彼らのためのダンジョン(作者 八雲秋
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#黄金海賊船エルドラード  #南米集落と食料ダンジョン  #エルドラードダンジョン 

「ルーク! 無理すんな。一度逃げろ。でなきゃお前まで死ぬぞ」
 ダンジョンの中、一般人が数人、角を三本はやした豹相手に戦闘を繰り広げている。そのモンスターは瀕死であるが、男たちも既にそれによって何人か葬られているようだ。
 豹が襲い掛かってくる、ルークと呼ばれた男はしかし豹と向かい合い剣を構え、叫ぶ。
「いや、ここで、あと一撃!」
 ルークの攻撃が致命傷となり、モンスターは倒された。後に残ったのは宝箱だ。一緒にいた男たちが、次々、称賛の声をかける。
「やったな。ルーク、その宝箱はお前が持っていけ」
「わかった。けど……思ったより、多くの仲間がやられちまったな」
「ああ、いつもより手強かったな、見たことないような奴だったし」
 ダンジョンから資材や食料を抱え、一般人らが出てくる。今回の戦利品をそれぞれ確かめる中、ルークが宝箱を開け、不思議そうに中のものを取り出す。
「なんだろ、これ。心臓の形してる石? ……誰かわかる奴いないか」
 彼の方を見るが、わからないと皆、首を横に振る。ルークが手にしていたのは『宝』であった。

「エルドラードの本拠地と思われる、南米大陸に一般人の住んでいる集落がある。そこに向かってほしいんだ」
 丹後・安喜光(人間の陰陽師・g03326)が皆の前で説明を始めた。
「集落のそばにあるダンジョンは『食料ダンジョン』というもので、中にいるモンスターを倒せば食料や資材が得られる、これが人々の生活の糧となっている。『食料ダンジョン』からは基本的に『宝』は得られないが稀に『宝』が発生する事がある。この『宝』の出現によって、アビスローバーによる村の略奪が起きてしまうみたいなんだ。それを防ぐために、まずはダンジョンへ。そこで『宝』を確保し、それから集落を襲ってくるアビルローバーを撃退してほしい」

「『食料ダンジョン』には、罠や特殊なルールなどは無い。その中にいるモンスターを倒せば、食料、資材が手に入る」
「RPGのダンジョンみたいだな」
 話を聞いていたディアボロスが言った言葉に、安喜光は頷き返す。
「命がけとは言えど、一般人が潜っていっているぐらいだから、そこまでモンスターが強いわけではないけれど、ダンジョンの中はディアボロスの力が使えなさそうなんだ。だから、戦闘はパラドクスではない方法でお願いすることになる。それに加えて、『宝』が出てくるモンスターは、他のものよりも強い。用心してくれ」
 皆にしてほしいことをまとめると、と安喜光は続け、
 まずは今から向かい、一般人の犠牲が出る前に彼らを救援しモンスターを撃破し『宝』を得る事。
 その際、一般人からの信用を得られる。そうすれば彼らから何かしら情報を聞き出せるかもしれない事。
 ダンジョンを出れば、アビスローバーが襲撃するのを迎え撃つことになる。それを撃退する事。
「以上で作戦終了となる。『宝』は持ち帰ってきてほしい。少量ながらもエネルギーはあるし、逆に置いていったら、またアビスローバーが襲ってくるだけだろうしね」

 最後に、と安喜光は言う。
「この依頼で少なくとも『宝』は得られ、一般人を守ることができる。それにアビスローバーの本拠地での新しい情報は、今後の指針にも関わってくるかもしれない。皆、よろしく頼む」

「『宝』があるのはここね、お前たち、行きなさい」
 青白い肌を持つ少女の命令するとアビスローバーたちが一斉に集落に襲い掛かった。
「さぁ、楽しい略奪、虐殺のお時間だぜ、『宝』はどこかなっと!」
 アビスローバーが剣を一振りすれば、造作もなく人々は倒れていく。
「誰も逃がすなって話だった、よな!」
「生き残りがいたら、あとで厄介だから全部殺せってよ。でも、こまいのが多くて面倒くせえな!」
 集落に住む者、全てを。そこには幼い子供も妊婦もかなりの数いる。
 母親に言われ、妹の手を取り逃げようと走る男の子がいた。集落内に響く悲鳴に思わず振り返る兄妹。ドン! 何かにぶつかる。見上げると少女の姿があった。
「ごめんなさい、お姉ちゃ……」
 最後まで言う前に、二人は体を氷柱に貫かれ息絶える。
「お前たち。私に手間をかけさせるな!」
 アヴァタール級『イビルヴィヴィアン』が『海賊半魚人』らに向かって声を上げた。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【動物の友】
1
周囲の通常の動物がディアボロスになつき、意志の疎通が可能になる。効果LVが高い程、知能が高まり、友好的になる。
【熱波の支配者】
1
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【アイテムポケット】
3
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。
【寒冷適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、摂氏マイナス80度までの寒さならば快適に過ごせる世界に変わる。
【水中適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。

効果2

【命中アップ】LV3 / 【ダメージアップ】LV2 / 【反撃アップ】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【アヴォイド】LV3

●マスターより

八雲秋
 ダンジョンに入り、一般人の犠牲が出る前にモンスターを倒し『宝』を入手。それと共に、一般人からの情報が可能となります。 次にダンジョンで手に入れた『宝』を狙い、集落を襲ってくるアビスローバーらを撃退する。以上が作戦の流れです。
 ダンジョン内の戦闘は通常攻撃、防御で戦ってください。
 ダンジョンを出た後のアビスローバーらとの戦闘はパラドクスが適用されます。

