リプレイ
ニーニ・ニニ
込めてまだ準備中です!
…尻尾もお耳も怖くて震えていますが、泣きたい気持ちをぐっと我慢して。
この地の皆の笑顔を取り戻すチャンスが巡ってきたのですから、今は勇気を振り絞る時なのです!
お前達が、全てを蹂躙するつもりならば。
ぼく達が、全てを守ってみせますよ!
開戦のラッパは高らかに。
ペンギン楽団に、勇気と元気が湧いてくる音楽を奏でてもらって、
皆を奮い立たせながら、不死隊の殲滅と左翼の防衛を頑張ります!
【罠使い】の知識を活用し【地形の利用】をして、こちらが少しでも有利になる場所へ敵を誘い込んで一網打尽にしちゃいますよ!
倒れた敵が闇魔術で再び起き上がる前に、どんどんやっつけていきましょう!
味方がピンチの時には、すぐに応援に向かいますね。
ぼくとペペンが防ぎますから、今のうちに体勢を立て直して下さい!
ここをしっかりと守れれば、きっとナザルも討ち取れるはずなのです。
敵の猛攻にも怯まず踏ん張りますよ、ペペン!
六宮・フェリクス
おーおーイスカンダルは相変わらず派手にやってんな?
闘争と蹂躙「自体」は嫌いじゃねーが…どうも気に食わん!
何せ裏でアークデーモン共が手ェ引いてやがるそうだからなァ!
つっても何か扱い悪そ…いいか
その地位さらに落とさせて頂きましょっかね♡
バランス良〜くやれって言われてっからな
効率よく潰して行こ!
パラドクス通信お借りしまーす♡こちら左翼の六宮!
接敵タイミング合わせて…攻撃開始と行こうか!
不死を名乗ってんだ、オレら以上の踏ん張り見せてくれるんだろうな?
こっちの性質ご存じだろ、かなーり粘るぜ?
――それを見る前に、焼き尽くす
【命中アップ】で全体の狙いを補助!
光背顕現、集束せよ神雷――薔薇の道を辿れ!
棘はお好き?オレは好き♡
お似合いの冠を被せてやる、感謝しな
出来ないならそこで寝とけ!
…オレらにはお前らに無い矜持の郷愁がある
守るものを背負ってんだ
精神集中――その動き、分かりやすいぜ
行こうか『閃光』
だいたいなんでも受け流してやろう!
ついでの【エアライド】付与!右翼側も使えるなら使って対抗してやれ、頼んだぜ!
●守る為の戦いへと
「おーおー。イスカンダルの軍勢は、相変わらず派手にやってんな?」
『蹂躙戦記イスカンダル』バビロン北方ガウガメラの野『左翼防衛班』に志願した、六宮・フェリクス(An die Freude・g01325)が、ジェネラル級亜人『惨憺たるムシュフシュ』配下の軍が待ち構える方向へと、額に水平に手を当て視線を送り、感心したように言う。
「闘争と蹂躙『自体』は嫌いじゃねーが……どうも気に食わん!」
フェリクス自身は戦うのも無双するのも嫌いではない。
戦うなら勝ちたいし、その為に作戦を練り努力をすることだってある。
問題は感情の部分……。
「何せ、裏でアークデーモン共が手ェ引いてやがるそうだからなァ! ……つっても、聞いた限りじゃ、何か扱い悪そ……まあ、いいか」
既知の『時先案内人』から聞いた話では、『TOKYOエゼキエル戦争』から逃れた、ジェネラル級アークデーモン『妖艶なる魔豹使いシトリー』が協力者として、ムシュフシュに色々と作戦を持ち掛けていたらしいが、度重なる作戦失敗により随分な扱いになっていると言う。
話を聞いた少年が未成年だった為、詳しいことを聞くのは避けたが、『あ~んなこと♡』だったり『こ~んなこと♡』をされ、お仕置きされているのは……フェリクスにも容易に想像できる。
「その地位、さ・ら・に♡ 落とさせて、頂きましょっかね♡」
口元にどうしても止まらぬ笑みを作り、フェリクスが楽しげに言う。
そんなフェリクスとは対照的に、ダンジョンペンギンの『ペペン』を胸に強く抱き、耳も尻尾も怯えるように震えているのは、ニーニ・ニニ(雪陽の子猫・g08923)だ。
黄金に煌めく瞳からは、今にも涙が溢れそうだが、それを気持ちでぐっと我慢して、物理的にはぺペンを思いっきり抱き締め、涙が溢れないように堪える……自分は、この地の皆の笑顔を取り戻す為にこの作戦に参加したのだから。
「よっし、それじゃオレちゃん達から行くとするか♡ バランス良〜く、やれって言われてっからな。効率よく潰して行こ!」
ニニのミルキーホワイトの耳をポンポンと叩き、フェリクスが通信機で『右翼突撃班』へと連絡を取る。
「こちら左翼の六宮! 接敵タイミング、合わせて……攻撃開始と行こうか!」
右翼班からのんびりとしたGOサインが出ると、フェリクスは敵陣へと走り出す。
もう、フェリクスは振り向かない。
「ぼく達も行きましょう、ぺペン! チャンスが巡ってきたのですから、今は勇気を振り絞る時なのです!」
ぺペンを地に下ろし、ニニは少しだけ瞼を手で拭う。
