最終人類史のクリスマス2023

 幻想竜域キングアーサー奪還戦の勝利に湧く最終人類史では、更に嬉しいニュースとしてワイルド・カードでの提案を受けて行われた『オーストラリアの住民の帰還』が発表されました。
 隣接海域である『冥海機ヤ・ウマト』のソロモン海域の安定化なども行っており、帰還の為の準備活動にも余念が無かった為、2023年のクリスマス時点で住民の帰還作業を完了させることが出来ています。

 オーストラリアの人々への初期説明は終わっており、ディアボロスの活動にも理解が得られています。
 オーストラリアの各都市からも、ディアボロスとの友好を深める為のクリスマスパーティの招待状が送られてきています。

 東京23区、横須賀、京都・奈良に加え、オーストラリア各地で行われるクリスマスパーティに参加して、素晴らしい聖夜を過ごしましょう。
 オーストラリアを含め最終人類史の住民達は、時先案内人と共に、ディアボロスと楽しむ為のパーティの準備を手伝ってくれています。

※地獄変エネルギーについて
 2022年のクリスマスの実験を通じ、クリスマスの催しでも(サンタクロースを『妖怪の一種』と強引に認定することで)僅かながら地獄変エネルギー補充が可能であることが判明しています。ハロウィン程の効率はありませんが、一定のエネルギーの補充は期待できるかもしれません。

傍らの輝き(作者 志羽
12


#最終人類史(新宿島)  #最終人類史のクリスマス2023  #クリスマス2023 


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#最終人類史(新宿島)
🔒
#最終人類史のクリスマス2023
🔒
#クリスマス2023


0



●新宿での、クリスマス
「おつかれさん」
 奪還戦が終わって――そして守れて、よかったと藤臣・明鶴(白雷・g03329)は笑って紡ぐ。
「長い事、ドラゴン勢とは戦ってたからなぁ」
 いろんなことがあったと明鶴は思いつつ、それはそれとして――クリスマスだと口端を上げた。
 今年も様々な場所でクリスマスの催しが行われている。それぞれの場所にはパラドクストレインで移動できるので、遠く離れた――たとえば、帰還を祝うオーストラリアでのパーティだってすぐに行くことはできる。そして、そのうちの一つを案内したいと明鶴は紡ぐ。
「つっても、すぐそこなんだけどな」
 それは新宿駅グランドターミナル周辺でのクリスマス。
 といっても、何かしらを派手に行うパーティーのようなことはなく。ただ、周辺にイルミネーションが施されていて、それが見事なのだという。
 木々に施されているイルミネーション。周辺のビルなどにも、イルミネーションのオブジェクトなどがいろいろと設置されて楽しめるようだ。
 それに、コーヒーショップなどもあるのでそこで暖かな飲み物を買って飲みながら歩いてみることもできる。また、ちょっとゆっくりしたければ、イルミネーションを見ながら休める場所も用意されているようだ。
「南口のあたりから、ちょっとしたスペースがあって。遊歩道が続いて……途中で橋もあるじゃん、百貨店のほうに続くあれ」
 あの橋から、色々な場所に行くパラドクストレインを眺めてみるのも――此度、この新宿島に訪れていたかもしれない可能性を思えば、思うことがあるものがいるかもしれない。

「ま、なんつーか……パーティていうよりはイルミネーションの中を散歩って感じかな」
 でも雰囲気は良い感じだしデートとかもできそうと明鶴は言う。
 それに、ひとびとがいつもありがとうの気持ちを込めて――ディアボロスたちの為に周辺の店を開いてくれているようだ。
 寒い中、温かいものを飲むのもいいが、あえて。あえて、クリームもりもりなフローズン状のドリンクを頼むこともできる。
 他にもスープやサンドイッチ、ホットサンドといった軽食もあるようだ。そしてもちろんスイーツも。チュロスやドーナツといったものがある。
「ちなみに俺のお勧めはパン屋。シュトーレンやパネトーネをもちろんまるっと買えたりもするんだけど、一切れ分とかカットもしてくれて気軽に楽しめるっぽい」
 そういうのも、クリスマスって感じがするだろと明鶴は笑う。土産にするのもいいし、飲食スペースで一切れ、飲み物と楽しむのもありだと。
 なんとなく、そう――日常の延長線上なクリスマス。そんな雰囲気を感じることができるだろうと明鶴は続けた。
「てことで、どこか行く前にちょっと夜でも、こっち戻ってきてから帰り道がてら歩いてみるでも……きっと楽しいと思うぜ」
 きらきら輝くイルミネーションを見ながら歩くってだけでも、クリスマス気分になれるだろからと。

