいないならこれも積極的に
アドリブ・絡みも大歓迎だよ!
●嗜虐からの解放
パラドクストレインから降りたディアボロス達は件の村に到着した。空は晴れ渡り、とてもいい天気だったが、それとは裏腹の陰密な空気が漂っていた。表に人の姿はなく、時おり聞こえるのは、鞭の音とくぐもった悲鳴、あるいは嬌声。
「こりゃひどいッスね……」
一瞬よぎった嫌な記憶を振り払うように、黒城・廉也(後輩サキュバス・g02175)は頭を振った。嗜虐心は村人の心を溶かし、その輪郭をなくそうとしている。
これも淫魔の音楽の力。ならば、それを打ち砕くのもまたディアボロスの音楽。
「届いて欲しいッス……俺の唄っ」
廉也はサキュバスだ。人の心を惑わし、人の心を吸う魔性。けれど、だからこそ祈りを込めて歌う。
「ああ……♪」
閉じた門戸から、少しずつ人が出てくる。唄声が、人々の心に灯を点す。暴力に支配された村に、当たり前が戻り始める。人を愛するのに鞭など必要ないという当たり前が。
廉也の熱唱を皮切りに、ディアボロス達は村に散って音を鳴らす。サドに植えられた嗜虐の根を刈るために。
村の東側には、イフ・ノクテ(Myosotis serenade・g05255)が向かった。スフィンクスのお父様も一緒だ。
「行きましょう、お父様」
イフが撫でると、心地よさそうに目を細めるお父様。たまにじゃれあって叩き合ったりもするけれど、それも愛あってこそ。
「ねえ、まちの方。わたしたちの歌も、どうぞ聞いて行って?」
目を閉じ想うのは、深い夜。人も草木も眠り、流れる雲の音さえ聞こえそうな静寂。
すぅ、とひと呼吸。人差し指がハープを鳴らすと、小さな唇が歌を紡ぐ。
「……♪」
リズムに合わせて尻尾を振るお父様と、その姿にうっとりするイフ。
奏でる曲は月のように優しく人々を見守り、歌は母の腕のように心を抱きしめる。聞く人は思い出していた。音楽隊が表れる前の日々を。
鞭をふるう音は次第に小さくなり、聞こえなくなっていく。閉じた扉からも村人達が顔を出す。
それを見たお父様は、イフを誇るように、にゃあと鳴いた。
反対の西側には、シャーリー・ラフォルス(軍人メイド長・g05277)が赴いた。
軍人らしくキビキビした動作で何やら機械を運び込むと、それを組み立て始めた。気付いた村人は家の中から様子を伺っている。
「組み立て完了です。開演とまいりましょうか」
組み上がったのは大きなオルゴールだ。それもゼンマイ式のそれではなく、ハンドルがついた手回し式のもの。
「あとは楽譜を差し込んで……と、手回しで鳴らすだけでございます。ゆっくりと」
ゼンマイ式のオルゴールは速度が一定だが、手回し式は当然、操者次第。曲を活かすも殺すも操者の手にかかっている。
譜面がオールゴールに飲まれ、音を奏でていく。
ゆっくりゆっくり、焦らずハンドルを回す。掃除や裁縫は苦手だが、機械相手なら大丈夫そうだ。
「品のない演奏と罵声なんかよりも、眠れる様な曲をお届けしましょう。皆様方、どうかお近くまでどうぞ」
オルゴールが物珍しいのだろうか、まず子供達が寄ってきた。好奇心に目をキラキラさせている。笑んでそれを見守るシャーリー。
譜面が星空のように、流れていく。
南には、アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)。胸中と腹筋に、熱い心が燃えている。
「暴力による快楽とか許せないな、絶対止めよう」
