イオニア海の海戦

 バーリの決戦に勝利したディアボロスですが、攻略旅団の提案により、海路で『オリンピア』を目指す事となりました。
 オリンピアは現在のギリシャに存在します。この地域は蹂躙戦記イスカンダルではジェネラル級亜人『単眼王・アンティゴノス』の領土内の重要拠点であり、陸路よりはマシとはいえ、海路での侵入も非常に困難です。

 イタリア南部とギリシャを結ぶ『イオニア海』には、ジェネラル級亜人『白のクレイトス』がおり、海からの敵に対して目を光らせています。
 白のクレイトス配下には、キプロス島で訓練された、エンネアド、マミー、ゾルダートなどが多く配属されており、海上戦闘を得意とするようです。
 まずは、海戦でクレイトスの軍勢を撃破してください。
 クレイトス軍の戦力が低下すれば、白のクレイトスとの決戦や、その目を掻い潜ってアンティゴノス領へ上陸する作戦などが実行可能になります。
 必要に応じて、攻略旅団で攻略提案を行ってください。

白のクレイトス

漂着改竄者の着任(作者 大丁
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#蹂躙戦記イスカンダル  #イオニア海の海戦  #イオニア海  #白のクレイトス 


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 マストの根元に設けられた足場から、フクロウのジェネラル級・亜人(ディアドコイ)は、自分の船団を眺めた。
 座上する旗艦を含め、10数隻の古代ギリシャ風帆船の集まりだ。現在、このイオニア海において、船団を中心とした哨戒警備を行っている。
「ローマの『起源王ロームルス』が敗北して逃げ延びて来たらしい」
 黄色の眼を前に向けたまま、クチバシがパクパクと動いた。
 数人いる側近は頭を下げる。
「はっ、そのようで……」
「いずれは、奪われたイタリア南部を奪還する事になるだろうが、今は、その時では無い」
 ジェネラル級――『白のクレイトス』は静かに言葉を続ける。
「我らの任務は、イオニア海を敵に越えさせない事だ。デメトリオス坊ちゃんを戦死させたディアボロスは、次は、アンティゴノス様の領地を狙うやもしれないのだからな」

 新宿駅グランドターミナルでは、時先案内人による情勢の説明がなされていた。
 担当するのは、ファビエヌ・ラボー(サキュバスの人形遣い・g03369)。
「敵の重要拠点『バーリ』を解放した事で、南イタリアから蹂躙戦記イスカンダルの軍勢を一掃する事ができました。これにより、南イタリアから海路で、蹂躙戦記イスカンダルの本国であるマケドニアや、ギリシャ方面へ向かう事も可能になったようですわ」
 いつものように伝達は、発車準備のできたパラドクストレインの車内で。
 ぬいぐるみ型の人形たちが、南イタリアからギリシャまでを含んだ地図を掲出している。
「ギリシャがわの地域は『単眼王・アンティゴノス』が領地とし、複数のジェネラル級を従えて治めています。セレウコス領よりも面積は狭いのですけれど、その分、ジェネラル級が集中しているので油断はできません」
 続けて、依頼内容が伝えられる。
「攻略旅団の作戦により、ロームルスを追い、バーリから海路でアンティゴノス領の『オリンピア』に向かっていただくこととなりました。イタリアとアンティゴノス領の間にある『イオニア海』には、敵の海上戦力が警戒網を敷いているので、まずは、この海上の敵と戦う必要がございます」
 敵の本国となるので、簡単には上陸できないらしい。
 ただ、ゴルディオンから西に向かうルートに比べれば、時間もかからないはずだ。

