遥かなりし蹂躙制覇(作者 銀條彦)
#蹂躙戦記イスカンダル
#イラン高原、イスカンダル軍奇襲作戦
#イラン高原
#ペルセポリス
#断片の王『イスカンダル』
#イラン高原大決戦
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●獅子咆哮
大地を埋め尽くさんばかりの大軍勢。たなびくままに林立する軍旗の数々。
幾多もの亜人勢力を束ねる有力な将軍達が居並ぶ軍議において、断片の王・イスカンダル大王は決断する。
大王軍が進むべき征路は今やペルセポリスに非ず。
たとえ入城を果たしたとて復讐者の猛攻続く中での『バベルの塔』建設は困難であり、また結界兵器『ゴルディアスの結び目』も弱体化を余儀なくされている、今。
来たる《戴冠の戦》まで未だ多くの月日を残しながら蹂躙の停滞を迎えつつある、今。
「業腹ではあるが、ペルセポリスより東の領土は放棄し、体制を立て直すしかあるまい。
だが、敵がいかなる想定外の策を弄して来ようと、それら全てを倒してこそ『唯一絶対の王』足りうるというものだ」
今、王の軍勢が取るべき針路は…………偉大なる王が指し示した先にのみ存在するのだ。
「将兵達よ、新たな蹂躙のため、我と共に進軍せよ!」
●イスカンダル軍奇襲作戦inイラン高原
「スサの攻略から間を置かずペルセポリスに対する電撃戦を成功させたことで、攻略旅団の狙い通り、敵は新たな『バベルの塔』建設を断念したみたい。
断片の王『イスカンダル大王』はペルセポリスへの転進自体を諦めて、対リグ・ヴェーダ戦線への復帰の気配も皆無。
ペルセポリス以東の領土を放棄したうえで、更に西のどこかへ向かおうとしているそうよ」
そして新たな攻略旅団提案の作戦は、この混乱を衝いての奇襲であると葛妃・真珠(昧爽案内人・g03390)が告げる。
大王率いるインド遠征軍は圧倒的な大軍勢ではあるが多部族による混成軍である為、部族間での連携は脆弱である。
また蹂躙の為の攻撃こそを最も得意とする亜人達の戦列は、ひとたび守勢にと回った場合、その力を十全に発揮できない弱味を露呈させるとも予測されている。
「だから、敵陣の奥にまで入り込みすぎないよう外縁の亜人部隊だけを叩いて混乱させつつ敵戦力を削いだら即、撤退。
短期間に各処でこの戦法を一斉に繰り返すことで大王軍の混乱を拡大させれば、きっと、後手後手に回って対応に追われる敵勢からいろんな隙や重要情報をポロリとさせちゃえるって寸法!」
今回の作戦とその狙いについてを、真珠は得意げにほわわんと語った。
攻略旅団が求めた成果は、断片の王の転進先やその戦略意図、周囲につき従うジェネラル級の陣容……そして可能であれば、彼らのうち幾つかの首級という事になる。
「さすがのみんなでも、何体居るとも知れないジェネラル級の将全員を撃破して大王を討つなんてことは……ええっと、今までのアレコレを思い返せば絶対に不可能と言い切れない所もあるのだけれど……現状ものすごくとっても難しいと思うの」
敢えて、ここでは重要情報の取得のみに留め、有力敵撃破に多くは求めないという方針も考えられなくはない。
現時点で見捨てられた『ペルセポリス』には攻略の好機が到来し、また、激変したであろうインド戦線に探りを入れておく等、今後の盤面を大きく左右する様々な次の一手が有り得る局面だからである。
それらを実行するのであれば、またいったん攻略旅団で提案を通して、という事になるだろう。
「でも、でも! 遂にこのディヴィジョンの断片の王の本陣にまで迫れるかもってこの状況!!
