東メラネシアの海賊船

 冥海機ヤ・ウマトのメラネシア東側(フィジー諸島周辺)は、ディアボロスの侵攻により、冥海機が撤退したようです。
 しかし、冥海機がいなくなったことで、この地域の制海権は黄金海賊船エルドラードのアビスローバーに握られ、取り残された一般人が、黄金海賊船エルドラードからやってくる海賊に襲われ、略奪されているようです。

 襲撃される東メラネシアの島にパラドクストレインで向かい、海賊を撃破、海賊船を奪取してください。
 エルドラードから来た海賊船は、エルドラードに帰還する能力を持っているようなので、海賊船を奪う事で『エルドラード側の太平洋』に移動する事ができます。
 エルドラードに渡った後は、敵の目の届かない所で海賊船を集結させ、エルドラード側の太平洋の本格探索に備えることが出来るでしょう。

※24年3月1日:『最終人類史のバレンタインデー2024』により、攻略期限が40日延長されました。

海賊船で漕ぎ出そう!(作者 大丁
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#黄金海賊船エルドラード  #東メラネシアの海賊船  #冥海機ヤ・ウマト  #東メラネシア 


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 霧を抜けてきたのは、オール漕ぎの船だった。
 10人程度の黒っぽい人影が、縦一列に座って腕力をふるっており、船尾の一段高くなった位置から、金髪の若い男が号令をかけている。
「見やがれ、ヤ・ウマトの海だ! ……いや、振り返って見なくていい。そのまま漕ぎ続けろ」
 屋根も船室もなく、大型のボートといったところ。
 一本だけあるマストには、畳んだ帆が括られている。全体に古びてみすぼらしいのだが、金髪男の後ろに掲げられた旗だけは、手の込んだ刺繍がなされて立派だった。
 金貨をかじる髑髏である。
「いいかんじの島がありそうだ。俺様に従ってりゃ、略奪チャンスが途切れることはねぇゼ!」

 新宿駅グランドターミナルのホームに、新たなパラドクストレインが出現した。調査を担当した時先案内人は、資料を抱えたぬいぐるみたちとともに車内に入ってくる。
「ごきげんよう。ファビエヌ・ラボー(サキュバスの人形遣い・g03369)ですわ」
 さっそく地図や画像を、吊り広告用の金具を使って掲出していく。
 二体のぬいぐるみのうち、男の子が高所に登り、女の子が筒状に巻いた資料を下から渡していた。
 作業の間も、ファビエヌは説明を続ける。
「幻想竜域キングアーサー奪還戦に勝利し、新たなディヴィジョンへの道を開くことが出来ました。呼び名は『黄金海賊船エルドラード』。宝探しと略奪が横行する海賊のディヴィジョンです」
 タイミングよく、垂れ幕の要領で地図が開く。
「今回は、冥海機ヤ・ウマトのディヴィジョンの東メラネシアの島々を、エルドラードの海賊が略奪を行う事がわかりましたので、急ぎ、東メラネシアへ向かい、海賊の略奪を阻止していただきますわ」
 次に釣り下がったのが、船の絵。
「エルドラードのクロノヴェーダ種族、アビスローバーは、大きなボートにマストを取り付けたような小型の海賊船で島を襲うようです。いまのところ彼らは、略奪後にこの船でエルドラードに戻るようにしています。乗ってきたアビスローバーを全て撃破すれば、海賊船を奪取し、自分たちのものとして操って、エルドラード側の太平洋に移動する事も出来る筈ですわ」
 ぬいぐるみたちが交互に、地図のディヴィジョン境界を行き来してみせた。
「小型の海賊船で、小艦隊を組む事ができれば、エルドラードの太平洋を探索する、移動拠点とすることが出来るでしょう。メラネシアの人々を救援し、アビスローバーを倒し、海賊船を手に入れてくださいませ」