「イタリア沖までは当列車で向かえますわ。敵の警戒区域に入った後は、自力で移動する必要があります。敵の哨戒部隊と接触後にこれを撃破し、今回のところは撤退してください。敵の戦力を低下させていき、後々決戦を挑んだり、アンティゴノス領へ入ったりできるようになります。その後の作戦方針については、攻略旅団でも提案してくださいませ」
 説明が続くあいだに、ぬいぐるみたちは二枚の画像を掲出した。
 どちらも、半裸の男性だ。ボディビルダーのように、筋肉を誇示したポーズをとっている。
「頭部がウーパールーパーのほうが、トループス級エンネアド『ウーパー戦士』で、サングラスのほうがアヴァタール級大天使『神の腕』ゼルエルです。獣神王朝やエゼキエル戦争から、蹂躙戦記へと漂着したクロノヴェーダですわ。キプロス島での訓練を終え、イオニア海の哨戒警備に着任したと思われます」
 ファビエヌによれば、彼らの任務遂行方法は海面すれすれの飛行だ。
 今回の攻略旅団作戦は、敵哨戒の突破よりも接触位置の情報収集が重視される。集めたデータは新宿島の専門家が解析し、海上の敵の拠点や、潜入に適したルートなどについて割り出す手筈になっている。
「皆様は、むしろ敵から発見されるように動いてくださいませ。自力で移動と申し上げましたが、『水中適応』などで潜水していくよりも、『水面走行』で走っていかれたほうが、戦闘も含めてよろしいかと」
 水かきのマネをするぬいぐるみの上を、もう一体が走る動作をしてみせた。

 資料を車内に残し、案内人は降車する。
「敵との会話で重要な情報は得られないかもしれませんが、旅団提案の作戦なのでアヴァタール級の言葉にはそれなりの真実が含まれるはずですわ。この大天使は、同型がキプロス島で教官をしていたことが判っています。よろしければ、イイコトにつかってください」
 見送りがてら、ファビエヌはそう付け加えた。

 腰巻の意匠にエジプトの名残りはあるが、亜人の命令に従う違和感は完全になくなったようだ。
 ウーパー戦士たちは、きっちりとした編隊を組み、ピンとはった尻尾と、背中の器官をたくみにあやつって、海面を低空飛行していた。
「進路に異常なし!」
「フンヌッ!」
「視界良好、異常物は発見されず!」
「フンヌッ!」
「さぁ、肯定の半分まできたぞ、もう一セットだ、ファイッ!」
「フンフンフンヌッ!」
 報告やリーダー格の掛け声に、皆が筋肉で応えている。
「俺たちは恵まれてるな。話のわかる教官だったし、上官として同じ部隊に配属してもらえたしな」
 暑苦しい調子でしゃべるエンネアドたちだが、顔はかわいいウーパールーパーのままだった。



 事件の首魁であるアヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と会話を行います(状況によっては、トループス級(👾)との会話も可能です)。
 戦闘を行わず会話に専念する事になりますが、必要な情報が得られるなど、後の行動が有利になる場合があります。
 問答無用で戦闘を行う場合は、この選択肢を無視しても問題ありません。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。


特殊ルール 👿または👾で出現する敵との会話に専念する。戦闘行動は行わない。
👑3

→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【飛翔】
3
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【壁歩き】
1
周囲が、ディアボロスが平らな壁や天井を地上と変わらない速度で歩行できる世界に変わる。手をつないだ「効果LV×1人」までの対象にも効果を及ぼせる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV3 / 【ガードアップ】LV3 / 【反撃アップ】LV1

●マスターより

大丁
 オープニングをお読みいただきありがとうございます。
 マスターの大丁です。

 今回は、『蹂躙戦記イスカンダル』にて、イオニア海哨戒部隊と戦うシナリオとなっております。

 海を泳ぐとしながらも、オープニングでは『水面走行』を推奨していますが、使い方の工夫があれば『水中適応』や『飛翔』も可です。
 哨戒任務は、トループス級エンネアド『ウーパー戦士』たちだけで行われています。
 戦闘前に会話選択肢を選ぶと、すぐにアヴァタール級大天使『神の腕』ゼルエルが現れて、彼と話すことになります。今回は成功数の関係で、採用はおひとり様のみとなります。トレインチケットからの採用もありません。
 アヴァタール級との決戦、撃破で依頼成功となります。

 戦いに、冒険に。そして、ドキドキを。
 みなさまの素晴らしいプレイングをお待ちしております。
60

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


イーラ・モンコ
アドリブ歓迎
列車から降りる前に
特級厨師らしく手際よく調理した
絶品ナポリタンスパゲッティを
車窓を眺めながら食べ
ラボーが説明してくれた事を考える
食いたいやついたらすすめるぞ

