四路五動(作者 一条もえる)
#蹂躙戦記イスカンダル
#『ゴルディアスの結び目』切断作戦
#ゴルディオン
#アナトリア半島
#冥府の番犬ケルベロス
#ゴルディアスの結び目
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古代都市ゴルディオン。
そこは、勝利王セレウコスが再起を図ろうとした場所である。都市の周囲には常に濃い霧が立ちこめ、あらゆる侵入者を阻んでいる。セレウコスが逃走するのにこの街を選んだのも、それが理由であろう。
しかし今、ゴルディオンを守る亜人・冥府の番犬ケルベロスは、大いに苛立ちを見せていた。
「霧を突破してくる敵がいただと! あの謎かけを解ける者など、いないはずではなかったのか!」
「落ち着け兄弟」
中央の頭が吠えるのを、右手の頭が目を細めつつ窘める。
「侵入者は亜人ではないとのこと。おそらくは、ディアボロスという奴なのだろう。
ならば、亜人では解けぬ謎を解いたとしても、おかしくはなかろう」
「悠長なことを!
ならばどうすればいいのだ! 『ゴルディアスの結び目』が破壊されれば、ゴルディオンを守れという大王の命令を果たせぬのだぞ!」
中央の頭は唾を飛ばしながら吠える。
すると今度は、左手の頭が口を開いた。
「いや、これは好機でもあるぞ」
「どういうことだ」
中央の頭が、まったくわからぬと言うように首をかしげる。左手の頭は薄笑いを浮かべ、
「ディアボロスどもがここに来たということは、進路を阻んでいるはずの勝利王が失態を犯したということ。
ここでディアボロスどもを撃退してゴルディオンを守り切れば、勝利王に恩を売ることが出来る」
「それはよい考えだ」
右手の頭は満足げに頷く。
「そうすれば、中央の兄弟がディアドコイ評議会の議席を得ることもできるだろう」
そう言われた中央の頭は合点がいったらしく、
「つまり俺は、これまで通りにやって来た侵入者を倒していけばいいわけだな?
よし、任せろ!」
犬歯を剥き出しにして笑うと、「ウオオオッ!」と吠えた。
「寒うございますからな。ひとまず湯でも飲んで、暖まってくだされ」
許・伯隼(人間の無双武人・g03617)が差し出したのはお湯ではなく、湯(タン)である。器から湯気を上げるそれをすすると、鶏の旨味と生姜の辛さが口中に広がった。同時に、全身が温まってくる。
匙を動かすディアボロスたちを見渡しつつ、伯隼は表情を引き締めて言葉を紡ぐ。
「ゴルディオン偵察の結果、敵の守りについていくらかわかり申した」
そこには、強力な防御結界でこちらの侵入を阻むクロノ・オブジェクト『ゴルディアスの結び目』が存在している。その破壊方法が、判明したというのである。
それはすなわち、結び目を解こうなどとせず、断ち切ることである。
一刀のもとには難しい。しかし回数を重ね……都合6度の攻撃を成功させることが出来れば、その結び目は断ち切れるであろう。
「しかし、刃ならなんでもよいというわけではありませぬ。『神聖な』とでも言えばよいでしょうか」
結び目を断ち切るためには、「神の力を宿した刃」が必要となる。聖剣など、神聖とされる力を宿す武器、あるいは同様の力を持つパラドクスが必要となる。他の武器では結び目を切ることは出来ず、またそういった武器であっても、「その刃で斬りつける」ものでなければ効果はない。
「残念ながら、それがしには無理ですな。これは皆様にお願いするほかない」
と、伯隼は口の端を持ち上げながら肩をすくめた。
「さて、その結び目に至る前に、周囲に立ちこめる霧を越えねばどうしようもありませぬ。
霧を進む間に、何処からか謎かけがなされるでしょう。それに答えることが出来れば、ゴルディオンの入り口まで導かれるでしょう。
言ってみれば、謎かけは符牒なのですな」
しかし、霧が発生した時点で、敵はこちらの接近を知ることとなる。重装歩兵ホプリタイどもを引き連れた敵将・エクストが姿を見せるであろう。
「これらを無視して都市に近づくことは難しいでしょう。これを退け、都市の入り口にある『ゴルディアスの結び目』までたどり着いてくだされ」