他者への暴力は、鍛錬で己に課す負荷とはまるで違うものだし、まして快楽を得るなど。アンゼリカにとっては、もはや理解の埒外だ。いや、たとえ理解ができても止めていただろう。
「みんな、元気いっぱい歌おう!!」
鍛えられた腹筋による大きな声が村の南部を通る。うるさい鞭の音をかき消し、村が震えるほどだった。村人は無反応を装うが、それでも構わず歌い始めた。
歌詞はテキトーで、音程もあってないようなものだったが、ずっと笑っていた。人を傷付けるのではなく、ただ歌うだけで笑うことができるのだと示すように。
「さぁおいで!」
次第に大声に釣られて、周囲に人が集まってきた。誰も彼もテキトーに、テキトーな歌を、胸いっぱいに叫んでいた。
北にはシル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)が向かった。
「アップテンポも好きだけど、いろいろ歌の練習もしているし、がんばるっ! こう見えても、アイドル(候補生)だしねっ!」
イメージするのは、草原を吹き抜けるそよ風。ほのかに青い風の匂い。甘そうな雲の色。それはありふれた、愛すべき日々。顔こそ見えないが、村人に届くよう祈りを込めながら歌う。
歌い終えると、気付かないうちに周りに人が集まっていた。集中しすぎていて気付かなかったのかもしれない。
「ふぅ、正気に戻ってくれたかな?」
見渡すと、村人達は穏やかな表情をしていた。もう大丈夫だろう。
そこに黒影がひとつ。
「素晴らしい。いい見世物でしたよ」
ぱちぱちとわざとらしい拍手をよこして、男は侮蔑を顔に浮かべて笑う。
淫魔マルキ・ド・サドだ。
「ほんと、嫌がる人に無理強いするのはだめだよ?」
「いえ、そんなつもりはないのですが」
肩をすくめる美丈夫は、やけに画になって腹立たしいことこの上ない。
「覚悟はいいよね? お代は、あなたの命でいいからね」
剣を突き付けるシルに、
「そっくりそのままお返ししますよ」
サドは指を鳴らして応えた。一斉に武装淫魔が姿を現し、同時にディアボロスも戦闘態勢を整える。激突の時だ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
加奈氏・コウキ
一般人に嗜虐の悦びを体験させ、自動人形として覚醒させるのが目的、か。
いずれにしても、クロノヴェーダを増やすような作戦は潰す。
これ以上、やつらを増殖させはしない。
貴様らが一般人に嗜虐を体験させたいなら、貴様らが身をもって切り刻まれる体験をし、果てればいい。
楽に死ねると思うなよ。
神蝕呪刃にて攻撃。
各種装備武装を使用し、敵を呪詛による腐食を与えながら切り刻み、身をもって体験させてやろう。
見せしめだ。
二度とこんなことをしようと思わなくなるように、な。
最後には首を刎ねて終わりだ。
描写の程度は限度もあるだろう。
任せる。
味方との連携重視。
敵の攻撃には、気配や動きをよく見て対応する。
油断はしない。
徹底的にやる
塵蔵院・六戒
嗜好はそれぞれっつか、それを咎めるつもりはないんすけど……
思考誘導の上、機械化となりゃ別っすよね
音楽の方はお任せして、配下が来ればすぐ迎え撃つつもりで準備を
……へぇ、上手いこと気配を消してんな
そんじゃ……待つか
(急所への攻撃に絞り、受け流せるようナイフや拳を構える
他を狙われても、それならそれでよし、と)
……っ、一撃の瞬間だけ見えりゃ十分なんだよ
俺じゃあなく、こいつにとってはな
(管から飛び出させたエクに影を襲わせる、【管狐影縛法】)
肉体にでなく、影への攻撃じゃ好みには合わねぇか?
