仕掛けよ、電撃戦(作者 天野ハザマ)
#蹂躙戦記イスカンダル
#ペルセポリス電撃戦
#ペルセポリス
⊕
●ペルセポリスにて
ペルセポリスの絢爛豪華な宮殿で、ダレイオス三世が一般人の女性を侍らせていた。
享楽にふけっているかのようなその状況で、しかしダレイオス三世の表情は真剣だった。
「まもなく、大王がペルセポリスに来る。歓迎の準備を急がねばならぬ。このペルセポリスが、大王の御座所となるのだ。大王に相応しい宮殿も新たに造らねばならぬな」
そう、ダレイオス三世は今まさにその指示の真っ最中であった。
「大王のお力で、バベルの塔に代わる中枢の塔が、このペルセポリスに建立されれば、このペルセポリスは名実ともに世界の中心となるだろう。大王が来られれば、すぐに動けるように準備を怠るなよ」
それはまさに素晴らしいことだ。だからこそダレイオス三世は完璧な状況でそれを迎えるつもりで。
この宮殿のような素晴らしい光景が、すでにダレイオス三世には見えるようであった。
●現在の状況
「皆、イスカンダルの状況については聞いていると思う」
時任・夕弥(人間のガジェッティア・g03228)は、集まった面々にそう切り出した。
「攻略旅団の提案により、ペルセポリスに対する電撃戦を仕掛ることになった」
巨大砂上船「ミウ・ウル」は敵に発見されないように、ペルセポリスから距離をとって隠しているので、敵の目を掻い潜って、ペルセポリスまで向かって、攻撃を仕掛けるというのが今回の作戦になる。
ペルセポリスは、史実では『世界の中心』と呼ばれたアケメネス朝ペルシアの都であり、蹂躙戦記イスカンダルでも、『ディアドコイ評議会』のジェネラル級亜人『ダレイオス3世』の統治する、一大拠点となっている。
「まともに攻略するならば、ペルセポリス近郊の制圧を行って、周囲を抑えるのが定石だが、それでは、イスカンダル大王のペルセポリス入城を阻止する事は難しい」
つまり、少人数の部隊による浸透作戦によって、直接ペルセポリスを攻撃する電撃戦が、唯一の解決策となるのだ。
この作戦の目的は、イスカンダル大王がペルセポリスに入城する事を阻止する事にある。
「イスカンダル大王は、ペルセポリスをディアボロスが攻略中である事を知れば、ペルセポリス入城を避けるようなので、派手に戦って、ペルセポリスが安全地帯では無い事を喧伝できれば、作戦は成功となるだろう」
そう、つまりこれはイメージ戦略ともいえるのだ。
●やるべきことは
「ペルセポリス近郊の亜人達は、ディアボロスがこの速度でペルセポリスに迫って来るとは想像もしていないので油断しているようだ。油断している亜人に攻撃を仕掛けて撃破し、そのまま、ペルセポリスの城壁に向かい、城壁への攻撃を行ったり、ペルセポリスの守備兵を挑発するなど、ディアボロスがペルセポリスを攻略しているように、見せかけて欲しい」
周囲の制圧などを後回しにしている為、大拠点であるペルセポリスを正面から制圧するのは、現時点では不可能だが、それは相手側には判らない事だ。
つまりそれは、こちらの仕掛けに嵌めやすいということでもある。
「せいぜい派手に暴れて、敵側に、ディアボロスのペルセポリス攻略戦が近いと思い込ませて欲しい」
●夕弥より
「スサからペルセポリスを強行軍で駆け抜けたことで、イスカンダルのペルセポリス入城を阻止するチャンスを得ることが出来た」
イスカンダル大王が、ペルセポリスを拠点として、蹂躙戦記イスカンダルのディヴィジョンを建て直そうとしているのは間違いない。
「ペルセポリスに第二のバベルの塔が建設される事態を防ぐことが出来れば、イスカンダル大王が、蹂躙戦記イスカンダル全土を掌握する事が難しくなる筈だ。蹂躙戦記イスカンダルの戦いの今後を大きく変える作戦となるので、是非、成功させて欲しい」
とはいえ、と夕弥は言う。
「皆ならば大丈夫だろう。頑張ってきてくれ」
●亜人たちの混乱
「あれはなんだ?」