 皆様のご参加、お待ちしております。
12

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


括毘・漸
ふむふむ、ここがダンジョンとな?
中に入れば、パラドクスも使えずディアボロスの力もないと…今まで使っていた分、ギャップが出そうですが力だけに頼らず知恵も使いませんとな。

猛獣の膂力で引っ掻かれれば大怪我間違いなしですし、噛まれればそこで仕留められますし…接近するのはチャンスを得てからですかね。

それに相手にするのは豹ですし、無暗にダンジョン内を出歩けばボクが獲物になってしまいますし…ここは罠を仕掛けましょうか。
猛獣となれば鼻も利くでしょうし、引き寄せる撒き餌として血液を撒いときますか。
血液は少量で十分ですし、新宿島から容器に入れた輸血用の血液を持ち込んでおき撒きます。
撒き餌の周りにはワイヤーを張っておき、豹の機動力を妨害し、もしかしたら四肢に巻きつくかもしれませんし。

さて、撒き餌に釣られて豹がやってきたら、装備のリボルバーを
一発胴体に撃ち込みます、臓器に当たれば御の字。
射撃の音と痛みで驚いている隙にサーベルで胴体を突き刺し、中身を抉ります。
動きが弱まれば、ナイフで首を断ち斬ります。


プターハ・カデューシアス
アドリブ・連携歓迎

住民の不幸な未来が見えたので、参戦です
能力封印ダンジョンは厄介ですがなんとか切り抜けて
クロノヴェーダの企みを阻止しましょう

先ずは、ダンジョンに入った一般人…ルーク達の安全確保ですね

新宿島から排斥力の及ばないよう
時代にそぐう光源(カンテラ当たり?)と

火薬と唐辛子を調合し嗅覚を混乱させる煙幕や光で驚かす閃光弾を準備
味方や住民もそれを喰らわぬよう遮光防塵マスクを数個用意しておきましょう

ダンジョンに入ったら、光源を確保した後物音や気配に気をつけて
ルーク達の一行を探します
武器は、特殊効果は期待できませんが使い慣れた仕掛け鞭のメルセゲルを利用
鞭はロープ代わりにもなるので便利なのです

一行を発見できた場合
戦闘中:敵に向って閃光弾で怯ませ救出
探索中:今回の敵は強敵なので譲って欲しいと頼み
マスクを装備させモンスターがルーク達を追えぬよう煙幕で分断したうえで出口付近に誘導します

モンスターが私自身を追ってくるようならば
漸様が準備された罠へ誘導するのが理想ですね


クローディア・ベネット
豹ってのは天然の暗殺者でね
木に登ったり草むらに隠れて、獲物を待ち伏せするのが得意なのさ

今回の相手は飽くまで「豹型モンスター」
生態まで似てるかは定かじゃない
だが、敵の根城で伏兵に備えるってのは理に適うだろ?
隠れ場所や高台で待ち伏せしていないか確かめながら進むよ
曲がり角や部屋の入り口では一歩進む前にまず警戒
獣臭や息遣いにも感覚を研ぎ澄ませ、存在を探る

敵の存在に確信が持てたら、誘い出してやろう
今回は罠を仕掛けようとしてる仲間がいるから、そいつに合図を
私は両手にフリントロック式ピストルを持ち、いつでも撃てるように構えておくよ
敵が罠にかかるか、逆に策が失敗して応戦せざるを得なくなったら発砲
近づかれたら銃を投げ捨ててサーベルを抜き、首を狙った斬り下ろしを見舞う
最悪当て所がずれてやられても、戻ってくる時には失血で弱ってる上に、血痕が目印になるだろうね

一般人を発見した時はダンジョン外への退避を促すよ
あんた達も戦った扱いで分け前を受け取っていい
嘘だった時に私達を袋叩きにしたけりゃ、仲間を呼んでも構わないよ


「ふむふむ、ここがダンジョンとな?」
 括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)がダンジョンの中を見回しながら呟いた。
 そこはディアボロスの力が発揮できない場所。
「今まで使っていた分、ギャップが出そうですが力だけに頼らず知恵も使いませんとな」
 漸の言葉にプターハ・カデューシアス(招福龍・g03560)も、そうですねと頷く。
 いつもの戦闘とは違ったものとなる、だからといって避けるわけにはいかない。
放っておけば住民に待ち受けるのは不幸な未来だ、クロノヴェーダの企みを阻止しなければ。プターハが言う。
「そのためにも、先ずは、ダンジョンに入った一般人……ルーク達の安全確保ですね」
 プターハがカンテラの火を灯し、ディアボロスたちがダンジョンを進んでいく。ルークたちに会うのが早いか、
それとも『宝』持ちのモンスターにか。どちらでもなかった。ディアボロス達の前に現れたのは。
「前哨戦ですね」
「ああ」
 プターハが愛用の仕掛け鞭メルセゲルを手にすると、隣にいるクローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)も、海賊に似つかわしい銃――フリントロック式ピストルをセッティングする。
 確かにモンスターに出くわしたが目的の豹型ではなかった。一見、痩せた野良犬に見えるそれは、しかし、目が赤く光り牙も犬よりも長く鋭い。モンスターが唸り声をあげる。体を縮め、今にも飛び掛かりそうな様相を見せたところに、
 バシッ! プターハが鞭を振るい威嚇の音を立てた。モンスターが怯み動きを止める。
「ここだ」
 クローディアが両手の銃の引き金を時間差で引く。ダーン! ダーン! 2発とも頭に当たり、モンスターは倒れ、肉の塊を残し、消滅した。
「こっちで何か聞こえたから来てみたけど、もう狩った後か」
 ディアボロス達の戦闘に気づき、ダンジョンの奥から一般人がやってきた。
「もしかしてルークさんの一行ですか」
 プターハが尋ねると、彼らはそうだ、と答える。
「間に合った」
 安堵の息をつき、プターハは彼らにこの先にいるモンスターは強敵であると、だから、自分たちに譲ってほしいと率直に告げた。
「これから右奥に進むつもりだったんだけどな」
 渋るルークたちににクローディアは、
「あんた達も戦った扱いで分け前を受け取っていい。ほら、前金代わりだ」
 肉の塊を投げて渡し、言う。
「嘘だった時に私達を袋叩きにしたけりゃ、仲間を呼んでも構わないよ」
 ルークたちは顔を見合わせていたが結論を出し、ディアボロス達に言った。
「よっぽど行きたいらしいな。わかったよ今日は君たちに譲る」
「ありがとうございます。またお会おいしましょう」
 プターハは彼らに丁寧に礼を言った。
 