●傍らの輝き
 それはいつも通る道なのかもしれない。
 新宿島の人々は、かつても――この道が輝いていたことを知っている。だからこのあたりが輝きの道になることは何か懐かしさもあるような。
 そして、その通りにある店もディアボロスたちをもてなすための準備をしていた。
 コーヒーの店は、この日の為にブレンドした豆があったり。ホットチョコレートの準備、はたまたフローズン状のドリンクの機械の準備もばっちり。
 それらにぶわっとのせるクリームの準備だって万端。好みで上にシナモンや、ナッツなどを振り駆けたりもできる。クリスマスだからと、特別に星型のチョコレートチップやアラザンもあるようだ。
 近くのパン屋では、クリスマスならではのシュトーレンやパネトーネが焼き上げられている。まるっとひとつお買い上げもできるが、四分の一だけやひときれなど、ちょっと楽しみたい人用もあるようだ。
 それにちょっと摘まめるようにタルティーヌも。帆立とエビ、きのことパラストラミビーフ、冬野菜などなど何種類かあるようだ。
 他にも、あたたかなスープやサンドイッチ。ドーナツやチュロスなどなど、色々なものがある。
 飲み物と軽食をもって、近くの飲食スペースに行くのもいい。寒空の下だが、暖かくできるようストーブとひざ掛けなどは容易されているようだ。
 ひとびとはディアボロスたちがたのしくここで過ごしてくれたらいいと――準備に心躍らせつつ、作業を進めていた。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
4
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【悲劇感知】
1
「効果LV×1時間」以内に悲劇が発生する場合、発生する場所に、ディアボロスだけに聞こえる悲劇の内容を示唆する悲しみの歌が流れるようになる。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【腐食】
1
周囲が腐食の霧に包まれる。霧はディアボロスが指定した「効果LV×10kg」の物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)だけを急激に腐食させていく。
【浮遊】
1
周囲が、ディアボロスが浮遊できる世界に変わる。浮遊中は手を繋いだ「効果LV×3体」までの一般人を連れ、空中を歩く程度の速度で移動できる。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【モブオーラ】
2
ディアボロスの行動が周囲の耳目を集めないという世界法則を発生させる。注目されたり話しかけられる確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【修復加速】
1
周囲が、破壊された建造物や物品の修復が容易に行える世界に変わる。修復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」する。
【落下耐性】
1
周囲のディアボロスと、「効果LV×300m半径内」の通常の生物に、どんな高所から落下しても、落下時の衝撃を2mの高さから落下した程度に軽減する能力を与える。
【操作会得】
1
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【口福の伝道者】
2
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【おいしくなあれ】
1
周囲の食べ物の味が向上する。栄養などはそのまま。効果LVが高いほど美味しくなる。
【ハウスキーパー】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建物に守護霊を宿らせる。守護霊が宿った建物では、「効果LV日」の間、外部条件に関わらず快適に生活できる。
【寒冷適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、摂氏マイナス80度までの寒さならば快適に過ごせる世界に変わる。
【水中適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。
【猫変身】
2
周囲が、ディアボロスが猫に変身できる世界に変わる。変身した猫は最大「効果LV×10m」の高さまで跳躍できるが、変身中はパラドクスは使用できない。

効果2

【能力値アップ】LV6 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV2 / 【ガードアップ】LV1 / 【凌駕率アップ】LV1 / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV2 / 【リザレクション】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【アヴォイド】LV2 / 【ダブル】LV2 / 【ロストエナジー】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

志羽
志羽
 お目通しありがとうございます、志羽です。
 受付、執筆状況などについては、マスターページ等でお知らせ予定ですのでご確認いただけると幸いです。
 受付は早めに締切の予定です。

●選択肢
 採用人数に制限はありません。
 プレイング内容などによってはお返しすることもありますのでご了承ください。

 基本的に①でお好きな時間をお過ごしください。
 新宿の南口あたりからのイルミネーションが楽しめます。
 明らかに雰囲気から逸脱するなどなければ、ありそうなものはどうぞお好きに想像していただいて大丈夫です。
 温かいコーヒーでも、冷たいフローズン状のドリンクでも。パン屋でクリスマスなものを買ったり。
 それらを片手にイルミネーションを楽しんだり、はたまたパラドクストレインを橋の上から眺めたりができます。
 どちらかというとゆるっとした雰囲気でお楽しみください。
 また、商品名などは描写しませんので、ふんわりそれっぽくマスタリングされるか、難しいと思えばお返しとなります。
 ご注意ください。

