リプレイ

旗楽・清政
【翠緑の師弟】
たまに天正大戦国以外に出向いてみれば、よもやパラドクストレインが襲撃を受けようとは!
このまま座して、トレインを破壊されるわけにはゆかぬ。エスメラルダ、迎撃に出るでござるぞ!
パラドクストレインをディフェンスしつつ、【飛翔】にて飛行しながらの【空中戦】でござる。
敵からの攻撃に対しては、ビームシールド、五枚胴具足、闘気、二重の【ガードアップ】にて耐えるのみならず、
片鎌槍による受けや払い落とし、ビームカノン&ビームガトリングによる相殺も試みるでござるよ。
敵に対しては、リングスラッシャーの無数の光の輪が直接届けば良いが、
無理であれば攻撃の隙を見てビームカノン&ビームガトリングを撃ちかけると致そう。
何なら、急降下で地上の敵に突撃の後に片鎌槍で薙ぎ払い、すぐさま急上昇などもありやもしれぬでござるな。
何にせよ、例え深手を負おうともパラドクストレインは死守致す。
さらに、「そのような豆鉄砲で、それがしを墜とせるとは思わぬ事でござるぞ!」
と、【大声】で【挑発】致そう。声が届くかは不明なれど。

エスメラルダ・リベロ
【翠緑の師弟】
(常時軍人モード)
パラドクストレインが襲撃される、か。乗っていたのが私と清政殿だったのは、運が良いのか悪いのか。
何にせよ、トレインを破壊されるわけにはいかんな。危険であろうが何だろうが、迎撃に出るとしよう。
清政殿の用意した【飛翔】を借りつつ、トレインを挟んで清政殿と対になる位置で【空中戦】だ。
当然、パラドクストレインは私もディフェンスするぞ。
敵からの攻撃に対しては、緑の大盾、「肥後」の艤装で受け止め、
さらにはオーラフィールドや二重の【ガードアップ】を頼りにダメージを軽減するぞ。
さらに、三連装砲塔四基と三連装機銃二基での砲撃・銃撃による迎撃・相殺も試みよう。
敵に対しては、ハイメガ・デリシャス・キャノンが直接届けば良いのだがな。
無理ならば、敵の攻撃が緩んだ隙を狙って、十二門の主砲で砲撃してやろう。
緑の大盾と肥後の艤装の堅牢さには、伊達ではないと言う自信はある。
それでも、どうなるかは分からんが――清政殿と同じく私も、例え深手を負ったとしても、パラドクストレインは死守してやるさ。
メルキディア・セデクリエル
アドリブ・連携大歓迎
とうとう直接攻撃の手を使ってきたのね……
私達ディアボロスにとってパラドクストレインは戦略の要にして希望。絶対に落とさせはしないッ!
壁閃機ベイルマウアーを構えてトレインから離れる様に飛び出す。
それと同時に空中でフォートレス・パンツァーを発動させ、パラドクストレインを護るように城壁を展開させるわ。
そうすることで「パラドクストレインをディフェンス」
ヴァンパイアノーブルたちの攻撃からパラドクストレインへの直撃をフォートレス・パンツァーで跳ね返していく形でまもっていくわ。
多少の牽制としてキャノンオブシェキナー・バスターによる重粒子砲で相手の攻撃の撃ち落としてダメージを少しでも抑えておきたいわね。
何はともあれ救援機動力による仲間の手助けが来るまでパラドクストレインは死守するわよ!
車輛が軋みを上げ、断続的な破壊音が轟く。
それはクロノヴェーダの攻撃が、パラドクストレインを削り取る音だ。
車窓から見下ろした大地には、群れを為して襲撃を行うヴァンパイアノーブルたちの姿。規律正しく組まれたその隊列は、今回の襲撃が敵の仕組んだ罠であることを雄弁に告げていた。
「大事ないか、エスメラルダ!」
「ああ、問題ない……!」
大きな振動に備えて姿勢を下げた旗楽・清政(知勇兼備の昼行灯・g08816)に、エスメラルダ・リベロ(蒼海に輝く翠緑・g10981)が軍人口調で即答を返した。
師匠である清政ともども、エスメラルダは天正大戦国を主戦場とする復讐者だ。それが今回、滅多に出向くことの無い他のディヴィジョンへ足を運ぼうとした矢先に今回の襲撃である。つくづく運が良いのか悪いのか――苦笑する暇も無く、彼女は清政と共にドアへと急ぐ。
「トレインを破壊されるわけにはいかんな。危険であろうが何だろうが、迎撃に出るとしよう」
「うむ、このまま座して敗北を待つ気など毛頭なし。パラドクストレインを守らねば!」
敵の攻撃が止む気配は未だ無く、更に激しさを増している。
このままでは車輛がもたないことは、もはや誰の眼にも明らかだ。程なくしてドアの前へ辿り着くと、清政は非常用のドアコックを一息に下ろした。
「むうんっ!」
ガゴン、と鈍い音が響き、ドアが開放される。
吹き込む冷風に晒されながら清政はビームシールドを展開。先行する合図をエスメラルダに送った。
清政は車輛の右側へ、エスメラルダは左側へ。二人で両側をディフェンスして守っていく作戦だ。
「まずは、それがしが飛翔で先行いたす。車輛の護衛を最優先に致すぞ」
「ああ。仲間たちは必ず来る。それまで絶対に耐え抜いて見せるさ」
そう言って清政へ頷きを返すエスメラルダの瞳に宿るのは、揺るがぬ信頼の光だ。
今までに幾多の戦場を、多くの復讐者たちと潜り抜けて来た。だからこそ彼女は信じている。いや、知っている。
仲間たちが必ず、自分たちを助けに来てくれることを。その為に今、何を為すべきかを。
「ヴァンパイアノーブルなどに、この車両を落とさせはしない。行こう、清政殿!」
「うむ、よくぞ申した。では――いざ参らん!」
飛翔を発動した清政が、大空へ身を躍らせる。
続けて反対側の出口からエスメラルダが飛び出すと同時、敵の猛攻が恐るべき勢いで二人を襲い始めた。
多数の敵が展開する戦場において、飛翔の使用は多大なリスクを伴う。
これは復讐者であれば誰もが知る常識であり、清政とエスメラルダも当然その例外ではない。そのリスクを承知で大空へ飛び出した二人が最初に見たのは、地上に展開するヴァンパイアノーブルの大群であった。
『ディアボロスを発見、数は二名!』『攻撃せよ!』
青い制服に身を包む皇帝官房第三部の少女たちが、その手を一斉に復讐者へと向けた。
地中から次々と出現する鋼鉄の鎖。不気味な金属音を奏でながら襲い来るそれを、エスメラルダは即座に自身の肉体を盾と為して受け止めた。
「これ以上、パラドクストレインに手は出させん……っ!」
次々と襲来して来る鎖がエスメラルダを束縛し、その全身に傷を刻み込んでいく。
ガードアップを発動して硬化した体にも、敵の攻撃は容赦なく浴びせられる。後から後から押し寄せる鉄鎖を防ぎながら、エスメラルダは叫ぶような声で告げた。
「清政殿、そちらは平気か!?」
