リプレイ
ルーシド・アスィーム
アドリブ、連携歓迎
如何なる志あろうと、勇猛足ろうとも
貴方達が亜人である限りその一切、鏖殺するのみ
鮮血の風など起こさせはしません
紡ぐは「戒獄のリアド」
先頭を走る者からその心、心象世界の監獄に幽閉致しましょう
貴方達が弄び、奪った命の分
刃が飛び交いその醜悪なる首を切り刻む
其れ即ち頓首の刑。我が魔術は心で起きたそのままの事象を現実世界にも齎す
……ご覧じろ、神とその子らに牙剥く愚者よ
足を捕らえる同胞の血潮こそ運命。転げた落ち首こそが命運である
……貴方達には武人の矜持を感じはします。その重みを背負いましょう、死を与える者として
動揺、或いは仲間を手に掛けられた怒りを突き「氷雪使い」「火炎使い」魔術をぶつけ、周囲に霧を起こしつつ「一撃離脱」
霧に紛れ、ジンの剣撃や【未来予測】の力も用いて牽制を畳み掛けます
相手の攻撃を掻い潜りつつ、隙を見出だせたなら「不意打ち」し何度もパラドクスを用いて敵を屠りましょう
しかしパラドクスでない力には限界があります
深追いは禁物、仲間とも連携を取り囲まれない様に立ち回りましょう
シル・ウィンディア
ヴェネツィアを託してくれたみんなのためにも。
ここで、亜人を通すわけにはいかないよね。
…ここを通りたかったら、わたし達をどうにかしてからにするんだねっ!
敵を視認したら、高速詠唱で隙を減らしてから六芒星精霊速射砲を撃っていくよ。
初撃は号砲代わりに…。
わたしの砲撃、遠慮なく味わってねっ!
敵攻撃は、パラドクス発動時に発現する光の翼で体を覆って防御を行うよ。
嵐のように激しいけど…。
でも、わたしの戦意を挫くことはできないよ。
さぁ、まだまだ行くよっ!
初撃後は敵の周りを動き回って移動砲台みたいに行動を行うよ。
移動しては、パラドクスを撃っていくね。
狙いは、味方の攻撃した敵がいるのなら、その敵を中心に確実に倒すような行動を行っていくね。
わたしから注意を逸らすと…。
遠慮なく撃ち抜いていくから覚悟してねっ!
蹂躙したい勢いはすごいけど…。
でもね、ヴェネツィアの人達を護る気持ちは、あなた達の勢いより上だから。
護るものがある。
それがわたし達の強さの源だよ。
…それじゃ、もうひと踏ん張りがんばりますか。
安藤・優
うん、敵も味方も相変わらずみんな血の気が多いね。
【避難勧告】使って周辺住民の避難誘導を先にやっておこうか、気持ちよく戦えるようにね。……まあ避難誘導の大部分はアウロラに任せるんだけど。
こんなに人数必要なのか少し考えたけど……まあ速攻を仕掛けるのに人手が多くて困る事はないからね、僕も頑張るぞー。
他の味方に気を取られてる奴から確実に仕留めて行こうかな
結局のところ勢いってのは大事だ、出鼻を挫かれてもたついてる所や撹乱されてる奴等から遠慮なく火焔の咆哮で焼き払って行って行こう
その斧が重たい一撃なのは食らわなくても見れば分かるよ、だからこそやられる前に殺る、できない場合は致命傷を受けないよう鉄塊剣でガードしつつそのまま正面から撃ち返す!
