リプレイ
天破星・巴
アドリブ辻連携歓迎
先日の奪還戦に参戦してきた際に領土を得えず、ジェネラル級を六体も討伐することが出来た。まだまだジェネラル級はいるようだが一体一体確実に倒していけば大地の奪還に繋がっていく。
そのためにも地道にクロノヴェータを倒していかねばならぬ。
こちらが有利になる為にもまずは哨戒任務にあたるとするかのう。
腰に付けた瓢箪をひっくり返すと出てくるのはなんと血液だ。
これは残留効果【液体錬成】を使用して増やした自分の血液だ。
以前は術を使いすぎると貧血になっていたが液体錬成のおかげで貧血になることも無く以前より大規模で血液操作の術が使えるようになった。
新宿島でも液体錬成のおかげで献血を募る必要性がほぼ無くなり。手術を行う際には事前に自分の血液を増やして置けるようになったようだ。
大地の起伏の影に身を隠し目を閉じ座禅を組んで鬼道・操血術を使用
瓢箪に入れた血液を糸状にして操り感覚の糸を伸ばし地形の観察と敵の偵察を行う
発見出来なければ安全を確認したうえで移動しまた探索を繰り返す。
他の仲間と探索範囲を共有
エイレーネ・エピケフィシア
イスタンブールのヨーロッパ側……この時代におけるビザンティオンより西に広がるのは、トラキアと呼ばれる地域です
史実ではリュシマコスの領土となった時期があるようですが、奪還戦を生き残った彼の名を騙る亜人はいないのでしょうか?
……気になりますが、今は一歩ずつ先に進む所からですね
士気の低い相手とはいえ、地形の起伏についての話は聞かされています
油断せず、周囲の地面に紛れるような色合いの外套を纏って行きます
【光学迷彩】も発動し、伏せたり陰に隠れたりした時により見つかりづらいように
周囲に敵がいないことを確認した上で、地形の起伏の「起」の部分、小高い丘の上に身を伏せながら一帯を俯瞰
敵群の動きがありそうな場所に目星をつけてから、さらに先に進みましょう
今回の敵は自身も丘の陰に潜み、こちらを迎え撃とうとしているかもしれませんね
そういった場所に入り込む時は僅かな物音にも耳を澄まし、敵の有無を事前に確認
敵を発見した上で、既に哨戒が十分な状況であれば、こちらから仕掛けて有利に戦闘を始められるように構えておきましょう
丘には静かな空気が満ちていた。クロノヴェーダの気配は未だ無く、辺りは平穏そのものである。
蹂躙戦記イスカンダル、ペルガモンへと続く一帯。もうじき戦いが始まる其の場所を、いま天破星・巴(反逆鬼・g01709)は踏みしめていた。
「ふむ、情報通り潜伏場所には不自由せずに済みそうじゃの。さて……」
周囲の地形を確認しながら、巴は起伏に富んだ丘を貫くように走る一本道に目を向けた。
敵部隊の警戒ルートに位置するこの場所には、じきに亜人の一団が現れる筈だ。警戒しながら進軍する彼らを索敵で発見、先制攻撃を仕掛けること――それが復讐者たちの目的である。巴は丘に身を潜めると、腰に着けた瓢箪を取って哨戒の準備に取り掛かっていく。
「仕掛けられる前に仕掛ける、という奴じゃな。……今日は宜しくお願いするのじゃ」
「こちらこそ。亜人どもを必ず殲滅しましょう」
エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)は巴に挨拶を返すと、潜伏に適した場所を探し始めた。
撃破目標である亜人たちは周囲の地形を理解しており、相応の警戒を行っている可能性が高い。出来る限り亜人の目に発見されないよう、その身に羽織るのは地面に紛れる迷彩模様の外套だ。
「念のため、光学迷彩も準備してあります。状況に応じて使っていきましょう」
「かたじけない。有難く使わせて貰うのじゃ」
