リプレイ
八栄・玄才
エルドラードに来たのは初めてだけど、境界調査には積極的に参加してきたんで、海での偵察はけっこー慣れたもんだぜ
……敵ジェネラルに先に見つかってブッ飛ばされたこともあるけど
残留効果は≪光学迷彩≫を発動
≪水中適応≫や≪水面走行≫なんか他の人が使ってくれたら便乗するが、何か一つなら敵に見つからないためのモノだな
泳ぎは人並みにはできるし
さあ、海賊船から勢いよく海に飛び込もう!
隠れるところもない大海原だ
水中に潜って進み、息継ぎがてら時おり水面から顔を出して周囲を偵察
とりあえずオレ等の船の進行予定の方角に泳ぎ進もうか
敵船を見つけたら肺一杯に空気を吸い込む【呼吸法】で酸素を溜め込んで深く潜り、海中から一気に船に近づこう
海中戦はあちらの土俵だろうし、ここは敵船に乗り込みたいな
船に近づいたら雷の籠手ワードブレイカーの爪で(必要ならパラドクスで)船の壁面に穴を空け、そこを【グラップル】して体を海から引き上げ、攻撃をされる前に甲板目掛けて素早くよじ登る
よ~、お邪魔
って、なんだ可愛らしいお嬢さんばっかりだなオイ
「さーて、今回はジェネラル相手じゃねぇしな。海での偵察なら任せとけって」
八栄・玄才(実戦拳術最前線・g00563)はふむ、と顎に手を当て考えた。一言で偵察といってもその方法はいくつか考えられる。
水中適応に水面走行などもなかなか魅力的ではあるが、やはり、一つだけ持っていくのなら敵に見つからないためのモノを準備すべきだろう。
というわけで、軽く準備運動してから玄才は勢いよく海面へ飛び込んだ。どぼんと水しぶきを上げ、そのまま海中に姿を隠す。
(「これなら、海上からは見えにくいだろ」)
あとは光学迷彩がうまくごまかしてくれるのを祈るばかりだ。
そてにしても、こうやって息継ぎしながら偵察していると、昔ジェネラル級に見つかってブッ飛ばされた経験が思い出される。あれはエルドラードではなかったが、なかなかに強烈な経験だった。
玄才はそのまま慎重に船の進行予定だった方角へ泳いだ。
それほどの時間を置かず、敵船を発見。あちらもそれほど大きくない小型の海賊船であり、進む速度もゆっくりなのがわかった。
「よし、これなら――」
空気をたっぷりと肺に溜め、玄才はこれまでよりも深い場所にまで潜った。海水をかき分け、器用に潜水したまま船に近づいて……。
(「せーの、でいこうか」)
気合を込め、半身半雷と化した右腕を船体に叩きつける。
「ん? げッ――!?」
突然の衝撃に振り返るグレースに、玄才は気さくな笑顔で手を振った。
「よ~、お邪魔。って、なんだ可愛らしいお嬢さんばっかりだなオイ」
「可愛らしいのは当然だ……じゃなくて! なんでディアボロスが海からやってくるんだ!?」
よっぽど驚いたのか、グレースは目を白黒させている。
船を漕いでいたオーケアニデスたちも動揺を隠せない。よいしょ、と玄才がグラップルの要領で船体をよじ登って甲板に降り立つのをおろおろと見守った後で互いの顔を見合わせ、どうしましょうかと相談し始める始末であった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
リゲル・アンティキティラ
よーし哨戒。双眼鏡持参、それから…って 思ってたんだけど
あはは!とんでもないことしている先行者がいるなあ!!すごい大胆さだ!!
でも、幸いにも敵の…少なくとも、トループス達の戦意はそこまで高くない
だがアヴァタールはこっち見つけたら本当に来ようとするぞあれ!
…フラグ立ててるわけじゃないよ!そのための対応を今からするわけでね!?
…まあ、この船には彼女たちが求めるような宝なんてないだろうし…
命乞いも聞きやしないけどね!
あっちに気を取られている間に、船を【平穏結界】が有効になる範囲まで後退させて、改めて船の安全を確保
交戦状態になるまで様子を見て、待機していようか
ついでに【能力値アップ】を追加して今後の戦闘に活かして頂こう…と
さて どうするかな
…どうしよう!?てんやわんやはこっちもだよ!ああいうやり方、大好きだな!ははは!
