リプレイ
ハーリス・アルアビド
敵を全滅させぬよう戦いながら並行追撃とは。少々手間がかかりますが、魔女キルケーを仕留めるためです。
大地の神ゲブよ、亜人を一掃しこの地にまことの姿を取り戻すためお力添えを。
祈りを捧げ願うのはこの作戦の成功と戦への勝利。窮鼠に噛まれるようなことがないようにしましょう。
味方と敵の動き、全体の流れを注意深く観察しながら【泥濘の地】によって範囲内の速度を緩めます。
一部の足並みを乱すことで逃走のため焦っている敵はより冷静な行動ができず、隊列も乱れ【時間稼ぎ】になるでしょう。
私自身も巻き起こる砂塵を【砂使い】で操り【残像】を生み出す速度での攻撃と【一撃離脱】を繰り返し冷静な行動ができぬようにします。
平行追撃作戦――それは絶対に魔女キルケーを討ち取る戦法として今回採用されたもの。
一言で言ってしまえば、一切合切討ち取る勢いでの苛烈な戦いを挑む力同士のぶつかり合いともいえるだろう。
しかし、この作戦は“キルケーに辿り着くまで”が肝なのだ。
●これは序章である
ハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)は乾いた大地を力強く蹴りだし、ドタドタと乱れた足で遁走するオークの群れを捉えていた。
「“敵を全滅させぬよう戦いながら追撃”とは……。少々手間はかかりますが――」
『っ、デイアボロス――ッッッ、ア゛ッ……!!』
「逃がしません」
並走しながら大きく一歩踏み出した瞬間、ハーリスに気が付き悲鳴染みた声を上げたオークファランクス兵の顎を裏拳で殴り飛ばし一拍程度昏倒させ離脱すれば、他の兵に奔るのは動揺だ。
ディアボロスの襲来。
捕捉されているという事実。
僅かな時間でも昏倒した仲間の姿。
そのどれもが遁走する敗残兵を動揺させるには十分過ぎて、呼吸程度の時間まるで時が止まったかのように足を止めた隙にハーリスの手は地を撫で祈る。
――希う。
――請い願う。
「大地の神ゲブよ」
『にっ、にげろおおおおおおおおおおおおおお』
「亜人を一掃し、この地にまことの姿を取り戻すためのお力添えを」
例え我に返ったオークファランクス兵が悲鳴を上げ逃げ出そうともう遅い。
固き大地に匂った湿り気が、信心深き者の祈りを聞き届けたと応えている。ハーリスが祈り捧ぐは、魔を討滅し勝ち取った大地。応えた力がPD―ゲブへの請願―を成す!
突如変質した大地の姿を動揺する軍勢は受け入れられなかったうえ、踏み出すと同時に柔き泥濘へ嵌り情けなくも悲鳴を上げた。
固く乾ききった大地を踏みしめ遁走するはずだった足が、心地よささえ覚えそうなほど柔く温もる泥濘に捕らえられたからだ。たしかに踏みしめること叶わないそこは、踏み入ったものを甘く捕らえ地獄へ招くだろう。
『ヒィッ』
「我々はあなた方を逃がしません」
這う這うの体で這い出そうとするオークを蹴り飛ばしたハーリスを、抵抗する一兵が吼えた。
『ウォオオオオオオオオオオオオ!!』
「あなた方を窮鼠にするつもりはなく、“我々”は逃がしませんよ」
ふわりと巻き起こる砂塵は幻影を呼び、泥濘から這い上がろうとするオークファランクス兵を動揺させ足を滑らせ時間を稼ぐ一方、ハーリスは向かってくる一体を正面から相手取っていた。
繰り出される槍の一撃を手の甲で受け流して弾きながら、ただ必死に生きようとする亜人――……しかし、略奪者に駆ける慈悲をハーリスは持ち合わせなかった。
「我々があなた方も何もかもを仕留めましょう」
『グゥゥウウウッ、おのれぇぇえええ!!』
いくらでも喚けばいい。
この広大な大地で貴様の悲鳴を聞き届ける者ごと滅するのだから。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
靫負・四葉
アドリブ・連携歓迎します
ゴブリン共よりも優れた体躯を持つ癖に性根は同じ様なものですか。
これが亜人というものなのでしょうかね。
とはいえ、今回は友釣りの囮鮎のようなもの。
殺し尽くす訳にはいきませんし、数を減らし過ぎても敵将から見切りを付けられる恐れがあります。
なるべく殺さず痛めつけ、意気を挫き、恐怖と混乱を助長するよう動くほかありませんね。
反撃は免れませんし気分も良くはありませんが、敵部隊そのものに紛れ込み、手近な相手ではなく離れた相手を主に狙う、また女であることをアピールするなどして引っかき回す事に努めます。
……普通ここで女に飛びつきませんけど、亜人は引っ掛かりそうなんですよね……
もし仲間を纏めようとするなど、目立つ行動をとる個体が居れば、優先的に殺していきましょう。
ひとつ。ふたつ。ほら、どこを見ています。自分はこっちですよ。鬼さんこちら……
小細工の余地があれば、小型のスピーカーなどを適当な方向に投げて音声をばらまき、混乱させられればと思いますが……まあやれたとしてもオマケ程度でしょうか。
砂塵から逃れたオークファランクス兵も当然のごとくいる。
「(1――……いえ、3兵団ほどでしょうか)」
おそらく他の地域からも逃れてきた者達が合流でもしたのだろうか? わざわざキルケーが迎えにゆく敗残兵団だけあって、数はいるようだ。
五式超次元観測機で即座に砂塵にまかれていないオークの数を把握した靫負・四葉(双爪・g09880)が、風の力を纏い一気に距離を縮めてゆく。
「(これは所謂友釣りの囮鮎のようなもの……殺さず、しかし生かさずに動かなければ)」
『ッッディアボロスだ!!!!』
●悲鳴すら、殺したくせに
散々人々を蹂躙した癖に、敗残兵となってからは亜人も被害者面が上手いものだ――と、四葉は思った。
今や迫るディアボロスの四葉へ背を向け、どうにか逃れようとするオークたちはある意味で生物的に“生”にしがみつこうとしているようにも見えた。
だがその希望は今から圧し折られ、例え一匹たりとも逃す気など無い――!
「おや……ゴブリン共よりも優れた体躯を持つ癖に、性根は同じ様なものなのですか?」
“まけいぬ”――そう暗に告げた四葉を忌々し気に睨みつけたオークの一体が、僅かに瞠目してからにやりと笑った。
その目に浮かぶ卑しい光は“女”という性別への侮り。どうあっても出てしまう亜人の本能が、四葉にとって自身の性別さえも囮にできる。
『おん――』
「しぃ。……“ひみつ”です、よっ!」
『ぐぎゃっ』
力一杯――では、首を捥いでしまう。よって“痛みを感じられる程度”に加減しながら四壱式次元破断器・四海抱擁で力一杯殴ったフリをすれば、オークは悠長に悲鳴を上げ殴られ裂けた頬を押さえながら叫んだ。
『おんなだ!!!!!!!!!!!』
「鬼さんこちら、」
『おぉおおお!!!』
――ここまでくると、あわれだ。
四葉の脳裏を過った思考を頭の片隅へ押しやり、軍勢の中へ転がるように飛び込み繰り出される鋭利な槍をバク転の要領で躱し、待ち構えていたオークを鋭く蹴り飛ばす。
ダメージは多少入れば十分で、ただ攪乱だけを目的に四葉はマイクロスピーカーを撒きながら飛んで跳ねるようにオークの暴力を躱していた。
しかし、相手は追い詰められた亜人。
『女だ女だ女!!!』
「っ! ぐぅっ」
不意打つような拳をギリギリガード浮遊する巨腕を捻じ込みガードするも、抜ける衝撃が腹を打つ。
吹き飛ばすような拳の勢いに身を任せ、転がるように受け身を取って叩き下ろされる拳をすり抜けるように飛びあがる。
再び着地したところでスピーカーを起動させ四葉の声を再生させれば、多少気が逸らせ隙を生む。
「(なるほど、さすがに同士討ちはしないようですね。そしてそれるのも一瞬で――……彼らは烏合の衆、か)」
口腔に溜まった血を吐き捨て、四葉は地を蹴った。
『おのれええええ!!!』
「なんとでも!」
どう足掻こうと構わない。
わずかでも気を逸らしそうになったオークから四葉は挑みかかり、普通なら遁走するべきオークの思考を乱し、四葉は身を挺しこの場へオークを縫い留める。
「ほら、どこを見ているのです。自分はこっちですよ……!」
畏れよ亜人。
おまえたちの恐怖が来たぞ。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【影忍び】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
アンディア・ラムパデス
逃げる亜人共を逃さなければならないのは業腹だが……後か先か、順番が変わるだけのこと
亜人はすべて殺す……必ずな!
奴らには我らが味わった苦渋の代償を必ず払わせる……!
あのオーク共は随分とディアボロスを恐れているようだ
ならば、その存在をはっきりと認識させることでより混乱させられるだろうか
雄叫びと共に先陣によって足並みが乱れた群れの横合いから中に飛び込むように駆ける
倒すのではなく、より多くの敵に傷を与えることを目的として暴れ回り、奴らの思考をかき乱す
下手に傷を負っては奴らを調子ずかせることになろう、逃げ出した奴は追わず、向かって来る敵、動かぬ敵を狙うぞ
反撃の槍は盾と槍で受け止めてダメージを抑えつつ、奴らの合間を駆け回ることで集中砲火をなるべく受けぬように立ち回ろう
砂の蛇よ、暴れ呑み、貪食せよ……!
ああ、貴様らが行ってきた蛮行
それを貴様らにもたらす者……亜人を蹂躙するディアボロスが来たぞ!
死を恐れぬなら向かって来るが良い!!
その思考が、憎い。
その背が、憎い。
その姿も影――いや、存在すら憎い。
「(亜人は全てころす)」
この世界の異分子たる亜人へ、等しく死を。
今にも噴火しそうな衝動を抱えながらアンディア・ラムパデス(砂塵の戦槍・g09007)は鋭く地を蹴り、背面からオークファランクス兵を強襲した。
『っ、でぃあ――』
「遅い」
ウェアキャットらしいしなやかで素早い身の熟しで潜り込んだオークの懐で潜り込んだアンディアが、下から鋭く部族の盾で殴り上げる!
「口を閉じろ」
『グッ、ォァ』
真っ直ぐに下からオークの顎を殴り上げたアンディアがアッパーを叩き込めば、オークをこの一瞬だけ昏倒させる。
騒めくオークたちを前に深く息を吐いたアンディアは、自身に言い聞かせる。“殺しきってはならぬ”と、何度も何度も。
呼吸が浅くなり、湧き上がるような殺意がアンディアの気を立たせ、猫耳の拾う些細な音を脳が素早く判断しようとも。
●おそれよ。おそれよ、世界の異分子よ
鋭敏になり過ぎたアンディアの感覚と判断力は鋭く、即座に走り出したアンディアは踊るようにオークたちの槍撃を抜けるともたつくオークを蹴り飛ばす。
『グアアアッ!』
「遅い!」
骨の一本二本折ったところで始末するのだ、全ては些末なこと。オークたちの思考をかき乱す――いや、思考することさえ許さぬという勢いでアンディアは暴れていた。
『ディアボロス、しねぇえええ!!!』
「その程度か」
瞳孔を細め、アンディアはわらう。
たとえその身を従属の装飾がじくじく苛もうと、今更だ。
叛逆せよ! 奴らを殺せ! とアンディアを急き立てる魂が闘志を沸き立たせ、その手足を奮わせる!