アンティゴノス・キュクロプスが、そんな呑気な声をあげる。
「どこかの部族がヤンチャしてるだけだろ?」
「いや、あれは、敵じゃないか?」
「敵? そんなことあるわけないだろ。ここは、ダレイオス三世が統治する大ペルセポリスなんだぜ」
そう、あるわけがない。アンティゴノス・キュクロプスは心の底からそう考えていた。
「だが、スサから来た蟲将が何か言ってただろう?」
「はっ、スサからペルセポリスまでどれだけあると思ってるんだ? あれが敵なわけが……」
それはまさに油断だ。しかしその油断こそが最大の好機となることだろう。
リプレイ
ハーリス・アルアビド
あの様子を見るに、私達がここまで歩を進めていることは確実には伝わっていないようです。その動揺を利用させていただきます。
大地の神ゲブよ、お力添えを。
祈りを捧げ仲間への【幸運】を願い、この戦いに勝利を誓います。
【ゲブへの嘆願】による【衝撃波】で敵群を分断します。【衝撃波】と共に舞い上がる砂塵を【砂使い】で巧みに操り砂の幕とし、【残像】を生み出す速度で駆け抜ける動きと併せ、敵からの正確な攻撃ができぬよう撹乱しましょう。
如何に戦を模倣し武器を操ろうとも、大地そのものであるゲブ神の御力に敵いはしません。
思うように攻撃を当てることも周囲の状況を正確に把握することもできなければ味方同士で相打ちの危険もあります。下手に戦闘知識がある分その危険も分かるでしょう。分断した内少数の群れとなった敵から素早く倒していきます。
陳・桂菓
エルフリーデ(g00713)と行動
「暇ってお前……まあ、やる気があるなら何でもいいが」
使用武器は双短戟『騰蛟昇竜』
四方から武器が飛来するらしいが、【砕空狼牙】の斬撃波を目の細かい網のように展開させてそれらことごとく弾き返す。
そのまま射程範囲内に呑み込んで、敵の群れを攻撃する。敵からすれば、刃の竜巻が突っ込んでくるようなものだろうが。
ただ、火力の面ではどうせエルが何とかするだろうという目処もあるので、主に防御に注力するという方針でもいいかもしれない。第一は手数、そして斬撃の網目の細かさを損なわないこと。そのために手数を稼げる双短戟を選んだ。
あとは、エルに近寄らせないように壁になるつもりの立ち位置を意識することくらいか。
高火力砲台だが、もやし系女子だからな、あいつは。
「金床とハンマーということは……あいつら、あんな見た目の割に実は技術者集団なのか?」
「やかましい! ちょっとやそっとの敵くらい自分で何とかしろ! 燃やせば燃える!」
エルフリーデ・ツファール
陳・桂菓(g02534)と一緒に。
おう、桂菓。暇だから電撃戦行こうぜ!
という訳で別に大した目標も無いが鍛錬がてら電撃戦に参戦するぞ。
とはいえ私は火炎使いだけどな。
桂菓が戦場を走り回るだろうからこちらは後方からの砲撃に専念しよう。
狙いはダメージを負って足を止めた相手、もしくは桂菓の進行方向にいる敵だ。
精々暴れまわってくれりゃあこっちもやりやすいってもんだ。
なるべく反撃は許したくないがそうもいかんだろ。
桂菓に愚痴りながらも多少のダメージは覚悟しておく。
「おらおら、ボケっと突っ立ってる奴からブッ飛ばしてやるから精々逃げ惑え。桂菓から逃げ切れたら、の話だがな」
「ッ!? おいおい、敵がこっちまで抜けてるじゃねェか! サボってんじゃねぇぞ桂菓ァ!?」
●電撃戦を繰り広げろ
「おう、桂菓。暇だから電撃戦行こうぜ!」
「暇ってお前……まあ、やる気があるなら何でもいいが」
「おや、早速向かわれるのですね。では私も同行しましょう」
エルフリーデ・ツファール(紫煙の魔術師・g00713)と陳・桂菓(如蚩尤・g02534)に、ハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)がそう声をかける。
今であれば確実に最大限の効果をあげられる。そう分かっているからこそ、3人は同時に向かっていく。