「お前達が、全てを『蹂躙』するつもりならば。ぼく達が、全てを守ってみせますよ!」
自分の中の勇気を信じ、ニニもイスカンダルの兵が待つ戦場へと駆けるのだった。
●音楽と薔薇の棘
ディアボロスの襲撃を待ち構えていた、トループス級『不死隊』の聴覚に、高らかなラッパの音をメインとした勇壮な音楽が聞こえてきたのは、突然のことだった。
「大丈夫です! ぼく達にお任せ下さい!」
ニニの合図と共にペンギン楽団が奏でるのは、戦闘開始のオーバーチュア。
勇気と元気が湧き出る音楽で、戦場の仲間達を奮い立たせるように合図を送る。
「『不死隊』の殲滅と左翼の防衛を、ぼくとぺペンも頑張ります!」
イスカンダルの地で死んだ『亜人』の骸と共に突撃してくる不死隊に、ニニはもう怯んだりはしない……勇気を出すと決めたから。
少しでも敵がペンギン達の奏でる楽曲でその身を崩すように、ニニは戦場を確認し、一気に巻き込める場所へと素早く移動する。
「倒れた敵が闇魔術で再び起き上がる前に、どんどんやっつけていきましょう!」
「りょーかい♡」
ニニの言葉に答えるとフェリクスが直ぐ様、戦場に躍り出る。
「不死を名乗ってんだ、オレら以上の踏ん張り見せてくれるんだろうな?」
多数の不死隊を前にしても、フェリクスの不遜な態度は変わらない。
「こっちの性質ご存じだろ、かなーり粘るぜ? ――それを見る前に、焼き尽くす」
瞳を鋭く猛禽のように細め、背に巨大な光輪を顕現させるフェリクス。
「光背顕現、集束せよ神雷――薔薇の道を辿れ!」
原罪をも灼き尽くす極光――その力で数多の雷の杭を創り出すとフェリクスは、不死隊へと撃ち放ち次々に貫いていく。
「棘は、お好き? オレは好き♡」
突き刺した雷の杭が不死隊の身体の中を食い破るように、薔薇の棘と成って切り刻む様を見ながら、フェリクスが満足気に言う。
「お似合いの冠を被せてやる、感謝しな――出来ないならそこで寝とけ!」
不死隊の身体を完全に蹂躙した薔薇の荊は、最後に荊の冠を被せ、完全に不死隊の動きを止める……フェリクスの意のままに。
「……オレらには、お前らに無い矜持の郷愁がある。守るものを背負ってんだ」
『蹂躙』するしことでしか力を得られない『亜人』達とは違うのだと、フェリクスは黒刃の日本刀を鞘から抜き言葉にする。
「精神集中――その動き、分かりやすいぜ。行こうか、『閃光』――大体、何でも受け流してやろう!」
背の光輪から再び雷の杭を放ち、その光の中でフェリクスは黒い剣閃を奔らせる。
(「右翼側も突入してる筈だな―――頼んだぜ!」)
フェリクスが同時突撃した筈の右翼側へと意識を移す中、左右から不死隊がフェリクスを挟撃するが、直ぐにニニとぺペンが援護に入る。
「ぼくとペペンもしっかりカバーします。ここをしっかりと守れれば、きっとナザルも討ち取れるはずなのです。敵の猛攻にも怯まず……踏ん張りますよ、ペペン!」
ニニもディアボロスとして、この戦場から逃げる気はない。
全ての敵を撃破するには、まだ時間がかかる。
それでも、勇気があれば絶対に大丈夫だと思える。
この戦場に、敵の脅威に怯える泣き虫な子猫は……もう居ないのだから。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【避難勧告】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
マティアス・シュトローマー
バビロン北方にもこれだけの亜人が配置されていたなんてね
史実でのガウガメラの戦いを思い出してわくわくするよ
数の上では圧倒的に不利な俺達がマケドニア軍――勝ち馬に乗っているんだなって
それじゃ、始めようか
【パラドクス通信】で左翼側の仲間と連携し攻撃開始。具現化した雷を敵部隊に向かって落とし麻痺を伴うダメージを与える
命中アップの効果も活用しながら狙うのは、急所である頭部か脚部。特に脚は彼らにとって機動力の要である部位だろうからね
例え一瞬でもその動きを封じ、こちらが反撃に対応するまでの時間を稼ぎたい
雷に撃たれた気分はどう?
少しは驚いて貰えたかな
やるね、亜人でもこんな連携が出来るんだ
優先して対応したいのは敵が放つ鎖。ライオットシールドで弾いた上で死角からの一撃に備えよう
腕が動けばシールドで、脚が動けばこちらへと向かってくる敵の動きを逆手に取り、バク転での回避を試みる
致命傷さえ防げればそれで十分
暗殺は失敗に終わったみたいだね
ここから先はお互いの手の内が明らかになった消耗戦――君達について来れる?
クィト・メリトモナカアイス
ふんむー、この場所からグランダルメ奪還戦に関わろうとするとなると。
我らがあっちに行ってる隙にバビロン湖から霧越えとか……?
