リプレイ
夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎
ここにも大灯台が
…このイスカンダルには、一体いくつの大灯台があるんだろうか
以前死海の大灯台の攻略に関わったことがあるが、最上階にクロノ・オブジェクトがあるんだよな
クロノ・オブジェクトはその地の重要な施設
亜人どもの勢いを削ぐことにも繋がるのなら
私の武、存分に振るおう
生まれたばかり『トロル』たちは練度が低いようだが、怪力は遜色ない
油断は禁物だと気を引き締め、偃月刀を構えて腰を据え臨戦態勢に
仲間と息を合わせて<ジャンプ>で敵陣深くへ
自重も加え上段から偃月刀を叩きつけ、【能力値アップ】した咆哮を轟かせることで、敵陣形を<衝撃波>で吹き飛ばす
反撃の力任せの棍棒も踏み込む足元がおぼつかなければ狙いは狂う
【泥濘の地】を展開して体制を崩したり、ばらまく土塊を発生させないようにして、受ける攻撃を軽減
「戦場に立つのは初めてか?」
戸惑う隙を逃さず偃月刀で分厚い脂肪ごと<両断>してやろう
派手な立ち回りで『トロル』の意識を引きつけ、仲間の攻撃を援護し一気に殲滅を
POW攻撃はディフェンス
一・百
ここがイタリアの大灯台…
攻略出来れば新しくこの地では亜人が生まれなくなるんだよな…
時間稼ぎをしているようだが、浅はかだな…
そんな動きじゃ狙い放題だ…
紅玉姫は弓形態の紅鏡に組み換え
耳飾りよりジンを呼べばキューコン(九尾銀狐)と金狼が姿を現し
トロルの動きをそれぞれ警戒観察する。
狙うのは何かを掴み上げ正面ががら空きになった瞬間
金狼を矢に変えつがえ、相手より早く射る
大振りの動きじゃかわすのは容易いな…
刀の払いに比べれば速度も遅くきれもない。そんな動きであれば、上回る速さと剣で培った経験で確実に見極め避けられる
身体を低くすり抜け次の矢をつがえよう
剣技でも教えてやりたいところだが…時間が惜しい…
確実に相手の胸を狙い射貫く
お前も片付けてやるから早く来い…
紅玉姫を刀に戻しフィアースに向ける
港町バーリの様相は、さながら死の町だ。
所々、破壊された町並みに、人の気配はまるでない。広がるのは、荒涼たる死都の有様だ。
その向こうに、怪しく光を放つ大灯台が屹立していた。
そしてそこへの侵入を阻むべく立ち塞がっているのは、如何にも鈍重そうな『トロル兵団』巨兵の群れである。
「あれがイタリアの大灯台……攻略出来れば新しくこの地では亜人が生まれなくなるんだよな……」
物陰から亜人どもの様子を伺いつつ、一・百(気まぐれな狐・g04201)が大灯台をその瞳に映す。
「このイスカンダルには、一体いくつの大灯台があるんだろうか」
天に向かって聳え立つそれは、亜人にとって失いたくない要所だろう。夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)は敵の目論見に思いを馳せ、また、かつての戦いを思い出していた。
「以前死海の大灯台の攻略に関わったことがあるが、最上階にクロノ・オブジェクトがあるんだよな」
「ファロスの光、か……」
頷き、百が呟いた。
その光がもたらすとされる醜悪な効果は、亜人たちの勢力維持の要とも言えるものだろう。将の首級をあげて制圧できれば、敵の損失は計り知れない。
そのためでもあるのか、
「時間稼ぎをしているようだが、浅はかだな……そんな動きじゃ狙い放題だ……」
トロル兵団の巨兵たちを見て、百は思わず溜息をついた。彼がこれまで干戈を交えて来た敵と比べても、トロルの巨兵どもの布陣はお粗末そのものだ。
「成程、確かに練度は低いようだ。が、油断は禁物だな」
百と同様に歴戦の勇士である錬晏から見ても、敵は隙だらけと言って過言ではない。障害物がある場所に漫然と布陣した時点で、巨体を誇る亜人には些か不利である。それにすら気づかずに、巨兵どもは待ち構えていた。
当然ながら、そうした敵を見て気を緩めるような二人ではない。
「亜人どもの勢いを削ぐことにも繋がるのなら、私の武、存分に振るおう」