大天使ゼルエルか
敵ながら鍛え抜かれた
いい身体してたな
あたしの技がどこまで
通用するか戦ってみたくなるね

明るいオレンジ色のビキニに
着替えて参加

イタリア沖で海水浴なんて
めっちゃ映えるじゃん♪
……今が夏なら良かったんだがな
まだ4月だぜ
妄想した後に我に帰って寒そうにし

でもま、身体は丈夫な方だ
それにこういうの面白そうじゃん♪
やってやるよ

【完全視界】活用し豪快にクロール
スピードにスタミナもバッチリさ
でかい魚に見えるかもな

ダイバーウォッチで時間を計りながら
敵の警戒区域に入り
哨戒部隊と接触した位置や時間
気になった箇所を
できるだけ正確に
小型防水ビデオカメラと頭で
記録して情報収集

泳いだり潜ったりしてみながら
周囲の観察や警戒は怠らず
野生の勘で違和感を感じる
怪しい箇所まで到達したら
発見されやすいよう
バタフライで派手に泳いで
目立ってみるか


「イタリア沖で海水浴なんてめっちゃ映えるじゃん♪」
 イーラ・モンコ(デイドリーム・ビリーバー・g09763)は、明るいオレンジ色のビキニを着て、トレインの戸口に立った。どこかにカメラマンでもいるかのようにポーズをとったりしている。
 風に髪をなびかせたまでは良かったが、すぐに背中を丸めておへそのあたりを手でおおった。
「……今が夏なら良かったんだがな。まだ4月だぜ」
 グラビア撮影の妄想から、我に返って寒そうにしている。
「でもま、身体は丈夫な方だ。腹ごしらえだってしたし」
 特級厨師らしく、車内でナポリタンを手際よく調理した。
「それにこういうの面白そうじゃん♪ やってやるよ!」
 覚悟を決めて、海面へと飛び込む。
 用意したエフェクトは、『完全視界』だ。水中活動専用ではないが、泳いだり潜ったりしながらの観察や警戒には、役立つだろう。移動そのものは、イーラ自身のスタミナとスピードを頼りにした、豪快なクロールである。
「でかい魚に見えるかもな~♪」
 さっきはモデル気取りだったのに、である。
 人間からすれば、アドリア海の遠泳はなかなかに途方もない。そこはディアボロスの身体能力だ。
「大天使ゼルエルも、敵ながら鍛え抜かれたいい身体してたな」
 しばらくクロールを続けたところでふと、時先案内人の説明と提示された画像が頭に蘇ってきた。
「あたしの技がどこまで通用するか戦ってみたくなるね。任務上、敵と接触してしまって構わないんだったな。発見されやすいよう、もっと派手な泳ぎにして、目立ってみるか」
 オレンジビキニのトップスを、水面から露わにする。
 両手で同時に水をかく、バタフライに切り替えた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!

ドラウ・スオーロ (トレインチケット)



 先行した特級厨師は残留効果を借りず、身一つで泳ぎきるつもりだ。
 さすがに速度が落ちている。後からきた、竜の尻尾を持つ者が追いつきつつあった。
「イーラさん! その泳ぎでは消耗が激しいのではないか」
 泳ぎながら話しかけるドラゴニアン、ドラウ・スオーロ(攻防一体・g07947)だ。
「あーこれぇ? バタフライだよ、敵に見つかるのも任務だから、わざとなんだぜ」
「ばたふらい……? ふむ……どうするのが最善か……」
 気真面目そうな顔を波間に見え隠れさせていたが意を決し、畳んでいた翼を海面より上へ持ち上げた。
「ふらい、fly……『飛翔』だ」
 ドラウの身体全体も海面上に出て、速度も増した。
「哨戒部隊のトループス級は、低空飛行でこの海にいるらしい。ならば、私たちも低く飛べば……」
「優しいねぇ。ふふっ、私も使わせてもらおう」
 素直に提案を受けるイーラ。
 オレンジビキニのボトムスが浮かんでくると、彼女はやっぱり楽ちんだとドラウに謝意を伝えてくる。
「私で助けになったのなら良かった。こちらこそ、食事をすすめてくれた礼がしたかったのだ、特級厨師殿」
「絶品ナポリタンスパゲッティか。車窓から海を眺めながらみんなで食べられて楽しかったぜ」
 イーラは空中でもバタフライの動きをした。
 その成果があったのか、しばらく飛ぶと敵影と遭遇できることとなる。人型の集団が飛行しながら、ディアボロスたちのほうへと近づいてきたのだ。
 水かきの真似を取り止め、イーラはダイバーウォッチを見た。敵との接触時間をはかっているのだろう。小型防水ビデオカメラも回しはじめる。
「ドーガ(動画)は任せよう。私は可能な範囲でシャシン(写真)を撮っておく」
 こうした記録が、解析の材料になるのだ。
「事件終了後に新宿島の専門家に渡そう……私では分からないだろうから」
 ドラウは戦闘準備が必要な間合いまで、記録を続けた。
善戦🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!

