聖夜の青きルミナリエ(作者 真魚)
#最終人類史(新宿島)
#最終人類史のクリスマス2023
#クリスマス2023
#プレイング受付中
⊕
●クリスマスの誘い
「歴史の奪還戦(ディアボロス・ウォー)の勝利、おめでとう。そして本当にお疲れ様」
必ず勝てるって、信じていたわ。そう言葉紡いだアンナ・ローザ(ヴェンデッタの糸・g03283)は、ふわりと笑顔を浮かべて頭を下げた。
そして、彼女の声を聞いて足止めたディアボロス達に、青色の招待状を差し出す。
「もう最終人類史の各地でクリスマスパーティーが行われる話は聞いているでしょう? 今日は私からもクリスマスの催し――渋谷の『青の洞窟』へ、あなた達を招待したくて」
見れば、招待状に添えられた写真に写るのは、真っ青なイルミネーションが並木道を飾る光景だった。周囲一帯が青き光に包まれた幻想的な景色。それは、クロノヴェーダに歴史を奪われた2021年より前のクリスマスシーズンには存在していたイルミネーションイベントで、その名を『青の洞窟』と言う。イタリア南部のカプリ島にある観光名所に由来して、名付けられたものだ。
「今回、どんなクリスマスパーティーだったら楽しめるか考えていて。過去の最終人類史にあったイベントを知って……とても美しいと、思ったの」
渋谷の『青の洞窟』も、カプリ島の『青の洞窟』も、断頭革命グランダルメの時代より後に広く知られたものだ。ディヴィジョン出身のアンナは、その両方を知らない。それでも――慣れ始めたこの最終人類史と、祖国イタリアを繋ぐもの。それを見てみたくて、このイベントを復活させようと決めたのだと言う。
「元のイベントは二十日間程あったようだけれど、今回は一夜限りよ。十二月二十四日の夜に、渋谷の公園通りから代々木公園のケヤキ並木にかけてを青いルミナリエ……イルミネーションが輝くわ。この光の飾り付けは、もちろん私も頑張ったのだけれど――それ以上に、近隣の一般の人々が張り切ってやってくれて」
「もきゅきゅっ!」
ふふっ、と声を漏らして嬉しそうに微笑む時先案内人の横で、モーラット・コミュも得意げにふんぞり返っている。このサーヴァントもまた、会場に電飾飾る作業を手伝ったと主張しているのだろう。わかっているわよ、とふわふわの頭を撫でるアンナは、当日の楽しみ方を説明していく。
「まずはもちろん、イルミネーションを楽しんでほしいわ。誰かと一緒に眺めながら散策するのもいいし、写真を撮るにもいいと思う。そしてね……そのお供に、キッチンカーから提供される温かい軽食を楽しむこともできるの」
用意されたメニューは、近隣のイタリア料理店のシェフがこの日のために作ったものだ。あくまでイルミネーション散策がメインなので、歩きながら食べられるもの――お手頃サイズのピッツァや、羊肉の串焼きアロスティチーニ。ライスコロッケのアランチーニに、フォカッチャのホットサンドイッチなどがある。ピッツァやサンドイッチの味は様々だが、中でも生ハムやチーズは断頭革命グランダルメのパルマからディアボロス達が持ち帰り、【口福の伝道者】で増やしたものを使っている。プロシュートディパルマと、パルミジャーノレッジャーノ。その味はぜひあなた達の舌で確かめてほしいと、語るアンナは興奮に頬を薔薇色に染めていた。
イタリア料理を食べたら、やっぱりドルチェはジェラートがいい。寒さの中でもニーズはあるはずと、こちらの用意もされている。バニラ、ミルク、イチゴ、チョコ、レモン、ピスタチオ――様々な味のジェラートはシングル、ダブル、トリプルと選べるが、美味しく食べた後はやっぱり体が震えてしまうだろうから、ちょっと覚悟が必要かもしれない。
「飲み物を提供するキッチンカーもあるわよ。エスプレッソやカプチーノ、それからチョコラータカルダ……濃厚なホットチョコレートのドリンクなのだけれど、寒い冬の夜に飲むにはぴったりなのよ」
アルコールが飲める年齢なら、ホットワインもある。ワインに砂糖とシナモンなどのスパイス、オレンジやリンゴなどのフルーツを入れて煮たこのお酒は、身体を芯から温めてくれることだろう。
「私の知らなかったメニューもたくさんあるのだけれど、全部一般の人達が考えてくれたものなのよ。ディアボロス達にお礼がしたい……その想いが、全ての飲食物に篭められていると思ってね」
そこまで語り終えると、時先案内人の少女は招待状受け取ったディアボロスへと微笑みかけて、ぜひ来てちょうだいと続けた。