相変わらずめいわくなやつら。
んむ、こちら右翼、モナカアイスに愛されし守護者。
よいよー、そっちは任せた。
【パラドクス通信】で連絡を取り、戦線を支える左翼と同時に攻撃はじめ。
浮遊球形ガジェット「モナカ射撃型」を呼び出して「射撃のキムリック」。
それじゃあ我は【ダメージアップ】。【命中アップ】も合わせて敵の急所を攻撃して撃破を狙いつつ、右翼の他の復讐者といっしょに前へと進めー。
普段なら囲まれぬようにするところだけど。左翼でも頑張ってくれてるから問題なし。3機のガジェットで敵をなぎ倒しながら指揮官の方へとずんずん進もう。
反撃の鎖と斬撃のコンビネーションはこちらもモナカ射撃型たちを2方向に分けてパラドクスで威嚇射撃。思いっきり踏み込めぬようにしてダメージを減らそう。
汝ら民を手に掛け、その手を血に染める者。
汝らの名は語られず、刻まれず。
ただこの荒野にて滅ぶべし。
●トリックスターと守護者の突撃
少し時間を遡る……。
『蹂躙戦記イスカンダル』バビロン北方ガウガメラの野『右翼突撃班』もパラドクストレインから降り、敵軍への突撃タイミングを計っていた
「『バビロン北方』にも、これだけの『亜人』が配置されていたなんてね」
敵の戦力規模を考え、マティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)が言葉を落とす。
「史実での、『ガウガメラの戦い』を思い出して、ワクワクするよ。数の上では、圧倒的に不利な俺達が、マケドニア軍――勝ち馬に乗っているんだなって」
歴史は繰り返されるという言葉がある。
今回の作戦は、勝利への道をなぞらえているとも言える。
だからこそ、勝てる筈だし、勝たなければならないのだと、マティアスは強く思う。
「ふんむー、この場所から『グランダルメ奪還戦』に関わろうとするとなると。我らが、あっちに行ってる隙に『バビロン湖』から、霧越えとか……? 相変わらずめいわくなやつら」
眼前に迫った『グランダルメ奪還戦』……断片の王『イスカンダル』は既に動きを見せているが、この地からの干渉が絶対にないとは言い切れない為、クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)は、呆れつつも思考を止めることが出来ない。
他の戦場では、『伝令のトループス級亜人』の動きも確認されている。
こちらも動きがないと限らないのならば、作戦を成功させる必要は高まると言っていい。
「それじゃ、始めようか」
「んむ、こちら右翼、モナカアイスに愛されし守護者」
マティアスの言葉に促され、クィトは通信機で『左翼防衛班』に連絡する。
直ぐに、張り切った声が返ってくれば、クィトもいつもと同じ調子で言葉を返す。
「よいよー、そっちは任せた」
返事と同時にクィトは、浮遊球形ガジェット『モナカ射撃型』呼び出し、攻撃態勢に入る。
「それじゃ、雷のような衝撃……受けてもらおっか」
マティアスが『パチリ』と指を鳴らした直後、前方敵陣に轟音が響き雷が落ちる。
「これなら、何体かやれたかなー。なら追撃ー。『モナカ』射撃型、てー」
3機の『モナカ』射撃型を敵陣に送ったクィトは、まだ姿を現さぬトループス級『暗殺教団員』を誘い出すように機銃を連射させる。
その瞬間だった。
マティアスとクィトの死角から、勢いよく鎖が二人の動きを止めようと、撃ち放たれる。
「聞いてた通りの攻撃だけど、その程度のスピードじゃ、俺は捉えられないよっと!」
言葉と共に地に手を付き勢いよくバク転しながら、マティアスは暗殺教団員の鎖を勢いよく躱す。
(「狙い通り、脚に落とせたみたいだね。アサシンタイプなら機動力が命だろうしね」)
例え一瞬でもその動きを封じることが出来れば、自身の反撃のタイミングが生まれる筈。
そして、暗殺経団員の動きが鈍れば相手の攻撃も躱しやすくなる筈……相手が自分達と同じように【エアライド】を駆使してくるというのなら、なおのことだ。
「雷に撃たれた気分はどう? 少しは驚いて貰えたかな」
いたずら小僧のように笑いながら、マティアスは暗殺教団員達を挑発する。
「『モナカ』射撃型、弱ってるやつから、徹底的に急所を狙って、てー」
自分達はあくまで『突撃班』ということを忘れず、クィトは少しずつ『モナカ』射撃型を前に進めながら、機銃の連射の弾幕を強める。
「普段なら囲まれぬようにするところだけど」
背後に回った暗殺教団員に視線を送ることなく、『モナカ』射撃型の1機を背後に回し機銃で撃ち落としながら、クィトは言葉を続ける。
「左翼でも頑張ってくれてるから……問題なし。汝等をなぎ倒し、指揮官……んー」
機銃の威嚇音の中、クィトは少し考える。
「そう。ナザルだった。ナザルのところまで行かせてもらおー」
鎖と斬撃の激しい連携攻撃にも、一切顔色を変えず、クィトは『モナカ』を操り、前へと進む。
「汝ら民を手に掛け、その手を血に染める者」
『バラララララララッ!!!!』と音を上げ『モナカ』の機銃が暗殺教団員の胸に幾つもの穴を上げる中、クィトは言葉を紡ぎ続ける。
「汝らの名は語られず、刻まれず。――ただこの荒野にて滅ぶべし」
そこに慈悲などないのだと、クィトは一切表情を変えない。
「やるね、亜人でもこんな連携が出来るんだ」
楽しげに揶揄うように言いながら、攻撃を躱し続けているマティアスも、確実に前へと進み、敵を減らしている。
鎖で腕を絡め取られようが、自身が反動を付けて一気に接近すれば意味はないと、眼前まで迫って雷を落とすマティアス。
ライオットシールドで弾くことが出来れば、死角からの斬撃にも対応できる。
致命傷さえ防げればそれで十分と考えていたが、相手の武器が鉄製のものメインだった為、思っていた以上に雷の通りが良い。
「残念だったね。暗殺は失敗に終わったみたいだね。暗殺者が姿を見せたら終わりだよね? ここから先は、お互いの手の内が明らかになった消耗戦――君達に、ついて来れる?」
戦場を遊び場のように駆け、跳ね、マティアスもアヴァタール級『「雷霆」ナザル』までの道を開いていく……本陣まで、あと僅かな距離だ。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!
