コトリン島近海水中戦

 怪僧・ラスプーチンの情報により、サンクトペテルブルクを護るコトリン島の防衛を担当しているのが『黒翼卿・ウピル』である事が判明しています。
 攻略旅団の提案により、このウピルが護るコトリン島の防衛戦力を削る戦闘を仕掛ける事となりました。
【水中適応】で海底からコトリン島に近づき、防衛戦力の一部を誘導した上で撃破し、敵戦力を漸減していってください。
 敵の水中戦力を削る事で、コトリン島を攻略する突破口を開くことが出来るかもしれません。
※期限延長
24/01/01 攻略旅団の『期限延長』により攻略期限が3/1朝に変更。


黒翼卿・ウピル

コトリンを護る料理人(作者 大丁
3


#吸血ロマノフ王朝  #コトリン島近海水中戦  #コトリン島  #黒翼卿・ウピル 


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 時先案内人は、ファビエヌ・ラボー(サキュバスの人形遣い・g03369)。
 パラドクストレインの車内に掲出された地図はコトリン島で、今回の行先が吸血ロマノフ王朝であると示していた。
「当地は、サンクトペテルブルクにとっての西側の防壁ですわ。言わば、断片の王を護っている一枚が、コトリン島。《七曜の戦》以前にも攻略を行っていましたが、《七曜の戦》後に防衛体勢が一新された為、攻略は中断されておりました」
 人形遣いの華奢な指が動く。
 二体のぬいぐるみが、追加の資料を掲出していく。
「今回は、怪僧・ラスプーチンの情報も踏まえ、海中からの攻撃でコトリン島の防衛戦力を削っていく作戦を行います。成果しだいでは、新たな作戦を行なえるようになるかもしれませんわ」

 掛け替えられた地図は、島の周辺海域の拡大図だ。
 点や線で、ディアボロスに対する警戒網がしるされている。
「ごらんのとおり、無策で近づけば、連携した敵の攻撃で包囲殲滅されてしまうでしょう。案内人からの提案としましては、敵部隊の一部を誘引し、敵の増援が来るまでに各個撃破がイイかと思います。仮に、敵の誘導に失敗して、多くの敵に囲まれそうになったとしても、一時撤退して別方面からの再挑戦も可能です。いずれにせよ、【水中適応】は必須です。特に、海面上を【飛翔】などされませんよう」

 出発を見送るまえにファビエヌは、敵警戒部隊のひとつに『イヴァン・ハリトーノフ』というアヴァタール級がいて、功を焦って独特な手段でディアボロスを見つけようとしているらしいと付け加えた。
「こうした部隊を撃破することで、コトリン島側に新たな動きが出てくるかもしれません。例えば、『ディアボロスの罠の可能性があるので、安易に誘導されないように……』といった指示が出される、などです。防衛態勢が変われば、こちらもそれを逆用した作戦を行うまで。その際には、ぜひ攻略旅団でイイ作戦を提案なさってくださいませ」

 料理人は自ら海に潜っていた。
 この、人間さえも食材にしてしまうヴァンパイアノーブルは、もしディアボロスがコトリン島に攻めてきたのなら、自分が一早く料理したいと考えているのだ。
 海底の景色に目を凝らしながら、護衛のトループス級『ネビロスの従者』に尋ねる。
「君たちはそんな耳をしているのだから、犬のように鼻も効くんじゃないのかね」
「いえいえ、『イヴァン・ハリトーノフ』様、これは犬耳という属性でして。私たちはアークデーモンであり、犬ではありません」
 赤髪の犬耳悪魔メイドが答えた。
「けど、ディアボロスと戦って負けたのだろう? 悔しかったと思うし、なにか敵の特徴を覚えてはいないのか? 私ならリベンジの機会を与えてあげられる」
「それが……。直接、戦うことがなかったから、こうして無事にロマノフに流れついたしだいでして」
 青髪メイドは、しょんぼりして言う。
 黄髪が詫びとともに、聞き返した。
「お役にたてず、申し訳ありません。他の部隊を出し抜き……いえ、先んじて仇敵と戦えたなら、光栄なことだとは思っております。イヴァン様に、なにか秘策はありませんでしょうか」
「ふむ。最初に匂いの話をしたのは、目で見るばかりが獲物を追う手段ではないと伝えたかったからだ」
 灰色の顔で得意げに話す、ヴァンパイアノーブルの料理人。
「いい食材は、それなりの雰囲気を持っている。私の考えでは、ディアボロスが強者たちならば、相応のオーラを発しているに違いない」
「オーラ、ですか? 聞いたことありませんね」
 赤髪メイドに即答されて、イヴァンは咳払いした。
「例えばの話だ、例えばの!」