まだこの程度前哨戦の前哨戦だ、速攻で片付けてその勢いで本隊に切り込むよー
●迷宮から出た怪物
人、ヒト、ひと……。
新たな血と肉を求め。イタリアの街に亜人が迫る。
かつて七曜の戦で土地を奪った亜人が都市を本能のままに蹂躙した時は、見るも無残な光景が繰り広げられた。
ヘラクレスの指示が行き届いているせいか。それとも、これが軍事戦略としての亜人の姿なのか……。
「すげーな、本当に人がいっぱいいやがる」
「街の出入口を塞げ! 一人残らず蹂躙するんだ!」
「雌は殺すな。全て捕えろ!」
先遣隊として訪れた『ミノタウロスの狂戦士』の一軍は、直ぐにでも人々を蹂躙したい荒ぶる闘争心を抑え、全てを蹂躙する為に街を封鎖しようとしていた。
彼らの姿に人々は悲鳴をあげ、逃げ始める。
その声に更に気持ちを高ぶらせ、ミノタウロスは鼻息荒く咆哮をあげた。
街を恐怖と暴力で、染め上げる為に。
そんな彼らの咆哮を撃ち抜くように、複数の魔法撃が進軍しようとした行く手を阻むように撃ち込まれる。
来たかと視線をあげたミノタウロスは、背中に2対の青白い魔力翼を広げ杖を向けるシル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)の姿をとらえニヤリと嗤う。
「……ここを通りたかったら、わたし達をどうにかしてからにするんだねっ!」
「如何なる志あろうと、勇猛だろうとも。貴方達が亜人である限りその一切、鏖殺するのみ」
ヴェネツィアを託してくれたみんなのためにも、亜人を通すわけにはいかないとシルが口にすれば、鮮血の風など起こさせはしませんとルーシド・アスィーム(轍つ祈星・g01854)が静かに応え、鋭い視線をミノタウロスに向けた。
「うん、敵も味方も相変わらずみんな血の気が多いね」
今にも激しい戦闘が起こりそうな雰囲気を感じながら、安藤・優(名も無き誰かの代表者・g00472)は2人がミノタウロスの注意を引き付けている間に住民達の方へ。
「まあ速攻を仕掛けるのに人手が多くて困る事はないからね、僕も頑張るぞー」
折角、亜人の蹂躙を食い止められるかもしれないのだ。巻き込まれるような人が出ないよう出来る事はやっておきたい。
避難勧告を発動させ、オラトリオ『アウロラ』と協力し人々を亜人達から遠ざけるように優は誘導していく。
例えここで先遣隊を一時的に排除しても、第2陣、第3陣と亜人の軍勢は数にものをいわせ進攻し蹂躙しようとするのだろう。
もしこれがただ侵略するだけの進攻であれば、既に本能の赴くまま血肉を浴びに数体の亜人が暴れ出していたかもしれない。
他の進軍している部隊も同じなのか、それともヘラクレスのおかげかは分からないが、おかげで人々を避難させられる。
立ちはだかるディボロスの姿に、滾っていたミノタウロスは斧を振り上げその魔力を解放した。
一見力任せの攻撃を仕掛けるパワータイプなだけかのようにも見えたが、彼らは迷宮の怪物。魔力も扱う亜人。
屈強な腕の力で斧を振り回しながら、解放された魔力が風を巻き起こし『タウロスサイクロン』を起こす。
「嵐のように激しいけど……わたしの戦意を挫くことはできないよ」
光翼で身を包みながらシルは、大きく横へと跳んで身体を風から逃し。
斬り刻むような風に、身体を持っていかれないよう足に力を入れながらルーシドは、話しかける。
「心象世界の監獄に幽閉致しましょう。貴方達が弄び、奪った命の分……存分に味わうと言いでしょう」
――汝座すは矮小なる庭牢、罪咎を濯ぐが為の禁足地なり!