「大事なし!」
その言葉通り、清政もまた己を盾と為して懸命に戦っていた。
上空を飛翔する行動を二人で取ったことが幸いし、車輛のダメージが軽減されていく。これで当分、パラドクストレインが落ちる心配は無いだろう。
だが其れは、言い換えれば車輛のダメージを二人が肩代わりしていることと同義。いずれもパラドクスによる反撃こそ行っているが、敵の攻撃は尚も圧倒的だ。このままでは、いつかは押し切られることは明白だった。
そう。このままでは、いつか押し切られる。
だが、結論から言えば、その『いつか』が来ることは無い。
何故ならば――この作戦の参加者は、全部で『三人』いるからだ。
飛翔で戦う清政とエスメラルダ、その二人へ集中した攻撃の隙を縫うように、今まさに空中を降下する人影がひとつ。
彼女こそ三人目の復讐者、メルキディア・セデクリエル(閃機術士のエンジェリアン・g03132)に他ならない。
「パラドクストレインは戦略の要にして希望。絶対に落とさせはしないッ!」
灰色の空に、翡翠色の輝きが煌めいた。
清政の武装とも、エスメラルダの武装とも違う色を帯びた其れは、メルキディアの大盾型閃機『壁閃機ベイルマウアー』が展開する念動力バリアの光であった。その輝きに敵が目を奪われたのも一瞬、即座に攻撃の矛先をメルキディアに切り替えようとするも――壁閃機の動きは、更に速い。
「行くわよ! 大地の城壁に守護天使の護りをッ!」
同時、壁閃機の展開するバリアが城塞の如き壁へと変じた。
パラドクス『フォートレス・パンツァー』。力場を反転させて振るう光の盾は、車輛を守る盾さながら、威圧を帯びながら第三部の少女たちを圧倒していく。
敵もまた瞬時に態勢を建て直し、再び攻撃を開始するが、その勢いはメルキディアによって大きく削がれつつあった。
「私も加勢させて貰うわ。仲間の手助けが来るまで、何としても死守しましょう!」
「うむ! 我らディアボロスの力、今こそ見せる時!」
「ヴァンパイアノーブルども! この程度でパラドクストレインを、私たちを落とせると思うな!」
車輛を守る復讐者は全部で三人。加えて、その全員がガードアップを発動。
そして、更に――メルキディアの攻撃で僅かに乱れた敵の足並みを、清政とエスメラルダは見逃さなかった。敵の眼を引き付けるべく、飛翔を駆使したまま敵への攻撃を開始したのである。
「受けよ、リングスラッシャー!」
「美ーーー味ーーーいーーーぞーーー!!!」
清政は回転する光輪。エスメラルダは携帯食のバター餅を食した美味の感動で放つ、ビーム状の光条。
地上へ降下していくメルキディアと、上空を飛翔する二人の猛攻によって、敵の注意は次第にパラドクストレインから確実に離れつつあった。
三人の復讐者が行う攻撃によって、ヴァンパイアノーブルの隊列が俄かに乱れる。
滞空と降下、攻撃の矛先を二つに分けたことで、その混乱は更に加速していった。
「そのような豆鉄砲で、それがしを墜とせるとは思わぬ事でござるぞ!」
清政がビームシールドを輝かせ、三重のガードアップを盾と為し、攻撃と反撃で絶え間なく光輪を射出しつつ、牽制とばかり片鎌槍を勢いよく振るい続ける。
「緑の大盾と肥後の艤装! 私の武装の堅牢さ、伊達ではない!」
車両を挟んだ反対側では、三連装砲塔四基と三連装機銃二基を駆使したエスメラルダが、これまた牽制で砲撃と銃撃を戦場に轟かせ続けていた。幸いというべきか、持ち込んだバター餅が尽きる気配は全く無い。
「砲閃機キャノンオブシェキナー・バスター、発射!」
メルキディアもまた、負けてはいない。
重粒子砲を号砲さながらに大空へ放ち、ヴァンパイアノーブルたちを前に一歩も退かずに戦闘を続行する。展開する力場で行う敵との戦闘と、上空に浮かぶ車両のディフェンスを、傷だらけの体で継続しながら。
「まだまだ! 私たちは負けないわ!」
「それがしらを討ちたくば、ジェネラル級でも連れて参れ!」
「私の闘志が凍てつくことは、決して無い。そう、このバター餅のようにだ!!」
大声での挑発、牽制を交えた逆説連鎖戦。そして、車輛のディフェンス。
それら全てを、三人の復讐者たちは負傷も構わず果敢に続けて。そして復讐者とヴァンパイアノーブルが、さらなる攻防を繰り広げること暫し――。
待ち望んだ瞬間は、訪れた。
「……! 見て、応援が来たわ!」
ヴァンパイアノーブルたちの隊列の彼方、迫る人影を指さしてメルキディアが叫ぶ。
其れはまさしく、救援機動力で駆けつけた応援の復讐者の姿。同時、それまで戦っていた三人の視線が、ほぼ同時に上空のパラドクストレインへと向けられる。攻撃を受け続け傷だらけとなった車輛は、未だ破壊されていない。
清政、エスメラルダ、そしてメルキディア――三人の奮闘は今この瞬間を以て、大成功という形で結実したのである。
「さて、ここからは反撃の時間にござるな!」
「ああ。覚悟するがいい、ヴァンパイアノーブルども!」
清政とエスメラルダが、戦意を漲らせた雄叫びを轟かせる。
同時、メルキディアもまた、駆けつけて来る仲間へ無事を報せるように、砲閃機の砲口を大空へと向ける。
応援への感謝と、そして反撃の狼煙を込めて。天使の魔創機士が放つキャノンオブシェキナー・バスターが、決意の号砲となって――今、戦場に轟いた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
【セルフクラフト】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV3が発生!

エスメラルダ・リベロ
【翠緑の師弟】
(常時軍人モード)
※エルゼをディフェンス。私も清政殿にこうされて育てられてきたのでな。
パラドクストレインの破壊阻止には、成功した。
後は、このような手は通じないと教えてやらねばな。
龍の逆鱗に触れられたと言う清政殿の例え、今ならばよく理解出来る。
身体中から、戦意のオーラを立ち上らせよう。
今回は、私が先に仕掛ける。
【絶海砲戦】で、奴等の戦列を大いに乱してやる。
重装型戦艦級海戦装『肥後』に据え付けられた、試製大口径三連装砲塔四基の火力――存分に味わえ!
反撃の鎖については、拘束自体は気にしないさ。動けなくなるなら固定砲台になるまでだからな。砲撃さえ出来れば構わんよ。
それでもダメージを受けないに越したことはないから、緑の大盾、肥後の艤装、オーラフィールド、さらには三重の【ガードアップ】を駆使して、ダメージの軽減は試みるぞ。
さあ、往け――清政殿!