そうして二手に別れ、エイレーネは小高い丘の上へと向かって行く。
一方の巴は道を挟んだ向かい側、丘の中腹に潜伏して機を伺う構えだ。各々の配置へ向かいつつ、未だ亜人の現れない道をエイレーネは見遣る。その先に続く地を統治する、名も顔も知らぬ亜人を凝視するように。
(「この時代におけるビザンティオンより西に広がるのは、トラキアと呼ばれる地域。史実ではリュシマコスの領土となった時期があるようですが……」)
果たして、その地に待つのは如何なる者なのか。
奪還戦を生き残った彼の名を騙る亜人はいないのか、それとも――答えの出ない疑問に嵌まりかけた思考を一旦打ち切り、エイレーネは意識を作戦に切り替えた。
「……気になりますが、今は一歩ずつ先に進む所からですね」
そうして辿り着いた丘の上からは、一帯が良く俯瞰できた。
向かい側の丘では、身を隠した巴が一足早く索敵を始めつつある。
此処から先は、見つけるか見つかるかの戦いだ。エイレーネは光学迷彩で姿を隠すと、息を潜めて周囲の哨戒を開始した。亜人を先んじて発見し、確実に殲滅する為に。
(「さて。亜人どもを見逃さぬよう、しっかり索敵せねばのう」)
周囲を静けさが覆う中、巴は瓢箪を手に哨戒を開始した。
逆さに返した瓢箪から零れる血で、『鬼道・操血術』を発動。血を糸に変え、丘の下へと伸ばしていく。パラドクスで操作する血は巴の意のままに動き、偵察を行う能力を有しているのだ。
(「……とはいえ、パラドクスに頼りきりという訳にも行かぬ。わらわも警戒を行わねばの」)
巴は道から死角となる場所を運よく見つけ、そこに身を隠した。
光学迷彩で周囲の景色に溶け込むと、瞑目しながら座禅を組む。精神を集中させ、己が聴覚に意識を集中させ始めた。
周囲の状況はエイレーネが丘の上から監視している現状、自分は耳で気配を拾うべく動く――そう判断したのである。
(「大雑把な性格の亜人どもが、集団で行動しておるのじゃ。何らかの手掛かりは得られると思いたいが……の」)
血液の糸を偵察に放ちつつ、周囲の音を拾い始める巴。
時折、風の吹く音だけが聞こえる中、彼女の思考はふと蹂躙戦記の動向に向いた。
先の奪還戦で勝利し、ジェネラル級を討ち取り、亜人の蹂躙を巴ら復讐者が阻止したことで、イスカンダルの勢力は大きな打撃を受けている。今回の作戦を成功に導けば、ジェネラル級のクラテロスにも決戦を挑むことが可能となるだろう。
(「まだまだジェネラル級はいるようじゃが、一体一体確実に倒していけば大地の奪還に繋がっていく筈じゃ」)
その為にも、今は地道な歩みを続ける時。
巴は大きく深呼吸をひとつ、戦場の索敵を続けていった。
二人の復讐者による哨戒活動は、それからも遅滞なく進んでいく。
周囲の安全を確認した後、敵の動きがありそうな場所に目星をつけて前進。そうして再び周囲の安全を確認し、敵の動きがありそうな場所へと前進――。
聴覚に意識を集中する巴に音で合図を送り、先頭を切って進むのはエイレーネだ。
じりじりと時間が過ぎていく中、彼女が特に意識して警戒するのは、丘の陰を主とした潜伏に適した場所である。
(「今回の敵は、待ち伏せでこちらを迎え撃とうとしているかも……用心に越したことはありませんね」)
巴が周囲の物音に異常がない合図を送ると同時、エイレーネは丘の上付近を慎重に移動していく。
光学迷彩は未だ発動している状態だが、接近して来る敵が多ければ露見のリスクも上がる。残留効果を過信すること無く、更に哨戒を続行すること暫し――ふと、エイレーネの目が動く影を捉えた。
「……!」
見澄ます先は、ペルガモンへと到る道の彼方。
そこに、目を凝らして辛うじて見える程の小さな影がひとつ、ふたつと増えていく。