 案内はさらに続く。
「メラネシアの島を襲うアビスローバーから人々を救い、敵を倒せば作戦は成功なのですが、それだけでは、メラネシアの人々を救った事にはならないようなのです」
 メラネシアの人々は、冥海機が戻ってきて、物資の補充などをしてくれると信じているため、残った資源を節約して耐え忍ぶ生活をしている。
 しかし、ディアボロスが冥海機ヤ・ウマトの攻略を進める限り、冥海機がメラネシアに戻って来ることはない。
 つまり、島の人々は、来るはずが無い補給が来るのを待っているので、保存した物資が尽きれば、餓死するか、或いは、近隣の島を襲って略奪を行うかといった状況に追い込まれてしまうのだ。
 さっきまで手伝いあっていたぬいぐるみが、喧嘩の真似事のようなお芝居をした。
「餓死よりも略奪を選ぶものが多いと思われるため、近い将来、メラネシア東側の島々で、島民同士による殺し合いが発生する危険性が高い状況です。これを防ぐ為には、アビスローバーとの戦闘前、或いは、戦闘中に、島の人々に演説を行い、冥海機に頼らずに生き抜くように扇動する事が必要です。排斥力によりディアボロスの存在は思い出せなくなっても、冥海機が戻ってこないかもしれないので自立しなければならない、という意志を、島民に残す事は出来るので、可能ならば、群衆への演説を頑張ってください」
 ファビエヌは、いさかいの間に立って仲直りの握手をさせた。
 ふたたび左右に分かれたぬいぐるみが紐を引くと、アヴァタール級とトループス級の図画が出てくる。
「一般人を襲うトループス級は、『イールガイズ』。ウナギと人型を合わせたアビスローバーで、滑りやすい膜を敷くことで高速移動し、カトラス刀で攻撃してきます。指揮する海賊船長、アヴァタール級『スヴェンスガード』は、海水を武器にした斬撃が得意なようですわ」
 戦闘終了後は、無人の海賊船を接収する事ができる。
「今回、手に入るものには、金貨をかじる髑髏の旗がついていて、それも含めて全体がクロノ・オブジェクトであり、ディヴィジョンの境界を越えてエルドラードへ帰還しやすい構造になっています。海賊船を操って、エルドラードに向かえれば、依頼成功です」

 掲出の資料を車内に残して、ファビエヌとぬいぐるみたちは、ホームへと降りた。
「小艦隊を組めれば、エルドラードの海を冒険することもできましょう。伝説の大陸など、イイコトが待っているような気がしてますわ」

 背が高くて痩せた男と、腹だけ膨らんだ小柄な男のふたりが、波間にそって砂浜を歩いていた。
「これじゃ……見回り役の意味、ないな」
 痩せたほうが、チラと振り返る。
 少し離れた位置を、他の島民もぞろぞろとついてきていた。
 しかし、小柄な男は興味なさげで返事もしない。うつむき加減で、海さえ見ていなかった。
 一方通行の言葉だけが続く。
「みんな……できることもないからさ。冥海機様がおいでにならないか、俺たちの報告を待つくらいなら、自分で確かめに来ちゃうんだろうな……。いっそ、役目を誰かに代わって貰って……おい、聞いてるのかよ、テヴィータ」
「……」
 名を呼んでも顔をあげてくれないので、痩せた男の語気がだんだん荒くなる。相手の肩を小突きそうになったところで、後ろの島民が騒ぎ出した。
 いさかいを咎められたと思ったのか、ばつの悪い顔で振り返ると。
「おーい、シオネ! テヴィータ! あれはなんだー!」
 みんなが海のほうを指差していた。
 シオネは、すぐにまた振り返ると、波間に目を凝らす。
 船影だ。
 そう、待ちに待った船影なのに冥海機のものではない。
「なんだと、思う?」
「……」
 さすがに気がついたテヴィータとふたり、正体をはかりかねた。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
2
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【未来予測】
2
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【モブオーラ】
1
ディアボロスの行動が周囲の耳目を集めないという世界法則を発生させる。注目されたり話しかけられる確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【断末魔動画】
1
原型の残った死体の周囲に、死ぬ直前の「効果LV×1分」に死者が見た情景が動画として表示される世界になる。この映像はディアボロスだけに見える。
【植物活性】
1
周囲が、ディアボロスが指定した通常の植物が「効果LV×20倍」の速度で成長し、成長に光や水、栄養を必要としない世界に変わる。
【土壌改良】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の地面を、植物が育ちやすい土壌に変える。この変化はディアボロスが去った後も継続する。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)が不可能な世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV1 / 【ガードアップ】LV1 / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV1 / 【先行率アップ】LV2 / 【ドレイン】LV1

●マスターより

大丁
 オープニングをお読みいただきありがとうございます。
 マスターの大丁です。

 今回は、『黄金海賊船エルドラード』にて、『冥海機ヤ・ウマト』寄りの東メラネシアで海賊船を調達するシナリオとなっております。

 一般人を襲うトループス級アビスローバー『イールガイズ』と、アヴァタール級『スヴェンスガード』を、戦闘で撃破してください。
 その前後、あるいは最中に、島民への演説を行うことになります。対話や会話ではないので、ディアボロスの主張を、島民が受動的に聞くかたちです。
 シナリオの完結条件は、エルドラードの太平洋への出発となっています。

 戦いに、冒険に。そして、ドキドキを。
 みなさまの素晴らしいプレイングをお待ちしております。
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


ツェニトハルム・メーベルナッハ
さてさて、ディアボロスとして初めてのお仕事!
確とこなして参りましょう!

