【断頭革命グランダルメ奪還戦】堅牢なるアルプス砦

 このシナリオは【断頭革命グランダルメ奪還戦】に関連する特別シナリオです。
 断頭革命グランダルメのジェネラル級及び、一時的な協力関係を構築した『火刑戦旗ラ・ピュセルのキマイラウィッチ』、『蹂躙戦記イスカンダルの亜人』、漂着後に各勢力の支配下に置いた『TOKYOエゼキエル戦争の大天使とアークデーモン』の軍勢に対して、戦闘を仕掛けます。

 この戦闘によって、敵の戦力を削ることが出来ます。
 勝利したシナリオ数に応じて、対応する戦場の敵の数が減少し、戦いを有利に進めることが出来るようになります。

 このシナリオの攻撃対象は、【自動人形のルートヴィク・アウフ・デア・マウアー】の軍勢です。
 『ルートヴィク・アウフ・デア・マウアー』は、アルプス山脈を砦とみなして防衛網を築き、対新宿島砲撃陣地を堅守し、新宿島を必ず撃墜する意志を示しています。

「成功したシナリオ数×5%」だけ、「⑪ルートヴィク・アウフ・デア・マウアー」の敵残存率を低下させます。

【断頭革命グランダルメ奪還戦】shelling(作者 棟方ろか
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#断頭革命グランダルメ  #【断頭革命グランダルメ奪還戦】堅牢なるアルプス砦  #断頭革命グランダルメ奪還戦  #⑪ルートヴィク・アウフ・デア・マウアー 


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#⑪ルートヴィク・アウフ・デア・マウアー


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 カラコロカラコロ。
 くるみ割り人形を思わせる軍隊が犇めくアルプスの砲撃陣地で、ルートヴィク・アウフ・デア・マウアーは煮え滾る想いを言葉へと換えていた。
「諸君、破竹の勢いで責め立てたディアボロスは遂に、スイスのベルンへ到達しようとしている」
 ガラガラ。コロコロ。
 少々軋むような鈍い音を転がしながら、どたま割り人形はルートヴィクの演説に耳を傾ける。
「果たしてこれは、断頭革命グランダルメの敗北を示しているのか? 断じて、違う」
 ジェネラル級自動人形の声が、赤々と燃える想いの言が、陣地内に響く。
 受け止める配下は黙したままだが、戦いの始まりが間近に迫っているのを感じているのだろう。どたま割り人形は何処となく落ち着かない。
「この戦いで敗北するのは、勝利に驕るディアボロスに他ならない」
 人形たちがどれだけざわつこうと、まろび出るのはカランコロンとした軽い音ばかり。
「奴らは必ずや、移動拠点を用いてくる。その本拠地を打ち砕くのが、この砲撃陣地なのだ!」
 カラカラと拍手が鳴り響いた。ルートヴィクは拍手を治めるように間を置いてから、再び叫ぶ。
「故にディアボロスは、この砲撃陣地を潰そうとするかもしれぬ」
 言いたいことは分かるな、と問うようにルートヴィクが人形たちを見渡した。
 そして締めくくりとして伝えるのは、端的な鼓舞。
「諸君らの奮闘を期待する」

●発車前
「いやぁ、とうとう始まるんだねぇ」
 瞼を落としてしみじみと告げた木庭・国男(デーモンの魔創機士・g03330)は、戦友である他のディアボロスたちの顔を確かめるべく、ゆっくりと目を開ける。
「断片の王ナポレオンが講じた策も、攻略旅団の作戦で逸早く察した戦友君たちの手で打破できたからね」
 目論見を破られただけでなく、追い詰められる事態となったナポレオンとしては、動かずにいられなかったのだろう。だから『火刑戦旗ラ・ピュセル』のキマイラウィッチを誘い、『蹂躙戦記イスカンダル』の亜人を引き入れた。
 全ては、ディアボロスとの決戦を戦い抜くために。
 もし。もしも、かのナポレオンがこの戦を生き抜いたなら。
 かれはオベリスクの力を使い、北アフリカに疑似ディヴィジョンを創造する可能性が高い。疑似ディヴィジョンの創造によって、淫魔を戦力化しては如何に組み込んでいたことのだ。他のクロノヴェーダ種族には無い、ほぼ反則的な能力だと言える。ここで取り逃せば力を取り戻し、再びディアボロスの前に立ちはだかるだろう。
「ナポレオン、イスカンダル。……断片の王が二体もいるんだ、厳しい戦になるよ」
 だからこそ意を決して挑んでおくれと、国男は念を押した。