『おのれおのれおのれええええええ!!!』
「(なるほど、冷静……いや、遁走に徹すものもいるか)」
ディアボロスに追いつかれ逃走に横やりを入れられているというこの場で、ある意味で亜人にとっての最善を判断できるものもいるらしい。
「(だが、それまでだ)」
視界の端で背を向けにげたオークは迫るキルケーへの呼び水になるだろうと、アンディアはあえて泳がせた。
どうせ、数分後にはすべて狩るのだ。
アンディアと同じく遁走のオークを乱す同胞を感じながら、アンディアは混迷するオークの軍勢の裡へ身を投じる。
『女だ!! 討ち取れ!!』
「砂の蛇よ」
絶叫に猫の如く瞳を細めたアンディアはわらう。この場に、たしかに女の自身はいる――だが、しかし。
「貴様らを蹂躙する女が来たぞ。――貴様らに死を齎すもの、ディアボロスが来たぞ!!」
オーク共がどよめいたところで全ては今更だ。
逃げようなどと後退りをするのかと、笑いそうになる。今までどんな人間……いや、亜人以外を蹂躙してきたくせに!!
毟るように握った大地の片鱗、砂塵へ暴れるような魔力を流し込みアンディアが吼える!
「暴れ呑み、貪食せよ……!!」
PD―砂流蛇―!! 悲鳴さえも、喰らうがいい砂の蛇! 全て全て渇きの獄へと堕としてしまえ!!
おそれよ。
畏れよ。
お前たちに死を齎す者が来たぞ。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
●魔女へ告ぐ
キルケーは、自身へ砂煙を挙げながら向かってくる何かに瞳を細めた。
『あれは……?』
敗走したオークファランクス兵たちを迎えに向かっていたというのに、その砂煙には妙な違和感があった。
オークたちが走っているのは、分かる。
だが、猛然と無心に走ったとしても上がるような砂煙の量ではない……ならば、もしや――。
そこまで考えが至った瞬間、ハッと弾かれたように頭を上げたキルケーが眦吊り上げ絶叫した。
『……――ディアボロスッッ!!!!!!!! やっぱりアタシの計画を邪魔立するっていうのか!!!!!!!!!』
金色の瞳を爛々とさせた魔女は加速する。
言葉なく地を蹴り帯同する不死隊と共に、敗残兵を追討する存在ディアボロスから敗残兵という戦力を奪取するために。
●遁走するものたち
呼吸が乱れ、息が上がる。
脳裏で渦巻く背後の脅威に、声が振るえそうになりながらそれでも足を止めない。
『ちくしょう』
『ディアボロスめっ……!』
どんなに悪態をつこうと、オークたちは並走するディアボロスを振り切れずにいた。
命懸けで足を動かし全力で走って逃げようと、どこまでもディアボロスは追ってくる。
それはただ暴力など温いと感じるほど、純粋な脅威以外の何ものでもなかった。
まるで甚振るように自身たちを攻撃してくる存在を引き離せずに走り続け、足止めから“まるで泳がされるように”抜けさせられることで遅滞させられ、逃走から少しでも気を逸らせば当然のごとく襲われ、また逃げる。
繰り返す地獄のような時間は、命よりも先に気力を削ぎ落していた。
リーシャ・アデル
・心情
キルケーをおびき寄せる為にも、ギリギリの所を見極めていかなきゃいけないってのは面倒ね
それはそれとして、蹂躙戦団を叩いとかなきゃいけないし……まぁ、やれることをやっていきましょうか
・戦闘
「翠焔・創像:フレアグレイブ」の刃に【火炎使い】で炎を纏わせ、パラドクス『翠焔・創像:ウォーストライク』で敵を【薙ぎ払い】つつ攻撃して追い立てるわ
さぁさぁ、ディアボロスのお出ましよ!!
『蹂躙戦団』の名折れのようね?まぁ、アンタ達を『蹂躙』してぶっ飛ばすのはアタシ達の方なんだけどね!!
逃がしたりなんて、しないわよ!!
・その他
アドリブ等は大歓迎よ
●焼き払う
走り続けるオークへ、同様に走りながら様々な攻撃を仕掛けつつ決定打を与えずに泳がせる作戦は成功した。
「(キルケーをおびき寄せて、ここからは次の段階へ――よね)」
おそらくこの先は乱戦になる。
敵味方入り混じる状況の中、この戦いは冷静さを崩された者や焦った者から敗者となるかもしれない。
「(――なら、アタシが追い込む!)」
この盤面で今最も混乱しているオークファランクス兵を野放しには出来ないと考えたリーシャ・アデル(絆紡ぎし焔の翼・g00625)は、素早く元・蹂躙戦団のオークファランクス兵の足元へ所ばり込むと迷無く不安定な足を払い引き倒す!
『な、にぃ!?』
「さぁさぁ、ディアボロスのお出ましよ!」
ニッと笑ったリーシャが炎のような翼を羽搏かせて転がり込んだ軍勢の中から跳び上がれば、オークたちに奔ったのは更なる恐慌。
もとよりディアボロスに追われながら来た敗走軍。咄嗟に構えようとするオークファランクス兵の頬を、赤々と燃え上がる炎が舐めた。
『ディ――ッッ!!!!』
「吹き飛べぇっっ!!!」
ディアボロスが――そう叫ぼうとした喉は焼かれた。
リーシャの細腕から振るわれるとは夢にも思えぬ力が、炎纏わせた翠焔・創像:フレアグレイブで放つPD―翠焔・創像:ウォーストライク―の力を以て絶叫しかけたオークごと薙ぎ払う!
『 !!!』
「それっ……!」
悲鳴さえ焼き払う一撃は、正に蹂躙。
問答無用。慈悲の欠片も無いリーシャの攻撃はまだ終わらない!
薙ぎ払う遠心力を殺さず跳び上がるように宙で一回転、叩き下ろす一撃でオークの一体を屠り挑発的に微笑んだ。
「アンタたち、今まで“蹂躙戦団”なんて名乗っていたのよね? でももうその名も折れたようね」
『小癪っ、ギャアアアア!!』
悪態をつくほどの思考を焼く。
その発想ごと、存在を無きものに。
吹き飛ばし次々と消し炭にする中、抵抗するように叫びながらメチャクチャに繰り出される槍をリーシャは弾き往なすうち、横合いから叫ぶ一体がリーシャへ迫る!
『ウォオオオオオ!!!』
「アタシに正面切って挑むのね? いいわ、かかってきなさいよ!」
スパイク伸ばした盾へ鋭くフレアグレイブを打ち下ろせば、ガァン!とぶつかりあう盾と刃の狭間に火花が散った。
「――今度はアタシたちが、アンタたちを“蹂躙”してぶっ飛ばしてあげる!」
畏れよ、赤き炎を。
畏れよ、蹂躙されることを。
畏れよ、汝原初たる炎を。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【士気高揚】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
クロエ・アルニティコス
一番の親友のエイレーネ(g08936)をディフェンスし、ともに戦います。
今に始まったことではありません。ですが。
亜人風情が伝承に謳われし魔女にして女神の名を騙る傲慢、不遜に過ぎる。
オークファランクス兵と渾然一体となって魔女キルケーと護衛に接近、クリスマスローズの種を手に【ヒュドラ・ヘレボルス】を使用、ヒュドラを象った怪物を作りだします。
ヒュドラの毒の吐息で不死隊に対して攻撃。ヒュドラの毒、呼吸をしない程度で防げはしません――焼け落ちなさい。
敵の放つ瘴気が充満する前に倒す、また敗走する蹂躙戦団を回収して逃げを打たれないために、可能な限りの早期撃破を狙いエイレーネとは標的を合わせて連続で攻撃を仕掛けます。
また、エイレーネを狙う攻撃をディフェンス、【反撃アップ】で逆に敵に痛打を与えましょう。
こちらを狙う攻撃は三相の杖で防御を。
冥府の女神にして魔術の女神ヘカテーよ、あなたを信じる者に目を掛けて頂けるなら、どうか今日この日だけは、この身をその憤りと神罰の――ネメシスの代行者たらんことを!
エイレーネ・エピケフィシア
無二の戦友クロエ様(g08917)をディフェンスし共闘
真なる魔女キルケーは、わたしにとっても重要な存在です
敬愛して止まない英雄オデュッセウス様と深く関わり、故郷への帰路に助言を与えてくれたのですから
……かの浅ましい僭称者への道を、一刻も早く切り開きましょう!
逃走するオークどもに押し流されないよう、≪神護の輝盾≫を構えて進み、己とクロエ様を護ります
攻撃時は共に同じ個体に狙いを定め、確実に数を減らしましょう
『精霊たちの召喚』を発動し、人間大の蛇と梟を召喚
蛇には敵の足下で暴れ、脛を毒牙で傷つけたり、体に巻き付いて締め上げるよう命令します
一方で梟は頭上から首を蹴り折ったり、離れた敵には眼からの破壊光線を放つように操作
ただし集中攻撃に注意し、梟には混戦中の誰からも見える高度は取らせず、頭の高さを僅かに超える程度に留めます
天地からの挟撃、更にクロエ様との連続攻撃で、息もつかせず敵を処理しましょう!
数を減らすことで一斉攻撃の勢いを殺した上で
敵の剣は盾で横殴りに弾いたり、槍で払うことで威力を抑えましょう
悲鳴。
怒号。
そして戦いは徐々に苛烈になってゆく。
●鮮やかなれ
「――クロエ様、伏せて!」
「エイレーネ、右へ!」
クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)に背後から飛び掛かった不死隊の刃をエイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)の握る槍の穂先が逸らすと同時に腕を切りつけ、エイレーネの右から飛び掛かった不死隊をクロエの握る魔杖が鋭く殴り飛ばす。
視線を交わし背中合わせに立つ二人は、苛烈な戦いの中にあった。
オークファランクス兵はその図体に見合わず、追手のディアボロスに悲鳴を上げ、さらに追随したディアボロスによって数を減らし始めていたが、幸いにもまだ今回の作戦の本命 キルケーは退く気はないらしい。
「(真なる魔女、キルケーの名を騙る者……)」
英雄 オデュッセウスを敬愛するエイレーネにとって、彼の英雄の帰路に助言を与えた存在。例え後にどんな困難があったとしても一人の英雄を救う一片となった真なる魔女なのだ。
それを翼持つ亜人の女が騙るなど、烏滸がましい! とエイレーネは瞳に純粋な怒りを宿し、構えた愛槍を揮う。
「クロエ様、かの浅ましい僭称者への道を一刻も早く切り開きましょう!」
「勿論。亜人風情が伝承に謳われし魔女にして女神の名を騙る傲慢、不遜に過ぎる」
飛び掛かる不死隊に隙が無いのは承知の上で、徐々に二人の身を蝕む黒き風が厄介なことは、クロエも分かっている。
「(冥府の女神にして魔術の女神ヘカテーよ、あなたを信じる者に目を掛けて頂けるなら……)」
“怨敵の尖兵を滅す最良の瞬間”まであと少し――……オークファランクス兵の影に紛れ戦う混戦の状況で不死隊を引き付けるように支え合い戦う二人は常に合図をし、隙の無い連携を続けていた。
クロノヴェーダが偉人もしくは神の名を騙ることは今に始まったことではなく、それに怒りを煽られるのはクロエもエイレーネも承知の上。
「(どうか今日この日だけは、)」
『つよきもの』
「っ!」
ほんの一瞬の隙を突いて眼前へ迫る刃をクロエがギリギリ仰け反って躱せば、白い頬に薄く赤い線が一つ走る。
「クロエ様!」
「エイレーネ、気にしないでください!」
視線で合図し、他のディアボロスに追い立てられるオークファランクス兵の影から飛び出した二人を、キルケーの護衛たる不死隊は注視していたらしい。
なるほど相手も一筋縄ではいかないかと笑いさえこみ上げそうになりながら頬拭ったクロエは、あえて微笑んだ。
「あなた方がバラバラに動かなかったことを、僥倖とすべきでしょうか。それとも不幸というべきでしょうか」
『……つよきもの、貴様はここで死ぬ』
クロエを見据えどこか薄ら笑いを浮かべる不死隊の放つ風こそ、ディアボロスの天敵めいた瘴気。
だがその風に重なるように、いつの間にかどろりと肺から侵すような甘い甘い薫香が場を侵食していた。
「この身は今日この日だけ、女神ヘカテー様の憤りと神罰の――ネメシスの代行者たらんことを!」
『――!』
死は甘いと、聞いたことはあるだろうか。
“退け”――その言葉を不死隊が発すより早く、クロエの背後から飛び出すように不死隊を甘き毒煙へ殴り飛ばしたエイレーネが囁く。
「逃がすわけがないでしょう」
『ガ、ァ゛……!!』
鋭いエイレーネのシールドバッシュがクロエの毒に藻掻く不死隊を更に殴り飛ばし、のたうつその身を精霊の大蛇が吞んだ。
「綺麗に咲けましたね、ヘレボルス」
PD―ヒュドラ・ヘレボルス―!