「さっきのモンスターには無傷で勝てましたけど、『宝』が出てくるモンスターはこうはいかないでしょうね。
猛獣の膂力で引っ掻かれれば大怪我間違いなしですし、噛まれればそこで仕留められますし」
 漸が言うと、それにとクローディアは続け、
「豹ってのは天然の暗殺者でね。木に登ったり草むらに隠れて、獲物を待ち伏せするのが得意なのさ」
「無暗にダンジョン内を出歩けばボクらが獲物になってしまいますね」
「今回の相手は飽くまで『豹型モンスター』。生態まで似てるかは定かじゃないけどね。だが、敵の根城で伏兵に備えるってのは理に適うだろ?」
 漸は頷き、
「だから罠を仕掛けようと思います」
 カンテラを上に向け、ダンジョンの高さを確認しながらプターハが言う。
「もう少し、モンスターに接近したいところですね」
 進む方向はルークたちの話から右奥と見当をつける。
 角に差し掛かるたびにクローディアが皆に待ってと手で指示し、前方の気配を確認する。そうして慎重に進むうちに。
「こういう時の用心は臆病すぎるくらいでいい……ん? 何か気配を感じないか、そろそろかな」
「……そうですね、だいぶ奥まで来ていますし。漸様、お願いします」
 漸が罠を設置する。
「どうやって誘いこみましょう。私がおとりになりますか」
 プターハの提案に大丈夫と漸が赤い液体が入った容器を取り出す。
「血を用意してある。これを撒けば」
「ちょっと待ってください。即、豹が現れたら危険では。私に手伝わせてください」
 プターハは罠の近くに容器を置き、ディアボロス達はそれぞれ、罠から離れ、物陰に隠れ待機する。
「後は任せるよ」 
 漸の言葉にうなずき、プターハが鞭を構える。
「こうした事には、よく使ってますから」
 シュッ! 鞭がまっすぐ、血の入った容器に向かっていき。ピシッ! 容器を鋭く弾くと。パリン。容器が割れ、辺りに血が飛び散った。
 音と匂い、恐らく両者に反応し、豹がダッシュで現れた。タン、とそのまま罠の仕掛けに乗ると、ガシリと豹の足を挟み込んだ。
(「来た!」)
 すかさず漸はリボルバーで豹の胴体に一発。豹が暴れ狂う。ダメージはさほどでないのか。無論、これで倒せるとは思っていない。漸はサーベルを手にし、追撃を狙うが相手に隙が無い。
「援護する」
 クローディアが漸の背後から銃で豹を撃つ。連続する攻撃に豹が動きを鈍らせた。
「助かる!」 
 サーベルを胴体に突き刺し、更に、はらわたを抉る。苦し気に豹が唸る。後はとどめをさすのみ。漸はナイフを手にする。しかし、豹はただではやられぬとばかり、漸を睨む。次の瞬間、戦場にパシーンと鋭く大きな鞭の音が響いた。
「こちらにもいますよ!」
 プターハが大声を上げ、豹がそちらに気を取られる。その機を逃さず漸はナイフを握り直し、豹の懐に潜り込み、
「これで最後だ!」
 一気に首を断ち斬った。
 豹から血が激しく噴き出すと、豹はどさりと倒れ、見る間に消滅していく。そして、後には宝箱だけが残されていた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【アイテムポケット】LV2が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV2が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!

括毘・漸
はぁい、集落の皆さま。
先程はありがとうございました。
無事に目的であった獲物を倒すことが出来ました。

目的の達成と感謝を述べて、手に入れた宝箱を見せます。

宝箱はまだ開けてませんので、一緒に見てみませんか?

集落の方々の前で宝箱を開けて中の宝を取り出しましょうか。

宝についても集落の方々に聞いてみますか。
確定的な事が聞けなくとも、此方から警告する事は出来るでしょうから、この宝を手に入れる際に戦ったり豹の話もしときましょうか。
詳細に語っておけば、仮にまたダンジョンに入ったとしても住民の方々に及ぶ危険も減らせるでしょうし。

後は、アビスローバーがここに攻めてくることでしょうかね。
この宝を狙って襲ってくること、宝が無くとも略奪と虐殺をしてくることを教え、避難を促します。
此方が勝てるかと心配になると思うでしょうけど、宝があることがボクらの強さの証明になりますし。

なぁに、心配せずともいいですよ。
こう見えて結構強いんですよ?