「で。僕からお願いしたいのはルートヴィク・アウフ・デア・マウアーがいる陣地だよ」
 その名前に由来するのか、ルートヴィクは山岳地帯を軽々と移動する能力を持つ。かるがゆえに、スイスの山麓に築いた拠点から、新宿島を砲撃しようと企んでいるようだ。
 敵戦力を減らすためにも、現場へ急ぐのが良いだろう。
「ねえ戦友君。この奪還戦での作戦方針が、どう定まったとしても、だよ?」
 次に口を開いた国男の声色は、わずかながら湿っていた。
「その作戦方針はきっと、戦争後の状況に大きな影響を与えると思うんだ」
 二体の断片の王。様々な勢力と、その思惑が入り乱れる戦場。
 考えねばならないことは沢山ある。だからこそ今は『動く』ことも大事だ。
「ってなワケで先ずはファーストアタック、頼んだよ戦友君たち! ちゃんと帰っておいで」
 最後にはいつもと変わらぬ笑顔を向けて、国男はパラドクストレインへ向かう戦友たちを見送った。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【照明】
1
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【泥濘の地】
1
周囲の地面または水面が泥濘に変わり、ディアボロスは指定した「飛行できない対象」の移動速度を「効果LV×10%」低下させられるようになる。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【熱波の支配者】
1
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。

効果2

【能力値アップ】LV3 / 【命中アップ】LV1 / 【ガードアップ】LV1 / 【反撃アップ】LV1

●マスターより

棟方ろか
 お世話になっております。棟方ろかです。
 集団戦一章のみのシナリオをお届けします。

 こちらは、戦争のファーストアタックシナリオです。
 事件の情報にございます通り、「成功したシナリオ数×5%」だけ「⑪ルートヴィク・アウフ・デア・マウアー」の敵残存率を低下させます。

 ご縁がございましたら、よろしくお願いいたします。
 それでは、ご武運を。
110

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


ミレイ・ドリムータ
新宿島を砲撃?……随分ふざけたこと抜かすね。
こっちは人類史を取り戻すのに必死になってやってるだけよ。驕ってるのはそっちでしょ?
とにかく新宿島に手を出そうって言うなら、ブサイクな人形ごとその計画粉砕してやるよ!

敵の兵隊人形共、隊列組んで突っ込んでくるみたいだね。
だったら好都合、この【ファラオフレア】で迎え撃って、まとめて焼き尽くしてやる!
灰も残さず焼いてやるよ、ボロ人形ども!
相棒のスフィンクス、デュークにはアタシの死角をサポート、他の敵が突っ込んで来そうなら合図してもらい、囲まれたり挟撃を受けないように立ち回る。

他の味方のサポートをしつつ敵を減らし、ある程度敵を削ったら深追いしすぎないよう味方に声を掛けつつ撤退する。

絡み、アドリブ歓迎


間桐・ホロウ
いよいよ断頭革命グランダルメ奪還戦…というやつですね
俺は情報でしか知らぬ数々ですが
ひとりのディアボロスとしても
前哨戦のひとつに助太刀すると致しましょう

新宿島を砲撃しようとする企みは
必ずや阻止すべきものでしょう
敵戦力を減らすためにも、
スイスの山麓に築かれた拠点へ急ぎ
戦場を共にする仲間のディアボロス達とも
敵の残数や動きなどの情報を共有
声掛け等で仲間との連携を図って
孤立と死角を防ぐよう立ち回り

疾風の力を我が身に、と
詠唱により呼び起こした翠の風を纏って戦いへ
倒すべきトループス級の集団は
くるみ…どたま割り人形というやつですね
厄介そうな遠距離武器での弾幕は
事前動作などが分かれば
【飛翔】も用いて極力躱すように努めて
此方も弩からの狙撃をお見舞いして
確実に頭数を減らすと致しましょうか