飛び込んで来たミノタウロス共以外には、何が起こったかきっと分からなかっただろう。
彼らをとらえたのは、『戒獄のリヤド』による峻厳の監獄かのような精神世界。
それは彼らが捕えられていた迷宮を思わせるような、そして延々と続く死の連鎖。
「刃が飛び交いその醜悪なる首を切り刻む。其れ即ち頓首の刑……ご覧じろ、神とその子らに牙剥く愚者よ」
ミノタウロスの刃がルーシドに届くことはなく、寸前で己の風で首を飛ばしたかのように赤く中身を曝け出しながらぐしゃりと倒れた。
「魔術とはこう使うのですよ。……貴方達には武人の矜持を感じはします。その重みを背負いましょう、死を与える者として」
返り血を浴びた頬を拭い、次の相手はと振り返った視線に本能的にミノタウロスの足が止まったのは罪ではない。
形の見えない攻撃に、得体のしれなさを感じたのだろう。
弾幕のように襲い掛かる鮮血色の風を耐えたシルが、横へと回り込み『六芒星精霊速射砲(ヘキサドライブ・ソニック・ブラスト)』を放つ。
「わたしの砲撃、遠慮なく味わってねっ! 世界を司る六界の精霊達よ、六芒星に集いてすべてを撃ち抜く力となれっ!!」
襲い掛かる砲撃魔法の光が、動きを止めたミノタウロスを撃ち抜いていく。
「蹂躙したい勢いはすごいけど……でもね、ヴェネツィアの人達を護る気持ちは、あなた達の勢いより上だから。護るものがある。それがわたし達の強さの源だよ」
亜人には、決して分からないだろうけど。
いつの間にか挟み込まれるように追い詰められていたミノタウロスは、怯むな倒せと己を奮い立たせながら斧を振り上げた。
だがその身体の半分が吹き飛び、全身が炎に包まれる。
「やられる前に殺る。結局のところ勢いってのは大事だからね」
淡々と優は言葉を紡ぎ、憑依させた炎の幻精を燃え上らせる。
避難を終え、戻ってきていたのだ。
「戦闘中は、あらゆるものに警戒しないと」
「お、おおおおおおおおおっ!」
崩れ落ちる仲間の姿に、激昂したミノタウロスが目を血走らせ『狂乱の斧』を振りかざす。
だが、そんなことは分かっている。
「その斧が重たい一撃なのは食らわなくても見れば分かるよ、だからこそ――」
自ら踏み込み〈鉄塊剣〉を撃ち込むのと同時に『火焔の咆哮(ヌイ)』が炎の花を開かせる。
完全に優位を失ったミノタウロスが、有象無象の亜人へと戻るまで、然程時間はかからなかった。
それぞれが強行にはしれば、連携するディアボロスの方が有利。
先遣隊であったミノタウロスは、彼らの前に散り。この街での蹂躙は阻止された。
後は、奪還戦を迎える前に本隊を削るかどうか……。
「……それじゃ、もうひと踏ん張りがんばりますか」
遠く聞こえて来くる亜人の雄叫びに、まだまだ油断ならないとシルは顔を上げるのであった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【未来予測】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
逆叉・オルカ
俺は剣闘士の相手といこう。
ミノタウロスの蹂躙は他のディアボロスが阻止してくれると信じているからな。
さぁ、街から消えてもらおうか!
この先には行かせない。
狙撃に適した見晴らしの良い場所があれば確保。
ミノタウロスとの闘いに亜人剣闘士が気を取られたところを【神を貫く氷の弾丸】で遠距離射撃する。
狙うのは指揮官。統率をとるならば司令塔が居るはずだからな。
指揮官とその周囲を狙う事で敵の混乱を誘う。
更に冷気の支配者、氷雪使いも使い、出来る限り敵を凍てつかせ、削っておくよ。
一般人がいればディフェンス。防御ガジェットで水の壁を発生させ、避難の時間を稼ぐよ。
防御に使えるものは全て一般人を守ることへ使用する。
イスカンダルの軍勢に好き放題暴れられてたまるか。
奴らの生き様は如何なるものか、嫌と言うほど知っているのだから。
怒りを静かに燃え上がらせて、一撃一撃に込める。
次はあんた達が蹂躙される番だと思い知らせてやろう!
ジェネラル級がきた時は、一度攻撃してから撤退といきたいね。
ニーニ・ニニ
…大切な故郷を、ママを、皆を蹂躙した、あいつらの足音が、声が聴こえて。
耳も尻尾も、怖くて震えてしまいますが。
ここで退いたら、この国の皆がぼく達と同じように……いえ、もっと酷い目に遭うかもしれませんから。
勇気を出して、前に進みます!
だってぼくは、ひとりぼっちじゃありませんからね。
いきましょう、ペペン!
ママが読んでくれた絵本の英雄のように。
新宿島で出会った、強くて優しくてカッコイイ、ディアボロスの皆のように。
パラドクスで氷の鎧を身に纏い、ヒーローの如く敵陣に斬り込みます!
ぼ、ぼくだって、やればできるんですよ!