 出口に彼らを待つ人々の姿があった。
「はぁい、集落の皆さま。先程はありがとうございました」 
 括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)が陽気に手を振りながら挨拶する。
「無事に目的であった獲物を倒すことが出来ました」
「お目当てはあったのか?」
 頷いて宝箱を見せると集落の人々が集まってきた。
「この通り、まだ開けてませんので、一緒に見てみませんか?」
 漸が宝箱に手をかける中、皆が興味津々に取り囲む。箱から魔石が取り出されると、驚きの声が上がった。
「すげぇ赤く光ってる」
「変わった形だな」
「これ心臓の形だ! 怖いけど、奇麗だな」
 魔石を皆に見せながら聞いてみる。
「こんな石を見たり、話に聞いたりしたことはありませんか?」
 皆一様に首を横に振る。
「初めて見たわ」
「こんな不思議できれいな石、見たやつがいたら自慢しないではいられないよ」
 そうですかと漸は頷く。情報は得られなかったが、彼らには大事なことを告げておかなければ。
「この石を持っていたモンスター、豹はかなり強いです」
 漸は豹との戦闘を彼らに語った。
「僕らは戦いに慣れていましたが、皆さんが集団で行っても、何人もの犠牲は免れません」
「で、得られるのが、その石だけってことか。割に合わないな」
 ルークの言葉に、そうですねと答える。更に伝えるべき事。
「その上、この『宝』を狙ってアビスローバーがここを襲ってきます。奴らは宝が無くとも略奪と虐殺をしていくでしょう。僕らが撃退するまで皆さんは避難していてください」
「俺たちにできることはないか?」
 集落の男は尋ねるが、漸は危険だと首を横に振る。
「でもよぉ俺たちの事で、あんちゃんたちに迷惑かけるのもな。それに恐ろしく強い奴らなんだろ」 
 なおも食い下がるのを、漸は自分の胸に手をやり笑顔で答える。 
「なぁに、心配せずともいいですよ。こう見えて結構強いんですよ?」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【アイテムポケット】がLV3になった!
効果2【アヴォイド】がLV3になった!

 ディアボロスの説得で集落の人々は皆、避難した。ディアボロス達だけが集落の屋外でアビスローバーらを迎え撃つ。
「あら『宝』があるからと来てみれば。私たちと戦いたがってるみたいじゃない。生意気ね」
 アヴァタール級が眉を顰めると、彼女の部下たちが、カトラスをぶんぶん振りながら言う。
「へへ、俺らに任せてくださいよ。蹴散らして『宝』奪い取ってやりますよ」
 いきり立つ部下の様子に、アヴァタール級は口の端で笑みを見せる。
「そういうのなら、お前たち。さっさと私のもとに『宝』を持ってきなさい」 
括毘・漸
おいおい、蹴散らされる訳にはいきませんからなぁ。
ここを通るには通行料を頂きませんと。
手持ちは足りますか?足りなきゃここで沈んでいけ!

集落の入口付近に陣取り、アビスローバー達を待ち受けます。
アビスローバー達が来たら、宝箱から得た魔石をこれ見よがしに見せつけ

そら、お前たちのお目当てはコレですか?
残念ながらコレも人々の命も奪わせません。

魔石を【アイテムポケット】で仕舞いこみ、二振りのナイフを握り込んで、臨戦態勢を整えて敵集団に接近しましょうか。

そら、派手にぶっ飛びな!

敵は大振りのカトラスを持ってますし大柄な体格ですから、ここは懐まで潜り込みましょうか。
至近距離まで駆け寄り、ナイフを握り込んだ拳で殴打し【猟犬陸拳・運命戦犬】を発動させ、拳から撃ちだした衝撃で外側から肉を叩き、内側から臓腑を揺らし敵の身体を吹き飛ばします。

反撃の魚の尾での殴打は、敵との間合いを至近距離に保ちつつスイングの威力が出る前に拳を突き出し押さえつけましょうか。

略奪なんぞさせまんよ。


クローディア・ベネット
この集落の連中は、自分たちの取り分を必死に掴み取って生きてるだけだ
身ぐるみ剥いで揺すぶったって、何も出てきやしないだろうに
全く……実入りもないのに殺す輩は気に食わないね

もぬけの殻になった集落にのこのこ現れた敵を叩き潰してやろう
前線に立つ仲間を後方から召喚術で支援し、背後や側面から狙う敵を潰したり、攻撃後の隙を補うよう動くよ

おやつの時間だ、出て来な――『戦慄の鮫嵐』!
突如として吹き荒れる大嵐で敵を怯ませ、その瞬間に暴風に乗って舞う鮫を食らいつかせる
鋭い牙で豪快に肉も骨も食いちぎり、半魚人どもをバラバラにしてやろうじゃないか
一発で仕留めきれない場合でも、仲間を狙う敵をその場から引き剥がしつつダメージを与えていく

皆が折角手に入れた食糧を、こいつの餌やりには使いたくなかったんだ
あんた達は丁度いい所に来てくれたよ。ありがとうと言っておこう!