「イルミネーションの点灯は、陽が落ちてから深夜まで。キッチンカーの方は、それより前に終了するから……賑やかなのも、その頃に終わると思うわ。静かにイルミネーションを楽しみたい人は、ちょっと遅くに来た方がいいわね」
ただ、どんな時間に訪れるにしても、防寒対策はしておいて。告げたアンナは、桃色の瞳を細めて――最後に一言、楽しみだわと呟いた。
●聖夜の青きルミナリエ
『青の洞窟』の復活。そのために集まった人々は、楽しそうに会場の準備を進めていた。
「『奪還戦』の勝利に、オーストラリアの帰還! 他にも、お礼したいことはいっぱいあるんだ。張り切っていくぞ!」
語りながら電飾を並木道に飾っていく人々の中に、時先案内人の姿もある。ディアボロスである彼女なら、【浮遊】を使って高い所の飾り付けだって簡単にできるから。下から見上げて飾る場所を指示してくれる人々に応えて、アンナは青い電飾を次々と木々に付けていった。
「ふふ、こうしてパーティーの準備をたくさんの人とするなんて……ここへ来た頃の私では、考えられなかったけれど」
「もっきゅ!」
感慨にふけるアンナだが、思考はふよふよと飛んできたモーラット・コミュに中断される。サーヴァントであるこのもふもふもまた電飾の飾りつけを手伝いに来たのだろうと思ったのだが――そのお手てが抱えたものを見て、時先案内人はあら、と声を漏らした。
「もう、マリア。それはクリスマス当日にみんなで食べるものなのよ。準備の段階で食べ尽くそうとしちゃだめ」
「もきゅう! もっきゅうー!」
キッチンカーの試作品を持ってきたと思われる、ピッツァとチョコラータカルダを取り上げればマリアは不満げにてしてし手を振り訴えた。もごもご動く可愛いお口には、チョコラータの茶色い髭ができあがっている。
「ああ、いいんだよ! その子が喜んでくれるなら、ディアボロスさん達にも自信持って振る舞えるからね!」
かかる声に見下ろせば、シェフが明るい笑顔浮かべてアンナとマリアを見ていた。
青き光を目一杯に飾って。美味しくて温かい食べ物と飲み物を用意して。復讐者達へ『ありがとう』を伝える日――クリスマスが、やってくる。
リプレイ
●
人混みに紛れ渋谷の街を進んでいくと、視線の先に青く灯った木々が見えてくる。
――『青の洞窟』。そう名付けられたイルミネーションが彩る並木道は、幻想的な空気に包まれていた。
「クリスマスとは、不思議なものですね」
周囲を見れば、光の下楽しそうな人々が思い思いに過ごしている。その姿を感慨深く眺めて、セド・ファジュル(人間の風塵魔術師・g03577)は思わず声を漏らした。
多くの人々がこの日を心待ちにして過ごし、そして今集まっている。この季節を過ごすのはもう何度目だったか――それでも今年もやはり物珍しさに心惹かれて、セドはこのまま会場をゆっくりと歩いてみることにした。
ぴゅう、と吹く北風は冷たく、外套を羽織り直して街道を行く。青き輝きをスマートフォンのカメラに収める者、温かな料理を食べながら歩く者。皆笑顔で楽しそうで、そんな人々の表情を見るセドの心にも、ほっとした温かさが湧いてくる。
(「私はあまり、街中の行事というものに縁がありませんので」)
儀式に祭事。人々が集まるそういうものであればもちろん経験があるのだけれど、こうも賑やかなものとなると、あまり記憶にない。――けれど、決してそれが嫌いなわけではなく。セドの青く真っ直ぐな瞳は、知らなかった世界を映してキラキラと輝いている。
(「ここはきっと、嘗ての私であれば知ることの無かった世界でしょうから」)
その時、彼の足元にドンッと衝撃が走った。どうしたことかと見下ろせば、そこには小さな子どもの姿。
「わぷっ、ごめんなさい! ……あ! ディアボロスさんだ!」
クリスマスの雰囲気にはしゃぎ、走り回っていた子がぶつかってきたのだろう。セドの姿を見て羨望の眼差しを向けてくる子に、彼は微笑みしゃがみ込んだ。
「大丈夫ですか? 気を付けて楽しんでくださいね」
「うんっ! ありがとう!」
笑顔で再び駆け出した子どもの背中を見送って、セドはイルミネーションに包まれた世界の中でそっと呟いた。
「明日も良い日だと良いですね」
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【操作会得】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
南雲・葵
メリークリスマス!