…本当にどうしよう?
え、酒でも飲んでおく?様子見ながら。半分くらいは冗談だけどね!
「よーし、哨戒哨戒っと」
リゲル・アンティキティラ(一つ星・g10843)は双眼鏡を片手に、意気揚々と出発の準備を進める。
「それから……って、ん?」
ふと何かに気づいて、双眼鏡を覗いた。
どうやら先行しているディアボロスによる騒動らしい。アビスローバーの海賊船を半ば破壊しつつ、船上に躍り上がる姿が見えた。
「とんでもないことしているなあ!!」
あとトループス達の戦意があまり高くなさそうなこともわかった。もっともアヴァタール級の方はなかなか好戦的なようで、こちらを見つけ次第、襲いかかってくるのはまず間違いなさそうだ。
――なんて言っていると、まるでフラグ立てみたいじゃないか?
ダメダメ、と首を振るリゲル。
「そうならないような対応をこれからするわけでさ。で、どうしようかな」
せっかく仲間が気を引いてくれているのだ、このチャンスは生かしたい。そもそも、この船には彼女たちが求めるような宝などないのでご期待には沿えないのであるが。
リゲルはこっそりと今のうちに船を後退させ、平穏結界で発見確率を下げておく。
「もっとも俺は命乞いなんて聞きやしないけどね……! とはいえ、ただ待機しているだけじゃ能がないのでね?」
うーむ、と腕組みしてうなる。
何が準備できるかな?
リゲルは指折り数える。
能力値アップの残留効果に、船の安全確保、あとは現状警戒。交戦状態になったらすぐに介入できるような態勢を整え、それにしてもと堪えきれずに吹き出した。
「ふっ、……くくくっ! てんやわんやはこっちもだよ! ああいうやり方、大好きだな! ははは!」
――気の済むまで笑い転げてから、ちょっとだけ真顔に戻って。
「で、本当にどうしよう? 酒でも飲みながら待つ?」
冗談交じりにそんなことを言いながら、双眼鏡で様子見する。まず、最初に動いたのはグレースにけしかけられたオーケアニデスたちであった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【平穏結界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
「(そら、打ち合わせ通りにやるんだよ!)」
「(わ、わかりました!!)」
グレースに耳打ちされ、オーケアニデスたちは次々に跪いた。
「お願いです! お見逃しください!」
「わたしたちは無理やり連れてこられ、いやいや海賊船を探させられていただけなんです。どうかお目こぼしくださいませ!」
うるうると瞳を潤ませ、命乞いの演技をするオーケアニデスの後ろでグレースはじろじろとディアボロスの品定め中だ。獲物を見る肉食獣のような目で、頭のてっぺんからつま先まで何度も視線を行ったり来たりしている。
(「うーむ、あんまり金目のものを持ってそうな感じはしないねぇ……。まあいいさ、オーケアニデスに気を取られた瞬間、襲いかかって身ぐるみはいでやるよ!!」)
八栄・玄才
う~ん、ボスの方からなんか嫌な視線を感じるな
とりあえず、トループスの娘達が間に挟まる位置に移動して、ボスが攻撃をしにくいようにする
なんかこっちの娘達はあんま攻撃してくる気配を感じないし、少しお喋りしてみるか
闘志に溢れてないヤツとの闘いは燃えねぇしな
……そういえば、他の敵船と行き遭ったってディアボロスの話でも、ここらを哨戒してるアビスローバー共はなんか左遷というか島流しというかをされたっぽい連中だって聞いたな
そこんとこ訊いてみるか
悪ぃな、オレも泳いで来たんで涙を拭ってやれるハンカチもないが……
しかし、無理矢理ね
アビスローバーも大変なんだなぁ
ここらの海賊ってーのは邪神獣の浮島ってところから聞いているが、そこは島流し場なのかい?
ああ、そういえばモディ・ディックってーのが上官とも聞いているが、そいつに送られて来たのか?
それともそいつが島流し先のヘッドなのか?
答えにくいかもしれねぇが、おたくらが嫌々働かさせられてるなら、行き掛けにオレがそいつをブッ倒してきてやってもイイぜ~?
