リプレイ
九重・古安
敵の狙いがはっきりしている以上、放置はできんな。
種族の命運を賭けた攻勢だけに敵の士気は高い。だからこそ、ここで出鼻を挫いておかねば。ここでの蹂躙を足掛かりに領土拡大といきたいのだろうが、土地も人命もくれてやるものなどないと教えてやろう。
住民たちを避難させる時間が無いとなれば急がねばならんな。村と蹂躙部隊との間に陣取り、前に出て注意を引き付けるべきか。こちらの迎撃を無視して村を襲う可能性に備えて【防衛ライン】を自分の後方、村へ向かう進路上に設置しよう。
これでこちらを排除が必要な相手とみなして向かってくるなら良し、迂回や突破のために隙を晒してくれるなら遠慮なくそこを叩くまで。
勢いそのままに突っ込んでくるのを待つ道理も無し。攻勢を削ぐためにも先頭のものから狙っていくか。たかが小僧と侮るなら痛い目を見てもらおう。
【衝打の繋装】で繋いだ鎖ごと振り回して勢いをつけたフルスィンガーを思い切りぶん投げてやる。
ディアボロスが立ちふさがる以上、そう簡単に抜けるとは思わぬことだ。
シエルシーシャ・クリスタ
アドリブ・連携は歓迎だよ
村に行く前の道で部隊を押し留めよう。
私も女だし多少意識を引き付けられるかもしれないけど、それだけじゃどうもね。
うーん、死者を出汁にするのは気が引けるけど、クロノヴェーダだしいいか。
ちょっと煽ってみよう。
(戦闘前でも、戦いながらでも)
獣神王朝の奪還戦で来てた、プトレマイオスの子の軍かあ。
プトレマイオスの事はよく知らないんだよね。
様子見の小部隊防いでいい気になってて、ちょっと本腰入れて攻めたらあっという間にボコボコになってたってくらいしか。
私もそこそこ殴ったんだけど、トドメは別の人だったし。
代わりのトロフィーにするにはお前達の角じゃ貧相なんだよね……王子とやらの角って少しはマシなの?
……こんなとこかな、もう少しやった方が良い?
上手く怒らせて引き付けられればいいんだけど。
「蹂躙者」で暴れて、爆散した後は飛び出て撹乱しつつ引き付けて、また蹂躙する、その繰り返しでいこう。
鬼さんこちら、ってね。鬼人は私だけど。
あ、回り込んで村を狙おうとするやつが居たら優先的に踏み潰そうかな。
クロエ・アルニティコス
プトレマイオスですか。
私が新宿島に流れ着く時には死んでいたので見たことはありませんが。
セレウコスと同格だと、そう聞いています。
その後継者がどれほどのものかは分かりませんが……勝てない敵ではありません。ならばやることも一つです。
他の復讐者と【防衛ライン】を重ねて線を伸ばし、更に足止めしやすくします。
線の前に立ち、戦闘を開始。
三相の杖を地面に突き立て【ディバインゲイザー】。噴出するエネルギーの奔流で侵攻してくるミノタウロスの狂戦士たちを飲み込みます。
私たちや防衛ラインを迂回しようとしている敵がいれば優先して狙いましょう。
そんなに死にたければ先に殺してあげましょう。
どの道お前たちは皆殺しです。多少早くなるだけですが。
反撃の赤い風の斬撃へはこちらもパラドクスで対抗し、ディバインゲイザーが放つエネルギーで相殺・防御を行います。
お前たちにとって人間の命など、踏みにじり消費する糧程度の価値しかないのでしょう。
ならば私もお前たちの命を踏みにじる。それだけのことです。
「あの村か」
九重・古安(巻き戻り路逸れる針・g02347)は急ぎ、蹂躙部隊が迫る村へ駆けつけた。クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は古安と協力して防衛ラインを村への入り口に敷き、亜人の愚直なる突入を先手を打って阻みにかかる。
「邪魔するな!!」
だが、見えない壁はミノタウロスの突撃をゆるさなかった。強かにぶつけた鼻先を抑え、頭をぶるっと振るう。さすがに士気の高さが尋常ではない、と古安は奴らの反応を観察した。こちらに向かってくるならば良いが、そうでなければ迂回の隙を突かせてもらうまでだ。