丘の陰に身を隠しながら慎重に観察を続けるうち、それが武装した亜人の一団であることをエイレーネは把握した。
(「……どうやら、来たようですね」)
(「うむ、こちらでも確認した。足音に混じって鎧の音がするのじゃ。恐らく、トループス級の其れじゃな」)
合図を送り合い、巴とエイレーネは直ちに襲撃の準備を整え始めた。
程なくして、亜人の部隊は復讐者たちの潜伏する一帯に差し掛かろうとしていた。
先頭を進むのは、トループスのトロル兵団『ファランクス兵』たちである。警戒は相応に行っているようだが、それでも士気の低さは隠しようが無い。エイレーネと巴が隠れる丘にも時折意識を向ける気配は感じ取れるものの、緊張感や真剣さと言った空気は一切感じられない状況だ。
(「トロルどもの後方には、プレイスタルコスも居るようじゃ。……この様子なら、何方からでも狙えそうじゃの」)
(「状況はわたしたちが有利のようですね。襲撃の準備は良いですか?」)
(「うむ、いつでも行ける。監視も戻してある故、問題無しじゃ」)
敵が気づく距離に到達する前に、巴とエイレーネは最後の合図を交わし合うと、息を潜めて機を伺った。
先頭を進むファランクス兵と、後方に控える隊長のプレイスタルコス。そうして、襲撃に適した場所へ彼らが差し掛かると同時――復讐者たちは息を合わせたように、丘を駆け出していった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【液体錬成】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
『異常なし、と。あーあ……退屈だな』『だよなぁ……女いねぇかな……』
道の両脇に広がる丘を時折見遣りつつ、トロル兵団『ファランクス兵』たちは愚痴交じりの呟きを交わし合っていた。
最低限の警戒こそ行ってはいるが、それは隊長である『プレイスタルコス』の懲罰を受けぬ最低限のもの。積極的に警戒を買って出ようなどという殊勝な心掛けのファランクス兵など、ここには存在しない。
無論、自分たちの進んでいる場所が襲撃に適した地形であることは、ファランクス兵たちも理解してはいた。しかし、やり甲斐の無い仕事と、周囲の静穏な空気は、兵士としての集中力を彼らから奪い去っていたのである。
そして――そんな油断に下される無慈悲な裁きのように。
その瞬間は、何の前触れも無く訪れようとしていた。
『ん? おい、向こうで何か動かなかったか?』『あぁ? 何言ってるんだ、気のせいだろ』
最低限の警戒で、隙を晒したまま行軍を続けるファランクス兵の群れ。
自分たちの部隊に襲い掛かる運命を彼らが知るのは、この直後のことであった――。
天破星・巴
アドリブ辻連携歓迎
哨戒任務は無事に終了
こちらは敵を発見し
敵はまだこちらに気が付いてない
となれば【不意打ち】を仕掛けるべく【突撃】じゃ
パラドクス鬼道・操土術を使用
地面を【砂使い】の技能で操作
砂の腕を多数作り出し
砂の槍で【貫通撃】
砂の剣で【斬撃】
術者であるわらわを倒そうと接近して来る者には砂の篭手を纏った拳で【強打】掌底で【衝撃波】
【連続魔法】で複数の砂の腕を匠に操り巴本体と連携した【連撃】
また本体と砂の腕に気を取られると小さな砂の手に足を【捕縛】される。その場にある物を操作する巴なら奇襲であろうとも戦場を【罠使い】が事前に準備を整えたトラップフィールドになるのだ。
巴が態々砂の腕に武器を持たせている理由は2つ
一つは投げてもまた砂の武器を作ればいいから
もう一つはイメージし安いからである