PD―精霊たちの召喚―!
「それでは狩りを始めましょう。一人も残さず締め上げ刈り取りなさい――!」
毒々しいほど美しく咲く薔薇は注がれた憎悪に応えるように芽吹き蕾を綻ばせて咲き誇った姿は正に毒そのもの。
呼気一つで甘く命を爛れさせ、息をした者から順にどろりと融かし喰い潰す。
重ねるように展開されたエイレーネの精霊たちは素早く不死隊を捉え鋭利な爪牙で不死隊を強襲し、容赦なく瓦解させてゆく。
二人を止めようと迫る不死隊を空翔けるエイレーネの精霊が素早く伝達し、その情報は即座にエイレーネがクロエへ伝達し間断無き攻撃を展開させていた。
しかし、猛然と黒い影が迫る。
狂戦士化したその一団が、刃振り上げ放たんとした渾身の一撃に――エイレーネは決して目を逸らさなかった。
『ぁぁあああああああああああ!!!』
「見えていますよ」
エイレーネの喚んだ精霊 梟の眼から放たれるビームのような光線がその身を焼き落し、死角から大蛇が荒ぶるその身を一息に呑み下し、場にあるのはエイレーネとクロエの呼吸と未だ入り乱れる戦場。
「エイレーネ、もう少し魔女の防御は厚そうですね」
「えぇ、畳みかけに参りましょう……!」
甘き毒香と猛き羽音が、次なる戦いへと爪先を向ける。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【壁歩き】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!
ハーリス・アルアビド
キルケーを捉えるには護衛が邪魔になりますね。この混戦状態ではオークを巻き添えにしてしまうかもしれません。少々強引ですが、確実な方法をとりましょう。
大地の神ゲブよ、再びお力添えを。異郷の地であれど大地はゲブそのもの。
この地にある限り、逃れることなどできません。
【ゲブへの請願】による【衝撃波】で敵群を分断します。これで護衛部隊のみでなく、オークの群れも分断し巻き添えにする数も減るでしょう。
分断と同時に巻き起こる砂塵を【砂使い】でより巧みに操り、上空にいるであろうキルケーに的確な戦況を判断しにくいようにします。
またこの砂塵と混戦の中では足元を注意深く確認する事も難しいでしょう。【残像】を生む速度で駆けて敵の狙いを【撹乱】し、【泥濘の地】に誘い込みます。
死を恐れず不死を名乗ろうとも冥界への誘いに抗う術などありません。泥濘に足を取られた敵を優先的に狙い、ゲブの御手で冥界へと送りましょう。
徐々に戦況は変わってゆく。
ただ覆されないのはディアボロス側が盤面を動かしている、という事実のみ。
●死なず“ ”捧ぐ
冷静な目で戦場の把握に努めるハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)の目に映るのは二種類の同胞。
一つは器用にオークの陰に隠れながら不死隊を引き寄せオークを避け戦う同胞の姿。もう一つは意図してオークを追い立てる同胞の姿。
「(キルケーを捉えるには、まだ護衛が邪魔になりますね。この混戦状態のままでは……)」
まず敗走軍というだけで疲弊し、更にハーリス含むディアボロスに追い立てられたことで混乱を深めたオークファランクス兵は、冷静さを取り戻せる隙が無い。
「……少々強引ですが、確実な方法を取りましょう」
ハーリスは勿論ディアボロスの狙いはキルケーの首、ただ一つ。
『……おぉぁぁああああああああああああ!』
『つよきものよ、つよきものつよきものつよきものよ!!!』
鋭い踏み込みで迫るく狂った不死隊の刃を掠める程度で済ませたハーリスは飛び退きながら地へ触れるたび、短く短く祈りの言葉を紡いでゆく。
「――大地の神、ゲブよ」
『ぁぁああああああああああああああ!!』
『ころす』
いくら狂おうと不死隊の死を恐れぬ戦い方は、ある意味並の兵士やゴロつきとも異なる。
捨て身ではないが“いのちのあつかいかた”が違う戦いは、時に捨て身よりも恐ろしくしつこいものだ。
首を掠めた不死隊の刃の切っ先がハーリスの血を掬い、咄嗟に掌底で往なしたはずがハーリスの手の甲にはひっかいたような傷が一筋。
小傷増やそうと敢えて逃れ他のディアボロス同様に引き付けながら僅かにハーリスが退けば、当然の如く不死隊は追い縋ってなお踏み込んでくる。
「っ、異郷の地であれどこの地は大地なり」
それでもハーリスが思い浮かべるは、自身が祈るべき大地神の姿のみ。
請い願う真摯な想いを、神は聞き届ける。
「大地の神ゲブに請い願う――!」
PD―ゲブへの請願―!
『『!?』』
「あなた方はこの地の本当の“幻”を見たことはないでしょう」
熱と舞い上げられた砂光の屈折などで生れる蜃気楼の如き幻影のハーリスを切った不死隊が慄き足を止めた一瞬、その身は地に食まれ呑まれてゆく。
悲鳴も。怒号も。何もかもを平しく喰らう昏き口へ、ハーリスは時に衝撃波でオークと不死隊を選別し捧いでゆく。
『グッ!』
『おのれ……!』
悲鳴ごと、砂塵の幻たる蜃気楼を纏い滑るように駆け抜けながら。
「ゲブの御手で冥界へ行けることを栄誉と思うべきでしょう。本当の死を、知れるのですから」
あるべき姿へ還るがいい、“ ”よ。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【泥濘の地】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
ゼキ・レヴニ
やっと親玉のお出ましか
丁寧な虱潰しの甲斐もあったってもんだ
逃げ惑う上等な餌も、頼もしい役者も揃ってる
この機会、無駄にする訳にゃいかねえな
キルケー隊が捕捉できるまでは地形を利用*し
高所の岩陰なりに潜んで望遠鏡で偵察するぜ
捕捉次第【パラドクス通信】で位置を味方に伝え
奴らが蹂躙戦団の方に十分引き付けられた所で、後方からの奇襲を狙う
直接お出迎えご苦労さん!
だがちょいと勿体ぶり過ぎたな、んな調子じゃ残飯にもありつけねえぜ
金属塊『躯』を弓に変じ、キルケーに近い護衛を射る
親玉が狙われたと思わせられりゃ、奴らもこっちを優先せざるを得ねえだろ
退路を断ちつつ後方にも釘付けにして、蹂躙戦団との完全合流を阻止しつつ
蹂躙戦団方向から攻撃する味方と挟む形で、敵の隊列を乱れさせたい
初手以降は撃破できそうな敵を優先するぜ
こいつら仲間の死体を…胸糞悪い
感情も読めねえ、機械じみてやがる
【泥濘の地】で突撃してくる死骸の足を鈍らせ時間稼ぎ*
ダッシュ*で躱しながら術者を狙って雷の矢を射る
追いつかせるかよ、お前らなんかに
*=技能
◎
ジズ・ユルドゥルム
◎
おやおや、元気な叫び声だな。亜人の魔女はよっぽどお怒りのようだ。
オーク達は…撒き餌にされていると分かった上でか知らないが、
死に物狂いで走っているな。
疲れ果てて死なれては敵わん。早々にキルケーへ槍を届かせよう。
「人鷹一体・嵐」を起動
後方から奇襲する仲間と、回収部隊を挟撃できる位置を取る。
仲間が作り出してくれた混乱状態を利用し
土埃に紛れ回収部隊と交戦可能な距離まで接近。
我々と戦わざるを得ない状況を作り出したい。
不死隊へは、パラドクスで腕を鉤爪に変化させ、炎を纏った斬撃で攻撃
周囲に炎の壁を作り出し、敵の連携も阻止したいが…
敵は相当冷静に見える
連携が乱れずとも、炎の突破を強いて熱傷を負わせられれば御の字だな
反撃の瘴気は、突風を起こして少しでも散らせたい
自分の身体に影響が出ても心を落ち着け、敵の攻撃は鉤爪で受け止めよう
この感覚は…血が流れ出るのに似ている
…落ち着け。実際に流れた血は僅かだ
大丈夫。まだ動ける。まだ戦える
死ぬことに関しては貴様らよりも二回分ほど先輩なんだ
自慢できることじゃあないがな
戦場はディアボロスに掌握されてゆく。
数ではない、戦力が入り乱れすぎていることは大きな要因だろう。
使いこなせれば切れる刃も、正しく使わなければ鈍らだ。
●“先”へ
「おやおや、元気な叫び声だな。ゼキ、亜人の魔女はよっぽどお怒りのようだ」
「丁度いいじゃねえか、やっと親玉のお出ましだ。おれたちの丁寧な虱潰しの甲斐もあったってもんだ」
ニッとわらったジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)とゼキ・レヴニ(Debaser・g04279)が拳をぶつけ散開した瞬間、殺到した不死隊の刃が地につき立った。
足音無く迫っていた不死隊を躱せたのは僥倖だと内心ゼキは舌を巻く。
たしかに暗殺者というものは総じて存在を示すもの、足音も呼気もそれこそ指紋は勿論“存在証明”を持たない者が多い。
まして不死隊は死んだ者――いっそゼキは生きた記録さえないのではないかと思う程。
だが今はどうでもいいことかと思考を頭の隅へ置いやって、ゼキは咄嗟に鋼の腕で斬撃に斬撃を返し往なす。
「随分なご挨拶だ。出迎えご苦労さんとでも言われてえのか?」
『……』
「ったく返事もできねえ木偶だ、って!?」
『……ころす』
「――上等!」
斬り合えば本来の用途ではない腕はいつか斬り飛ばされる。危惧した通り巧みな刃をどうにか切り抜けながら“接敵した。こいつだけは撒けなさそうだ”とゼキがパラドクス通信へ呟いた瞬間、突如吹いた風が荒々しくも巻きあげたのは砂塵。
友の手で稼がれた一瞬に紛れたゼキが素早く転がり込んだのは、偶然にもあった崩れかけの岩場だ。
あっただけマシだと思いながら、ゼキは息つく暇も無く矢を番えわらっていた。何故なら
、この一矢は“最速のルート”を読み取る一人の伝令兵から学んだ一矢。
「(銃弾より暗殺者よりも早ええもんが世の中にはあるんだよ!)」
PD―電の矢文―!
『――!』
不死隊の喉を射止めた電の一矢は、何者にも軌道を読ませず強かにゼキという狙撃手を見咎めた者を撃ち落とす!