上手く地形の利用をしながら、大勢に囲まれないように気をつけて。近くの亜人から確実に倒して、少しでも戦力を減らしていきますね。
周囲に一般人がいれば、亜人達の攻撃からかばい、気休め程度ですが守護の結界術を施し安全圏への避難を勧めます。
他のディアボロスさんとも協力して、臨機応変に立ち回ります!
もし何らかの異変、増援等に気付いたら皆に伝え撤退。
…この爪が今は届かなくても、次に会った時には、必ず、
ジズ・ユルドゥルム
ヘラクレス…私でも聞いたことがある。歴史に刻まれた大英雄の名だ。
亜人が名を奪った英雄は一人ではないが、厄介な敵になると見える。
少しでも勢いを削いでおかねばな。
「羆嵐」を起動。ジンに大熊に変身してもらい
亜人の軍勢を正面から迎え撃つ。
…いちおう、攻撃前にこの熊は味方だと仲間にちゃんと伝えておこう。
大丈夫。暴れ…はするけど仲間には優しいからな。怖くないぞー。
敵が接近したなら、雄叫びを掻き消すような大熊の大咆哮で、
突撃してくる亜人の身を竦ませる。
それで雄叫びのつもりか!!声が小さいぞ貴様らァ!!(大声)
…味方の方も、少しでも勇気付けられればいいな。
仲間とも息を合わせ、槍を構えてジンとともに敵陣へ突っ込む。
ジンは巨体と膂力を活かして敵を吹き飛ばし、人間相手ならば易々と肉を削ぎ取る爪で敵の肉体を損壊させ、
暴力の嵐で統率を台無しにしてやろう。
敵の盾による攻撃は、盾攻撃の構えをした直後に敵に突進を喰らわせて
攻撃態勢を崩して威力を削ぎたい。
自分や仲間の体力に気を配り
ある程度削れたなら頃合いを見て撤退しよう
エイレーネ・エピケフィシア
故郷で最も偉大な英雄の名が、亜人に奪われていたとは……!
分不相応にもヘーラクレース様の名を騙るその傲慢さ、実に許しがたいものです
決戦の日にかの詐称者に裁きを下し、人々を蹂躙より護れるように力を尽くしましょう!
建物や壁の影に身を隠し、行進する敵を捕捉します
仲間とタイミングを合わせて襲撃をかけるとしましょう
≪神護の長槍≫の石突きで地を突き、敵の足下に『大地の激震』を発生
同時に発生する【泥濘の地】で動きを鈍らせた上で、足裏から体内に浸透する破壊的衝撃波を浴びせます
盾と鎧による堅固な守りを無視して突き抜ける衝撃波で骨と肉を粉砕し、臓腑をかき混ぜてやるのです
整然と密集した隊列も、こうなれば兵達が激震から逃れるのを互いに邪魔する縛鎖となることでしょう
反撃の盾にはこちらも≪神護の輝盾≫をぶつけ合わせ、押し倒されないよう身を固めます
その後、すかさず再びの激震を巻き起こし、敵の前線を打ち破っていくことを繰り返しましょう
ある程度戦力を削ったところで撤退を
来る決戦では、あなた達全てを奈落に送って差し上げます!
シル・ウィンディア
雄たけびあげるほどの気合はすごいけど…。
でも、それって場所を教えてあげるって言っているものだよね。
…早速行ってあげるよっ!
ネメシスモード開放。
銀髪銀目の天使モードですっ!
敵を確認したら…。
高速詠唱で隙を減らしてからの時空精霊収束砲!
わたしの砲撃、遠慮せずにもってけーっ!!
敵の攻撃は天使の翼で体を覆って防御。
痛いけど、でも、こんなの蹂躙される一般の人達の代わりになるなら、いくらでもこいだよっ!
撃った後は、動かず固定砲台モード。
こちらに注意が向くなら、他の人への注意は少しは減るからその間に攻撃を仕掛けてもらうよ。
こっちへ注意が向いていないなら、しっかりパラドクスで撃ち抜くっ!