錬晏が言ったその時、フィアースの苛立った怒声が響き渡って、百の耳がはたと揺れた。
鈍重な巨兵のこと、いくら叱咤されようと打擲されようと、一度組んだ隊列らしきものを組み直すことは容易ではない。
「敵の気が逸れたか……仕掛けよう、錬晏……」
「ああ、今が好機だ。合わせるとしよう。いざ――!」
黒龍の透かし彫りが、光の加減でキラと煌めいたように見えた。隻腕で黒龍偃月刀を掴んだ錬晏が路地を駆ける。
「通りに出れば射線も通しやすいか……」
右耳につけた蒼石の耳飾りが揺れた。そう見えた次の瞬間には、ジンのキューコンが飛び出していた。
「ディアボロスが来たらたおしゃいいんだろ、かんたんだぁ」
「押しつぶしてやるからみてろぉ」
トロルの巨兵のうち、ある者は棍棒を構え、ある者は周囲を見回すような素振りを見せてはいた。が、どれも何処を見ているのかと問いたくなるような警戒の仕方である。
「そんな動きじゃ狙い放題だ……」
百は巨兵どもの足並みが僅かに乱れた瞬間を見計らって、路地から飛び出した。
キューコン、そして金狼を引き連れて大通りの中心に立つ。
「あれ……?」
「なんだ……?」
トロルの巨兵どもは面白いくらいに目を丸くした。
紅玉姫は弓形態の紅鏡へ。構えると、パラドクスにより生じた金狼が神々しいまでの一矢となって、燦然と輝き出す。
「ぐぬう、なめるなよぉ」
「メチャクチャに潰してやるからなぁ」
時空を歪めるパラドクスは、鈍重な巨兵にも攻撃の機会をもたらす。壊れた建物の残骸と思しき物体を持ち上げて、百たちを纏めて肉塊に変えようと力を発揮する。
「ぶっつぶしてやればいいんだろぉ」
「こいつでつぶせねえわけがねぇ」
が、百の出現に浮足立っていた巨兵たちは、そこでさらなる動揺をきたした。
太陽を背にして、頭上から『黒い影』が降ってきたのだ。
言うまでもなくそれは、崩れかけた建物を足場に駆け上り、屋上から跳躍・降下してきた錬晏に他ならない。
「ひとりじゃないってのかぁ!?」
「なんだってんだよぉ!」
棍棒を構えて身を守るようにしながらドタドタと後退する巨兵たち。その足が泥濘に沈み込んだ。
「捉えたぞ!」
体勢を崩した巨兵の群れの只中に、錬晏が黒龍偃月刀を叩きつける!
放射状に広がった衝撃波は、まるで荒ぶる黒龍が地を突き破って飛び出したかの如く、トロルの巨兵たちを軽々と吹き飛ばした。
残る巨兵が明らかにたじろぐのを睨み据えながら、黒龍偃月刀を構え直す錬晏。
「――戦場に立つのは初めてか?」
「やってくれたなぁ!」
「いまのは、まぐれだ。そうに決まってるぞぉ!」
相手の力量を推し量るのもまた実力のうちだが、それさえも巨兵どもにはできないようだった。
先程の意趣返しとばかりに棍棒を力任せに振り降ろし、地面を砕き、住居を粉砕する。瓦礫は散弾となり、錬晏めがけて雨あられと殺到した。
「甘いな」
隻腕で黒龍偃月刀を縦横に操り、自らに命中するはずだった瓦礫を、錬晏は断ち切っていく。刃の軌線が綾目を描き出したかと思うと、直後、その足元にパラパラと粉々になった土塊が落ちた。
練度の低いトロル巨兵のパラドクスは、遂に錬晏に届くことはなかったのだ。
「なっ、なっ……」
「うそだろぉ……」
敢えて敵の注意を一身に集めるように闘気を放ちながら、錬晏は涼しい顔で敵を見据え、真っ直ぐに伸ばした黒龍偃月刀の切っ先を突きつける。
「分厚い脂肪ごと両断してやろう」
巨兵どもには察することもできないが、言葉も、振る舞いもまた、連携を意識したものだ。
即ち錬晏の動きに合わせ、その時既に、百が万全の射撃姿勢を整えていた。
「がら空きだ……貫く……」
目も眩むばかりな光芒一閃。金狼を一矢とするそれは空を切り裂く金色の光線もさながらに、巨兵どもを一挙に貫き、串刺しにする。
複数体の亜人が纏めて急所を貫かれ、スローモーションのようにぐらりと傾ぎ、ドウとうつ伏せに倒れた。
持ち上げかけていた瓦礫の塊が無理矢理に放たれていたが、
(「こんな大振りの動きじゃかわすのは容易いな……」)
常軌を逸したパラドクスによる瓦礫の塊は、しかし錬晏に気を逸らされたこともあって破れかぶれだ。
