リプレイ
天城・美結
連携アドリブ歓迎。
現地の人と積極的に交流もしたい。
12月にこの暑さは感覚がおかしくなりそうだね、うん。
12月=寒い冬、というイメージから若干戸惑い気味。
でも折角の海だし、自前もあるけどあえて現地の水着をレンタルしてみる。
チョイスはレンタルのトコに人がいるならお任せして、いないならまぁサイズが合うものを適当にチョイス。
そしてご飯の前にお腹を減らすべく軽く泳ぐよ。
【水中適応】もあるしオーストラリアの海を堪能する。
可能なら水中ライトを借りて夜の海の光景を見たいかな。
やっぱ日本と違うんだろうなーとか。
ある程度泳いだら身体を拭いて、クリスマス風のパーカーをお借りして羽織りたいな。
あと折角なのでサンタ帽子も!
そして写真も撮影してもらいたいかな、水着にサンタ的衣装の写真とか日本じゃ撮れないし!
こんな格好、日本じゃ絶対見られない光景だね、うん。
あとはフードトラックから現地のおいしいものをひたすらに頂くよ。
食べ過ぎたなーと思ったらまた泳ぐ!
闇に包まれた海の中で、天城・美結(ワン・ガール・アーミー・g00169)は褪せない光を知る。つい先日まで奪われていたとは思えぬ佳景が、胸を弾ませてやまない。陽射しももう眠りに就き、全貌が映らなくても。水中を照らすライトのまろい光が、海の美しさを教えてくれた。
(「これが……オーストラリアの海」)
いつからか、浮き立つ気持ちが彼女を浅い海の奥へと誘う。何故なら彼女と共にある光に導かれ、色彩豊かな魚が顔を覗かせたから。しかしゆっくり見回そうものなら、皆あっという間に姿を眩ませてしまう。
かくれんぼをしているみたいだと小さく笑い、美結が陸へ上がろうものなら。行かないでとせがむように潮の流れが脚に纏わりつく。その感覚だけを想い出にして、星明かり揺らめくへ別れを告げた、そのとき。
「どうだったかしら、ここの海」
不意に掛かった声の主は、水着をレンタルする際に世話になった少女だ。歳が近いこともあって幾らか言葉を交わした彼女が、期待に満ちた眼差しでタオルを差し出している。
「うん、綺麗だったよ。日本じゃなかなか見られない絶景だった」
美結が期待に応えれば、よかった、と少女の緊張も溶けた。
そんな姿に美結はそっと目を細め、ひとつ願いを口にする。
「せっかくだから写真撮ってもらいたいんだよね、頼めるかな?」
「勿論よ!」
こうして美結が手にしたのは、水着と一緒にレンタルしていたクリスマスパーカーとサンタ帽子。ひとたび身につければ、短夜の海原を満喫する気で溢れたサンタクロースのお出ましだ。
「あの……いい想い出になった?」
撮影しながら尋ねてきた少女に、迷わず美結は頷く。
「すごく。十二月にもなって暑いのは、不思議な感覚でもあるし。……そうだ。お腹空いたから、おすすめ教えてくれる?」
少女は、他でもないディアボロスに頼られて嬉しくなったのか、ぴょこっと跳ねた後、不敵に笑う。
「私のオススメっていっぱいあるわよ。食べきれるかしら」
「任せて。食べすぎたなーって思ったら、また泳ぐから!」
自信たっぷりに美結が胸を叩くと、少女は夜に似つかわしくない朗らかな笑みを咲かせた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【水中適応】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
坂登・悠日理
惺音g03409と
さっすが南半球
クリスマスが夏なんだな
ちょっと違和感はあるけど
お祭り感は増すっていうか!
とりあえず食べ物買って海辺で食べる?立ち食いでもいいけど
おー
色々あるなー!
俺牡蠣食べたい!
あ、惺音いらないの?