攻撃対象は、味方の攻撃した敵を中心に対象を合わせて攻撃を仕掛けていくよ。
こういう時は少しでも早く倒すことが大切だからね。
ふぅ、無理はせずに引けるタイミングで引くよ。
ここで穢したら、本番に影響するもんね。
それじゃ、あとは奪還戦でお会いしましょうか。
…それまで待ってなさいっ!
●英雄の部隊
先遣部隊の蹂躙は無事に、仲間達の力で抑えられただろうと信じ、一足先に逆叉・オルカ(オルキヌスの語り部・g00294)は行軍するヘラクレスの部隊を眺めた。
亜人らしからぬ、統率の取れた足並み。
力押しではなく、幾つかに部隊を分けた見事な密集陣形の布陣で侵攻していた。
前の者が倒れれば、すぐさま後方の者が進み出て交代し、更に後方の者が続くのだ。
「雄たけびあげるほどの気合はすごいけど……。でも、それって場所を教えてあげるって言っているものだよね」
早速行ってあげるよっと、シル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)は青から銀へとその色彩を変えネメシス形態に。
天使モードへと変貌すると、素早く詠唱しながら部隊の端へと狙いを定め向かった。
迫る足音だけではない。
猛々しい雄叫びは、行軍を知らせ恐怖を味合わせるかのように響き、ニーニ・ニニ(雪陽の子猫・g08923)は、耳の先から尻尾の先まで震わせた。
「大切な故郷を、ママを、皆を蹂躙した、あいつらの足音が、声が聴こえて……」
失った瞬間を思い出せば、真っ先に恐怖にとらわれるが、そうも言ってられない。
「ここで退いたら、この国の皆がぼく達と同じように……いえ、もっと酷い目に遭うかもしれませんから」
勇気を出して、前に……!
「だってぼくは、ひとりぼっちじゃありませんからね。いきましょう、ペペン!」
傍らのダンジョンペンギン『ペペン』に声をかけ、仕掛けるタイミングをうかがっていた。
だが、有象無象の大軍ではないだけあって狙う隙が少ない。
「ヘラクレス……私でも聞いたことがある。歴史に刻まれた大英雄の名だ」
「故郷で最も偉大な英雄の名が、亜人に奪われていたとは……! 分不相応にもヘーラクレース様の名を騙るその傲慢さ、実に許しがたいものです」
その名に相応しいだけの影響力を有しているのか、目にした行軍の様子にジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)とエイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)は緊張を高めた。
イスカンダルの軍勢は一様に屈強な戦士の集まりだが、中でも精鋭兵団と言われるだけあって、ただ真っ向からぶつかれば、こちらがすり潰されるのは明白であった。
「亜人が名を奪った英雄は一人ではないが、厄介な敵になると見える。少しでも勢いを削いでおかねばな」
「決戦の日にかの詐称者に裁きを下し、人々を蹂躙より護れるように力を尽くしましょう!」
第一陣の要は、ヘラクレス王子のようだが部隊そのものの練度や強さでは、こちらの方が高いかもしれない。
動揺を誘うのは難しいだろうが、まずは足止めを。
ジズは鷹の姿を取らせていたジンのケレイを大熊に変身させ、『羆嵐(クマアラシ)』発動させ『亜人剣闘士』の行く手を阻んだ。
突如とし正面に現れた、恐ろしい姿の熊だが剣闘士らは怯むことなく盾を構えた。
他の亜人の部隊であれば、これだけ揃った動きを見せることは無いかもしれない。
「さぁて、荒らすとしようか!」
「現れたかディアボロス!」
王が動けば仕掛けてくるだろうと読んでいたか、それとも元々の部隊の志の違いか。
剣闘士は、盾を重ねるように合わせ『シールドバッシュ』で迎え撃つ。
凄まじい咆哮と鋭い爪で襲い掛かる大熊と風に翻弄されながらも耐える剣闘士の前衛の後ろから、第二陣が槍を煌めかす。
その機を逃さず、物陰から行軍をうかがっていたエイレーネは〈神護の長槍〉を地にうちつけた。
「大地よ、不敬なる者どもの歩みを拒みたまえ!」