エルマ・カナリー (トレインチケット)



高遠・葉月 (トレインチケット)



 トループス級エンネアドの姿がはっきりしてくると、海面スレスレを飛ぶ筋肉質な集団だとわかる。
「フンヌッ!」
 元は、魚の女神ハトメヒトの加護を受けた、屈強かつ従順な戦士だったと聞く。いまは、『亜人(ディアドコイ)』の命令で動くよう、再教育されたのだろうか。
「接触位置の情報収集は完了しております。次は、アヴァタール級からお話を聞くところでございますが……」
 エルマ・カナリー(不沈艦・g09987)が、淡々とした口調で任務の確認をする。
 クロノヴェーダの非道な行いを目の当たりにしたならば、この自称『令和最新版最強ロボメイド』も暴れ出すところだ。哨戒任務でうろつくだけの相手では、まだクールな態度を崩さない。
「うん。『神の腕』ゼルエルを呼び出すためにも、ウーパー戦士のみなさんとは、やり合う必要があるかもね」
 高遠・葉月(猫・g04390)は、拳をグッと握った。
 頭の上に乗っかっていたスフィンクスの『しゃけ』が、毛についた海水を払おうと、プルプルと首を振っている。高度が低いと飛沫をかぶる。
 結局、ディアボロスたちは攻撃を仕掛けることにした。
「炎の準備は完了しております。灼かれる用意は出来ておりますか?」
 エルマが砲撃を行う。
 特殊炸薬を内包した高威力の徹甲榴弾が、敵哨戒部隊の一体に命中した。
 強力な衝撃波を伴う弾殻の飛散と特殊炸薬の燃焼によって生じる高温で、命中した目標を中心に筋肉集団を炎で包み込む。
 編隊飛行からさらに数体が脱落し、黒焦げになって海面下へと沈むところが見えた。
「フンヌッ!」
 しかし、一部で火力が弱まる。直撃以外のトループス級が、鍛え上げた肉体をたよりに、ダメージ範囲から無理矢理抜け出るつもりらしい。
「やりますね。葉月様、活躍はお譲りいたします」
 炎の壁にあいた穴から、ウーパールーパーの可愛い顔がのぞいたところへ、デーモンイーターが急接近していた。
 振り落とされないよう、『しゃけ』は主人の頭にしがみついている。
「『knock face down(張り倒すわよ)』!」
 葉月の構えに一瞬、騎士型デーモンの姿が重なった。
 宿った膂力で力一杯に殴りつける。
 カウンター気味にきまり、拳はピンク色の顔へと深くめり込む。
「フンフンフンヌッ!」
「このっ!」
 最初の一体は、衝撃に吹き飛ばされていったが、後続のウーパー戦士は、葉月と近接格闘戦を繰り広げる。
 『ウーパーアーツ』は見た目通り、鍛え上げた肉体から繰り出される技だった。
善戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【能力値アップ】LV1が発生!

イーラ・モンコ
一緒に行動してくれた方や
先に戦ってくれてる復讐者達に
礼を言いながら気合充分に加勢に入り

敵のウーパーアーツに素早く
パラドクスのサカナギで対抗
そのカンフーのような身のこなしや
舞うような格闘攻撃はよく鍛え上げられた破軍拳士ならではさ

敵の鍛え上げた肉体から繰り出される
格闘術の猛攻に
こっちも修羅場になって
ブチギレした鬼みたいな形相で
攻撃ごと敵複数を吹き飛ばす!