じゃあここで食べちゃお
つるっと1個食べて
んーっ美味しい!
ワインとか飲みたくなるぜ…
レオも食べるか?
ほーマリネ
サラダ感覚で食べられそうだな
惺音は?
へーミートパイかぁ…
俺も1個貰おうかな
デザートも美味しそうだな
パブロヴァ?
メレンゲなんだ?
スポンジじゃないと軽そうだな
クリームたっぷりかけて
メロンとかブルーベリーとか苺とか
果物たっぷり乗せちゃって
これでどうだ!
惺音のもいい感じじゃん
確かにふわふわでユキミにちょっと似てるかも?
あっ俺もエッグノッグ飲みたい
コーヒー加えた奴がいいな
ユキミはシナモン?レオもか
さーてじゃあ食べるか
まずはメリクリ!
エッグノッグで乾杯
ほー…これは…パブロヴァに合いそう
というかミートパイにも合うな
海辺で潮騒聞きながらクリスマスって
何だか不思議だな
ともあれ今年もお疲れ様
森瀧・惺音
ゆぅ君g04140と
何だろう…
クリスマスなのに夏の陽気、とは
私達には不思議だけど個々の人達にはこれが普通なんだよね
立ち食いは少し辛いから海辺が良いなぁ
おー
フードトラックが沢山
牡蠣は、私は見ているだけで良いかな
美味しそうな様子に
レモンとかマリネとかも色々あるみたいだよ
レオにも勧めつつ
私は、ゆぅ君がワインと言った事に吃驚だよ
…あんまりお酒の印象無いし
私は何が良いかなぁ
あ、ミートパイにしよう
パブロヴァは私も気になる…
クリームを乗せて、ブルーベリーや苺も、っと…これで良いかな
おお、ゆぅ君のは豪華だね
…クリームがふわふわで、ユキミも気になるかな
後で一緒に食べようね
あと、エッグノックにしよう
聞いた事はあるけど飲んだ事なかったんだよね
甘味もあるし、私も珈琲を足して
ユキミはシナモン?
海辺に行って、メリークリスマス!
エッグノックで乾杯といただきます
ん、ミルクセーキみたいだけど珈琲も入ってて美味しい
ね、パブロヴァに合いそう
クリスマスっていうと真冬の印象だし…
海辺で迎えるのは不思議
うん、ゆぅ君も
今年もお疲れ様
夏の陽気は夜が飲み込んだというのに、じんわり肌を伝う暑さは残ったままで。森瀧・惺音(眠れる森の魔女・g03409)は意識せず「不思議……」と呟く。
「ここの人たちには、これが普通……なんだよね」
「だな。ちょっと違和感はあるけど、お祭り感は増すっていうか!」
坂登・悠日理(叡智の眼・g04140)の眼は、すっかりフードトラックたちが織りなすクリスマスパーティの虜。
「「おー」」
二人して列の手前から奥まで顔を向けていき、二人揃って同じ調子で唸った。
何処までも続くフードトラックの行列が、訪れた者の目を大いに楽しませる。そんな中で悠日理が早速釘付けになったのは、牡蠣の山だ。
「俺牡蠣食べたい! 惺音は?」
一歩引いてオイスタートラックを眺めていた惺音は、見ているだけで良いと首を振る。
ふうんと唸った悠日理はそこで、受け取った牡蠣をすすり込む。
「んーっ美味しい! これはワインとか飲みたくなるぜ……」
「えっ!?」
隣のトラックでミートパイを貰ってきた惺音も、素っ頓狂な声をあげざるを得なかった。
そして驚く彼女に驚いて、悠日理が危うく牡蠣の殻を落としそうになる。
「な、なんだ? どうかしたか?」
「ゆぅ君がワインと言った事に吃驚しただけだよ。……あんまりお酒の印象無いし」
面食らった事実が尾を引いたまま、惺音は彼の袖をつまんで視線を外させる。
「見て、ゆぅ君。ほら、レモンとかマリネもあるみたいだよ。あっ、レオも……どう、かな?」