――刀の払いに比べれば速度も遅くきれもない。
亜人どもの攻撃を落ち着いて観察する余裕さえ、百にはあった。
――そんな動きであれば、上回る速さと剣で培った経験で確実に見極め避けられる。
百は雨あられと落ちてくる瓦礫の下を素早く潜り抜け、流れるような所作で紅鏡を構え直して見せる。
「剣技でも教えてやりたいところだが……時間が惜しい……」
「基礎を飲み込むのにさえ時がかかりそうだ」
百の言葉に、錬晏がそう返して僅かに笑った。
「チッ、期待していなかったが、こうまで役にも立たんとはな!」
フィアースが舌打ちし、叫ぶ。
「お前も片付けてやるから早く来い……」
紅玉姫の切っ先を突きつけて、息一つ切らさぬまま百が言った。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
アルメア・グラウプナー
「あんな禄に訓練を受けてない様な兵達を肉壁に使うつもりか…確かに少しでも我々の進軍を遅らせたい意図は見えるが、果てさて…」
「ま、相手の事情をを考えても埒が明かんか。あのトロル共には少々同情するがね、なんせ今回の初陣が死地となってしまうのだからな、はっはっは!」
・行動
さて、新兵どもに闘争の何たるかを教えてやるとしよう。勉強代はその命だ。
特殊炸裂弾をバラ撒く様に撃ち込んで倒していくと同時に隊列を崩し、更にミサイルでの爆風で視界を奪い組織的な抵抗力を削いでいく。
そこへ更にトドメとして特殊炸裂弾を撃ち込み数を減らしていこう。
脂肪と筋肉が合わさった高い臂力と防御力を持ち合わせている様だが、炎熱に耐えられるかどうかは別の話だろうさ。
投擲での反撃は火砲やガトリングによる【制圧射撃】や【弾幕】で撃ち落としてゆく。
この最中であっても砲火を突破し、近付いて来る事が出来た気骨のある者には此方も爆裂鉄球とソードオフに持ち替えて応戦し、敬意を持って炸裂弾で炎上している所に打ち返してやる。
優れた軍人であれば、敵の布陣を見ただけでその練度の大凡を窺い知ることが出来る。
隊列とは名ばかりに突っ立っている『トロル兵団』巨兵の群れは、アルメア・グラウプナー(フロイライン=ズィーリオス・g00637)からすれば、まるで成っちゃいない。
さながら急造の動く防壁。嗚呼、確かに壁だろう。さしずめ、巨大な肉の。
「あんな碌に訓練を受けてない様な兵達を肉壁に使うつもりか……」
そんなものでも、時間稼ぎにはなる。それはアルメアとて認めざるを得ない。なにしろ鈍重とはいえ、パラドクスを行使できる亜人なのだ。捨て置いては後に禍根を残すことになろう。
「確かに少しでも我々の進軍を遅らせたい意図は見えるが、果てさて……」
爛々たるアルメアの瞳に映るのは、呆けた表情の敵の群れ。住むものとていない建物の影から敵の群れを窺っていたアルメアは、ニヤと口の端を吊り上げた。
「ま、相手の事情を考えても埒が明かんか。あのトロル共には少々同情するがね、なんせ今回の初陣が死地となってしまうのだからな、はっはっは!」
黒を基調とした強化軍服を翻して颯爽と大通りに現れたアルメアは、火器を構えながらまるで歌劇女優もさながらに、高らかな笑い声を放つ。
当然それはトロルの巨兵どもの見咎めるところとなったが、その時点で、彼らは咽喉を扼されていた。
「新兵どもに闘争の何たるかを教えてやるとしよう。勉強代は――その命だ」
精鋭とニュービーとの戦いにおいては、たった一名の強兵に新米がバタバタ倒されていくことがままある。
場数が違う。
動きが違う。
そして何より、闘争への燃え上がるような想いが――。
「はっはっは! 耐えられるものなら耐えて見給えよ!」
肩部に装着した小型ミサイルポッド――四連装ミサイルポッド『ズィグナールフォイアー』が火を噴いた。
爆発の花が咲くのと前後して、火砲『シュトラール』から放たれた特殊炸裂弾『ポラースシュテルン』が微塵の容赦も慈悲もなく巨兵どもに殺到し、そして着弾とともに派手に爆裂、炎上して辺りを火の海にした。
建築物の破片か、はたまた敵の肉片か、それらがまるで戦場という舞台を彩るようにバラバラと落ちてくる。