攻撃が防御を兼ねてるし
高速移動する動作の中で
致命傷だけは僅かにずらして
受けきってるぞ

物凄い勢いで敵陣を怪力と
型にはまらない格闘術で薙ぎ払い
味方の士気を高揚させ
共闘するよ
ダメージアップも乗ってるから
絶好調♪

「どんなもんだい!
うまいメシを料理するのも、
クロノヴェーダを料理するのも
あたしにお任せってね♪」

見事に勝利した後は
ガッツポーズで仲間に微笑むよ


「あたしだってなァ、格闘攻撃だったらよく鍛えてるんだぜ!」
 イーラ・モンコ(デイドリーム・ビリーバー・g09763)が、舞うような身のこなしで加勢に入ってきた。飛んでいるから、まさに宙を舞う、といったところ。
 数体のトループス級を蹴散らした。
 あるいは、ワイヤーで吊られたカンフーアクションか。
「あ、パスタの人よね?」
「そうそう、おいしゅうございました」
「なぁに、哨戒部隊から先手をとってくれて助かったぜ。ヤツラを写した記録媒体は大事にしまってある。特級厨師もいいが、こっからは破軍拳士ならではの動きを見せていくからな!」
 合流したディアボロスたちは気合十分。
 ウーパー戦士たちの猛攻に、真正面から向かっていく。イーラには、敵の顔のかわいらしさは影響しないようだ。
 むしろ、かえって憎さ倍増の可能性もある。
 味方にはお礼を言う等、ニコニコしながらの登場だったのに、ウーパー顔を殴るたび、イーラの表情は険しくなっているのだ。それにつれて、拳にのるパワーも上がっていく。
 トループス級のリーダー格は、同族が薙ぎ払われるありさまに、おののいた。
「あんなに鍛えたのに、俺たちの技が通じないのか?!」
 ディアボロスの独創的で、型にはまらない格闘術は、大天使からの訓練では教わっていない。攻撃が防御を兼ねているようだし、高速移動する動作の中で致命傷だけは僅かにずらされ、『ウーパーアーツ』を受けきられている。
「テメーらなんか、どーってことねえわ、コンチクショウっ!」
 いまや、ブチギレした鬼みたいな形相だ。
 元『獣神王朝』の戦士たちが、あらかた撃破された。
「そーいえばむかし、こんな顔を見た気がする。男神ひとりをめぐって女神ふたりが……」
 自分に向かって飛んでくる拳士にリーダー格は、滅んだディヴィジョンの神話を思い返していた。ほんのわずかな時間だったが。
「アヴァタール級はまだ来てねぇけど残ってるのはオメーだけ。あたしに殴らせろっ!」
 三角関係の修羅場で逆上した、恐ろしき恋人のごとく。
 イーラの絶好調は、ダメージアップが乗っていたから。怒りが増幅されて、上昇ぶんが三倍になっていた。
「『サカナギ』ぃ、オラぁっ!」
「きょ、教官どのォ!」
 蹂躙戦記に漂着したエンネアド。
 亜人として生きた時間も短かった。
「どんなもんだい! うまいメシを料理するのも、クロノヴェーダを料理するのも、あたしにお任せってね♪」
 振り返ったイーラは、ガッツポーズで仲間に微笑む。
 白い翼の筋肉男が姿を現したのは、それから少したってからだ。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【士気高揚】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!

露木・ささら (トレインチケット)



イフ・ノクテ (トレインチケット)



ロッカ・スターアニス (トレインチケット)