「古代都市ゴルディオンは、『蹂躙戦記イスカンダル』にとって防衛の要とも言える都市であります。
ここを攻略できれば、我々の視野は大きく広がることでしょう」
そう言って伯隼は顎を撫でた。
ゴルディオン近郊に停車したパラドクストレインを降りて都市に近づいていくと、辺りは深い霧に包まれる。
霧はあるときはその彼方に山を見せ、またあるときは城を見せる。自在に濃さを変える霧の中では、見えたと思えた物さえ虚である。それに惑わされ、容易く方角を失い、決してゴルディオンにはたどり着けぬであろう。
そのとき、何処とも知れぬところから、声が聞こえた。彼方からのようでもあり、耳元からのようでもある。
「汝の進む道は4つある。すなわち、前後左右である」
言われたディアボロスは、思わず辺りを見渡した。道と呼べるようなものではないが、辺りには遮るものもなく、確かに四方に繋がっている。さながら、人生を問うているようでもある。
霧の中から、声はさらに続く。
「されど、汝の歩みには5つある。進み、退き、右へ行き、左に行く。残るひとつとは、なんぞや?」
それきり、声は聞こえなくなってしまった。
ところで。人間、ふとしたときにたわいもない記憶を思い出すことがある。それは危急の時であっても、だ。
かつて伯隼と語っていたときに、彼がこう言っていたことを思い出した。
「兵に四路五動あり、と申します。『孫臏兵法』ですな。かつて孫臏は……」
リプレイ
イロハ・アプリルシェルツ
※アドリブ歓迎
確か……四路五動は孫子の兵法だっけ。
答えは『その場を動かずに佇む』と言う静そのものが最後の歩み。
進路、退路、右路、左路を往くだけではなく、敢えてその場を動かない決断を下すことで、新たに切り開かれる路も世の中にはあるからね。
例えば周りが深い霧に包まれていたならば、その場に佇むことで風が吹き霧が晴れて先が開かれることだってあるんだからね。
もしかしたら此の場所の四方だって一歩踏み出せば転落してしまう断崖絶壁になっていたり、密かに敵の大群が待ち構えている死地に通じてる可能性だってあるしね。
人は不安に駆られると、何でも良いから動きたがることがあるけど、必ずしもそれが最良とは限らず、様子見こそが最善の結果をもらたすこともあるんだよ。
別の見方をするならば自らが動かずとも、周りが…時が歩むことで変わるものがあることを識れるとも言えるね。
ハーリス・アルアビド
ゴルディアスの結び目を完全に断ち切るには残り五回の攻撃が必要ですが、皆さんがいらっしゃれば気掛かりなどありません。必ずやゴルディアスの結び目は断たれるでしょう。
大地の神ゲブよ、この地に楔を打ち込むため、共に戦う仲間たちにお力添えを。
霧からの謎かけの手掛かりは「汝の歩みには5つある。進み、退き、右へ行き、左に行く。残るひとつとは」、でしたね。
『孫臏兵法』について教えて頂きましたが、残念ながら理解するには少々時間が足りませんでした。新宿島にもどった後は改めて書物を探してみましょう。
謎解きらしく頓智やブラフがあると困りますが、ここは単純に考えます。
図として想像すれば五歩でそれぞれの方向に進むことを考えれば、残る一つは「その場に留まる」と言うことになります。
「聞きしに勝る霧の濃さだね」
修道服の裾を風になびかせ、イロハ・アプリルシェルツ(神聖ならざる銀・g05555)は大げさにかぶりを振った。
辺りにはいくぶん風が吹いているというのに、立ちこめる霧はまったく晴れる気配を見せない。これだけ濃ければ相応に湿気も感じそうなものだが、それはさほどでもない。
「これが異常な霧だという、何よりの証左ですね」
ハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)は辺りを見渡して、大きくため息をついた。
「大地の神ゲブよ」
地に跪き、乾いた土を撫でるハーリス。
「この地に楔を打ち込むため、ともに戦う仲間たちにお力添えを」