 すべてのリプレイをお返しした後、②を一組募集します。もしくは、状況によってはサポートのお力を借りての完結になると思います。

●NPCについて
 明鶴と、ライカもその辺にいます。
 何かあればお気軽にお声がけくださいませ。
 特にお誘いがない限り、リプレイに登場しません。

●その他
 未成年の飲酒喫煙(見た目含む)は禁止です。
 また公序良俗に反する行動については採用いたしません。
 基本的に、個別描写となります。誰かと一緒に参加という場合は、わかるようにしていただけると幸いです。

 ご参加お待ちしております!
145

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


レオアリア・フォルシオン
甘めのコーヒーを頼み、サンドイッチを頼みながらイルミネーションを見渡す
……綺麗ね、これがわたくし達の勲章なのかしら……
今日も平穏に1日が終わる事、これがどれだけ尊い事なのか……わたくし達は知っているから

コーヒーショップの店内でイルミネーションを見ながら新宿駅を思う
……ここがあるから、アーサー王に復讐できたのよね
恩を返しても返しきれないわ
帰還で愛する人たちも帰ってくるかもしれないなら、尚の事ね
ミネストローネを呑みながら、そう思い次はパン屋に赴く

折角だからローストチキンやローストビーフを挟んだ、それでいて重すぎないサンドイッチを夜食に夜景を見渡しながら新宿駅周辺を散策
家族連れなどの幸せそうな最終人類史の人々を見つめ、無意識に唇を笑みの形に

……今度は、護れたのね
そして……貴方達は、護りたかったものを取り戻してくれるのね
そう呟き、シュトーレンを齧りながら西……イングランドがある方面へと視線を向けて瞑目する


●そこにある日常を
 レオアリア・フォルシオン(フォルシオン統一王朝初代皇帝『征龍帝』・g00492)は受け取ったコーヒーが指先温めるのを感じていた。
 甘めのコーヒーと、それからサンドイッチとミネストローネも。それを持って席に着けば自然と目に入るイルミネーション。
 周辺の木々の輝きは、寒さの中にあるからこそまた一層輝いて見える気すらする。
「……綺麗ね、これがわたくし達の勲章なのかしら……」
 奪還戦を経て、そして流れる時間。
 今日も平穏に一日が終わる。これがどれだけ尊い事なのか。
 わたくし達は知っているから――レオアリアの眦は自然と緩んでいく。
 コーヒーを口にしつつイルミネーションを眺めつつ、レオアリアは遊歩道の先にある場所を思う。
 それは新宿駅。
「……ここがあるから、アーサー王に復讐できたのよね」
 恩を返しても返しきれないわとレオアリアは零す。
「帰還で愛する人たちも帰ってくるかもしれないなら、尚の事ね」
 そして、やがて戻ってくる人々の事も思いつつミネストローネを口に運ぶ。あたたかなそれは腹の中から体を温めてくれて――美味しいと思うと同時にもうちょっと何か、とも感じる。
 そう言えばパン屋もあったんだったと、次はそちらへ赴くレオアリア。
 ローストチキンか、ローストビーフか。重すぎないサンドイッチはどっちかしらと選ぶ。
 これを夜食にしようと手にして、他にも色々ともらってイルミネーション輝く遊歩道をゆるりとレオアリアは歩いて行く。
 新宿駅周辺を歩けば家族連れとすれ違う。クリスマスだと楽しそうな雰囲気のひとびとだ。
 それぞれ、自分のペースで歩んでいて。最終人類史の人々は今日のこの時を、失うまでと同じように過ごしているのだろう。
 レオアリアの唇は無意識のうちに笑みを象っていた。それをレオアリア本人が気付くことないうちに。
「……今度は、護れたのね」
 楽しそうな人々の姿はレオアリアの心に何かを灯す。
「そして……貴方達は、護りたかったものを取り戻してくれるのね」
 彼らがいるからこそ戦える事も知っている。
 呟き零しながらシュトーレンをかじりつつ、西――イングランドがある方面へと視線を向けたレオアリア。
 瞬きひとつ落として、レオアリアは瞑目する。聖夜と、そしてこの新宿に思いはせて。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