敵の技に対しては、周囲にロープを引っかけられる木の枝など、船上設備のように利用できるものがないか注意
何処から来るか読んだ上で≪船長のサーベル≫で攻撃を受け流すよ


ラウム・マルファス
微力だけど助けにきたヨ。集落に被害を出したくはないからネ。

スマホの収納魔法から、コミカルなネコ型ドローンを召喚。シロとクロの2匹だヨ。

ボクはイバラの冠を当てない程度に飛ばして敵の動きを牽制。シロが敵を正面から攻撃して、その間にクロが敵の背後に回り込んで仕留めるヨ。背中に搭載した爆薬で加速して、左右の腕に仕込んだ爪で切り裂こウ。

敵の攻撃はボクに来たらナノマシンを盾状にして防御。敵は幻惑的な動きをするってことは、力よりは死角や防御し難い角度からの不意打ちを狙ってくるハズ。想定される敵の攻撃ルートのいくつかを盾で早めに塞ぎつつ、敢えて攻撃できる場所を開けておくヨ。そこを狙ってきたらクロに敵の攻撃の隙を突いてもらおウ。
痛いのは苦手だケド、多少の怪我は仕方ナイ。集落のためにも痛みに耐えて、攻撃の隙を見出そウ。


 住民が皆、避難した集落を抜け、その入り口で括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)がアビスローバーらを待ち構える。
 クローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)も漸のもとに向かいながら集落をみやる。どうにか住まいの体をなしている家々、食べる物も集落のものだけで自給できるとは思えない。
(「この集落の連中は、自分たちの取り分を必死に掴み取って生きてるだけだ。身ぐるみ剥いで揺すぶったって、何も出てきやしないだろうに」)
 前を見れば海賊半魚人らの群れがやってくるのが見える。
「全く……実入りもないのに殺す輩は気に食わないね」
 クローディアが吐き捨てるように言った。
 漸を見つけた半魚人が彼を睨む。      
「なんだ、俺らの邪魔でもするつもりか、うぜえな、蹴散らすか」
 漸が、からかうような軽い口調で言う。
「おいおい、蹴散らされる訳にはいきませんからなぁ。それにここを通るには通行料を頂きませんと」
「ふざけるなよ。俺たちは奪う側だ。差し当たって……」
「そら、お前たちのお目当てはコレですか?」
 漸は敵が凄むのを気にもせず、自分が持っていた魔石を取り出し、見せびらかすように掲げて見せる。    
「残念ながらコレも人々の命も奪わせません」
 敵が、どよめくのを確認し魔石をアイテムポケットで仕舞いこみ、
「それでも来ると? 通行料、手持ちは足りますか? 足りなきゃここで沈んでいけ!」
 代わりに、二振りのナイフを握り込んで敵に向かっていく。
「上等だ、返り討ちにしてやる」
 漸を囲い込もうとするアビスローバーらの周辺を黒い光輪が牽制するように飛ぶ。
 ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)の投げたイバラの冠だ。
「微力だけど助けにきたヨ。集落に被害を出したくはないからネ」
 ラウムはドローンを召喚し、半魚人の群れに放つ。シロとクロの2匹の猫型ドローンだ。コミカルな造形は敵の神経を逆なでする。シロが真正面から敵に攻撃を加える。
「そんなのくらうかよ、お返しだ」
 敵は容易く避け、カトラスを振り上げた。が、背後で爆裂音がしたと同時に、
「うぁっ!」
 全身を切られる。振り返ると左右の腕の鋭い爪から血を滴らせるクロが宙を浮いていた。クロに攻撃しようとするが、クロは接近したと同様、背に積んだ爆薬で加速し距離を置く。
「操っているのはお前だな!」
 半魚人はラウムを見つけると高速で接近し、ラウムが目で追うよりも早く撹乱する動きを見せ、死角に入る。ラウムは素早く盾状にしたナノマシンで自身の周りの防御を固める。しかし。
「そこだ!」
 半魚人が防御の隙を見、飛び掛かり、ラウムの肩に斬りつける。
「痛ぅ!」
 ラウムは思わず片膝をつく。
「へへ、まずはお前からだ!」
 半魚人が追撃の構えを見せる。痛みに顔を歪めながらも、ラウムは言う。 
「頼むよ、クロ」
「ぐあっ!」
 完全にラウムに意識がいっていた半魚人はクロの爪になすすべもなく切り裂かれ、消滅した。クロは再び戦場に戻っていく。
「痛いのは苦手だケド、多少の怪我は仕方ナイ」
 ラウムもまた立ち上がる。民を守るために。
「さぁ、どうした。魔石はここだ」
 漸が挑発し彼に半魚人らが襲いかかる。大柄で大ぶりの獲物を持つ敵を相手にするならば。漸は自ら半魚人らの懐に潜り込み。
「そら、派手にぶっ飛びな!」
 猟犬陸拳・運命戦犬。ナイフを握り込んだ拳での腹への連打。打ち出された衝撃は相手の外側の肉を、内の臓腑を激しく揺らし、内から身が吹き飛ぶ。
「がはっ! ……この野郎!」
 血を吐きながらも半魚人は怒り、魚の尾びれの形をした長い尾をでの攻撃を狙う。振り回そうと構えたところを。
「させない」
 尾が遠心力で力を増すよりも速く、漸の拳が突き出され、尾はナイフで裂かれ攻撃は不発となる。半魚人は倒れ、悔し気に唸りながら消滅していく。
「略奪なんぞさせませんよ」 
 再び、構えをとりながら漸は呟いた。
「くっ……せめて魔石さえ奪えば面目が立つ! あの男を狙うぞ!」
 半魚人らが声を掛け合い漸に迫る。その戦場にクローディアの声が響く。
「おやつの時間だ、出て来な――『戦慄の鮫嵐』!」
 戦場に嵐が起きる。半魚人らが惑う中、暴風に乗って現れた鮫が宙を舞いながら、半魚人らを食らっていく。
 クローディアは腕を組み悠然とその様子を眺め、
「皆が折角手に入れた食糧を、こいつの餌やりには使いたくなかったんだ。
あんた達は丁度いい所に来てくれたよ。ありがとうと言っておこう!」
 手足を食いちぎられ、骨を噛み砕かれ、半魚人らは倒されていく。このまま全滅するかと思われたが。
(「ただやられるだけと思ったか!」)
 腹を食い破られ瀕死の状態ながらも最期の執念で一体の半魚人がクローディアに気づかれぬよう、接近していた。ついに彼女の頭上、刀を振り上げ、飛び掛かる。その瞬間。クローディアが頭上を見上げ、半魚人と目を合わせる。
「やはり、ここから来たね」
 集落を歩く中で確認していた数本の高い木、ロープをかけてここに来るだろうと察知していた。
「畜生!」
 やけになって振り下ろしたカトラスをクローディアは船長のサーベルで難なく受け流した。半魚人はバランスを崩し頭からまともに落ち、それきり動かなくなった。
 半魚人の群れは、すべて倒され、消滅していた。
 後に残るのは半魚人らを指揮していたアヴァタール級『イビルヴィヴィアン』のみ。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【水中適応】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!