自分たち以外にも、パラドクストレインに乗ってゴルディオンに向かっているディアボロスたちが数多くいるはずである。彼らのためにも、ハーリスは祈る。
しばらくその姿勢でいたハーリスは、立ち上がってイロハに微笑んだ。イロハも、同様に目を細める。
膝についた土を払ったハーリスは、
「皆さんがいらっしゃれば、気がかりなどありません。必ずや、ゴルディアスの結び目は断たれるでしょう」
と、その成功を確信するようにはっきりと言い放つ。
「それじゃイロハたちもその一刀として、頑張らないとね」
「えぇ」
それから、どれほど進んだだろうか。時間の感覚が失われてくる。霧のせいで辺りは暗く、時間が判然としないのである。
「しかし、そろそろ……」
ハーリスが呟いたのと、声が響いたのとは、ほとんど同時であった。
「……汝の進む道は4つある。すなわち、前後左右である」
「きたね」
イロハは、前後左右に広がる荒野を見回し、唇を舐める。
「されど、汝の歩みには5つある。進み、退き、右へ行き、左に行く。残るひとつとは、なんぞや?」
声はそれだけ言うと、押し黙った。辺りには音もなく、何者の気配もない。
「4つの道、5つの動き。……『四路五動』は、孫子の兵法だっけ?」
「さて……」
イロハの言葉に、ハーリスは目をつむって記憶を辿る。
「以前、伯隼さんが『孫臏兵法』とか、なにか仰っていた気がしますが……残念ながら、理解するには少々時間が足りませんでした。
新宿島に戻ったら、改めて書物を探してみるとして……ここは単純に考えてみます。頓智やブラフがあると困りますが」
「じゃあ、一緒に答えようか。答えは、その場を動かず……」
「……そこに留まる。いかがです?」
ふたりは霧の奥を覗き込むように、ジロリと見据える。
「……然り」
霧の中から聞こえてきたのはその短い一言だけであった。相変わらず霧は濃いが、さきほどまでとは、なんというか……「ねばり」が違う心地がする。先に進んでいるという、確信がある。
イロハもさすがに緊張はしていたらしく、安堵したように饒舌になった。
「あえて動かない決断を下すことで、新たに切り開かれる路もある。
それに、もしかしたら四方だって、一歩踏み出せば転落してしまう断崖絶壁になっていたり、密かに敵の大群が待ち構えている死地に通じてる可能性だってあるしね。
不安に駆られると、なんでもいいからって動き出すことがあるけれど。必ずしも、それが最良とは限らないってことだね」
「黙々として処るも、また動なり……ですね」
「そういうこと。
様子見こそが最善の結果をもたらすこともある……別の見方をするならば、周りが、時が進むことで変わるものがある、とも言えるね」
そう言ってイロハが顔を上げた、その眼前に。
古代都市ゴルディオンの巍々たる城壁がそびえていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【避難勧告】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
八栄・玄才
「さらに前へ、前へッ!」とかじゃねーんだな、五つ目の路は
謎かけは自分で解ける自信がなかったので、解いてくれた人達に便乗する形でゴルディオンの前へ
さて、戦闘(こっち)じゃオレも役に立つとしようか!
集団で来る重装歩兵を相手に真正面から【突撃】
現代じゃ馴染みないとはいえ、ファランクスくらいは【戦闘知識】で知っているぜ
盾の隙間から槍で突いてくるならフットワークと、雷の籠手ワード・ブレイカーによる受けで【臨機応変】に対処
盾でドツいてくるなら望むところだ
こちらも掌底を叩きつける
押し返されてもイイ、そのタイミングでパラドクス『遠雷の走り』を発動
盾に通電させて敵の体にまで衝撃を伝える
そんなによ~、密集しててくれたら、叩いた盾の持ち手以外のヤツにも電気を通しやすくて、ありがたいったらないよ(3体対象のパラドクスだしな)
オレは前にもここに結び目を斬りに来たんだが、情報は共有されてないのかい?
バチバチの雷電を扱う拳士がいるってなっ!