可能な限り敵の数を減らせれば
頃合いを見ての撤退
余力が残ればなるべく殿を務めます
連携・アドリブ歓迎


 木製の人形を飾る勲章は、煤か土かはたまた血か。
 アルプスの山々が見守る砲撃陣地は、カタリカタリと人形の擦れる音で満ちている。直立したかれらは所狭しと並び、ディアボロスの襲撃に備えて警戒態勢を執っていた。
(「あれが、くるみ……どたま割り人形というやつですね」)
 なんと悍ましい姿だろうと、遠くで間桐・ホロウ(虚・g10795)は眉根を寄せた。薄汚れ、罅入り、毀れて今にも朽ちそうな見目をしていながら、黙々と四方を睨む人形の姿は寒気を覚えるもので。
 けれどホロウは伸ばした背筋を冷やすことなく、前を見据えた。
「新宿島を砲撃しようなど、阻止すべきものでしかありません」
「本当その通りよ。……さあデューク、聞いて」
 頷いてから相棒のスフィンクスを呼んだミレイ・ドリムータ(新宿島で暮らすもの・g01550)の声色も、いつになく凛としていた。
「アタシに敵が突っ込んできそうなら、合図してね」
 麗しい毛並みを揺らしたデュークは、紳士らしく頭を垂れる。
 それならば、とホロウがここで口を開いた。
「俺は別の方角から仕掛けましょう。其方で敵が来ないかも注意しておきます」
「ん、助かるよ」
 言葉を交わしたら、後はガタガタの音楽を鳴らし続ける人形らと向き合うだけ。
「……疾風の力を我が身に」
 一言唱えさえすれば、翠の風がホロウに味方する。彼の靴音さえも紛れさせて風が導くのは、言うまでもなく敵の懐。但しそこへ飛び込むのはホロウではなく、彼が撃ちだした銃弾――それこそが風雲月露。正確無比の狙撃だ。
 突如として舞い込んできた銃声は、規律正しく持ち場についていた兵を驚かせ、カタカタと騒音が増す。敵襲だと叫びあうかのように。
 そして隊伍を組んで弾幕を張るや否や、かれらが放ったのは一斉射撃だ。
 恐ろしい量だと目を瞠ったホロウは、大群を前にしての飛翔は危険ゆえに断念し、弾の雨が降り注ぐ中を駆け回る。
 すると、どたま割り人形が胡桃ではなく襲撃者の頭を割るために突撃してきた。揃った軍靴の響きが、迫りくる気配をより濃く感じさせる。
 けれどミレイは、瞬き一つ忘れる程に集中していた。大軍の波が押し寄せる状況は、彼女にとって。
(「寧ろ好都合よ」)
 浅く息を吐き、ミレイは赤々と滾る炎で輪を編む。
 さあ、来い。来い――!
 咥内で繰り返す間も、喉は乾いていく。
「新宿島を砲撃だなんて……随分ふざけたこと抜かすね」
 噛み締めた怒りが彼女の声を震わせ、炎輪へ力を集わせる。
「こっちは人類史を取り戻したいだけよ。いつだって必死に、我武者羅に……!」
 ずっとミレイが拭えずにいた心の空虚も、今となっては多くの想い出を湛え、色鮮やかなものと化している。なのに。
 よりにもよって、それらを築いてきた場所を。新宿島に手を出そうと云うのだ。ルートヴィク・アウフ・デア・マウアーは。
「アンタらの計画、粉砕して焼き尽くしてやるよ! 灰も遺してやるものか!」
 声を張り上げた。幾ら掠れても、呼気が絡もうと構わず彼女は。
 空気ごと圧する叫びと、太陽を思わせる輪の明かりに引かれた人形が、彼女へ攻撃を集中させようと靴先を向ける。
 サファイアの如き双眸が、そんな敵陣を睨む。ごう、と音がした直後、突撃部隊は苛烈なその色に命ごと溶かされる。言葉通り、消し炭すら遺らない。
 瞬く間に山麓のそこかしこがざわめき出した。
 いよいよ『断頭革命グランダルメ奪還戦』が始まったのだと、ホロウも身で感じ取る。此度の任務は前哨戦。小規模でも相応に重たい一戦で。
 それを知っているがゆえにホロウは、群れ成す敵を視界から外さない。
(「情報でしか知らぬ流れとはいえ、ディアボロスのひとりとして助太刀致しましょう」)
 砲撃陣地から残存する戦力を減らし、そして。
「……その計画を達成させは致しません。必ずや」
 ホロウの眸に射抜かれた人形が、カタカタと小刻みに震えたものだから。
「その震えを治めて差し上げましょう」
 風を纏い、ミレイが炎熱で焦がす辺りとは別の所から、一体ずつ確実に落としていく。
 ふと敵数を大まかに視認して、ホロウが呟く。
「数がこちらに集まりすぎていて、このままだと危うい気もしますが……ん?」
 山に紛れそうな色のまなこで、ぱちりと瞬いだ。
 視線を向けた奥で、他のディアボロスたちが見えたからだ。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV2が発生!