なあ、どうだい?
「まぁまぁ、落ち着けよ。大変なのは分かったからさ」
八栄・玄才(実戦拳術最前線・g00563)は目を潤ませるオーケアニデスを形ばかり慰めた。やはり、こういうシチュエーションは得意じゃない。どうせなら闘志に溢れてる奴とのほうが戦いやすいものだ。
(「……そういや、聞いたことがあるぜ。他の敵船と行き遭ったってディアボロスが言ってたな。ここらを哨戒してるアビスローバー共はなんか左遷? というか島流しみたいな? そういう立場の連中らしいじゃないか」)
ちら、とアヴァタール級であるグレースの様子をうかがった。
嫌な視線である。
ちょっとこいつは脇に置いておこう。
玄才はさりげなく立ち位置を変え、グレースとの間にオーケアニデスを挟むようにした。少しでもこちらを攻撃しづらくなれば幸いだ。
「悪ぃな、オレも泳いで来たんで涙を拭ってやれるハンカチもないが……しかし、無理矢理ね。アビスローバーも大変なんだなぁ」
「そうなんです!」
話を信じてくれたと思い、オーケアニデスが顔を輝かせた。
もちろん玄才は話を合わせているだけだ。とにかく情報がほしい。特に本拠地とされる邪神獣の浮島について、確認しておきたいことがあった。
「例の浮島から来てんだろ? 島流し場なのかい、そこは」
「えっと、ちょっと違うかもしれませんが似たようなものでしょうか。なにぶん脛に傷のある者たちが多いので」
「モディ・ディックってのが上官なんだってな」
「えっ、そこまで知ってるんですか!?」
「そいつに送られて来たのか? それともそいつが島流し先のヘッドなのか? なんなら、おたくらが嫌々はたらかせられてるなら、オレが行き掛けにそいつをブッ倒してきてやってもイイぜ~?」
「え、ええー!?」
玄才が拳を手のひらに打ち付けつつ、ウインクして言うと、オーケアニデスはびっくりしたように言った。
「でも、モディ・ディックさまはわたし達とは全然違うエリートなんですよ! 絶対に勝てません!」
「やってみなきゃ分からないだろ?」
「でもでも……」
「ええい、いつまで無駄話をしてるんだ!?」
堪忍袋の緒が切れたグレースが話に割り込んだ。玄才から盗めそうなお宝が見つからなかったことで完全に焦れている。
「モディ・ディック船長を他の奴らと一緒にするんじゃないよ。なんたって、浮島じゃ名のある船長なんだからな」
「へえ、なるほどな」
玄才は頷いた。
そういう立場ならば、モディ・ディックが彼女たちを送り込んだ側である可能性は低いだろう。これくらいで話は十分かと切り上げる。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【水面走行】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
ディル・ルヴァン
しるせんせー(g01415)と!
わ、すごい…!
かみのけがみずみたいになってる…!
きれいなひとだけど、わるいひとなんだよね?
おれ、がんばってみる!
しるせんせーから支援をもらいつつ、しるせんせーからもらった棍に魔法をつけて、一気にはしるよ!
おねーさんたち!ひとをだましてものをとるのってよくないんだよ!
ねーちゃんのかわりに…おれが、おせっきょーするからね!!
素早く近づいて、回りをぐるぐるぐるぐるまわって、どっかーん!
これが俺のパラドクス!『回転疾風雷撃』だよ!ーーえ、なまえがあんちょく?あんちゃくってなに???
しるせんせーがぴんちになってたら、全力でさぽーとするよ!
しるせんせーは俺がまもります!ねーちゃんから念押しされてるからね!!
シル・ウィンディア
生徒のディル(g10970)と一緒に
ついにディルの初実戦か…。
緊張しているだろうなぁ。
大丈夫、わたしが付いているからね。
しっかり、自分の全力を尽くしていくだけだよっ♪
…なるほど。
いやいや探してってなると、それは大変だね。
ま、でも…。
クロノヴェーダだし?障害になるなら撃ち抜くだけだよ?
ということで、一発行きましょうかっ!
水面走行があるなら、その効果を使って海上も使って立ち回りを行うよ。
無いなら、小船内での立ち回りだね。
どっちにしても初撃はディルに近い敵から狙っていくよ。
高速詠唱で隙を減らしてからの光精瞬殺剣。
ついでに纏めて切り裂いてみるっ!