私の砲撃で戦列を乱した奴等を、【家臣団突撃】で殲滅するのだ。
なお、万一清政殿の突撃でも奴等が生き残るなら、私がまた砲撃を仕掛けて清政殿が突撃だ。

旗楽・清政
【翠緑の師弟】
※エスメラルダの時と同様、先達として後進のエルゼ殿をディフェンス。
それがしらディアボロスと貴様等クロノヴェーダとの間に在るは、とどのつまりは戦。
なれば、パラドクストレインを狙うも確かに一手ではあろう。
されど――しくじった時にどうなるかも、考えておくべきでござったな。
貴様等の所業は、龍の逆鱗に触れたが如きもの。その報いは、受けてもらわねばな。つまりは――鏖よ。
さて、此度はエスメラルダを先に動かすと致す。
エスメラルダの【絶海砲戦】により敵が戦列を乱したところで、
それがしが【家臣団突撃】を仕掛けると言う算段でござるよ。
「一人として、生かして帰してはならぬ! かかれぇ! かかれぇー!」
戦場中に、大音声(【大声】)を響かせるでござるよ。
死神の声の如く、思わせられればよいでござるな。
反撃の鋼鉄の鎖に対しては、闘気と具足と三重の【ガードアップ】にてダメージを抑えて耐えると致そう。
拘束については力尽くで引き千切らんとするでござるが、仮に動けなくなろうとも、逆説連鎖戦ならば問題はないはず。
エルゼ・シュヴァイツァー
立場【2】で参加。
【人物】
ゾルダートに滅ぼされたドイツ先住民族『鴉の民』の最後の一人であるシャーマン。
性格は基本的に大人しく友好的。
【行動とか】
移動の要たるパラドクストレインを直接狙うとは、ヴァンパイアノーブルとは侮り難き難敵。
一刻も早くお味方を助けねばなりませんね。
「お待たせしました皆様、これより加勢いたします」
とは言え、先のお二人は私をディフェンスして下さるそう。
面目ない…。その分、戦働きにて報いましょう。
敵方は金気の得物が多い様子。
偏向式霊気障壁の属性は火とします。
なにやら砲撃により敵の陣を崩した後、突撃を仕掛けて討ち取る算段とのこと。
ならば我が散華にて突撃を援護しましょう。
周囲の光を集め、光の花弁とし、風に乗せて敵群へと放ちます。
“清らかな 水面に映えて 散る華を 死出の門出の 風に手向けや”
メルキディア・セデクリエル
アドリブ・連携大歓迎
引き続き【1】の立場で参加
良し、反撃の狼煙は上がったわ。
此処からトレインの防衛線を押し上げて蹴散らしていくわよ!
エスメラルダさんの絶海砲戦からの清政さんの家臣団突撃に合わせ、私も海戦装閃機エスコートベッセルを展開・装着しながら突撃していく。
清政さんの家臣団とは別方向から先陣を切って突撃しーー「護衛艦のパワーを持ったこの鉄拳に耐えられるかしら?」
そう言って皇帝官房第三部をエスコートベッセルの機械腕で殴りつける
反撃で押収しようとするけれど、生憎コレは私の天使の力がないと性能を発揮できない。
たとえ再現されたとしても、嵐の天使の力を御せるなんて思わない事ね!
そう吼えてフォーマクス・ハリケーンを発動
嵐に乗せる様に相手を投げ飛ばして派手に蹴散らしていく
そうして相手を撹乱するように派手に暴れて遊撃する形で迎撃していくわよ!
『ディアボロスと思しき敵が、後方より接近
!』『……っ、こちらでも確認した。迎撃を優先する!』
戦場に展開した『皇帝官房第三部』の間に、微かな動揺が走る。
パラドクストレインの破壊に失敗し、新たな復讐者が応援に駆けつけた――その事実は、彼女たちヴァンパイアノーブルの有利が失われることに直結するからだ。
応援の出現は、即ち新たなパラドクストレインの到着と同義。それは同時に、復讐者が更なる戦力をこの戦場に送り込めることを意味している。である以上、ヴァンパイアノーブルの優位性は、時間が過ぎるほどに失われるだろう。
もはや、車輛の破壊に専念できる状況ではない。
その事実を把握し、第三部の少女たちが選んだ行動は復讐者の迎撃だった。
『我々に敗北は許されない! 集中攻撃で仕留める!』
数の優位は未だヴァンパイアノーブル側にある。ならば復讐者の応援が到着する前に、力ずくで押し切る――第三部の少女たちはそう考えたのだ。
だが、彼女たちは知らない。状況は既に、ヴァンパイアノーブルにとって『詰み』に近いことを。
その事実を告げるように、復讐者の少女が凛と声を響かせる。
「お待たせしました皆様。――これより加勢いたします」
彼女こそ、エルゼ・シュヴァイツァー(最後の大鴉・g11192)。車輛を守り抜いた仲間たちを救援すべく駆けつけた、応援部隊のメンバーであった。
救援のパラドクストレインで戦場へ到達したエルゼ。そんな彼女の眼には、いま三つのものが映っていた。
ひとつは、僅かな動揺から立ち直り、迎撃態勢を整え始める第三部の少女たち。
ひとつは、傷だらけの車体で戦場をゆっくり離脱していくパラドクストレイン。
ひとつは、そんな車輛を守り抜き、第三部の少女たちと対峙する仲間の復讐者たちである。
「……良かった。間一髪、間に合ったようですね」
状況を瞬時に把握して、エルゼはすぐさま仲間たちの下へと合流していく。仲間が無事だったことへの安堵、それと同時に彼女の心に生じるのは、ヴァンパイアノーブルたちへの強い警戒心だった。
移動の要であるパラドクストレインを狙い撃ちにする――この事実ひとつ取っても、敵が侮りがたい難敵であることは十分に感じ取れる。掌に滲む汗を無意識に拭い、エルゼは気を引き締めた。
(「新宿島に漂着して、いまだ復讐者として戦闘経験の無き身……何としても負けられません」)
彼女の脳裏に去来するのは、かつてクロノヴェーダに故郷が滅ぼされた時の記憶であった。
奴らと同じ『パラドクス』という力を行使する敵と、これから自分は戦わねば為らない。その事実を前に、緊張や気負いはどうしようもなく生まれる。敗北の不安も、ゼロだと言えば嘘になる。
しかし、そうした不安をエルゼが払拭するのに時間はかからなかった。彼女を見つめる二人の復讐者――旗楽・清政(知勇兼備の昼行灯・g08816)とエスメラルダ・リベロ(蒼海に輝く翠緑・g10981)の眼差しが、無言のうちに告げていたからだ。フォローは任せて全力で戦え、そうして必ず全員で帰ろうと。
体の芯から湧き上がる闘志を感じながら、エルゼが二人に目礼を返す。そうして抱くのは、勝利への決意であった。