水蓮寺・颯
うっ……またあの人形……!
だ、大丈夫。頭を狙ってくるのが分かっていれば対処のしようもありますし。
……たぶん。

敵がなんであれ、仲間を脅かすと分かっている砲撃陣地をみすみす敷かせておく訳にはいきません。
せめて戦力を削りましょう。仲間との連携を密に、足を引っ張らないように頑張りますね。

背中を、隣を、預かれる人間で在るためにも。
せめて戦場では、格好悪いところは見せたくありませんから。

幸いにして屋外、材料になる草木には困らないでしょう。
『其は――』
読み上げるごとに草木を巻き込み締め上げて、現れたのは巨大な蛇縄。

敵の数は膨大です、少しづつ削るべきでしょうね。
物音を立てて数体を誘い出し、充分離れたら蛇体で遮って逃がさないように。

僕に敵の目が向けば……囮としては上々ですね。
『――貪婪たれ、“雷電彦”』

呑み込めば静かに、跡形もなく。仲間が追われる可能性も減らせるでしょうか。
撤退の合図を見上げ、小さく頷いて蛇縄を消して下がります。

……少しは、お役に立てたでしょうか。


アドリブ・連携 歓迎です。


一角・實生
敵陣地へ近づくにつれ響いて来るのは聞き覚えのある音
スコープを通しどたま割り人形の軍隊を目にすれば少しだけ上がる口角
クロノヴェーダは俺達ディアボロスの頭を余程どうにかしたいみたいだ
俺はこの戦いの行く末を見たいからさ
頭は勿論、どこも渡すつもりはないよ

仲間と大きく離れぬよう意識し続けながら攻撃のタイミングを計ろう
敵が隊列を整えられぬよう、仲間の攻撃後に多段攻撃の形でパラドクスを発動
命中アップの効果をのせ傷を負った敵、指揮能力を持っている敵を看破し攻撃していくよ
統率のとれた大軍は脅威だ
だから立て直す暇を与えずに畳みかけていかなければ

新宿島が砲撃される想像が頭を過ぎる
自分の新たな居場所となったあの地をクロノヴェーダに踏み荒らさせはしない
化け物と呼ばれなくなった
侮蔑や恐怖の視線で見られなくなった
……大事な存在ができた

本当は殲滅したい
けれど厳しいのだろう
仲間が撤退の動きや意思を見せ出したら声かけと合図を送る
退き時だよ
退路を維持しながら皆で退いて
決戦の日まで、この火種は胸に燻ぶらせたままでいよう


白戸・もがり
此処の戦力を減らさないと、砲撃を長く受ける事になる可能性がある……かな
流石にそれは困るし、前哨戦とはいえ、頑張って戦わないとだねえ

場所は山麓との事だし、敵陣地の外側なら多少は草木があると思う
そこに身を隠し、群勢の外周側にいる敵へ攻撃を仕掛けよう
反撃自体は受けるとしても、ハッキリ見えない敵から攻撃を受けたとなれば、相手も少しは混乱するハズ
それに乗じて更に追撃を仕掛けたり、突出して向かってくる敵が複数いるなら引きつけて分断を図ったり
仲間の動きや敵軍全体の動きも観察しつつ、その辺りは臨機応変に立ち回ろうか

