リプレイ
周防寺・雨季
敵戦力が、中枢であるスイスへと集結中なのですね。
戦いは数、と言われます。如何に情報戦を制しても、戦争は常に力学です。数字は覆せません。
たとえ全体から見れば少数でも、敵戦力を減らすべきと雨季は考えました。
仲間と連携して、敵の侵攻を待ち構えます。
可能ならば奇襲を仕掛けられる様に、潜伏を試みましょう。
仲間とタイミングを合わせて攻撃を仕掛けます。
【絶海砲戦】を使用します。
「火器管制レーダー」で敵の配置を見極め、背後に背負った「軽巡級海戦装」から、無数の砲火とミサイルによる「弾幕」を張り、敵軍を牽制すると同時に殲滅します。
仲間と攻撃対象を重ねダメージを収束させ、確実に数を減らしていきます。
反撃は、「念動式防御障壁」の装甲板を「念動力」で操り「霊子障壁」で補佐市、敵との間に展開させる事で衝撃波から身を守ります。
軍の演奏隊は、楽曲で士気を高めると同時に、全体が一個の機械として連動する為の拍節器です。下手なら演奏しないで立ってた方がまだましです。
無能な働き者は銃殺するべきと雨季は考えますよ。
――任務了承。
たとえ全体から見れば少数だとしても、中枢であるスイスへ集結しつつある敵戦力は可能な限り減らすべきと雨季は考えました。
では、これより実行に移ります。
周防寺・雨季(霊戦試挑体・g10969)が装備する火器管制のためのレーダーが敵の位置を正確に見極める。戦争は常に力学である。
如何に情報戦を制しようが、数字は覆せない。
「戦いは数、ならば殲滅は必定です」
「え――!?」
奇襲をかけるため、それまで潜伏していた雨季が絶海砲戦による強襲を開始した途端のことだった。周囲は火の海と化し、悪逆の歌姫ことルシファーの慌てふためく姿が捕捉される。
「なッ、どこから!? いつの間に近づかれていたの!!」
軽巡級海装戦から次々に迸る無数の砲火とミサイルがまるで紅蓮の流星雨のように降り注いだ。機械の体を貫かれ、味方同士折り重なるようにして燃え盛る人形音楽隊のありさまを前に、ルシファーがわめき散らす。
「なにするのよ! やめなさい!」
「この先へは行かせません」
雨季は念動式防御隔壁の装甲板と電子障壁を敵との間に割り込ませ、即席の盾にし、叩きつけられる複数の衝撃波を耐え忍んだ。
「……軍の演奏隊は、楽曲で士気を高めると同時に、全体が一個の機械として連動する為の拍節器です」
ゆえに、下手なら演奏しないで立っていた方がまだましなのだ。
「お、お黙りなさい! こいつらが下手なのは私のせいじゃないわ!」
そんなのは関係ない。無能な働き者たちを雨季は撃ち殺す、そうすべき。戦場において最も愚かな者たちにそれ以外の道はないから。
「では、あなたは?」
雨季の青い瞳がルシファーを見た。
「無能? それとも有能? いずれにしてもあなたは倒すべきと雨季は考えますよ」
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【水面走行】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
伊吹・祈
◆外見補足:マッシュボブの黒髪
右目はサファイア・ブルーの彩+右目の下(下瞼)にほくろ
◆口調補足:敬語一文+だ、だな、だろう、なのか?