→クリア済み選択肢の詳細を見る


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【隔離眼】
1
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【液体錬成】
1
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)が不可能な世界に変わる。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。
【コウモリ変身】
1
周囲が、ディアボロスが小型のコウモリに変身できる世界に変わる。変身したコウモリは最高時速「効果LV×50km」で飛行できるが、変身中はパラドクスは使用できない。
【水中適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。
【防衛ライン】
1
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV2 / 【ガードアップ】LV1 / 【反撃アップ】LV3 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV1

●マスターより

大丁
 オープニングをお読みいただきありがとうございます。
 マスターの大丁です。

 今回は、吸血ロマノフ王朝のコトリン島近海にて水中戦を行うシナリオとなっております。

 【水中適応】はひとつあれば十分ですが、必須です。敵拠点防衛部隊の誘導にも、工夫が要ります。

 おびき寄せに成功したあとは、トループス級アークデーモン『ネビロスの従者』に護衛された、アヴァタール級ヴァンパイアノーブル『イヴァン・ハリトーノフ』と戦い、撃破によって作戦成功となります。

 戦いに、冒険に。そして、ドキドキを。
 みなさまの素晴らしいプレイングをお待ちしております。
60

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


潮矢・鋼四郎 (トレインチケット)



 フィンランド湾へ転移してのち、パラドクストレインはすぐに停車した。
 敵をおびき寄せる作戦ではあるが、島からの警戒に引っかかって見せるにはまだ早い。ディアボロスたちは、列車の開け放たれた戸口から、冷たい海中へと飛び込んでいく。
 温度は違っても、水中作戦の段取りにかわりはなかった。
 海洋ディヴィジョン『冥海機ヤ・ウマト』出身の潮矢・鋼四郎(零式英霊機のボトムマリナー・g09813)は、仲間のために『水中適応』を残留させる。
「基本に則って動きましょう」
 いったんは水底を目指し、地形の起伏をたどりながら、コトリン島の方角へと近づく。
 海の破壊工作員、ボトムマリナーを先頭にして、ヴァンパイアノーブルの警戒ラインのひとつ、その手前まで難なく進むことができた。情報によれば、ここを指揮するアヴァタール級は、『吸血鬼式下拵え』という料理に見立てたパラドクスを使うらしい。
「さて、相手の特技に合わせてあげると、誘導も容易いかもしれません」
 鋼四郎は仲間たちを振り返り、敵部隊の釣り出し方法について確認をとる。彼はサイコソルジャーでもあり、オーラを使う技に長けていた。機械の身体に蓄積されたそれを発揮するか、あるいは。
善戦🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【水中適応】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

レイラ・イグラーナ
ここまでは順調ですね。
料理に見立てたパラドクスを使う……ということは料理人の吸血貴族でしょう。

良い食材として彼個人に訴えかけるものがあれば、他の部隊に気取られず彼のみの気を引けるかもしれません。
とはいえどうしたものか……色艶を見えるまで姿を現せば、私でも他の動物でも色艶などに関係なく狙われます。
匂いも水中では難しいでしょう……オーラ?
なるほど、試してみましょう。吸血鬼もそういったことは苦手ではありません。
【バットストーム】の要領でコウモリ型のオーラを作り出します。
オーラ操作の技術で操り、姿をはっきりとは現させず、ちらりと敵の防衛部隊の視界の端に姿を現しては岩陰に戻ったり、陰からオーラだけを見せたり……他の部隊であれば見間違いかと思うような動きをさせます。
オーラに興味を保ってくれれば釣り出せると思いますが……さて、どうなるか。
釣れればそのままこちらが待ち構える防衛線から離れた場所まで誘導します。