メーラーデーモンのレオに話を振るも、当のレオはまじろぐだけ。
「ほー、マリネか。サラダ感覚でいけそうだな、レオも食べるか?」
こうして海の幸と家庭の味を手にした後、トラックを一台ずつなぞっていった二人はやがてパブロヴァの店へと辿り着く。
「パブロヴァ、ってなんだろう」
悠日理が首を傾げると、店主が爽やかな笑顔で出迎えてくれた。
「焼いたメレンゲをベースにした菓子ですよ! ちなみにウチでは自由に盛り付けしてもらってます!」
「へえ、メレンゲなんだ? ……惺音、それぞれで盛り付けてみるか?」
「うん。いいね、おもしろそう」
まっさらなキャンバス同様のメレンゲに、両者の持ち味が活かされる時が来た。
惺音がメレンゲのドレスに先ず選んだのは、ふんわりしたクリーム。彼女の横ではモーラット・コミュのユキミが、じいっと工程の一部始終を見つめていた。
「ユキミみたいにふわふわ。後で一緒に食べようね」
「きゅ!」
ブルーベリーと苺を乗せながらユキミに囁いたところで、惺音の耳に飛び込んできたのは悠日理の一声。
「これでどうだ!」
「おお、ゆぅ君の、なんだか豪華だね」
彼がたっぷり乗せたクリームは、まるで雲のよう。そして大きな雲の上で遊ぶ果物たちは、どこか楽しげで。クリスマス気分をめいっぱい注ぎ込んだパブロヴァだ。
「惺音のもいい感じじゃん。ユキミとお揃いっぽさもあるし」
ユキミとパブロヴァを交互に見やる悠日理の動きに、ユキミはきょとんとするばかりだった。
――メインディッシュにデザートも用意できれば、残るはドリンク。
「エッグノッグも持っていこうかな……聞いたことあったから、ちょっと気になっていたんだよね」
惺音が興味をぽつりと零した途端、俺も飲みたい、と隣で悠日理も同意を示す。
「コーヒー加えた奴がいいな、ほろ苦いのはありがたい」
「そうだね。私もそれにする」
珈琲色で染め上げたエッグノッグが、二つ。それとユキミとレオの分もと、シナモン香るカップも受け取って。
いよいよ準備は整った。
胃を満たす料理を抱えた足が次に向かうのは、オーストラリアの星灯りが照らす浜辺。
「さーてと。じゃあまずは……メリクリ!」
「メリークリスマス!」
エッグノッグを掲げ、真夏の聖夜に乾杯する。
「さっすが南半球。海辺で潮騒聞きながらのクリスマスになるなんてな」
ミルクセーキを彷彿とさせる味わいに舌鼓を打つと、この一年の出来事が悠日理の脳裏を過ぎる。
思い返せば瞬きの間だった。間近に迫った終わりと始まりを、波の音でより強く実感する。
「ともあれ今年もお疲れ様」
「うん、ゆぅ君も。……お疲れ様」
だからこそいつもと変わらぬ距離で、二人は夜の暑さと潮の香りに身を委ねていった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
本郷・夏深
見てください、えだまめ
あのセッティングされている青と白のライトアップ…
あれは確実にカフカを讃える為のカラーリングですね
いやはや我ながら…大活躍したものですから…
…暑っ…
クリスマスにこの暑さとは、流石のカフカも予想外でした
弱点があるのもカフカの魅力ポイントではありますが、しかし!
素晴らしき日に弱った姿を人々へ見せるのは不本意です
ここは一つ、明るく!元気に!冷たいものを貰いにいきましょう、直ちに
という訳で
食べ物も欲しいですが、まずは冷たいドリンクから
エッグノッグ?どんな味か気になります
欲しいです、ひとつ下さい!
…
…こ、これは
美味い!