広がる衝撃波が『大地の激震(クラダニシス)』を起こし、彼らの連携を崩そうとする。
「整然と密集した隊列も、こうなれば兵達が激震から逃れるのを互いに邪魔する縛鎖となることでしょう」
互いの盾と盾がぶつかり合い、剣闘士らの鎧が音をあげた。
剣闘士の足元に泥濘の地を広げ、行軍を阻み。
動きが鈍くなったところに、オルカとシルがそれぞれ撃ち込み、息の根を仕留めていく。
「さぁ、街から消えてもらおうか!」
統率が取られているのならば指揮官を担うものをと、動向を見極めオルカは『神を貫く氷の弾丸(フロスト・インパクト)』を撃ち込んだが、頭を取られようとも即座に次なるものが部隊に指示を飛ばす。
その動きからも分かる通り、彼らは本当に精鋭の部隊なのだ。
後衛が盾を構え、巨大な盾を軽々と円盤のように投げつけ、遠方から射撃したオルカを切り裂き。シルを『獣焼きの火』で包む。
翼で炎から身を護るも、その熱さは激しく翼の表面がボロボロに焼け焦げた。
「イスカンダルの軍勢に好き放題暴れられてたまるか。奴らの生き様は如何なるものか、嫌と言うほど知っているのだから」
まだ引き金は引けると位置を変えオルカは次の剣闘士共に狙いを定め。
指先に、一撃一撃に静かに燃え上る怒りを込めて……。
このまま彼らに大地を奪われれば、そこに待つのは勢力を更に増した亜人の大群が生まれるだけ。
ドイツの時と同じように王を討ち取り、その後ディヴィジョンに畳み掛けれるかは分からないが、人々が蹂躙される未来だけは食い止めたいとディアボロス達は、少しでも戦力を削っていく。
「こんなの蹂躙される一般の人達の代わりになるなら、いくらでもこいだよっ!」
炎と熱さを振り払い、翼を広げたシルも、ダメージを受けながらも次の攻撃へと詠唱を始めた。
「本隊から切り離されたか」
足を止めたのは一時であったが、本隊は先へと進んだ。
しかしヘラクレスであれば、何と言うか彼らは承知している。
「ならば仕方ない。我等は我等の目の前の障害を倒すのみ!」
泥濘が能力であるなら、その原因を生み出した者を排除すればいいと、陣の組みなおしに掛かる。
「おおおおおおおおおおっ!」
「それで雄叫びのつもりか!! 声が小さいぞ貴様らァ!!」
圧しかかる盾に負けない大声をジズは張り上げ、大熊と共に剣闘士にぶつかり巻き起こす風で翻弄しようとする。
その勇ましい声に押されるように、ニーニも氷の鎧を纏い手近な剣闘士へと斬り込んでいく。
ママが読んでくれた絵本の英雄のように。
新宿島で出会った、強くて優しくてカッコイイ、ディアボロスの皆のように。
「ぼ、ぼくだって、やればできるんですよ!」
ペペン率いるペンギンの騎兵隊と共に、『cry cat cavalry(ナキムシコネコガユメミタエイユウ)』が剣闘士と刃を交わす。
小さな身体を活かし、エイレーネが〈神護の輝盾〉で押し返し切り開いた隙間に、ニーニは攻撃を通し。
「わたしの砲撃、遠慮せずにもってけーっ!!」
4属性エネルギーが渦巻く『時空精霊収束砲(クロノ・エレメンタル・ブラスト)』が残る剣闘士を光に包んだ。
「ふぅ、まずは一部隊片付いたかな」
先に進んだ本隊が戻って来たり、こちらを取り囲もうとするかもしれない。
それだけの策を彼らの部隊であれば、実行するかもしれないと感じたのだ。
まだ削っていきたいところだが、ここは一旦退いて出直した方がいいだろう。
「来る決戦では、あなた達全てを奈落に送って差し上げます!」
「あとは奪還戦で。……それまで待ってなさいっ!」
まだまだ続く亜人の蹂躙は、確実にイタリアへと広がりつつある。
それをどこまで食い止め、人々への被害を抑えられるのか。
ディボロス達は、精鋭部隊の力とそれを率いるヘラクレスへの脅威を感じながら、素早くパラドクストレインへと戻るのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【反撃アップ】LV2が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!