攻撃後は相手の盾を蹴って後方へ【ジャンプ】して仲間が攻撃するスペースを空けよう
ハーリス・アルアビド
来ましたか。ゴルディアスの結び目を切る前に防衛隊の本隊が来ては目的を達成できません。手早く片付けましょう。
大地の神ゲブよ、再びお力添えを。大地にある限りゲブ神の御手からは逃れられません。
【祈り】を捧げ、共に戦う仲間たちへの【幸運】を願います。
【ゲブへの嘆願】による【衝撃波】で敵軍を分断し、隊列を組むにも熱線での集中砲火を行うにも万全とは言えぬ数にします。
衝撃波で【強打】する砂礫を盾で庇えたとしても、打ち付ける音と舞い上がる砂塵を【砂使い】で巧みに操った砂の幕は的確に周囲の状況を把握するには邪魔になるでしょう。
私自身も分断した箇所から【残像】を生み出す速度で敵の間を縫うように駆け、敵の注意を【撹乱】します。
砂の幕の中こちらを攻撃する事に集中すれば足元が疎かになるでしょう。
【泥濘の地】に誘い込んだところで仲間と連携し、敵が態勢を立て直す前に【ゲブへの嘆願】で冥界へと送りましょう。
イロハ・アプリルシェルツ
※アドリブ&連携歓迎
さぁ、ゴルディオンに待ち受けるは亜人の槍兵達だね。立派な盾も構えているし無策で挑めば魔術の餌食になるんだろうね。
でもイロハには主のご加護があるんだ、聖書を広げて祈りを捧げて聖水を撒いて聖別し、此れから戦いに挑む自身に宿る聖なる気を高めるよ。何処の神格かは知らないけれど穢れた魔力などに負けはしないんだよ。
不意討ちと数を頼みにして機先を制してくる様な相手だけど、イロハは策略を使うような相手にも慣れているんだ。
此方は巧みに緩急をつけたフットワークを駆使して敵陣へと勇敢に突撃して翻弄し、イロハの間合いに持ち込んだら、鍛え抜かれた鉄拳である【ゲオルギウスの聖槍】でその盾ごと貫こうか。
仮に一体倒しても気を付けないと包囲されて袋叩きに遭うだろうけど、倒した後も動きを止める事なく、敵群を突き進み減らして行けば囲まれずに済みそうだね。
ゴルディアスの結び目を護るアヴァタール級まで後少し、有象無象の亜人などに邪魔させはしないよ。
深い深い霧を越えたディアボロスたちの前にそびえ立っていたのは、古代都市ゴルディオンの城壁であった。『ゴルディアスの結び目』もそこにあるはずである。
「あっちか?」
城壁に近づいた八栄・玄才(井の中の雷魔・g00563)は、
「それにしても。5つ目は『さらに前へ前へッ!』とかじゃねーんだな」
と、笑った。
「オレが答えなくてよかったぜ」
「いくらなんでも、それはね」
イロハ・アプリルシェルツ(神聖ならざる銀・g05555)は苦笑を浮かべ、
「ふふ。案外と、それも真理なのかもしれません」
と、ハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)は微笑んだ。
ゴルディオンにたどり着いたからには、すぐにでも『ゴルディアスの結び目』に一太刀浴びせたいところであるが……彼らはすでに、こちらに向かってくる敵の姿を捉えていた。
「やはり霧が出たということは……侵入者であったか!」
兵どもを率いるエクストは、「あの謎を解ける者がおるとは」と唸りつつ、
「ゴルディオンに近づけるわけにはいかん。かかれッ!」
と、配下の重装歩兵ホプリタイどもに指図した。
「さて、こっちじゃオレも役に立つとしようか!」
それに応じて、玄才は籠手を装着した拳を掌に打ち付け、大きく肩を回す。
ハーリスとイロハは、
「先駆が来ましたか。結び目を切る前にさらなる増援が来ては、目的を達成できません。手早く片付けましょう」
「そうね。無策で挑めば、魔術の餌食になるんだろうけれど」
「心配はいりません。敵に穢れた戦女神の加護があろうと、私たちにも神のお力添えがあります」
「信じてる神は違えど、ね」
「神は、私たちすべてに幸運を授けてくださいますよ」
ハーリスは再び大地の神・ゲブに加護を請い、イロハは聖書を広げて祈りを捧げ、聖水を撒いた。
「おおおッ!」