「面目ない……その分、戦働きにて報いましょう」
そんなエルゼに、清政とエスメラルダも無言の頷きで応じた。
既に彼らは戦闘準備を完了し、第三部の少女たちを前に攻撃の機を伺っている。
即座に応戦できる態勢を整えた二人は、その余裕を現すように交わすのは、エルゼに関する話である。
「恥ずべき戦いは見せられん。先達として責任重大だな」
「ふふ。お前もその気持ちが分かるようになったか、エスメラルダよ」
「確かに悪くはない、立場の重さも含めてな。……さて、不埒な敵に教えてやるか。待ち伏せなど通用せんことを」
戦意のオーラを帯びたエスメラルダの手によって、海戦装が展開されていく。
幾多の砲門が第三部の少女たちを捉えるなか、彼女の心に訪れたのは深い感慨であった。かつて守られる立場であった自分が、今は守る立場に――それは彼女が得た力と、責任の重さを雄弁に物語るものだ。
海戦装の展開完了と同時、清政が片鎌槍を敵群へ突きつける。彼の口から紡がれるのは、明白な殺意を帯びた言葉だ。
「パラドクストレインを狙う一手、よう考えた。されど――しくじった時のことも、考えておくべきでござったな」
『……っ』
隊列を整えた第三部、その先頭の少女たちが殺意を帯びた眼で睨み返した。
そんな視線をものともせず、清政はなおも告げる。即ち、お前たちの所業は、龍の逆鱗に触れたが如きもの。その報いを、今から受けて貰うと。
「つまりは――鏖よ」
その一言を合図に。
復讐者と第三部、両者の戦いの火蓋を、清政の放つ殺気が叩き切った。
かくして戦闘が幕を開けると同時、戦場に満ちゆくのは膨大な音の洪水であった。
第三部のパラドクスで呼び出された鋼鉄の鎖が、凍てつく大地から次々と飛び出しているのだ。
鉄の蛇さながら鎌首をもたげ、復讐者を拘束せんと狙う鎖の群れ。エスメラルダは清政に先んじて攻撃準備を完了すると、重装型戦艦級海戦装『肥後』の砲門を第三部へと向けた。
「その戦列、乱してやろう。――行くぞ!」
そうして始まったのは、砲撃と鉄鎖の飛び交う逆説連鎖戦だ。
轟音が大地を揺さぶる中、突撃の機を伺うように動き出す清政。そんな姿を見て、エルゼもまた直ぐに察する。砲撃で敵の隊列を乱し、崩れたところへ突撃を仕掛けて撃破する――それが、今回の復讐者たちの作戦であると。
「……それなら!」
エルゼは更に考える。
エスメラルダの砲撃は強力だが、敵の頭数は未だ健在。自分が今すべきは突撃を確実なものとするべく、砲撃に加わり敵の隊列を乱すことだ――!
「援護させて貰います。――清らかな 水面に映えて 散る華を 死出の門出の 風に手向けや」
果たして、考えるよりも先に身体は動いていた。
戦場の光を魔術で凝縮させ、形作るは光の花弁。それを風に乗せて、エルゼは敵陣めがけて解き放つ。
パラドクス『散華』の光が、第三部の少女たちを包み込んだ。命中アップに導かれた花弁の嵐は煌めきを放ちながら戦場を舞い、捉えた敵を次々と消滅させていく。反撃で飛んで来る尋問のパラドクスも、積み重ねたガードアップの効果によって、既に脅威とはなり得ない。
「このまま、押し切れれば……!」
『被害が拡大……だが、戦闘を継続する!』『我々に敗北は許されない!』
偏向式霊気障壁を展開しながら、攻撃を続けるエルゼ。
そんな彼女を庇うように清政ともども立ち回りながら、攻撃の勢いは一切衰えないエスメラルダ。
だが、対する敵の抵抗も思った以上に熾烈だ。もはや自分たちには後が無いことを承知しているのだろう。一進一退の状況が続く中、エルゼの頬を一筋の冷汗が伝った。
押してはいる。だが決定的な一打が足りない。あと一押し、それがあれば押し込めるのに――心中に生じた焦燥が、彼女の心をじりじりと焦がすかに思われた、しかし次の瞬間である。
「さあ、準備完了。反撃の狼煙は上がったし、蹴散らしていくわよ!」
新たに戦場に木霊したのは、メルキディア・セデクリエル(閃機術士のエンジェリアン・g03132)の声であった。
清政やエスメラルダと共に車輛を防衛していた彼女は、装着した海戦装閃機エスコートベッセルの展開を完了。まさに最後の一矢となって、敵の隊列へと突撃を開始していく。
突き進む道は、清政の其れを離れた場所。その狙いは敵の注意を分散させ、後続の突撃を容易にさせることだ。
海戦装閃機の巨大な機械腕が術式に反応し、戦場に嵐を巻き起こす。その力は留まるところを知らず、メルキディアが紡ぐパラドクスによってさらに勢いを増し始めた。
それこそが、敵陣を蹴散らす暴風――『フォーマクス・ハリケーン』である。
「アイオンコード:ザキエル、ドライブ! 熱き怒りの嵐を抱いて、正義の疾風(かぜ)よ巻き起これ!」
機械腕を唸らせ、疾駆するメルキディア。
その突撃は、強固な壁を撃ち貫く破城槌さながら敵の隊列へ食らいつき、次々と敵を機械腕で鷲掴みにしていく。
『……――!』
「まとめて吹き飛ばしてあげるわ!」
突然の衝撃に泡をくう少女たちを襲ったのは、機械腕の強烈かつ容赦なき高速回転だ。
瞬時に速度を増した回転によって、戦場を竜巻のごとき嵐が荒れ狂う。捻りを加えた投擲と、嵐の力に弄ばれた少女たちは為す術無く戦場の彼方へ投げ飛ばされ、抵抗らしい抵抗も許されない。鎧袖一触――メルキディアの戦いぶりは、まさにその一言に尽きた。
「まだまだ! こんな程度で、止まりはしないっ!」
掴み、投げ飛ばし、撹乱し――衰えることを知らぬまま、敵の隊列で大暴れするメルキディア。
その視線がちらと向いたのは、戦場に駆けつけて奮戦を続けるエルゼの姿であった。
(「あの復讐者……私と同じ旅団の所属かしら。だったら猶更、カッコ悪いところは見せられないわね!」)
着実に数を減らしていく敵の隊列は、もはや崩壊寸前と言って良い状況だ。なおも果敢な反撃で、機械腕を押収せんと迫る少女を前に、メルキディアは不敵に笑ってみせる。
「生憎コレは私の天使の力がないと性能を発揮できないの。嵐の天使の力を御せるなんて思わないことね!」
『くっ……構うものか! その凶器を証拠物件として押収する!』
そうして放たれたのは海戦装閃機の其れと似た、しかし明白に力の劣る嵐。
敵の反撃をメルキディアは難なく耐え凌ぐと、そのまま仲間たちへ合図を送る。今こそ好機、一斉攻撃で押し切る時だ!