そう、聞き及んではいたものの
随分と聞くに堪えない行進曲<マーチ>ですね
――耳障りだ
パラドクストレインから降車し救援機動力なるもので駆付け
混乱する部隊の横合いより強襲して差し上げましょう
テノールの旋律でアンセムが導くエデンの夢は――小鳥達が囀り遊び草花が咲き乱れる、美しき園
微睡み、眠りなさい
二度と醒める事の無い、永劫の眠りに
これが復讐者とクロノヴェーダの戦いというものかと
復讐者によって繋がれた歴史を数多の戦歴を、紙越しに捲るのとはかけ離れた
耳を劈く音に、血と痛みに実戦というものを、現実を目の当たりにする
それでも、不思議と臆する想いは胸になく
触れずとも宙を舞い振るう≪聖血≫の魔晶剣と《栄光》のガントレットとで攻撃を軽減
僕自身の力量と体力を常に見極め乍、攻撃の的は最も負傷する敵
痛手を負えば積極的に仕留められる敵を墜とす事で
【グロリアス】の祝福を、僕の手中に
――なんて、耳障りなんだろうか。
戦場へ応援に現れた伊吹・祈(アンヘル・g10846)は短く切りそろえた黒髪を靡かせ、口遊む。
導くエデンの夢が戦場を塗り替えるためのアンセム。小鳥たちが囀り、咲き乱れる草花も鮮やかな楽園へと……改竄する。現実を奪い、希う幻想世界はなんて、美しさ。
それに比べ、彼らの音色ときたら最悪に過ぎる。
「あなた方の行進曲は聞くに堪えません。――さあ、微睡み眠れ」
「ちょ……ちょっとちょっとちょっと!?」
次々と精神を侵食され、斃される楽団を前にルシファーが悲鳴を上げた。
「たんまー! こいつらスイスに連れてくのが私のお役目なのに!」
「知った事ですか」
ルシファーが先頭になって進む隊列の横合いから、それこそ前触れなしの急襲を受けたのだ。
部隊は二分され、半ばで分断される。
ルシファーとは反対側の後方にいた人形たちがめいめいに暴れ出した。指揮棒が操る衝撃波が祈を打ち据えるが、グロリアスの輝きが傷を塞いで。
これが、ディアボロスとクロノヴェーダの戦いというものか……と。彼らの手によって繋がれた歴史の一ページを紙越しにめくるのとはかけ離れた実感が祈を襲う。
「まったく、かしましい――」
音、痛み、血の赤、全てが現実なのだ。
だがそれでも、不思議なことに祈の心に臆する想いは欠片も浮かばない。グロリアスの祝福を手中に宿す《栄光》のガントレットと≪聖血≫の魔晶剣が身を守るための最後の盾だ。激しい衝撃波をやり過ごし、テノールの調べを贈ろう。
「がッ」
止めをもらった個体が破裂して消し飛ぶ。まだいけそうだと判断した祈は、続けざまにもう1体を破壊した。弱っている相手から確実に、数を減らす。
「さあ、次はどなたが相手です? 順番に、墜としてやるさ」
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【士気高揚】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
凪沙・悠璃
単なる音の寄せ合わせを、音楽とは言わない。
それでは単なる雑音であり、美しさが欠片も感じられない。
さて……既に始まっているようだが、後れ馳せながら加勢しよう。
戦力は多いに越したことはないからな。
油断をするつもりはないが、統制の取れていない集団は崩しやすい。
先手を打てる利を活かし、敵集団の側面から急襲を仕掛ける。
基本的な戦法はヒット&アウェイ。
初手で敵陣深くに入り込み、混乱を誘いながら乱戦に持ち込む。
気儘な風のように早く、槍の穂先のように鋭く、寄せては返す波のように曖昧に。
“終ノ息吹”は合理性の極み。
敵の一挙手一投足を観察し、常に臨機応変な行動を以て。
……君達は音楽隊としても未熟だが、戦闘者としても決して練達とは言えないな。
……スイスまでは遠いか、単なる雑音を音楽などと言い張る美しさに欠けた軍楽隊の連中よ。
凪沙・悠璃(水底の薄明・g00522)の加勢は瓦解しかけた人形音楽隊に決定的な打撃を与えるに至る。統制のとれていない集団に対し、悠璃は油断なく先手を打った。
即ち、予測不能なる急襲。
寄せては返す波の如く、敵陣深くへ斬り込んだかと思えば攪乱するように引っ掻き回して乱戦に持ち込んでやるつもりだ。おそらくはそれが一番いい。この状況では、特に。
人はそれを颶風のようだと言うかもしれない。
気儘に吹き荒れ、気が済めばどこかへ行ってしまう。そんな曖昧さとは裏腹に鋭い槍の穂先のような――ソレ――で合理的に敵を屠る。
「なになになにー!?」
突如、混乱の最中に突き落とされたルシファーの悲鳴に悠璃はこう答えた。これ以上なく端的に、必要な情報のみを短い言葉で表現する。
「……フェイタル・カーム」