「……さあて始めようじゃねえか、逃がしゃしないぜ」
望遠鏡越しに除いた動く的は、次々と射抜かれる運命にあるのだから。
「(オークが撒き餌なのか、それとも本当に迎えにきたやら……怪しいものだ。だが、)」
死なれては作戦に支障が出る。
そう理解したうえで体制を整えようとゼキと別れた瞬間、立っていた場所につき立った刃にジズは反射的に振り返り、耳を打ったゼキのパラドクス通信を支援するように風で巻き起こした目潰し代わりの砂塵。
「厄介だな、お前たち……!」
『……ディアボロス。抗う者。……つよいか?』
撒いたと思った不死隊の声は冷静だが殺気塗れすぎた様に、ジズは溜息を一つ。
この問答に意味は無く、ギラギラした殺意を瞳の奥に押し込めた死体に興味はない。だが踏み込み過ぎない不死隊の嫌な冷静さには顔を顰めざるを得ない。
「(こいつら、戦ってはいるが行動範囲を決めている……?)」
時に迫る刃を戦斧で往なしながら、ジズもまた冷静な目で不死隊を観察し気付けたのは不死隊が“キルケーを守る”行動をしていること。
「(離しきれない、か。なら――!)」
『……!』
音も無く放たれる瘴気をいくら風で巻き上げようと、重い瘴気は容赦なくジズに絡みつき“ディアボロスだからこそ湧き上がる復讐心”を糧に命ごとジズを蝕んでゆく。
「(痛いなんてすっかり忘れたものだと思っていたんだが、)」
「――馬鹿言うなよ。そんなもんで止まってる時間じゃねえからな今は」
死体でも重くなるのかと皮肉に苦笑いをしたジズの真横を、眩いほどの電が駆け抜けぴったりとジズの背後を追っていた不死隊を射落とし、矢文の如き友の言葉が意識を鮮明にする。
「……まったく、もっと丁寧に明るく言えないのか」
“ちょっとしたウォーミングアップだっただけだ”とジズが笑えば、“エンジンは温まったかよ”と尋ねるゼキの声。
背を守ってくれる確かな友の目が後ろにあるのならば、ジズが成すべきは前線で的を引き付けること!
――復讐心がガソリンのようなジズにとって、それを抜かれることはもうとっくに冷えたはずの血を抜かれるのに似ていた。
なんとも不愉快で余計に芽生えた憎たらしさを糧に、纏った美しき翼と羽が不死隊の黒煙と無作為な刃を退け、泳ぐように飛び上がり即座に飛び込んだ不死隊の裡。
地を飛ぶように翔けるジズの足を、風孕む羽が加速させる!
PD―人鷹一体・嵐―!
「たった一回死んだくらいで不死者面するのはやめろ。生憎私は、貴様等よりも二回分ほど多く死んだ経験があるんでな」
“先輩と呼べ”――その声を聞くことなく、捥がれた不死隊の頭が燃えたまま宙を舞い灰さえ砂塵に塗れて残らない。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV4になった!
靫負・四葉
◎
ははっ。
よほど手勢が不足していると見えます、敗残兵を拾うために将自らお出ましとは。
しかしこのオーク共を得ても質は見ての通り。
今の護衛が壊滅すれば差し引きで損になりそうなモノですが。
よもや、将たる者が頭数だけを見ていらっしゃる?
頭に血が昇っているらしいキルケーを少し煽ってみつつ、これ見よがしに標的を不死隊に切り替えましょう。
しかし、味方の骸を武器にしますか。
……思うところが無いでは無いですが、今は置きましょう。自分に、言う資格があるとも思えません。
そちらが骸人形で手数を補うならばこちらは影法師で補いましょう。
……動かせない程度に欠損させておければ操る骸も無くなりそうなものですが……そこまでの余裕は、与えては貰えないでしょうね。
敗残兵と違い、士気の高い部隊。同時に複数と戦うことはなるべく避けたいですね。
未だ混戦の最中であれば、オーク共をうまく遮蔽に、或いは敵部隊の分断や撹乱に利用できるとありがたいのですが。
というか害しかないのですから、その程度には役に立っていただきたいものです。
オズワルド・ヴァレンティ
遂に魔女キルケーを直接討ち取る機会、
決戦に引きずり込む可能性を得たのだな
撤退阻止の作戦は既に向かった仲間たちへ任せて
先ずは取り巻きの護衛を速やかに片付けるため
僕も魔術に携わる者として尽力しよう
悪しきは断ち切るべきもので
手にした鉱石を漆黒の剣に換えて
此の地で企みを阻止する為にも
戦場を共にする仲間のディアボロス達とも
信を置いて全力で挑むように
戦況全体の把握に務めて
敵の残数や動きなどの情報を共有
声掛け等で仲間との連携を図り
孤立と死角を防ぐよう立ち回る
【泥濘の地】も利用できれば移動速度の低下を狙い
体力の低い敵兵から攻撃の手を集中
各個撃破を心掛ける
自己催眠による狂戦士化と云われていたか
痛みも死も恐れぬのは実にいいな
目前で邪魔立てするものを
破壊し尽くして仕舞えばいい
…なんて、僕には到底選べぬ手段だな
黒鍵は未来へと続いていく道を斬り開く為に
脆く飛び散る欠片のひとつさえ
可能性というものを逃しはしない
◎
不死隊と激突するディアボロスは確実に追い詰めている。
敗走軍捕捉から追走し観測し実戦で収集したデータは勿論のこと、他の敗走軍撃破の記録及びデータの閲覧による情報も収集し蓄積による分析も行ってきた。
「(現状、我々は予定通りに事が進んでいる)」
だが厄介なのは既に起き上がり始めている“死んだはずの不死隊が起き上がっている”というパラドクスの脅威だ。
●繋いだ先へ
「まさか敗残兵を拾うために将自らお出ましとは……決して、敗残兵の質は良いと言えないというのに」
煽るような言葉は、おそらくキルケーまでは届き切らないだろう。
剣戟の音高く敵味方入り乱れる戦場では致し方なき事だが――キルケーを見据えた靫負・四葉(双爪・g09880)を見つめる昏き視線だけはあった。
「(しかし、よほど手勢が不足していると見えます。だが……っ!)」
『でぃあ ろ、す』
四葉に突如組み付いたそれは“死んだはずの不死隊”。首を切られたらしいそれは落ちそうな首をぶら下げ、虚ろな瞳で譫言のように繰り返す。
「――っ! 将が引き連れる護衛、その名の意味ということですか」
『でぃ ぼ、ろすっ……!』
舌足らずな声で“ディアボロス”と繰り返す本当の死に損ないは次々起き上がり、そしてケタケタと笑う中には首無しさえいる始末。
組み付き四葉の首を絞め落さんとする不死隊を殴り飛ばせば、圧し折れた足を引き摺ってなお起き上がり、一気に四葉へと攻め寄せる!
――これを、憐れだと言えればよかった。
悍ましいことをすると、言葉にしてしまえればよかった。
だが記憶が言葉を閊えさせ、ぐっと四葉に呑み込ませる。どれもこれもが“戦場”の二文字で片付けるには余りに惨い。
「……自分たちはあなたたちを倒します。そのためにここに来たのです」
首魁へ繋がる一端 魔女キルケーを撃ち落とす階を紡ぐために!
今は自身が目の前の光景に言葉を向ける資格無しと断じた四葉は“役目”を全うせんと地を蹴った。
一つは二つに、二つは三つへ増え別れその身は変じる術こそPD―魔影分身術―!
「っ、ぐっ!」
『でぃあ ろ、す』
『……』
『つよきものころす』
『ころせころせころせ』
只管に殴り裂き、時に蹴り飛ばされ受け身を取りながら四葉を追い詰めるように迫るナイフを避け、跳ね起きざまに迫る不死隊を蹴り上げる!
本体分身問わず迫る凶刃を力で跳ね除け、分身が減れば生む四葉と並行して不死隊もまた“死ねば起こす”。
「――ハッ、ハ、ハァッ……!」
『ころす』
泥仕合だろうか。
息の詰まるような攻防の合間、間一髪で首逸らし蹴りを叩き込み四葉が押し返したのはサイバーグラスごと目を狙った一撃。
背に冷や汗を滑らせながらも襤褸の体で起き上がってくる不死隊に歯を噛んだ時、
「出来るものなら! 自分は、退く気などありません!!」
「そうだな。僕たちは取りに来た。お前たちの企ても、主の首も……全て、だ」
『 』
袖すり合う程度でも知った顔。軽く手の内を知る者同士、四葉とオズワルド・ヴァレンティ(砂塵の・g06743)は不死隊の凶刃を弾き往なしながら目と耳で確かめた情報共有する。
既に作戦自体は道中で共有済みで、今回途中同流した中には知った顔もおり僅かばかり手を貸し貸されて今やとうとう最後の一手――!
「――既に不死隊の8割は撃破され、“これ”をみて更なる破壊と黄泉帰りの阻止にも移行されている。ここを突破すれば問題はないだろう」
「了解です。自分も“破壊”に移行します。では――」
“武運を”
戦いの最中、小傷など当然だ。
必要なのは致命傷を避ける能力と、庇う仲間がいるかどうか。そして、救われることを当然とも忌避も思わないこと。
戦いとは数でも、能力の有利不利だけでも、力の強さだけでも、情報量でも決まらない。
――必要なのは、全てだ。
「(最適解と、復讐心。そして諦める気はないと僕らは構えているが、今この場に“得たいもの”があるだけでキルケーは不利だったんだな)」
『ぁっぁぁああああああああああっっっ』
冷静な目で戦場見渡すオズワルドは、差す陽光に煌めいた黒を握り振るう。
「あぁ、狂戦士化はすでに見た」
それは魔力込められた黒曜石。オズワルドの魔力が込められた瞬間、風の魔力で研ぎ澄まされたそれは刃になる! PD―黒鍵―!
「切断部位の再連結は無く、切断部位のみを動かす魔術的ギミックはなく、ただ“人型”としてあるだけで発動するなら――破壊し尽くして仕舞えばいい」
……――それでも“元は”人だ。
その器には持ち主がいた過去と、日常があったはず。
「痛みも死さえも恐れぬ自己催眠……僕には、到底選べない手段だな」
それでも未来を守る可能性を選び取るためにオズワルドは黒鍵を揮い、乾いた大地を踏みしめ大爪揮う四葉は起き上がろうとする不死隊を再殺する。
全ては、人々を守る未来と奪われた過去を取り戻すために!
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【壁歩き】がLV2になった!
【神速反応】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV5になった!