「チャンスよ、一斉に攻め込みましょう!」
「承知した! ヴァンパイアノーブルども、試製大口径三連装砲塔四基の火力――存分に味わえ!」
エスメラルダの海戦装が、『絶海砲戦』のパラドクスを発動する。
高火力・重装甲に特化した肥後の砲撃は最大出力、轟音と共に一斉発射を繰り出した。その猛攻を前にして、第三部の少女たちに成す術などある筈もなく。真面な抵抗も出来ぬまま次々と消し飛び、戦場に屍を晒していく。
そして――ついに、契機となる瞬間は訪れた。
エルゼの援護、メルキディアの突撃、更にはエスメラルダの砲撃。
三人の攻撃に敵の隊列は今や完全に崩壊し、統制を失った状態だ。その好機を伝えるように、エスメラルダは叫ぶ。彼女の後方、この瞬間を待っていた一人の復讐者へ。
「さあ、往け――清政殿!」
「うむ。家臣団、突撃せよ!」
エスメラルダの絶叫と、清政のパラドクス。その二つが、同時に戦場を席巻する。
発動された『家臣団突撃』の力で顕現した戦国武者たちを背に従えて、清政が鬨の声を響かせていく。第三部の少女たちの敗北を告げるように。復讐者の勝利を歌うように。
「一人として、生かして帰してはならぬ! かかれぇ! かかれぇー!」
『く……こ、これ以上被害を受けては……!』
それは敵にとって、さながら死の宣告に聞こえたことだろう。
清政が大音声で飛ばす号令一下、旗印を掲げた家臣団が残らず敵陣へと殺到する。そこへ続くのはエスメラルダとエルゼ、メルキディアによる更なる追撃だ。
「龍の逆鱗に触れられたと言う清政殿の例え、今ならばよく理解出来る。さあ最期だ、ヴァンパイアノーブルども!」
「ここは、弱った敵を優先して狙いましょう。そこ、逃がしません」
「護衛艦のパワーを持ったこの鉄拳に耐えられるかしら? 受けなさい!」
それからも、復讐者たちの攻勢は衰えること無く暴れ狂い――第三部の少女たちが一掃されるのに、さしたる時間を要することは無かった。
戦場を包む静寂に、鉄鎖の音が響くことは最早ない。
一人の脱落者を出すことも無く、トループスとの戦いを制した復讐者たち。果たして彼らの眼前には、今や一体の敵が残るのみだ。敵部隊の指揮官である『学士卿イワン・パブロフ』その者である。
『まさか、此方の襲撃が失敗するとは。……だが、このまま撤退するなど許されるものか!』
明白な劣勢を目の当たりにして尚、イワンの戦意は旺盛だ。
執念深い殺意を宿した眼光と共に、戦闘態勢を取るアヴァタール級ヴァンパイアノーブル。その彼と対峙しながら、復讐者たちは次なる行動を開始するのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水面走行】LV1が発生!
【防衛ライン】LV2が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV4になった!
【能力値アップ】LV1が発生!
レイラ・イグラーナ
【2】で参加
元よりラスプーチンとの同盟の価値は薄くなってきてはいました。
私たちがサンクトペテルブルク攻撃を始めても、モスクワに籠るようならば後回しのつもりでしたが……動いてきたならばこちらも相応の動きをかけなければなりませんね。
駆けつけ、トループス級を皆様が排除したところでアヴァタール級へと話しかけます。
トレインは……大きな損害はないようですね。
私たちの攻撃を完全に見切っての迎撃行動、やってくれますね。
あぁいえ、貴方に申し上げているのではございません。
もちろんサンクトペテルブルクに居るだけの方々にでもございません。
私は「頭」を褒めているのであり……頭の指示通りに動いただけの手足など、いくらでも替えが効くものでしかないのですから。
ラスプーチンよりの指示さえ受ければ、それを受けて行動するのが貴方の上司でなくとも、迎撃の指揮を執るのが貴方でなくても良かった。
違いますか?
挑発をしつつ「指示をしたのはラスプーチン」と決めつけ、それに対して反応からラスプーチンが指示を出したという言質を引き出します。
復讐者の身を挺した戦いで、危機を脱したパラドクストレイン。
それが今、上空でゆっくり速度を上げて戦場を離脱しようとしていた。
車輛を破壊せんと目論んだトループスは悉くが撃破され、攻撃を続行することは叶わない。状況が復讐者側にとって優勢であることは、もはや誰の眼にも明白だ。
「ふむ……トレインに、大きな損害はないようですね」
最悪の事態を免れた光景を仰ぎ見て、レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)が安堵の言葉を呟く。
防衛を終えて、トループスを退けた今、後は指揮官を倒すのみ。標的の『学士卿イワン・パブロフ』に鋭い視線を向けて、レイラは言葉を紡ぎ始めた。
全ては、この襲撃作戦を立案した幕の情報を得る為に――。
「私たちの攻撃を完全に見切っての迎撃行動、やってくれますね」
『……っ』
レイラが紡いだ言葉に、イワンは唇を噛んだ。
その表情には、復讐者への怒りと憎悪が隠しようも無く滲んでいる。罵りの言葉を返さないのは、この状況で何かを言ったところで負け惜しみでしか無いことを承知しているからだろう。
そんなイワンを片手で制し、レイラの言葉はいっそう挑発の色合いを帯びていく。
「あぁいえ、貴方には申し上げておりません。勿論、サンクトペテルブルクに居るだけの方々に対しても同様でございます」
無論、単なる挑発ではない。
イワンから冷静さを奪いつつ、彼の上に居るであろう存在についてもレイラは言外に仄めかす。
この襲撃を行った黒幕の正体など、こちらは御見通しだ――話を聞いた敵の心を、巧みに誘導するように。
「私は『頭』を褒めているのです。指示通りに動くだけの手足など、幾らでも替えが効くものでしかないのですから」
頭――すなわち黒幕がラスプーチンである可能性が高いことは、レイラを始めとする復讐者も承知している。
故に、ここでイワンから情報を聞き出すことは非常に重要と言えた。
襲撃の実行犯が情報を吐けば、それは黒幕を追い詰める重要な手掛かりだ。具体的な名前は決して出さず、それでいて誰のことかは分かるように。イワンを挑発で揺さぶりながら、レイラはラスプーチンの動向に思いを巡らせる。
(「元より、彼との同盟価値は薄くなって来てはいました。私たちがサンクトペテルブルク攻撃を始めても、モスクワに籠るようならば後回しのつもりでしたが……」)
黒幕が彼である決定的な証拠を掴んだなら、相応の動きをかけねば為らない。
氷の如く冷たい決意を赤い双眸に宿し、レイラの舌鋒は鋭さを増していく。
「彼の指示さえ受ければ、行動するのが貴方の上司でなくとも、指揮を執るのが貴方でなくても良かった。違いますか?」
『……ふん、何もかも御見通しか。ああ、そうだとも』
そして――そんなレイラの言葉に、とうとう観念したように。
苦り切った表情を浮かべたまま、イワンは黒幕の名を告げた。
『この作戦は、ラスプーチン様の立案だと聞いている。私は彼から直接命令を受けた訳では無いが、こうも簡単に奇襲が成功した以上は信じざるを得ない』
死んだと言われた筈の彼が生きていた――その情報を聞いた時は驚いたと苦笑しながら、イワンは言う。
イワン自身、最初は生存の情報に半信半疑だったこと。それが今回の奇襲成功で確信に変わったことを。
『ラスプーチン様が、お前たちディアボロスの情報を収集していたという話は本当だったようだな。やはり、いざという時に頼りになるのは、あの御方だ!』
「良いでしょう。上々の収穫です」
怒りと無念をぶちまけるように叫び、戦闘態勢を取るイワン。
そんな彼に向けるレイラの声も、一層冷たく。
黒幕の情報を掴んだ今、すべきことは只一つ。即ち、眼前の敵を討つことのみであった。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
エルゼ・シュヴァイツァー
引き続き立場【2】で参加
……大まかな事の顛末は聞き及んでおりましたが、どうやら此度のパラドクストレインへの襲撃はやはりラスプーチンなる者が画策している様子。
だとすればラスプーチンとは恐るべき策士に思われます。
しかしまずは眼前の戦に集中しましょう。
「そうですか、そうですか。それはたいへんに結構。
しかしこの有り様では奇襲が成功したとは言い難いでしょう」
敵は何やら毒を持つ犬と怪音波を操る様子。
偏向式霊気障壁の【結界術】で音波を防ぎつつ、犬に噛まれぬように立ち回りましょう。
「我らが蜜月も終いといたしましょう……」
本来は禁じ手ですが、相手もまた魔性の者ならばやむなし。
目隠しを取り、深淵からの眼差しにて
【呪詛】を送ります。

旗楽・清政
【翠緑の師弟】
※立場は引き続き【1】
※エルゼ殿も、引き続きディフェンス
それがし、此処の情勢には疎い故、とりあえずこの場においては
ラスプーチンと言う名は此度の仕掛人として覚えておくのみと致す。
それよりも、まずは此奴の始末が先なれば。
では、此奴の方を向き告げるでござるよ。
奇襲に成功? これは異なことを言う。
パラドクストレインの破壊か、それがしらの殺害か、
その何れかが為されてこそ、奇襲が成功したと言うべきでござろう。
つまり、貴様等はただ奇襲を行ったのみで、成功などさせてはおらぬ。
さて。鏖と言うたが、貴様もその例外にあらず。
むしろ、この場における大将首なれば、逃さず頂戴致す所存!