クローディア・ベネット
後はあんただけだね、冷たいお嬢さん

海賊ってのは、お偉いさんがたんまり溜め込んだ宝を狙ってこその仕事さ
あんた達の下らない海賊ごっこは、その妙味をすっかり履き違えているよ
折角の機会だ。最期に「本物」を味わってみるのはどうだい?

仲間と息を合わせて一気に攻め立て、一人になった敵を叩き潰そう
数の優位は奪った。後は立て直しの機会を与えずに終わらせる

――『野郎ども、全ての砲門を開け!』
自分と敵の間に、海賊の砲手の霊とずらりと並んだ砲台を召喚
一斉に砲撃して隙間なくぶどう弾を撒き散らすよ
周囲に浮かぶ氷塊も、氷の翼も、本体も、区別なく削り尽くしてやろう
こいつは地獄への旅に捧げる餞別さ。遠慮せずに受け取りな!

敵の召喚する氷の塊は、その下に【フライトドローン】を呼び出して壁代わりに
私に衝突するのを少しでも遅れさせて後ろに飛び退き、全身潰されるのは防ごう
相手と距離を取り直したところで再び海賊たちを召喚し、攻勢に転じるよ

くそったれ共がくたばって、気のいい連中が生き残った
南米探索の先は長いが、今日はこれだけでも十分さ


括毘・漸
はぁい、お嬢さん。
後はアナタお一人です。
紳士的な対応であれば、何か手土産の一つでも渡すところですが、何分アナタみたいな略奪者に渡すものなぞ一つもありませんからね、文字通り海の藻屑となってもらいましょうか。

敵さんは氷を操る様子でので、そ!に対抗するようにボクも姿を変えておきましょうか。
『我が身は猟犬なりて』
全身を炎を纏った猟犬の姿のネメシス形態へと変貌し、咆哮をあげ威嚇しましょうか。

猟犬の狩り、お見せしましょう。

四肢を使い、翻弄するように駆け回りながら、前脚に備えた篭手から伸びる銀の刃に橙色の炎を纏わせつつ距離をつめる。

敵から放たれる氷柱に対しては、氷を自身が纏う炎で溶かすように炎を放出しながら篭手で受け流すように対面する。

残念ながら、そんなもんで脚を止めてられる程やわじゃないんでね、ここで仕留めさせてもらいますよ!

敵の姿を捉えたら自身に纏う炎を更に燃え上がらせ、炎を爆発させその勢いで一気に距離をつめて篭手に備えた銀の刃を振り下ろし炎の斬撃を放つ【夕暮落とし】で敵を灼き斬る。


プターハ・カデューシアス
アドリブ・連携歓迎
住民との交流や半魚人対応も上手く言って何よりです
お疲れ様でした。

しかし…さむい(寒さが苦手な爬虫類気質)
南米のエルドラドは温暖なイメージがあったのですが
原因は敵の首魁ですか。

………此処がロマノフばりの寒さになる前に片付けましょう

約束の楔にて「トーテムポール」を召喚
なにやら、もの凄くこの地でしっくりくる不思議な感覚を覚えつつ
身体を動かせば、寒さなど なんのその!
【寒冷適応】で強まる寒波を凌ぎながら
理力で殴りに掛かります

ダンジョンから出て復活したサーヴァントのアムリタの応援もあります
負けるわけにはいきません
…? アムリタ! もしかして半分凍ってません?
敵の反撃を受けたのですね……
私のかわいいアムリタに手を出した罪は重いですよ
(静かに怒ってネメシス化)
さあ、覚悟なさい

同戦場の仲間にはWのディフェンスを

生活に密着した食料ダンジョンから「宝」が出るのは
住民にとってはた迷惑な話
ダンジョンの仕組みはまだ謎が多いですが
攻略が進み何らかの予兆や法則が解るようになると良いですね