うわ、美味しすぎる…!この飲み物を今まで知らなかったとは!
あ、コーヒーのも一つ下さい。持ち帰りで!
冷たいもので回復したので美味しい食べ物を買いに行く、その前に
コーヒー入りのエッグノッグを国男さんへ差し入れたく
これ、めっちゃ美味いですよ
口に合わなければ私が代わりに飲み干します
それ程に美味いですよ、これ!
そうだ、折角ですから乾杯しましょう
メリークリスマス、良き一日を!
「見てください、えだまめ。どう思いますか?」
本郷・夏深(逢魔が夏・g00583)に問いかけられたパンツァーハウンドのえだまめが、じいっと光を凝視する。涼しげな青と白が織りなす、ライトアップの輝きを。
「あのセッティング……まさか……いやあれは確実にカフカを讃える為のカラーリングですね」
「わぅ」
えだまめの無邪気な鳴き声に、夏深はふっと吐息で笑った。
「いやはや我ながら……大活躍したものですから……さもありなんという、あれで……暑っ」
ぱたり。耐えていた膝がとうとう折れる。それでも項垂れず、扇を動かし続けた。しかし浴びる風ですら温い。
「この暑さは流石のカフカも予想外でした」
「うぅわん?」
「ええ、ええ、弱点があるのもカフカの魅力ポイントではありますが、しかし!」
思い出したように周囲を見回す。物陰にいて人目につかなかったらしく、彼を気に留めている人はいない。ならばと夏深は気合を入れ、すっくと立ちあがった。
「素晴らしき日に弱った姿を見せるのは不本意です。ここは一つ……」
「ばう!」
「そう! 明るく! 元気に! 登場しましょう!」
奮い立った彼が向かう先こそ、クリスマスの彩りで飾られた海岸沿い。
そこで直ちに彼が起こした行動は、弱った様を人々に晒すまいとする覚悟によるもの。
「エッグノッグとやらをひとつ下さい! アイスで!」
冷たいドリンクで身を癒すという、今日の明暗を分ける行いだ。これが無くてはまともに動けやしない。
そして一口含んだだけで稲妻が走った。ふんわりし滑らかな口当たりが熱を払ったかと思えば、次の瞬間には凛冽な寒さを連れて甘さが喉元を過ぎていく。
「うまっ……うわ、美味しすぎる! 何故今までこの飲み物と出会えなかったのですか!」
拳を震わせて一通り悔しがったところで、ハッとする。
「今日この時のために出会わなかった、と。それなら熱帯夜の意義も頷けるというもの!」
悟りの境地に至った夏深は、もう一杯グラスを受け取って踵を返す。
「これ、めっちゃ美味いですよ国男さん」
「やあやあ夏深君! おや、噂のエッグノッグだねぇ」
「ええ、口に合わなければ私が代わりに飲み干します。それ程に美味いですから! 乾杯しましょう」
「君のお墨付きなんだからしっかり頂くよ。ではでは……」
こうして二人はグラスで以て、良いクリスマスを、と願いを掲げた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
クーガ・ゾハル
ケペシュ(g06831)と
時々きらきらする、まっくろな夜の海
コーラみたいだななんて、見下ろしながら
片手に骨つきハム
片手にクラッカーで、そのときを待つ
このハムうまいぞ、ケペシュ
クラッカーの出番だ
準備はいいかケペシュ、せーの、だぞ
片方ずつ、ふたりで持って
せーのっ
はじける音に、飛び出すオモチャ
それから、海も空もそめあげる花火
まぶしくて、あざやかで
へへ、すごいぞ
歓声は、となりに聞こえるように大きめで
……ん、こういう感じが、いいな
――おまえが、いきてるかわからない、なんて
もう考えられなくなるくらい
びっくりするくらい、おもしろいこと、楽しいこと
さっきみたいに、知らないモノいっしょに開けたら
すごいやつ、見つかるかもしれないよな
そういうモノ、なのか?