クロノヴェーダの意向に翻弄されるばかりの方々、放っておく訳には参りません!
まずは自立へと導くこと、これが奪還への一歩ですね!

持ち込めます限りにて、当該地域で育成可能な作物の種や農具などを持ち、集落を訪ねます。

はい!
わたしは皆様の生活援助に訪れました者!
皆様の自立をお導きするべく、星の導きにて参上致しました!

聞けば此方の集落は冥海機の皆様の援助のもとにて生活しておられましたとか。
然し、かの方々は戻ってこられると申しましてもいつ、とは申しておられなかったご様子。
即ち、戻ってこられるまで何か月…下手したら何年もかかりかねない、のっぴきならぬ事情があるやもしれません!
ですので、援助に頼らず生活できるようになりましょう!
ご心配なく、わたしもお手伝い致しますので!

目的を同じくするディアボロスの方々がおられれば協力或いは手分けして、農業のお手伝いを致しましょう。
【土壌改良】にて農業に適した土地を確保し、育て方などを教示していきます。


 島民たちは、見回りのふたりのところまで来て、ある者は海にくるぶしまで浸かりながら船影を確かめようとする。結局、集落はほとんど空っぽになったので、ツェニトハルム・メーベルナッハ(天頂より伸べたる腕・g10816)も、海岸へと出てきた。
「クロノヴェーダの意向に翻弄されるばかりの方々、放っておく訳には参りません!」
 銀色の髪は、液状になびく。
 薄衣のドレスが示すとおり、彼女は『セイレーン』だ。
「まずは自立へと導くこと、これが奪還への一歩ですね! 確とこなして参りましょう!」
 ディアボロスとして初めての仕事であった。
「はい! わたしは皆様の生活援助に訪れました者!」
 自信ありげな表情で、大きな声を砂浜に響き渡らせる。
 人々はいっせいに振り返った。
「皆様の自立をお導きするべく、星の導きにて参上致しました!」
 洋上の船と、交互に見比べる島民もいる。
 見慣れぬものが一度にふたつ現れたのだ。なにか関係を考えるのも当然である。けれども、ヤ・ウマトの世界としては異質な海賊船に比べて、ツェニトハルムの姿に驚かれはしなかった。
 違和感を与えにくい、ディアボロスに特有の力のおかげだ。
「聞けば此方の集落は冥海機の皆様の援助のもとにて生活しておられましたとか。然し、かの方々は戻ってこられると申しましてもいつ、とは申しておられなかったご様子」
 掴みは良さそうだと占星航海士は、演説をはじめた。
 島民たちのざわつきも、徐々に減っていく。
「即ち、戻ってこられるまで何か月……下手したら何年もかかりかねない、のっぴきならぬ事情があるやもしれません! ですので、援助に頼らず生活できるようになりましょう! ご心配なく、わたしもお手伝い致しますので!」
 持ち込んだ『残留効果(エフェクト)』は、土壌改良だ。
 これなら、任務後に島を離れても人々の助けになる。あとは、当該地域で育成可能な作物の種や農具があるので、やり方をおしえればいい。
「ああ。もう少し、時間が欲しかったですね……」
 農業の手伝いまでは叶いそうになかった。
 ツェニトハルムの位置からは、みるみる海賊船が近づいてくるのがわかる。『金貨をかじる髑髏』の旗まではっきりしてきた。
 演説への同意や、自立への決心は、まだ半分といったところ。
 アビスローバーを迎え撃つ準備にうつるか、あるいはもう一押し、演説を続けるか。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【土壌改良】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!