(「住民との交流も半魚人の撃退も無事に終わってよかった。しかし……」)
 プターハ・カデューシアス(招福龍・g03560)は身震いし呟いた。
「……さむい。南米のエルドラドは温暖なイメージがあったのですが」」
 ドラゴニアンなだけあってか、寒さが苦手な爬虫類気質な彼。
「あれのせいだろ」
 彼の呟きにクローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)が前方からやってくるアヴァタール級を顎で指した。
「敵の首魁ですか。………此処がロマノフばりの寒さになる前に片付けましょう」
 ダンジョンを出てプターハのサーヴァントのアムリタも復活し、ディアボロス達を応援するようにぷよぷよと跳ねる。
「敵さんは氷を操る様子ですし、それならボクは……『我が身は猟犬なりて』」
 括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)は全身を熱い炎を纏った猟犬の姿のネメシス形態へと変貌を見せ、
「これは暖かで助かります」
 脇にいるプターハが思わず礼を言った。
 アヴァタール級イビルヴィヴィアンがやってきて、疎まし気に周囲を見回し呟く。
「子分どもは全滅したのか。『任せてくださいお頭』なんて言ってたくせに使えない、お宝一つ奪ってこれないとはね」
「後はあんただけだね、冷たいお嬢さん」
 イビルヴィヴィアンにクローディアは口の端で笑みを見せて話しかける。
「お頭に子分ね……海賊ってのは、お偉いさんがたんまり溜め込んだ宝を狙ってこその仕事さ」
「何が言いたい」
「あんた達の下らない海賊ごっこは、その妙味をすっかり履き違えているよ。折角の機会だ。最期に「本物」を味わってみるのはどうだい?」
「生意気な!」
 イビルヴィヴィアンが接近してくる。
「これ以上凍てつくのはご遠慮したい」 
 そう言ってプターハが約束の楔を唱えると、幾本ものトーテムポールが降ってきた。集落の合間にトーテムポールのある風景は自然で不思議と馴染んでるようでもある。その中の一本を手にし、
「身体を動かせば、寒さなど なんのその! 寒冷適応もありますしね!」
 理力を込めた打撃を食らわせる。敵は腕でかばいながらもその一撃は重い。
「ぐっ! これぐらいではやられるものか!」
 反撃の氷魔法。プターハの身に冷気が纏わる。
「……く、氷属性の攻撃はつらいですね……でも、負けるわけにはいきません。アムリタも応援してくれて……」
 プターハがアムリタを見る。ぷよぷよとした動きを見せているはずが、今は、どことなくぎこちないというか、しゃりしゃりというか。
「……? アムリタ! もしかして半分凍ってません?」
 冷たくなった表面を撫ぜてやりながらも、彼はイビルヴィヴィアンに目をやる。
「敵の反撃を受けたのですね……私のかわいいアムリタに手を出した罪は重いですよ」
 けして言葉を荒げてはいない。しかし彼はネメシスへと変身を遂げる。そして、怒りにより更に高まる気迫。
 トーテムポールを片手で引き抜くと、
「さあ、覚悟なさい」
 思い切り振りかぶり投げつける。
「く、野蛮な真似をする!」
 イビルヴィヴィアンが思わず後ろに飛びのいたタイミングを見て、クローディアが声を上げる。
『野郎ども、全ての砲門を開け!』
 言葉と共にクローディアとイビルヴィヴィアンの間に召喚されたのはずらりと並んだ砲台に海賊の砲手の霊たち
間断ない、ぶどう弾の一斉砲撃が始まる。その攻撃は容赦なく、イビルヴィヴィアン本体のみならず、その周囲の周囲の氷塊も、翼も、区別なく着弾しては消滅させていく。
「……ぐはっ! ………」
「こいつは地獄への旅に捧げる餞別さ。遠慮せずに受け取りな!」
「……く……やってくれたな! ただは済ますものか!」
 イビルヴィヴィアンが空中に出現させた巨大な氷の塊が、クローディアを襲う。すかさず彼女はフライトドローンを呼び出した。ドローンに氷塊が当たる。完全に防げるはずはないが、それでも時間稼ぎにはなる。クローディアは後ろに飛びのき、直撃を免れ、
「さぁ、野郎ども、続けていこうか」
 再び召喚の体勢を整える。
 ディアボロス達の猛攻にイビルヴィヴィアンは無意識に逃げ腰になる。それを漸は見逃さない。
「猟犬の狩り、お見せしましょう」
 言うなり、漸は四肢で地を駆け距離を詰めていく。そして獣の牙を見せつけながら陽気に告げる。
「はぁい、お嬢さん。後はアナタお一人です」
 篭手から伸びる銀の刃にも橙色の炎が纏う。イビルヴィヴィアンは咄嗟に離れようとするが、漸はすかさず追いつく。
「紳士的な対応であれば、何か手土産の一つでも渡すところですが、何分アナタみたいな略奪者に渡すものなぞ一つもありませんからね」
「鬱陶しい真似を」
「文字通り海の藻屑となってもらいましょうか」
「黙れ!」
 イビルヴィヴィアンが氷柱を放つ。漸はその攻撃に合わせ、自身の炎を更に強めた。彼に向かってくる氷柱は勢いを弱め、籠手でいなされる。
「残念ながら、そんなもんで脚を止めてられる程やわじゃないんでね、ここで仕留めさせてもらいますよ!」
 一層、勢いよく燃えさかる炎は爆炎となり、その勢いで一気に距離をつめる。漸は篭手に備えた銀の刃を振り下ろす。炎の刃は赤の軌跡を描き落ちる。まさに技の名夕暮落としのごとくイビルヴィヴィアンを真っ二つに灼き斬る。
 炎に溶かされたのが先か、それとも、命を失い消滅したのが先か、わからぬまにイビルヴィヴィアンは消え去った。

 アビスローバーらが撃退され、集落に人々が戻ってきた。活気のある様子に目を細め、プターハは言う。
「生活に密着した食料ダンジョンから「宝」が出るのは、住民にとってはた迷惑な話ですね。ダンジョンの仕組みはまだ謎が多いですが。攻略が進み何らかの予兆や法則が解るようになると良いですね」
 クローディアも頷き、
「そうさね。でも、まぁ、くそったれ共がくたばって、気のいい連中が生き残った。
南米探索の先は長いだろうけど、今日はこれだけでも十分さ」
 そう言って、彼らに手を振る集落の子供たちに、ニッと笑い、手を振り返した。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【動物の友】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
【寒冷適応】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【反撃アップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2024年02月11日

