リプレイ

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「――その嘆き、聞き届けました」
　リーシャ・アデル（絆紡ぎし焔の翼・g00625）は、寒村の川辺にひっそりと降り立った。頭上には神聖なオーラを放つ『天使の輪』が輝いている。
「私の名は大天使ラピュセール、あなた方に少しばかり手を差し伸べる為、この地に降り立ちました」
　村人達はその麗しい姿に目を見張り、息をのむ。
「な、なんと神々しい……！」
「それに美しい……」
「本当に、天使様なのですか……？」
　リーシャはその様子を見て、そうですよ、と柔らかく、にっこりと微笑んだものである。
「まずは、川を綺麗にすることから始めましょう」
　言って、楚々とした仕草で両腕を広げ。
　同時に《水源》を発動。濁った川の水が一瞬にして清らかな流れへと変わっていく。
「おお……！　これは奇跡だ！」
　リーシャのパフォーマンスを含めた目の前の光景に、村人達は歓喜の声を上げる。
　リーシャもほっと胸を撫で下ろしつつ、心の中で呟いた。
（「大天使達のフリをするなんてめちゃくちゃ嫌なんだけど……それが助けになりつつ、作戦を進める一手になるってんなら我慢するしかないわね」）
　奇跡を信じ、大天使の加護に感謝する村人達の姿を見届ける。
　それにインフラが改善されたのだ。これで彼らもひとまずの余裕が生じ、大天使の存在を受け入れやすくなったはず。
　これからもより、村人達の生活を助けたり、説法を行ったりして、大天使信仰を集めていくべきだろう――。


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　リーシャ・アデル（絆紡ぎし焔の翼・g00625）は大天使ラピュセールを装って村の人々を助け、信仰を集めていった。
　まずは《アイテムポケット》から食料や飲料を取り出し、村人達へ振る舞う。
「――どうぞ、お腹を満たしてください。これは天の恵みです」
　老若男女を問わず、人々は涙を流して喜び、感謝の言葉を口にした。
「ああ、なんて素晴らしいのでしょう！　まるで夢のようです……」
「この恩は一生忘れません。本当にありがとうございます、大天使様」
　川の様子も度々見に行き、問題があれば解消していく。アフターケアもバッチリだ。
　次に、村人それぞれの悩みへ耳を傾け、助言を与え始めた。
　家族との不和に悩む若者には、「愛する者同士、分かり合おうと努めることが大切」と諭し、病に伏した子供の母親には、「希望を持ち、祈り続けることを忘れずに」と励ます。
「あ、あなたの言う通りだ。俺、家族ともっと向き合ってみるよ」
「ラピュセール様、ありがとうございます。あなたのお言葉を胸に刻みます」
　見守る村人達は、その慈悲に満ちた言動に感銘を受け、ラピュセールを心から信仰するようになっていった。
　広場では、感謝を捧げる村人達の歓喜の声が響き渡っている――。
　そうした中、ふとリーシャは村はずれの空を見上げる。
（……そろそろ、ティーホンも動き出すかもね）
　リーシャはこれまでの"奇跡"を思い返しながら、村人達に別れを告げる。
「私はこれで旅立ちます。皆さんの平穏を、心よりお祈りしています」
「どうかお気をつけて……！　いつかまた、お目にかかれますように」
　そう言葉をかけられ、リーシャは優しく微笑んでから、聖なるオーラを纏って飛び立っていった。
　戦いの時は、もう間近に迫っている――。
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「――けしからん異端どもめ！」
　コサックガンナーは黒馬に跨り、激昂の面持ちで村へ向かっていた。
　その背後では、エリート吸血騎馬兵達が整然と隊列を組み、ゆっくりと前進している。
「あの村はどこの何者かの、烏合の衆に毒されおった……一匹残らず駆逐してくれる！」
　ガンナーの鋭い目が、標的を見すえている。
　彼らが辿り着き次第、哀れな人々の最初の血が、大地に流れることだろう。
　そうなる前に、ディアボロスが阻み、撃破しなくては――。