ユーゼスト・タウルスカイ (トレインチケット)



戸隠・椿姫 (トレインチケット)



 ボートサイズの海賊船は、浅瀬に入ったようだ。
 漕ぎ手の黒っぽい人影の一部が、錨を投げたり縄を結わえたりしているが、残りのほとんどが波とともに砂浜へと寄せてきた。曲刀カトラスを振り回しながら。
 ツェニトハルムの演説に聞き入る島民の、背後へと迫っている。
 このトループス級アビスローバー『イールガイズ』の群れを、横から迎撃するディアボロスの別動隊。
「ちょっと手を貸すだけのつもりが、結局は最前線かよ。こうなりゃ派手に暴れてやるぜ!」
 ユーゼスト・タウルスカイ(仕えるものなき破戒執事・g07140)はインセクティアだ。
 甲殻は、南海の陽光を反射して瑠璃色に輝き、海賊たちの目を引くには十分である。執事らしくオーダーメイドの黒服を着こなし、オールバックに整えられた髪型と、これもまた黒光りするサングラスをきめていた。
 いっぽうで、学者風に白衣をはおり、魔剣を携えた女性がけだるそうに長髪をかき上げる。
「『黄金海賊船エルドラード』と『冥海機ヤ・ウマト』の境界線、各ディヴィジョンの文化的背景には興味があったのだが……。敵の姿を見てしまったのなら仕方がない」
 戸隠・椿姫(戸隠家当代は日々を読書で怠惰に暮らしたい・g02466)は、独特の動作で剣を振る。
 刀身が伸びて、金属片を繋いだ鞭になった。いわゆる、蛇腹剣だ。
 攻め手も守り手も、膝まで海につかったまま、戦いをはじめた。クロノヴェーダは習性なのか、上陸して一般人を襲うよりも、まんまとディアボロスに引き付けられたらしい。
 黒い人影は、近くで見るとまさにツルツルの肌をしたウナギ人間であった。
 全身から垂れた粘液が足元をつたい、潮に溶けだしている。
「ほう……」
「ふむ」
 ユーゼストと椿姫は、感心と興味のまじった声を同時にあげた。
 粘液には、イールガイズの身体を滑らせ、変幻自裁の動きを可能にする効果が、海水にゆらめいたままでも維持されていたからだ。
 死角から狙うカトラスの一撃。
 しかし、ユーゼストを捉えることは叶わなかった。
「こんなナリでも見失うって、面白え技だろ? 『咬切の隠顎』さ」
 インセクティアの執事の速さが、滑るウナギ人間を上回る。鋭い手刀が、黒い皮膚に鋭くめりこんだ。
「その命、少しだけ喰らわせて貰うぞ」
 椿姫の蛇腹剣・臥龍庵がしなる。
 金属鞭の先端による高速斬撃が、トループスたちを寄せ付けない。かすめるように放たれる切っ先に、イールガイズは距離をとり、粘液を網状に変えた。
 ディアボロスたちを捕らえてから曲刀で始末しようとする。
 ふいにユーゼストが素顔をみせた。
「こっちはほんの旅行気分なんでね。長引かせる気はないな」
 鋭い眼光を光らせ、外したサングラスを投げる。宙で反射した光に、アビスローバーたちがひるむと、蛇腹剣の旋回範囲がさらに伸びた。
「『戸隠流臥龍剣 一の型・悔契(トガクシリュウガリュウケンイチノカタ・クイチギリ)』!」
 椿姫の武器はさらに、補食形態へと転じる。
 ウナギ人間たちを食いちぎり、傷口は刀で斬ったよりも、深く酷いものとなった。方々で悲鳴をあげる海賊たち。
 そして、東メラネシアの海にポチャンと落ちる、サングラス。
 一瞥だけくれた椿姫の視線に、ユーゼストは肩をすくめてみせた。
「なに、安物さ」
 海賊船を固定したトループスも、浜へと襲ってきている。
善戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
【断末魔動画】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!

三間・勲
(連携アドリブ歓迎)

冥海機を追い詰めたのは他でもない僕達だけれど…だからこそ、出来る限りの事をします
敵の船がここまで来ていてはゆっくりする時間も無さそうです
味方と合流する形で集まった島の皆さんの元に向かい【士気高揚】を発動
島に迫る危機を知らせつつ団結の呼びかけを

冥海機が今どこにいるのか、不安ですよね
僕達は彼女達の居場所を追いながらここまで来たのです
ラバウル、ニュージーランド、ソロモン諸島……既に各地の拠点が放棄されていました
どうやら冥海機は重要な拠点に戦力を集めているようです
残念ながらここには当分戻って来ないでしょう
勝利の為、彼女達はそう判断せざるを得なかったのかもしれません

しかし彼女達は、きっと諦めていないはずです
皆さんも彼女達を信じているのであれば、助けと補給をただ待つだけではいけません
今もどこかで戦っている彼女達に顔向けできるように
ここに居る者同士で協力し、護り合って、畑を耕して……
前を向いて、しっかりと生き抜きましょう!