実際の攻撃のタイミングについては、レイラ殿が隙を作るか、
メルキディア殿が突撃した後かを狙うと致そう。
何れにせよ、出来た隙を衝いて、翠緑の疾風を仕掛けると致す。
無論、この後にはエスメラルダの追撃が待っておる。
敵のハウンド・ファングに対しては、四重の【ガードアップ】、
五枚胴具足、闘気による守りを以て耐え抜くと致そう。

エスメラルダ・リベロ
【翠緑の師弟】
※立場は引き続き【1】
※エルゼも引き続きディフェンス
ラスプーチンについては、私も清政殿同様に此処の情勢には疎いのでな。
今は、今回の黒幕とだけ覚えておくとするさ。
そして、奇襲が成功したかどうかについては、私も清政殿と同意見だ。
確かに、貴様等は奇襲を行うだけは行ったのだろう。
だが、何の成果も得られていないのは、理解しているか?
軍事的な作戦と言うものは、成果を得てこそ意味があるのだ。
貴様等の奇襲は、「何の成果も得られていない」のだよ。
そして、ラスプーチンとやらもおそらくそう断じるだろうな。
とは言っても、学士風情にはわかるはずもないか。
……と、最後は少し煽りを入れておこう。
逆上して多少でも隙ができれば儲けものだ。
実際の戦闘では、私は清政殿が動くのを待つぞ。
清政殿が突撃した直後に、ヴェルデ・フィナーレで追撃だ。
十二門の大口径砲からの集中砲火、その身に受けるがいい!
敵のハウンド・ファングに対しては、四重の【ガードアップ】、
緑の大盾、肥後の艤装、オーラフィールドを駆使して耐え抜くぞ。
復讐者とヴァンパイアノーブル。互いに命を狙いあう両者の形勢は、今や完全に逆転していた。
襲撃を受けた車輛は戦場を離脱し、敵のトループス級は全滅。加えて指揮官のイワン・パブロフが握る黒幕の情報までも、復讐者は得ることに成功している状況だ。ここに至り、両者が為すべきは一つしかない。即ち、いずれかの死を以て戦いに幕を下ろすこと――それのみであった。
「……成程。ラスプーチンなる者の画策でしたか」
エルゼ・シュヴァイツァー(最後の大鴉・g11192)は息を整えながら、イワンが吐いた黒幕の名を呟いた。
ロマノフ王朝の作戦は今回が初参加となる彼女も、大まかな事の顛末は聞き及んでいる。
復讐者の情報を得て、パラドクストレインの襲撃を実行させる――単に力が強いだけの敵には成し得ない、恐るべき策士。今回の襲撃におけるエルゼの中での、それがラスプーチンに抱いた印象だ。
だが、同時に彼女は思う。
いかに『頭』が立派であろうと、末端の『手足』がこの有様では意味が無い。
奇襲こそ許したが、結果的にヴァンパイアノーブルは車輛の破壊に失敗したのだから。
「そうですか、そうですか。それはたいへんに結構ですが……この有り様では奇襲が成功したとは言い難いでしょう」
「左様にござるな。『成功』とは、何とも異なことを言う」
相対するイワンを睨み据えながら、旗楽・清政(知勇兼備の昼行灯・g08816)がエルゼの言葉を継ぐ。
清政の得物である片鎌槍は、すでに標的へと突きつけられた状態だ。穂先と眼光、ふたつの鋭い光でイワンを捉えながら、清政は更なる言葉を紡いでいく。
「トレインの破壊か、それがしらの殺害か。成功を語るなら、せめて其の片方なりと為し遂げて言うものでござろう」
いかに奇襲を成し遂げようと成果が無ければ無意味だと告げる清政に、イワンは言い返す言葉も無い。
どう言い繕おうと、イワンの置かれた現状は千の弁明より雄弁である。それを覆し得るのはただ一つ、復讐者を撃破したという結果のみ。それを求めるべく、彼は尚も抵抗を続ける気のようだ――恐らくは、死の瞬間まで。
その気概だけは大したものだと思いつつ、エスメラルダ・リベロ(蒼海に輝く翠緑・g10981)はふと、この事件を画策した黒幕に思いを巡らせた。
「ラスプーチン……か。このディヴィジョンの動向については未だ疎い身だが、名は憶えておかねば」
「うむ。此度の仕掛人、一筋縄では行かぬ相手のようでござるな」
同じく、天正大戦国の攻略を主とする清政も、その言葉に頷きを返す。
今後この地の攻略を進める上で、ラスプーチンは極めて重要な敵となるだろう。自分たちに刺客を差し向けたジェネラル級、その名を二人はしかと胸に刻み込んだ。
問答が済んだ以上、後は戦うのみ。最終人類史に帰還する為にも、決戦の勝利は必須だ。
海戦装の重々しい砲門を展開しながら、エスメラルダは明白な挑発を投げる。あれこれと御託を並べているが、お前の作戦は失敗したのだと。
「ラスプーチンとやらも恐らくそう断じるだろう。……とは言っても、学士風情に分かるはずもないか」
『……奇襲で仕損じたこと、否定はしないさ。だが、最後まで悪足掻きはさせて貰う!』
そう言って身構えるイワンと対峙しながら、三人の復讐者もまた戦闘態勢を取った。
何をするにも、まずは眼前の戦に集中するのが優先――そう考えたが故である。対峙する双方のパラドクスが戦場に満ちて行く中、決戦の幕が開けようとしていた。
静寂の帳を、獣の咆哮が突き破る。
その源は、イワンが連れる犬たちだ。復讐者を噛み砕かんと毒牙を剥いて迫る猟犬たち。対する清政は片鎌槍の刺突を繰り出し、パラドクスの応酬を開始した。
牙と槍、鋭い得物で互いの命を狙いながら、清政が更なる戦意を帯びた声でイワンに告げる。
「鏖と言うたが、貴様もその例外にあらず。むしろ、この場における大将首なれば、逃さず頂戴致す所存!」
『ふん。生憎と、そう簡単に死ぬ気は無い!』
その言葉が虚勢でないことを示すように、イワンの駆使するパラドクスは指揮官らしい熾烈なものであった。