 ロッカ・スターアニス(スノウホワイト・g09145)がバタバタと羽ばたいた。
「来ました! ものすごい怒ってます!」
 敵指揮官を見つけたらしい。デーモンの翼でぴゅーんと飛んでいくので、仲間のディアボロスたちは彼女に続いて突撃態勢をとる。
「ねぇねぇ、みんな! サングラスの人、後ろから来るですよ!?」
 露木・ささら(流血の狩人・g02257)が、引き留める。
 鬼人の鬼狩人が指差す方向にこそ、アヴァタール級大天使の低空飛行があった。『神の腕』ゼルエルで間違いないだろう。
「ボクはふつーの狩人なのです。だから、捜索活動はふつーに得意なのです」
 姫カットの8歳男児は、えっへんと胸を張る。
 では、ロッカが何かを見間違えたのか。皆が視線を送ると、ちょっと離れた位置でデーモンのスノウメイジは振り返った。
「私は! 敵が向かって来たら、背中を見せてでも距離をとりたいんです!」
 意外な返答だったので、普段は閉じこもりがちなイフ・ノクテ(Myosotis serenade・g05255)までが、驚きの声をあげた。
「『飛翔』のレベルアップで加速までしていたのにですか?!」
 天使の吟遊詩人は、真っ黒なスフィンクス『お父様』を抱く力を強めた。ロッカは気にした風もなく、堂々と言い放つ。
「それが、敵の嫌がらせになるのでしたら! ほら、もっと怒って迫ってきます。皆様こそ、アヴァタール級になにか用事があったのでは?」
 なるほど、配下を殲滅した上でわざと逃げ出すのも挑発にはなる。
 感情を操るような、思慮深い行動かもしれない。
「ボクとはやり方が違うだけでしたか。用事って情報収集です? ボクは別に。戦闘なら任せてほしいのですよ!」
 ささらが、仲間と敵影を見比べている。イフはおずおずと答えた。
「わたしも……交渉や説得は少々苦手で……」
「さっきも言ったけど、私は嫌がらせがしたいだけです」
 結局、手をあげる者はいなかったので、この場で敵哨戒部隊の指揮官撃破に集中することとした。
「ふふ、お父様。楽しい舞台にしましょう」
 イフの表情が明るいものへと一変し、スフィンクスとともにさらに高く舞い上がった。天使の翼を羽ばたかせ、回転する無数の輪が出現する。吟遊詩人らしく歌いながら、『リングスラッシャー』をリズミカルに放った。
 ヒョウ柄のパンツ一丁の神は、むき出しの肌を切り裂かれ、細かな傷を幾つも負う。
「むむ?! 逃げ出したかと思えば不意打ちとは。鍛え上げられた筋肉に不可能は無い!」
 『神の大腿四頭筋』、ゼルエルは空中で半回転すると、揃えた両足を前にして飛んでくる。フライングドロップキックで、リングスラッシャーを弾き返し、イフへと迫った。
「狩技……『天彗箒星(テンスイホウキボシ)』」
 ささらが蹴り技を合わせて、ゼルエルの両足キックをインターセプトする。
「ぐ、うわわぁ」
 大天使は態勢を崩して落下した。鬼狩人の技は、天彗脚で発生させた運動エネルギーを余すことなく蹴撃へと変える。
 軌跡には、霧状になった血を含む衝撃波が発生していた。
 ささらに蹴り返されて海まで落ち、背中から水しぶきをあげるかと思いきや。
「『神の広背筋』だ。おお、我が鋼の背筋に支えられた翼の羽ばたきの何と力強い事か!」
 サングラスごしにも、自分に酔っているとわかる。
 上機嫌で加速し、ディアボロスたちに飛翔攻撃を仕掛けてきた。
「さっきより速いのです?! まぁ、どーにかなるですよ」
 狩人は、自分から敵の急襲にぶつかっていく。そして、仲間の技に賭けた。
 敵指揮官をそのスピードで引き離した、デーモンの翼に。
「どちらかと言えば、パワー。それもチクチクと攻撃を続けることの繰り返し、ですけどね!」
 ロッカが期待どおりに、『竜翼翔破』で空中戦に混じってくる。
 近づいては離れ、離れては近づく。
 嫌がらせにはなっているようで、ゼルエルは苛立たしげに空中に留まると、グッとポーズを取った。
 決着を急ぐつもりだ。
「『神の上腕二頭筋』をくらえ!」
 力こぶから放たれたマッスルビームの光が、ディアボロスたちをつつむ。
善戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【エアライド】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
効果2【ガードアップ】LV2が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!