地大・龍輝
アーシャ・ナジュマ(g10799)と参加

【心情】
こうして今年もクリスマスを迎えることができたな
《七曜の戦》といい、幻想竜域キングアーサー奪還戦といい
今年はこうやって、平和に迎えられるのは奇跡のように感じる

【行動】
アーシャを連れてイルミネーションの中を散歩する

こうして明るい街を歩くことができるのも、戦いに勝利できたからこそだな

アーシャには飲み物を奢るとしよう
年長者としての責務だ

自分自身もホットコーヒーを手に

「どうだ、寒くないか?」
「やめておけ、こっちの方はだいぶ苦い」

砂糖だってそりゃ入れているが、それでも子供の舌にはだいぶ苦い味だ
こういうものを嗜好品として楽しめる余裕ができてきた辺り、新宿島での生活もだいぶ安定してきた証拠だな

「(言われてみると、クリスマスの由来については詳しくないな)」
「…良い子にしていると三太がやってきて、贈り物をしてくれる、らしい」

三太が何者かは後で聞くか

大きな戦はまだ数年後にも控えている
それまでに俺もまだまだ力をつけなくては
この国の、いや、人々の未来を取り戻すために


アーシャ・ナジュマ
地大・龍輝(g05599)と参加
【心情】
へぇっ、すっごーい
あっちこっちきれいに光っていて、夢みたいにきれい!

どんな王様がいるの?

