イラン高原、イスカンダル軍奇襲作戦

 ペルセポリス電撃戦の成功により蹂躙戦記イスカンダルの断片の王『イスカンダル』は、ペルセポリスへの入城を断念。
 これにより、ペルセポリスでの新たな『バベルの塔』建設は阻止できましたが、イスカンダル軍はイラン高原を西へ向かおうとしています。

 この軍勢には多数のジェネラル級がおり、容易に崩せる陣容ではありません。ですが奇襲攻撃で戦果を挙げられれば、攻略旅団の提案に基づく解析を行い、様々な情報を得られるでしょう。
 断片の王率いる強大な軍勢に果敢に攻撃を仕掛け、陣容を明らかとしたうえで、断片の王と相見えるチャンスを伺いましょう。

※特殊ルール
 この事件の攻略期限時点での「シナリオ成功数」に応じ、3月分の攻略旅団提案に基づく情報の獲得や作戦の実行が可能となります。
 4月分の提案は、この事件の状況を踏まえた内容に出来ると、より良い結果となるでしょう。
 この事件は攻略旅団の提案による【期限延長】を行うことができません。
  • 成功数3:断片の王『イスカンダル』の新たな目的地の情報を獲得
  • 成功数5:イスカンダルの軍に居るジェネラル級の情報を獲得
  • 成功数8:イスカンダルの本陣を特定し、接触を図る事が可能に
  • 成功数10:軍勢にいるジェネラル級のうち1体との決戦が可能に
  • 以降、成功数5ごと:決戦を挑めるジェネラル級が1体増加
  • (多数のジェネラル級と決戦を行う事ができれば、イスカンダルとの接触時に、決戦を挑める可能性も生じるでしょう)

断片の王イスカンダル

伝令兵を逃すな!(作者 メリーさんのアモル
2


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#イラン高原大決戦


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●蹂躙は停滞するされど新たに
 インド戦線から後退してきた亜人の大軍勢。
 多くの種類の亜人達が雲霞の如く大地を埋め尽くし、有力な将軍が複数いることを示すように幾つもの軍旗がたな惹く。
 そんな大軍勢の前で、断片の王たる『イスカンダル』大王は呟く。
「《戴冠の戦》まで未だ多くの時を残しながら、我らの蹂躙がこうも停滞するとは。業腹ではあるが、ペルセポリスより東の領土は放棄し、体制を立て直すしかあるまい」
 だが、と将軍と、そして兵士達に告げる。
「だが、敵がいかなる想定外の策を弄して来ようと、それら全てを倒してこそ『唯一絶対の王』足りうるというものだ。将兵達よ、新たな蹂躙のため、我と共に進軍せよ!」

●イスカンダル軍奇襲作戦
「『ペルセポリス』への電撃戦は無事に成功したようだねぇ」
 そう呟くのは時先案内人のプリメーラ・ヴィダル(セイレーンのパイレーツ・g10812)だ。
「これを受けて、『ペルセポリス』に向かっていた断片の王『イスカンダル』は『ペルセポリス』を見捨て、更に西に移動用としているようだ」
 当然、これを見過ごす理由はないねぇ、とプリメーラは続ける。
「攻略旅団の提案に従い、この軍勢に奇襲を仕掛けてもらうよ」
 この奇襲によってイスカンダル軍に打撃を与えれば、攻略旅団の方針にそった情報を得ることが出来るだろう。

「今回、削ってもらう敵は伝令を務める部隊だ。手早く倒さないと、ディアボロスの接近をすぐに伝えられてしまう。手早く倒す事を意識して戦うといいだろうね」
 また、敵は空を飛んでいるが、周囲には大軍がひしめいている。迂闊に【飛翔】すれば他の部隊からも攻撃のターゲットにされてしまうだろう。あくまで地上から対空パラドクスで挑むのが主な戦い方になりそうだ。
「インド遠征軍は圧倒的な大軍ではあるようだが、多数の亜人部族の混成軍である為、部隊間の連携などは、得意では無いようだねぇ。亜人の軍勢は、攻撃時にこそ最大の力を発揮すると聞く、受け身に回っている間は、その力を十全には発揮できないのかもしれないねぇ」
 なので、外縁を飛ぶ伝令部隊が敵陣の内側に入り込まないうちに手早く倒す、というのが今回の任務となりそうだ。