素敵なお誘いをありがとうアンナ!
招待状で見た写真も綺麗だったけど、実際に見ると凄いって感想しか出てこないな…
一面青い光の洪水だ
アンナとマリアも飾り付け手伝ってたんだって?
お疲れさまと、ありがとう。
良かったら一緒に回らない?
どの辺の飾りしてたか教えてよ、記念にそこで写真撮るからさ。
キッチンカーもお洒落で可愛いね
美味しそうな匂いで目移りしちゃうよ
あ、アロスティチーニ!
ファミレスで良く食べるけど、本場の食べたこと無かったんだよね
これくださーい!
梓(オラトリオ)はチョコラータ?
熱いから気を付けて飲んでよ
俺はホットワインにしよっかな
わっ、美味い!
甘いワイン初めてだけど、温まるし美味しいー
綺麗な景色を見ながら美味しい物食べて、年の瀬を平和に過ごせるって幸せだね。
ちょっと早いけど、今年はお世話になりました!
また来年もよろしくお願いします!
梓と二人で運営をしてくれた街の人とアンナにお礼
楽しい記憶を写真に収めて今年の最後の記念にしよう。
●
琥珀色の瞳に、青い光がキラキラと輝いている。辺り一面が青に染まる世界で、南雲・葵(バールの人・g03227)はきょろきょろと周囲に視線を向けて。やがて一人の少女の姿を見つけたから、彼はその背中へ声を掛けた。
「メリークリスマス! 素敵なお誘いをありがとうアンナ!」
「あら、葵さん。メリークリスマス」
振り返った時先案内人は、見知った姿に微笑みを浮かべた。一緒にいるモーラット・コミュのマリアも、葵とオラトリオの梓に元気に挨拶している。
「どうかしら。『青の洞窟』、楽しんでもらえてる?」
「いやあ、招待状で見た写真も綺麗だったけど、実際に見ると凄いって感想しか出てこないな……」
アンナの問いかけに答えながら、葵は周囲の景色に視線を巡らせる。一面、青い光の洪水。それはとても綺麗で幻想的で、来てよかったと続ければ銀髪の少女は嬉しそうに頷いた。
「アンナとマリアも飾り付け手伝ったんだって? お疲れさまと、ありがとう」
「ふふ、どういたしまして。みんなに、そして葵さんと梓さんに喜んでもらえているのだもの、頑張ってよかったわ」
そうして言葉を交わした二人とサーヴァントの二体は、一緒にイベントを回ることにする。目的地は、アンナとマリアが飾り付けをした場所だ。
歩き出すと、すぐに彼らの鼻をくすぐる美味しそうな香り。お洒落に飾ったキッチンカーは、どれも魅力的な香りで葵達を誘っていて、どれから食べようか目移りしてしまう。
「あ、アロスティチーニ! これくださーい!」
ファミレスでは良く食べるけれど、本場のものを食べたことがなかったから。語りながら受け取った羊肉の串焼きは、芳ばしい香りで期待を高めてくれる。併せて飲むなら、やっぱりホットワインだろう。ドリンクのキッチンカーに並べば、梓が葵の服の裾をちょいちょいと引っ張った。
「梓はチョコラータ? 熱いから気を付けて飲んでよ」
ふうわり甘い香りの飲み物を店員から受け取って、そのまま梓の小さな手に。見ればアンナとマリアもチョコラータカルダをしっかり確保していて、彼らは乾杯してからそれを口に運んだ。
「わっ、美味い! 甘いワイン初めてだけど、温まるし美味しいー」
「チョコラータも美味しいわ。こう寒い場所で飲むと、格別なのね」
葵とアンナが語り合えば、梓もこくこく頷いて。その横ではマリアも濃厚なチョコレートの味がお気に入りなのかぐいぐい飲み進めている。
「ぷはもきゅー!」
「ちょっとマリア、これはそんな一気に飲むものではないわよ……!」
飲みっぷりに思わずアンナが窘めれば、葵が声立てて笑う。
綺麗な景色を眺めながら、美味しいものを食べる。年の瀬を平和に――友人と共に過ごせるこの瞬間を、幸せだと葵は思うから。