●
風が吹いている。
頬に打ち付ける砂塵が、痛いと感じる程の風が。
『お前たち、急いであのお方の駒を回収するんだよ!』
苛立った羽音。
常に檄を飛ばし続ける声。
『にげろ!』
『どこへ!』
憐れみさえ感じる足掻き。
在るはずが見えぬ活路に、この場に立つ亜人の誰もが足掻いていた。
『~~~~沈まれ! アタシが――』
指示を飛ばし、攻め寄せるディアボロスを阻害するよう魔女 キルケーが指示を出していたはずの不死隊は、全て真の骸へと帰し誰もキルケーの言葉に応えない。
ただ声亡き風が吹いて、初めてキルケーは気が付いた。
――今聞こえる足音は、惑うオークと苛烈なディアボロスのものだけだと。
元より不死隊は役目柄足音が少ない。ゆえに、気づきにくかった……は、この戦場においてあまりに稚拙な言い訳だろう。
キルケーはディアボロスから即時オークファランクス兵を奪還し、少ない数だとしても持ち帰れれば良かったのだから。
風が、吹いている。
最初に吹いた方向とは真逆に、風が吹いている。
戦場において至近まで接敵し敵味方入り乱れる混乱の中、真っ直ぐな伝令は早々に通らない。
通ったとて、敗残兵たるオークファランクス兵に指示正確に理解せよと求めるのはあまりに酷だった。
迫る刃は、もう魔女 キルケーを騙った亜人の喉元へ添えられている。
『(こいつら……!)』
出し抜かれたと反転するには、あまりに遅すぎた。
クロエ・アルニティコス
◎
一番の親友のエイレーネ(g08936)をディフェンスし、ともに戦います。
もはやお前を守る者は居ません。
忠義だけは大したものですが、その傲慢と不遜は赦せるものではありません。
魔女キルケーの名を騙る亜人。偉大なる先達と女神に代わり……お前を殺します。
女神ヘカテーへと祈りを捧げ、【三界巡る冥府の火】を使用。「三相の杖」へと冥府の炎を灯します。
遠距離より冥府の炎を放ち、エイレーネと互いの攻撃の隙を埋め、攻撃を受けた敵へ畳みかけるようにして攻撃。苛烈に攻め立てましょう。
悍ましい光景と耳障りな叫び声に精神を蝕まれようと、魔女の矜持と――共に戦う親友に相応しい自分でありたい、その決意で立ち続けます。
エイレーネの攻撃で敵が空中より落下したり、体勢を崩したりし、敵の注目がエイレーネへといったところで私も接近、冥府の炎を灯した三相の杖で敵を殴りつけ、冥府の炎で焼き尽くします。
神話に語られる魔女にして、女神ヘカテーを奉ずる偉大なる先達。その名を騙り穢す不遜、万死に値します。
奈落へと墜ちなさい!
エイレーネ・エピケフィシア
◎
無二の戦友クロエ様(g08917)をディフェンスし共闘
かつて女神アテーナー様の寵篤き英雄は、魔女の力を借り受けて道を拓きました
時を越えて、その恩義に報いるため……
アテーナー様にお仕えするこの身が、魔女の進むべき道を照らします
――共に参りましょう、クロエ様!
黄金の鎧纏うネメシス形態となりクロエ様を全力で補助
敗色濃厚を悟った敵が離脱を試みる場合は【防衛ライン】で退路を封鎖
迂回は可能ですがその隙を突いて仕留めましょう
素早く飛び回る敵を狙い撃つため『流星が如く燃え立つ投槍』を使用
≪神護の長槍≫を投擲し、敵に槍を深々と突き刺しましょう
槍に備わった自動的に手元に戻る加護は、続けて仲間が攻撃できる状況なら敢えて使わず、刺さったままにします
槍の重みが敵の身体感覚を狂わせ飛行を阻害する間に、決定打を入れられるように
――今こそ決着を!
獣達は≪神護の輝盾≫を振るい爪牙を払うか突き飛ばして、殺さず耐え凌ぎます
罪なき者に刃を向けて、戦友の勝利を汚すことはしません
耐えきれなくなる前に必ず勝つと、信じていますもの!
ジズ・ユルドゥルム
【轍炉】
ようやく槍が届く距離まで引っ張り出したか
任せろ。気合と根性は得意だとも
とはいえお互い無茶は程々…いや、首の皮一枚残しておく程度にな
混乱状態のオーク達を活用し
奴らと砂埃を遮蔽にしてキルケーとの間合いを詰める
間合いを詰めながら「砂嵐・骨断」を起動
砂と風を手に集め、攻撃を仕掛ける瞬間まで力を凝縮し続ける
奴を確実に討つべく【ダメージアップ】も利用し、威力を少しでも高めよう
【パラドクス通信】で連携を取り、ゼキとともにキルケーを挟撃する位置を狙いつつ
力が高まり切ったところで、吹き荒ぶ追い風を呼び疾走
圧縮した力を解放し、炸裂する砂の槍を、
杭打ち機の如く叩き込む。
反撃は…くそ、精神攻撃か
躱そうとして失敗すれば更に心が弱りかねない。
防御や回避より、反撃後に素早く精神を立て直すことに全神経を尖らせる。
凄惨な光景が見えたとしても、通信越しの仲間の声に耳をすませ、
蝕む声を跳ね除けてやる
ははっ。「丁度」ということにしておこうか
ゼキの【ガードアップ】を受けながら、互いに攻守を補い、キルケーに追撃を与えよう
◎
リーシャ・アデル
・心情
おっと、気づかれたかしら?
まぁ、だからといって逃がすつもりもないんだけどね!!
ここでぶちのめしてやるわ!!
・戦闘
残留効果の≪飛翔≫で【空中戦】に持ち込んでキルケーがこの戦闘区域から逃れないようにしつつ、パラドクス『翠焔・創像:ブレイジングジャベリン』で攻撃するわ
≪パラドクス通信≫で他の面々とも連携して、確実にここでキルケーを仕留めるように動いていくわ
・その他
アドリブ等は大歓迎よ
ゼキ・レヴニ
【轍炉】
この好機、モノにしねえとな
気合入れて行こうぜ、ジズ
【パラドクス通信】で仲間と連携をとりつつ
狙撃ポイントから砂煙や地形を利用*しキルケーに接近
ジズが敵陣から飛び出すのに合わせて
『躯』を大盾に変じ【飛翔】の速度で別方向から挟撃
キルケーを吹っ飛ばす*勢いで盾ごと体当たりし精神攻撃を妨害する
前に言ったろ、おれは遅刻しねえって!
骨を断つのはいいが、断たせはしねえぜ
キルケーが飛ぶなら飛翔で追い空中戦*を仕掛ける
あんな立派な翼は無えが、こっちにゃ血反吐吐いてもここで奴を堕とす覚悟があんだよ
上を取れたなら、盾の重量で上から味方の居る方向に叩き落とす
「逃げ場は無い」って今迄散々学んだろ
脱走兵が言う事でもねえけどよ
異型の獣は【泥濘の地】や【トラップ生成】の虎挟みで足を取らせ時間稼ぎ*
盾を展開し「ガードアップ」で守りを重ね爪や牙を防ぎつつ
「ダメージアップ」で増した勢いで猛進し、獣を突き飛ばしながらキルケーを狙う
鋭い槍にゃでけえ盾、両方揃えば最強だろ?
ジズと攻守を補い合い敵に隙を見せずに戦うぜ
*=技能
◎
オズワルド・ヴァレンティ
魔女キルケーを名乗る亜人か、
報告により何度か名を耳にしていたが
御初に御目に掛かる
七曜の戦い後の生まれとの事だったが
実力の程は如何なるものだろうか
風塵を操る魔術師の身としても
観測のし甲斐がありそうだな
風向きは何方に吹くものか
移動は【飛翔】によって高度と速度を保ち
攻撃手段は紅星による遠距離からの熱線、
自身は*空中戦と携えた剣での防衛に徹し
変貌した頭部による反撃の対策を極力試みる
戦況全体の把握に務めて
敵の動きの癖など情報を共有
通信や声掛けで仲間との連携を図る
孤立と死角を防ぐよう立ち回り
飛翔状態の優位性も確認できれば
防御に於いては仲間のフォローにも回る
戦場を共にするディアボロス達とも
信を置いて全力で挑むとしよう
他の重い一撃が乗るのであれば
紅星でも追撃を図り攻撃の手を集中させる
異形の獣たちも、混沌の祈りも
後方に控える者らしい魔術で
さすがは魔女を騙るモノ…と言ったところだな
高みの見物を望むのであれば
手足役を失った時点で気付くべきであった
お前の謀は疾うに地へ堕ちていたのだと
此処で終いだ
◎
御守・樹
アドリブ連携歓迎
あれがあのキルケ―の名をもつクロノヴェーダか…(ゲーマー、オタクのたしなみとしてギリシャ神話と日本(大和)神話は一応把握している程度の知識)
どんな戦い方するんだろ?楽しみだ。
やっぱりキュケオーンをすすめられんのかな?変化させた動物を使役すんのかな?
砂塵に、仲間に。その場にある物に紛れて気配を隠し身を隠し、隙を見て一息に近づいてアサシネイトキリングで攻撃を叩き込む。翼のどちらかを狙い、切り落とす。そこまでできなくとも片翼を使い物にできなくして思うように飛べないようにしてやる。
反撃にはもう一本のナイフで迎撃。
噛みつきモーションの最中にナイフを腕ごとぶち込んで喉や口腔内を中からずたずたに切り裂くつもり。
片翼プラス犬の頭部に変じた元部位も使えなくしてやるんだ。
向こうが一矢ならこっちは二矢でも三矢でもだ。
ハーリス・アルアビド
◎
七曜の戦の後に生まれたと聞きますが、ジェネラル級であれば新参などと油断できる理由にはなりません。死力を尽くし、このイタリアからクロノヴェーダを消し去ります。
豊穣の神にして軍神たるセベクよ、お力添えを。この地に平穏を取り戻すため、恐るべき牙をお授け下さい。
祈りを捧げ願うのは共に戦う仲間たちへの幸運。必ずやこの戦に勝利を。
【飛翔】し【空中戦】を挑みます。速度も力もあちらに利があるでしょう。仲間たちと連携を取り、キルケーを包囲しその利を潰します。
互いの攻撃を遮らないようにしながら飛翔速度と不規則な軌道によって生み出す【残像】で攻撃のタイミングと味方からの攻撃への予測を【撹乱】し、変異させられてしまった異形の獣をかわしましょう。
異形の獣がかわしきれぬのであればそれでもかまいません。【精神集中】を行い、異形の獣の体を遮蔽物にして【神速反応】でキルケーの死角から【捨て身の一撃】でセベク神の牙を放ちます。
靫負・四葉
◎
ジェネラルだけに相応の知性は備えているようですが、亜人は亜人、気は短く視野は狭い様子。
生まれからして経験も浅いのでしょう。こちらの狙いに上手く嵌ってくれました。
兵団規模のオークがいずれ生む被害と天秤にかけて得た好機。
ここで仕留めます。逃がしてなるものですか。
有用な残留効果は全て使います。
【パラドクス通信】で連携を密に。
必要なら【飛翔】も用いて、なるべく敵に全方位への警戒を強いるよう動きましょう。
鳥は鳥籠に囲うのがいい。
敵の意識が他の誰かに向いた瞬間を狙いましょう。
とはいえ敵はジェネラルで、今この場で最も弱いのは恐らく自分。
ただ素直に射ち込んでも容易く対処されるでしょう。
ならば。鉤爪での攻撃に対処させ、凌いだと思わせての零距離からの射出。
これに賭けましょう。幸い、念動力による射出は自分の体勢など関係ない。
しかし、敵の得手は心を苛む呪術ですか。――舐められたものです。
地獄なら既に数多見てきました。
一つ、二つ増えたところで、今更です。
そう、今更。今更こんなモノに屈するなど、許されない。
エヴァ・フルトクヴィスト
ここまで皆さんの頑張りがこの機会を作ってくれました。
絶対に無駄にはさせませんよ!
イスカンダルに併合されたイタリアの地を解放するためにも。
ここで魔女キルケー、貴女との決着を付けて先へと進ませて貰いますよ!
味方と通信でやり取りしながら連携して戦います。
敵の攻撃には浄化の魔力を内に巡らせて精神攻撃を攪乱しつつ、
混沌は結界術や神速反応や飛翔での残像も駆使して致命傷を避けてながら。
悍ましい光景と耳障りな叫び声、何度も何度も見てきました。
その度に思います、この光景を二度と繰り返してはならないと!
暗黒と混沌、ディアボロスにとっては日常ですよ?
死してなお、私達は理不尽を許せない魂で帰ってくるのですから!