「イスカンダル軍には将軍として多数のジェネラル級が従軍しているようだねぇ。その全てを撃破するのは困難を極めるだろう」
 とはいえ、とプリメーラは続ける。
「イスカダル軍がペルセポリスを見捨てた以上、ペルセポリスの攻略を実行する事もできるようになったし、ジェネラル級蟲将の『翼侯・法正』など、インド方面に残された亜人の軍勢も弱体化している筈さね。リグ・ヴェーダ方面の状況も大きく動くかもしれないねぇ」
 何か作戦があれば攻略旅団で提案を行ってみるといいかもね、と言いつつ、プリメーラは話を締めくくった。

●卑屈なる伝令兵
「しっかし、ついてないっすね、強行軍で『ペルセポリス』に向かえって言われたかと思ったら、今度はやっぱりやめて休暇もなし、だなんて」
 トループス級亜人『ステュムパーリデスの鳥』がぼやく。
「だよな。俺達、もうくたくただよ。どこかで羽休めしたいぜ」
 特別休暇を飴として強行軍でインドから戻ってきた彼らは、それがなくなり行軍継続となり疲れているようだ。
「おまけに、こんな外縁部の警戒任務。私みたいな口と飛翔だけの使えないアヴァタール級は遠くに配置しておけってことなんですかねぇ」
 アヴァタール級亜人『伝令鳥・ヒエロニュモス』のその会話に加わり、卑屈な言葉を重ねる。
 外縁部の警戒は大部隊が側面から予期せぬ攻撃を受けないために必須ともいえる仕事なのだが、『ヒエロニュモス』は卑屈がすぎて、そこまで思考が至っていないようだ。
 高速飛翔能力と機動能力を持つ厄介な伝令兵。しかし、その士気は低く、警戒も厳重とは言えないようだ。付け入る隙はあるだろう。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【浮遊】
1
周囲が、ディアボロスが浮遊できる世界に変わる。浮遊中は手を繋いだ「効果LV×3体」までの一般人を連れ、空中を歩く程度の速度で移動できる。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【水面走行】
1
周囲の水面が凪ぎ、ディアボロスが地上と同様に走行や戦闘を行えるようになる。ディアボロスと手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人も同行可能。
【通信障害】
2
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV2 / 【反撃アップ】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

メリーさんのアモル
 ガンガン奇襲してやりましょう、こんにちは、メリーさんのアモルです。
  選択肢について解説致します。

●①👾護衛するトループス級『ステュムパーリデスの鳥』
 取り巻きのトループス級です。この選択肢をクリアせずに②に挑戦するとこのトループス級から妨害を受けます。

●②👿アヴァタール級との決戦『伝令鳥・ヒエロニュモス』
 クリア条件になっているアヴァタール級です。
 倒せばこの選択肢はクリアとなります。

 どちらも空中を飛んでおります。対空戦闘手段があると良いでしょう。なお、戦場は他にも大軍がひしめいておりますので、【飛翔】の使用は推奨されません。
 また、戦場を離脱しようと動きますので、それに対処出来るとなお良いでしょう。

 それでは、頑張って参りましょう!
13

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


クロエ・アルニティコス
エイレーネ(g08936)をディフェンスし、共に戦います。

亜人とはいえ、この規模の軍になればただ目の前の敵を嬲る以外の役目も存在しますか。
どの道亜人であれば、多少過程が変わったところでやることは変わりませんが。

カンパニュラの種を手に【セイレーン・カンパニュラ】を使用。セイレーンを象った植物の怪物を作り出します。
伝令部隊ということであれば、ただ戦うだけでなく、攻撃を受けた時の対応……誰かが足止めをして、その間に伝令に行くなどの手筈も通常はあるでしょう。【通信障害】で敵部隊間の連携を阻止します。

敵の連携を乱したらセイレーンの叫びでステュムパーリデスの鳥を引き裂きましょう。エイレーネとは標的を合わせ、【ダメージアップ】で早期に撃破ができるように。
反撃の甕の毒液は守護の青薔薇の結界術で直撃は避けつつ、敵を倒して発動する【グロリアス】で傷を癒すことを頼りに攻撃的に戦います。