うう~ん……?」
さしあたって鬼人の時先案内人の頭はパンク寸前のようである。
●かくて銀の楯は高原を往く
西へ西へ……まだまだ続く強行軍。
ペルセポリス到着まであと僅かと気を緩めかけた、その段になっていきなりの目的地変更は、精強誇る銀楯隊の亜人兵と言えども堪えたようで各所から不満や愚痴が漏れ始めている。
「王命とあらば従う。従うは従う……だがッ、ペルセポリスでの特別休暇ァァッ!」
「くそっ、くそっ! 鍛えあげてなお柔肌残るヒトの女の腹筋が恋しいぜ……」
「オレはもう! 牝でさえあれば、痩せ細っていてもこの際ゼイタクは言わん!!」
多くと闘い、多くを奪い、そして多くを抱く。
亜人としてはごく標準、むしろ模範的ともいえるトロル兵士達のそんな期待からの落胆は、指揮官として部隊を任されたエイクスュルニルとて同様の思いである。筋肉についてはまあどうでもいいが。
それでも、アヴァタール級である彼は内心のみでぐっと我慢して陣頭に立ち、勇ましき掛け声で必死に兵らを鼓舞する。
「栄えある銀色の楯持ち共よ! 我らが大王は約束されたのだ。新たな蹂躙を、と。
ならば、いざ進まん。より多くを望み欲するならば、西へ西へ、ひたすらに!!」
リプレイ
間桐・ホロウ
圧倒的な大軍勢のための混成軍、
部族間での連携は脆弱…という事らしいですね
外縁の亜人部隊の敵戦力を削ぐ作戦
頑張って務めると致しましょうか
相手取るのはトロル兵士達、
鍛え上げられた女性の体だいすき…とは
噂に聞くアマゾネスでも好むのでしょうか?
他の方々を囮とするのも気が引けるので
俺も少しばかりは策を巡らせてみましょうと
トレインへ乗り込む前に新宿島にて
衣服を幾つかお借りしておいて
フリフリひらひら女性の選びそうな格好になりましょう
汚したりは後でクリーニングを掛けるとして
いざ出陣!
直ぐに気付かれるにしても
遠目から多少は注意を惹ければ僥倖
疾風の力を我が身に、と
風雲月露で【飛翔】を得てからは
移動は高度と速度を保つように
敵の残数や動きなどの情報を仲間と共有
声掛け等でなるべく連携を図って
孤立と死角を防ぐよう立ち回り
頑丈な剣と盾を持つようですが
雨滴も何れは石を穿つもの
Procyonの名を持つ弩に疾風を乗せて
狙撃による攻撃を重ねるように
体力の低いものから攻撃手を集中
各個撃破を心掛けましょう
連携・アドリブ歓迎
溜まりに溜まった欲求と不満を自棄っぱちなエネルギーに変え、トロル兵団は突き進む。
そんな彼らの前に、ふと。
乾いた大地すれすれに長くゆったりとしたスカートを軽く摘んでひらひら躍らせて。
現れたひとりの『女』のさまは……年頃の娘にしてはやや長身だが筋骨隆々とは程遠く。
だが。
「特別休暇の代わりに娼婦を現物支給ってか??」
「バーカ! ありゃ、飛んで火に入る女ディアボロスにちがいないぜっ!」
「どっちだろうがヤルこたァいっしょだ構うもんかヒャッハーーァ♪」
たとえ僅かな間であろうとも、遠目から多少の気さえ惹ければ僥倖。
そんな目論見の下、いざ出陣と一番槍を買って出た間桐・ホロウ(虚・g10795)の誘引策はあっさりと成功を収め、銀楯隊の兵からの情欲を彼は一身に浴びる事となった。
(「鍛え上げられた女性の体だいすき……とは。噂に聞くアマゾネスでも好むのでしょうか?」)
偽装の為にと、新宿島で借用した女性用の衣装にこそざっくりと身を包んではいるが、ホロウ自身の外見は歴としたウェアウルフの少年以外の何者でもない。
今回はとにかく、仕掛けた相手が極限状態に過ぎたようである。
(「他の方々を囮とするのもと気が引けた故に巡らせた一計でしたが、どうやら正解だったようですね」)
俄然、鼻息を荒くして駆け出すトロル達に辟易としながらも、理解に苦しむ下劣な欲求から他の女性達を守れたことにホロウはほっと息を吐いて。
その少し後。
彼を包む風が鳴き、砂塵が舞い上がる。
「疾風の力を、我が身に……」
今こそ敵戦力を削ぐ絶好の好機と見たホロウの詠唱は、ふわり、その身を宙へと運んだ。
銀の剣楯を押し立てて今まさに迫らんとした獣欲の波は『風雲月露(シルフィード)』の飛翔に躱され、裾のフリルにすら触れられぬまま置き去りで。
「後でちゃんとクリーニングには掛けるつもりですが。それでも、お借りした衣服を汚すのは申し訳ないですからね」
戦場を吹き抜ける、一陣の翠の清風。
萌木の瞳が見下ろす先、天の色白の名冠する弩が構えられれば狙いすました一射が亜人の喉を撃ち貫く。
「頑丈な剣と盾を持つようですが、雨滴も何れは石を穿つもの」
ぎゃあと耳苦しい悲鳴とともに剣陣が崩れ……発した声からようやく『女』の性別に気づいた兵も現れたが時既に遅し。
群れに伝わるよりも前に獣らは反撃にと翔ける疾風に翻弄され、次々と狩られてゆくのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
九十九・静梨
※連携・アドリブ歓迎
何やら筋肉を求める叫びが筋肉に響きますわね
これだけの軍勢に次々に仕掛けていくなら
指揮官だけ打ち崩すだけでも少しでも混乱は広げられますか
ならばこの筋肉を活かし指揮官攻め、敢行してみましょうか!