「もらったぞ」
ブゥン、とフルスィンガーを振り回す音の直後に鈍い激突があった。鎖による回転力を加えた衝打がミノタウロスの頭部を砕き、地面にたたきつけたのだ。
突っ込んでくるのをわざわざ待ってやるつもりなどさらさらない。
先頭を切ってやってきた奴から順番に、だ。
「どけ!!」
ほら、言っているそばから来た。
「それじゃあさっそく、痛い目を見てもらおうかね」
古安は自ら前に出て、フルスィンガーをぶん投げた。今度は顔面に当たる。ここで出鼻を挫いておかなければ、いったいどれだけの土地や人命が蹂躙の犠牲になることか。
「させるものかよ」
「ぐう……ッ」
「お前たちに蹂躙された人間はもっと苦しかったでしょうね」
呻く亜人をクロエはひややかな視線で見据えた。
防衛ラインを背に立ち、両手に持つ杖を地面に突き立て、地下水が吹き出すようにこみ上げるエネルギーの奔流を浴びせかける。
「ぐおおッ」
見えない壁を回り込み、村への侵入を果たそうとしていたミノタウロスは無様に地面を転げていった。
「そんなに死にたければその望み、叶えてさしあげましょう。どのみち皆殺しですので、悪しからず。多少早いか遅いかの違いしかありません」
プトレマイオス。
クロエの記憶が正しければ、セレウコスと同格の者。もっともクロエが新宿島に流れ着く前には斃されていたので間接的に知るだけなのだが。
「その後継者、果たしてどれほどのものなのでしょう? もっとも、勝てない相手だとも思いませんが」
「てめぇ、王子を馬鹿にするのか!」
「だってさ、あのプトレマイオスの子の軍でしょ?」
んー、とシエルシーシャ・クリスタ(水妖の巫・g01847)は思い出すように人差し指を頬に当て、小首をかしげる。
「確か獣神王朝エジプトの奪還戦で派遣されてたジェネラル級だったよね。よく知らないけど、様子見の小部隊防いでいい気になってて、ちょっと本腰入れて攻めたらあっという間にボコボコにされちゃったんだっけ」
もちろん相手を挑発するための演技である。死者を出汁にするのは気が引けるが、相手がクロノヴェーダなら遠慮はいらない。この状況なら女を出汁にするよりは効果があるだろうという期待を込め、じっと相手の反応を見る。
「王子だけじゃなくプトレマイオスさまの悪口まで言ったな!?」
「だってさ、私もそこそこ殴ったし。あ、トドメは別の人だったけど。代わりのトロフィーにするにはその角じゃ貧相なんだよね……そうだ、王子とやらの角なら少しはマシそう?」
「て、て、て、てめぇら、ふざけやがってぇ!!」
もの凄い剣幕で斧を叩きつけてくる態度から見て、なかなか効果的な煽り方であったのは間違いない。
「ナックラヴィー!」
四腕の巨大な人馬がミノタウロスを蹂躙し返し、踏み躙る。
強烈な爆散に敵を巻き込みつつ、中から飛び出したシエルシーシャはそのまま囮となって敵を攪乱した。
「鬼さんこちら、って、鬼人は私の方か」
そら、おいで。
そっちじゃないよ、――そう、こっち。
しつこく村を狙おうと回り込みを狙う個体を蹴り潰し、古安の衝打と挟み撃つ。そう簡単に抜けるとは思わないでほしいところ。
「ディアボロスが立ち塞がる以上、好きにできると思うなよ」
前髪の合間から覗く瞳が鋭く敵を睨んで。
「ぬう……ッ」
クロエのディバインゲイザーが襲いかかるのと同時、ミノタウロスのサイクロンが鮮血色の風を吹き荒らした。周囲の砂を巻き込み、まるで嵐のように戦場を呑み込んだ。
激しい嵐の合間にクロエの毅然と立つ姿が、彼らの倒れる前に見た最後の光景だった。
「……お前たちにとって人間の命など、踏みにじり消費する糧程度の価値しかないのでしょう。ならば、私もお前たちの命を踏みにじる」
――それだけのことです。
ただ、それだけの。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【防衛ライン】LV2が発生!