そう一見か弱い様に見える巴はPOWに特化しており砂の腕は巴の腕力と同じ、複数体を相手に都合がいいから操っているに過ぎないのだ
小柄なわらわはなら筋肉で蹂躙出来ると思っていたかえ。最後に蹂躙を知れて良かった脳のう
状況は、千載一遇の好機であった。
ペルガモンへと続く道を行く、亜人部隊の群れ。その先頭を進む『トロル兵団』ファランクス兵の群れは、周囲への警戒を疎かに行軍している。
自分たちが襲われるとは夢にも思っていないのか、トロルたちは誰も彼もが油断を隠さずにいる。
先んじて彼らを発見した復讐者が、今まさに攻撃の準備を完了したことも知らずに――。
(「さて、哨戒任務は成功。敵はまだ此方に気が付いてないようじゃな」)
天破星・巴(反逆鬼・g01709)は丘の死角に身を隠し、そっと息を殺していた。
周囲の地形は、彼女のパラドクスを発動するのに最適の地形である。後は、敵が近づいた頃合いを見計らって、不意打ちを仕掛けるのみだ。
(「まずは、邪魔なトロル兵団を始末せねばのう」)
神経を研ぎ澄ませた巴には、近づいて来るトロルたちの足音が耳を凝らさずとも聞こえて来る。
同時に、彼らの口から洩れる怠惰な愚痴と、女を求める呟きの声も。
自分たちは蹂躙する側である――そのことを信じて疑っていない様子が、そこからはありありと伺えた。
『あ~帰りてぇ……』『女いねぇかなぁ……』
(「情けは無用じゃな。よし、行くのじゃ」)
頃合いを察した巴は大地に手を添え、『鬼道・操土術』を発動。
パラドクスで生成した土砂の腕を従えて、トロル兵団へと突撃して行った。
襲撃は、突如として行われた。少なくとも、トロルたちにとってはそうであった。
『おい、向こうで何か動かなかったか?』『何言ってるんだ、気のせいだろ――』
そう言ってトロルが欠伸を洩らした次の刹那、グシャッと妙な音が響き、飛来した岩が頭部を粉砕する。
一秒前まで言葉を交わしていた同胞の死を、トロル兵は呆気に取られた表情で見つめ、
『――て、て、敵襲だ!』
「遅すぎて欠伸が出るのう。人形遊戯をとくとご覧あれ、お題は寿命でご支払い頂くのじゃ!」
それは、亜人にとって正に青天の霹靂であったろう。突如として同胞が死体に変わったかと思えば、眼前にはパラドクスを発動した復讐者が迫っているのだ。丘の上から突撃する巴の号令一下、土砂で生成した多数の腕が、掌中の岩石を投石器よろしくトロルへ投げつける。
巴の増幅された怒りを込めた岩石は勢いよくトロル兵団へ降り注ぎ、たちまち彼らを屍へ変え始めた。
「トロルども! その筋肉は見かけ倒しかえ?」
『こいつ、なめやがって!』
辛うじて難を逃れたトロルが、反撃とばかり盾を投げつける。
続け様に繰り出す槍で巴を縫い留めたのも、しかし束の間のこと。彼我の攻守が交替するや、次の瞬間には飛来する岩石に全身を砕かれトロルは絶命していた。
「一匹も逃がさぬぞ。覚悟するのじゃ!」
放つ言葉は亜人への死刑宣告にも似て、更なる猛攻で敵を圧倒していく。
復讐者の完璧な奇襲によって、トロル兵団は溶けるように消えていった。
慌てふためくトロルの膂力を、土砂の腕が赤子のように圧倒する。拳を打てばトロルは玩具めいて砕かれ、掌底を放てば首はへし折れ、元より寡勢であった兵団は早くも全滅寸前だ。
「小柄なわらわなら筋肉で蹂躙出来ると思っていたかえ? 最後に蹂躙を知れて良かったのう!」
『ち、畜生が……!』
罵りと共に盾を構えるトロル兵。だが、そんな彼よりも巴の攻撃は更に速かった。
ブンと振るう土砂の拳は兵の巨体を軽々と吹き飛ばし、地面に叩きつける。血を吐いてのたうち回り、兵が直ぐに動かなくなると、巴の視線は戦場の端へと向けられていた。
「残るはお主だけじゃ。覚悟せよ、プレイスタルコス!」