イーラ・モンコ
「敵ながら見事な筋肉だなあ、神の腕さんよ。
やり合う前にポージングで勝負しようぜ♪」

戦闘前にマッチョなポーズとキレのいい
セクシーダンスで
張り合い

体幹の良さをアピールして片手親指だけで
逆立ちしてポーズを
決めて挑発してから
バトル開始

力こぶからマッスルビームが放たれる
神の上腕二頭筋に
アイアンハンドで対抗だ

パラドクスでカッチカチに鋼鉄みてえに硬化させた拳に
サキュバスの魔力を溜めながら

魔力で操作したガールズトランプを
咄嗟にばらまいて
視界を遮り目眩まし!

ほんの一瞬かもしれねえが
あたしや仲間が
超狙いにくいだろ♪
手練れどうしがやり合うんだ
その一瞬が命取りさ……!

ACシューズで猛ダッシュ!
更にジャンプしながら翼で滑空して
加速して低空飛行して急接近!

スピード、全体重、ピンク色に
光輝く全魔力を込めた
拳を振り下ろし叩き潰すぞ

多少マッスルビームは
食らうと思うが【ガードアップ】
乗った鍛え上げられた身体にマジックガード、バトルオーラで防御して耐えきってみせるぜ

ピンチなやつがいたら
あたしが壁になって
時間稼ぎしてやるよ


 アヴァタール級大天使、いまはイオニア海哨戒部隊の指揮官。
 『神の腕』ゼルエルの放ったビームを遮ったのは、イーラ・モンコ(デイドリーム・ビリーバー・g09763)が咄嗟にばらまいたマジックカード『ガールズトランプ』だった。
「ほんの一瞬だったかもしれねえが、あたしや仲間が超狙いにくいだろ♪ 手練れどうしがやり合うんだ。その一瞬が命取りさ……!」
 ここまで積み重ねたガードアップも効いている。
「おのれ、ディアボロス。次は避けられまい」
 海パンサングラスが、ボディビルダーのようにポーズを変えた。
「敵ながら見事な筋肉だなあ、神の腕さんよ。あたしの体も温まったことだし、ポージングで勝負しようぜ♪」
 明るいオレンジ色のビキニで、イーラも体幹の良さをアピールする。
「ふふ、お父様。わたしたちは舞台のお手伝いをしましょう」
 イフと黒スフィンクスが、浄化の力をのせた演奏を行使する。その音楽にのせて、オレンジビキニはセクシーなダンスを踊った。
 彼女の身体を支えているのはサキュバスの翼と、ドラウやロッカが高めてくれた飛翔。葉月とエルマによる身体強化だ。
 対する力こぶからのマッスルビームが、見劣りしている。
「むむむ。我が上腕二頭筋こそ、『神の腕(物理)』の面目躍如だというのに!?」
「どうした、どうした! マッチョなポーズでもあたしの勝ちか?」
 イーラは宙がえりをきめると、片手親指だけの逆立ちで静止する。それは、ささらが発生させた『血の衝撃波』を利用した、エアライドだった。
 逆さのまま空中ジャンプし、敵の頭上へと急接近する。
「『アイアンハンド』! カッチカチに鋼鉄みてえに硬化させた拳だぜ。喰らいな!」
「し、しまった! ポーズに気を取られて……」
 肉体を誇示するわりに、飛び道具が主体のアヴァタール級であった。
 サキュバスの魅惑が、イーラの肌をピンク色に染める。
 スピードと体重、さらには光り輝く全魔力の乗った拳が振り下ろされた。
「ああああッ! 俺の、無敵の、筋肉の……!」
 ゼルエルのビームが肩ひもをかすめたが拳は止まらない。サングラスをぶち割り、首が変な角度になるほど殴りぬいた。
 白い羽根が舞い散る。
 大天使の漂着者の一体は、消滅したのだった。
「あたしの技がどこまで通用するか試してみたけど、やっぱみんなの力を合わせてこそだったぜ♪」
 任務の第一、敵哨戒部隊の情報も得られた。
 今後の情勢がどう変わっていくかは分からないが、自分たちの連携が攻略を進めていくだろう。
 ディアボロスたちはそう確信し、パラドクストレインへと戻っていった。
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効果1【壁歩き】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!

最終結果:成功

完成日2024年04月27日