「よし、別に大した目標も無いが鍛錬がてら電撃戦といくか。とはいえ私は火炎使いだけどな」
そんなエルフリーデのジョークも飛ぶこの状況は、明らかな好機……アンティゴノス・キュクロプスたちは明らかに油断しているからだ。
「大地の神ゲブよ、お力添えを」
ハーリスは祈りを捧げ仲間への幸運を願い、この戦いに勝利を誓うとまずは露払いとばかりに突撃していく。
「大地の神ゲブに奉る」
パラドクス【ゲブへの嘆願】による衝撃波で敵群を分断するべく大地の神ゲブへの祈りを一撃に込めて大地を強く打ち据えると、衝撃波と共に舞い上がる砂塵を砂使いで巧みに操り砂の幕とし、残像を生み出す速度で駆け抜ける動きと併せ、敵からの正確な攻撃ができぬよう撹乱しようとしていく。
「な、なんだあ!?」
「攻撃だ! くそっ、なめやがって!」
「如何に戦を模倣し武器を操ろうとも、大地そのものであるゲブ神の御力に敵いはしません」
思うように攻撃を当てることも周囲の状況を正確に把握することもできなければ味方同士で相打ちの危険もある。下手に戦闘知識がある分その危険も分かるだろうと、そんな目論見がハーリスにはあった。分断した内少数の群れとなった敵から素早く倒していくのがよいだろうが……ハーリスは1人ではない。仲間にそれを託すのもまたチームワークだ。
まず飛び出した桂菓が使用するのは双短戟『騰蛟昇竜』だ。
すでに場が出来上がっているので飛び込んでいくのは簡単だ。あとは桂菓たちが「やってみせる」だけだ。
言ってみればすでにあたたまっている状況だ……そのまま射程範囲内に呑み込んで、敵の群れを攻撃するべくパラドクス「砕空狼牙」を放つ。
「斬り刻む!」
敵からすれば、刃の竜巻が突っ込んでくるようなものだろうが、などと桂菓は思う。
闘気の渦で包まれた手足や武器を高速で振り回し、多数の斬撃波を放って広範囲の敵を攻撃する砕空狼牙は、まさにその通りではあるだろうが。
(火力の面ではどうせエルが何とかするだろうという目処もあるからな……、主に防御に注力するという方針でもいいかもしれないが)
第一は手数、そして斬撃の網目の細かさを損なわないこと。そのために手数を稼げる桂菓は双短戟を選んだのだ。
あとは、エルに近寄らせないように壁になるつもりの立ち位置を意識することくらいだろうか?
(高火力砲台だが、もやし系女子だからな、あいつは)
「おらおら、ボケっと突っ立ってる奴からブッ飛ばしてやるから精々逃げ惑え。桂菓から逃げ切れたら、の話だがな」
そんな期待通り、と言っていいのかどうか。エルフリーデのパラドクス「Morgenschein ist golden」が炸裂していく。
「眩く輝く朝焼けのように――黄金色に染め上げろ!」
そう、エルフリーデは桂菓が戦場を走り回るだろうからと、エルフリーデ自身は後方からの砲撃に専念しようと考えていた。
狙いはダメージを負って足を止めた相手、もしくは桂菓の進行方向にいる敵だ。
「精々暴れまわってくれりゃあこっちもやりやすいってもんだ。なるべく反撃は許したくないがそうもいかんだろ」
そう、戦いのルールがそれを許さない。アンティゴノス・キュクロプスのΕΫΡΗΚΑがエルフリーデへと炸裂するが、そのくらいは覚悟していた。
桂菓に愚痴りながらも多少のダメージは覚悟しておく。
「ッ!? おいおい、敵がこっちまで抜けてるじゃねェか! サボってんじゃねぇぞ桂菓ァ!?」
「やかましい! ちょっとやそっとの敵くらい自分で何とかしろ! 燃やせば燃える!」
とはいえ、それはそれ。軽い掛け合いじみたエルフリーデと桂菓の言葉が戦場に響くが……それもまた信頼の証だ。
「金床とハンマーということは……あいつら、あんな見た目の割に実は技術者集団なのか?」
そんな桂菓の冷静な観察ができるほどに状況は混乱し、望み通りの大勝利を得ることができたのだ。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【動物の友】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