(もしそれさえ満更でもない様子なら)
お、おぅ……そうか……
良かったな、エク……求められてるぞ、お前……
(主従共に困惑)
シャーリー・ラフォルス
★アドリブ、連携歓迎
【目標】
武装淫魔の殲滅
【戦闘】
「……とても下品なアイドルでございますね。貴女たちを華麗に踊らされているのがお似合いでございます」
ご主人様が心底『淫魔』を嫌っておりましたが、わたくしも今から嫌いになります
「痺れる様な踊りを、踊りなさいっ!」
【戦闘知識】で他のディアボロスに合わせて【臨機応変】に動きます
スマートフォンから【雷撃使い】の雷を【衝撃波】として放ちましょう
「もっと、衣装もお洒落にして差し上げましょう」
パラドクス使用、【総統】してバーゲスト達に指示をだしましょう
「さぁ、蝙蝠狩りと参りましょう」
わたくしは後方から榴弾砲で【砲撃】
他のディアボロスに当たらない様に注意します
●嗜虐の下僕
翼を生やした紳士が、恭しくディアボロスに首を垂れた。芝居がかった動きに、ディアボロス達の視線も冷たい。
「これより行われるのは、苦痛と赤熱の宴。では、開演です」
鞭を振り上げ、地面を叩き鳴らす。瞬間、武装淫魔達がディアボロスに躍りかかる。
「一般人に嗜虐を体験させたいなら、貴様らが身をもって切り刻まれる体験をし、果てればいい」
そう吐き捨てる加奈氏・コウキ(妖一刀流皆伝・g04391)の手には呪いを宿した妖刀が握られていた。鞘に納めた状態であっても、その気配は昏く、大気を凍らすほど寒い。
「はははははっ! 死んじゃえっ!」
コウキの背後にナイフを持った淫魔が忍び寄る。閃く刃を、
「遅い」
さらに禍々しい光が切り裂いた。切り口が黒く染まり、淫魔は苦痛に転げまわる。
「いたいいたいいたいっ!! だめ、許して」
言葉とは裏腹に、淫魔は恍惚の表情を浮かべていた。痙攣し、まさか失禁でもしたのか、スカートが濡れている。
「見るに堪えないな」
サドにとっては文字通り使い捨ての存在なのだろう。コウキは首をはねて終わらせた。血振いし、納刀。何も言わず、次の獲物に狙いを定める。
「……とても下品なアイドルでございますね。貴女たちは華麗に踊らされているのがお似合いでございます」
シャーリー・ラフォルス(軍人メイド長・g05277)は武装淫魔を処断する。彼女の主人は淫魔を嫌うらしいが、それは彼女とて同じ。藍色の瞳に宿るのは、嫌悪と憤怒。
「さぁ、蝙蝠狩りと参りましょう」
密集した武装淫魔に榴弾砲をぶち込んで挨拶すると、優雅にカーテシーして見せる。瞬間、その陰から真っ黒い猟犬が這い出てきた。
光を返さぬ黒。飢えに色を失った轍。闇を研いだ牙の群れ。
「痺れる様な踊りを、踊りなさいっ!」
群れ長の号令に従い、猟犬達が武装淫魔の間を駆け抜ける。手足を裂かれた淫魔は歪なダンスを踊る。
「返して、返して、私の腕を、足を、返して」
前進、血と汗にまみれながらも顔は紅く興奮で火照っている。まるで夢でも見ているようだ。
「狗の腹から返すものなんてないわ」
「か、え……」
そして、息絶えた。
1体1体はそれほど強くないが数が多い。攻撃すればするほど興奮する敵に、塵蔵院・六戒(暗中に這いずれば・g01805)はドン引きしていた。サドが1体ずつ調教を施しているのかと思うとゾッとする。
「みゃはっ、見つけたゾ!」
奇襲で数体を片付けた直後、やたらハジけた個体に見付かってしまった。手足が赤く腫れていることから見ても、ついさっきまで鞭打ちされて興奮状態なのだ。
「おっと」
鍬の刃先が六戒の眼前で止まる。手には竹管。クダギツネのエクが淫魔の影に牙を突き立てていた。影への呪いは本体に返り、その動きを縫い留める。
「あ、かっ……」
そのまま淫魔は動けず、生命力を失っていく。ただ、望んていた苦痛の方向とは違うようで、楽しそうだった表情がすぅっと真顔に冷めながら息絶えてしまった。
「なんか悪いことしたかな……いや敵に同情とかではなく。目の前で真顔になられるとどんな感情になったらいいのか分かんねぇ。ていうか目ぇ逸らすなエク」
武装淫魔はディアボロスの活躍により蹴散らされた。それを楽しそうに眺めているのは、やはりサドだ。
「ははっ!! いい、実に滑稽っ」
村の真ん中にふんぞり返り、大笑い。配下が討たれて嘆きもしない。
「では、次の演目としましょう」
鞭で地面を叩くと、今度は自動人形の隊列が現れた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【腐食】LV1が発生!