まずはあえてジョブ特徴を隠した普通の少女体型で接近
護りを固めてこちらに注目した所で隠蔽を解除
全身の筋肉を本来のデーモンイーター由縁の筋肉盛り盛りの体へ肉体改造したかのように変化
そして全身を見せつけるようにゆっくり回りながら次々にマッスルポージングして腹筋・大胸筋・上腕二頭筋・僧帽筋等々堂々と見せつけていきますわ
その間に味方が仕掛けてくれてもいいようにトループスらの視線を引きつけましょう
護りが崩れたら
「さあ、次は戦闘で躍動し変化する筋肉を見せつけますわ!」
と間を抜けてアヴァタールへ突撃
パラドクスの筋肉超流動で脚部筋肉を盛り上げて踏み込みで接近
接近した所で腕部筋肉を盛り上げて渾身の強打を繰り出しますわ
反撃のフレイムストライクにはガントレットを付け炎対策し
攻撃に拳を合わせて迎撃しますわ
「何やら筋肉を求める叫びが筋肉に響きますわね」
故あって筋量(デーモン)封じたまま進む九十九・静梨(魔闘筋嬢・g01741)。
邪念ではあれども切なる祈りを前に、彼女の上腕は知らず隆起の疼きを覚えていた。
仲間の手で戦端は既に開かれている。
そして、連携に乏しいこの大軍勢ならば各現場で指揮を取る者を打ち崩すだけで混乱は更に加速するだろう。
(「ならばこの筋肉を活かし指揮官攻め、敢行してみましょうか!」)
もはや女であれば何でもいいと血迷ったトロル兵士はおおかたが仲間の女装に釣られていった後。
いまだ持ち場を離れずアヴァタール級指揮官の護衛に踏み止まる兵士達は皆、真に屈強な肉体美を備える女性でなければ興奮できない域の、ある種、精鋭揃いであった。
「お望みの腹筋は、これかしら?」
「な……なんだとォ!?」
悠然たるフロントリラックスの体勢で戦場へ降臨したのは、彼らが望み焦がれた肉体美。
解放されるがまま躍動する筋肉(デーモン)をダブルバイセップスのポージングと共に静梨が誇らしげに見せつければ、戦場はたちまち感嘆と号泣とに包まれて。
「おぉぉぉ……オリュンポスの峰にも比する神々しき腹斜筋……」
「なんという完璧な僧帽筋で究極の上腕二頭筋ッッ!!」
餓死寸前の空っ腹にいきなり高カロリーを爆盛で喰らったが如きトロルの男達はもはや立ち尽くすばかりだ。
静梨はそのまま、牡鹿の角を目印に、威風堂々たる突撃でエイクスュルニルにと対峙する。
「お、お前らなんたるザマだ!? 大王軍の名折れぞ!!」
「ようやく指揮官のお出ましですわね……ならば、さあ、次は戦闘で躍動し変化する筋肉を見せつけますわ!」
爆発的な踏み込みは『魔筋技・筋肉超流動(デモニックアーツ・バリアブルマッスル)』のなせる技。
瞬時に敵の懐にまで肉薄し……だが相手も又アヴァタール級の猛者である。
「ぬおぉっ、おのれぇ!!」
躊躇いなく反応し得た亜人の棍棒は既に猛火を宿し、静梨の頭部めがけて唸りをあげている。
ならば脚から腕へ。よどみなき闘気制御は、一瞬。
「九十九家家訓! 『状況に合わせ柔軟に対応すべし』! 我が魔の筋肉は可動にして超動ですわ!!」
先迄の剛脚と引き換えに豪腕を得た静梨は堅きガントレットを纏わせ攻防一体の拳を揮う。
鳴り響く激突音。
棍棒と手甲、殴打と殴打の力比べの前に炎散らして片膝を屈したのは亜人指揮官の筋肉であった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎
大王軍は転進を繰り返し、兵は疲弊がたまっているようだな
まだ見ぬ報酬に無理やり上げた士気
行軍しているのが"人"なら、とっくに崩壊している
ここで亜人どもを削り取り、さらに打撃を与えていこう
<地形の利用>でぎりぎりまで目標の隊列まで近づき、急襲の機を伺う
黒龍偃月刀に朱殷の闘気で形成した怒龍を纏わせ、臨戦態勢を整えれば、仲間の突撃と息を合わせて打って出る
偃月刀の柄を思い切り地に叩きつけ、<衝撃波>を伴う咆哮を轟かせる
九十九殿に向かう『トロル』達の数を一体でも減らすため、派手に立ち回ることで、意識を己に向けさせる
多少の損傷には気も留めず、【泥濘の地】で『トロル』達の足を鈍らせれば、最低限の動きで反撃の突撃を躱し、すかさず攻勢に転じて、屈強そうな盾や鎧事<両断>するがごとく、次々とその首をはねていく
「大王の軍も、端兵ならばこの程度か。これではどちらが「蹂躙する側」かどうか分からないな?」
挑発するように笑みをうかべ、次はお前だと『エイクスュルニル』へ偃月刀の刃を向ける
(「大王軍は転進を繰り返し、兵は疲弊がたまっているようだな」)
まだ見ぬ報酬を餌にぶら下げて無理やりに上げられた士気……。
『人』ならぬクロノヴェーダの軍隊で無ければとうに破綻し崩壊を迎えているであろう無茶な行軍を目の当たりにし、軍師としての夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)の嗅覚は今こそ叩き処であると告げている。
「ここで亜人どもを削り取り、さらに打撃を与えていこう」
錬晏はまず赤土の傾斜地を利し、最も手薄な箇所より目指す隊列へと肉薄する。
先行した復讐者達が大いに敵の耳目を惹きつけていた点もまた彼を有利へと導いた。
ならば、今度は己が武を以って仲間を援護する手番であろう。
(「九十九殿や間桐殿に向かうトロル達を一体でも多く此方に惹き付け、減らすため……」)
彼らの奮戦によって大きく乱れた銀楯の守りを更に追い討つ急襲の鯨波は、朱き怒気孕む黒き龍の咆哮であった。
「咆えろ!」
濃藍の前髪がはらりと揺れて。
錬晏が、裂帛の大喝を発すると同時、偃月刀の柄が強かに赤き大地を打叩けば地鳴りを轟かせて足下を奔る衝撃。
「ぐはッ! また新手か!?」
「いつの間にこんな処にまで……くそぅ!!」
的確に亜人歩兵の移動だけを阻害するパラドクスを敵陣の只中より発した効果は絶大で。
それ以上に、残る敵勢の多くの意識が元凶である錬晏にこそ向けられた事こそが狙いの通り。
「ならば蹂躙を!」
「新たな蹂躙を!」
咆哮には咆哮とばかりアスピダの破陣より響き渡ったトロル共の唸り声は……しかし、もはや熱狂を呼び起こす程の大音量には至らず。
一気呵成からは程遠い散発的な突撃なぞ、歴戦の武人の前では恰好の餌食でしか無い。
最小の動きのみで撹乱は為され、精強誇るその筋肉に物を言わせての反撃すらも怜悧に看破されて。
栄えある楯持ちの勇士らの素っ首は、ご自慢の銀楯もろともに残らず黒龍の厚刃が断ち刎ねていった。
そして。
ひび割れたままの大地よりも赤く返り血にと染まって錬晏はひとり佇む。