巴が睨みつける先、ネズミのアヴァタール級亜人が無言で槍を構える。
ペルガモンへ続く道を舞台とする戦いは、かくして最後の決戦に至ろうとしていた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【動物の友】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
梅指・寿
(トレインチケット)
狛玉・タマ子
(トレインチケット)
復讐者の奇襲によって幕を開けた戦いは、まさしく電光石火の勢いで進みつつあった。
周囲の警戒を行っていたトロル兵団たちは、手抜きの代償を自らの生命で支払う羽目となり、あちこちに屍を晒している。
トループス級が全滅した今、戦場に残る敵は只一体。即ち、アヴァタール級亜人『プレイスタルコス』のみであった。
『あれほど警戒しろと言ったのに……つくづく使えない部下どもですね』
怒りと呆れが混じった溜息を洩らし、戦闘態勢を取るプレイスタルコス。
既に戦況は彼にとって絶体絶命と言って良いが、鼠の体で器用に槍を構える彼に焦りの気配は見て取れない。
腹を括ったか、はたまた開き直ったか。赤い両眼に殺意を宿した彼を前に、狛玉・タマ子(世田谷の怪・g04655)は少女に似合わぬ妖艶な笑みを見せる。
「さてさて、鼠さんは早くも窮地のようだにゃ?」
孤立無援となったプレイスタルコスに、故事宜しく窮鼠にでもなって噛んでみるかと問うタマ子。
対するプレイスタルコスは相変わらず太々しい態度のまま、慇懃な言葉を返して来る。
『私の心配は無用ですよ。無能な配下などどのみち不要、処分する手間が省けたと言うものです』
「呵呵呵ッ! なら、そういうことにしといてやるにゃ!」
言葉を交わす間にも、両者の距離は着々と縮まりつつあった。
復讐者は亜人を撃破すれば勝ち。亜人は復讐者を撃退すれば勝ち。互いにとって、ルールはこれ以上なくシンプルだ。
応援で駆け付けたタマ子だが、相応しい働きをすることに躊躇は無い。そして、この戦場における『相応しい働き』とは、すなわち只一つ――プレイスタルコスの撃破を置いて他に無かった。
「ここはひとつ猫の手を貸すかのう。呵呵呵ッ!」
『戯言を。死になさい、ディアボロス!』
猫印の中華鍋を構えて大笑するタマ子。ギラつく殺意を槍に込めるプレイスタルコス。
かくして両者の視線が交錯した刹那、戦いはタマ子の先攻で幕を開けた。
妖狐であるタマ子の駆使するパラドクスが真っ赤な火に変わり、戦場へ充満していく。調理に使う火を起こす為の火遁術、『火焰猫風術』だ。勢いを増した火は炎となって、亜人を瞬時に包む。そして、
「ふにゃーーっ!!」
紅蓮の炎は、亜人をぶすぶすと焼き焦がし始めた。
立ち込めるのは、肉の焦げる不快な臭い。そのまま炎が勢いを増すかに思えた、しかし次の瞬間――亜人が掲げた槍の先、丘の彼方より荒れ狂う水流が押し寄せる。パラドクスの濁流でタマ子を捉え、亜人が残忍な笑みを浮かべて言った。
『残念でしたね。このまま溺れ死になさい!』
「……ふふ。そう上手くいくかにゃ?」
『ふん。負け惜しみを――』
そうしてプレイスタルコスが追撃を浴びせようとした、その刹那である。
「あらあら、よそ見しちゃ駄目よ?」
亜人の耳朶を打ったのは、幼い少女の声だった。
プレイスタルコスが視線を向けた先、そこには少女姿の復讐者が一人。二丁拳銃を構えるヒルコの老女――梅指・寿(不沈の香・g08851)の姿があった。
余計な問答など無用とばかり、寿は即座に逆説連鎖戦を発動しながら迫る。対するプレイスタルコスも、それを読んだかのように、先んじて反撃のパラドクスを駆使。戦場の水流を新たに呼び寄せ、寿を捉えた。