新宿島には流れ着いて間もないので、辺りの至る所へ興味津々

【行動】
龍輝と一緒に新宿の街を歩いて回る

飲み物を用意してもらえるのなら、甘くしたカフェオレ

「うん、温かいし、おいしい」
「龍輝の飲んでるのも、飲んでいい?」

元々、紀元前生まれの貧乏な家の生まれのため、新宿島にあるものは全てが珍しく、また豪華に見える
おとうさんやおかあさん、お兄ちゃんお姉ちゃんたちにも見せたいな

後はせっかくだし、おいしそうな食べ物があればそれも食べたいな
甘いものがあれば、なおうれしい
あれもこれもとぱくつきます

「そう言えば、龍輝。これってどういうお祭りなの?」

何か大変な戦いがあったみたいだけど、それの祝勝会ってわけじゃないみたいだし

「三太さん? あたしのところにも来てくれるかな?」

自分がこの場所に来た理由はまだ理解できていないけど、それでも、その意味を探していかないと


●未来を思って今を
 こうして今年もクリスマスを迎えることができたな――地大・龍輝(名前のない戦士・g05599)は自分の吐いた息の白さを見つつ、今年あったことを思い返す。
 《七曜の戦》といい、幻想竜域キングアーサー奪還戦といい、敵は強くなっていく。
 それでも、どの戦いも駆け抜けて、今こうして新宿島でのひと時が巡っている。
 今年はこうやって、平和に迎えられるのは奇跡のように感じる。
 しみじみとそう感じる龍輝の耳にわぁと明るい声がひとつ届く。
「へぇっ、すっごーい」
 アーシャ・ナジュマ(流星の戦姫・g10799)はくるりと回って周囲の煌めきをその瞳に映していた。
 どちらを見てもきらきら輝く世界。それはアーシャにとって初めての世界だった。
「あっちこっちきれいに光っていて、夢みたいにきれい!」
 こんなにきらきら輝いて。きっとこれを用意せいよと命じた王様が居るに違いない。そう思ってアーシャは龍輝へと視線むけて。
「どんな王様がいるの?」
 新宿島に流れ着いて間もないアーシャは見るものすべてに興味津々。そんな様子に龍輝は王様はこの辺にはいないなぁと答えて、あっちがもっと賑やかだとアーシャに示す。
 それは遊歩道のイルミネーション。一層のきらきらとした輝きにアーシャはすごいと瞬きひとつ。
「こうして明るい街を歩くことができるのも、戦いに勝利できたからこそだな」
 と、龍輝はコーヒーショップを見つけて何か飲むか? と尋ねる。奢るのは年長者の責務。龍輝はじゃあ、と頷いて一緒に店へ。
 龍輝はホットコーヒーを手に。そしてアーシャの手にも、カフェオレ。それは甘くしており飲みやすくなっている。
「どうだ、寒くないか?」
「うん、温かいし、おいしい」
 温かな飲み物は指先から、そして体の中から温かくしてくれる。それがなんだか嬉しくて、ふわと笑みが零れていた。
 そして自分のカフェオレが甘くておいしくて。龍輝はどんなのをのんでいるのだろうとアーシャはじぃと見つめる。
「龍輝の飲んでるのも、飲んでいい?」
 俺のも? と龍輝は自分の手にあるコーヒーを見る。自分は普通に飲めるがアーシャにとってはきっと、これは苦い。
「やめておけ、こっちの方はだいぶ苦い」
 首を横に振って告げると、本当にだめ? と視線が訴えかけてくる。
 砂糖だってそりゃ入れているが――と確認するように一口。うん、やっぱり苦いなとだめ、とその視線を振り切った。
 甘さも感じるが、それでもやはり子供の舌にはだいぶ苦い味なのは間違いない。
 けれど、こういうものを嗜好品として楽しめる余裕ができてきた辺り、新宿島での生活もだいぶ安定してきた証拠だなとしみじみと思っていた。
 一口もくれなさそうな龍輝の様子に残念とアーシャは思いながら自分の手にあるそれを飲む。
 この新宿島にあるものは全てが珍しく、また豪華に見える。
 この新宿島に流れついてから、初めて目にするものばかり。アーシャの心に浮かぶのは家族の姿だ。
 おとうさんやおかあさん、お兄ちゃんお姉ちゃんたちにも見せたいな――アーシャが思う家族たちはこの新宿島にいない。いつかまた会えると、取り戻すと信じているひとたち。
 しんみりする気持ちに浸されそうになってふるふるとアーシャは首を横に振る。
 カフェオレと一緒に受け取ったのはドーナツ。この時期だけのお菓子も気になったのだけれど、より甘いならこっちとオススメされたのだ。
 砂糖を纏ったふわふわのドーナツは確かに甘そうな匂いを漂わせ、一口食めば美味しいと表情は緩む。甘いものをもっともらっておくべきだったかも、なんて思いながらふと。
「そう言えば、龍輝。これってどういうお祭りなの?」
 何か大変な戦いがあったみたいだけど、それの祝勝会ってわけじゃないみたいだしとアーシャは尋ねる。
 コーヒーを飲みながら、言われてみると、クリスマスの由来については詳しくないなと龍輝はクリスマスについて知っている事を思う。
 贈り物をしてくれる者がいて――彼の名前は何だったかと、しばし考えて思い出す。
「……良い子にしていると三太がやってきて、贈り物をしてくれる、らしい」
 三太が何者かは後で聞くかと思いながら龍輝が告げると、アーシャはぱちぱち瞬いて。
「三太さん? あたしのところにも来てくれるかな?」
 ゆらりと尻尾揺れて、聖夜の楽しみをひとつ、アーシャは紡ぐ。
 この地にはたどり着いたばかり。そして、この場所に来た理由はまだ理解できていない。けれど、それでも――その意味を探していかないと、と少女は心に確りと在り方を抱いていた。
 そんな彼女の様子を見守りつつ龍輝はこれからの事を思う。
 大きな戦はまだ数年後にも控えている――だから。
(「それまでに俺もまだまだ力をつけなくては」)
 この国の、いや、人々の未来を取り戻すためにと――人々の賑わいと、そしてこの耀きを前に改めて思うのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【修復加速】LV1が発生!
【猫変身】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!

御守・樹
アクアスライムのわらびを腕に抱えて一緒にイルミネーション見物。
わらびは初めてだもんなってーー(めっちゃきらきらわくわくな様子のわらび。いっつもより輝いてつやつやしてるような)ーーどうしてここまで興味持てるのか逆にすげーわ。
そのまま見物しながら歩いていくけど、途中で軽食を買おうか。
出来立てチュロスに、パネトーネとシュトーレン。自分用にブラックコーヒー、わらびは…お店の人おすすめの見映えるなにかを。この子(わらび)の好奇心をガッツリ満たして掴んで離さない感じのものを頼む。

適当なベンチに座って手持ちのナイフで少し切り分けたシュトーレンとパネトーネ、おすすめドリンクをわらびに。
イルミネーションを眺めながら俺はまだ温かい揚げたてチュロスをかじりながらコーヒーをすする。…やっぱ揚げたてはうめぇ。
コーヒーがいい感じに口内の甘味をリセットしてくれるから毎回新鮮味がある。
横目でわらびを見やればいつの間に覚えたんだろう?器用にドリング抱えながらストロー咥えてる。表情を見るにご満悦っぽい。