「ふむ、上手く言ったようだな」
敵は十字路のあたりに布陣していた。
故にアルメアが正面から攻め、他のディアボロス二名が共同して側面から仕掛けることにより、十字砲火さながらの攻勢が実現していたのである。
こうなれば、練度の低い巨兵どもが狂乱に陥らぬ道理がない。
「脂肪と筋肉が合わさることによる高い臂力と防御力か。だが、それとて炎熱に耐えられるかどうかは別の話だろうさ。――ム?」
「ぐぬ、おおおおおおッ」
それは余りに壮絶な光景だった。炎と煙の壁を潜り抜け、火達磨のようになりながらも、トロルの巨兵の数体が棍棒を手に走ってきたのだ。
「面白い。そうでなくてはな……!」
アルメアが笑みを深める。
死地なればこそ、兵は死力を尽くす。新兵だろうがそれは同じだ。
敵の気骨を認めながらも、ビームガトリング砲『ビーネンヴァーベ』を構えるアルメア。棍棒の振り下ろしにより土塊や岩塊が飛んでくるが、アルメアは弾幕を張り、撃ち落としていく。
その意味するところはなにか――それは敵のパラドクスが彼女に『傷ひとつ与えられなかった』という事実。
「雑兵の出番はここで終わりだ。とっとと道を開けたまえ!」
そして彼女の手により、残存するトロル巨兵が零になったという事実であった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【照明】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
「役立たずどもめ! よもや手傷を負わせることさえできぬとは!」
大灯台から程近い開けた空間で、フィアースが怒号していた。
声さえも武器にする亜人だけあって、その叫びは空気の振動を肌で感じられるほどに凄まじいものだ。
配下は倒され、命令ゆえに撤退することもできない。
憤懣やるかたない亜人は、牙を剥き、ギリギリと槍を握り締める。
「事ここに至ればやむを得ん。この俺がひとり残らずブチ殺してやる! 覚悟せよディアボロス!」
窮した獣は時に恐るべき力を発揮する。
フィアースは咆哮し、文字通り死力を尽くしてディアボロスたちを迎え撃とうとしていた。
アルメア・グラウプナー
「新兵に求め過ぎちゃいかんよ、大将。それに彼らだって中々に見る所があった。訓練さえまともに受けていれば冷や汗くらいは掻かされていたかもな」
「貴殿にはこの場所を守る事は死活問題なのかも知れんが、我々には通過点の一つに過ぎんのだ。悪いが…さっさと舞台を下りて貰うぞ!」
・行動
後が無い敵は何をしてくるか分からんな。油断は禁物だ。
緒戦においては火砲やガトリングでの【砲撃】や【制圧射撃】、ミサイルでの【爆破】【誘導弾】で牽制を行い、出方や得物の使い方を見定めていこう。
味方が居るならば同じ様に砲撃戦にて支援攻撃を行っていく。
接近戦には爆裂鉄球とソードオフにて対応、散弾で槍や爪を弾かせ鉄球で打ち合う。
破壊の声は周囲の障害物を即席の盾代わりにする等【地形の利用】で被害の軽減を試みる。
暫くはこうしてのらりくらりと様子を見ていこう。
付け入る所は相手が大分気が立っていて前のめりな所だ。
焦れて相手の方から踏み込み爪や槍で攻撃してきた際に決めてしまおう。
此方も更に踏み込み【捨て身の一撃】での大喝砕を叩き込んでやる。
夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎
「軍というのは、指揮官の力量でいかようにもなる。見た目は狼のようだが…群れを率いる能はなかったようだな」
咆えるだけかと挑発するように笑ってやれば、偃月刀を構え、腰を軽く落として臨戦態勢に
「本物の狩りを教えてやろう」
戦意を高めれば、朱殷の闘気で形成した狼たちが横に並び立ち、毛を逆立てる
音もなく散開し<ダッシュ>で肉薄。【能力値アップ】で底上げしたスピードで迫り、狼たちと連動して動き<撹乱>
隙を逃さず【ダメージアップ】した偃月刀の一閃をその身に叩き込めば
狼たちも一斉に牙をむき、鎧すら貫く勢いで、その四肢へ噛みつき、致命傷を与えていく