『なるほど新手ですか。良いでしょう、まとめて死になさい』
「あら、あらあら。……先行のあなた、大事はないかしら?」
「呵呵呵ッ、無問題にゃ!」
濁流のダメージを物ともせず、タマ子と会話を交わす寿。
その行動を挑発と取ったプレイスタルコスが、怒りと共に槍を構えた瞬間――捉えた筈の寿が、消えていた。
『っ!?』
「この撃ち方、すごく神経を使うけど――」
居場所を察知するよりも早く、亜人の鼠耳が寿の声を拾う。
響いた先は、耳元だ。彼が反射的に振り向くよりも早く、寿の拳銃がプレイスタルコスの胴めがけ、必殺の銃弾を放つ。宮毘羅と跋折羅、二挺の黒色拳銃で放つ『致死の一撃』のパラドクスだ。
「一度使えば、逃げても撃ち抜くわ」
極限まで昇華した集中力と、卓絶した射撃能力。
両手で拳銃を構えて撃つという、ただそれだけの、単純にして神がかった一撃はプレイスタルコスの鎧を容易く貫いて、その肉体に傷を刻む。小さな体に血を滲ませて、大地に着地するプレイスタルコス。その両眼には変わらぬ殺意と、燃えるような怒りが宿り、炎のような真紅に染まっていた。
『なるほど、多少は使いますねディアボロス。ですが……まだまだ』
「あら、頑張るわね。けれど、勝つのは私たちよ」
「そういうことにゃ。濡れ鼠のお礼、キッチリ返すにゃ!」
手負いとなったプレイスタルコスを前に、寿とタマ子もまた一歩も譲ることは無く。
次なる仲間へバトンを託し、復讐者の死闘はいよいよ佳境を迎えようとしていた――。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【水源】LV1が発生!
【おいしくなあれ】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!
御守・樹
アドリブ歓迎
うん、とてもシンプルだ。戦い方がわかりやすくていい。
さすがスパルタ、レオニダス一世の子の名を持つだけの事はある。
いいよねスパルタ、同じ時代の他の年に比べて女性の人権も高いし(むしろ他が無いみたいなとこあると感じた)
槍、だけどサリッサってファランクス前提だかの武器の発展形なのもあって、クッソ長いんだよなぁ。たしか陣形で使う時は突くというより上からたたく感じだったか?
単独で運用だとどういう動きになんのかな?そこのとこ注意して動こう。
相手はクロノヴェーダ。人外の動きが普通だと思った方がいいもんな。
光学迷彩を纏いぎりぎりまで近づいて不意打ちのアサシネイトキリングで攻撃。
うまくサリッサの穂先の射程以内に潜り込めれば、刺されるという威力は多少殺すというか十二分ではないとは思うけど、石突の事もあるから油断はしないようにしておく。槍術は棒術でもあり得るだろうし、打撲は地味に痛い。
左腕の籠手で受け止めるより受け流すようにしてダメージ軽減を狙う。
天破星・巴
アドリブ辻連携歓迎
残るは指揮官プレイスタルコスのみじゃ。
それにしてもネズミが指揮官とは、亜人共は大きい方が強いという訳でも無いようじゃのう。
むしろ群れで行動するネズミの方が指揮官に向いているということかのう。
配下の無能は指揮官の責任
つまりおまえは無能な指揮官であり
おまえのあるじも無能ということじゃな
おまえの王も先日欲を出して将を失ったが何も得られずじまいじゃ
鬼道・操鉄術『刀刃乱舞』
小太刀、太刀、大太刀等様々な刀を操り攻撃
時に切り裂き
時に突き刺し
時に峰で叩き
人の持てるニ刀以上の連続攻撃で畳み掛ける
足元がお留守じゃよ。
先ほどトロルを倒す時に【砂を使って】いたのをもう忘れたのかえ?