ディフェンスはディルを指定。
大切な生徒に手を触れるのは待ってもらうよ。
どうにかしたいなら、わたしをどうにかしてからにしてね?
初撃後は、ダメージの蓄積(ふらついているなどの動作)が大きい敵に対して攻撃を重ねていくよ。
ディル、攻撃を重ねていくよっ!
終わったら、ディルの様子を確認。
…初実戦、よくやったね。
さて…。
あとは指揮官だけだね。
気を付けていくよっ!
ディル・ルヴァン(夜明けを照らすソレイユ・g10970)はびっくりして、引率者であるシル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)に囁いた。
「しるせんせー、あのひとかみのけがみずみたいだ……! すごくきれいだけどわるいひとなんだよね?」
「そうだよ、ディル」
シルは生徒の緊張をほぐすようにいつも通りの笑顔になった。
「大丈夫、わたしが付いているからね。普段通りにやれば心配ないよっ♪」
「おれ、がんばってみる!」
ついに、ディルの実地訓練の時がやって来たのだった。
初めての戦いが生徒にとってどれだけ緊張するものか知っているシルは、いつでもサポートできるようにディルの傍らへ寄り添った。
「よし、一発行きましょうか!」
「はい!」
水面走行の残留効果を借りて、ふたりは一気に海面を駆ける。
その時、ディルの棍に雷撃が迸った。
シルが贈った澄み渡る青空のような色の棍は、稲妻を纏うとまるで夏雷のような生き生きとした魔力が迸る。
「おねーさんたち! ひとをだましてものをとるのってよくないんだよ!」
「え? きゃあ!」
ディルは一気に近づき、オーケアニデスの周りをぐるっと囲むように走り回る。きっとディルの姉ならこうするだろうと思われるお説教の始まりだ。
「どっかーん!」
十分に攪乱できたところで、今度はそれまでの動きから一転雷撃を叩きつける。まさかの一斉攻撃を受けたオーケデニアスは悲鳴を上げて逃げ惑った。
「これが俺のパラドクス! 『回転疾風雷撃』だよ! ――え、なまえがあんちょく? あんちゃくってなに???」
ディルはぱちぱちと瞬きする。
高速詠唱で隙なく魔法を紡いだシルは、確実に止めを刺していった。一瞬で敵の下へ転移して一刀両断する。もちろん、倒す順番はディルに近い敵が優先だ。
「纏めて切り裂いてみるっ!」
「さっすが、しるせんせー!」
無邪気なディルと冷静なシルとで、互いをかばい合い、死角をなくす。ディルは果敢にも敵の触手を迎え撃ち、雷撃を纏う棍で本体ごと撃ち落とした。
「しるせんせーは俺がまもります! ねーちゃんから念押しされてるからね!!」
「ふふっ、ありがとう。嬉しいな。わたしだって、大切な生徒に手を触れさせるものですかっ!」
頼もしい生徒の申し出に思わず微笑み、シルは襲い来る触手の前に立ちふさがった。相手を見据え、はっきりと宣戦布告をしておこう。
「この子をどうにかしたいなら、その前にわたしをどうにかしてからにしてね?」
宣告通りにさっくりと剣で薙ぎ払い、ディルを呼ぶ。
「あと少し! 攻撃を重ねていくよっ!」
シルが斬りつけた敵を、今度はディルの雷撃が貫いた。最後のオーケデニアスが倒れ、船上が静まり返る。ディルに怪我がないことを確かめたシルは、ほっと胸を撫で下ろした。
「……初実戦、よくやったね」
褒めてから、最後に残されたグレースを振り返った。
「あとはあなただけだよ」
「くっ」
グレースは心底から悔しそうだ。
ただで帰すつもりはないと、カトラスを構えるグレースの周囲に触手を蠢かせる二体の巨大なクラゲが召喚された。
「よくもオーケデニアスをやってくれたね。仇はとらせてもらうよ!」
「望むところだよ。気を付けていくよっ! ディル!」
ディルは棍を構え直し、頷いた。
「こころの準備はできてます! いつでもいけるよ!」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【神速反応】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
オーケアニデスを失ったグレースはカトラスを手にディアボロスの前に立ちふさがる。どうやら逃げるという選択肢は頭にないようだ。
「オーケアニデスの仇は取らせてもらうよ! 特にお宝も持ってないみたいだしね、心おきなくやってやる。命乞いするなら今のうちだよ?」
グレースの構えは隙が見えない。
どうやらアヴァタール級らしく、それなりにやり手のようだ。
配下を失い、仇を取るという目的を持った今はそれまでのやる気のなかった様子とはうって変わって苛烈な印象である。しかも彼女の周囲には2体の巨大クラゲが寄り添うようにして空中を舞い、攻撃するタイミングを図るようにそれぞれの触手を不気味に蠢かせた。
リゲル・アンティキティラ
いやはや、皆様方、本当に派手にやるね!