「ちょっと早いけど、今年はお世話になりました! また来年もよろしくお願いします!」
「ふふ、こちらこそ。葵さんには大変お世話になりました。来年も、またどうぞよろしくね」
来る年の瀬の挨拶も交わして、笑顔を浮かべて。葵は、目的地に辿り着くとスマートフォンを取り出し景色を、そして自分達を写真に収めていく。
「アンナとマリアも一緒に!」
誘えば返るのはもちろん頷きで。素敵なクリスマスパーティーを運営してくれた渋谷の街の人々とアンナに、お礼の気持ちを篭めて葵はシャッターを切る。
楽しい記憶を、取り零すことないように。全て写真に収めて、今年最後の記念にしよう。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【植物活性】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
オリヴィア・ボージェ
……凄い…。
頂いた招待状の写真、というものがとても素敵で来てみたんですけど…
本当の方がずっとずっとすーっごく綺麗です。
キラキラしていてお星様の中に迷い込んだみたい。
青色って冷ややかなイメージですけど…このイルミネーションの光からは温かみを感じます。
きっと準備してくださった皆さんの気持ちが込もっているからですね。
こうやってずっと見上げてても全然見飽きない……
本当はスケッチしてみたいけど…人が沢山だから今日は我慢です。
……くしゅっ…寒い。
なんだかお腹も空いてきた気がします。
良い匂いに誘われて覗き込んだキッチンカーで見つけたフォカッチャのホットサンドイッチに思わず目が釘付けに。
早速買ってぱくりと頬張れば生ハムの塩味とトロトロのチーズが本当に美味しくて感動です…!
夢中になって食べたあとは甘い香りのチョコラータカルダで両手を温めながら、また青い光の中へ。
普通の人達は私達にありがとうって言って下さいますけど
皆さんが支えてくださっているから私達も戦えるんです。
私の方こそ、ありがとうって言いたいです。
●
「……凄い……」
青く青く輝く世界へ足を踏み入れて、オリヴィア・ボージェ(月下狼人・g10204)は思わず声を漏らしていた。受け取った招待状に添えられていた写真。それがとても素敵だったから、クリスマスのこの日この場所を訪れてみたのだが――。
(「本当の方がずっとずっとすーっごく綺麗です」)
キラキラと光るイルミネーションが、オリヴィアの琥珀色の髪をも神秘的に輝かせる。その瞬きはまるでお星様の中に迷い込んだようだ。
そして彼女がより驚いたのは、この輝きが感じさせる温もりだ。青い色は冷ややかなイメージがあるけれど、この場所を彩る光からはそれを感じない。
(「きっと準備してくださった皆さんの気持ちが込もっているからですね」)
ああ、この景色を、感動を、スケッチしてみたい。どんな色彩を使えば、この温かみまでを描ききれるだろう。気に入った景色を描くのが大好きな少女はついついそう思考を巡らせてしまうけれど、今日のオリヴィアの手元には絵を描く道具がない。人がたくさん集まる場だから、今日は我慢しようと決めてきたのだ。
だから、今はただその光景を瞳に映して覚えていこうと。優しい青い光を見上げる少女は、飽きることなくイルミネーションに浸っていた。
「……くしゅっ……寒い」
どれだけ見上げていただろう、自身のくしゃみに我に返れば、オリヴィアの指先はすっかり冷え切っていた。なんだかお腹も空いてきた気がするし――人々で賑わうキッチンカーから漂う美味しそうな香りに、誘われ覗き込めばその金の瞳はフォカッチャのホットサンドイッチに釘付けになってしまった。