特に囲まれないようには注意。沢山の敵が来た場合、木々で敵の視線を切りつつ一旦退避
深追いしてきた敵を片付けてから、先程とは別の方角の外周に回って再び攻撃していく
やり方自体は同じだけど、指揮官がいる以上は時間をかけるほど敵の立て直しも早くなりそうだし、引き際は慎重に見極めたいところ
充分に敵数を減らしたら撤退。あとは万が一ジェネラル級がきたら、仲間に警告しながら即撤退
無理するのは本当に良くないからね


荒田・誠司
アドリブなど歓迎

【心情】
前哨戦としてできるだけ戦力を減らすとしよう
足元注意だ!こうなれば急には止まれないだろう!
突撃したのが命取りってな

【行動】
仲間と声を掛け合いながら積極的に連携していく
残留効果も使えるものは全て使おう

まずはパラドクスを使用し動く物を感知すると凍らせる水を噴き出す罠を製作
罠使いの知識をもとに設置しておく

俺は攻撃を盾のフェイク・プリドゥエンや電光警棒で受けて防ぎつつ囮になってそこへ敵を誘導する
成すすべなく逃げているように演技し
ダッシュと忍耐力で耐えながら
突撃してきたところを狙い罠に嵌めて攻撃しよう

敵の一部でも凍結し
それから泥濘の地で更に滑りやすくなれば
急に停止できない突撃した敵は大事故間違いなしだろう
仲間が攻撃する隙も作れるかもしれない

敵との戦闘は程々にして包囲される前に
盾をジェットボードの形態に変えて逃走しよう

必要なら臨機応変に対処する


「悪いな、こっから先は通行止めだ」
 名もなき人形たちへそう伝えた荒田・誠司(雑草・g00115)は、靴先で凍てついた水を叩いて示す。まるでアルプスの頂から招いたかのような冷たい水だ。彼が生み出した温度は、冷酷なぐらいに木の兵を鈍らせた。
 動きだけではなく、キシキシとかれらの命までもが凍え始める。
「足元がお留守だったな。山岳地では大事だぞ?」
 誠司が悠々と連ねる間も、鳴りやまなかった木の軋みは、罅割れる音へと変わっていく。
 揺れながらも容赦なく迫ってくる隊列を視認して、誠司は別の場所を見やった。
 その先で、白戸・もがり(葬送の虎落笛・g02018)が暗い緑の中を進んでいたのだ。草浅き野を掻き分け、姿勢を低くしてもがりが辿る道は、他の仲間からも離れている。交戦地点の外周に居るからだ。
(「あれだけの数が此処までやってきているなら……」)
 襲撃者を打ち払うべく突き進む、複数の人形部隊。かれらは、派手な言葉を熱と共に轟かせて激戦を繰り広げるディアボロスに引き寄せられていた。
 ゆえにもがりは、行軍の横腹を眺めることが叶ったのだが。
(「お蔭で敵も、そこそこ減っているはず」)
 敵戦力の低下は、大戦における攻略のしやすさに直結する。
 だからもがりは砲撃陣地がある方角を、樹木の向こうに見据えた。
 もしも。もしも新宿島が、砲撃の嵐に呑まれてしまったら。
 身震いの代わりに息を零し、彼女は想う。そんなことになったら困る、と。
 可能性をひとつ潰したくてもがりが陰をゆく間も、ディアボロスの心情を察することもできぬ人形たちは、高らかに歌い続けた。
 カタコトカタコト。カラカラカラ。
 聞き覚えがあり、馴染んでほしくない音でもある。少なくとも一角・實生(深い潭・g00995)にとってはそうだ。
 山岳地にありふれた勾配へ身を張り付けた彼は、照準器越しに整然とした動きを眼にし、意識せず口角をほんのり上げた。
(「俺たちディアボロスの頭を、余程どうにかしたいみたいだ」)
 標的と機を狙い、スコープから目を離さない實生がいる一方。