【スーパーGPS】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV2が発生!
一路ヴェネチアを目指す稲妻の王子ケラウノスの軍勢は砂埃を上げながらの進軍最中であった。プトレマイオスの残党はプトレマイオスの正統なる後継者を得て、遠征が進むごとに士気の高まりを感じている。
「今ごろはあの村もいい感じに蹂躙されてるだろうな」
「ああ、俺たちが蹂躙できなくて残念なくらいだ」
「次に見つけた村はやらせてくれるかな?」
「ヴェネチアに向かう途中に村なんかいくらでもある。楽しみが伸びたと思えばいいさ」
軍勢の一翼を担うオーク攻城兵はそう言ってほくそ笑み合った。
既に蹂躙部隊はディアボロスに蹴散らされ、自分たちもまた、同じような目に遭う運命にあるのだとは露ほどにも知らないままに。
タタミ・ヤスマ
連携・アドリブ歓迎。
取り戻すというのなら、私たちにだって言い分はある。復讐だって、そう。
ああだけど、そんな事をどれだけ言っても、どうせ聴きはしないのでしょうね。
削り倒しましょう……。
【呼吸法】タクティカル・ブリージングで集中力を高めて、
パラドクス『灼滅光』ロングライフルの弾丸に膨大な熱光を込めて【貫通撃】突撃してくるオークの頭を狙って、撃ち抜いていくよ。
真っ直ぐ突進してくるだけなら、狙うのはそう難しくない。
【光使い】それに熱光で目を焼いてしまえば、進むべき行き先を眩ませてしまえば突撃だってうまくはいかなくなる筈。
貴方たちの進軍の行先は、玉砕だけよ。
【オーラ操作】灼光壁を生成、その壁からも光を放って目を眩ませ、突撃の勢いを削いで、直撃を避けるよ。
【念動力】で灼滅光の弾道を曲げたり、灼光壁で跳弾させて応戦、
仲間の状況、戦況を見て危なくなったら、或いは十分に敵の数を削れたら撤退するよ。
エイレーネ・エピケフィシア
亜人どもが「取り戻す」などと嘯くとは……不愉快なことですね
この世に元から彼らのものであった土地など、一片たりとも存在しません
カナンの地も、この北イタリアも、怪物どもの手に譲ってやるものですか!
猛進する敵の足下に【泥濘の地】を発生させて足を鈍らせましょう
同時に『大地の激震』を発生させ、地表から足裏を伝って体内に浸透する破壊的衝撃波を巻き起こします
脚を駆けのぼる衝撃が蹄を痺れさせ、骨を砕いていくように術を操ります
こうして敵を転ばせながら殺し、仕留めきれないとしても立ち上がるまで隙を晒し、足を止めるよう仕向けましょう
都市と人々を脅かす怪物よ!聖なる力の前に膝を折り、頭を垂れなさい!
反撃の突撃に対しては≪神護の輝盾≫を構えて防御姿勢を取ります
盾の局面を利用して丸太の突端を滑らせ、狙いを逸らしたり、貫かれるにしても腕が通っていない部分になるように
敵の技を捌いた後は再び激震を起こし、十分に数を減らすまで攻防を繰り返した後、撤退します
全ての人々の命を守るため、今は次の戦場に向かうとしましょう!