エルフリーデ・ツファール
陳・桂菓(g02534)と。
さて、雑魚は終いだ。
さっさとちょっとはマシな雑魚を潰すぞ桂菓。
相手の腕が6本て時点で普通にやり合っても手数が足りねェ。
速度も力も相手が上ッてんなら魔術で手数を増やすだけだ。
九尾を模した炎の尾で手数を増やして打ち合いに持ち込む。
桂菓と同時に飛び込んで左右から挟み込めばさらに相手の手数は減らせるだろうしな。
反撃は此方の動きを止めたところに渾身の一撃ってか。
確かに念動力による拘束は避けれないだろうが私の尾は【火炎使い】の【魔術知識】で作り、【オーラ操作】で操ってるからな。
身体が動かなくても尾の操作で防御、束ねた一撃で相殺は狙えるはずだ。
「桂菓ァ! 合わせろ!!」
「別に速度に対抗するのに自分の身体を速く動かす必要はねェ! 魔術の行使速度も立派な速さってなァ!!」
陳・桂菓
エルフリーデ(g00713)と一緒に行動
格闘戦を得意とする筋肉質の六本腕……見た目通りでわかりやすい敵だな。
……いやまあ、雑魚ってことはないと思うが。
使用武器は双短戟『騰蛟昇竜』
近接戦はこちらにとっても得意とするところ。
六本腕から多彩な打撃を放ってくるようだが、こちらはこちらで両手の得物を振るえる。戟もまた斬る、突く、薙ぎ払うと、攻防の何にでも対応できるマルチウェポン。技の多彩さでは負けはすまい。
あとは【娥影幻攻刃】の幻惑効果でもって、敵の手数の多さの隙間を縫えるかどうかの勝負。敵の目は一つ、ならば性能は悪いというわけではないだろうが。
それでも、腕力はともかく速度で私が劣るということもあるまい。拳をいなして斬撃を叩き込み、鋼の筋肉を斬り裂いてやろう。
「おい、お前まで接近戦やる気か? 大丈夫なんだろうな?」
エルの土俵は炎を使った遠距離攻撃だろうに、という一抹の不安はよぎるが、まあ勝算のないことはすまい。
……何も考えてないかもしれんが。
どっちみちあの馬鹿火力なら燃やせば燃えるだろう。
ハーリス・アルアビド
連携、アドリブ歓迎
残るは一体、時間をかけてはペルセポリス側の動揺を誘えません。仲間と連携し素早く倒しましょう。
豊穣の神にして軍神たるセベクよ、お力添えを。恐るべき牙をお授け下さい。
祈りを捧げ【精神集中】を、そして仲間達への【幸運】を願い勝利を誓います。
あの体躯と複数の腕から放たれる攻撃は脅威。足を【肉体変異】させ、より鋭く地を捉え鋭く駆け抜けられるようにしておきましょう。
【残像】を生み出す速度で駆け、舞い上がる砂塵を【砂使い】で操り砂の幕とし【残像】と合わせて敵の狙いを【撹乱】します。
【残像】に誘導された敵が攻撃に移る合間に【神速反応】をもって死角に回り込み、反撃が来る前に【セベクへの請願】を放ちます。
●対決、アシュラキュクロプス
アンティゴノス・キュクロプスを倒してそれで終わりであればよかったのだが……やはりそうはいかないということだろう。同じキュクロプスでありながら明らかに違う何か……恐らくはリーダーであろう個体がこちらに向かって走ってくる。
それはアシュラキュクロプス。アヴァタール級の1体であり、どうやら先程倒した連中を取りまとめるリーダーであるようだった。そのムキムキの身体と6本の腕は、如何にも力自慢といった風ではある。
「おのれえええ! いきなり襲ってくるとは何て奴等だ!」
アシュラキュクロプスが怒りもあらわに襲ってくるが……何を言っているんだ、というところではある。
とはいえ完全にキレているのは事実であり、それは望むところでもあった。
「さて、雑魚は終いだ。さっさとちょっとはマシな雑魚を潰すぞ桂菓」
「格闘戦を得意とする筋肉質の六本腕……見た目通りでわかりやすい敵だな。……いやまあ、雑魚ってことはないと思うが」