はは、それじゃ、見のがさないように
たくさん、思いっきり喜ばないとな
クラッカーから飛び出した、色とりどりの折り紙の星
ぴかぴかの金色をケペシュの手のひらに乗せて
おれのは、これか
ま正面でのぞいてる、とうめいなふたつの青にならべてみる
へへ、これで、あわせて三つ星だな
ケペシュ・ナージャ
クーガ(g05079)と
昼間はソーダで夜はコーラ
炭酸好きにはたまらない
両端から引っ張るクラッカーなんてのもあるんですね
時間がくるまでに腹を満たしておきましょうか
骨が付いてるのが豪快でいいですね、それ
一つください
はいはい、せーのですね
それじゃあいきますよ
せーの
勢いよく飛び出した中身と大きな音に瞠目しつつ
空に咲いた大輪の花に目を奪われる
隣を見れば、琥珀の瞳に映る花火が綺麗で
こういう感じ、ですか
……そうですね、きっとクーガは一緒に開けてくれる人だと思うから
中からどんなに素晴らしい宝物が出てきても、俺一人じゃただのガラクタにしかならないんです
貴方の喜ぶ顔を見て初めて
それは俺にとっての宝物になる
花火だってこんなに美しく映るんだ
青い折紙の星をクーガの手のひらに乗せ
同じ色の瞳が貴方を覗き込む
いつか貴方にとっての俺もそうなれば良いと
願いをかけても星は許してくれるでしょうか
陽射しに別れを告げた海を見るように促したクーガ・ゾハル(墓守・g05079)の声色が、漣に似た繊細さでケペシュ・ナージャ(砂蠍・g06831)の耳朶を打つ。
「まっくろだけど、時々きらきらする。ほら。あそことか、あれとか」
泡立つ波間に、押し寄せる潮騒といった暗さを湛えた海を目の前にしても、クーガはきっと変わらない。変わらずどこか真っ直ぐに、どこか無邪気にこう言うのだ。
「コーラみたいだ」
馴染み深い響きを聴いたケペシュが瞬ぐ。そして。
――夜を閉じ込めたグラスで、弾けては揺れる星灯り。
想像して、ケペシュは指でグラスめいた枠組みを模り、海原へ翳す。すると枠の内側で、しゅわしゅわと弾けては消える波の花を知った。
「本当ですね。昼間はそれこそソーダ水のようでしたから、たまらない光景です」
新宿島で出会って以降、すっかりケペシュを虜にした炭酸めいた美しさ。それに見入っていると、くぅん、と切ない音が鳴った。ぱちりと瞬いて、ケペシュは自らの腹部へ手を添える。
「……時間もまだありますし、腹を満たしておきましょうか」
「おれ、用意ばっちり」
きりっとした面差しでクーガが胸を張る。彼の手には大振りの骨つきハムが握られていて、発言に違わず準備万端のようだ。
「このハムうまいぞ、ケペシュ」
「豪快でいいですね、一つください」
打ちあがる花火を今か今かと待ち続ける彼らにとって、ハムを平らげるのは造作もないことだった。
やがて骨付き肉が骨だけになる頃には、クーガの手で出番を待ち遠しく感じているであろうクリスマスクラッカーが、ケペシュにも差し出される。
「準備はいいかケペシュ、せーの、だぞ」
「はいはい、せーのですね。いきますよ……せーの」
ケペシュの掛け声を合図に、クラッカーの両端を引っ張った。
直後、手元で盛大に弾けた破裂音がケペシュを瞠目させ、クラッカーからは紙吹雪が踊りだす。無数の紙片と共に脱出を叶えた折り紙の星たちが、二人の手の平を拠り所とした。
色とりどりの星を見下ろし、これは、とケペシュが言い掛けた、そのとき。
――ドォォ……ン。
今度は、爪先から頭の天辺まで震動が伝う。
その源はもちろん、星降る夜に空を飾った光の花。とうとう花火が始まったのだ。
まぶしい、とクーガが反射的に瞼で眼を守る。夜に沈んだ海ばかり見つめていたおかげで、空を染め上げる花火との明暗の差が激しい。