天破星・巴
辻連携アドリブ歓迎
奪還戦に他の勢力が横槍を入れることは多々有ったが断片の王自らが引き入れるとは厄介な手を打ってきたものじゃ。
じゃが此処でジェネラル級を数多く打てば逆にわらわ達に利することとなる
鬼道・操土術、土を操るわらわの前でまともに進軍や蹂躙をしている暇などありはしないのじゃ
祈りを捧げるように両手を合わせた後にしゃがみ地面に両手を着くと地面から砂でできた巨大な腕が生え、砂を固めた刺付き球体を投げて攻撃
敵は【砂使い】で巧みに腕を操り
砂の腕で地面を叩き【衝撃波】で敵を怯ませ
砂の腕で殴り【強打】で叩き潰す
ときに追加で敵の足元に小さな腕を作り敵の隙を作る
ジェネラル級の出現を警戒し現れた際は少しでも情報を持ち替えるべく相手を観察しつつ直ちに撤退
敵討ちとは確かに当然の権利かもしれぬがこちらこそ復讐の為に戦っておるお主がやるべきことは首を洗って待っていることじゃ
イツカ・ユメ
取り戻す?
それはカナンの地に住む人達の台詞だよ!
今まで散々蹂躙して奪ってきたあなた達から、わたし達が全部取り戻してやるんだから!
本隊の進行方向を塞ぐように【防衛ライン】を展開。
ほんの一瞬でも動揺したり、足を止めた相手から一気に飛び込んで切り結ぶよ!
今日のわたしの気分はノリノリ、アップテンポで攻め攻めモードだよ!ついてこられる?
他のディアボロスさん達とも協力し、【未来予測】も併用して囲まれないように気をつけて臨機応変に立ち回るよ。
勇気の歌や音楽を奏でて皆を応援しつつ、
戦場の様子、敵味方の負傷状況をしっかり観察して、弱っている相手から倒して数を減らして。
怪我をしている味方は、積極的にディフェンスするね。
…生きていれば、チャンスは必ず訪れるから。
無理は、しないで?
破城追(丸太)の一撃は、気合いと根性で踏ん張る!
例え腕や脚が折れたって、そんな丸太じゃわたしの心までは折れないんだから!
何らかの異変や増援の気配を感じたり、
ある程度敵の戦力を減らせた場合は撤収。
首を洗って待ってなさい、稲妻の王子!
九重・古安
蹂躙のための部隊は叩いた。後は進軍中の本体を仕留めるのみだな。
他の味方が本隊の行く手を塞いでくれていれば挟み撃ちできそうだし、合流を急ぐとしよう。
背後からもディアボロスが現れたとなれば、蹂躙に向かった部隊がどうなったか……勢いばかりの敵も嫌でも分かるだろう。より敵の士気を挫くためにも、別動隊が壊滅済みなことを堂々と宣言してから殴り込みをかけてやるか。
戦闘が始まれば味方と協力して一気に畳みかけるぞ。勢いに乗って前進する間は強くともこうして脚が止まれば脆くなるというもの、体勢を立て直す時間を与えずに一気に攻めるのみだ。
確実に仕留めて頭数を減らすためにも隊列を乱した敵から潰していこう。
味方を狙って突破しようとするのであれば、がら空きになった背後や頭上を逆落としの跳撃で叩かせてもらう!