俺もそろそろ働かなきゃな…っと
【水面走行】で接近、なぁに命知らずなもので!捨て身も突撃も大好きだ!
で、ようやく本気になったようだね、お嬢様
まあ俺様は観戦してただけだが!ははは!
聞きたいことなんて無いからなあ
…あ、左遷理由は何?
なぁんてね ただの気を逸らすための雑談さ
冗談はここまで
皆が皆、烏合――だが目的はお互い一つ
敵の抹殺、命の奪り合いだ!
【能力値アップ】で底上げを、【命中アップ】で狙い澄ます
さぁて――その魂、俺様に寄越せ!
その邪魔な触手、断ち切ってやろう!
…お前に残されたものすべて、この瘴気で削り取ってやろうじゃないか 長期戦になればなるほどキツいぜ、お嬢様?
敵からの攻撃には【アヴォイド】が狙えれば何よりだが信用はしちゃいない やるべきことは負傷の軽減!
『消波』で水の弾丸の軽減を
カトラスは…ああ知ってる、サイズが変えられるんだったね?
『鯨骨』で受け止め外へ弾いておこうか、胴を狙うなら消波をそちらへ!
切り拓くべき道がそこにあるんだ――退いてもらうよ!
リゲル・アンティキティラ(一つ星・g10843)はこのチャンスを逃さなかった。
この場合のチャンス――即ち、グレースの意識が既に交戦中のディアボロスだけに向いた千載一遇のタイミングだ。水面走行を使えば波打つ海面も地面と同じように踏破できる。
捨て身? 突貫?
――どっちも大歓迎!
「ようやく本気になったお嬢様? 命知らずの本気ってのを見たことがあるかい!?」
「え?」
無防備に振り返るグレース。
一方のリゲルは楽しそうな笑い声を飛ばした。
「ははは! ずっと観戦してたのさ。……あ、左遷理由は何? 一応聞いとこっと」
「う、うるさい! ちょっといけ好かない奴がいたから決闘を申し込んでこてんぱんにのしてやっただけだよ!」
「へぇ、血気盛んだねぇ」
そこでリゲルは笑みを消した。
冗談はここまでだ。
ここからは烏合といえども互いの目的を果たす時の始まり。敵を抹殺せよ。命を奪い合え――!! 積み重ねておいた残留効果を最大限利用、しっかりと狙いを定める。
「さぁて――その魂、俺様に寄越せ!」
敵もリゲルも海賊ならば、その流儀をぶつけ合うのみだ。
瘴気を纏わせたカトラスが触手ごとグレースを薙ぎ払い、根こそぎ削り取ろうと牙を剥く。
「くッ」
長期戦になれば不利と悟ったグレースの水弾幕がリゲルの消波と真正面からぶつかり合った。爆ぜる水しぶきが船の上を濡らす。現在のレベルでは【アヴォイド】の発動率もまさに幸運頼みだが……リゲルはおくびにも出さず、不敵に微笑んだ。
「それ、サイズが変えられるんだろ?」
「どうしてそれを!」
「さぁて、どうしてかなあ」
槍のようにリーチを伸ばしたグレースのカトラスを弾いたのはリゲルが守刀として懐にしのばせている『鯨骨』だった。同時に消波で胴を守りつつ、グレースを船の端まで追い詰める。
「切り拓くべき道がそこにあるんだ――お前にはここで退いてもらうよ! 問答無用だ!」
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
「ふうん、配下の仇ねぇ……」
ダキア・マウゼル(木兎姫・g03435)は軽く微笑み、まるで挑発するかのように眼鏡を押し上げる。ダキアの目にはグレースが随分と余裕がないように映った。