【傀儡】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
黒城・廉也
このまま人形として、自分の意思すら無くして…そうした先に何があるんスか。それはいつか、絶対に後悔する…だから、止まって…
銃を投げたり、射撃がメインって事なんでダッシュで撹乱して当たらない様に移動しつつ…隙を見計らって一気に接近するッスよ。誘惑の弾丸を至近距離で打ち込むッス。
仮に仲間が被弾しそうな場合、【全力魔法】で誘惑の弾丸を連射して敵の射撃を打ち落としてみせるッス。
淫魔に誘惑されてるなら逆に俺の【誘惑】の力を攻撃に込めて上書きできれば…淫魔の力邪魔させて貰うッスよ。
連携アドリブ歓迎ッス!
塵蔵院・六戒
……機械のように生きる、ってのも生き方のひとつ
ただ、あんたらはそれを選んだんじゃなく、選ばされただけだろ
しかも比喩じゃねぇ形で……んなの、本当に認めていいのか?
(【エアライド】も借りてその場から飛び退いたり
【復讐の刃】で生じたナイフを放られた銃へ投げ当てて逸らしたりと
爆撃から身を交わしつつ)
……人生が、丸ごと変えられちまうぞ?
鞭を振るうってのが今は楽しいのかもしれねぇが
それはこれまでの全てを、これからの全てを
引き換えにしてまで求めるものなのか――考えてみろよ
家族だとか、友達だとか、そういう何か大事にしてたもんを
もう一度、思い出しながら
(言葉と共に、追加のナイフを投げる)
●嗜虐からの解放
数体の自動人形がディアボロス達に銃を突きつけた。数も、個の戦力も先ほどの武装淫魔には及ばないが、
「堕ちたてほやほやの新鮮な自動人形です。どうか相手をしてあげてください」
あくまでにこやかにサドは言った。人には戻らぬとそう思っているのだろう。ディアボロスに、人間を殺させてやりたいのだ。
「……機械のように生きる、ってのも生き方のひとつ。ただ、あんたらはそれを選んだんじゃなく、選ばされただけだろ。しかも比喩じゃねぇ形で……んなの、本当に認めていいのか?」
自動人形の投げた銃をナイフで撃ち落とし、塵蔵院・六戒(暗中に這いずれば・g01805)はそう言葉をかけた。世の中間に合わないことばかりで、でもまだ間に合うならそれを諦めたくない。
自動人形に言葉はない。ただ機械的に銃を構えるだけだ。
「このまま人形として、自分の意思すら無くして……そうした先に何があるんスかっ!」
黒城・廉也(後輩サキュバス・g02175)が自動人形の懐に潜り込んだ。至近距離で魔弾を放つ。
「ふふ。人形になり果てても言葉をかけるとはお優しいですね……む」
サドは変わらず楽しそうだ。目の前で行われている戦いも自らの娯楽にすぎない。だが一瞬の後にその余裕は崩れた。
「っとと」
倒された自動人形が人間に戻ったのだ。意識を失い、倒れ込んだ男を廉也が抱きかかえる。
「よし、まだまだやれるッスよ!」
ディアボロスの音楽が、言葉が、自動人形を人間に戻していく。人であることを、あってほしいと、諦めなかったから。
「そうだ、帰って来い。鞭叩きが楽しくても、何もかんも引き換えにするようなもんじゃないだろ」
黒いナイフが閃き、銃ごと自動人形を切り裂く。一人、また一人と嗜虐から解放されていく。
「これで終わりッス!」
廉也がピストルのジェスチャーをとると人差し指の先にハートの魔弾が生まれ、それを放つ。最後の自動人形が倒れた。
「次はお前だ、サド」
六戒の黒い瞳がサドを射貫く。やれれやれと肩をすくめて、淫魔は苦笑した。
「おやおやおや、嗜虐の宴はお気に召していただけなかったようですね。ええ、私もみなさんが大っ嫌いですので……お仕置きしてあげましょう」
鞭を弄るサドから殺気が迸る。嗜虐との戦い、その決着は近い。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【能力値アップ】LV1が発生!