黄下・泉
連携・アドリブ歓迎
さてっと。
戦争が近づいてるからって言ってもこっちも大事だ。
ここの戦力が向こうに合流されるのは面倒だし、こっちはこっちできっちりカタを付けさせてもらうか。
左翼は斬り込み隊みたいな奴らが相手か。質実剛健っていえば聞こえはいいけど辛気臭いな。特に顔。
って言っても、厄介そうな戦力なのは見て明らかだな。
気合い入れて全力で行くよ。
ああ、味方側と分断されたら命取りだし、互いにフォローするよう心掛けとかないとな。
符術で強化し、術式を篭めた四肢での格闘戦だ。
幸い相手の戦い方は正気をトバした暴走狂騒状態。
落ち着いてよく見て戦えばむしろ戦いやすいまである。
敵は大部隊だしガンガン倒していきたいけど、闇魔術で再利用されることまで考えると、手足も首も分解して落として、使いものにならないバラバラ死体にしておきたいな。
まあ、その余裕があるかは戦況次第だけど。
霧宮・悠希
・SPD
史実であった戦いのやり方を参考にして、敵の軍勢を倒す……か。
……カンナエの戦いとか、ディアボロスでも出来そうにないものじゃなくてよかった、かな?(ふと妙なことを考える、がすぐに意識を切り替えて)
「何にせよ──狩りの時間だ」
使える残留効果は全て使う。【パラドクス通信】で他のディアボロスと連絡・連携を取るのが有効であれば可能な限りそうしたい。
それにしてもバーサーカーとは厄介だ。倒れた仲間を操って攻撃を仕掛けさせるなんてことをしてくるのなら、さらに。
……けれど、やることは変わらない。攻撃を凌いで敵を狩る。そうすれば負けはしない。
だからいつも通り──『復讐者の狩り』を見せてやる。
パラドクスの力を自分自身に、装備に巡らせ、敵の軍勢との戦いに臨む。
常に同じ場所に留まることなく動き回りながらの機関砲の掃射、投射装置からのロケット弾の投射。敵の突撃を迎え撃つ、あるいは亡骸を操る敵を狙い撃っていく。
長剣は両手持ちで構える。砲撃で敵の勢いを削いだ上で、一撃で叩き落とせるように。確実に、仕留めていく。
●変わり行く戦況
「さてっと。『断頭革命グランダルメ奪還戦』は、ほぼ、完全勝利と言っても……こっちも大事だ」
トループス級『暗殺教団員』を見ながら言うのは、黄下・泉(リターナーの符術士・g08097)だ。
「『イスカンダル』は、オリンピアの方に撤退したって話でも、此処の戦力が向こうに合流されるのは面倒だし、こっちはこっちで……きっちりカタを付けさせてもらうか」
泉の言葉通り、『蹂躙戦記イスカンダル』の軍は現状、『断頭革命グランダルメ奪還戦』の際に多くのジェネラル級を撃破された上で、断片の王『イスカンダル』と残ったジェネラル級とで撤退し、『オリンピア』にて軍の再編をしていると目されている。
その為、『バビロン北方軍』が、直ぐに『イスカンダル』に合流出来るとは考え難いが、戦況は時間と共に変化する為、今後どのような影響を及ぼすか分からないこの地の作戦を完遂しないという思考には、泉を含めたディアボロス達が至ることはない……あくまで、現状はだが。
「左翼は、斬り込み隊みたいな奴らが相手か。……質実剛健って言えば、聞こえはいいけど辛気臭いな。特に顔」
倒しても倒しても、ディアボロスを攻撃し続ける『不死隊』の陰鬱な雰囲気に、泉はそう言葉を漏らす。
「……って言っても、厄介そうな戦力なのは見て明らかだな。気合い入れて、全力で行くよ」
言うと泉は符術で自身を強化し、術式を篭めた四肢での格闘戦の構えを見せる。
(「幸い……不死隊の戦い方は、正気をトバした暴走狂騒状態。その状態で、闇雲に剣を振り続けるだけなら、落ち着いて戦えば、むしろ戦い易いまである……!」)
痛覚と死の恐怖を完全に欠落させたバーサーカー……相手がそうであるなら、自分は冷静に相手の攻撃を捌きさえすれば、対処が難しい相手だとは、泉も思っていない。
(「敵は大部隊だし、ガンガン倒していきたいけど……闇魔術で再利用されることまで考えると、手足も首も分解して落として、使いものにならないバラバラ死体にしておきたいな……」)
「まあ、その余裕があるかは戦況次第だけど――解き、崩す」