さっそく注文して、ぱくりと頬張る。瞬間、彼女の顔は感動に輝いた。芳ばしい小麦と生ハムの塩味が空腹感を満たし、トロトロのチーズが心までも温めてくれる。シンプルながら、調和のとれたその美味しさ。
夢中になって完食したオリヴィアは、そのままドリンクのキッチンカーへ移動した。選んだのは、甘い香りのチョコラータカルダ。こちらはゆっくり楽しもうと両手で大切に包み込んで、再び青い光の中へと向かっていく。
指先を温める温度にほっとしながら、見上げる星の如き青き光達。そのどれもがオリヴィアを含めたディアボロス達に『ありがとう』と言ってくれているようで、少女の胸がきゅっとなる。
(「普通の人達は私達にありがとうって言って下さいますけど、皆さんが支えてくださっているから私達も戦えるんです」)
そう、このクリスマスパーティーはディアボロス達への感謝を伝えるものとして開催されているけれど。想いは、受け取るばかりではなくて。
「私の方こそ、ありがとうって言いたいです」
口から零れた言葉は、内気な彼女の普段の声よりも大きな音で周囲に響いた。それは、青い世界を楽しむ人々にも確かに伝わって――彼らは、オリヴィアににっこりと微笑んだ。
『ありがとう』を伝え合う、クリスマス。そんな優しいひとときを、イルミネーションはいつまでも温かく包み込んでいるのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【液体錬成】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
眉立・人鳥
アドリブ歓迎
【アイネ(g01781)】と
突然ですが、映えるという言葉を知っているかねアイネくん
若者言葉として定着したのも記憶に新しいね
さて今日はそんな映えそうな場所、映えスポットの一つが復活を遂げたという情報を手に入れたので、あわよくばめっちゃ映える写真を撮りまくろう
と言うわけで来たぜ、アンナちゃん、招待状サンキューなァ
なるほど、こいつァすげえ……噂に違わぬ美麗さ
こうも青一色な世界は流石に初めてだ、新鮮だねェ
俺はペンギンカラーで纏まってるが、青も好きな色上位なのよ
あ、最近は紫もだいぶ推し色だけどな
よし、堪能した所で本題と行きますかァ
バチバチに映える写真を狙うぜ!アイネ!
若者達のいいねを独占だ!
道行く人か、アンナちゃんに協力して貰って撮影に臨む
イルミネーションバックは定番よな、まずは普通にいくつか撮ってみて……
悪くはねえけどもうちっとパンチ欲しくない?
おお!ナイスアイデア!全力の格好いいポーズ、魅せて行こうぜッ!
最後は協力してくれた人やアンナちゃん、通りすがりも巻き込む勢いで記念に1枚だ!
アイネリス・レナリィ
アドリブ歓迎
人鳥さん(g02854)と
もちろん知っていますよ
バエルとは、レメゲトンの第一書であるゴエティアに記載された72の悪魔の一人であり——(スマホぽちー)
なるほど、随分と物々しいですが若者言葉として定着したと言うのは興味深いですね
……ええ、冗談です
ふむ、写真をたくさん撮るのならストレージはたっぷり確保しておかなければいけませんね
準備はしっかりして行きましょうか
まずはお誘いありがとうございます
観光名所由来の名付けだそうで
自然の景色も良いですが、創作された景色もまた違った美しさがあるものですね
紫が推し色ですか?ふふ……それならば私は黄色が推し、と言ったところでしょうか
さて、バエルもとい映える写真となると私は門外漢ですが……
折角協力者を募るのですから、ただピースサインをする程度では締まりません
各々ぼくの考えたカッコいいポーズをバチっとキメるのが良いのでは?