精神を集中して放出される殺気を元に位置を掴んで、高速詠唱で魔術を編み発動。
撃滅陣で相手を逃がさない様にしながら攻撃。
もしくはわざと包囲網の一部に隙を見せて、連携の一部となる様に誘導しますよ。
元はと言えば七曜の戦でこの地まで手を伸ばせずに奪われたことから、生じた事態。
これ以上の蹂躙をさせる訳には行きません!
●Abbattere
混乱するオークファランクス兵の、上空。
苛立ったように羽搏く魔女 キルケーがいくら叱責しようと、混乱の収まる気配はなく、焦燥に駆られたキルケーの握る杖が軋む。
一方、混乱に戦慄く喧噪の中でありながらディアボロスの目にはキルケーまでの経路が一直線に見えた。
それはいわゆる“達人の一瞬”というものに近しいだろう。
常人ならば躊躇いかねない最適解を目にした瞬間、ディアボロスの誰も踏み出していた。
●vs絆繋ぎし焔の翼
キルケーの召喚した呪詛叫喚する闇の手を退け、リーシャ・アデル(絆紡ぎし焔の翼・g00625)足に力を籠め駆ける姿勢から低く飛び上がる。
「(アタシたちは止まらない)」
真っ直ぐな思いを胸にしながら油断なく、それでいて大胆に。
豪と燃えた炎の翼がリーシャの闘志に呼応すように鮮やかに燃え上がる!
炎の槍を突き立てる直前、他の猟兵を警戒していたキルケーが勢いよく振り向いたことに一瞬驚くも、リーシャは平然と笑って見せた。
「おっと、気づかれたかしら?」
『~~~っ、この!!!』
不敵に笑ってリーシャが振り抜いた奇襲の一撃を、ギリギリで足を振り抜き蹴とばし防いだキルケーが歯軋りしながら飛び上がる要領で放ったのは鋭い一蹴。
“危ないね”なんてまるで日常の延長のように笑って躱したリーシャが、躱した勢いでバク転し着地の勢いを殺さず飛び出す。
キルケーが嘲笑し織り成す闇の如き呪詛に足を取られそうになりながら、振り払うようにリーシャは疾駆する。
『アタシが、あのお方の計画を邪魔する者共を許すとでも思っているのか!!沈め!深淵へと沈むがいい!!』
「まさか。逆よ、アタシたちはあなたを逃がさない。堕ちるのはあなた、ってこと!」
転がるように飛び翔け、リーシャが手中に留めたのは猛き焔。
血より濃い赤から空より透き通った青へ、そして乾いた地には無き魔力籠った翡翠の焔を槍へと変じさせ――全力で擲つ!
PD―翠焔・創像:ブレイジングジャベリン―!
「ここであなたをぶちのめす!!」
決意宿した鮮烈な瞳と翠色の焔が一瞬キルケーの意識を奪い、悲鳴ごと翼に風穴を開け焼いた。
手酷い火傷から逃れたキルケーが、怒りのままに瞳をギラつかせ叫ぶ。
『は。アハハハハハ! あのお方の邪魔はさせない、なら――アタシがお前らの首を持ち帰ろう。しかし余興に興じる暇はない! 沈め!!』
「きゃっ!」
吹き上がる暗闇と混沌が迸り凄まじい勢いでリーシャの足を掴み引き摺り込もうとした時、素早く展開された重合霊符が壁を成し鎖を断つ!
「皆さんの頑張り、絶対に無駄にはさせません!」
『!』
瞠目したキルケーの視線が、エヴァ・フルトクヴィスト(星鏡のヴォルヴァ・g01561)の吊り上げた瞳がかち合った。
●vs星鏡のヴォルヴァ
闇に襲われたリーシャを救うため重合霊符を放ちキルケーの注意を引いたエヴァは、休まず詠唱をし続けながらギリギリで呪詛の手を躱す。
『おや、どうしたんだい? 随分手が遅いじゃないか!!』
「――っ!」
幾重も魔術陣を重ね組むこのパラドクスは、エヴァが師から引き継ぎ改良し続けている継承魔術。
術師として魔術の難点を察したキルケーが闇を畳みかける猛攻――しかし、エヴァは魔女を観察し続けていた。冷静に、魔女の一人として。
『――さぁ! さぁ、今度はお前だね? ククク、ディアボロスは好きだろう? “オトモダチ”の犠牲になるのが!!』
「あなたたちにはそう見えるのね。でも残念、あなたの方が一歩遅かったわ」
この逃避は今一時リーシェから引き離し、時間を稼ぐためであると同時に“魔法陣を起動し最適解で展開させる”ため。
エヴァが駆け回っていた歩みの全てに、意味がある――!
『強がりも大概にするんだね。沈め……この闇に沈め!』
「――これは我が師の得手とした秘術の一つ、私はこの秘術を以て貴女を斃す」
キルケーの操る闇の呪詛が唸りを上げエヴァを呑む直前、アヴァはリーシャが自身を呼ぶ声を聞こえた気がした。
袖すり合うのも他生の縁。その心配に微笑みで答えたエヴァは、紡ぎあげた陣を発動させる!
「これがあなたへの包囲網。撃滅の陣――受け継ぎ紡ぎ続ける私の魔術、とくと味わいなさい!」
PD―攻囲撃滅陣―!
重なり合う魔法陣が凄まじい速度で組み上げられ、迸る魔術式がキルケーの周囲で乱反射しその身を打つ!
『グ、ァァァアアアア!!! ぐ、おのれぇぇええええええ!!』
「(……やっぱり、来ましたね!)」
集中し詠唱し続け紡いだその術式に唯一エヴァが意図して作った穴から、転がるように飛び出て逃れたキルケーが吐いた血は鮮紅。
しかし、キルケーは吼える。
『まだだ。アタシはお前たちを獲る、獲って――あのお方へ捧ぐ!』
「いいえっ……!」
高速の詠唱を繰り返し摩耗したエヴァを再び陰惨な闇でキルケーが包まんとした時、その闇を裂くは純白の剛爪。
「させません」
息荒げ怒り狂うキルケーの前に立ちはだかったのは靫負・四葉(双爪・g09880)だった。
●vs双爪
「知性はあろうと亜人は亜人。気の短いあなたにこの地は分不相応でしょう」
『次からっ次へとっっ!!!』
鳥の亜人であるキルケーが空に慣れていることなど、この場の全員が予測済み。
リーシェ、エヴァと交戦し酷い火傷を負ってもなお力強く羽搏くキルケーはジェネラル級らしいといえばらしく、四葉が白き剛爪を前後左右無く嗾け教えるのは意図的な警戒。
怒る相手を重ねて煽る必要はないが、敢えて煽ってから距離を取れば四葉という対象に集中するキルケーの放つ闇が追ってくる。
「(生まれてから日も浅いのならば、経験も浅い。そうでなくばこの状況で挑発に乗る必要性などありません)」
先陣きった二人が齎したパラドクス通信の情報を踏まえ、四葉は冷静に空を翔け闇を避けていた――が、あまり避けてはと、敢えて“四葉単身で”Uターンし滑り込んだのはキルケーの真下。
「――あぁそうです、鳥は鳥籠に囲うべきだとは思いませんか?」
“ねぇ?”と五式超次元観測機のサイバーグラス越しに瞳を細め煽った瞬間、猛き猛禽類の足が白き身を蹴り飛ばす!
「あ゛っ……!」
『生意気を言うのも大概にしな! アタシはお前からでも良いんだ!』
「――ええ、自分も貴女が“そういうもの”という予測が当たって良かったっ……!」
対処の素早さは動物的、予想の範疇。
なればこそ、敢えて四葉は自身の身一つの“ふり”でキルケーの至近距離へ踏み込んだ。
機動力のある足で自身を蹴らせ、次元を切断させ捻じ込んだ白き剛爪でキルケーの足を押さえるために!
『放しな! お前一体、誰の……!』
「魔女キルケー、貴女が警戒心の強い獣で良かった」
四葉は自身の弱さを嫌というほど知っていたし、自身の強みも覚えている。
「では始めましょう、貴女に窮鼠の一撃を体験させる時間です」
『 、』
爪を敢えて振りほどかせると同時に放つはPD―テレキネスシュート―!
剛爪が鋭く腹を打ち、切り付ける!
せり上がる胃液を吐きながら吹き飛ばされ転がったキルケーが噎せながら、怨嗟滲む声で囁いた。
『しずめ』
「――っ、しまっ!」
キルケーを引き付け弾きあげた四葉の真下で、大口開けた闇が手を伸ばす。
「(心苛む呪術など……!)」
「――なるほど。土地の呪詛か? 実に“最前線に立たぬ者”らしい術だ」
地獄へ引き摺り込まれかけ、ぐっと身を固くした四葉をオズワルド・ヴァレンティ(砂塵の・g06743)の操る風が呪いの範疇外へ吹き飛ばした。
●vs砂塵の
魔女キルケーを名乗る亜人――つまり、騙る者。
「御初に御目にかかる」
『お前も、かい?』
言外に“アタシの邪魔をするのか”と問う目線がオズワルドの喉へ刃のように添えられようと、オズワルドは一切表情を変えずに目線で答えた瞬間――黄金色の瞳を燃やした魔女が魔術を描く。
PD―スキュラバイト―!
「(あれが魔女キルケーを名乗る亜人か、)」
鷹の如き大翼を羽搏かせ、落ちる血を厭わず寧ろ魔女の瞳の獰猛さは増している。
『その細い喉、噛み切ってやろうじゃないか!』
「其れは随分と乱暴なことだ」
オズワルドが目を細めた瞬間、ガチン!と直前まで立っていた場所を獰猛な犬――と化したキルケーの足が噛み砕く。
ガチンガチンと歯を鳴らし噛みつかんと迫るその大口を躱し、時に切りつけ弾き上げ凌ぐ。
「(反射は早く、足技を多用するのは最も自由な部位だからか。そして、やはり翼を扱うのが上手い。風の勢いで膂力を増すように動いているのか)」
『そのお高く留まった余裕はアタシが崩してやるよ……!』
「……風塵を操る魔術師の身としても、貴女には興味があるんだが」
時にキルケーの大爪がオズワルドの腕に裂傷を刻み、頬に赤い線を刻む。
オズワルドを撃ち落とさんと徐々にキルケーの攻勢が増し、時に火花を散らして互いの身を苛んでゆく。
キルケーの繰り出した黒犬の牙がオズワルドの肩を喰らい砕かんとした瞬間、オズワルドが切り払い眉間に皺を寄せた。
『惜しいねぇ!』
「強がりも大概にしてもらおう」
淡々と機を覗うオズワルドの刃が黒犬の肉を削ぎ、キルケーの足に刃を突き立てた。
瞬間――キルケーが苛立ったようにオズワルドを蹴り払い、一気に天へと駆け上げる!
『潰す……!』
「……天高く飛び過ぎた者は、堕ちる以外の選択肢が選べなくなる」
オズワルドはこの時を待っていた。
上空へ飛び立ち叩き下ろすような蹴り――隙多くも、加速のため距離を取らねば放てぬ技。
重ねた魔術の知識が即座にオズワルドの魔力を収束、生成したのは星の結晶。空気戦慄かせ放つはPD―紅星―!
「――射貫け、」
『 !!!』
天へ光が一条、天覆う雲を裂く!