重装歩兵どもは雄叫びを上げつつ、しかし整然と隊列を組んでディアボロスたちに襲いかかる。
しかし迎え撃つハーリスはそれを十分に引き付け、
「大地の神ゲブに奉る」
祈りを込めて、腕にはめた『アヌビスの爪』を地に打ち付けた。その衝撃は凄まじく地面を震わせ、おびただしい砂塵が巻き上がった。
衝撃と砂塵は大津波の如くにそびえ立ち、敵群に襲いかかった。飲み込まれた敵兵は、なすすべもなく押し流されて倒れる。
「戦女神の加護やあらん!」
全身を砂塵にまみれつつも、残ったホプリタイどもは隊列を組み直して盾を構えた。
その盾に魔力の煌めきが増したかと思えば、放たれた熱線がディアボロスたちを襲う。
しかし、舞い上がる砂塵の中で、イロハと玄才とは一気に間合いを詰めていた。
「どこの神格かしらないけれど、穢れた魔力などに負けはしないんだよ」
熱さに肌を焼かれながらも、イロハは嘯く。
繰り出される槍をかいくぐり、
「聖なるかな。あなたが創造なさったすべて、地、空、海、あなたの御名を賛美します」
穂先が首筋をかすめようとも、自らの命を顧みず殉教した聖人のようにイロハは怯まない。そして、揺るがぬ信仰と過酷な鍛錬によって作り出された拳、悪竜の鱗さえ貫く拳を、敵兵が盾を構えようともお構いなしに叩きつけた。
ホプリタイの盾は無惨に砕け散り、拳はその胸を激しく打つ。骨は粉々に砕けて心臓に突き刺さり、吹き飛ばされた体躯は後ろにいた同胞に食い込むほどで、2体は物言わぬ骸となる。
「怯むなッ!」
それでも敵兵どもは、倒れた同胞の隙間を埋めて隊列を組み直し、突進してきた。
「ファランクスだな。現代じゃ馴染みがないとはいえ、それくらいは知ってるぜ」
敵を正面から迎え撃った玄才は不敵に笑い、
「盾でド突いてくるなら、望むところだ!」
地を蹴り、滑るようは歩法で敵の懐に飛び込む玄才。
そのまま敵兵の腹に向けて掌底を繰り出す。
玄才はかつて仲間に語ったことがある。初めて「それ」を放ったときのことを。
「いつもの掌底のはずだった……けれど、それを繰り出したとき、電気が走ったんだ。比喩じゃない。本当にな。
そりゃあ、最初は戸惑ったよ。だけど、思ったさ。『オレはもっと強くなれる』ってね……」
名付けて、『八栄流・遠雷の走り』。
掌底の衝撃は敵兵を貫いたが、一撃はそれでは終わらない。それは敵兵の全身を雷で貫き、よろめいて触れた同胞にも雷は伝播して、その身を焼いた。
「ぐわッ!」
「そんなによ~、密集してくれたら、叩いた盾の持ち手以外のヤツにも電気が通しやすくって……ありがたいったら、ないよ」
「おのれッ!」
痺れた同胞を押しのけ、敵兵は玄才を目掛けて槍を繰り出した。鋭鋒をすんでのところで避けた玄才は、
「玄才さん、こちらへ!」
ハーリスが招く方へと走る。敵群に飲まれそうになったイロハもそちらに向かう。敵兵どもは3人を追うが、その足元はいつしか泥濘に飲まれており、陣形は崩れた。その間に3人は態勢を整え、再び敵群に挑みかかった。
「こちらを攻撃することに集中しすぎると、そのように足元が疎かになるのです」
ハーリスの放つ砂塵が突き崩した敵陣の傷口を、再び玄才とイロハとが深々と抉る。
「オレは前にも結び目を切りに来たんだが……情報は共有されてないのかい?
バチバチの雷電を扱う拳士がいるってな!」
「かもね。それとも、名が知れ渡るには暴れ足りなかったかな?」
「はは、仲間が一騎当千揃いだと大変だ!」
敵が苦し紛れに叩きつけてきた盾を蹴って、玄才は後ろに跳ぶ。
その空いた隙間に、イロハが飛び込んだ。
「『ゴルディアスの結び目』まで、あと少し。有象無象の亜人などに邪魔させはしないよ」
兵どもの骸を見渡し、言葉を失ったエクストだったが、
「ゴルディオンを奪われるわけには、いかん」
そう言って、手にした分厚い本が歪んでしまうほどに、力を込めた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【動物の友】LV1が発生!