「ここまでは順調ですね。ありがとうございます、潮矢様」
 レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)が、赤い瞳で視線を差し向けてきたので、彼女に策があるのだろうと鋼四郎は、先頭を代わった。
 岩礁海域ゆえ、人がすっかり姿を隠せそうな大きさの岩が、周囲にゴロゴロしている。レイラたちはそのひとつに取りつく。
「料理に見立てたパラドクスを使う……ということは料理人の吸血貴族でしょう」
 試してみたいのは、オーラ操作。
 吸血鬼もそういったことは苦手ではない。
「良い食材として彼個人に訴えかけるものがあれば、他の部隊に気取られず彼のみの気を引けるかもしれません。とはいえ、色艶を見えるまで姿を現せば、私でも他の動物でも色艶などに関係なく狙われます。であるなら……」
 思いつきを、再度検討してから、レイラは『バットストーム』の要領でコウモリ型のオーラを作りだした。
 自身は岩陰に隠れたまま、コウモリを防衛線より先へと送り込む。
 敵拠点防衛部隊に見せるにせよ、ちらりと視界の隅に姿を現す程度が理想だ。オーラに興味を持っているらしい料理人でなければ、見間違いかと思うような動きもさせたい。
 冷静な判断と、精密な技術が必要だった。
「……さて、どうなるか」
 オーラに岩のあいだを出し入れさせるうちに、前方から別の気配が近づいてきた。
「……君たちにお手本を示せるいい機会となったな」
 男の声も聞こえてくる。
 レイラは軽く振り返り、仲間に合図した。
「釣れました」
 その一言で、ディアボロスたちは隠れ場所から後退をはじめる。
 オーラ操作の担い手も、少しずつ下がりながらコウモリを引いて、誘導に務めた。
 やがて、水の揺らぎのむこうに透けてくる、料理人の帽子をかぶったシルエットと、小柄なメイドのものが数体ぶん。
「イヴァン様、よろしいのですか?」
「私の感じたオーラは、間違いなく強者のものだ。なに、さっさと調理してしまえばいいのだよ、素材が新鮮なうちにな」
 それは、レイラたち側にとっても同じこと。
 防衛線から離れた場所まで誘導したのち、トループス級アークデーモン『ネビロスの従者』と、アヴァタール級ヴァンパイアノーブル『イヴァン・ハリトーノフ』に、攻撃を仕掛けた。
🎖️🎖️🎖️🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【コウモリ変身】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!

夜鳥・空也 (トレインチケット)



リュウ・ターレン (トレインチケット)



「ほな、いきましょか。全部倒したるわ」
 岩陰から浮かび上がる、リュウ・ターレン(奪われた者。奪い返す者。・g07612)。獲物の水晶剣はまだ、モーラット・コミュの『シュウェジン』に持たせてある。
「ああ。ここで終わりにしようじゃないか!」
 夜鳥・空也(零落のアンピエル・g06556)も続く。
 海底での探索に、ぼーっとついてくるだけの存在だったが、戦闘がはじまったとたんに豹変した。艶めいた烏羽色の三叉槍を押したて、敵トループスへと切り込んでいく。
「はわわ~! ホントにいましたよ、ディアボロスぅ!」
 赤髪の犬耳悪魔メイドは、バタバタと水を掻いた。主人であるアヴァタール級のいうことを信じていなかったのか、驚いた様子だ。
「逃げられると思ったのかい? 『こーさん』、『雷槍乱れ突き』よ!」
 メーラーデーモンの電磁槍が周囲にスパークする。
 黒曜石の破断面の如く鋭い穂先は、空也の『濡烏』ともお揃いだ。ふたりでトループス級を突きまくって、攪乱させた。
 『ネビロスの従者』のあわてぶりに、指揮官のヴァンパイアノーブルは、口を半開きにしている。
「はっ。私まで固まってしまった。……君たち挽回のチャンスだ。復讐心を再加熱したまえ!」
「イヴァン様のおおせのままに。『魔犬召喚』!」
 犬型のアークデーモンが、溶かした墨のようなモヤモヤから呼び出されてくる。敵が増えても、空也たちは猪突猛進だ。
 リュウはモーラットに剣を構えさせる。
「やれやれ、冷たい海にまで悪魔がいるんか」
 手にした水晶ペンを向けると、『シュウェジン』も水晶剣を突きだす。両者の動きに合わせて槍衾が具現化され、魔犬の群れを迎撃した。
「きゃああ! お嬢様がかわいがってらしたのに!」
 『スピアウォール』に串刺しされるペットたちの姿に、お世話係は悲鳴をあげる。リュウの眼光が、ますます鋭くなった。
「TOKYOエゼキエル戦争から逃げ出したやつやね……」
 いまさら思うところはない、としつつも、過去を透かし見ている気分だ。
「むぅ……」
 空也は、あらかた魔犬を刺し終えたところで仲間を振り返り、かすかに唸る。彼女のなかには過去がない。
善戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【通信障害】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV2が発生!