 ぞわりと背筋を下る感覚に、水蓮寺・颯(灼がて白く・g08972)は身を竦めていた。鳴り続ける音の所為で、隆起した山肌の向こう、もしくは木々の織りなす薄暗がりに、人形がぼうと浮かび上がる様まで想像してしまう。
(「大丈夫、大丈夫。対処のしようもありますし」)
 言い聞かせながら深呼吸した。
 新宿島へ砲撃が飛ぼうとしていると考えたら、颯の頭の中は、人形の姿かたちではなく、新宿島にいる仲間たちで満ちた。
 幸いなことに、雄大なアルプスを仰ぎ見る大自然がここにはある。戦いさえなければ穏やかな地が。
 だからこそ颯は一文を読み上げていく。
「其は嘗て、人喰いの羆を呑みし麦縄の蛇……」
 言の葉に合わせて、しゅるりしゅるりと植物が歌いだした。
「今ひとたび目を醒まし、その御業を成し給え」
 まもなく巨大な蛇縄が顕現した。自然の驚異を連想させる姿だがしかし、人心を持たぬ兵士らは怯みもせず、襲撃者へ銃口を向ける。颯が用意した舞台の上で隊伍を整え、弾幕を張り出したのだ。
「――貪婪たれ、雷電彦」
 轟く銃声にも劣らぬ、りん、と通る声で颯は告げる。か細い片腕を高々と掲げた途端、蛇縄は先程からカタカタと騒がしい敵を、祈りの餌食にした。
 すると周囲で整列していた部隊も、颯や蛇縄を撃ち抜こうと動き出す。
 こうして、開戦まもない時にはほぼ一塊だった木偶が、各所に散り広がった。ディアボロスがそれぞれ、あらゆる角度と距離から一団を惹きつけ、惑わせた影響だ。
 は、と吐いた呼気が思いのほか大きくて、颯は自分で驚く。内側で詰まっていた緊張を、漸く吐き出せたのだと気付いた。
 背中を、隣を、預かれる人間で在ろうと立っていたからか、強張っていた肩からも僅かに力が抜けて。
(「……少しは、お役に立てたでしょうか。格好悪くは……なかったでしょうか」)
 颯がきゅっと拳を握り締めていると、今しがた崩されかけた一部隊で、とある個体が銃を振りかざす。途端にその部隊は足並みを揃えだし、抗戦の構えを取った。
 なるほど、と一部始終を目撃した實生が遠くで唸る。
 部隊を率いる個体が、漸く判明したのだ。ならばと彼は、光に導かれながらノクテムヴィアムを――パラドクスを贈る。的を貫いた銃声は鋭く、人形はしたたか背中を地面に打ち付けた。宿っていた命までもが乾き切ったのか、どたま割り人形は只の物として転がる。
 それにより列は乱れ、弾丸の幕も先程と比べれば――見かけだけは拙い。
 生じた混乱は、行く末を見届けた實生にほっと安堵の息を吐かせる。弾幕を眼にしたからだろうか。新宿島が砲撃の雨に晒される光景を、實生も考えずにはいられなくて。
(「あの地は『居場所』だ」)
 復讐の力を持つ者、持たざる者が共生している輝かしい地。
 そこでは、化け物と呼ばれなくなった。侮蔑や恐怖の視線で見られなくなった。
 人々はディアボロスを応援し、取り戻して欲しいとの願いを、奪われた怒りを託してくれる。そんな、戦いに意識が向くばかりにも思える新宿島で得たものは、他にもある。
 實生は思わず自らの手の平を見つめ、息を止める。
(「……大事な存在ができた」)
 言葉を思い描いたら、手に吐息を握り込んでいた。
 踏み荒らさせはしない。ディアボロスたちが抱く意志を、彼もまた持ち合わせて。
 不意に、生き残りの兵隊たちが武器を手に構わず突撃し出した。まだまだかれらは任務を果たそうと前のめりな姿勢を崩さない。
 だからこそ誠司は、眦へそっと笑みを灯す。敵の行動を浅慮に思いながら、周囲を泥濘へと染め上げて、無謀な歩兵らを捉えた。
「言ったばかりだよな? 足元には注意しろって」