『分解』と『変性』の性質を持つ術式を組んだ泉は、不死隊に一気に接近すると、不死隊の1体を瞬時に力と情報のみのレベルにまで解体し、符へと創り変える……狂乱の剣を振り落とすことが二度と出来ないように。
「ホントは、何にだって創り変えられる術なんだ。符が一番イメージしやすいってだけ……だから、バラバラになる覚悟で掛かってくるんだな」
身体の各所に配した符で『不死』の敵データを収集しながら、泉は真っ直ぐに金の瞳を不死隊へと向け、再び彼等を分解するべく腕を振り上げた。
●変化する作戦、そして……戦場
(「史実であった戦いのやり方を参考にして、敵の軍勢を倒す……か。……カンナエの戦いとか、ディアボロスでも出来そうにないものじゃなくてよかった、かな?」)
不死隊との戦場に在りながら、紀元前に共和政ローマとカルタゴとで行われた歴史に名を残した戦いを思い出すのは、霧宮・悠希(小さき復讐者・g02383)だった。
ディアボロスとクロノヴェーダとの戦いは、歴史の再現であったり、これまでに史実で起こった戦いを線路のように辿ったものも多い。
悠希が考えたように『カンナエの戦い』を、現状のディアボロスが作戦として行うのは難しいと言っていいだろう。
だが、パラドクストレインは、ディアボロスの『大地の奪還』の進行具合や、各ディヴィジョンの思惑で流動的に突然『新宿島』に現れる……必ずしも”ない”とは言えないのかもしれない。
事実、『断頭革命グランダルメ奪還戦』での勝利が影響し、今の『新宿島』には『火刑戦旗ラ・ピュセル』に関係したパラドクストレインが多く運行されることが予知されている。
ディヴィジョンの奪還の順番や敵戦力の削り具合次第では、今……起こるとされている作戦が、全て違ったものになる可能性もあるのだから。
(「――何にせよ」)
だが、この戦場で多くのことを考えすぎては、戦闘に支障を来す。
悠希は頭を切り替えると、瞳を『復讐者』のものに変え、静かに呟く。
「──狩りの時間だ」
戦場の残留効果を全て自身に宿らせ、疾風のように戦場を駆ける悠希。
(「それにしても、バーサーカーとは厄介だ。……倒れた仲間を操って攻撃を仕掛けさせるなんて」)
有効な攻撃ではあると悠希も頭では理解しているが……嫌悪の感情は、嫌でも沸いてくる。
(「……けれど、やることは変わらない。攻撃を凌いで敵を狩る。そうすれば――負けはしない」)
いつも通り──『復讐者の狩り』を敵に見せるだけ、自身に流れる血が冷たくなるのを悠希は感じる。
不死隊が自分を捉えられぬように、悠希は戦場を跳び、宙を踏み台に横へと更に飛ぶ……けして、動きは止めない。
悠希が撃ち出す機関砲の掃射は、闇魔術で操られし敵の骸ごと、不死隊の身体に次々と穴を空けていく。
敵の動きが鈍ったのなら、ロケット弾を投射し一帯の敵を纏めて爆破する悠希。
両手で勢いよく長剣を振るえば、悠希の意志の元、不死団の首が胴体から切り離され、勢いよく宙に舞った。
(「敵を削って、次の一撃で確実に確実に、仕留める……!」)
狂戦士の如く襲い掛かる敵を確実に屠る……悠希は、迷いなく狩りを続ける。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
マティアス・シュトローマー
防衛班の守りは堅いし、こちらもナザルの本陣までの道が見えてきた
仲間達の奮闘に応えるためにもあと一歩
――このパラドクスで突破口を開こう
パラドクスを発動。ダッシュで敵陣のさらに奥へと突っ込み、密集する敵を足蹴に高く跳躍。加えて【エアライド】で宙を蹴り、勢いそのまま衝撃波を伴う一撃をお見舞いするよ
狙うのはナザルを守るために立ち塞がる個体のみ。右翼側の役割は敵の殲滅ではなく、スピーディーに道を切り開く事
一手で複数の敵を巻き込めるようポジション取りにも注意を払おう
こう見えて肉弾戦もいけるんだ
優秀なパフォーマーは奥の手をいくつも持っているものだからね
相変わらず厄介な連携だけど、目が慣れてきたよ
反撃として放たれる鎖は、引き続き優先的にライオットシールドで弾いていく。続く死角からの一撃も、効果を重ねる事でパワーアップした【エアライド】で致命傷だけは負わないよう回避を
ガードアップの効果も合わせれば、受けるダメージをより軽減出来るだろうか
チェックメイト!
今ならリザイン出来るけど、指揮官様はどうする?