可能であれば敵が来る前に安全地帯への避難を促します


 見知らぬ者たちの戦いに、島民たちもまたざわめきだした。とりわけ、アビスローバーの姿には脅威を感じているようだ。
 『海戦』から『略奪』へ。
 クロノヴェーダのエネルギーが切り替わったことで、一般人の感情も影響を受けているのかもしれない。三間・勲(漁火・g10186)は気が急いた。
「冥海機を追い詰めたのは他でもない僕達だけれど……」
 だからこそ、行動を起こさねばならない。
 演説の応援に加わる。
「冥海機が今どこにいるのか、不安ですよね。僕達は彼女達の居場所を追いながらここまで来たのです」
「……なんだって!?」
 見回り役の痩せた男性、シオネが驚きの声をあげた。
「おまえら……いや、あなたたちは何者なんですか? 冥海機様は、いまどうして……」
 探していた答えを得ようと、矢継ぎ早に質問が出てくる。
 当然の態度だ。しかし、海賊たちが迫っている。勲は個別に答えるのを避け、演説を続けた。
「ラバウル、ニュージーランド、ソロモン諸島……既に各地の拠点が放棄されていました。どうやら冥海機は重要な拠点に戦力を集めているようです。残念ながらここには当分戻って来ないでしょう」
「そんな!」
 男性の表情が硬くなる。
 絶望させないために、ディアボロスは『士気高揚』を使った。
「勝利の為、彼女達はそう判断せざるを得なかったのかもしれません。しかし彼女達は、きっと諦めていないはずです。皆さんも彼女達を信じているのであれば、助けと補給をただ待つだけではいけません。今もどこかで戦っている彼女達に顔向けできるように……」
 この際、クロノヴェーダへの依存も逆に利用させてもらう。
 なにより、島民に勇気をもってもらうよう、勲は言葉に熱を込めた。
「ここに居る者同士で協力し、護り合って、畑を耕して……前を向いて、しっかりと生き抜きましょう!」
 最後は、団結への呼びかけで締めた。
 効果はすぐに現れる。ずっとだまっていた小柄なほうの男が、相棒の肩をたたいたのだ。
「シオネ……。この人の言うとおりだ。俺はがんばってみたい」
「テヴィータ、……そうか、そうだな!」
 ふたりの握手に島民たちも湧きたった。勲と、ツェニトハルムは危機が迫っていることも伝え、集落への避難を促す。士気があがっているあいだなら、略奪への恐怖も打ち破れるのだ。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【士気高揚】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!

ツェニトハルム・メーベルナッハ
むう、これでは住民の皆さんをお導きするどころではありませんね。
無粋な賊の皆さんには、早々にお引き取りを願いませねば!

というわけで、浜辺まで敵を迎撃に行きましょう。
立ち位置は、叶う限り集落への道を塞ぐような位置を取るとします。
現れた敵にパラドクスを浴びせ、一掃にかかります!
欲望と衝動に穢れたるそのお心、この花弁で以て浄めて差し上げましょう!

とはいえ、敵のカウンターが飛んでくる可能性もあるようですので、其方にも対応の備えを。
とりあえず頑張って避けるか受け流します!

後は包囲されないよう位置取りに気をつけつつ、お仲間がおりましたら其方と連携しつつ、敵との交戦を重ねていきましょう。
集落の方へ向かう敵は最優先で攻撃します。

島民の皆さんの慎ましい暮らしを、邪魔させは致しません!
わたしの光を以て、滅びへと導かれるがよろしいでしょう!