清政との応酬から間を置かず、次なる標的めがけて繰り出したのは『コールドスリープ』の一撃だ。時の流れを逆転させて放つ反撃の催眠音波が、殺意を帯びてエルゼを捉える。
『今更、正々堂々などと言える身でもないのでね。ここで死んで貰おう!』
「……なるほど、これがアヴァタール級の力。確かにトループスとは段違いですね」
初めて対峙する強敵を前にエルゼは偏向式霊気障壁を展開、ガードアップと共に音波を受け止めた。
ぐらつく視界、沈みそうになる意識。それらを必死に繋ぎ止めて、エルゼは頭の後ろへ両手を回す。五指を伸ばした先は、目隠しの結わい目だ。
「本来は禁じ手ですが、相手もまた魔性の者ならばやむなし。お二方、私が隙を作ります」
清政とエスメラルダに合図を送った次の瞬間、エルゼの目隠しが剥ぎ取られた。
目を凝らさずとも、敵の居所は殺気と血の匂いで明らかだ。瞑目がもたらす暗闇の中、命中アップの光に導かれ、エルゼは両眼を限界まで見開いた。
「……捉えました」
『……っ!? ……ぐ……!』
刹那、仄紅い瞳の眼光が、魔力を帯びてイワンを射抜く。
何の前触れも無く全身を襲い始めた苦痛に、敵の口から洩れたのは苦悶の呻き。
それはエルゼの駆使するパラドクス、『深淵からの眼差し』がもたらす呪詛の直撃を受けた証であった。
紅色の双眸を通じて見てしまった『何か』に慄くように、犬ともども悶絶するイワン。そして生じた僅かな隙を、果たして清政は見逃さない。
本当の攻撃はここからだ――そう告げるように、猛攻の前兆めいた一陣の疾風が戦場を駆け抜けていく。
「仕掛けるぞ、エスメラルダ! 準備は良いな!」
「無論だ、清政殿!」
阿吽の呼吸で攻撃準備を完了すると、清政の全身が闘気を帯びてエメラルド色に輝き始めた。
緑玉の片鎌槍を得物に神速の速度で敵を葬る『翠緑の疾風』、そのパラドクスが発動された瞬間である。
何者にも阻めず、何者にも囚われず。清政の突撃はまさに疾風さながら、その刺突をもってイワンの肉体を穿ち貫く。鈍い手応えと共に、突き刺さった腹部からどす黒い血が滲んだ。
『……貴様ぁっ!!』
イワンの怒りが伝染し、猟犬たちが清政へ食らいつく。
只の人間なら掠っただけで致命傷となる猛毒を帯びた牙は、しかし清政の鎧の隙間、それも皮膚を僅かに浅く切ったのみ。ガードアップで何重にも硬化した彼の肉体は、既に多少の攻撃など物ともしない。
『くっ……何をしている!』
未だ復讐者に致命打を与えられぬ犬たちへ、焦燥も露わに唇を噛むイワン。
瞬間、そんな彼の眼前をエメラルド色の光が染める。清政の後方、エスメラルダの海戦装から発射される、高出力ビームの一斉砲撃であった。
「十二門の大口径砲からの集中砲火、その身に受けるがいい!」
清政の突撃に合わせて発動する『ヴェルデ・フィナーレ』が、最大火力をもってイワンへ放たれる。
四つの試製大口径三連装砲、計十二門の砲口が行う猛攻がサンクトペテルブルクの空を埋め尽くすように飛び、次々と軌道を変え始めた。そうしてパラドクスが示す導きに従い、膨大かつ圧倒的な威力を誇るビームが、光の滝さながらに降り注ぐ。地上でなおも抵抗を続けるイワンめがけて。
『……ぐ、ううう……!』
「命を狙う以上、狙われるのもまた当然。覚悟は出来ているだろうな」
「左様にござる。逃がしはせぬぞ、ヴァンパイアノーブル!」
エスメラルダと清政の猛攻が一切の容赦なくイワンに傷を刻んでいく。
一方のエルゼも二人を援護しながら、イワンに呟いた。小さな声で、しかしはっきりと聞こえるように。
「この戦い、勝たせて貰います。我らが蜜月も終いといたしましょう……」
氷よりも尚冷たいエルゼの声が、ヴァンパイアノーブルの魂へと沁み込む。
着実に迫る、死という名の終焉。負傷を重ねる学士卿イワン・パブロフを、それはいま着実に捉えつつあった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【完全視界】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
レイラ・イグラーナ
予想はついていましたが、やはり彼ですか。
死んだはずのラスプーチンの名を騙る何者かが現れ、的確に対復讐者の作戦を立てた……という限りなく低そうな可能性よりは、本人によるものと見るべきでしょう。
今後のことは考える必要がありますが……まずは予定通り、サンクトペテルブルクの戦力、削らせて頂きます。お覚悟を。
炎の呪詛を込めた呪詛針を手に【既製奉仕・炎】で戦闘を行います。
中距離から呪詛針を投擲し、学士卿イワンへと突き刺し、燃焼の呪詛でその身を燃やします。
反撃の怪音波は直接飛来するものはもちろん、反射する音や周囲を破壊する音で周囲の音波を読み直撃を避け、重ねた【ガードアップ】で致命傷は負わないように。
他の復讐者と連携を重視して焦らずに戦い、攻撃は他の復讐者が攻撃する隙を作ることを重視。敵が他の復讐者の攻撃で隙を見せたなら逃さず接近して急所を【既成奉仕・炎】で貫きます。
サンクトペテルブルクを動かすためであろうとはいえ、死の偽装まで解いている。彼も本気です。
ならばこちらも……成すべきことを成しましょう。
メルキディア・セデクリエル
アドリブ・連携大歓迎
【1】の立場でそのまま
うん、知ってたわ。
あの怪僧なら死んだふりしていろいろと裏でやってそうな感じだったし。
まぁ確実な言質が取れた以上あとはアンタをぶちのめすのみ!