南米集落と食料ダンジョン

 黄金海賊船エルドラードの根拠地である南米には、多数のダンジョンがあり、ダンジョンの『宝』を手に入れようと、アビスローバーの海賊団が競い合っています。
 しかし、『食料ダンジョン』と呼ばれる価値の低いダンジョンは、アビスローバーの海賊団が直接探索する事はなく、一般人に解放されているようです。
 食料ダンジョンでは、植物型や動物型のモンスターが徘徊しており、このモンスターを撃破する事で、生活に必要な『資材』や『食料』を得ることが出来るようです。
 一般人は、ここで得られた資材や食料を利用して、生活しています。
 ダンジョンの食料を食べると、大人は健康になり、子供が生まれやすくなり、産まれた子供の成長も早まるので、短期間で集落は発展していくようです。
 これだけならば、問題は無いのですが、このダンジョンから稀に『宝』が発生すると、それを察知したアビスローバーの海賊団が、集落を襲撃して略奪しにやってきてしまうようです。
 『宝』が発生した食料ダンジョンに向かい、探索中に危機に陥っている般人を救援、彼らを助けて『宝』を獲得した上で、略奪に来るアビスローバーを迎撃してください。

(1)ダンジョン内での戦闘について
 黄金海賊船エルドラードのダンジョン内では、逆説連鎖戦が発生しません(攻撃を受けて反撃を行う場合、普通に時間がかかります)。
 さらに攻撃の威力が「一般人が、黄金海賊船エルドラード内の一般的な武器(近接武器ならカトラスや槍、射撃武器なら弓やマスケット銃程度)で攻撃したとき程度」まで低下してしまいます。
 仮に秒間数十発を発射できる機関銃を持ち込んでも、攻撃速度がマスケット銃程度に低下し、与えるダメージも同様に低下します。
 また、直接的な物理攻撃以外の方法でダメージを与える事はできず、魔法などは発動せず、爆風や毒、炎などの影響はすぐに消失し、継続的なダメージを発生させる事もありません。
 さらにサーヴァントは侵入と同時に消えてしまい、内部では召喚できません。

 戦闘では、威力の低下したパラドクスで戦う事も出来ますが、サーベルやマスケット銃を装備し、パラドクスを使用しない海賊らしい戦い方で戦闘を行う方が、有利に戦えるかもしれません。

(2)ダンジョンの罠や仕掛けについて
 試練として用意される『罠や仕掛け』は、オープニングで指定した方法で突破しなければ『突破した』とは扱われず、再挑戦しなければなりません。

 例えば、崩壊する橋を駆け抜けて向こう岸に渡る……という仕掛けに対して、【飛翔】して向こう岸に渡ったり、崩壊後に【セルフクラフト】で丈夫な橋を作って渡るといった裏技を行うと、仕掛けをクリアした事にならず、崩壊する橋の前に戻されて、再挑戦となります。
 他にも、『謎を解き、解いた答えの数字を選んで宝箱を開ける』という試練で謎を解かずに総当たりで数字を入れたり、鍵開けツールで強引に宝箱を解錠すると、再挑戦になってしまうでしょう。
「自分が一般人になったという前提で、試練を正面から突破する為にどうするか」を工夫するのが、ダンジョンを突破する上で重要となるでしょう。

(3)ダンジョンからの排斥
 ダンジョン内での戦闘や試練で「一般人が死亡するようなダメージ」を受けた者は、ダンジョンの外に排斥されてしまいます。
 一般人なら排斥された段階で死体となっていますが、ディアボロスやクロノヴェーダは(HPが高いので)当然死にません。そのためダンジョンへの再挑戦が可能で、一般人に不可能な攻略も可能となっています。
 また、ダンジョンの試練の裏をつくために躍起になった場合なども、ダンジョンから排斥(不採用)される場合もあるようです。

※24年3月1日:『最終人類史のバレンタインデー2024』により、攻略期限が40日延長されました。

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#黄金海賊船エルドラード
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#南米集落と食料ダンジョン
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#エルドラードダンジョン


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選択肢『南米食料ダンジョンの探索』のルール

 南米にある食料ダンジョンを探索し、ダンジョン内で危機に陥っている一般人の救出を行ってください。
 食料ダンジョンには、モンスター化した植物や、肉食動物などが闊歩しており、これと戦って撃破する事で、資材や食料を獲得することが出来るようです。
 ダンジョンの特殊効果により、ダンジョン内では、ディアボロスは普段通りの力を発揮できないようですが、知恵と工夫で、乗り越えていきましょう。
 一般人を殺害するモンスターは、他のモンスターよりも強力であり、撃破する事で資材や食料だけでなく『宝』も発生します。
 この『宝』をもって、ダンジョンを脱出してください。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【🔑】この選択肢の🔵が👑に達しない限り、マスターは👿のリプレイを執筆できない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『住民との交流』のルール

 ディアボロスに対して友好的な住民との交流を行います。
 特別な情報を得る事はできませんが、住民と親交を深める事が出来るでしょう。

 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾一般人を襲うトループス級『海賊半魚人』のルール

 周囲の一般人を襲撃するトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 放置すると村や町を破壊したり一般人を虐殺してしまうので、被害が拡大する恐れがあるでしょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との決戦『イビルヴィヴィアン』のルール

 事件の首魁である、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破する事で、この事件を成功で完結させ、クロノヴェーダの作戦を阻止する事が可能です。
 敵指揮官を撃破した時点で、撃破していないクロノヴェーダは撤退してしまいます。
 また、救出対象などが設定されている場合も、シナリオ成功時までに救出している必要があるので、注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「シメオン・グランツ」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。