 島民たちが退避に動き出したところを見届け、ツェニトハルム・メーベルナッハ(天頂より伸べたる腕・g10816)は波間に向かう。
「無粋な賊の皆さんには、早々にお引き取りを願いませねば!」
 叶う限り、集落への道を塞ぐような立ち位置をとる。
 ウナギのアビスローバーの残りは、全身に粘液をまとわりつかせていた。ディアボロスたちはパラドクスを合わせて、この敵を一掃にかかる。
「欲望と衝動に穢れたるそのお心、この花弁で以て浄めて差し上げましょう!」
 星々より集めた浄化の魔力帯びた光。
 ツェニトハルムは、無数の桜の花へと変えて、イールガイズの周囲へと放った。渦巻き、接触した黒い表皮を焼き焦がす。
「あぎゃぎゃ!」
「いてー! あちぃ!」
 海賊どもは、悲鳴をあげている。さらに残り少なくなった敵のなかから、花びらを粘液に包んで無力化するものがあらわれた。
「どーだー! 俺たちは海賊よ、おまえの光るモンは奪ってやったぜ」
「敵のカウンターが飛んでくる可能性、ってこれですか!」
 悔しいことに、敵のカトラスが炎熱化されている。ツェニトハルムにしてみれば、とりあえずにでも頑張って斬撃を避けるしかない。
 身体をひねって反転した際に、集落の方向が見えた。
「島民の皆さんの慎ましい暮らしを、邪魔させは致しません!」
 ましてや、浄化のための魔力を、略奪に使われるなど許しがたい。セイレーンの占星航海士は、いまひとたび星々から光を集めた。
「それでは皆さんどうぞご覧あれ! 春夏秋冬お構いなしの桜花満開! 清らな光を纏って吹雪けば、ささくれた心もスッキリ癒される事でしょう! 『満開!煌めき花吹雪!(グランツシュトゥルム・キルシュブルーメ)』!」
 一撃目とは比べ物にならない量の花びらが舞った。
 イールガイズのまとった粘液など、剥ぎ取るほどの勢いで。
「わたしの光を以て、滅びへと導かれるがよろしいでしょう!」
 仲間たちも残敵の包囲に加わり、トループス級アビスローバーを殲滅する。
「おいおい~。俺様の到着までもたねぇのか。これじゃ、ヤ・ウマトの連中相手でも上陸できたかわかんねぇな!」
 配下の死体が海に沈んでいくのにも関わらず、アヴァタール級は笑っていた。
 金髪の毛先が、水の玉のようになって宙に流れていく。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【植物活性】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

三間・勲
(連携アドリブ歓迎)

住民の避難を確認しつつ海賊退治へ加勢です
海の平穏は、僕達復讐者が守ります!

僕の〈天候予測〉は僕が望んだ天候を呼び寄せます
パラドクスの力で雨雲を発生させ、空も味方につけて戦いましょう
局地的大雨にご注意下さいね
もっとも、パラドクス攻撃なので避けようが無いのですけれど
「雨虎」の雨の弾丸で『スヴェンスガード』の頭上を狙って攻撃です
攻撃範囲は広めですが、敵の反撃共々集落や建造物などを巻き込まないよう立ち回りには十分気を付けます

相手のコインを使った反撃に備えて士官服の上に雨衣を重ねて羽織り
耐えつつ可能な限り致命傷を避けるよう努めます
ちょっとくらい痛くても平気です、島の皆さんに怖い思いをさせるよりは……!


ツェニトハルム・メーベルナッハ
親玉さんのお出ましですね!
この島のモノは何一つ奪わせはしませんよ!

選択パラドクスを以て攻撃を仕掛けていきます。
敵の攻撃は、飛んでくるコインを星の魔力で展開した【結界術】で防ぎ凌ぎましょう。
同道のディアボロスさん達とも連携して戦いますよー。
立ち位置に注意するなどして、敵がわたし達を突破して村へ向かってしまう事態を防ぐことにも気を配りましょう、

古人曰く、略奪を重ねる者は最後には必ず略奪される側に回るといいます。
即ちそれは今この時ということ!
何もかもを奪われ、滅びるがいいでしょう!


アルトゥル・ペンドラゴ
(連携アドリブ歓迎)

「――『己が力をもって、活路を見いだせ』!」
【爆焔の攻陣】を展開しながら、相手に正面から対峙する

相手は銃器を使う遠隔の連撃、対しこちらの得物は戦旗槍……ある程度距離を詰めねばまともに一撃を与えられない
どうしたものかと考えあぐねていると敵の攻撃がこちらを捉える。痛みはあるが、倒れるわけにはいかない
相手の攻撃を槍と盾で捌きつつ、一歩ずつでも着実に距離を詰めていくか