エルフリーデ・ツファール(紫煙の魔術師・g00713)と陳・桂菓(如蚩尤・g02534)がそう言い合えば、ハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)も頷く。
「残るは一体、時間をかけてはペルセポリス側の動揺を誘えません。連携し素早く倒しましょう」
まずは先程同様にハーリスが仕掛ける。それが一番上手くいくと分かったからだ。
「豊穣の神にして軍神たるセベクよ、お力添えを。恐るべき牙をお授け下さい」
祈りを捧げ精神集中を、そして仲間達への幸運を願い勝利を誓ったハーリスは、アシュラキュクロプスをしっかりと観察する。
(あの体躯と複数の腕から放たれる攻撃は脅威。ならば足を肉体変異させ、より鋭く地を捉え鋭く駆け抜けられるようにしておきましょう)
残像を生み出す速度で駆け、舞い上がる砂塵を砂使いで操り砂の幕とし残像と合わせてアシュラキュクロプスの狙いを撹乱しようとしながらも、残像に誘導されたアシュラキュクロプスが攻撃に移る合間に神速反応をもって死角に回り込んでいく。そう、欲しかったのはこの僅かな隙。
「豊穣の神セベクに請い願う」
パラドクス「セベクへの請願」を発動させたハーリスが見たのは、これを合図に動いている2人の姿だ。
「相手の腕が6本て時点で普通にやり合っても手数が足りねェ。速度も力も相手が上ッてんなら魔術で手数を増やすだけだ」
エルフリーデは先に仕掛けたハーリスの戦いから、アシュラキュクロプスの実際の能力を測っていた。
(なら……九尾を模した炎の尾で手数を増やして打ち合いに持ち込む。桂菓と同時に飛び込んで左右から挟み込めばさらに相手の手数は減らせるだろうしな)
「桂菓ァ! 合わせろ!!」
「おい、お前まで接近戦やる気か? 大丈夫なんだろうな?」
「別に速度に対抗するのに自分の身体を速く動かす必要はねェ! 魔術の行使速度も立派な速さってなァ!!」
自信満々のエルフリーデに桂菓は小さく溜息をつくが止めはしない。それは信頼ゆえのことだ。
桂菓自身は双短戟『騰蛟昇竜』で切り込んでいくつもりであり、近接戦は桂菓にとっても得意であり望むところであった。
対してエルフリーデの土俵は炎を使った遠距離攻撃だ。だからこいそ一抹の不安はよぎるが「まあ勝算のないことはすまい。……何も考えてないかもしれんが」という謎の信頼はある。
(どっちみちあの馬鹿火力なら燃やせば燃えるだろう)
だからこそ桂菓はエルフリーデを信じて踏み込んでいく。
「その自慢の六本腕から多彩な打撃を放ってくるようだが、こちらはこちらで両手の得物を振るえる。戟もまた斬る、突く、薙ぎ払うと、攻防の何にでも対応できるマルチウェポン。技の多彩さでは負けはすまい」
「ならやってみろおおお!」
「お望みならば!」
あとはパラドクス【娥影幻攻刃】の幻惑効果でもって、敵の手数の多さの隙間を縫えるかどうかの勝負だと、そう桂菓は考えていた。
(敵の目は一つ、ならば性能は悪いというわけではないだろうが。それでも、腕力はともかく速度で私が劣るということもあるまい)
「惑え……」
「よし、今だ! 獣の野生と赤き炎をこの身に宿せ――」
エルフリーデの【牡丹の稲荷】PfingstroseFuchsが渾身の勢いで放たれ、アシュラキュクロプスを打ち据える。
それは勝利の合図であり……今回の作戦の本当の目的が始まることを告げる合図でもあったのだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【狐変身】LV1が発生!
【温熱適応】LV1が発生!
【神速反応】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV2になった!
【能力値アップ】LV1が発生!
エルフリーデ・ツファール
陳・桂菓(g02534)と。
外の掃除は完了、と。
後は今回の作戦の要である陽動か……。
というかぶっちゃけ城壁に砲撃叩き込めばいいんじゃね?