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「さぁて、それじゃあ村の人達が襲われる前に、今度はディアボロスとしてクロノヴェーダを蹴散らすとしますか！！」
　リーシャ・アデル（絆紡ぎし焔の翼・g00625）は残留効果《先行率アップ》を発動させる。
　吹き荒れる風とともに駆けつけた彼女の手には、翠焔・創像によって描雅された青龍偃月刀『フレアグレイブ』がある。
　リーシャはこの武器に炎を纏わせ、勢いよく村の入り口から飛び出す。
　そこへ襲来したのは、吸血鬼の騎馬隊――トループス級『エリート吸血騎馬兵』である。
「異端の徒よ、ここで消え去るがいい！」
　吸血騎馬兵の隊長と思しき男が、不敵な笑みを浮かべて叫ぶ。
「ようやくお出ましのようね？　だけど、ここから先には行かせないわよ。さぁ、覚悟しなさい！」
　リーシャは偃月刀を大きく振りかぶり、渾身の力を込めてパラドクス『翠焔・創像：ウォーストライク』を解放した。
　さながら燃え盛る龍が踊るがごとく、灼熱の刃が吸血騎馬兵を容赦なく薙ぎ払う！
　前衛の数名が悲鳴を上げ、真っ二つになって馬から振り落とされた。
　敵勢はリーシャの動きについていけず、隊列が乱れる。
　隙を見せまいと、隊長が鋭く指示を飛ばす。
「くっ、小娘一匹に騒ぐな！　火炎弾で焼き払え！」
　吸血騎馬兵達はすぐに態勢を立て直し、火炎弾を放ちながら反撃へ転じた。
「当てられるものなら……当ててみなさい！」
　リーシャは炎弾の雨の中を駆け、当たるを幸い、斬って斬って斬りまくった――！


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「アタシの動きについてこれる？」
　リーシャ・アデル（絆紡ぎし焔の翼・g00625）は、《エアライド》を発動させ、高く軽やかに舞い上がる。
　エリート吸血騎馬兵達も馬を駆り、彼女の後を追った。激しい空中戦が始まる。
　リーシャはキレのある跳躍を繰り返しながら、『フレアグレイブ』を振るい、敵を薙ぎ払っていく。
　吸血騎馬兵達は反撃の火炎弾を浴びせるが、身をよじって次々と回避してのける。
「まだまだ、付き合ってもらうわよ！」
　リーシャは空中で一回転するや、パラドクス『虚心・幻創：ラピュセール』を発動。
　眩い光に包まれた彼女の周囲に、旋風が巻き起こる。
「限定召喚（ヴィジョン・サモン）！！」
　光が弾け飛び、現れたのは銀色の軽装鎧に身を包み、六枚の炎の翼を誇らしげに羽ばたかせる少女の姿。
「これが、アタシのとっておきよっ！！」
　リーシャとラピュセールは、一心同体とばかりに息の合った連携を披露する。
　同時に弾丸の軌道へ飛び込み、間近で切り払い、怒涛の攻勢を見せつけた。
　縦横無尽に飛び交う二人の攻撃は、吸血騎馬兵の戦列を完膚なきまでに叩き潰す――。
「ぐわああぁっ！　こ、このままでは……っ！」
　吸血騎馬兵達は馬から振り落とされていき、無残に地へ伏す。
　やがて、彼らの無念の叫びとともに、静寂が訪れた。
「……ハァ、これでなんとかなったわね……」
　リーシャは額の汗を拭い、安堵の息をつく。
　しかし、次の瞬間。背後から冷たい声音が響いたのだった――。
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「おのれ……よくも、私の配下を……」
　振り返れば、そこには怒りに震えるアヴァタール級『コサックガンナー』の姿が。
「異端者め……ティーホン様に代わり、討ち果たしてやるぞ！」
　燃え上がる復讐心と殺意。
　戦いは、新たな局面を迎えようとしていた――。


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　リーシャ・アデル（絆紡ぎし焔の翼・g00625）は決然と『フレアグレイブ』を握り締め、啖呵を切る。
「やっと指揮官クラスが出てきたわね」
「貴様のような異端者に、我が部下が倒されるとは……許せぬ。この恥辱は何としても晴らさねば！」
　コサックガンナーの怒声が、辺りに木霊する。
　黒々たる銃口が、リーシャめがけて向けられた。
　対するリーシャも、『フレアグレイブ』を構え直す。
「あんたらの親玉には、まあ一応感謝もしてるのよ。アークデーモンにも大天使にも、嫌がらせできる機会をくれたってね」
　皮肉を込めつつも、真摯さを覗かせる。
「――だからって、あんた達が村人を虐げるのを、黙って見過ごすつもりはないんだけど！」
　瞬間、能力を引き上げる残留効果群を発動。全身に力が満ちていくのを感じる。
「覚悟しなさいっ！　『翠焔・創像：デモリッシュアーツ・クロス』！！」
　逆巻く炎を携え、疾風の如く躍り出た。
　リアライズペインターの力で創り出した無数の武器が、炎と共に敵へと襲いかかる――。
　多様な形状の得物が次々と繰り出される、圧倒的な連撃。まさに、破壊の嵐だ。
「ぐおおおおっ！　なんという……力だ……！」
　コサックガンナーは防戦一方。だがすぐに反撃へ転じる。
　巨大な銃を構え、引き金を引く。
　途端、銃口から無数の弾丸が炸裂した。
「そんなもの、私には届かないわ……！」
　リーシャは怯まない。正面から斬りかかり、迫り来る銃弾を矢継ぎ早に弾き飛ばしていく。
　容赦ない剣撃と、怒涛の銃撃。
　白兵戦と射撃戦が入り乱れる、熾烈な戦闘が展開された。
　咆哮が、炎が、血が、弾丸が、交錯する――。