(敵の足元の砂を操り【不意打ち】で足を【捕縛】する【罠】を仕掛ける)
最後は背後から心臓を貫き通す不意打ちを狙う
切先諸刃造り小烏丸、切り裂くではなく突き刺しに優れた刀じゃ。
わらわは号令を発しなくても操作できるのじゃよ
石碑の押しつぶしは地面の砂を操り地面に潜ることでダメージ軽減
「さて。残るはおまえだけじゃの、プレイスタルコス!」
戦いがいよいよ佳境を迎える中、天破星・巴(反逆鬼・g01709)は対峙するアヴァタール級亜人に向かって、告げた。
復讐者と亜人、互いの戦況は未だ五分五分と言って良い。
しかし、今までに積み重ねてきた残留効果は、着実な力を巴にもたらしている。対するプレイスタルコスはクロノヴェーダであり、想いを積み重ねる力を持たない。どれほど戦いが熾烈に為ろうと、最後には復讐者が勝つことを巴は早くも確信していた。
「それにしても、ネズミが指揮官とは……亜人共は大きい方が強いという訳でも無いのかのう」
『たとえ強くても、総身に知恵が回らなければ無意味ということですよ。私の部下のようにね』
「ふふん、配下の無能は指揮官の責任。つまりおまえは無能な指揮官でありおまえのあるじも無能ということじゃな!」
巴の一言に、プレイスタルコスの双眸が俄かに怒気を帯びる。
『……私のザマは何とでも言えば良い。ですが、クラテロス様への侮辱は捨て置きませんよ』
「おお、これは訂正が必要じゃの。『あるじ』ではない、『あるじたち』じゃ」
戦場の空気が敵意と殺意に満ちていく。
一触即発の状況下、巴はなおも平然と言葉を紡いだ。
決定的な一言にして、両者の死闘を開始する、『その一言』を。
「おまえの王も先日欲を出して将を失ったが、何も得られずじまいじゃ。上も下も、亜人は無能ばかりじゃの!」
『ほざいたな、貴様! 我が王への侮辱、死をもって償え!』
プレイスタルコスの口から、怒りの咆哮が轟く。
それを戦闘開始の狼煙とばかり、対峙する両者のパラドクスが戦場を席巻していった。
逆説連鎖戦の開始と同時、戦場に現れたのは無数の刀刃であった。
巴の力で召喚された刀刃は、まさに剣林の二文字に相応しい数と偉容である。巴はそれを一つ残らず操りながら、輝く刃をプレイスタルコスへと向けた。
「さあ、畳みかけさせて貰うのじゃ。小ネズミよ、覚悟するが良い!」
『小賢しいわ! 潰れろ、小娘が!』
飛来する刀剣を物ともせずに、プレイスタルコスの反撃が巴めがけて放たれる。
同時、巨大な石碑が突如として宙より出現。恐るべき勢いで地面に突き立った石碑は重力を無視した軌道で横へ滑り、巴の体を吹き飛ばす。
「ふん、効かんのじゃ!」
地面に転がった次の瞬間には、もう巴は跳び起きていた。
なおも攻防の応酬を繰り返しながら、巴は余裕を崩さぬまま。心を揺さぶる言葉をプレイスタルコスへと投げ始める。
「ほれほれ、足元がお留守じゃよ」
『愚かな! それで挑発のつもりか!』
「ふふん、またしても訂正が必要じゃな。足元ではない、背中じゃ」
『何を――』
果たして、次の瞬間であった。
背後から何かがぶつかった感触と共に、亜人の全身を激痛が襲う。
悲鳴を上げることもままならず、必死に空気を求めて喘ぐプレイスタルコス。果たして彼が振り返った先に居たのは、一式二対のナイフで刺突を放った新手の復讐者――御守・樹(諦念の珪化木・g05753)の姿であった。
「どうだ? けっこう効くだろ、俺のアサシネイトキリングは!」
『ぐぐっ……貴、様……!』
気配を消し、接近した敵に致命打を浴びせるパラドクス。ダメージアップを込めた樹の一撃が与えた傷の深さを物語るように、プレイスタルコスの顔に浮かんだのは明白な焦燥の感情であった。