かつて英雄に与えられた試練では少数が逃れたそうですが……
今この場では、逃すつもりはありません。
全員墜ちなさい。


エイレーネ・エピケフィシア
クロエ様(g08917)をディフェンスし共闘

おお、クロエ様もいらっしゃったのですね
ここまで順調に奇襲が成功しているのに、伝令に目論見を崩される訳には参りません
一羽として残さず、わたし達の手で奈落の底へと叩き落としてやりましょう

『雷光旋舞斬』で敵に攻撃を仕掛けていきます
一所に留まって上空からの集中攻撃を受けぬよう駆け回りながら、『雷光旋舞斬』で敵に攻撃を仕掛けていきます
手の届かない高さで飛び回る敵は≪神護の長槍≫の穂先から迸る雷撃で叩き落とし
嘴での突撃を狙おうと近づいてきた者は、内包する魔術で突然長さ6mまで伸びた槍で貫いて迎え撃ちます

更にクロエ様と【通信障害】を重ね、狼煙や喇叭などの道具を用いた通信を封じて状況を混乱させる一助に
連絡が不可能と気付いた個体が直接他の部隊への伝令に向かおうとするなら、優先的に攻撃して妨害を

反撃の嘴は≪神護の輝盾≫の腕が通っていない部分で受け止め、体を直接串刺しにされる展開を防ぎます

大地は無論のこと、空も亜人に穢させはしません
忌まわしき鳥どもよ――覚悟なさい!


「亜人とはいえ、この規模の軍になればただ目の前の敵を嬲る以外の役目も存在しますか。どの道亜人であれば、多少過程が変わったところでやることは変わりませんが」
 とパラドクストレインから飛び降りつつ呟くのは銀髪に色白の肌が美しい妖狐のディアボロス、クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)だ。
「おお、クロエ様もいらっしゃったのですね。ここまで順調に奇襲が成功しているのに、伝令に目論見を崩される訳には参りません。一羽として残さず、わたし達の手で奈落の底へと叩き落としてやりましょう」
 その言葉に頷きながら、同じくパラドクストレインを飛び降りるのは、銀髪に白い肌の美しいウェアキャットのディアボロス、エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)だ。
 まず、先手を取ったのはクロエ。
 カンパニュラの種を手に持ち、パラドクスを発動する。
「種子に宿るは我が憂い、芽吹け『セイレーン・カンパニュラ』!」
 種に注がれるは魔力と鬱々とした想い。それを受けたカンパニュラの種は急成長を始め、ギリシャ神話で語られる怪物『セイレーン』の姿を象った植物の怪物へとその姿を変じていく。
 パラドクス『セイレーン・カンパニュラ』だ。
「ディアボロスのパラドクスだ! ディアボロスが現れたぞ!」
 絹を引き裂くような金切り声を上げながら飛び回るセイレーンを象った植物に襲われ、トループス級亜人『ステュムパーリデスの鳥』が一斉に叫ぶ。
 それより早く、パラドクス発動と同時にクロエは【通信障害】の効果を有効にし、通信による情報伝達を妨害する。
 結果、敵部隊は自然と2手に分かれた。
 現れたディアボロス、クロエを攻撃する足止め部隊と情報伝達のために伝令に行く部隊だ。
 まずは攻撃を直接受け、金切り声に体を引き裂かれた『ステュムパーリデスの鳥』が反撃として猛毒の液体が入った甕を足で掴んで飛び、クロエの頭上を飛び回り、毒液を撒き散らす。
 クロエは直撃を避けつつも毒液に晒され負傷を負う。その間にも伝令のために離脱を始めた『ステュムパーリデスの鳥』は距離をとって離脱を始めている。
「雷霆よ、人々を脅かす慮外者どもに裁きを下したまえ!」
 しかし、その伝令のための離脱を許さないディアボロスがいた。
 魔術による稲妻を発生させるようになった『神護の長槍』を構え、地面を駆けるエイレーネだ。
 跳躍し、離脱しつつある『ステュムパーリデスの鳥』の集団に飛び込んだエイレーネは、電光石火の速さですれ違いざまに斬撃や刺突を浴びせていく。
 高高度を飛ぶ『ステュムパーリデスの鳥』に対しても、雷撃が跳弾して届くため、対空攻撃としても問題がない。
 攻撃を受けた『ステュムパーリデスの鳥』は反撃として高速で滑空しながら突進し、青銅で出来た頑丈な嘴でエイレーネを突き刺さんと迫る。
 それをエイレーネは『神護の輝盾』の腕の通っていない部分で受け止め、体を直接串刺しにされるのを防ぐ。それでも完全には防ぎきれず、腕は負傷を負ってしまうが、戦闘に支障はない。
 足止め部隊による能動的な攻撃を2人は互いに庇い合いながら乗り切り、再び攻撃に移る。
 攻撃の対象は足止め部隊、ではなく当然、離脱しつつある敵部隊。
「かつて英雄に与えられた試練では少数が逃れたそうですが……」
 クロエが呟く。
「今この場では、逃すつもりはありません。全員墜ちなさい」
「えぇ、大地は無論のこと、空も亜人に穢させはしません。忌まわしき鳥どもよ――覚悟なさい!」
 クロエの言葉にエイレーネも同調する。
 2人はお互いの攻撃のターゲットを伝え合い、同調して攻撃することで、確実に伝令部隊の数を減らして行った。
 敵の数はみるみるうちに減少しており、あと一手あれば、『ステュムパーリデスの鳥』は殲滅されることだろう。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【通信障害】LV2が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!

夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎

「助太刀いたす」

救援機動力で先行する二人に追いつけば、伝令となりこちらと距離を置こうとする『ステュムパーリデスの鳥』を確認する

「あれは任せろ」

逆説連鎖戦に距離は関係ない。敵を認知してしまえば、攻撃は当てることができる

逃がすかとパラドクスを発動し、間欠泉を直接叩きつける、進路を妨害するなど、<水使い>の力で巧みに操り、鳥どもを強襲
【能力値アップ】や【ダメージアップ】を遺憾なく発揮し、容赦なく叩き落していく

反撃には<精神集中>で突進の軌道を見極め、最小限の動きで嘴を黒龍偃月刀でいなして躱し、致命傷を避けることで、すぐさま次の動きに移れるように立ち回る

さて、侍らせていた鳥どもは片付けたぞ
ああそういえば、休暇もなく移動ばかりで疲れているだろう?
遠慮なく休んで行けよ


 2人のディアボロスが確実に伝令を務めるトループス級亜人『ステュムパーリデスの鳥』を撃破していくが、手数が足りず、どうしてもこのままでは仕留めきれない。
「助太刀いたす」
 その時、1人のディアボロスが救援機動力で追いついてくる。
 琥珀色の瞳に藍色の髪を持つリターナーのディアボロス、夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)だ。
「あれは任せろ」
 取り逃した『ステュムパーリデスの鳥』を、龍の透かし彫りが施されている黒刃の偃月刀を向けることで指し示すと、錬晏はそう言って、逃げゆく『ステュムパーリデスの鳥』へと駆け出し、追い縋る。
「逃がすか」
 逆説連鎖戦において距離の概念は希薄だ。錬晏はそれを利用し、過去の経験から導き出したパラドクスが減衰しない距離まで到達したところで、パラドクスを発動する。
「――……ご加護を」
 背にある玄武の刺青が輝く。
 直後、まるで玄武が荒々しく地を踏み躙りながら闊歩するかの如く、周囲に大小様々な間欠泉が発生する。
 背にある玄武の刺青から与えられた加護が、錬晏に水を操る力を与えているのだ。
 出現した間欠泉は錬晏の巧みな操作技術により、『ステュムパーリデスの鳥』らの進路を塞ぐように水の壁が立ち塞がり、そのまま『ステュムパーリデスの鳥』らの上空から水が襲いかかる。
「ちっ、まだ来やがるか、ディアボロス!」
 攻撃を受けた『ステュムパーリデスの鳥』は伝令を諦め反転、錬晏に向けて高速で滑空し突進する。
「当然だ。"人の世を取り戻す"――……必ず成し遂げる」
 金属鎧にすら大穴を開ける恐るべし青銅の嘴を、錬晏は龍の透かし彫りが施されている黒刃の偃月刀『黒龍偃月刀』で以て、いなして躱し、致命傷を避ける。
 そこに、再び2人のディアボロスも合流してきて、逃げゆく『ステュムパーリデスの鳥』に攻撃を仕掛ける。
 2人のディアボロスの連携、そして、そこから漏れた敵を補う錬晏。
 完璧な組み合わせで望んだ戦いに瑕疵はなく、やがて『ステュムパーリデスの鳥』は全滅したのであった。
「さて、侍らせていた鳥どもは片付けたぞ」
 最後の『ステュムパーリデスの鳥』の攻撃をいなして、死体となった『ステュムパーリデスの鳥』を『黒龍偃月刀』で払いながら、上空を飛ぶアヴァタール級亜人『伝令鳥・ヒエロニュモス』に向けて、錬晏は声をかける。
「ああそういえば、休暇もなく移動ばかりで疲れているだろう? 遠慮なく休んで行けよ」
 その言葉に、『伝令鳥・ヒエロニュモス』は……。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【水面走行】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!