シル・ウィンディア
お人形さんで遊ぶのは,これまで。
さて、覚悟はいいかな?
…痛みを与えるなら、与えられる覚悟もあるんだよねっ!!
左手で精霊剣を持って、敵にダッシュで接敵っ!
フェイントを入れつつ斬撃を繰り出して、そのままダッシュで駆け抜けるよ
攻撃の基本は、ヒット&アウェイだね
離脱時は、残像も取り入れて攪乱しつつ離脱だね
反復して攻撃を行って…
こっちが、ただのスピード型の剣士と思ってもらえたらラッキー。
それでなくても…
敵の油断を誘いつつ、行動を行っていくよ
隙を見つけたら、接近しつつ
高速詠唱で詠唱を行ってからの…
全力魔法での精霊収束砲っ!
エアライドで最短距離を行って、近接してから撃つよっ!
傷つけられる痛みを思い知れっ!!
ベアトリス・リュウフワ
このような見るに堪えない催し事を主催しているのですから、さぞかし醜悪な存在なのかと思いきや……『侯爵』ですって?
――貴族の恥さらしめ。
公爵の娘として、たっぷり教育して差し上げますわ。
侯爵の狙いを一点に絞るため、あえて、優雅に歩きます。
勿論、回避行動は準備しますわよ。
挑発に乗ってくれるのならばパラドクスの手筈通りに、動かぬのならば肉薄して斬るのみ。
鞭が振るわれたら己が全力を以て身を捩り、回避。【ダンス】に基づく俊敏な身のこなしならお任せあれ。
鞭は長物ゆえに小回りが効きません。その隙を利用して瞬時に接近し、切り刻みましょう。
万が一命中してしまったら、己が【情熱】で精神攻撃を跳ね除けます。
シャーリー・ラフォルス
★アドリブ、連携歓迎
わたくしはSでもMでもございません
あ、いえ、ご主人様達に対してはその
「なぶるのが趣味なのは結構でございますが、強要するのはお門違いでございます」
攻撃の類いは持ち前の【忍耐力】で耐え抜きましょう
ご主人様達を思い浮かべるだけで、うふふ……何でも美味しいのでございます
「さて、左の頬を……いいえ、殴られた皆様の痛みを受けなさいませ!」
スマートフォンでぶん殴るだけでございます
無駄に丈夫なのでちょっぴり【雷撃使い】で痺れましょう
「悪の自身を考えているヒマなどございません!」
パラドクス使用、護身銃で撃ち抜きましょう
「猟犬は喉を噛み砕くのでございます」
人々が恐怖から解放されますように……
アンゼリカ・レンブラント
さぁ、お前の悪事もおしまいだぞ!
今まで痛い思いをした人々の分、ぶっとばすっ
【勇気】を胸に【突撃】し
力いっぱいの《光剣収束斬》でぶった斬るっ
二撃目も力いっぱい――と見せて、
【フェイント】で側面に回り込み突くっ!
パワーファイターだけど、力馬鹿じゃないぞっ
たえず動く
そうそう見切らせず近距離戦で戦っていくよ
相手からの反撃は
オーラ操作で厚くしたクラッシュ障壁と
自慢の腹筋で受け止めるっ
いっ……~~こんなの痛くなんかないっ!
鞭の一撃を受けても負けん気を見せて動きは止めないっ
仲間と連携していき追い詰めながら、
最後はさらに間合いを詰め、【グラップル】組技で抑え、
至近距離から《光剣収束斬》の一撃を叩き込みたいな!