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「アンタ達の目的、大天使を見つけ次第攻撃だったわね？　遠慮なく、させてあげるわ！！」
　激闘の只中、リーシャ・アデル（絆紡ぎし焔の翼・g00625）は一瞬の隙を突いて距離を取ると、『翠焔・創像：リアライズペイント』の力を解放した。
「私の炎よ、形となれ！」
　放った言葉に呼応するように、眩い光が迸る。
　光の中から、赤と金の装飾を施された鎧に身を包んだ天使が姿を現した。
　手には巨大な剣と鋭角の盾を携え、背には力強い白翼が生えている。
　神々しくも勇壮な出で立ちのその天使は、リーシャの想像力が紡ぎ出した精鋭兵といった風情だ。
「な、なんだ！？　大天使が現れただと……！？」
　コサックガンナーは驚愕に声を上げるが、すぐに冷静さを取り戻す。
「ふん……似せた姿とはいえ、所詮はパラドクスの創り出した幻影よ。この俺が叩き斬ってくれる！」
　そう言うなり、コサックガンナーは黒馬を猛然と躍らせ、蹄の衝撃波を地面に叩きつける。
　まるで黒い稲妻が走ったかの如き凄まじい爆発音と衝撃が、天使へと襲いかかった。
　しかし天使も負けじと、剣を振るって迎撃に転じる。
　剣戟と蹄音が入り乱れる戦場。空を弾く幾重もの衝撃。一進一退の攻防が続く。
「この天使の力、思ったより強力じゃない？　アンタの負けよ！」
「くっ……だが異端相手に、まだ倒れはせんぞ！」
　言葉を交えつつも、天使とコサックガンナーの繰り出す馬蹄の、熾烈な戦いは止まない。
　互いの気迫がぶつかり合う、灼熱の死闘が続くのだった――。


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　リーシャ・アデル（絆紡ぎし焔の翼・g00625）は虹色の炎を身に纏い、「虹焔・纏想：ラピュセール・アセンション」の発動へと至った。
　リアライズペインターの力によって、大天使ラピュセールの姿を自らに重ねる。
　三対六枚の虹色の翼が背後で輝かしく広がり、瞳は美しき七色の光を放つ。
　残留効果によってあらゆる強化効果が発動し、身体能力が高められた。
　リーシャはその力を得て、コサックガンナーに挑みかかる――。
「これで終わりよっ！　未来を照らす一撃……受けなさいっ！！」
　リーシャは虹色の炎を念動力で圧縮し、眩い輝きを放つエネルギー球を形作る。
　そうして両手で捧げ持ち、全身の力を込めて、敵へと撃ち放った。
　虹色の閃光が、コサックガンナーへ一直線に迫る。
　敵は咄嗟に黒馬弾を撃ち出すが、黒馬の形を取った銃弾はエネルギー球に呑み込まれ、弾け飛ぶ。避けるすべもなく、その威力に飲み込まれたのだ。
「ば……バカな……私が……敗れるだと……！？」
　言い終える間もなく、圧倒的な衝撃が貫く。
　眩い光が弾け、轟音が木霊した。
　やがて輝きが収まった時、そこには馬とともに地に伏したコサックガンナーの姿があり。
「お前のような……異端者に……私が……」
　力なく呟いて、コサックガンナーは息絶えた。
　静寂が戻った戦場。勝利を収めたリーシャは、太陽へ手を翳し、空を見上げる。
「……これでティーホンも、より苛立つでしょうね。けど、それこそ私達の狙い通り……！」
　静かに漏れる言葉は、風に乗って運ばれていく。
「さぁ、これでようやく村の人達にも、平和な日々が訪れるはず。お別れの時間ね」
　完全燃焼した炎は、勝利の余韻に浸りつつも、次なる戦いを予感していた――。

最終結果:成功
完成日	2024年05月02日