●暴風のち雷鳴
「『防衛班』の守りは堅いし、こっちも『「雷霆」ナザル』の本陣までの道が見えてきたっ!」
目に見えて、トループス級『暗殺教団員』の数が減ってきたことを確認し、雷を放ち続けていた、マティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)が声を跳ねさせ言う。
「仲間達の奮闘に応える為にもあと一歩――この、パラドクスで突破口を開こう」
通信機から聞こえる『左翼防衛班』が敵の攻撃に耐えきったというのであれば、自分達『右翼突撃班』も一気呵成の勢いで右翼側を突破し、ナザルへと直ぐにでも攻撃を仕掛けるべきだと、マティアスは新たな一手を選ぶ。
暗殺教団員達の間を抜けるようにマティアスは素早く駆けると、右翼の最後の守りを崩すべくパラドクスを発動する。
「Leck mich am Arsch! ……なんてね」
マティアスの拳に鉄の如き硬度を持つ籠手を纏い、全てを突き破る一撃とし、ジャンプや速度の緩急を付け、衝撃波を伴った全てを打ち払い消し去る、嵐のような一撃を暗殺教団員の2体に撃ち込む……嵐のような激しさで。
普段のマティアスは、どちらかといえば、マティアスは自身の身軽さを利用した、トリッキーな攻撃で戦場を掻き回すことを好む。
だが、姿を見せてない暗殺教団員を含めても、数は多くない。
ならば、左翼側を待たせるよりも、多少強引であろうと右翼側を壊滅させて一気にナザルを打ち倒すべきだと、マティアスは考えた。
けれど、ただ突撃をして殴って道を開けさせるというのも、マティアスの性に合わない。
ディアボロスを捕らえるべく、鎖を撃ち出した暗殺教団員を次の瞬間には、踏み台代わりに足で蹴り、更に【エアライド】を使用し、宙を蹴ると高い位置で更に、空気の壁を踏み、攻撃軌道を変えるマティアス。
ピンボールのようにどちらに動くか分からない動きを見せ、拳を振るってマティアスは衝撃波を撃ち放つ。
「全部の敵を、殲滅したいところだけど……効率重視だね」
ナザルを守る為に立ち塞がる個体のみを狙うマティアス……『右翼側』の役割は敵の殲滅ではない。
何よりも、スピーディーに道を切り開きナザルを打ち倒すこと、その思考で戦場を駆ける必要があると、マティアスは考えていた。
1回の拳で可能な限り、敵を吹き飛ばし、暗殺教団員の防衛網を打ち払っていくマティアス。
「こう見えて、肉弾戦もいけるんだ。優秀なパフォーマーは、奥の手をいくつも持っているものだからね……まあ、少しはサービス精神も見せてあげるけどねっ!」
暗殺教団員の連携は【エアライド】を使用出来ることも含めて脅威だが、それなら自分はそれ以上の動きと全てを吹き飛ばす攻撃を合わせ、敵陣突破だけを目指せば何とかすることは難しくない。
ライオットシールドで被弾を防ぐことにも慣れてきた。
死角からの一撃であろうと、突破を最優先にするのなら、そもそも後ろからの襲撃を恐れる必要もない……致命傷を受け『重症』になるような事態だけは避けたいというのが、マティアスの本音ではあるけれど。
そして、マティアスの視線の先に指揮官である、アヴァタール級『「雷霆」ナザル』の姿が映る。
「チェックメイト! 今ならリザイン出来るけど、指揮官様はどうする?」
マティアスは、今回の任務を降りることを、ナザルに提案する。
ナダルが重々しく答える。
「貴様達は、我が蹂躙するだけである。それが変わることはないのである」
纏った雷を光らせるナザルの姿に、この戦いはナザルを撃破することでしか終わらないのだと、マティアスは理解するのだった。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【エアライド】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
クィト・メリトモナカアイス
ここに集まった者の中に。
汝に踏み潰されるような弱い者はなし。
汝ら弱き民を蹂躙し跋扈する者。
汝の名は語られず、刻まれず。この荒野で滅ぶべし。
……と言いつつ。ゆっくり戦っていては後ろから敵がたくさん来るので実は大変。頑張れ。
黄金猫拳打棒に火を灯し、「北より至れ月冠す火」。炎を纏う肉球パンチで戦闘を行う。
他の復讐者とタイミングを合わせ、左右や後ろ、上からなど、敵の死角から攻撃するようにしてこっちの攻撃がいい当たりをするように。
【パラドクス通信】で連携を取り合ってお互いのフォローをすぐにできるようにし、即興の連携攻撃を叩きこもう。
敵の反撃で、獣のような四肢に力が込められる動作を【反撃アップ】で見極め、高速で飛び出しで来る敵に対してはカウンター。雷の魔力を収束させる杖の攻撃より先に我の黄金猫拳打棒を届かせ、炎の肉球を叩きつける。
汝らを放置して、民のためになることはなし。
ここで倒して我は帰る。
霧宮・悠希
・SPD
……あとは、お前だけだ。
左翼の防衛成功、右翼による敵陣営への突撃成功。
戦況が有利になったところで前線に移り、ナザルとの戦いに臨む。
使える残留効果は全て活用する。
特に【エアライド】は最適な経路での移動にも、咄嗟の攻防においても活かせるだろうか。【パラドクス通信】による他のディアボロスとの通信・連携も有効そうなら積極的に狙う。【活性治癒】は……即効性は無いものの、ダメージを抑える・回復を早めるには助かるだろう。
まずは特殊金属のサブアームで左右背部に懸架する、機関砲と投射装置での砲撃を見舞う。これ自体は特別な攻撃でも何でもない、牽制または「誘い」の一手。
ナザルが接近戦を仕掛けてきたら……左手に携えた短剣をナザル目掛けて投擲。それはフェイントであり、デコイであり……弾かれ地面に突き立てば、奇しくも「避雷針」ともなるだろうか。
ともかく投擲と同時に長剣を両手持ちにして突貫。敵の攻撃を念動力の防護で凌ぎ、あるいはエアライドの空中跳躍により躱し……『執行の一撃』。全力の一撃で、ブチ抜いてやる!