反撃で突き出されるサリッサにも、むろん樹が怯むことは無い。左腕の籠手で巧みに直撃を回避する彼の顔には、笑みさえ浮かんでいる。スパルタはレオニダス一世の子の名を奪ったアヴァタール級亜人――そんな敵を相手に戦う高揚が、そうさせているのだ。
「うん、とてもシンプルだ。戦い方がわかりやすくていい。相手にとって不足はないな!」
揺るがぬ勝利への信念を胸に、いっそう攻めの手を強める樹。
樹と巴による二人がかりの攻撃は、戦況を着々と復讐者の優勢へと運び始めていた。
樹のナイフとプレイスタルコスの槍。両者の刃が、互いの喉元を狙って火花を散らし合う。
間合いの概念を無視する逆説連鎖戦において、彼我の脅威は言わば互角と言って良い。パラドクスの力をもって、槍の射程へ瞬時に移動する樹。斬撃を浴びたプレイスタルコスが、即座に反撃の刺突を繰り出す。
(「……っ、流石しぶといな!」)
なおも一進一退の攻防を続けながら、樹は敵の生命力に目を見張らざるを得ない。
度重なる戦いでプレイスタルコスの全身は傷に覆われ、溢れ出る血は刻々と彼から体力を奪っている。にも拘らず、一向に衰える気配の無い猛攻と、それすら凌ぐ闘争心は、俄かに寒気を感じるほどだ。
「けど――!」
『貰ったぞ――!』
互いの視線がかち合う。言葉を紡ぐより早く、次なる行動を両者の体が選択する。
復讐者の男は、次の仲間へ託すために。鼠の亜人は、目の前の相手を殺すために。
そして――その差こそが、両者の勝敗を分かつ決定的な一瞬となった。
「もう、お前は終わりだ。プレイスタルコス!」
『ディアボロス! 死ねえェェェェッ!!』
ナイフと槍が火花を散らし、反撃のサリッサが殺意を込めて突き出された。
その一撃を篭手で辛うじて受け、樹が即座に合図を送る。攻撃準備を完了した巴へと。
「最後の一撃は任せる。派手な奴、頼んだ!」
「心得た! わらわの命に従い舞えよ刃、森羅万象を切り刻め!」
刹那、巴のパラドクスが戦場を満たし、数多の刀刃が一斉に動き出す。鬼道・操鉄術『刀刃乱舞』の力で操る刀剣は標的の全身を切り裂き、突き刺し、峰で叩き、そして、
「小烏丸よ、ゆけ!」
上空で軌道を変えた刀の刃が、ダメージアップを帯びて標的の肉体へとすべり込む。
鋭い白刃の切先は、亜人の背中を貫き、鼓動を刻む心臓を断ち、プレイスタルコスの息の根を完全に止めた。
『……む……無、念……』
地に突き立つサリッサにもたれ、そのまま絶命するプレイスタルコス。そうして戦場を包み込む静寂が、復讐者たちと亜人の死闘の決着を告げるのであった。
「ふうぅ、終わったの。中々に手強い敵じゃったが、お疲れ様じゃ」
「こっちこそ。これで、ペルガモンの攻略にまた一歩前進できたな!」
かくして戦いを勝利で飾ると、巴と樹は労いの言葉を交わし合う。
プレイスタルコスの部隊を撃破したことで、復讐者たちはペルガモンへの歩みを更に一歩進めた形だ。防衛網を敷いている『オーク将軍クラテロス』に戦いを挑むのも、もはや時間の問題だろう。
最終人類史への帰途に就きながら、巴と樹は遠ざかりゆく戦場をちらと振り返る。
亜人部隊が現れた道の果て、その地で遠からず始まるであろうクラテロスとの戦い。その決着が綴られる日は、着々と迫りつつあった。
「じゃが、負けはせぬよ。どのような強敵が相手でも――の」
「ああ。最後まで戦い抜いて、必ず取り戻してみせるさ」
大地を、歴史を、人類から奪った亜人たち。
侵略者たる彼らを残らず滅ぼし、かつての世界を奪還する決意を新たに、復讐者たちは帰還していった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
【平穏結界】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!