エスコートベッセルをパージして左籠手から鋸刃閃機アーチクリーヴァーを取り出し作動させる。
プラズマチェーンソーが唸りをあげて展開したら横倒しにして構え、出力を上げていく。
臨界まで高まったら一気に駆け出しブースターを全開。
抜けば魂散る光の鋸刃(きょじん)……そのまま疾風迅雷の如く跳んで突っ込んでいくわよ。
襲い掛かってくる毒牙の猟犬をそのまま体当たりでなで斬りにして、眼前に迫ったらひねりを加えて横一文字の回転斬り…レッキング・ストラッシュでイワン・パブロフを両断してあげるわ!
救援到着で息を吹き返した復讐者の猛攻は、更なる激しさを増しつつあった。
第三部は残らず撃破され、学士卿イワン・パブロフも既に窮地。
かくして追い詰めた敵指揮官との決戦を締め括るべく、今、最後の攻撃が開始されようとしていた――。
「ラスプーチン……予想はついていましたが、やはり彼ですか」
今や明白な『敵』となった者の名を、レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)は呟いた。
死した筈のラスプーチンの名を何者かが騙り、今回の作戦を立てた――そんな可能性が一瞬頭をよぎるも、可能性としては皆無だとレイラは思い直す。
状況の証拠、そしてイワンの証言。それらを予断なく組み合わせれば、襲撃の絵を描いた黒幕は明白であった。
「うん、まあ知ってたわ。何を企んでても驚かないわね、あの怪僧なら」
死んだふりして裏では色々やってそうだったしと、メルキディア・セデクリエル(閃機術士のエンジェリアン・g03132)が呆れ混じりに呟く。
ラスプーチンに限らず、クロノヴェーダは復讐者と異なる価値観の下に動く者たちだ。
今までの協力関係は、いわば利害が一致した結果の産物に過ぎない。それが無ければ敵対関係に戻るのは言わば必然、今回の襲撃のような裏切りは時間の問題であっただろう。
「まぁ、黒幕に関する言質も取れたし。あとは指揮官をぶちのめすだけよ!」
「ええ、仰るとおりでございますね。今後のことは慎重に考えるとして、まずは幕引きと参りましょう」
機械腕をパージし、左篭手から鋸刃閃機アーチクリーヴァーを展開するメルキディア。
その彼女にレイラは頷きを返しつつ、ナイフのように冷たい眼差しでイワンを見遣る。
「予定通り、サンクトペテルブルクの戦力、削らせて頂きます。お覚悟を」
『分かってはいたが、逃げられそうには無いか……だが抵抗は続けさせて貰おう。最後の一秒までね』
互いを信じ、支え合って戦う復讐者たちとは違い、イワンは上層部の駒に過ぎない。
同胞の助けが来ないことは既に明白、それでなお戦意を捨てない敵に一抹の哀れみを覚えつつ――レイラは呪詛針を手に、仕事を開始する。
標的を冷酷に葬り去る、一介の暗殺者として。
逆説連鎖戦の開始と同時、復讐者のパラドクスが真っ向から敵と激突を開始した。
投擲される呪詛の針。唸りを上げるプラズマチェーンソーの斬撃。対するイワンは死の眠りへ誘う音波。追い詰められた鼠のごとく決死の抵抗を行うイワンに、レイラの呪詛針がいっそう容赦なく投擲されていく。
「無駄な抵抗は、止めるようお勧めいたします。徒に苦痛を与えることは本位ではありませんので」
『ふふふ……お断りだ。言っただろう、最後まで抵抗させて貰うと!』
聞く者の意識を揺さぶる音波が、レイラの生命力をじわりと奪う。
対するレイラの針によるダメージも、負けじとイワンから体力を削ぎ続ける。
仮に戦闘開始の直後であれば、両者の攻防は決着を見なかっただろう。だが、今までの戦いでダメージを重ねたイワンは、余力が尽きつつある状況だ。レイラの猛攻を前に、イワンは次第に力で押し負け始めた。
『く……っ!』
「魔道の罪、外道の罰。慄く狂乱が十字を焙る」
そして――生じた僅かな隙を、暗殺者のメイドは決して見逃さない。
『既製奉仕・炎』。呪詛を込めた針の一擲が、標的の肩口を寸分違わず射抜く。呪詛がもたらす炎は瞬く間にイワンを包み込み、その全身を焼き焦がしていった。
今こそ決着の時。レイラは反撃の超音波をガードアップで防ぎながら、メルキディアに視線を送る。
「好機です。とどめを」
「任せて! このまま突っ込むわ!」
レイラの声に応えるように、鋸刃閃機のブースターがけたたましい咆哮を上げる。
横倒しに構えたプラズマチェーンソーを最大出力、加速したメルキディアが繰り出すのは回転刃で繰り出す一閃だ。
パラドクスがもたらす突撃の跳躍は、まさに疾風迅雷のごとく。一条の光が放物線の軌跡を描きながら、視認を許さぬ速度を帯びて襲い掛かる。
「抜けば魂散る光の鋸刃――受けなさい、イワン・パブロフ!」
『そうは……させるかぁっ!!』
イワンの執念を帯びた叫びと共に、猟犬たちがメルキディアへ迫る。
毒牙を剥いた犬たちを前に、メルキディアはダメージアップを発動。増幅された怒りを鋸刃閃機の刃に込めて、その身体を一回転させた。
「アーチ、ブースター出力全開……! ぶった切れぇッ!」
それは、逆説連鎖戦の世界で放つ『レッキング・ストラッシュ』の一閃。
メルキディアの回転斬りは地を這う大蛇のごとき奇跡を描き、標的のイワンを猟犬もろとも横一文字の斬撃で捉える。
捻りを加えた力、鋸刃閃機の回転刃、そしてメルキディアの怒り――その全てを込めた一撃は、学士卿イワン・パブロフの胴体を泣き別れに切断した。
全てを尽くし、なお及ばなかったことを悟り、指揮官のヴァンパイアノーブルが力尽きたように目を閉じる。
『ここまで、か……ふふふ……残念だ……』
その言葉を最期に、イワンは猟犬もろとも灰へと変じ。
吸血ロマノフ王朝の地を吹き抜ける風に攫われて、空の彼方へと散っていった。
かくして、奇襲から始まった作戦は、復讐者の完全勝利で幕を下ろした。
敵部隊は全滅し、戦闘不能者もゼロ。理想的と言って良い戦果に復讐者たちの口から洩れるのは達成の吐息である。
「救援、来てくれて有難う。助かったわ」
「いえ、こちらこそ。頼もしい戦いぶりでした」
メルキディアと奮闘を称え合い、レイラは仲間と共に帰途に就く。
戦場の外、パラドクストレインの待つ場所へと向かいながら、彼女の胸に去来するのは二つの思いであった。すなわち救援が間に合ったことへの安堵、そして、ラスプーチンを討つ決意である。
死の偽装を解いてまで、サンクトペテルブルクを動かした――その事実は即ち、彼が本気で復讐者を潰すために動き出したことを示唆するもの。互いの決裂が決定的となった以上、この先には更なる熾烈な戦いが待っているだろう。
「彼も本気です。ならばこちらも……成すべきことを成しましょう」
その一言一句を、胸に刻むように呟いて。
いずれ来るであろう次なる戦いを予感しながら、復讐者たちは帰還していく。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【熱波の支配者】がLV2になった!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!