【避難勧告】がLV2になった!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
イロハ・アプリルシェルツ
※アドリブ&連携歓迎
次にゴルディアスの結び目の前に立ちはだかるのは知恵者っぽい亜人エクストだね。
亜人って脳筋が多い印象に囚われがちだけど、支配地域的には賢者や哲学者が居た所も多いことを考えれば実はそれ程不自然でも無いのかな。
随分と分厚いけれど手にしてるのは魔導書か何かかな?本を凶器にする様な輩には正直思う所はあるけれど戦い方が予想し易いのは好都合だね。八面六臂みたいな異形でもないし、不可視の魔術みたいな攻撃をしてくる訳ではないから体捌きや手足の運び方、視線のやり方などを注意深く観察しながら本の角で痛打を貰わない様に急所から外す様に攻撃は防御しようか。
一番大切なのは敵の脅威度をきちんと認識した上でフットワークを駆使しながら相手を翻弄してイロハの間合いに持ち込むこと。其処に辿り着いたら全身に宿る聖なる気を練り上げて、全てを破壊する波動と化した【ヤコブの鉄拳】をクロスカウンターで【ダメージアップ】させて敵に叩き込むよ。
八栄・玄才
オレにはゴルディアスの結び目を斬る技ぁねぇからな
その分、全力で露払いと行くぜ!
勢い良く接近してインファイト
籠手による防御とスウェーによる回避で【臨機応変】に立ち回り、本の角の直撃を避ける
本による打撃に当たってしまったら亜人の在り方に染まり、しかしだからこそ目の前の敵を【蹂躙】せんとより凶暴に
状況が整っていたら身に宿す悪魔の力が溢れネメシス形態になっていたかもしれないが、戦況が追い詰められていなかったことが幸いして、完全には姿を転ぜず
悪魔の爪の刃を指先から伸ばし、『魔骸連刃』で敵を【解体】しようと攻める
なんだろうなァ、テメェを解体(バラ)して打ち捨てろって身体から声が聞こえるぜェ……
相手を轢き潰さんというように苛烈に迫り、積極的にダメージを与えれば、《ドレイン》による回復が望めるか?
回復により染まりかけていた思考が戻ってきたら、武術家らしく敵の隙を看破し、貫き手による『魔骸連刃』をキメる
さあ、後続の部隊が来ねぇかはオレが見てる!
刃に自信のある人は、バッサリやってきてくれや!
ハーリス・アルアビド
ゴルディアスの結び目までは後一体、他の防衛隊がこちらにくる前に目的を果たさねばなりません。通らせて頂きます。
天空の神ホルスよ、お力添えを。あまねくすべてを見通す目と、空を翔る翼をお授け下さい。
【祈り】を捧げ共に戦う仲間達の【幸運】を願い、この戦に勝利を。
先にこちらに注意を引きつけるため【飛翔】し【空中戦】を仕掛けます。
敵は魔術による強風も操るようです。【パラドクス通信】を使い、仲間達と互いに敵の動きを観察し、攻撃のタイミングなど動きを合わせましょう。
敵の起こした強風を最高速度の【飛翔】による【貫通撃】で貫きます。強風を読み逆に利用して見せましょう。
不規則な軌道で【残像】を生み出し、舞い上がる砂塵を【砂使い】でより巧みに操り間合いを読み誤らせ【撹乱】します。
自身の起こした強風と、こちらが操る砂塵に加えて【残像】による撹乱ともあれば足元に気を回せないでしょう。【泥濘の地】に誘い込み、足が鈍ったところをホルス神の一撃で狙い撃ちます。
エクストが手にしているのは、華美な装飾が施された、分厚い革の表紙を持つ本である。敵将は歯ぎしりしつつ、血管が浮かび上がるほどの力でそれを握りしめていた。
「知恵者っぽい亜人が出てきたね」
イロハ・アプリルシェルツ(神聖ならざる銀・g05555)は布を巻き付けた拳を握り、構えを取って相手の出方を窺う。
「脳筋ばかりって印象があるけど……考えてみれば、賢者や哲学者が多く生まれた地域でもあるわけだから、それほど不自然でもないのかな?」
「そうかな? オレには、脳筋亜人どもとさほどの違いはないように見えるけどな!」
八栄・玄才(井の中の雷魔・g00563)はそう言うが早いか、一気に間合いを詰めた。
「オレには、『ゴルディアスの結び目』を斬る技ぁねぇからな。その分、ここでは全力で露払いといくぜ!」
「ぬぅッ!」
玄才の踏み込みの速さには意表を突かれたか、敵は慌てて身構える。
しかし玄才が懐に飛び込む方が速く、かつて彼が喰らった悪魔の肉体から生み出された刃が指先から生じ、エクストの胸板を斬り裂いた。