レイラ・イグラーナ
姿は見せずに誘導することはできました……が、あちらも臨戦態勢。
不意を打てるほどではございませんか。
問題ございません。

岩陰から飛び出し、銀の針を手に【手製奉仕・雨】。【先行率アップ】を用いて先手を取り攻撃を仕掛けます。水中で敵の頭上を取り、銀の針を雨のように降らせて刺し貫きましょう。
なぜこのようなところにメイドが居るかは存じませんが……それはお互い様ですね。全ての人民の奉仕者、レイラ・イグラーナがお相手いたします。

反撃の意表を突いた不幸は起きるまでどのようなことが起きるか分かりません。【ガードアップ】で受ける傷を抑えつつ、臨機応変に対処いたしましょう。

私たちは貴女たちのディヴィジョンを滅ぼした。それは事実でしょう。
ですが……私たちは復讐者。私たちの戦いにも、相応の理由がございます。
お覚悟を。


 レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)は、トループス級の頭上をとれる位置まで浮かび上がっていた。
「なぜこのようなところにメイドが居るかは存じませんが……それはお互い様ですね」
 銀の針を手にする。
 戦況を俯瞰すれば、なかば不意打ちになったのだとわかる。先ほどから感じる水流は、自分たちを後押しする戦場の風が、転じたものかもしれない。
「全ての人民の奉仕者、レイラ・イグラーナがお相手いたします。『手製奉仕・雨(ハンドメイドサービス・ドーシチ)』」
 大量の針が、犬耳に降り注いだ。
 『ネビロスの従者』たちが、また慌てふためいているのがわかる。特に、青髪のメイドがいちじるしい。
 臨戦態勢だった相手から先手をとれたのもそうであるが、岩礁海域とはいえ、誘導のさいには姿を隠しとおせた。敵の不注意がすぎるし、落ち着きもない。
「もしや……臨機応変に対処いたしましょう」
 レイラは、針の雨を降らせながらも、口元を引き締めた。
 従者のもつ、『ドジっ娘スイッチ』とやらが謎だ。どのようなことが起こるか分からない。
「うわーん、イヴァン様ぁ、やっぱりディアボロスは強いんですよー。エゼキエル戦争のお返しなんか、できませんてー」
「コ、コラッ! 私にしがみつくんじゃない!」
 青髪の犬耳悪魔メイドだった。
 料理人が腰に巻いているエプロンに、顔をうずめている。押されてバランスをうしなったアヴァタール級は、巨大包丁をかたわらの岩にぶつけてしまう。
「しまった、研ぎ直さないと!」
 注意を道具にむけているあいだに、欠けた岩のほうが海底を転がって、岩礁を崩しはじめる。将棋倒しかドミノ倒し、あるいはバタフライ効果か。
 優勢だったディアボロスたちにだけ、巨岩が降ってくる。レイラも、背中に一発をくらった。
「この程度なら、問題ありません。たいしたお返しにはなりませんでしたね」
 なにか起こるなら物理的な害だろうと、肉体を強固にして耐えた。
 そして、アークデーモンを再び、見下ろす。
「私たちは貴女たちのディヴィジョンを滅ぼした。それは事実でしょう。ですが……私たちは復讐者。私たちの戦いにも、相応の理由がございます。お覚悟を」
「強者と踏んだのは正しかったな。ゆえに手柄とするには申し分ない!」
 料理人が、メイドにかわって応えた。
 銀針の投擲をはじめ、パラドクスを連携させたディアボロスの前に、『ネビロスの従者』たちはそれ以上為すすべもなく、全滅したからだ。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!