「へへ、すごいぞ、あざやかでぜんぶすごいっ」
喉を開いて響かせたクーガの歓声が、周囲の人たちからも元気な声を引き出させる。すると一帯は瞬く間に、花火への称賛と感心を紡ぐ舞台となって。
「……ん、こういう感じが、いいな」
「こういう感じ、ですか」
大輪を仰ぎ見たままケペシュも零し、天の花を目指し腕を伸ばそうとした。しかし次の瞬間には引き戻してしまう。
何故なら、外した視線の先に、クーガの横顔があったから。
彼を象徴する琥珀へ映り込んだひとひらの花弁までもが、得も言われぬ美しさを描いていて。
けれど当のクーガは、いつだったか、考えたくない冷たさが背を伝ったことを思い出していた。
(「おまえが、いきてるかわからない、なんて……」)
ゆるくかぶりを振り、震えをぬるい波で押し流していく。
だから次にクーガの唇が歌うのは、不安から縁遠い言葉。
「クラッカーと花火みたいに、知らないモノいっしょに開けたら、すごいやつ、見つかるかもしれないよな」
「……そう、ですね。それに……」
彼の手へ、ケペシュが選び取った青い紙の星を徐に寄せた。
「俺一人じゃ、どんなに素晴らしい宝物が出ても、ただのガラクタにしかなりませんから」
いつでも一緒に開けてくれる存在を確かめるように、顔を覗き込む。
「貴方の喜ぶ顔を見て初めて、それは俺にとっての宝物になる」
「そういうモノ、なのか?」
一度は首を傾げたクーガも、次の瞬間にはふわりと笑んだ。
「それじゃ、見のがさないように……たくさん、思いっきり喜ばないとな。はい、おれの」
今度はクーガから金の星が贈られた。先ほどケペシュも見惚れていた、琥珀めいた星が。
「へへ、あわせて三つ星だな」
嗚呼、そんな笑みを咲かされては。
いつか。いつか貴方にとっての俺もそうなれば良いと。
途方も無い願いをかけて、その星は果たして許してくれるでしょうか――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【モブオーラ】LV2が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【フィニッシュ】LV1が発生!
九条・雅
相棒のエアハルト(g03594)と参加
折角オーストラリアでゆっくりできるようになったんだ。早速クリスマスパーティの準備させて申し訳ないが。そうだね、私とエアハルトは海に囲まれたオーストラリアのシーフードを頂くか。お互い肉を沢山食べれる程若くはない。
流石というかオイスターが美味しそうに料理されてるね。レモンを絞った牡蠣を。折角だ、ロブスターも。
まだお腹に入るかい?バラマンティをガーリックで食べよう。エアハルトが感心してるね。そういえばアタシもエアハルトも地元が山だから新鮮な海産物は珍しい。しかも極上の味ときた。
もうデザート入らないねえ。エッグノックで終わりだね。アタシはナツメグで味付け使用。
ああ、夜の海の花火は最高だねえ。両側引っ張ってクラッカー鳴らすのかい?賑やかなのは大歓迎だ。タイミング併せられるね?エアハルト。
おお、紙のおもちゃや王冠が出てきた。華やかだねえ。地元の人の精一杯の想いが感じられる。
ああ、大変な時に戻してごめん。でも、掛け替えのない大地、必ず守ってみせるさ。
エアハルト・ヴィオレ
相棒の雅(g03417)と参加
時間が止まったのは8月ですから、いきなり天候が変わった上にもうクリスマスですし。でも私はとてもオーストラリアを訪れるのを楽しみにしてたんですよ。自然豊かな土地・・・やっと住民の皆さんが生活できるようになったんですね。