しかし、それはまだ敵将を怯ませるには至らない。わずかにのけぞったエクストであったが、
「汝らは未だ、世の理を知らん!」
と、丸太のように太い腕を振り下ろし、その手に握りしめた本を叩きつけた。金属で補強がなされた角が、玄才の額を打つ。
「くッ!」
「我らの在り方こそ、世の真理ではないか! それを教えてやろう!」
よろめく玄才に、なおも本を振り上げるエクスト。
しかし、
「天空の神ホルスに請い願う。
私に、あまねくすべてを見通す目と、空を翔る翼をお授け下さい」
天を振り仰いで祈りを捧げたハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)の背で、隼の翼が大きく広がった。
空へと舞い上がったハーリスは、今度は急降下してエクストを狙う。敵将は玄才への追撃を諦め、退くしかない。
「それは魔導書か何かかな? 本を凶器にするような輩には、ちょっと苦言を呈したいね!」
敵はやはり本を握りしめて叩きつけてくるが、イロハは巧みなフットワークで腕の外側に回り込み、身体をひねってそれを避けた。
「聖なるかな。慈しみ深く力ある、3つにいましてひとつなる、三位一体の神を礼拝します」
小さく呟いたイロハは、お返しとばかりに敵将の脇腹に、魂に満ちる衝動と信仰を込めた拳を叩きつけた。その鎧ごと、数本の肋骨が砕ける手応えが確かにあった。
「ぐぬ……ッ!」
エクストの反吐の中に、血が混じる。
その間に、ハーリスは玄才へと駆け寄っている。
「ご無事ですか」
「あぁ。この程度、なんの問題もないぜ!」
額から滴る一筋の血を拭って、玄才は敵将へと向き直る。
「殴られたとき、『ディアドコイの在り方にも一理あるのか?』なんて寝ぼけた考えが、ちょっとだけ浮かんだけどな」
軽口めかせてはみたが、その瞬間に体内を吹き荒れたのは、敵を蹂躙せよという衝動だった。それに飲み込まれてしまえば、身に宿す悪魔の力が溢れ出てしまったのかもしれないが……。
「これくらいなら、かえって好都合かもしれないなァ。
なんだろうなァ、テメェを解体(バラ)して、打ち捨てろって身体の内から声が聞こえるぜェ……ッ!」
不敵に笑った玄才は、さらに苛烈に敵将へと斬りかかった。
『魔骸連刃』の刃と敵の持つ書とが、激しく打ち合う。その度に、革の表紙が裂けていく。
「やっぱり、たいした知恵はないみたいだね」
「黙れッ!」
呆れ気味のイロハの胴を払うように、エクストは腕を振り回した。しかしイロハは構えを下げ、肘でそれを受け止める。その衝撃は腕を痺れさせるほどであり、イロハは顔をしかめはしたが、
「八面六臂みたいな異形でなし、不可視の魔術を使うでなし。戦い方は予想しやすいね」
と、嘯く。
「八栄流とオレの強さを証明してやるには、ちょうどいい手合いってことだな!」
「蒙昧な者どもがッ!」
怒りに目を血走らせたエクスト。ギロリギロリとイロハ、玄才と続けて睨みつけた。しかしディアボロスたちにとっては、その視線にも付けいる隙がある。
イロハは上体をそらし、玄才は身をかがめて、振るわれる敵の腕を避ける。
敵の体が泳いだところに、イロハの拳が襲いかかる。練り上げられた聖なる気は、天の試練すら打ち砕く力の波動となり、敵将の顎を打ち砕いた。
さらには、仰向けに倒れるよりも前に、玄才の貫き手が敵将の肩を貫いた。刃を発した貫き手は敵を貫くのみならず、その肉体を斬り刻んで解体する。裂かれて飛んだエクストの腕が、砂の上に転がった。
「ぐおおおッ!」
「『ゴルディアスの結び目』まで、残るはあなた1体。他の防衛隊が来る前に、目的を果たさねばなりません。
通らせていただきます」
「そうは、いかん!」
エクストは残された腕を、ハーリスに突きつけた。そこから発せられる強風は、何者でさえも切り裂く死の刃である。
それはハーリスの琥珀色の肌を裂くも、
「天空の神ホルスよ、お力添えを」
祈るハーリスは怯むことなく宙を舞う。不規則な軌道は敵の狙いをそれ以上定めさせず、隼の速さは敵に残像さえ見せた。
「う、ぬ……!」
蹄を泥に塗れさせ、すでに満身創痍となっているエクストはよろめく。
ハーリスの緑の瞳が煌めいた。その目はまさしく獲物を狙う猛禽のものである。
翼を畳んで一気に急降下したハーリス。その『アヌビスの爪』は、狙いを違うことなく敵将の心臓を貫いた。
「後続の部隊が来ねぇかは、オレが見てる!