負傷した味方がいればディフェンスや援護に回るぞ。
今回はあくまで敵の先鋒を挫くための前哨戦、十分に敵の数を減らしたところで退き上げだな。
カナンの地の防衛に携わった一人として、貴様らを見過ごすことは無いと思え。
……蹂躙を好み、本能的な快楽の貪りを求める亜人の軍勢が荒野を進む。エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)は彼らの理不尽な主張に対する不愉快さに眉をひそめ、かくなる上は物理的に彼らの足を止めてやることにした。
「『取り戻す』ですって? 傲慢にもほどがありますね……己の身の程を知りなさい!」
初手にて泥濘の地を発動、前ばかりを見て足下に注意などしていなかったオーク攻城兵は突然の足止めに面食らい、慌てふためきながら泥中へと嵌り込んだ。
「なんだ!? いきなり地面が動きづらくなっちまったぞ!!」
「まさか、これもディアボロスの――ぎゃあッ」
突如、激震する大地に足を取られ、悲鳴を上げる。さぞや苦しいはずだ。それは大地から足裏を伝い、体の内部から対象を破壊するのだから。蹄は痺れ、骨を砕くほどの衝撃に襲われたはず。
たまらず、オーク攻城兵はその場に倒れ込んだ。その頭部を目がけ、極限まで集中力を高めたタタミ・ヤスマ(幼幻弱視竜・g01941)の弾丸が迸る。ロングライフルから放たれた弾丸は膨大な熱光を帯びて着弾と共に眩いばかりの閃光を放った。
「取り戻す、と仰いましたね」
タタミの表情は前髪に隠れて見えないが、その声色には静かな感情が湛えられている。こちらにだって言い分はあるのだ。復讐だって、そう。もっとも、言ったところで聴く気などないのは目に見えているけれど……。
「そもそも、それってカナンの地に住む人達の台詞だよね? 散々蹂躙して奪って来たあなた達がそれを言うか!」
イツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)は鋭く叫び、進行方向を邪魔する形で防衛ラインを敷いた。
目の前に突如発生した壁に立往生する攻城兵に向かって琴剣を手に飛び込むイツカ。歌よ、力をちょうだい。旋律よ、皆の戦意を高めてあげて。
とにかく他の者を虐げて踏み躙ることしか頭にない亜人たちに今日のイツカは止められまい。いつもよりさらにテンション高く、アップテンポのメロディーに乗って軽快に戦うイツカの刃が瞬く間に敵を追い込んでゆく。
「くそッ、ディアボロスの野郎。こざかしい真似をしやがって」
進撃の勢いを殺された攻城兵は苛立ちをぶつけるように襲いかかる。天破星・巴(反逆鬼・g01709)は着物の袖をまくり、祈りを捧げたその手を今度は地面につけた。
すると砂で出来た巨大な腕が敵の前にそびえ立ち、何かを掴んで敵に投げつける。
「ぐあッ!!」
「と、棘のついた球だと!?」
そう、攻城兵を撃ったのは砂を固めた即席の武器であったのだ。
「鬼道・操土術、土を操るわらわの前でまともに進軍や蹂躙をしている暇があるとでも思うたか?」
巴は油断なく、地面に膝をついたまま攻城兵の集団を見据える。まるで流れ込むように集ったイスカンダル軍勢は断片の王自らが敵の敵は味方とでも言いたげに引き込んだ勢力だ。しかし、これだけの数のジェネラルを討つ機会など次はいつになるかわかったものではない。
危機はチャンス、とも言う。
「1人でも多く倒しておきたいところじゃな」
「カナンの地も、北イタリアも譲ってやる気などありませんからね!」
エイレーネは無様に転がした敵に止めを刺しつつ、高らかに宣言した。
「都市と人々を脅かす怪物よ! 聖なる力の前に膝を折り、頭を垂れなさい!」
「だ、誰が……ぐあッ」
タタミの放つ弾丸の眩さに呻く攻城兵たち。
「貴方たちの進軍の行先を教えてあげましょうか? 玉砕、それだけよ」
「これ以上の蹂躙を許したりするもんか!」
仲間を庇うように立ち塞がったイツカは、もの凄い勢いで振り抜かれる敵の槌を歯を食いしばって受け止めた。
「くッ……なんの、これくらい!」