さもありなん、ただでさえ捨て駒のように最前線へ送り出されてきた者たちだ。ここで武功を立てられなければそれこそジ・エンド。
「命乞いするのはむしろそちらじゃないかしら? 海賊ともあろうものが、宝探しもできずに地味な哨戒任務だなんてさぞかし無念でしょうね」
「うッ」
グレースは二の句が継げず、拳を震わせる。
「い、言わせておけば……一応、ディアボロスを殺した場合の特別ボーナスなら貰えるって話なんだ。お宝は手に入らなくても金になるなら願ったり叶ったりだよ!」
「なるほど特別ボーナスね」
ダキアは腕を組み、ふむと考えた。
(「アビスローバーの間ではディアボロスへの殺意が随分と高まってきている、ってことよねきっと。まあ、これまでいろいろと邪魔して来たものね」)
もっとも、賞金首のような扱いをされているからといってみすみすやられてあげるつもりなどまるでなかったのだが。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
八栄・玄才
オーオー、敵も味方も火が付いてきやがったな
オレも負けていらんねぇぜっ!!
リチャードってーのか?
なんて大きなクラゲだよ
手前の乗ってきた船まで刻んじまうつもりか?
こういう相手は懐に入り込んだ方が安全だったりすんだよなぁ!
敵に向かって【突撃】!
鉄の触手を掻い潜るように、身を低くして左右へのステップもはさみながらグレース本人に接近していく
脳内に溢れるエンドルフィン
恐れるかよ、今までだってもっとヤベー奴の懐に飛び込んで来たんだ!
そして、『勇心雄歩』の心得に従い、さらに前へっ!
クラゲが暴れればグレース本人を巻き込みかねないくらいに密着し、そこから寸勁による【貫通撃】を叩き込む
敵が海に逃げたり、闘いの余波で船が沈むようなら、《水面走行》で海に降り立つ
どうなろうと、相手を逃がす気はないぜ
さて、目指すはクスコ……じゃなくて邪神獣の浮島に向かうことになった?
なら丁度イイな、大口叩いたんだ、モディ・ディックってヤツをブッ倒さないとな
たぶんそこにいるんだろ?
(とか言って、航海に出てたりしたらカッコ付かねぇが)
八栄・玄才(実戦拳術最前線・g00563)は拳を打ち合わせ、軽く口笛を吹いた。気分が昂ってくる。負けていられるか、と敵を睨みつける。
「へへッ、そいつリチャードってーのか? でっけぇな!」
「こいつ……ッ」
「確かにすげぇ触手だがよ、それじゃ手前の乗ってきた船まで刻んじまうぜ?」
玄才は退くどころか、果敢にも突っ込んだ。
とっさにグレースが叫ぶ。
「リチャード! 気をつけろッ!」
「遅ぇ!!」
原罪は敵の拳をかいくぐるボクサーのように体を低め、肘を揃えて頭をガードした体勢で触手の攻撃をくぐり抜けた。
鋭いステップで靴裏が船底を擦る音が鳴る。
右へ、今度は左へ――無意識のうちに笑みを浮かべていた。脳内はエンドルフィンで全開だ。恐れるものか、怖じるものか。
「うッ」
牙を剥くように笑った玄才の迫力にグレースが息を呑む。
経験の差だ。
これまで戦ってきた奴らを思えば捨て駒として左遷されてくるようなグレースなど小物に過ぎない。腐ってもアヴァタール級、単純な強さならば玄才を超えるだろう。だが、強さだけが格を決めるわけじゃないと知るんだな、女王気取りのお嬢さん――!