さぁ、刃に自信のある人は、バッサリやってきてくれや!」
玄才が指差す先に、『ゴルディアスの結び目』があった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【ドレイン】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
イロハ・アプリルシェルツ
※アドリブ歓迎
此れが『ゴルディアスの結び目』なんだね。
彼の大王は知恵によって結び目を解くのではなく武力で断ち切ったが故に、世界の全てではなく半分しか手に入れられなかったとも言われてるけど・・・このクロノオブジェクトにも強い力が確かに感じられるね。
まぁ、良いや神聖なる力を宿した刃が必要と言うならばイロハはこの上ない適任だしね。
聖水でこの地を聖別し、聖書を手に聖句を唱えよう。揺るがぬ信仰の果てにこの身に宿った『鋼の鍛錬』とも呼ばれる聖なる氣を聖剣として型取って具現化させようか。
その名は【ガルガーノの聖剣】、最終人類史に現存する正真正銘の聖なる遺物の名を冠せしパラドクス。
高名なる騎士が岩に突き立て、資格ある者のみ引き抜く事が可能な剣・・・即ち彼の聖剣(エクスカリバー)にも例えられるこの刃による一撃ならば積み重ねられた神秘の不足はなし。
詠唱と共に具現化させた聖剣を両手で構え、ゴルディアスの結び目の前で振り被って【一刀両断】しようか。復讐者達の前に乗り越えられない障害は存在しないんだよ。
「ごめんね、ここはイロハに任せてもらえるかな」
イロハ・アプリルシェルツ(神聖ならざる銀・g05555)は、これまで激闘をともにした仲間たちを想いつつ、進み出た。
「神聖なる力を宿した刃が必要というならば、イロハがこの上なく適任だしね」
戯言を口にしつつ笑みを浮かべたが、この手には仲間たちの想いも込められている。その重みを噛みしめつつ、イロハは『ゴルディアスの結び目』を見据えた。
その結び目を解く者がアジアの王となるであろう……というのが、失われてしまった本来の歴史におけるそれだが、
「かの大王は、解くのではなく武力で断ち切ったが故に、世界のすべてではなく半分しか手に入らなかった……という話も聞くけれど」
この『蹂躙戦記イスカンダル』においては、行く手を阻むクロノ・オブジェクトでしかない。
ただし、とびきりに強力な力を持つ、それだ。
緊張の面持ちで、イロハは懐から取り出した聖水を地に撒き、聖書を開いて聖句を唱える。
「聖なるかな! 主は我を愛す。主は強ければ、我弱くとも恐れはあらじ!」
その言葉には、いつも以上に力が込められた。
揺るがぬ信仰の果て、過酷な鍛錬の果てに精神と肉体は鍛え上げられ、イロハの身体は『鋼の鍛錬』とも呼ばれる聖なる気に包まれている。
両手を重ね合わせ、ゆっくりと上方に持ちあげる。イロハを包む気は変じて、両手の中で長剣の形を取った。
その名こそ、『ガルガーノの聖剣』。
「最終人類史に現存する……したはずの、正真正銘の聖なる遺物の名を冠せしパラドクスだよ。
資格ある者のみが引き抜くことの出来る、聖剣にも例えられるこの刃ならば……ッ!」
一歩踏み込んだイロハは、渾身の力でそれを振り下ろした。
返す返すも、この場に詩人がいないことが悔やまれる。彼がいれば、この畏怖と信仰すら与える一太刀は叙事詩にも残されたことであろうに!
イロハの振り下ろした「刃」は、間違いなく結び目を、そのひとつを両断した。
イロハは安堵の息を大きく吐き出す。
「ディアボロスたちの前に、乗り越えられない障害は存在しないんだよ!」
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【一刀両断】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!