その片腕にはいまだ荒ぶる怒龍が絡みついたままの黒龍偃月刀が構えられたままで。
「大王の軍も、端兵ならばこの程度か。これではどちらが「蹂躙する側」かどうか分からないな?」
「くっ……この……言わせておけば!」
いまや孤軍と化した敵将エイクスュルニルへの挑発は、殊更に、不遜に口の端を釣り上げながら。
次はお前が此処へと沈む番なのだと、突き付けた刃へと乗せられて……。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎
『エイクスュルニル』へ向けた黒龍偃月刀はそのままに
朱殷の怒龍が刃に溶ければ、刃自体が龍頭を模した形に〈武器改造〉される
「お前もこの地に沈めてやろう」
間桐殿と挟撃するように意識し、こん棒の狙いを定めさせさせないような立ち回りで『エイクスュルニル』の視線を<撹乱>
隙をついて『エイクスュルニル』の足元に【泥濘の地】を敷き、初動を遅らせる
その一瞬で<残像>を残すほどの踏み込みで奴の死角に入れば、【能力値アップ】を付与したパラドクスで襲いかかろう
反撃のこん棒には、腰を据えて偃月刀で受け止め【怪力無双】で鍔迫り合いに持ち込む
仲間の一撃がより深く、確実に入るまで、龍頭と化した偃月刀の刃がこん棒を動かぬように<グラップル>し逃さない
己の身体ごと振り回されそうになれば、流れに乗るように巨体を足場に<ジャンプ>し、重力と落下の自重を加えた上段からの叩き落しで、黒龍の牙を穿ち、頭部を噛み砕きを狙う
討ち取れれば、他の部隊が異変に気付き、こちらへ向かってくる前に、素早く撤退しよう
間桐・ホロウ
連携・アドリブ歓迎
アレで良かったのか多少の疑問も残りましたが
講じた作戦は上手く運べたようで
トロル兵団たちは全滅できた様子ですね
残るはアヴァタール級のみとなったならば
俺も急ぎ加勢に駆け付けると致しましょう
エイクスュルニル…遠目から見えた姿は
牡鹿のような角持った亜人に
手に持つ棍棒や火炎使いと
厄介そうな動きなどの情報共有
声掛け等でなるべく連携を図るように
孤立と死角を防ぐよう立ち回り
【泥濘の地】で敵の速度低下も狙いつつ
【エアライド】や【飛翔】も活用し
こん棒の動きを躱しながら
疾風の力よ此処に、と
七剣星にも疾風のエネルギーを纏わせて
精神集中し敵の隙も見逃さぬように
貫通撃の勢いで突進し、
相手の突き崩しを図りましょう
アヴァタール級の指揮官とあらば
中々しぶとく在るのかもしれませんが
此方も仲間のディアボロスとの連携で
容易く引くようなものでもありません
亜人部隊の敵戦力を削ぐ任務を
無事に達成したのを見届けたならば
深追いは禁物、撤退と致しましょうか
砂塵舞わせた風が、びゅうと、吹き抜けて……その、向こう。
赤き大地の上には墓標のごとき銀楯へ折り重なる、幾多の屍。
敵将・エイクスュルニルに対して、冷笑まじり、夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)が先に浴びせた挑発は覿面で。
自身も既に傷負うアヴァタール級指揮官は、なけなしの思慮さえすっかりかなぐり捨てて激昂に長大な鹿の角を震わせる。
「度し難い阿呆ぞろいではあったが、それでも奴らはみな偉大なる大王の楯にして我が部下たるディアドコイ!