反撃の槍も、先の挑発で心が乱れていれば、槍の精細さはいくらか鈍る
大物の偃月刀で弾き、急所への攻撃を徹底的に受け流し、仲間が畳み掛ける隙を作り出す立ち回りを
多少の傷は気にせず、攻勢を緩めないようにする
仲間へはディフェンスを
素早く討ち取り、あの大灯台への道を切り拓こう
一・百
役立たずか…
戦いを終えたものに、暴言だな…
うるさい、静かにしろ…
後はお前だけ…直ぐに黙らせてやろう…
仲間の力を活かせないのは、お前がその程度ということだ…
きっと信じることも頼ったこともないんだろうな…
紅玉姫を斜め笛に組み換え、仲間が攻撃を仕掛けるタイミングに合わせ
千一夜詩を奏でる。
狼には狼を…
騒ぐだけのやつに聞かせるのは勿体無いがな…
力強く激しい曲を奏で、
飢えた獣の群れの幻影を見せ絶え間なく襲わせる。
振り払っても幻影の獣は何度でも蘇り食らいつき生命力を奪っていく
槍の動きには注意し、僅かな変化を見逃さず
突き、薙ぎ払いを見破りかわす。
これで終いだ…
大灯台が早く片付くといいんだが…
エイレーネ・エピケフィシア
ロームルスとレムスが何を企んでいるにしろ、策を実現させる猶予を与えるわけには参りません
ここからはわたしも加勢いたします
急ごしらえの護りを打ち崩し、一刻も早く大灯台に辿り着きましょう!
既に戦線に加わっている仲間が戦いやすいように、敵の動きを鈍らせるための攻撃を仕掛けましょう
≪神護の長槍≫を『空を引き裂く雷霆の投槍』として投擲します
槍が突き刺されば、穂先から体内に強烈な電撃を迸って身体を痺れさせ
防御されたり身を躱されたとしても、空気中への放電によって一定のダメージを与えます
逃がしはしません、覚悟なさい!
反撃の爪に対しては≪神護の輝盾≫で防御を
肉を直接斬り裂かれる頻度をなるべく減らせるように、鋭い爪を受け止めます
傷を最小限に抑え、素早く攻撃に転じましょう
その鋭い爪を以てあなたは容易く肉を裂き、鋼をも断つのでしょう
ですが――この魂に宿る信念を傷つけることは、絶対に叶いません!
バーリに生きた全ての人々の怒りと嘆きを慰めるため、わたし達はこの地の亜人を滅ぼし尽くします
……それが復讐者としての責務です
●追い立てられた獣の如く
「雑魚どもを屠ったくらいでいい気になるなよ、ディアボロスッ!」
大気を震撼させて響き渡る怒号は、猛獣の吼声よりもなお恐ろしく、凡百の使い手であればそれだけで荒肝を拉がれただろう。
だが、フィアースが前にしているのは並大抵の相手ではない。
集ったディアボロスたちは、些かも気圧されることなく、人狼型の亜人と対峙していた。
「新兵に求め過ぎちゃいかんよ、大将」
大灯台を背にしたフィアースは、言わば最終防衛戦の守り手だ。
怒りを闘気として迸らせる亜人に、涼しげな笑みを浮かべたまま、アルメア・グラウプナー(フロイライン=ズィーリオス・g00637)は声をかけた。
「それに彼らだって中々に見る所があった。訓練さえまともに受けていれば冷や汗くらいは掻かされていたかもな」
諭すように、玩弄するように。
相手が口を挟むのを許さず、間を置かずに言葉を並べていく。
そのさまは、演者の流暢な台詞回しを思わせるもの。
対するフィアースは牙を剥き出しにしてその鼻面に皺を寄せた。怒りに震える亜人は、今にも突きかからんばかりに槍を握りしめて、
「ならば此度は冷や汗どころではなく、鮮血に塗れさせてくれる!」
「よろしい、やって見給え。敗残の将よ」
如何に威嚇されようとも、アルメアはどこ吹く風だ。火気を携えて笑うその所作は、鮮烈にして優雅そのものである。
そして今、敵を前にしているのは彼女だけではなかった。
「軍というのは、指揮官の力量で如何様にもなる。見た目は狼のようだが……群れを率いる能はなかったようだな」
猛将の下に弱卒なし――武人たる夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)は知っている。兵を心服させる指揮官の在り方を。意気高く軍を率いる将の存在を――。