敵からの反撃も無さそうだし、遠距離からただひたすらに砲撃を打ち込む――。
うん、魔術師らしい在り方だ。
そうしよう、いやそれこそが正しい。
これなら無言の挑発にもなるしな。後は桂菓のやつがどこで何やってるかだが。
まあ、私の砲撃が見えたらあいつもいいように動くだろう。これもまた信頼だ。
「でけェ的に何も考えずに魔術ぶち込むのっていいよなァ。作戦にも沿ってるし、ストレス発散にもなるし。正に一石二鳥ってやつだ」
(新しい煙草に火をつけて煙を燻らせながら)
「……さァて、今回はこんなもんかね。後は桂菓が戻ってきたらさっさとトンズラするか」
陳・桂菓
エルフリーデ(g00713)と行動
陽動、挑発か。
正面突破は得意だが、そういう搦め手はあまり担うことがないのだよな……
まあ、守備兵は頭の中が性欲と筋肉しか詰まっていない亜人ばかり。ということは、凝った策略が必須ということもなかろう。
まずは蚩尤旗矛を掲げつつ、【単駆突赴】で城壁に一撃。真紅のオーラに真紅の旗と、大いに目立つことだろう。
守備兵の目を引いたところで、【飛翔】で城壁の上まで飛び上がり、兵らに声を掛ける。
「平和そうで何よりだな愚物ども! 貴様らが呑気に城に引きこもっている間に、この城は我らが完全に包囲したぞ!」
嘘だ何だと言われるだろうが、エルの魔術による砲撃もあれば、まあある程度ハッタリも利くだろう。
「残念だったな。もう貴様らはろくに武勇を振るう機会もなく、女を抱く機会もなく、踏み潰されて朽ちる定めだ。それとも城から出てみるか? 気が向いたら私が相手をしてやらんでもないぞ」
敢えて品がないようにゲラゲラ指差して嘲笑してやろうか。
あとは実際に反撃される前にさっさと飛んで逃げる。
●陽動攻撃を仕掛けろ
「外の掃除は完了、と。後は今回の作戦の要である陽動か……」
エルフリーデ・ツファール(紫煙の魔術師・g00713)はそんなことを呟く。
此処の区域の防衛隊を排除できたため、中の敵が気付くまで多少の時間がある。その間に何をするべきかという話であるわけだが……陳・桂菓(如蚩尤・g02534)も悩むような表情を見せる。
「陽動、挑発か。正面突破は得意だが、そういう搦め手はあまり担うことがないのだよな……まあ、守備兵は頭の中が性欲と筋肉しか詰まっていない亜人ばかり。ということは、凝った策略が必須ということもなかろう」
「というかぶっちゃけ城壁に砲撃叩き込めばいいんじゃね?」
桂菓にエルフリーデはそう返し、桂菓も「砲撃か……」と頷く。そう言うということは、エルフリーデには具体的な策があるのだろうと続きを促す。そして実際、桂菓にはそれがあった。
「敵からの反撃も無さそうだし、遠距離からただひたすらに砲撃を打ち込む――。うん、魔術師らしい在り方だ。そうしよう、いやそれこそが正しい。これなら無言の挑発にもなるしな」
「よし、それでいこう」
桂菓とエルフリーデは互いに分散して配置につくと、まずはエルフリーデが動き出す。わざわざ動くタイミングを連絡する必要などはない。
「眩く輝く朝焼けのように――黄金色に染め上げろ!」
放つのはMorgenschein ist golden。チャージの時間は充分在る……全力で撃ち込むことができる。
そうして放たれた一点突破収束魔力砲撃がペルセポリスの城壁にぶちあたって。
「後は桂菓のやつがどこで何やってるかだが。まあ、私の砲撃が見えたらあいつもいいように動くだろう。これもまた信頼だ」
そう、相手の反撃もとりあえずはない。あと1、2発は撃てるだろうか?
「でけェ的に何も考えずに魔術ぶち込むのっていいよなァ。作戦にも沿ってるし、ストレス発散にもなるし。正に一石二鳥ってやつだ」
言いながらエルフリーデは新しい煙草に火をつけて煙を燻らせる。
「……さァて、今回はこんなもんかね。後は桂菓が戻ってきたらさっさとトンズラするか」
その桂菓は蚩尤旗矛を掲げつつ、パラドクス【単駆突赴】で城壁に一撃を加える。
真紅のオーラに真紅の旗と、大いに目立つことを期待しての選択だ。実際、エルフリーデの砲撃と合わせてペルセポリスは大騒ぎだ。
「あ、いたぞ!」
「あそこだ!」
そうして守備兵の目を引いたところで、桂菓は飛翔で城壁の上まで飛び上がり、兵らに声を掛ける。
「平和そうで何よりだな愚物ども! 貴様らが呑気に城に引きこもっている間に、この城は我らが完全に包囲したぞ!」
嘘だ何だと言われるだろうが、エルの魔術による砲撃もあれば、まあある程度ハッタリも利くだろうと考えていた。
「残念だったな。もう貴様らはろくに武勇を振るう機会もなく、女を抱く機会もなく、踏み潰されて朽ちる定めだ。それとも城から出てみるか? 気が向いたら私が相手をしてやらんでもないぞ」
敢えて品がないようにゲラゲラ指差して嘲笑もつければ、次から次へと敵が現れる。そろそろ撤退しないと拙そうだ。
「ぶっころせー!」
「逃げるぞ! 撃てー!」
本気で殺されそうな戦力差になってくる前に桂菓は素早く撤退する。エルフリーデもすでに逃げているだろうことは……地上を走る姿を見ればよく分かる。陽動攻撃、どうやら大成功である……!
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】がLV2になった!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV4になった!