海に囲まれたオーストラリアならではのシーフードを味わいたい。ええ、沢山の肉を食べれるほど私たちは若くはないですし。
オイスタートラックの唐辛子やライムでマリネした牡蠣は極上の味です。色鮮やかなロブスターも良く焼けています。はい、まだ入りますよ。やはり名物の魚バラマンティの盛り合わせをガーリックで。これは食べないと。
ええ、私が領主を務めていた領地は山にありました。なので、これだけ大量の海鮮物はとても新鮮です。
もうデザート入りませんね。エッグノックのコーヒ入りで仕上げですね。
夜の海上の花火ですか。さぞや綺麗でしょうねえ。雅とクラッカー引っ張って出てくる紙の星や王冠に微笑みます。
大変な目に合わせた以上、守っていきたいですよね。強く誓います。
良いクリスマスを、の定番フレーズと共に出された一品。
惜しげもなく盛られた海の幸は、鮮やかな色と空腹に訴えかける香りでエアハルト・ヴィオレ(天籟のエヴァンジル・g03594)と九条・雅(赫焉のパシオン・g03417)を迎え入れる。目の当たりにするや、ふふ、と雅が吐息で笑った。
「シーフードにして正解だったよ。お互い、肉の山を崩せる程若くはないからね」
「ええ、沢山の肉に耐えられる胃袋は、若かりし頃に置いて来てしまいましたし」
エアハルトも軽い口振りで応えたところで、いよいよ相棒同士の夜宴が始まる。
まずは雅が、海の香を連れた檸檬が滴りかけ、零れぬようにと雅は口へと運ぶ。届いてくる潮騒もあって、彼女の五感はすっかり海に惹きつけられている。
「こんなに美味しいだなんて、流石だね。想像以上だ」
彼女が唸ればエアハルトも、思わず二回ほど頷いた。そんなエアハルトが含んだのは、唐辛子とライムで味付けしたオイスター。舌を刺激するピリリとした辛さと爽やかさが、豊かな味わいのハーモニーを生んでいて、噛めば牡蠣の風味が咥内をふわりと覆い尽くす。
「極上の味、とはきっとこのような味を云うのですね」
海に囲まれた地域ならではの美食は、こうしてかれらのささやかな胃へ次々と収まっていった。
そして気付けば豪勢な一皿も、随分と嵩が減ってきて。
「まだお腹に入るかい?」
「はい、まだ入りますよ」
尋ねられたエアハルトは、ちょうどロブスターの身を殻から解放したところで。
返答を受け取った雅も早速、先ほどまでロブスターの陰に隠れていた白身魚を引っ張り出す。そこに控えていたのはオーストラリア名物の魚、バラマンディ。ロブスターの豪快さを堪能した後、バラマンディを二人で分かち合った。
「新鮮な海産物とは縁のない地元だったからねえ、アタシもアンタも」
呟きながら大振りの白身を解し、一片ずつ口へ放り込む。
こくりと顎を引き、エアハルトは自身が領主を務める領地だった山へ思いを馳せる。
「獲れ立ての海産物を大量に味わえるのは、たいへん喜ばしいことです」
自然の恩恵に与るという点では同じでも、空気から食まで様々なものが違う。だからこそエアハルトは訪問を楽しみにしていた。気持ちが眼差しからも滲み出ているのか、夜にもかかわらず彼の眸は光を鏤めていて。
そんな相棒の姿を知りつつ、雅はバラマンディを心ゆくまで味わう。
「クセもないしふっくらしているね」
「ええ、お店の方が、パーティにもこれは外せないと仰っていた意味が、よく解りますね」
こうしてガーリックをドレスにした白身が、ふたつの食欲を満たしていく。
おかげでデザートが入り込む隙は無さそうだと感じ、二人してエッグノッグの入ったグラスを掲げる。
「では、こちらで仕上げといきましょうか」
先にエアハルトが告げ、喉を潤す。エッグノックの柔らかな甘さは、コーヒーによってビターな余韻をエアハルトの舌へ齎した。