翻って眼前の敵はどうか。
可惜、手勢を損じて、もはや一匹狼も同然ではないか。
「あのような者どもは使い捨てよ。貴様らは既に死地にいると知れ!」
「うるさい、静かにしろ……」
手勢の全滅をなんとも思わない、いやその犠牲を踏みにじりさえするフィアースの言に、一・百(気まぐれな狐・g04201)は細く形の良い眉を寄せた。
「仲間の力を活かせないのは、お前がその程度ということだ……」
縁を結んだ復讐者たちと共に、数多くの修羅場を潜り抜けてきた百である。いま同じ戦場に立つ錬晏もそうだ。連携と共闘こそがディアボロスの強みだが――所詮、眼前の亜人に響くことはないのだろう。
それはディアボロスとクロノヴェーダの在り方の違いと言ってもいい。
片や手を取り合い、片や使い捨てとばかりに利用する。
「きっと信じることも頼ったこともないんだろうな……」
そして誰にも信じられることがないまま、亜人はここで倒れるのだ。
「後はお前だけ……直ぐに黙らせてやろう……」
●群狼包囲陣
「咆えるだけが能の獣に、本物の狩りを教えてやろう」
黒龍偃月刀を構え、腰を低く落として臨戦態勢に入った錬晏が、刃の如き鋭い視線で敵を射抜きながら挑発の言葉を投げかけた。
牙を剥いて唸り、全身の毛を逆立てるフィアース。
怒髪天を衝く人狼型の亜人に対して、黒き頭髪を逆立てた錬晏は、漢服をはたはたと翻しながら朱殷の闘気を迸らせる。それはまさに朱の獣だ。
「ほざいたな。その口、すぐに利けなくしてやるぞディアボロス!」
消えた。
そうとしか見えないほどの速度で、両者が動いた。
火花が散る。槍と偃月刀とがぶつかり合う音が戦場に響き渡る。
残留効果の加護を得た錬晏は、圧倒的な膂力と俊敏さを誇るフィアースと高速で打ち合う。だが亜人もさるもの、卓絶した槍捌きで偃月刀をいなし、安々とは隙を見せない。
――流石に、疾い。
個と個の力であればアヴァタール級は確かに強い。
が、楽に倒せる相手ではないが故にディアボロスは共に力を尽くすのだ。
「貴殿にとってこの場所を守る事は死活問題なのかも知れんが、我々には通過点の一つに過ぎんのだ。悪いが……さっさと舞台を下りて貰うぞ!」
「ぬかせ!」
挑発の言辞を弄しつつも、アルメアの思考は至って冷静なものだ。心は闘争に高揚していても、強力な敵を前に、油断などしはしない。
――後が無い敵は何をしてくるか分からんからな。
笑みを顔に貼り付けたまま、腕部接続型の火砲『シュトラール』と携行式ビームガトリング砲『ビーネンヴァーベ』を同時発射した。キャノン砲が着弾するとともに激しく土煙を巻き上げ、怯むことなく接近してくるフィアースにビームガトリングの光弾が殺到する。
「小癪な! そう容易くこの脚を止められるものか!」
「成程、声だけではなく速さにも自身があるということかね!?」
愉快そうな笑声とともにアルメアは四連装ミサイルポッド『ズィグナールフォイアー』から小型誘導弾を射出した。
獣のしなやかさで横っ飛びに飛んだフィアースにミサイルが着弾する。
単にパラドクスを撃ち合うだけがディアボロスとクロノヴェーダの戦いではない。如何に本命の攻撃を通すか。その火花散る駆け引きもまた、勝負の行方を左右するのだ。
(「役立たずか……戦いを終えたものに、暴言だな……」)
紅玉姫を口元に寄せながら、百は先刻のフィアースの言葉を思い出す。
討つべきクロノヴェーダとはいえ、トロルの巨兵たちもまた、懸命に防ごうとはしていたはず。捨て駒以下の扱いをする敵将の無情と悪逆には不快感を覚えざるを得ない。
「狼には狼を……騒ぐだけのやつに聞かせるのは勿体無いがな……」
紅玉姫が麗しく、また妖しく輝いた。そうして百の手にした妖美な『斜め笛』は、戦場に歌を響かせる。音楽は砂漠に吹く風のようであり、エスニックな音色は、物語となって敵に襲いかかる。
その演奏は力強く、そして激しいものだった。
さながら砂の紗幕に囚われた迷い人が見る悪夢。
彷徨う者を格好の獲物として、群れなす獣たちの幻影が牙を剥く。
狼の群れだ。
群狼が唸り声を上げて威嚇し、吼え、四方八方からフィアースに飛びかかったのである。