「そうですねぇ……、私みたいなアヴァタール級が一人頑張ったところで、もう手遅れなのかもしれませんね……」
 ディアボロスの挑発に、アヴァタール級亜人『伝令鳥・ヒエロニュモス』は卑屈に応じる。
「でも、これが私の仕事で、他に出来ることもありませんから……」
 『伝令鳥・ヒエロニュモス』はそう言って、羽を羽ばたかせる。
「私は行かせてもらいます」
 当然のように、『伝令鳥・ヒエロニュモス』は止まる気はないようだ。なんとしても、彼女が進むのを止め、倒さなくては。
クロエ・アルニティコス
エイレーネ(g08936)をディフェンスし共に戦います。

面倒なことですね。今更伝えられて困る情報もありませんが。
えぇ、亜人を逃す理由など一つもありません。

アマランサスの種を手に【ヒュドラ・アマランサス】を使用し、ヒュドラを象った植物の怪物を作り出します。
戦場から離脱を図ろうとするヒエロニュモスをヒュドラの長い首で捕らえ、締め上げましょう。
ヒエロニュモスの配下は片付けましたがまだ周囲には亜人どもがいます。飛翔で追うよりは対空攻撃で制しましょう。
エイレーネとは互いの攻撃で敵の動きを縫い留め、あるいは動きを止めた敵に対して痛打を与えるように。
エイレーネの攻撃前には敵を捕らえ締め上げ、エイレーネの攻撃後で敵の動きが止まっていればヒュドラの毒の牙で齧り付かせ、撃破までは至らずとも体力を可能な限り奪います。

積極的な攻撃は仕掛けて来ない動きを見せていますがこれは逆説連鎖戦。反撃には備えましょう。
三相の杖を盾に魔本での殴打を防御、直撃は避けます。


エイレーネ・エピケフィシア
クロエ様(g08917)をディフェンスし共闘

イスカンダルの本陣に向かう魂胆と見えますが、そうはさせませんよ
クロエ様、あの者を地に叩き伏せてやりましょう!

2人だけの攻撃ではトドメを刺せないので、まずは敵の動きを止めることを最優先に連携攻撃を仕掛けます
≪神護の長槍≫を『流星が如く燃え立つ投槍』として投擲
凄まじい速さで飛ぶ槍を宙を翔ける敵に追いつかせ、その身を串刺しにします
クロエ様より先に動く状況では、突如飛来する高速の槍への対応を迫り、彼女の召喚する怪物が動きやすいように
逆にわたしが後に動くようであれば、怪物が敵の動きを掣肘した所で痛撃を浴びせましょう

首尾よく槍が敵を貫いたなら、手元に戻す魔術の発動を遅れさせて少しの間刺さったままにします
槍の重さで飛行の軌道が乱れ速度が落ちている間に、仲間の攻撃を繋げます

反撃の蹴りは≪神護の輝盾≫で受け止めるか、咄嗟に身を翻し命中箇所を逸らすことで対応
傷を最小限に抑えて立ち直りを早め再びの攻防に備えます

我らの信念と執念から、逃れられるなどとは思わぬことです!