一方の雅は、ナツメグで味付けしたエッグノックで、まもなく始まる花火を祝う。
胃も心も満ちる頃、どちらから言い出すでもなくクリスマスクラッカーを手にして。
「併せられるね、エアハルト」
「もちろんです」
呼吸を合わせてクラッカーの端を二人で引けば、盛大な祝いの音と紙片が舞う。
色画用紙の王冠を雅が掬い上げ、エアハルトはカンガルーとサンタクロースの形に切られた紙を手に乗せる。
子どもが作ったものだろうか。互いの紙細工にぎこちなく書かれた『メリークリスマス』は、二人の眸をそっと細めさせた。
「やっと……皆さんが生活できるようになったんですね」
取り返した現実を噛み締めたエアハルトの呟きも、そこかしこで鳴り出したクラッカーの音色に紛れる。それでも傍らを守る雅の耳には、しかと届いて。
「ああ、大変な時に戻したというのにね。でも……」
仰ぎ見た夜を、雅もまた記憶へ刻み、そして呟く。
「掛け替えのない大地、必ず守ってみせるさ」
パーティの準備にクラッカー、味わった数々の料理。すべて人々の想いの証だった。そう感じられたから。
「大変な目に合わせた以上、守っていきたいですよね」
エアハルトも強く――強く誓いの言の葉を波打ち際へ寄せた。
「……それにしても」
ぽつりと付け足した雅が、何気なく王冠を夜空へ掲げると。
「一等華やかだねえ」
雅の声を乗せて、海から光が昇る。
光はやがて、王冠越しに明るい花を咲かせた。まるでオーストラリアの未来を、人々の心を示すかのように。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ラストリベンジ】LV1が発生!
方堂・明音
(トレインチケット)
誰もが海上で咲う花へ釘付けになっている一方、フードトラックの列を右から左へ足早に行き来する一人の少女がいた。
「わかりました、確認してみますね」
方堂・明音(ほうどう・あかね 人間のワールドハッカー・g03535)はオーストラリアの地を踏んでも尚、普段の調子を崩さずにいる。迷子や迷い猫がいれば探し回り、フードトラックへ追加の材料を運ぶ手伝いにも加わって。
そんな姿を目撃して、国男が呼び止める。
「おやおや明音君、クリスマスはもう楽しんだのかい?」
「はい、お腹いっぱい頂きましたよ」
「ハッハハハ! 嬢ちゃん、ウチのパイやケーキはどうだった?」
国男に同道していた現地の人からも、明音へ声がかかった。
「はい、果物たっぷりでとてもおいしかったです」
「あたしんトコのフルーツジュースもさ、また飲みにおいでよ」
「ひと仕事終えたら伺いますね」
今は動いていたいらしい明音に、ふむと国男も一度は唸ったが、ひらりと片手を揺らすに留めた。
「花火はまだまだ続くからねぇ、良いクリスマスを!」
「皆さんも、素敵なクリスマスを」
言うが早いか、彼女は長い三つ編みを弾ませて別のトラックへ向かう。
道中ふと辺りを見回せば、明音の世界に飛び込んでくるものはどれも、夜の中でひと際眩しかった。
美食や花火に釘付けなディアボロスの仲間。来訪してくれたディアボロスの様子を見て、嬉しそうに笑う住民。
肌で感じていた夏の熱が心まで沁みていくようで、明音の胸にも光が灯る。
(「しゃがんだり、うずくまって居なくて良かった」)
だからもうちょっとだけ。もうちょっとだけがんばったら、周りと一緒に浜辺で花火を見よう。
そう決めて彼女は、光と歓声が咲き誇った夜を駆ける。
渚へ刻まれていく数え切れないほどの贈り物に――想い出に焦がれながら。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!