●嗜虐の師
黒い羽を羽ばたかせ、サドがディアボロスに迫る。配下のトループス級とは比較にならない速度と、洗練された動きだ。
「思うに、人間とは邪悪です。他者を傷付け悦ぶ本性を持っています。私はそれを暴くのが好きでしてね。善良そうな人々が、欲望をむき出しにしてしまう瞬間が」
サドの鞭が、アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)の見事な腹筋を叩いた。赤く痕が残るが、それでもアンゼリカは気丈に振る舞う。
「いっ……~~こんなの痛くなんかないっ!」
歯を食いしばって耐える。この淫魔に、もう何もくれてやりたくなかった。
「このっ!」
サドが距離を取る前に光剣で反撃。サドを高く空中に吹き飛ばす。
シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)がそれを追う。精霊剣を構え、横一文字に振り抜く。サドが鞭で受けようとするが、ブラフ。斬り合うことはせず、背後を取っていた。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ……」
シルの背に青白い魔力の翼が広がり、同時に魔法陣が展開。
「混じりて力となり」
4つのエレメントを表す光が四方に現れ、そして魔法陣の中心でひとつになる。
「混じりて力となり、全てを撃ち抜きし光となれっ!!」
白い光の奔流がサドを飲み込み、地面に叩きつける。
地に伏したサドに、ベアトリス・リュウフワ(強欲と傲慢のミルフィーユ・g04591)がたたみかける。サドも反撃の鞭を振るうが、紙一重でかわす。長い髪を鞭が掠め、次第に白い肌へと迫るが、
「貴族の恥さらしめ」
それよりも早く、ベアトリスは懐に潜り込んでいた。すれ違いざまに斬り抜ける。
「恥さらしですか、まぁそれはそうなんでしょうが」
楽しそうに笑うサド。目の前にいるのはクロノヴェーダだが、史実のマルキ・ド・サドも貴族の恥部ではった。サディズム、という言葉で名を残すほどに。
「やれやれ、私の趣味は理解いただけないようですね」
サドはダメージを受けても、肩をすくめ、余裕を崩さない。あるいは、それが彼なりの貴族の矜持か。
「さて、少し趣向を変えてみましょうか」
サドの影がシャーリー・ラフォルス(軍人メイド長・g05277)へと伸びた。悪に染まった彼女の幻が、目の前に現れる。
「悪の自身を考えているヒマなどございません!」
クロスカウンターで幻を打ち砕き、シャーリーはサドへと迫る。
「さて、左の頬を……いいえ、殴られた皆様の痛みを受けなさいませ!」
痛みはあるが、主人の顔を思い浮かべて振り払う。使用人の恥は主人の恥だ。無様な戦いなどできない。スマートホンを握った右手でアッパーカット、同時にバッテリーをショートさせて感電させると、がら空きになった胴体に銃撃をぶち込む。
「ふふ、ふふふ……今のは痛かった。いい、素晴らしい!」
傷を増やしながらも、なおサドは激しく鞭を振るう。だが、残留効果の後押しもあり、ディアボロスは攻め続ける。
「醜悪ね。見るに堪えないわ」
貴族とは力ある者。ゆえに義務を負う者。高貴とは人を見下すためにあるのではなく、己を律するためにあるもの。人々を堕落に導くなど、ベアトリスには許せなかった。
弄ぶように、鞭が綺麗な髪を叩く。それでも歩を止めることなく、涼しい顔で斬り抜けた。
「遊びはおしまい。……傷つけられる痛みを思い知れっ!!」
シルは走る影を打ち払うように、魔法陣を展開。光の奔流が幻ごとサドを吹き飛ばす。嗜虐の闇を振り払う光でもあった。
「はっはっはっ! 痛い痛い。次はどんな痛みかな?」
「うるさいですね、はしたない」
ぼろぼろのまま笑うサドの首を、シャーリーが掴んだ。そのまま引き寄せると、零距離で銃弾を撃ち込む。
「猟犬は喉を噛み砕くのでございます」
首から血を流し、もはや声を出すことするままならないサド。虫の息だが、微笑みは絶やさない。
「よし、トドメだ!」
アンゼリカは肩からぶつかり、サドを打ち上げる。振り抜くは、身の丈ほどもある光の剣。閃光が、邪悪を両断した。
淫魔の企みは潰え、村は解放された。村人たちの感謝を背に、ディアボロス達は村を去る。嗜虐の悪夢は覚め、ただ普通の、ありふれた村が残った。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【水面歩行】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV2になった!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!