マティアス・シュトローマー
この状況でも動じないあたり、さすがは指揮官様と言ったところか
――なら、俺達もガウガメラの戦いを史実通りになぞらせて貰うだけ
君を撃破して、ね
敵を挑発し、時間を稼いでいる間にパラドクスを発動。まずは【トラップ生成】で蜘蛛の巣状のトラップを張り巡らせ、敵の動きの牽制を
こちら右翼班、ナザルと交戦中
位置は――
この時、左翼側の仲間に【パラドクス通信】でナザルの正確な位置を連絡。包囲網を形成し、素早く敵を撃破出来るよう連携を取ろう
さて、本当のサプライズはここから!
続いて死角から捕獲ネット状にした本命のトラップを放ち、ダメージを与えつつその動きを封じる。肉薄する仲間が動きやすいよう、搦手でのサポートに徹したい
だから言ったろ?
奥の手をいくつも持っているって
反撃への対策として【エアライド】で宙を蹴り、魔力が収束した杖先に触れないよう回避を試みる。放電へは絶縁体であるライオットシールドを構え、感電を防ぐ事で受けるダメージを軽減しよう
ドレインの効果で回復するのも忘れずに
バビロン北方の制圧に向けて一歩前進だね
六宮・フェリクス
アドリブ連携歓迎!
お待たせしてごめーん♡ようやくのご到着だぞっと♡
好き勝手やってくれてご苦労さん!その罪、償ってもらいにきた!
あーあーこちら左翼の六宮!【パラドクス通信】のご連絡は――そろそろ必要ないかもな?
逃げようったって今更だぜ。
オレちゃん達、しつこいんでね!
…ここで確実に、仕留める
ほーら【命中アップ】の重ね掛けだ!この導き、上手く利用してくれよ!
精神集中。隙を逃すなよ――逃げるってんなら追い縋る、宙にも【エアライド】で逃げ場なしだぜ、お兄ちゃん?
さぁて頼むぞ『閃光』。…この因果のひと筋、断ち切ってやろうぜ!
些か正々堂々って作戦取んなかったからな〜?
お詫びに――テメーの一撃、正面から受けてやらァ!このオレに味あわせてみな、雷霆ってやつをよ!
【ガードアップ】乗っけて耐える。当然反撃しねー理由もねえが、何より――
鍔迫り合いしてる一瞬こそが、ハニー達の攻撃チャンスタイムなんだよな♡
…オレらの進軍が緩むことなんか、ありゃしない
お前らが立ち止まり、そこで息絶えるまで。
●雷霆を打ち消す者たち
「この状況でも動じない辺り、さすがは指揮官様と言ったところか」
チェスで言うのなら、ルークとビショップを落とされた状態でキングが既に詰められている……そう言った状況にも拘らず、雰囲気を変えずディアボロス達と対峙する、アヴァタール級『「雷霆」ナザル』をマティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)は、そう評した。
「――なら、俺達もガウガメラの戦いを史実通りになぞらせて貰うだけ。君を撃破して、ね」
「此処に集まった者の中に。汝に踏み潰されるような弱い者はなし。汝ら弱き民を蹂躙し跋扈する者。汝の名は語られず、刻まれず。この荒野で滅ぶべし――」
愛用の『黄金猫拳打棒』を手に、クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)も、それが決められた天命であると、ナザルへ宣告する。
(「ふむ、だが、ゆっくり戦っていては後ろから、敵がたくさん来るので――実は大変。頑張れ」)
「動かない方がいいよ。その手足が大事ならっ!」
内心で早期決着で勝負を決めるべきと考えていたクィトより先に、マティアスが動いた。
ナザルの周囲に、蜘蛛の糸かと思えるパラドクスで編んだトラップを瞬時に張り巡らせ、楽し気に笑みを見せるマティアス……表情は悪戯を楽しむ少年のまま、心底は冷静に……確実にナザルを追い込むべく策略を練るマティアス。
だがナザルも蜘蛛の糸の焼けつくような痛みをその身に味わいながらも、蜘蛛の糸を引き千切る勢いでマティアスに接敵すると、手にした杖に雷を宿し、力の限りでマティアスに振り下ろすと、戦場一帯を雷光で包む。
「黄色い、眩しい……だが、今日の黄金猫拳打棒は――真っ赤に燃えている」
雷光から目を逸らさず、クィトは『黄金猫拳打棒』の先端の肉球に炎を纏わせ、ナザルを力の限りでぶっ叩く……要は、ナザルの攻撃と同じタイプの火炎バージョンだ。
敵がナザル1体なのであれば、ディアボロス間でタイミングを合わせ、連携した攻撃を上下左右から行えば、充分にアドバンテージを取れるとクィトは思考していた。
即興の連携攻撃であろうと、ディアボロスそれぞれの身体能力と、【パラドクス通信】を使用すればアヴァタール級であろうと有利は取れる筈……マティアスも同じ考えであり、通信機で『右翼突撃班』の状況を伝える。
「こちら『右翼班』――ナザルと交戦中。位置は――」
マティアスが『左翼防衛班』のディアボロスに、ナザルの正確な位置を伝えようとした時、弾丸がばら撒かれる音と砲撃音が戦場に響いた。
「あーあーこちら、左翼の六宮! 【パラドクス通信】のご連絡は――そろそろ必要ないかもな?」
不敵な笑みを見せながら、通信機ではなく戦場に届く声で、六宮・フェリクス(An die Freude・g01325)が茶目っ気たっぷりに言う。