距離を詰めることに成功したら戦旗槍を振るって攻撃を仕掛けよう
……別に当たらなくてもいい。それを避けたことで隙ができれば周りの攻撃のチャンスになるのだから
こちらの一撃でとどめを刺せるなんて思ってない。少しでも周囲に繋げる攻勢を仕掛けていくぞ


 ふてぶてしい素振りで浅瀬に立つアビスローバー、『スヴェンスガード』。対峙するディアボロス、ツェニトハルム・メーベルナッハ(天頂より伸べたる腕・g10816)は声を張った。
「親玉さんのお出ましですね! この島のモノは何一つ奪わせはしませんよ!」
「は~ん。手下を討ったからって、俺様にも勝てるつもりなのぉ~?」
 アヴァタール級は、顔を斜めにかしげて、砂浜のほうを眺めた。三間・勲(漁火・g10186)が、駆けてくるところだ。
「海の平穏は、僕達復讐者が守ります!」
「復讐者ねぇ~。俺様は、略奪される側の感情が欲しいだけだぁ。漕ぎ手がやられたくらいじゃ、仕返ししようなんざ、考えねぇ。だが、お前たちはいま倒しておいたほうが良さそうだなぁ!」
 金髪から染み出した水玉が、大きな波に変わった。握りこんだコインが、ザクザクと増えていく。
 勲は、仲間たちへと目配せする。住民の避難は完了したと。
 海賊退治に包囲をつくるなか、ツェニトハルムは村の方角を意識して立ち位置を守った。クロノヴェーダが戦闘を優先することはわかっているが、ただその口先だけを信じる真似はしたくない。
「敵がわたし達を突破して村へ向かってしまう事態を防ぎましょう」
 陣形をつくるなかで、さらに増援が来てくれた。
 アルトゥル・ペンドラゴ(篝火の騎士・g10746)が展開する『爆焔の攻陣』は、味方を鼓舞して士気を高めるものだ。
「――『己が力をもって、活路を見いだせ』!」
 神算軍師のガーディアンナイトが号令し、ツェニトハルムは天にむかって大きく手を突きだす。
「はい! 『スターダストミサイル』!」
 召喚された星屑のごとき美しい輝き。
 魔力弾が海面に降り注ぐ。
「させるかぁ! 俺様のお宝!」
 海賊の手は、水平に持ち上げられる。
 召喚された『ミミックコイン』が、手の動きに合わせて扇状に飛び掛かってきた。スターダストとコインがぶつかり続ける。
 その圧力に、ツェニトハルムは顔をしかめた。
 自分が支えなければ、と気負ったせいだが、すぐに自信ありげな表情を取り戻す。まわりには、ディアボロスの仲間たちが同道しているのだ。
「連携して戦いますよー」
 各自が応え、それぞれの詠唱にはいっていく。
 スヴェンスガードはコインを召喚しつつ、パラドクスを見回した。
「来るなら、来てみろよぉ!」
 少しは焦った様子で、海水をうねらせている。触れれば斬れる武器なのだ。そして、緩急をつけた変幻自在さで、どこからでも繰り出してこられる。
「遠隔の連撃か? 対しこちらの得物は戦旗槍……ある程度距離を詰めねばまともに一撃を与えられないだろう」
 アルトゥルが考えあぐねていると、さざ波の鋭さが、鎧を抜けてきた。
「くッ!」
 もちろん痛みはあるが、倒れるわけにはいかない。
 海水の斬撃を盾で捌きつつ、一歩ずつでも着実に距離を詰めていく。戦旗槍を推したてて。
(「……別に当たらなくてもいい。それを避けたことで隙ができれば周りの攻撃のチャンスになるのだから。こちらの一撃でとどめを刺せるなんて思ってない。少しでも周囲に繋げる攻勢を仕掛けていくぞ」)
 勇敢なる姿を示すことこそが、『爆焔の攻陣』なのだ。
 勲も、コインの投射範囲にあえて飛び込む。ちゃんと備えていて、士官服の上に雨衣を重ねて羽織った姿だ。
「僕の『天候予測』は、僕が望んだ天候を呼び寄せます。……『雨虎(アメフラシ)』!」
「おいおい~。まだなんか降ってくんのかぁ?」
 船乗りだからか、空模様は気になるらしい。スヴェンスガードは、チラと見上げた。本当に、不気味な赤紫色の雨雲がやってきていた。
「ええ。一雨降りますよ」
「のんびり、遊んでもいられねぇ」
 強がりを言って海賊は、ミミックコインの勢いを増した。決着を急いでいるのは確かだ。雨衣を頼りに勲は耐え、可能な限り致命傷を避けるように努めた。
「ちょっとくらい痛くても平気です、島の皆さんに怖い思いをさせるよりは……!」
 雲は近づいてくるが、スターダストのための空間は避けてある。
 そして、敵のもとへと最接近した戦旗槍が、海賊へと直に刺突を浴びせだす。
「ぐぅ~! うっとおしいぞぉ、お前らぁ!」
「局地的大雨にご注意下さいね」
 勲が、予測を口にした。
 次の瞬間、雨の弾丸が『スヴェンスガード』の頭上を狙ってくる。
「う?! うわぁ、俺様が、これしきの荒れ模様でェ」
「もっとも、パラドクス攻撃なので避けようが無いのですけれど」
 海賊の姿がどしゃぶりの彼方へと覆い隠される。
「古人曰く、略奪を重ねる者は最後には必ず略奪される側に回るといいます」
 ツェニトハルムが、言葉を添える。
「即ちそれは今この時ということ! 何もかもを奪われ、滅びるがいいでしょう!」
「あああああぁっ~!」
 アヴァタール級アビスローバー『スヴェンスガード』は、まさしく海の藻屑と消えていった。けれども、彼の乗ってきた海賊船は、沖合に錨を下ろしたままだ。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【通信障害】LV1が発生!
【未来予測】LV1が発生!
【士気高揚】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!