気合いだ、根性だ。
痛みなんてへっちゃら。
たとえ腕や脚が折れようとも、心までは砕けやしない。
いつか来るチャンスを掴むために、生きて、生きて……その先に必ずや、全てを取り戻す時が来るのだと信じている。
「これで、止め!」
また1体、敵を倒す。
全く予期せぬ展開であったに違いない。今ごろは次の村を見つけて蹂躙に明け暮れているはずが、まさかこんなことになろうとは。
「残念ながら、別動隊は壊滅済みだ」
「なッ……」
九重・古安(巻き戻り路逸れる針・g02347)は敵の無防備な背後から接近し、既に交戦中の仲間と挟み撃ちする形を取った。
「ディアボロス! てめぇ、まさか本当に!?」
突如、挟み撃たれた攻城兵の顔色が変わった。
「そのまさかってやつだ」
古安は相手の士気を挫くため、はっきりと肯定してやる。
いくら亜人といえども、こうして背後からディアボロスが現れたとなれば嫌でもわかるに違いなかった。
あとは動揺から立ち直る時間など与えず、一気に畳みかけてやればいい。
古安が跳躍、敵の頭上に古安の影が落ちかかった直後、衝撃が加わった。勢いに乗った者はその勢いが止まった時にこそ、それまで覆い隠されていた脆さを愚直に露呈する。
「さあ、次はどいつだ?」
「うッ」
仲間との連携を乱され、隊列からはみ出した攻城兵が怯むような声を発した。もちろん古安は躊躇うことなく攻撃を叩き込む。
一丁上がり。
あれほど勢いづいていたはずの亜人部隊は、足止めを受けてからの挟撃によって完全に勢いを止められてしまった。
タタミの操る灼熱光はそれを凝縮し、壁のように扱うことも自由自在に弾道を曲げながら叩きつけることだって可能だ。
「どこにもいかせないわ、ここで眠りなさい」
灼熱壁を使い、跳弾した弾丸は敵の死角から容赦なく襲いかかる。全身を撃たれ、倒れる攻城兵。倒れた仲間を踏み越え、突撃してくるのをエイレーネと巴は盾と砂の腕を構えて迎え撃った。うまく丸太の突端を滑らせるように盾の角度を合わせ、器用にいなす。砂の腕が地面を叩いた衝撃で発生した波動が攻城兵を怯ませ、その隙を逃さず殴り潰す。
「しまッ……」
「かかったのじゃ」
攻城兵の注意を引いたのは、足元で蠢く小さな砂の腕だった。すかさず、イツカの琴剣が閃いた。落ちた首がてんてんと荒野を転がる。
「結構倒したね」
イツカは戦場を眺め渡し、弱っている敵から息の根を止めた。
「そろそろ退き時かな?」
「だろうな」
包囲の突破を試みる攻城兵の、がら空きの背中に跳撃を繰り出して倒しながら古安が言った。仲間を援護するようにその背を守りつつ、引き際を見定める。
「今回はあくまで敵の先鋒を挫くための前哨戦、これだけ数を減らせば上等だろう。俺もカナンの地の防衛に携わった者の一人だ。貴様らを見過ごすつもりは無いと、覚えておけ」
巴も同じ意見であった。
「敵討ちとは確かに当然の権利かもしれぬがな、こちらこそ復讐の為に戦っておる。首を洗って待っていろと主人に伝えることじゃな」
「そういうことね。首を洗って待ってなさい、稲妻の王子!」
威勢よく、イツカは声を張り上げる。
届け、こちらの決意よ。
――絶対に思い通りになどはさせない。
タタミは斃れた敵の数を軽く数え、小さく頷いた。十分に削れたといっていいだろう。稲妻の王子にとっては青天の霹靂といってよいはず。
「では、退きましょう」
盾を使って突撃を捌いたエイレーネは置き土産の激震をくらわせ、それを最後に戦場を去った。全ての人々の命を守るためには休んでいられない。
「今は次の戦場に向かうとしましょう。必ずや、守り抜いてみせます!」
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【温熱適応】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
【動物の友】LV1が発生!
【未来予測】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!