その隣では、戦場に銃弾音を響かせた、霧宮・悠希(小さき復讐者・g02383)が、殺意の籠った瞳でナザルを真っ直ぐ見る。
「……あとは、お前だけだ」
けして大人の男性とは言えぬ高めの声を、ただ低く……悠希は、自分の怒りを込め言葉にする。
(「左翼の防衛成功、右翼による敵陣営への突撃成功――戦況はこっちが有利だ。なら、一気に――」)
「――仕留める」
全ての残留効果を身に宿し、悠希は宙で二段ジャンプを用い、ナザルの視線が捉えられぬ速さでナザルの左背部に回ると、牽制の機関砲と投射装置の連射で火煙を上げる。
この攻撃自体には、ダメージを期待していない……悠希の本命は別にあるのだから。
ナザルが発する雷撃は悠希の身体にもダメージを与えるが、悠希はその痛みを無視する……今は、この戦闘を早期決着させることの方が重要だからだ。
悠希は、手にした短剣をナザルの眼を狙い素早く投擲した。
ナザルに出来た、僅かな隙……悠希が、それを見逃すことなどない。
ツヴァイヘンダー『執行人』を両手で構えた悠希は、雷光に怯まず……全力の『執行の一撃』を以て、ナザルの左肩を深く抉る様に貫くと、直ぐに大きく後方へと跳躍し、距離を取った。
「お待たせして、ごめーん♡ ようやくのご到着だぞっと♡」
悠希の怒涛の攻撃が止み、フェリクスがご機嫌な声音でナザルに言葉を投げる。
「好き勝手やってくれて、ご苦労さんっ♡ ――その罪、償ってもらいにきた!」
言うフェリクスに、ナザルは獣の脚力で接敵すると、雷込めし杖をフェリクスの頭上から振り下ろす。
だが、それを見越していたフェリクスは、『閃光』の黒刃を鞘から僅かに抜いて、確りと受け止める。
衝撃で雷光が弾けるが、フェリクスはナザルへと言葉を続ける。
「些か、正々堂々って作戦取んなかったからな〜? お詫びに――テメーの一撃、正面から受けてやらァ! このオレに味あわせてみな、雷霆ってやつをよ! 何度でもなっ!」
その言葉に、ナザルは今一度フェリクスに雷杖を振り下ろすが、雷を直接身体に流してもフェリクスの足は一歩たりとも下がらない。
「中々、痺れるなぁ――ナザル。反撃しねー理由もねえが、何より――」
ナザルの背後、フェリクスの視界で二人のディアボロスが動いているのが見える。
「鍔迫り合いしてる一瞬こそが、ハニー達の攻撃チャンスタイムなんだよな♡」
「さて、本当のサプライズはここから!」
言葉と共に、マティアスは捕獲ネット状にした蜘蛛の糸のトラップを放ち、痛みと共にナザルの動きを制限するべく動く。
悪戯好きとしては、搦手を使っての行動阻害も充分にスリルがある。
「そのネットから逃れるのは大変だよ。だから言ったろ? 奥の手を幾つも持っているって」
放電こそ収まらないが、左肩が動かず、蜘蛛糸のネットに包まれたナザルが充分に雷杖を振るうのは難しいだろうと、マティアスは悪戯小僧の笑みを見せる。
「汝らを放置して、民の為になることはなし。ここで倒して我は帰る」
ナザルの雷杖の魔力にも劣らぬ、炎を纏った『黄金猫拳打棒』の肉球で、容赦なくナザルをぶん殴りながらクィトが言う。
「逃げようったって今更だぜ。オレちゃん達、しつこいんでね! ……ここで確実に、仕留める」
『閃光』の黒い刀身を鞘から完全に抜き……一度、目を瞑ると、フェリクスは自身に満ちる力をその黒い刃に流すイメージを抱く。
(「精神集中……隙を逃さず、逃げるってんなら追い縋る――逃げ場なんて与えねぇ」)
確りと眼を開き、フェリクスはナザルへと意識を強く向ける。
「さぁて、頼むぞ……『閃光』 ……この因果の一筋、断ち切ってやろうぜ!」
力強くありながら、美しさすら感じる『閃光』の黒の刃がナザルに向け振り下ろされる。
フェリクスのビジョンブラッドの瞳が、ナザルの身体を奔る黒い剣閃を追った。
そして……僅かな間の後、ナザルの身体から大量の血飛沫が上がる。
その血飛沫を身体に浴びながらも、フェリクスは不遜に死したナザルに言葉を落とす。
「……オレらの進軍が緩むことなんか、ありゃしない。お前らが立ち止まり……そこで、息絶えるまで」
全ての『蹂躙』が止まるまで……全ての『歴史』が戻るまで。
フェリクスの言葉を聞いた者は、彼の仲間達……ディアボロスのみだった。
●バビロン北方の行く末に光を見る
「バビロン北方の制圧に向けて、一歩前進だね!」
マティアスの言う通り、ガウガメラの野の作戦が全て成功すれば、あとはバビロン北方を支配する、ジェネラル級亜人『惨憺たるムシュフシュ』とジェネラル級アークデーモン『妖艶なる魔豹使いシトリー』との決戦になるだろう。
おそらく……今の『蹂躙戦記イスカンダル』には、バビロン北方をこれ以上『防衛』する術はないだろう。
だからこそ……今は、今回の戦果を土産に『新宿島』へ戻ろう。
『蹂躙戦記イスカンダル』の未来は、ディアボロスの手で数多の変化を迎えようとしている……。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【一刀両断】LV2が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV4になった!
【ドレイン】がLV2になった!