さあ、敵の一挙手一投足を見定め、とっておきの繊細で緻密で流麗で、稀有なる強さの在り方を為す息吹で不格好な演奏会を終わらせよう。
「やれやれ」
結局、彼らは音楽隊としても兵士としても二流であったのだ。
「……君達は音楽隊としても未熟だが、戦闘者としても決して練達とは言えないな」
乱れた上着の襟元を正す悠璃の背後で、最後の1体が頽れる。
「あちゃー」
ルシファーが顔を覆った。
「やってくれるじゃない?」
「それほどでも」
悠璃は眉一つ動かさずに。
「まずは第一幕完了、かな」
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【神速反応】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
任務は失敗だ。
悪逆の歌姫にとって、その事実は受け入れがたかった。だって、私はとっても素敵でとっても可愛くてとっても有能なんだから。
「失敗じゃ、ない」
ぎゅっとマイクを握り締め、不敵な眼差しをディアボロスに向ける。
「戦力はスイスまで届けられなかったけど、あなた達を倒せばそっちの戦力が減って、結果的には任務を達成するのと同じかそれ以上の成功ってわけよ。私ってば、あったまいー!」
あははッ、と自分の考えに酔って、マイクをオン。
「さあ、そうと決まれば私のリサイタルに特等席でご招待よ! 覚悟はいいわねッ」
周防寺・雨季
戦略的敗北を戦術的勝利で覆そう、という事ですね。
困難でしょうが、雨季は否定はしません。ディアボロスもやろうとしている事ですから。
なので、雨季達も油断しません。部隊の進行を食い止めても、貴女一人を生かして通せば敗北と認識します。
既に真正面から対峙している状況ですね。広範囲攻撃型の敵に、機動戦は不利。真っ向から貴女のリサイタルに相対しましょう。
【全砲斉射】のパラドクスを使用します。装備した全ての海戦装を展開。翼の様に大きく広げます。
歌声を掻き消す轟音と共に、火砲やミサイル、機関砲を一斉発射。超感覚的知覚による射線の「追跡」と念動力でミサイルを追尾させる「誘導弾」。【命中アップ】の効果も使い、全弾急所に叩き込みます。
パラドクスはパラドクスで防ぐのでしたか。具現化された鎖を、海戦装の機銃の斉射で迎撃し、撃ち砕いて防御します。
雨季は単なる一個の兵器。破壊されたところで戦局に影響はありませんが、それでも簡単に壊される訳にはいきません。
ソラ・フルーリア
※連携アドリブ歓迎します!
コッチの「アスノ」はなんというか、自信過剰みたいね?
ま、どうだって良いわ! アナタを倒すことが目的だし、なにより!
……本物のアスノはアナタみたいに、自分に酔うことはしないもの!
さぁ、ディアボロスライブの本番よ!
ステージ(戦場)を動き回って、相手を「撹乱」するように動くわ!
その間にもマイク兼用の杖『レゾネイト』で相手を挑発して、視線をこちらに誘導するわね!
ほらほら、どうしたのかしら!
トループスを導けないようじゃ、大したことないみたいね!
敵の攻撃や反撃は、出てくる鎖を見極めて「ダンス」するみたいに避けたり、マジックシールドで弾くわね!
こんなものでアイドルを縛れると思わないことね!
敵の視線を引き付けられれば皆の攻撃も当たりやすいだろうし、そっちに注意が行けばアタシのパラドクスも当たりやすくなるわね!
【熱狂と湧然の四元光芒!】!!「全力魔法」を食らいなさい!
……アヴァタールはクロノスとは別物、ね。
思うところがないわけじゃないけど、今は成功を喜ぼうかしらね。
凪沙・悠璃
……様子を見るに、戦場はどうやら派手に盛り上がりそうだな。
その中にあって、正面から相対するには“彼岸ノ華”では物足りないが……まあ、何とかしようか。
煌びやかなステージにも一人くらいは黒子が必要だろう。
来るべき機を待ち、最も必要とされるタイミングで攻勢に出る。
機に応じて虚を突くというのは得意な手だが、それに重要なのは敵の行動を観察すること。
視線の向け方に呼吸のリズム、筋肉や骨格の動かし方、移動やステップの癖。
枚挙に遑はない。優れた戦闘者ならば隠せもするが、君は仮にも歌姫だ。
ならば隠すどころか、相手を魅せるために意識すらしているだろうから。
“彼岸ノ華”によって幻景の世界へ誘う。
フェイント等の小細工はせず、速攻を以て一刀で貫こう。
戦意を取り戻す前に攻撃しなければ、生じるであろう隙も無くなってしまう可能性がある。
きっと君は今まで努力してきたのだろう。
その努力は報われてほしいと思うし、個人的にも君に恨みなど無い。
……でも、俺達はディアボロスで、君は敵だ。悲しいが、それ以上の理由は必要無い、