友達と統一するも良し、オンリーワンを極めるも良し
自由にキメた末の混沌がいいねを呼び起こすって寸法です
●
賑やかだった渋谷の並木道も、キッチンカーが営業を終える頃には人が減り静かになっていく。
まばらとなった人の上でも、変わらず輝き続ける青き光達。それを目指してやってきた眉立・人鳥(鳥好き兄ちゃん・g02854)は、傍らの漆黒の髪の女性へと語り掛けた。
「突然ですが、映えるという言葉を知っているかねアイネくん」
「もちろん知っていますよ。バエルとは、レメゲトンの第一書であるゴエティアに記載された七十二の悪魔の一人であり――」
眼鏡の奥の瞳でスマートフォンの画面を見つめ、検索した情報を読み上げるのはアイネリス・レナリィ(黒鉄の魔女・g01781)だ。真面目な表情の彼女の言葉を聞いているのかいないのか、人鳥はうんうん頷いて。
「若者言葉として定着したのも記憶に新しいね」
「なるほど、随分と物々しいですが若者言葉として定着したと言うのは興味深いですね」
「……ん?」
そこでやっと、食い違いに気付いた。赤茶色の瞳で紫の瞳を覗き込もうとすれば、ふいとアイネリスが顔を上げる。
「……ええ、冗談です」
ふっと微笑んだ魔女は、ブラウザアプリを閉じて今度はカメラアプリを起動した。『映える』は、写真に関連する言葉。幻想竜域キングアーサー出身の彼女でも、日本のこの文化を理解できている。写真をたくさん撮るのなら、ストレージはたっぷり確保しておかなければいけない。準備もぬかりなく行ってきたと、告げれば人鳥は嬉しそうに笑顔を浮かべた。
「そうだな、今日はそんな映えそうな場所、映えスポットの一つが復活を遂げたという情報を手に入れて来たんだ、あわよくばめっちゃ映える写真を撮りまくろう」
語る手に持つのは、夜景を撮影するための調整を施したデジタルカメラだ。張り切って進む人鳥は、青い光の入り口に佇む時先案内人を見つけて声を掛けた。
「と言うわけで来たぜ、アンナちゃん、招待状サンキューなァ」
「お誘いありがとうございます」
「人鳥さんに、アイネリスさん。こちらこそ、お越しいただきありがとう」
深々とアイネリスが頭を下げて、アンナもまた同様に礼をする。そんな二人を見遣った後で、人鳥はイルミネーションに飾られた並木道を見上げた。
「なるほど、こいつァすげえ……噂に違わぬ美麗さ。こうも青一色な世界は流石に初めてだ、新鮮だねェ」
「観光名所由来の名付けだそうで。自然の景色も良いですが、創作された景色もまた違った美しさがあるものですね」
青き輝きが、見せる世界。由来となった観光名所は、未だクロノヴェーダに奪われたままだけれど――この景色もいいものだと、語るアイネリスに人鳥が大きく頷いて。
「俺はペンギンカラーで纏まってるが、青も好きな色上位なのよ。あ、最近は紫もだいぶ推し色だけどな」
「紫が推し色ですか? ふふ……それならば私は黄色が推し、と言ったところでしょうか」
微笑み合いながら、互いの好きな色を語る。紫と黄色。それは互いの色をより鮮やかに見せる組み合わせであるが、本人達は気付いているだろうか。
いつも通りの、他愛のない雑談。それに興じる時間も楽しいけれど――人鳥は、その両手をLの形にして、カメラで切り取る景色を考え始めた。
「よし、堪能した所で本題と行きますかァ。バチバチに映える写真を狙うぜ! アイネ! 若者達のいいねを独占だ!」
言葉を紡ぎながらもベストな地点を見つけ出し、次に構えるはデジタルカメラ。アンナにも協力を求めて青いイルミネーションをバックに何枚か撮ってみるが、再生モードで撮れ高を確認しながらも人鳥は首を捻った。
「悪くはねえけどもうちっとパンチ欲しくない?」
「人鳥さん、バエルもとい映える写真となると私は門外漢ですが……」
隣でデジタルカメラの画面を覗き込んでいたアイネリスが、そっと前置きした上で言葉を紡ぐ。折角協力者を募るのですから、ただのピースサインや立ち姿程度では締まりません、と。
「各々『ぼくの考えたカッコいいポーズ』をバチっとキメるのが良いのでは?」
「おお! ナイスアイデア! 全力の格好いいポーズ、魅せて行こうぜッ!」
冷静で的確なアイネリスの提案を、全力で採用する。そういうことならと道行く人にも声掛けて、各々の考えるポーズを求めて何度もシャッターを切っていく。
「えっ? かっこいいポーズ、と言われても
……!?」
まだまだ写真と言う文化に慣れていないアンナなどは戸惑っているが、そこはカメラに慣れた人鳥と、提案者のアイネリスが声を掛けて盛り上げていく。楽しそうな雰囲気に通りすがりの人々も集まれば、大人数だからこそできる大作だって撮れそうだ。
そうして夢中でシャッターを切った人鳥とアイネリスは、データを確認して満足そうに顔を見合わせた。
「これは万バズ狙えそうだなァ! よし、最後はみんなで記念に一枚だ!」
人鳥の明るい声が渋谷の街に響き、人々は皆写真に収まろうと集まる。青く輝くイルミネーションの下、楽しそうな人々の中心には人鳥とアイネリス。その写真は皆笑顔を浮かべていて、このクリスマスの夜の締めくくりに相応しい一枚となったのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!