たかが人間如きに謗らせはせんぞ!!」
怒号と共にエイクスュルニルが大棍棒を大きく振りかぶれば、応ずるは黒龍偃月刀。
「ならば、お前もこの地に沈めてやろう。自慢の部下共の後を疾く追うがいい」
眼前、己をひとと呼ぶこの亜人の憤怒……蒼き猛火と化す殺気にも眉一つ動かさず、冷ややかに錬晏は言い放つ。
暗朱色の闘気が渦巻くように黒き刃へ溶ければ、瞬く間、精緻な透かし細工を獰猛なる怒龍の顎へと変化させた。
「我が刃は牙の如く――」
唱えた文言のままに……いまや黒龍偃月刀はただ敵断つ武人の得物にあらず。
異形の龍頭そのものと化した『鋭鋒噛砕(エイホウゴウサイ)』を手に構えを取る錬晏。
その視線の端には、女装を解いた間桐・ホロウ(虚・g10795)の存在を捉えている。
多くのトロル兵士を惹きつけた彼もまた立ち塞がる敵全てを討ち取り、急ぎこうして駆け付けて来たのだ。
(「アレで良かったのか多少の疑問も残りましたが、講じた作戦は上手く運べたようで。
楯のトロル兵団たちは全滅できた様子ですね」)
ホロウの側も、駆け付けるやすぐに彼の意を心得たりとばかり機転を利かせた空中機動で敵の注意を分散させる。
「牡鹿のような角、棍棒に火炎……残るはこのアヴァタール級亜人のみのようですね」
軍師と狩人による挟撃の形が完成し、目配せし合った復讐者ふたりが「沈め」と声を発したのはほぼ同時。
突如、足元に沸いた泥濘がエイクスュルニルの巨躯から機動を削がんとする。
「ふん……こんなモノ、効きはせぬわっ!!」
赤き泥濘をどぶりと踏みしめ、錬晏とホロウの両者を視界に捉えるべく即座に体勢を立て直したエイクスュルニル。
この残留効果が奪い得るのは地上においての移動速度のみで、逆説連鎖戦下で戦闘力そのものには影響を与えない。
むろんそれはディアボロス達とて承知の上で。
「だけど、死角はかなり潰せました」
空中を自在に跳ね回るホロウの攪乱は、敵に狙いを絞らせず。
「万が一にも遁さぬ為だ」
「ほざけ!」
蒼炎を燃え上がらせ強引に振り下ろされた強撃は錬晏の偃月刀ががっちりと受け止めていた。
残像すら生む神速の踏み込みで間合いを制し、彼の龍牙は深く棍棒へと喰らいつき離すまいと力づく捻じ伏せに掛かる。
「くっ! この……っ」
これまで戦場で力自慢を誇って来たのであろうエイクスュルニルにとってはまさかの互角の鍔迫り合い。
しかも相手は亜人どころかクロノヴェーダですらない。
そんな一瞬の焦りが生んだ意識の空隙を、ホロウは決して見逃さない。
「疾風の力よ此処に、」
翠の疾風を纏えば、北の綺羅星の煌めき放つ剣筋の一閃。
肌を灼く蒼炎すらも蹴散らして、ぶ厚き亜人の胸板をホロウの七星剣が刺し貫いた。
「……大王の為、最後まで……せめて、一匹であろう、と……ディアボロスを、道連れに!!」
既に限界近いはずのエイクスュルニルは気力のみで立ち続け、反撃の蒼き炎棒を振りかぶる。
「アヴァタール級の指揮官とあらば流石にしぶとい、ですか……だけど!」
爆ぜるように。
更にもう一段の加速を果たした『電光石火(エアライド)』の突撃の前にその矜持は断ち斬られ。
そして。
更なる追撃の蹂躙は、天翔ける龍より繰り出された。
此処に討ち取ったり、と。
瀕死の巨体それ自体を足場として跳んだ錬晏が頭上から叩きつけた黒龍の牙。
その貪欲なる一咬みが、遂に、死斗に終止符を打ち込む。
未だぬかるんだままの大地へと叩きつけられた亡骸は、地響きを立てながら転がり斃れ……その巨大な鹿角は首から上ごとぱっくりと喪われている。
亜人の指揮官もまた部下達と同様に赤き砂へと帰し、有言実行は成し遂げられたのだった。
かくしてディアボロス達は任務を達成し、断片の王につき従う敵戦力を削ぐ事が出来た。
「……さて。幾ら横の連携が拙いとは云えどもいずれは他の部隊も異変に気付くだろう」
「ええ。これだけの大軍相手に深追いは禁物、撤退と致しましょうか」
互いに頷き、戦場からの速やかな離脱を開始するディアボロス達。
こうして新宿島への帰路駆ける今もまだ多くの仲間達が闘い続けている。
王の軍勢による蹂躙制覇を打ち砕き、そして……やがては大王の喉元にまで復讐の刃を突き付ける為に。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【断末魔動画】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!