落下するキルケーのギラギラした目がじっとりとオズワルドを捉えていた。
「魔術師なら、風向きを読まねば。そうだろう? キルケー」
掠れた声の悪態は、キルケーの胸にディアボロスとは異なる復讐という闘志を燈す。
しかしそれでも越えよう、その先へ向かうために。
●vs諦念の珪化木
ドォン! とキルケーが、落下した衝撃で上がった砂煙の余韻を翼で払いながら口腔に溜まった血を吐き捨て、怒りのままに頭を搔き毟り絶叫する。
『くそ――ぁぁああああああっ、殺す!!!』
鳥の亜人のキルケーは対空において“人型”よりも分があるだろうが、対ディアボロスとなれば話は違う。
この場にいるのは全てが埒外。
多少のアドバンテージも、上手く活かせなければ圧倒的な有利にはなり得ない。
そして鳥人の亜人であるからこそ、無意識に持ち得る対空に於ける矜持がキルケーの怒りを増幅させる。
『アタシはっ……!』
「――よかった。キルケー、あんたも自分が“そうだ”って思っててくれて」
真後ろからディアボロス 御守・樹(諦念の珪化木・g05753)の言葉が聞こえた瞬間、キルケーの背に燃えるような痛みが奔る。
『は、――あ゛っ、ぐ……おまえっ!』
砂塵に紛れ姿を消し、剣戟の音に足音隠し、仲間の戦いに存在をまぎれさせながら、樹は常にパラドクス通信を経た仲間の推察と経験したキルケーの動向・戦闘傾向などを理解し“待っていた”。
「(ま、どんな戦い方するんだって気になってたのもあるが――)」
興味はあくまでも興味。
樹はもとよりディアボロスとしての役割を全うしようと構えていたのだ。
一方キルケーは、背筋に奔った怖気に口角を引き攣らせた直後の強襲と背の激痛に呻めき藻掻いていた。
ぐ、と刃が肉に突き立てられ、骨に当たる。
抉るように、削ぐように。樹が狙うは大翼と背の接合部。
『 あ゛ぁ゛ぁぁあああ!!!』
キルケーの翼狙って樹が刻んだ一撃の名は、PD―アサシネイトキリング―。
魔女から空を奪うための一撃。
『おまえっ!!!!おまえおまえっ、この゛……!!!!』
「――!」
暴れた大翼に殴り飛ばされ受け身を取りながら転がったい樹が切れた頬の裡から滴った血を飲みながら、追撃するキルケーが翼から変じた黒犬の顎を搗上て退けた。
「(復帰もユーベルコードも早い。手負いだからか……)っと!」
『逃げるなぁぁああああああああ!!!』
「……逆だろ。逃がさないんだよ、お前を」
数合打ち合い黒犬の口を樹の刃が割きかけた瞬間、横合いから襲いきたのはもう一方の足が変化した黒犬の首。
首捻って躱した樹が反射的に飛び退けば、キルケーも言葉とは裏腹に空へと逃れてゆく。
「(まだ翼は切り切れない、か。良いラインまで行ったと思ったんだけどな……)」
遠からず、キルケーは落ちる。
確信めいた思いを胸に、樹は再び地上の砂塵へ身を投げた。次こそ彼の翼を斬り落とさんと、刃に滴る赤を振り払って。
●vs褪せる事を知らぬ愛
『――っ!!』
「我々は、あなたをここから消し去ります」
樹の刃を逃れ空へ逃避したキルケーを待っていたのは、一直線に突っ込んできたハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)が至近距離から放つPD―セベクへの請願―。
対空戦を人たるハーリスが選んだのは、決して冷静さを欠いてではない。畳みかける価値がある今だからこそ、空で仕掛ける!
『アタシの邪魔するんじゃないよ! お前は遊んでな!!』
「(制御できない怒り。身体に比例する自尊心へのダメージは相応。ならば、)」
セベク神の力纏うハーリスの掌底とぶつかり合ったのは、異形の獣。
犬とも豚とも形容しがたい異形の牙が、大鰐が如きセベク神の力纏うハーリスの掌底と数合ぶつかり合い異形の肉体が衝撃に耐えられず瓦解してゆく。
「(……酷いものですね)」
『いけ!!』
『縺舌k繧九=縺ゅ≠縺!!』
鳥人たるキルケーの空への利を理解しながら、ハーリスはこの戦いに空を選んでいる。
仲間からのパラドクス通信で、この地の生物が空より降るキュケオーンと思しき液体一滴で変じさせられていると把握しながら、ハーリスは打ち据え砕く。
「(この地を――イスカンダルの取り込んだイタリアを、私たちは奪還する)」
『しつこい!!!!』
「逃がしません……っ!」
キルケーの号令で襲い来る異形の爪牙を掠めたハーリスの腕が裂け、残像が喰らわれ地へ落ちる。
不規則な軌道で空を翔けハーリスの追随を逃れんとするキルケーを、決してハーリスは逃がさない。
時に残像を贄に周り込もうとし、キルケーの素早い反応に阻止されようとも諦めず果敢に攻め立てる。
残像を用い紙一重で躱し、異形の爪牙を掠める程度に留めていたハーリスの足に奔った激痛。
「っ、ぐ……!!」
『墜ちろ!!!』
引き摺り落とさんと飛び掛かってきた異形を、騙す。
あえてハーリスが仰け反り残像で異形の認識をブレさせながらやり過ごし、素早く蹴り飛ばした足元の異形。
ぐらついた異形を足場に踏み出し、不意にキルケーの死角へ回り込んだハーリスが――打つ!!
「このイタリアに、あなた方は必要ない」
『ガッ、~~~~ッッ!!!!』
腋を締め引き絞った掌底が、既に傷刻まれたキルケーの脇腹を打ちすえ、その身を吹き飛ばす!
突き抜けて尚裡から砕くような神の一撃はキルケーに命の片鱗を吐かせ水平に吹き飛ばしていた。
ハーリスを信じ待つ、同胞の方へ。
●vsDebaser with砂上の轍
「さて、ようやく槍の届く距離まで引っ張り出したわけだが――」
“釣果待ちだな”と笑ったジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)がぐるりと腕を回し耳を澄ませるのはパラドクス通信。
「(……あの魔術、本当にどれも悪趣味だな)」
キルケーと先にぶつかった仲間から齎される通信で、この地で生きる生き物が異形へと変じさせられている旨と未だ推測域を出ないが亜人によって穢された地の記憶が闇を呼んでいるのではとの推察を耳にしたジズは、内心苦虫を噛み潰す。
キルケーだけではなく、このイスカンダルの地で為される亜人の魔術はどでも吐き気を催すほどジズを苛むのだ。
「(命を軽んじるという規模ではないな)」
だが、とうとう命を命とも思わぬ術者の潰える番が来た。
「始めようじゃないか、新宿で聞いたんだ“いんがおうほう”とな」
“予定の場所”へ向け、ジズは軽やかに乾いた地を蹴り駆けてゆく。
一方ゼキ・レヴニ(Debaser・g04279)は先の戦いで利用した高所で、打ち据えられ吹き飛ばされたキルケーを待ち構えていた。
「ったく、頼みはしたが正確過ぎやしねえか……はは、真っ直ぐ来やがる」
上空から自身を見るハーリスの視線が、言葉より正確に物を言っているではないか。
「……やるさ。おれはおれで“遅刻”する気なんざねえからな!」
一瞬耳元で聞こえた聞き慣れた友の声が“ほんとか?”と聞こえた気もしたが聞かぬフリ。
今は亡き戦友との記憶をベースに編むPD―鋼の要塞―で変化させた躯の大盾を手に、ゼキは宙へ踏み出し翔ける。雲の合間より差す陽光に、鋼の大盾を煌めかせながら力強く。
「よぉ、魔女サン?」
『――お前、このアタシをっ……アタシを誰だと思ってんだい!!』
キルケーの魔術生成速度はパラドクス通信を通じてゼキも把握済み。
『縺舌k縺√≠縺√≠縺ゅ≠!!!』
「黙ってろ!!」
即座に地上から飛ぶように襲い来る異形を蹴飛ばし、大口開けた顎を盾の上部で殴り上げ無理やり閉じさせる。
間髪入れず波の如く迫る異形の横っ面を鋼の拳で殴り飛ばし、シールドバッシュの要領で叩き落し振り払う。
見目より取り回しのしやす鉄盾で異形の爪牙を躱し、蹴落とした異形を足場にゼキが回り込むのは“キルケーの上”!
「ズレんじゃねえぞ! 気合入れろ、ジズ!!」
『な゛、あっっ……ぐぁ!!!』
呼び掛けた言葉はキルケーよりも下方、大地で待つジズ!
重量伴う膂力に任せて振り下ろされたゼキの大盾に地上へ殴り堕とされたキルケーは、再び砂の地を舐める。
ドォン! とけたたましい落下音と濛々と上がる砂煙がキルケーからジズの姿を誤魔化し、未だ混乱したオークファランクス兵の足音がキルケーにジズの動向を見失わせ、キルケーはジズに瞬き聞こえるほど距離まで接近を許していた。
「――やぁ、魔女キルケー」
『 ! っぁああああ!!!』
正面、至近距離から自身を覗き込んだ女は既にキルケーの腹を抉るように穿っていた。
“君を待っていたよ”と囁くジズは、淑女のような声色のまま戦士の顔で微笑んだ。
間髪入れず頽れたキルケーの腹を貫通したジズのPD―砂嵐・骨断―の砂槍が赤く染まる。
四葉の刻んだ腹の傷を抉りハーリスの砕いた骨を粉にし、ゼキが全力で打ち据えた衝撃にのたうつ魔女をジズの砂槍は容赦なく穿ってなお、ジズはキルケーの傷口を抉り砂槍を色濃く染めた。
激痛にギリギリと奥歯を食い縛り耐えたキルケーが鋭くジズを蹴り飛ばし、紡ぐのは聞き取りづらい魔術言語。
「(っくる……!)」
『はは――アハハハハハハハッ、しずめぇええええええ!!!!』
諸共呑まんとキルケーを中心に巻き起こった闇の奔流。
背筋を走った怖気は本能的なものだと、ジズには分かる。逃れなければ――でも、どうやって? 一瞬でも思考し足を止めた瞬間、爆発的に爆ぜた闇にジズが手のひらに爪を立てたその時、鈍い音が魔女の言葉を潰す。
「っ前に言ったろ、おれは遅刻しねえって!」
「……――はは。あぁ、そうだな。いいだろう、“丁度”ということにしてやる」
重い音と共に着地したゼキが、闇でジスを呑む間に飛び上がり離脱しようとしたキルケーを打ち据え術式を崩した姿に、ジズは笑い声を呑み込み喉を鳴らす程度に留め口角を上げた。
戦場だ。
此処は、強き者だけが生き残れる戦場。
「この好機はおれたちのモンだ」
『 っっ!!!』
ディアボロスであるゼキにもジズにも、仲間がいる。
それこそがディアボロス最大の強みであり、クロノヴェーダが未来永劫持ち得ないもの。
殴り飛ばされ地を転がったキルケーが叫べば収まりかけた闇が吹き上がり、涎を垂らす異形の獣が唸りを上げる。
迫りくる全てを討ち祓うゼキの盾の隙間からタイミングよく繰り出されるジズの槍。
息の合った二人に死角はなく、炎のような髪振り乱した魔女の術を跳ね除ける。
無二の友たるクロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)とエイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)の間には“何が”や”何を”という言葉は必要なかった。
言葉にせずとも伝わる想いが二人にはあったのだから。
●vs妖花の魔女with都市国家の守護者
砂の槍に射抜かれてなお空を目指すキルケーの大翼は健在。
飾を抱いては捨てながら、魔女 キルケーが乾いた大地を蹴り飛んだ――瞬間。
その全てを遮るがごとく迸った黒き冥府の炎が、キルケーの身を絡め捕る。
『っ、!? 離せっ!!』
「――魔女キルケーの名を騙る亜人。偉大なる先達と女神に代わり……お前を殺します」
キルケーを捕らえた冥府の火――それは燃えるような瞳でキルケーを見据えたの祈りが聞き届けられた証のPD―三界巡る冥府の火―。
瞠目し叫んだキルケーが一気に闇を呼び、濁流の如く迫る悍ましき奔流クロエへ手を伸ばす!