「突き殺せばそれまでだ!」
踊るような槍捌きでそれら狼の猛攻を凌ぐフィアース。容易く幻影の狼の牙にかかることはなく、目を見張るほどの槍撃ですべてを切り裂いていく。
「その喉元貫いてくれる!」
渾身の突きが、百の喉を貫きにかかる。
喉を潰されれば笛も奏でられまい――そう考えての刺突だろう。
だが、すかさずバックステップしていた百を護るように、幻影の狼が飛びかかった。切り裂かれても突かれても、怯むことなどありはしない。
その牙がフィアースの槍持つ腕に、そして片足に噛み付いた。
「ふざけるなッ!」
すかさず振り払った狼の亜人。
その好機を逃すディアボロスではない。
「どうした、動きが鈍っているのではないか?」
「この俺がだと! 馬鹿なことをッ!」
下手すれば翻弄された挙げ句に膾切りにでもされてしまうであろうフィアースの猛攻を、錬晏はすべて捌いて動き回り、巧みに撹乱する。
狼たちとともに、他のディアボロスを護るようにしてフィアースに斬り込んでいく。対するフィアースも目にも止まらぬ槍撃で群狼を振り払い、錬晏に手傷を負わせていく。が、その全て浅手だ。決定打にはなっていない。
まさに肉斬骨断。
「速さが武器か。だが、逃さん」
手傷を負いつつも、それを上回るダメージをフィアースに刻む悍狼縦横の妙技は、群狼が巨大な獣を取り囲んで仕留める姿にも似ている。
「オオオオッ――!」
そしてここぞと振り下ろされた偃月刀の袈裟斬りが、フィアースを肩口から斜めに深々と斬り裂いた!
たたらを踏む狼の亜人。トループス級であれば今の一撃で確実に息の根を止められていただろうが、錬晏はまだ敵に息があることを、斬撃する前から予期していた。
だからこそ、大振りに偃月刀を振るった錬晏は、来援した味方の攻撃に繋げるよう立ち回って『隙を作った』のである。
「ガラ空きだぞ! 死ねえッ!」
フィアースが突きかかろうとした刹那、その眼前に『槍』が突き立った。
それこそは神護の長槍。
魔術と加護を宿したその武器を一見しただけで、ディアボロスたちにはそれを放った者が誰であるか直感できただろう。
即ち――エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)と。
●明暗を分けるのは
「新手かッ!」
吼えるようにフィアースが言うとほぼ同時、美しき長槍がパラドクスの力で猛烈な紫電を迸らせた。
放電の光に頬を照らされながら、エイレーネは手を掲げて、
「逃がしはしません、覚悟なさい!」
紫電は瞬く間に目を開けていられないほどの雷撃となり、フィアースの突き出していた槍めがけて殺到する。
「グ、ガアアアアアッ――!?」
それはまるで堅固な城壁を打ち崩す雷槌の如く、まじろぎする間もなく襲い来るその奔流から逃げられる道理もない。フィアースが突っ込んできたところに、狙い定めて投擲された槍――それこそはエイレーネの機転、そして共に戦うディアボロスたちとの連携の賜物である。
「ロームルスとレムスが何を企んでいるにしろ、策を実現させる猶予を与えるわけには参りません」
亜人の護り手、その背後に聳え立つ大灯台を見据えて、エイレーネは凛と告げた。
蹂躙された者たちの苦しみは如何ばかりか。
「バーリに生きた全ての人々の怒りと嘆きを慰めるため、わたし達はこの地の亜人を滅ぼし尽くします」
それが復讐者としての使命だと、エイレーネはその琥珀色の瞳に焔のような闘志を滾らせる。
敵の将が如何なる策謀を巡らせていようが、それを打ち砕くのみ。その為には眼前のアヴァタール級を討ち、すべての守りを一掃する必要がある。
「ここからはわたしも加勢いたします。敵の護りは急ごしらえです。打ち崩し、一刻も早く大灯台に辿り着きましょう!」
「これで役者は揃ったということだな!」
「頼もしい援軍だ。共に大灯台への道を切り拓くとしよう」
「一気に決めてしまおう……これで終いだ……」
アルメア、錬晏、百がこもごもに言って頷き合う。
「八つ裂きにしてくれるッ!」