……周防寺・雨季(霊戦試挑体・g10969)は速やかに悪逆の歌姫ことルシファー・アスノの理論を理解し咀嚼する。彼女に残された狙いは戦略的敗北を戦術的勝利によって覆すための、一種の賭けのようなものといえる。
セーフティの外れる音、砲口が向きを変える時の駆動音、そして轟く全砲斉射の激烈なる発射音が辺り一帯を吞み込んだ。
まるで翼のように広がった海戦装を背負った雨季の表情は逆光で判別がつかない。ただひとつ言えるのは、一切の油断を排除したということ。
「部隊の侵攻を食い止めても、貴女一人を生かして通せば敗北と認識します。ゆえに見逃しません。覚悟はよろしいですね」
「ッ――」
大量の砂埃が舞い、爆発音が鳴り響いた。
「わ、私のリサイタルを邪魔するなんてッ……」
ルシファーは耳を塞ぎ、悔しそうに歯ぎしりした。
「どうやら『アナタ』は自信過剰みたいね、アスノ!」
ソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)は『レゾネイト』で挑発台詞を戦場に拡散した。
「さぁ、ディアボロスライブの本番よ!」
「違うわ、私のライブよ!」
いともたやすく挑発に乗ってくるルシファーに、ソラは呆れて肩を竦めた。アヴァタール級は個体差があると聞いてはいたが、これでは拍子抜けだ。もっとも、その方が戦いやすいのは助かる。
「ほらほら、どうしたのかしら! トループス級さえ導けないなんて、歌姫の名が廃るんじゃない!」
「うるさいわね、お黙りなさい!」
ルシファーが解き放つパラドクスは、チア・バインド。
魔力を帯びた歌声は四方八方から迸る鎖を召喚して見も心も虜囚としてしまう技だが、雨季はこれを油断なく迎撃。ソラは軽やかにステップを踏みながら構えたシールドで直撃を免れた。
「こんなものでアイドルを縛れると思わないことね!」
「たとえ破壊されたところで問題は無い、と雨季は考えます」
何があろうと、起ころうと淡々と戦うだけ。
単なる一個の兵器だから。
どうなろうが大局に影響は与えない。雨季に与えられた圧倒的な火力は雨季が兵器であることの、何よりの証明であった。
「どうしたの? アタシは無事よ!」
ソラの狙いは自分に注目を集め、他の仲間が動きやすくなること。
それをわかってか、凪沙・悠璃(水底の薄明・g00522)は派手に盛り上がる戦場を静かに見守った。
「舞台上は任せた」
演目を支えるのは煌びやかなステージだけではない。裏方――黒子もまた欠かせない存在なのだ。それに悠璃の使う『華』の真骨頂は正面を切ってのぶつかり合いよりは、さりげない不意打ちでこそ美しく咲き誇る。
「え?」
突如、幻景に囚われたルシファーは愕然と戦場を見渡した。マイクに声を乗せるため、集中して発声しようとしたまさにその瞬間だった。
「かかったね」
悠璃は、端的に種明かしする。
「君が人型である以上、視線の向け方や呼吸のリズムには癖が出る。他にも筋肉、骨格、ステップの踏み方……虚を突くための材料は枚挙に遑はない」
「しまッ――」
「歌姫、という立場が敗因さ」
非常にわかりやすかった、と言わざるを得ない。相手を魅せるために踊り歌う彼女の動きはとても、非常に。
「君の努力は報われてほしいと思うし、個人的な恨みも無い……でも、これが俺達の仕事だ。哀しいが、それ以上の理由は必要無い。そうだろう?」
余計な動きは挟まず、悠璃は速攻でルシファーを貫いた。
「まずッ……」
その隙を雨季は逃さない。
超感覚的知覚と念動力によって制御された誘導弾は狙い澄ました軌道でもってルシファーの頭上から降り注いだ。まるで流星雨のようだった。ただし、美しい星の輝きではなくて燃える業火の矢であったが。
「……本物のアスノはね、アナタみたいに自分に酔うことはしないのよ!」
全力でソラが紡ぐとっておきの魔法――四大元素のエネルギーを集中させた光芒が眩しく戦場を照らし出した。
「食らいなさい!」
ルシファーを光で塗りつぶした直後、泡のような水飛沫が爆ぜる。それが消えた後には、自動人形の残骸が転がるばかりだった。
「……アヴァタールはクロノスとは別物、ね。思うところがないわけじゃないけど……」
それでも、今は成功を喜ぼう。
こうしてスイスを目指した軍楽隊の道程はディアボロスによって道半ばで絶たれたのだった。断片の王の膝元へ駆けつけることなく、その力を戦争において発揮することなく、彼らの旅路はこの地にて終わりを告げる。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【寒冷適応】LV1が発生!
【水源】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【ラストリベンジ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!