ゾッとクロエの背に怖気が奔ったのは、生物的な感覚だろうか。しかし、クロエは一人ではない。
「クロエ様!」
凛とクロエの耳に届いたのは、燈火にも似たエイレーネの声。どうと迫り来る闇の前へ盾を構えたエイレーネは叫ぶ。
「アテーナー様にお仕えするこの身が、魔女の進むべき道を照らします!」
「――、」
『ククク……アハハハハハハハハハ!! さぁ、お祈りの時間だよ。お前達がこれの供物になる時間さ!!』
・
・
・
クロエの吞まれた闇の中にあったのは、地獄だった。次々命が消え、時に踏み躙られ、時に自ら死を選ぶ。
耳を打つ悲哀の絶叫。
助けを求める声はか細く幾度も消える。
クロエの耳の奥で木霊するのは、救えなかったいのちのこえ。
あたたかく流れ落ちる血は、幾度掬えど持ち主には二度とかえらない。
「(あぁ)」
昏い。
「(……それでも、)」
闇に呑まれる直前に見たのは、煌々と輝く無二の友の背。その姿が、クロエの瞼の裏で輝いている。
この戦いに身を投じる前にエイレーネが力強く握ってくれた熱と言葉が、クロエの胸を照らすから。
「(……エイレーネ、私はそんな貴女に相応しい自分でありたい)」
鉛のように重い足で、進む。
闇を掻き分けるように歩むクロエは、しっかりと瞼を押し上げ前を見た。
一方、クロエの前で盾を掲げたエイレーネは襲い来る異形の獣を槍の柄で殴りつけ吹き飛ばし、時に盾で殴り飛ばし退ける。
『蜉ゥ縺代※??シ?シ?シ?シ?シ』
「くっ、……!」
キリがない――そんな衝動に駆られながらも、エイレーネは決して異形を殺傷しなかった。
異形へ変じた中に、この地で生きる無辜の生き物が数多いる。
無益な殺生をする気などエイレーネには無かった。自身が負う傷は、治るもの。目の前の異形は自身が打ち、切りつければ確実に死ぬだろう。
『ほらほらほらほらぁ! アタシの犬がお前を喰らう方が早いだろうねぇ!』
「っ! 巻き込まれた命はっ、わたしの槍で突くべき命ではありません……!」
『ハハ……随分と余裕じゃないか! お前たち、その女を食い潰ちまうんだよ!!』
悪意を振り払うように神の加護を受けた槍を揮い盾を握りしめ、エイレーネは耐える。
どんなに狂爪と牙に腕を裂かれ、切られた銀髪が舞おうと怯まない。全ては友の道行きを地で穢さぬため!
『縺ゅ?縺ゅ?縺√?縺√=縺√≠縺ゅ≠縺!!!!』
『縺斐♂縺峨♀縺翫♀縺翫♀!!!!』
意味不明な悲鳴染みた声を上げ襲ってくる異形を打ち払うのみで一切殺生をせず、耐えに耐えたエイレーネが踏鞴を踏み膝を震わせた時――黒き炎が闇を裂き異形を退ける!
けほりと口腔に溜まった血で噎せたエイレーネは、視界の端で翻った見慣れた黒衣に潤む瞳を拭い友を見た。
凛と麗しい魔女は、静かな炎を瞳に燈しながら亜人の魔女 キルケーを見据え口を開く。
「行きましょう、エイレーネ」
「――えぇ、共に参りましょうクロエ様」
迫り来る狂った異形と闇を、クロエとエイレーネは手を取り合うように打ち払う。
エイレーネの意を汲みクロエもまた異形を不殺とする――が、それは凄まじく困難な選択であり、その隙はキルケーを空へ逃れさせた。
ただ、槍で風穴の空いた翼と冥府の炎で焼け爛れさせた身を引き摺ったまま。
●一つの夜明けへゆく
『ぁぁぁっぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!!!!!』
全てを振り払い空へ飛び立ったキルケーが絶叫する。
たった数合、ディアボロスという怨敵と撃ち合ってこの様だ。
血みどろのその身に魔女の威厳は無く、崩壊した烏合の衆が大地を這うのみ。
『~~~~おまえらぁぁああああああああああ!!!』
死ね、殺すなどの悪態、ディアボロスには日常茶飯事。
キルケーはもう己の身一つ。救援は無く、手駒は敗残兵。そんな魔女に一体何を畏れよう? 示し合わせたわけでもないのに、首の皮一枚で生き汚く空を舞う魔女へ誰もが踏み出していた。
「(魔術を編む速度も技術も申し分は無かった。だが、既に風向きは変わった)」
死に物狂いで空へ逃げようとした背を、常に冷静な目で戦場を注視していたオズワルドは逃がさない。
「……言ったはずだ、逃がさないと。射抜け、」
『――カハッ』
絶妙なタイミングで放たれたオズワルドのPD―紅星―の輝きがキルケーの胸を射貫き、撃ち落とす!!
恐ろしいほど正確に射抜かれ墜落した魔女が起き上がろうとした瞬間、間髪入れず叩き込まれた一撃にキルケーの身が水平に吹き飛んだ。
『あ゛、ガッ……!!』
「例え貴女が新参のクロノヴェーダであろうと、我々が容赦をする謂れはありません」
キルケーの身を深く打ち据えたのは、オズワルド同様に冷静な目で戦場を把握していたハーリスの掌底だ。
その手に籠められたPD―セベクの請願―の力が、接近戦で多用されていた細い足を慈悲無く圧し折った。
だが、残った片足で意地でも空へと飛び立ったキルケーが織り成そうとした闇の陣――そこに上に重ねられたのはエヴァの魔術であるPD―攻囲撃滅陣―。
『な゛っ……!!』
「言ったでしょう、貴女との決着を付けて先へと進ませて貰いますと!」
「そう、あなたを仕留めるのはアタシたち……ってことよ!」
リーシャの手で擲たれたPD―翠焔・創像:ブレイジングジャベリン―である翠の焔が槍となってキルケーの足に突き立ち、エヴァの魔術陣が更なる炎をっ注ぎ足す!
『 ! ガ、ッァァァァアアアアアアアアアア!!!! シ、ズメッ! 暗闇に!! 混沌に!!』
火事場の馬鹿力とでもいうのか、キルケーは命を燃やし抗った。
爆発的に吹き上がった闇と混沌で大地ごとディアボロスを呑もうと、迸らせる!
――だが、ディアボロスは二人だけではない。
「それはさっき少し飲んだが私には合わなかったよ、キルケー」
「自分は存外知った味でした。ですがキルケー、貴女に供されるものではありません」
接近したジズの巻き起こすPD―砂嵐・骨断―がキルケーを藻屑とし、四葉のPD―テレキネスシュート―で打ち出された参七式次元断裁器・裂天割地が待ち構えていたゼキの下へキルケーを突き飛ばす!
「おれたちはここで血反吐吐いてもお前を堕とす覚悟があんだよ。歯ぁ食いしばっとけ、魔女!」
悲鳴さえ上げる暇も与えず、構えたゼキがぴったりとタイミングを合わせ放つPD―鋼の要塞―の大盾力一杯で殴り飛ばした。
ゼキの盾の一撃でボールのように弾かれ転がったキルケーが、泥濘に塗れながら震える足で立ち上がろうとした時、そっと背に添えられた鋼。
その痛みに、キルケーは覚えがあった。
「空はもうお終い。悪いなキルケー、これは貰うぜ」
『ぁ、』
樹の静かな声がキルケーの背筋を震わせた瞬間、とうとう翼が斬り落とされる。PD―アサシネイトキリング―!
『――、ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァッッッ!!! は゛な゛せ゛ぇ゛っっ!!!』
それでもなお、魔女は片足と片翼の力で空へと逃げた。鳥人の亜人の矜持か、乾いた地をだくだくと流れ落ちる赤い血で染めながらの低空飛行。
その背を見据えながら、金色の鎧へ身を包み真の姿へと変じたエイレーネが神護の槍を担ぐ。
槍の切っ先が見据えるは這う這うの体のキルケー。クロエへ微笑んだエイレーネは傷だらけの体を厭わず駆け出し、祈る。
「輝ける槍よ」
静かな言葉を合図に槍の纏う空気が変わり、宿すは真摯な祈りに応えた加護。
「悪しき者の命を、過たず穿たんことを!!!」
全力で引き絞った腕で擲つはPD―流星が如く燃え立つ投槍―!
擲たれた槍が先程よりも輝ける祈りに包まれ黄金の彗星の如く燃え上がり、悪しき魔術成すキルケーの腹を穿つ!
『カッッッ、ァ、ァッ……ァァァァッ、グ、ァァアアッ……!!』
絶叫しながら墜落したキルケーが、痛みに喘ぎ這う。
片翼片足となり、いっそ憐れみさえ覚えるようなキルケーの姿に、クロエはそんな感情をおぼえない。亜人への憎悪の埋火だけが爆ぜる瞳でキルケーを見据え、呟く。
「キルケー、もはやお前を守る者はおらず、術もありません」
『うる、さ゛い゛!!!!!!!!!!』
「……その忠義だけは、見事でした。ですがあなたには偉大なる名を騙り穢した不遜の対価を払う時が来たのです」
『うるさ゛い゛。う゛る゛さ゛い゛ぅうるさいうるさいっう゛る゛さ゛い゛っっ!!!!!!!!! あのお方の邪魔はっ、させない!!!! しずめ゛!!!!!』
狂えるキルケーの絶叫から沸き起こる昏き闇を、クロエの揮う黒き冥府の炎が燃やし払う応酬。
身を苛み墜とそうとする闇をクロエが冥府の炎を以て遮り焼き払う最中、片足を失ったとは思えぬキルケーの鋭い一蹴がクロエの顔を狙って放たれる。
「くっ!」
『チッ!』
両者一歩も引かぬ争いはクロエの頬に赤い一線を走らせ、焦げたキルケーの羽が舞った。
「裁きを受けなさい、偽りの名を騙った者よ!」
鋭利な爪が白い肌を引き裂けば、冥府の炎がキルケーの傷口を焼き残る翼を灰へ帰した瞬間、キルケーが崩れた。
クロエは心の裡で暴れる亜人への憎しみを、共に駆け抜けた無二の友と同胞の姿で押し留め、“女神の代理たる者”の矜持を掲げ打つ!
「――奈落へと墜ちなさい!」
『おのれぇぇえええええええええ!!!!』
頽れたキルケーの胸を、鋭くクロエの三相の杖が殴打した。
瞬間、吹き上がった冥府の炎が絶叫したキルケーを絡め捕り燃やし尽くす――!
何事かを喚いていた声も言葉も、全て全てを黒き炎が灰へ。
正しき歴史ならば神話に語られる英雄を導きし魔女であり、女神ヘカテーを奉ずる偉大な先達の魔女 キルケー。
亜人に穢されていた尊き名をこの一時取り戻したクロエは、静かに天を仰ぎ祈る。
クロエとキルケーの間で揺れた悪しき宿縁が、僅かに解れようとしていた。
――ふと、影が伸びる。
未だ荒い呼気溢すディアボロスの影を、昇ってきた朝日が柔らかに伸ばしていた。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【トラップ生成】LV2が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
【モブオーラ】LV1が発生!
【神速反応】がLV2になった!
【フライトドローン】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV8になった!
【ダメージアップ】LV4が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV2になった!
【フィニッシュ】LV1が発生!
最終結果:成功 |
| 完成日 | 2024年01月30日 |
| 宿敵 |
『魔女キルケー』を撃破!
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