「イスカンダルの本陣に向かう魂胆と見えますが、そうはさせませんよ」
 アヴァタール級亜人『伝令鳥・ヒエロニュモス』の動向を見て、そう宣言するのはエイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)だ。
「面倒なことですね。今更伝えられて困る情報もありませんが」
 その言葉に頷くのはクロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)だ。
「クロエ様、あの者を地に叩き伏せてやりましょう!」
「えぇ、亜人を逃す理由など一つもありません」
 ディアボロスなら当然の結論。2人の心は1つだった。
(「2人だけの攻撃ではトドメを刺せないので、まずは敵の動きを止めることを最優先に……」)
 如何に相手が卑屈で交戦を放棄していようと、アヴァタール級はアヴァタール級。たった2人が一手で攻略できる程には甘くはない。
 エイレーネはそれを理解し、仕留めるのではなく、動きを止める、ことを念頭においた戦術を選ぶ。
「輝ける槍よ、悪しき者の命を過たず穿たんことを!」
 エイレーネは左手で持つ『神護の長槍』を構える。
 そこに信仰が生み出す加護の力が宿り、白く輝くオーラを放ち始める。
 そして、その槍が投擲される。
 放たれた槍は信仰のエネルギーを物理的なエネルギーへと変換し、超加速。それはあまりの速度故に大気との摩擦で炎を纏うほどだった。
 これこそが、エイレーネのパラドクス『流星が如く燃え立つ投槍』である。
「うぅ、やはり見逃してくれませんよね、ディアボロス……。ですが、私とて伝令兵。必ず生きて、情報を伝えてみせます!」
 『伝令鳥・ヒエロニュモス』は自身に接近する『神護の長槍』を紙一重へ回避し、反撃に繋ごうとしたが、あまりに目算が甘かった。
「うっ……」
 超高速で炎を纏った『神護の長槍』はぐっさりと『伝令鳥・ヒエロニュモス』を串刺しにした。
 その攻撃はあまりに見事で、『伝令鳥・ヒエロニュモス』に痛打を与え、その反撃を許さなかった。
 足止めを目的としたエイレーネは本来自動で『神護の長槍』が手元に戻ってくるのを遅らせる。
「う、うぅ……」
 槍の重さと重心バランスの乱れにより、目論見通り、『伝令鳥・ヒエロニュモス』の飛行軌道は目に見えてよろよろと乱れ始めた。
「クロエ様!」
 エイレーネは共に戦う仲間であるクロエに今だ、と伝えると、クロエも頷く。
(「ヒエロニュモスの配下は片付けましたがまだ周囲には亜人どもがいます。飛翔で追うよりは対空攻撃で制しましょう」)
 大群を前に飛翔は目立つ。目立つとなれば周囲にいる他部隊のトループス級からの攻撃を招きかねない。故にクロエは自身の攻撃に用いるパラドクスを対空攻撃によるパラドクスに設定する。
「種子に宿るは我が憎悪、芽吹け『ヒュドラ・アマランサス』!」
 発動するパラドクスはその言葉の通り『ヒュドラ・アマランサス』。
 掲げられたアマランサスの種に魔力と尽きることなき憎悪が注がれる。
 すると、その種は速やかに急成長を始め、ギリシャ神話の怪物『ヒュドラ』を象った植物の怪物へとその姿を変えていく。
 数多の首を持つその怪物は速やかに飛び上がり、よろよろと飛ぶ『伝令鳥・ヒエロニュモス』に向けて飛びかかった。
「くっ、流石にこの隙を逃してくれるほど、敵は優しくありませんか」
 『伝令鳥・ヒエロニュモス』はその形状から想定される牙による毒攻撃に警戒する。
 だが、『ヒュドラ』を象った植物の怪物が選んだ攻撃手段、厳密にはクロエが命じた攻撃手段は違った。
 『ヒュドラ』を象った植物の怪物は速やかにその長い無数の首で『伝令鳥・ヒエロニュモス』を捕え、締め上げたのだ。
「ぐっ、そうか。ディアボロス。増援が来るまで私を足止めするつもりで」
 締め上げられ、息の詰まった声を上げながら、『伝令鳥・ヒエロニュモス』は今更、2人の意図に気付く。だが、あまりに遅い。
 無数の首に締め上げられ、動きを完全に封じられた『伝令鳥・ヒエロニュモス』に『ヒュドラ』を象った植物の怪物はクロエの指示を受けて、強力なる毒の牙で以て『伝令鳥・ヒエロニュモス』にさらに痛打を与えていく。
 締め上げられ隙だらけの『伝令鳥・ヒエロニュモス』にはその毒の牙を防ぐ方法も、なんとか反撃する方法も見つからなかった。
 能動的な攻撃を行うチャンスも失った『伝令鳥・ヒエロニュモス』を前に、エイレーネは『神護の長槍』を手元に戻し、構えて言った。
「我らの信念と執念から、逃れられるなどとは思わぬことです!」
 もう一度、ディアボロスが攻撃する番だ。
 足止めすると言う意図は完璧すぎるほどにハマった。
 あと一手あれば、『伝令鳥・ヒエロニュモス』を撃破することも可能だろう。
🎖️🎖️🎖️🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【浮遊】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!

夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎

2人の攻撃に合わせ、追撃を
大王へいらぬ知恵を入れられるわけにもいかない
ここで仕留め切る

先行する二人がとらえている間に<ダッシュ>で移動し肉薄
朱殷の闘気が怒龍を形成し黒龍偃月刀に纏えば、『ヒエロニュモス』へ向けてパラドクスを発動
【命中アップ】も付与した一閃で、回避する間も許さず、偃月刀を叩き込む

反撃の脚撃は大籠手で防ぎ、身体ごと捻って受け流して急所へ直撃しないようにして、すぐさま攻勢に転じる
『ヒエロニュモス』が接近したのを利用して、至近距離からパラドクスを発し【ダメージアップ】を狙おう

多少の傷はものともせず、足止めをしてくれた2人に報いるため、確実に討ち取る立ち回りを

奇襲攻撃もかなりの数の成果が上がってきてる
時間が経つにつれ、勘づく者も、備える者も出てくるというわけか
これからも一層、気を引き締めてかからないとな


「大王へいらぬ知恵を入れられるわけにもいかない。ここで仕留め切る」
 2人のディアボロスによる絶え間ない攻撃で低空をゆらゆらと飛ぶ『伝令鳥・ヒエロニュモス』に向けてダッシュで駆けつけるのは夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)だ。
 ダッシュで駆けつつ、龍の透かし彫りが施されている黒刃の偃月刀『黒龍偃月刀』を構える。そこに『朱殷闘刀』がまとわりつく。
「そこを退いてもらおう」
 『伝令鳥・ヒエロニュモス』に肉薄した錬晏はパラドクスを発動、冷静に敵の器量を見極め、『黒龍偃月刀』による渾身の一閃が煌めく。パラドクス『颯々一閃』だ。
「こんな私相手に、まだ来ますか、ディアボロス……!」
 『伝令鳥・ヒエロニュモス』は体を逸らし、攻撃を回避しようと試みるが、2人のディアボロスの攻撃で動きが鈍った今、その動きはあまりに遅い。
 錬晏の風が通るが如き滑らかな刃を回避出来ず、ダメージを負いつつも、『伝令鳥・ヒエロニュモス』は脚撃による反撃を敢行する。
 錬晏は右腕を上腕まで覆う重厚な造りの籠手『黒橡の大籠手』でその脚撃を防ぎつつ、急所への攻撃を避けるべく、身体ごと捻って受け流す。
「こんな私ですが、せめて一人でも道連れに!!」
 弱りきった『伝令鳥・ヒエロニュモス』はやぶれかぶれか、そのままさらに能動的に脚撃を放つ。
(「足止めをしてくれた2人に報いるため、確実に討ち取る」)
 対する錬晏は多少の傷を恐れず、再び『朱殷闘刀』を纏った『黒龍偃月刀』を構え、パラドクス『颯々一閃』を発動する。
 脚撃と『黒龍偃月刀』がぶつかり合い、時空が軋みをあげる。
 逆説連鎖戦は攻撃側に有利なことが多い。拮抗以上の結果が出れば、反撃側のパラドクスの威力はどうしても減衰してしまうからだ。
 だが、弱ってやぶれかぶれになった『伝令鳥・ヒエロニュモス』相手の反撃であれば、そんな話は関係ない。まして、残留効果で攻撃する動きを悟りやすくなっている現状であれば尚更だ。
 故に、反撃側優勢。
 『黒龍偃月刀』が鋭く『伝令鳥・ヒエロニュモス』の脚を弾き、そのまま風が通るがごとく滑らかに、その一閃が『伝令鳥・ヒエロニュモス』を両断する。
 後には凪ぐ戦場だけが残った。
「奇襲攻撃もかなりの数の成果が上がってきてる。時間が経つにつれ、勘づく者も、備える者も出てくるというわけか。これからも一層、気を引き締めてかからないとな」
 錬晏は今回の戦いをそのように分析し、そして、パラドクストレインへと帰還するのだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【士気高揚】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2024年03月21日