咄嗟に槍を手放していたフィアースは、黒焦げになって体毛を逆立てながら、鋭い爪を閃かせてエイレーネに襲いかかった。
「来るのは分かってしましたよ!」
神護の輝盾――恐ろしい蛇の怪異の図像が描かれた円盾で爪を弾き、逸らしにかかるエイレーネ。流石の速さと剛力に、その端麗な顔が僅かに歪む。
「まだまだッ! 無惨な肉塊に変えてくれる!」
なるほど直撃を喰らえば、たとえディアボロスとて無事には済むまい。
「この鋭い爪を以てあなたは容易く肉を裂き、鋼をも断つのでしょう」
だが、受傷を最小限に留めるよう後退しながら受け続けるエイレーネは、横目で味方に視線を送る余裕がまだあった。
「ですが――この魂に宿る信念を傷つけることは、絶対に叶いません!」
再び狼の亜人をその視線で鋭く射抜くエイレーネ。
「ぬかせぇっ!」
ガンッ――と音を立てて神護の輝盾が爪に弾かれる。
直後、
「やはり思ったとおりだな!」
爪を振り上げたフィアースに対し、アルメアは地を踏みしめ、半円を描いて爆裂鉄球『ファイアヴェルク』を振り抜いていた。
「邪魔をするなッ!」
鉄球をものともせずにフィアースが間合いを詰めてくる。アルメアはソードオフショットガンさえも駆使して白兵戦に打って出るが、亜人の勢いに後退し、次第に押されていく。
「この距離では飛び道具もそう役に立つまい! その妙な武器もな!」
フィアースの表情に兆したのはしかし、してやったりの顔ではない。
苛立ちだ。
――付け入る所は、相手が大分気が立っていて前のめりな所だ。
争闘に高揚しながら、やはりアルメアは至って冷静だった。敵が強大であるならば、そう容易く直撃を見舞うことはできない。
では、どうすべきか。
鉄球に弾かれるようにして、フィアースの槍が天高くに舞った。
「死ねぇッ――!」
が、それは両手を自由にするための亜人の予備動作に過ぎない。両手を顎のように構えた牙狼戦爪の一撃が、アルメアの肩に深々と食い込む――かに見えた。
「はっはっは! 勝ちを急いだな愚か者め!」
ここで来る――そう読み切っていたアルメアは、パラドクスを解放し、渾身の力で爆裂鉄球を振るったのだ!
「冷静さを欠いていては勝てる戦いも勝てんよ。まあ、貴殿は『最初からそう』であったがな」
新兵をあてがわれ、追い詰められ苛立ちを隠さなかった。その心の動きをアルメアは見事に突いていた。心理戦を制し、好機を掴んだのである。
至って単純ながらも大威力の大喝砕『エアフォルク』が、フィアースを返り討ちに吹き飛ばす!
「ガ、ッ――!?」
まさに爆散という言葉が相応しい。
精強な狼の亜人は、満足な悲鳴さえあげられぬまま、肉片と成って爆発四散したのだった。
●かくして道は開かれた
「確かに勇猛ではあったが、追い詰められた亜人らしい幕切れだったな」
激闘を経て、爆煙で化粧したアルメアは、戦場という舞台に勝者として立っていた。乾いた風がその強化軍服をはためかせ、栄光を手にした彼女の顔にはやはり笑みがある。
ここは通過点――その思いは、此処に集ったすべてのディアボロスに共通のものだろう。
「守りの一角は崩せたか」
傷を負いつつも、錬晏は平然としていた。深手ではない。全て織り込み済みの浅手だ。偃月刀の石突きを地に突き立てて、彼は息を吐いた。
「早く先に進みたいところですね」
エイレーネが見据える巨大なクロノ・オブジェクトに、百もまた目を向けていた。
「あの大灯台も早く片付くといいんだが……」
ディアボロスたちの猛攻で、亜人たちの防御網は確実にほころび始めている。そしてここにまた一つの護りが突破され、道が開かれたのだ。
もうすぐ、大灯台に手が届く――。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【隔離眼】LV1が発生!
【狼変身】LV1が発生!
【未来予測】LV1が発生!
【防空体制】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
【ドレイン】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!