「おおおッ……――!!」
玄才の雄叫びが轟き、ついに最後の一歩を踏み込んだ。ほとんどクラゲに触れる位置だ。それは同時に、グレース本人にも近いということだ。
「しまッた!!」
愛する人ごと寸勁による貫通撃を叩き込まれたグレースが掠れた悲鳴を上げる。もっとも玄才に相手を逃すつもりはさらさらなかったので、いつでも海に降り立って退路を塞げるように身構えながら。
「船がクロノ・オブジェクトで助かったな。普通のやつだったら今ごろは木っ端みじんだぜ。……そういや、目標地点が変更になったんだっけか? 邪神獣の浮島へ直行ねぇ」
「なぜその名前を知っている?」
「さぁて、なぜでしょうか」
玄才はにやっと笑った。
「丁度イイや、モディ・ディックってヤツがそこにいるんだろ。手前を倒して、そいつもブッ倒す。もしかしたらちょうど航海に出てるってこともあるかもしれねぇが、そんときゃそんときだ!」
超成功🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
リゲル・アンティキティラ
…決闘したら左遷…!暇な船上における貴重なエンターテイメントなのに!?
本当なら同情を禁じ得ないな!
しかし宝と特別ボーナスに区別があるなら、相応の差額があるんだろうね
ま、今は考えても仕方ない
さぁて、同じ手を二度も喰らってくれる相手とは思わない…
相手も俺も近距離でこそ輝くパラドクスだ だからといってそんな離れるつもりは毛頭なく!侮れないと知っているとも!
活かせる残留効果は活かそう!
【命中アップ】をさらに乗せて――鯨のブリーチングはご存知かな?
あれ、喰らったらどうなるか考えた事ある?
…そういうことさ。そら、宙にぶっ飛ばしてやる!打ち拉がれよ!
【ダブル】で追撃できりゃ僥倖!
そうでなくとも反撃でしっかり返してやるとも!
相手からの攻撃はきっちり消波で逸らしておこうか!
結局の所、俺様が倒れる前に倒せりゃいいわけだが…
油断してりゃ何処から刺されるか分からないからね、お前の攻撃!
で…お前も、命乞いをするなら今だよ
勿論、受け入れるつもりはない…
部下を雑に扱う上司ってのは 俺達の船じゃ粛清対象だからな!
おいおい、思わずリゲル・アンティキティラ(一つ星・g10843)は突っ込みたくなった。衝撃の事実である。左遷の理由が決闘だって? ――暇な船上における貴重なエンターテイメントを何だと心得るのだろう。
「本当なら同情するね……マジなの? だって海賊でしょ? 風紀なんて乱れてなんぼの!」
「うぐッ」
グレースの顔がみるみるうちに真っ赤になった。
「ちょ、ちょっと暴れすぎて、船長の大事なワインをしこたま割っちまったから……もしかしたらそっちかも……」
それはヤバそうだ。
神妙な顔でリゲルは頷き、互いの間合いをはかる。グレースの周囲に浮かぶ水弾とカトラスの組み合わせを確かめ、「さて」と考える。
どうやって己の間合いを生かすか?
どちらも近距離でこそ輝くパラドクスである以上、メリットもデメリットも重なる。リゲルが選んだのは――中庸だ。同じ手を二度くらうほど相手も愚かではあるまい。ある程度の距離を保ち、侮ることなく残留効果を利用する。
「鯨のブリーチングはご存じかな?」
「!?」
グレースの不意をつき、鋭い狙いで振り抜かれた鯨尾が強かにその体を跳ね上げた。そんなものをくらったことはさすがになかったに違いない。面食らったグレースの体が宙に吹っ飛んだ。そう、リアルの鯨が獲物を打ち上げて気絶させるみたいに。
「やったね!」
「もう一発!」
襲いかかる水弾にもひるまず、リゲルは追撃を叩き込む。
「ッ」
顔を掠める相手の反撃に目をすがめるが、絶対に閉じたりはしない。油断大敵だ。特にあの触手はやっかいだ。慎重にいきたいところ。
「命乞いをするなら今だよ?」
リゲルは侮ることなく、触手の動きを注視しながら言った。
「誰が!」
「いい返事だ。もっとも、部下を雑に扱う上司ってのは俺達の船じゃ粛清対象なんでね。お望み通り、止めを刺してやるさ!」
再び鯨尾が舞い、グレースを海面に叩き落とす。
「ふぅ」
なんとか、こちらが倒れる前に勝つことができた。
「お疲れさまってやつだね。で、次はクスコからこいつらの上官がいる浮島へ進路変更か。果たして鬼が出るか蛇が出るか――」
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【隔離眼】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!