高遠・葉月 (トレインチケット)



ルミ・アージェント (トレインチケット)



「手柄って言った? いいえ、獲物はアナタ、アタシがハンター!」
 ルミ・アージェント(全力乙女・g01968)は魂を喰らう呪いの大鎌、『ソウルマローダー』を担いでアヴァタール級に向かっていった。
 適応効果を使い、岩の散らばる海底を水抵抗なくダッシュする。
 前衛にはトループスたちを蹴散らした高遠・葉月(猫・g04390)がいて、先に仕掛けている。
「『レディ・オールレディ』ッ!」
 魔力生成武器が太い柄になった。
 青髪犬メイドと料理人がぶつかってできた岩塊。そのひとつに突き刺し、即席の巨大ハンマーとする。
「受けて、みなさいッ!」
 軽々と持ち上げ、力のままに叩きつける。料理長の高い帽子がぺちゃんこになり、『イヴァン・ハリトーノフ』はクラクラと目を回して後退った。
「うぐぐ……。それは、私の包丁の切れ味を鈍らせた、忌々しい岩ではないか!」
「知らないわ、適当に落ちてたのを使ったまでよッ!」
 葉月は振り下ろすだけでなく、突いたり捻じったりしながら、攻撃を続けた。イヴァンは、ダメージに口から舌をはみ出させるものの、右手から赤黒いオーラを立ち昇らせている。
「褒めはしたが、いい気になるのはよしたまえ」
 ヴァンパイアノーブルの素手が、葉月の脇腹をかすめる。
「……!」
 すんでのところで避けたにもかかわらず、ひとすじ散った鮮血が、海水に溶けだしている。
 得意と聞かされていた、イヴァンのオーラ操作だ。
 『吸血鬼式下拵え』に用心するディアボロスたちのなか、追いついたルミだけは勢いを落とさなかった。
「オーラ? 精神の力? だったら、魂ごと全部奪ってあげる!」
 大鎌ソウルマローダーで薙いだ。
 武器が持つ呪いの衝動と自らを重ねたかのようだ。一閃は鋭く、イヴァンの上体が揺らぐ。
 かわりに鮮血のオーラが、カースブレイドの乙女にまとわりついた。
 もとより、覚悟のうえで放った『魂合一閃(コンゴウイッセン)』だ。下拵えに身を下ろされてしまうのか。
「ルミさんッ! 思いっきりやっちゃって!」
 ほとんど砕けた岩ハンマーで、葉月が護りにはいった。ルミへのとどめの包丁をはじく。
「またしても刃を痛めてしまった。よくも、料理人の魂を……。うぎ、た、魂が、吸われる?!」
 イヴァンの舌がだらしなく伸びている。
 ルミは血を吹きながらもケタケタと笑った。
「あははっ! 青春を奪うアナタ達が悪いんだよ! 逆に奪われる覚悟くらいできてるよね!? 魂ごと喰らい尽くしてあげる!」
 差し違えのようなパラドクス。
 クロノヴェーダを浸蝕するが、自らも侵される。
 料理人とそっくり同じに、ルミの口元から長い舌が垂れた。
善戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!

レイラ・イグラーナ
料理人という触れ込みでしたが……ただ命令に従い防衛するのでもなく、食材を求めるのでもなく、支配を求めるでもなく、強者を求めますか。
かしこまりました。
革命家レイラ・イグラーナ。お相手いたします。

銀の針を鉤爪のように両手の指の間に挟み、【手製奉仕・爪】を使用。
水中で踊るように接近戦を仕掛けます。
その包丁は料理のためのものではないのでしょう?
斬り合いがお望みであれば、お望み通りお付き合いいたしましょう。

反撃のこちらの弱点を狙う肉斬り包丁は軌道を見切り、銀の針の爪で受け流すように。敵はここの指揮官。強者を求める性質からも弱いことはあり得ないでしょう。【ガードアップ】【反撃アップ】も使用し、勝負を焦らず粘り強く戦い、先に致命打をいれましょう。

ここはサンクトペテルブルクへの玄関口。
ラスプーチンとの戦いがどうなるにせよ……ここを落とさなければ始まりません。必ずや突破してみせましょう。


零識・舞織
アドリブ・連携歓迎です。
ニコライ二世の料理人イヴァン・ハリトーノフの名を騙る吸血鬼ですか。料理人の姿ながらその姿勢はさながら武人ですね。コトリン砦の守将を任されるだけはありそうですね。
それではこちらも全力で参りましょう。

という事で人妖筆を使い手早くしっかりと【アート】を作り出し【妖怪写百鬼夜行軍】を発動します。
肉切り包丁を振り回すような方との近距離戦は避けたいので遠距離から妖怪画をけしかけます。