ツェニトハルム・メーベルナッハ
さてさて、後は船を頂戴して大海原へ漕ぎだすのみですね!
島民の皆さん、良き星の導きがありますように!

さて海に出ましたらば、太陽或いは星の配置から方角を確認、向かうべき方向を定めてエルドラード方面へ向かって参りましょう!
風向きが良ければそのまま風に任せ、よろしくなければオールで頑張って漕いで進行です!
そのままディヴィジョン境界を目指していきますよー。

何か危険な存在に気付かれると良くないので、【モブオーラ】でリスクを軽減。
時々休憩がてらに周りをシュテルングッカーの望遠鏡機能で見回して、状況の変化も確かめていきましょう。

さて、艦隊を組めましたらどんなイイコトが待っているでしょうか!
楽しみですね!


「さてさて、後は船を頂戴して大海原へ漕ぎだすのみですね!」
 ツェニトハルム・メーベルナッハ(天頂より伸べたる腕・g10816)が呼びかけると、戦闘に参加していたディアボロスたちは武器を収め、笑ったり頷いたり、あるいは声をあげたり、めいめいに応えてから沖へ向かった。
 敵から護るために、集落のある側を意識して戦っていたツェニトハルムは、最後にもういちど振り返る。
「島民の皆さん、良き星の導きがありますように!」
 土壌改良は残せたし、力を合わせた演説が、きっと自給の道を開いてくれるだろう。
 乗り込んでみると、海賊船は小さなものだった。
 古びているし、クロノ・オブジェクトとは思えないようなみすぼらしさだが、それも時先案内人から聞いていたとおりだ。なにより海賊旗だけは立派で、どうやらこれが行先を教えてくれるらしい。
 セイレーンの占星航海士として、ツェニトハルムは天体の動きを観測し、これらのことを確かめた。
「向かうべき方向は定まりました。あいにく風は出ていませんから、みなさんで頑張って漕ぎましょう。エルドラード方面へ参ります!」
 ディアボロスたちは、船体に対して均等になるよう別れて座り、オールを手にする。その代わりにアルトゥルは、戦旗槍を傍らへと置いた。
「かの、金貨をかじる髑髏が活路を見いだすというのなら、私も付き合ってやろう」
「まぁこれも、ちょっとの手伝いだ」
 ユーゼストは髪を後ろに流すと、新しいサングラスをかけ直した。椿姫は腰かけるさいに、白衣が皺にならぬよう、裾をもちあげる。
「ディヴィジョンの境界を見ておくのもいいだろう」
「向こうも平穏な海とはいかないかもしれませんが、きっと守ってみせます。この船もその一助に」
 勲は、握る手に力を込めた。
「艦隊を組めましたらどんなイイコトが待っているでしょうか! 楽しみですね! それ、よーい……」
 ツェニトハルムが号令をかけ、オールが一斉に動き出す。
 海賊船はグングンと進み、島から離れていく。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【未来予測】がLV2になった!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2024年03月31日