 かれらが誠司の元へ近づけば、自然と泥濘へ踏み入る事態に陥るのだ。薄汚れていた兵装は瞬く間に泥を纏い、下半身が泥人形と化した。
 そうして速度が落ちたのも、功を奏した。
 囮を始めとする味方の傍へ、大勢の敵が一斉に飛び込む事態は免れたのだ。軍隊の足並みが、目に見えて不揃いになっている。
「綺麗に隊列を組んでやってきたのが命取り、ってな」
 誠司が眩い電光警棒を振り回しながら煽ると、ガチャガチャと騒がしい兵が彼へと踵を返す。しかし突撃を試みたが最後、やはりぬかるんだ地面に足を取られて鈍ってしまう。
 そこへ實生が、立て直す暇も与えぬよう畳みかけていく。
「頭は勿論、腕や足の一本も渡すつもりはないよ」
 戦いの行く末を眼に刻みたい。記憶に留めたい。
 そう欲を張りながら、木の足を泥ごと撃ち抜いた。
 乱れた軍隊が輪をかけて崩れていくのを、外側から見ていた人物がいる。もがりだ。
「これはますます頑張って戦わないとだねえ」
 ひとりしみじみと呟いたもがりは、敵列の外側へ――仕掛ける。
 草木から身を離して立ち上がり、両腕を広げれば。木の葉が舞うのに似たしなやかな身のこなしで、もがりが七色に煌めく冬の粒たちを呼んだ。光がきらきらと唄い始めたら、後は春と踊るだけ。
「おいで。ついてこれるなら」
 もがりが囁いた相手は春風か山か、はたまた敵対者か。
 招かれたと思い込んだ風の助けを借りて、彼女の身軽さに拍車がかかる。ぽおんと、まるで軽い鞠を打ち上げたかのように跳ねた。舞う彼女が美しき野山を撫でゆけば、兵は惑うばかり。
 半ば混乱しつつ、噛みつこうと深入りした個体が在るなら、もがりは木の幹から幹へ姿を眩ませる。彼女の興した春の息吹が、枝葉を騒がせていった。
 四方から風と葉のお喋りを浴びたものだから、人形はところ構わず捨て身で吶喊する。がらんどうの万力型機構で、木々や茂みごと、もがりを喰らおうとした。
 一体が明らかな目的をもって動いたからか、近くにいた部隊も応援に駆け付けて――睫毛を揺らしたもがりが、ふっと頬を擡げる。
 彼女の誘った一群が、密生する木々の向こう側へ溶けていく。その様子を目の当たりにして、實生は振り向いた。
「そろそろ退き時だね」
 銃口を敵陣地の方から外さぬまま、言い出した本人も下がっていく。
 皆が積極的に囮を担い、足を止めさせ、搔き乱して数を減らしたため、追手となる戦力も緩い。だからこそ實生は油断せずに殿を務める。決戦の日まで、火種は胸に燻ぶらせたままでいようと心にしながら。
 合図となる一声に、颯と誠司も頷いていた。
 颯がちらりちらりと後方を確かめるも、實生の銃口に忙しくなる気配もなく。一安心していた颯の眼前へ突然、がさりと人影が降ってくる。
「わぁっ!?」
「あ。ごめん。勢いよく飛び出しすぎたかな」
 さらりと呟いたのは、つい先程まで大勢を引き付けていたもがりだ。
「無理しない程度に数は減らせたから。この辺で戻ろうと思って」
 もがりの報告に、誠司が頷きながら言葉を紡ぐ。
「よし。この感じ、前哨戦としては上々だよな」
 誠司は手応えを掴むや、フェイク・プリドゥエンを構え、退路を確固たるものにするべく駆けだした。
 遥か後ろから、残存する人形兵たちのカタカタとした叫び声が響いてくる。
 けれどかれらは、ディアボロスの背に追い縋ることすら叶わなかった。相手は、位置取りから役割分担までしかと熟し、引き際も適切に見極めたディアボロスだ。追跡者の凶刃は、到底届かない。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!

最終結果:成功

完成日2024年04月18日