相手の攻撃は受けつつも絵を描く手は止めず火に関する妖怪を書き出し熱を奪いきれないようにします。

ウピルの立ち位置は懸念がありますがそんな事は関係ありません。ここで貴方を討ちコトリン砦を突破させていただきます。


 ディアボロスの発見を、食材探しに例えていたようだが、アヴァタール級は前衛の数人と剣戟をこなしている。
「あれが、ニコライ二世の料理人イヴァン・ハリトーノフの名を騙る吸血鬼ですか」
 加勢にきた零識・舞織(放浪旅人・g06465)は、オーラ攻撃から距離をとっていた仲間に尋ねた。
 レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)が静かに答える。
「はい。料理人という触れ込みでしたが……。ただ命令に従い防衛するのでもなく、食材を求めるのでもなく、支配を求めるでもなく」
「さながら武人ですね。コトリン島の守将を任されるだけはありそうですね」
 舞織は、『人妖筆』を握る。
「それではこちらも全力で参りましょう。『妖怪写百鬼夜行軍(ヨウカイウツシヒャッキヤコウグン)』」
 宙に、といっても空気ではなく水に満たされてはいるが、手早くしっかりとアートを描き出した。題材は海や川にちなんだ妖怪で、それらが出来上がるはしから実体化し、連なって泳いでいく。
「肉切り包丁を振り回すような方との近距離戦は避けたいので」
 後衛に陣取ったまま、妖怪画をけしかけている。
 料理人の斬撃が鈍った。
 調理する気になれない、グロテスクな存在と受け取ったらしい。
「やむをえん。『吸血鬼式冷凍保存』にでもしよう」
 血のように紅い氷で妖怪を包む。
「冷たい海で、これ以上、熱を奪われるわけにはいきませんね。題材をかえます」
 舞織は、絵を描く手は止めず、火に関する妖怪を描き出した。
 血の氷を溶かして体温を保持する。
 妖怪軍と、ヴァンパイアノーブル単体の戦力は拮抗。海の妖怪には顔をしかめた料理人も、火の妖怪には手応えを感じているようだ。
 離れてはいるが、互いに全力を出すのに値していた。
「『黒翼卿・ウピル』の立ち位置には懸念がありますがそんな事は関係ありません。貴方を討ちコトリン島を突破させていただきます」
 ここはサンクトペテルブルクへの玄関口だ。
 レイラも銀の針を手にしながら、攻略のさきを見据える。
「ラスプーチンともどうなるにせよ……ここを落とさなければ始まりません」
 そして、いま相手をしている防衛部隊の指揮官は、戦いに高揚している。
「やはり強者を求めますか。かしこまりました」
 針は、鉤爪のように両手の指の間に挟んだ。
 『手製奉仕・爪(ハンドメイドサービス・コーゴチ)』により、接近戦を仕掛ける。水中で、踊るように。
「革命家レイラ・イグラーナ。お相手いたします」
「おお、ディアボロスめ。その道具の使い方、私も腕がなるというもの」
 イヴァン・ハリトーノフは、本格的に『吸血鬼式包丁捌き』を繰り出してきた。
 防御の弱点を狙う軌道、レイラはさらに動きを悟って銀の針の爪で受け流す。
「その包丁は料理のためのものではないのでしょう? 斬り合いがお望みであれば、お望み通りお付き合いいたしましょう」
「いかにも、只今はそうである。私の技にいつまで付いてこられるかな?」
 経験に裏打ちされた鋭い斬撃に、レイラは細かな傷を負った。
 強固にした肉体でも、ダメージを低下しきらない。だが、勝負を焦らず、粘り強く立ちまわる。
「見抜いたぞ! 君の最も切りやすい部分!」
 包丁が大振りになる。
 レイラの目に、赤い光がうつった。イヴァンから抜けた魂のぶんだけ出来た、致命傷への隙だ。
「明月の龍、貪食の蛇。忿怒の腕が虎狼を削ぐ……!」
 パラドクスの力が、通常では考えられない『針による切断』を可能にする。腰に巻いたエプロンから上下に、料理人の身体は分かたれたのだった。
 悲鳴も呻きもなしに。
「はぁ、はぁ……」
 普段クールなレイラが、息を切らせたかのように肩を上下させている。仲間たちが集まってきた。
 大事ないと身振りをして、レイラは皆に礼を言う。
「潮矢様、夜鳥様にターレン様。それに高遠様、アージェント様と零識様……。お借りした残留効果で勝てました。今日はここで帰還です。いずれ必ずやコトリン島を、突破してみせましょう」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV3になった!

最終結果:成功

完成日2024年02月12日