●輝きの中で過ごして
 やっぱり寒いなと思いながら、御守・樹(諦念の珪化木・g05753)は新宿の街並みを歩む。
 その腕にはアクアスライムのわらびを抱えて。今日は一緒にイルミネーション見物だ。
「わらびは初めてだもんな」
 わらびが腕の中でふるりと身をよじる。今日のわらびはめっちゃきらきらわくわくしているように樹の目には映っていた。
(「いっつもより輝いてつやつやしてるような」)
 それはもしかしたら、このイルミネーションの輝きがその身に映っているからかもしれない。それでもなんだか、楽しそうに見えてふっと口端が緩み笑み零れた。
「どうしてここまで興味持てるのか逆にすげーわ」
 でも楽しいならそれでいいかと輝きの中を樹は歩む。
 きらきらと光を放って。それは冬の空気が寒さで済んでいるから、一層輝いて見えるのだろうか。
 行き交う人々の楽しげな声も聞こえてきて、そちらにふと視線向ければ店があった。そこから出てくる人々は温かそうな飲み物を持っていたり、パンを抱えていたり。
 樹も、軽食を買おうとそちらへと足を向けた。
 何があるのかと見れば出来立て焼き立てといったものも。飲み物は――自分用にブラックコーヒーを選んだ樹。他にはできたてのチュロスと、パネトーネとシュトーレンも一緒に。
「わらびは……」
 どうしようかと樹は考えて、そして店員へと視線向ける。
「この子の好奇心をガッツリ満たして掴んで離さない感じのものを頼む」
 腕の中のわらびを見せて。店員が選んだのは――わらびと似た色の炭酸飲料。
 それを見たわらびが腕の中でそわそわとしているようで、樹は笑って店の外へ。
 イルミネーションを見ながら軽くものをつまめるような場所に腰下して、隣にはわらび。
 手持ちのナイフで少し切り分けたシュトーレンとパネトーネをドリンクと一緒にわらびの傍へ。
 樹はまだ温かなあげたてチュロスをかじりながらコーヒーを口に。
 冬の寒さを感じながら温かいものをとればじんわりと体の内からほこほこしてくる。
「……やっぱ揚げたてはうめぇ」
 チュロスの甘さが広がって。けれどコーヒーがそれをいい感じにリセットしてくれる。だから次の一口も程よく新鮮味が感じられた。
 そして横目でちらりと見れば――いつの間に覚えたんだろう? と樹は僅かに首傾げる。
 器用にドリンク抱えストローを咥えているわらび。その姿にご満悦っぽいな、樹は笑み零した。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水中適応】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!

クーガ・ゾハル
ケペシュ(g06831)と

ホットチョコにホイップ、それからナッツをのせて
冬のスペシャル・あまあまゼータク・ドリンクだ
ん、じゃあおれも
……んん、ちょっとにがめだな

そうだったっけな
おう、あんまり、そんな気がしないよな
古代からの、ドーキョーだからかな、おれたち
ケイカイ、してたのか?
おれ、気付かなかったかもしれない

流れる白い息、おもしろがってたら
オモイビト?
どんな手を、つかって、でも……?
うーん、自分のモノにする、ってことか
……ドレイとは、ちがうんだよな?

自分のしらない感覚のこと
疑問ばかり沸いては積もって
まるでナゾときの真っ最中

だけど、そうか、ケペシュには、いるんだな
おれもしってるやつ、だれだろう
なんだよ、ヒミツなのか
おれにはわからないけど――ちょっと、アンシンかな
ずっといっしょにいたいやつが、生きてたら
おまえもたくさん、いっしょに生きてくれそうだからな、へへ

おう、いいぞ、あったかいだろ
コーヒー、おとさないようにな
星がふってきたみたいな、キラキラ明るい道
おまえが歩く道が、ずっと、こうだったらいい


ケペシュ・ナージャ
クーガ(g05079)と

ブラックコーヒーにシナモンとナッツをトッピングして
飲みながらぶらぶら歩きます
クーガのも美味そうですね、そっちも一口ください

一年の終わりも、もうすぐ側まで近付いているんですね
去年の今頃はまだクーガと知り合ってもいませんでしたっけ?
信じられないな
警戒心が強い人間だと自負しているのですが
あっという間にここまで入り込まれてしまった

白い息を一度吐いてから、かじかむ唇を開いて貴方に問いかけを

クーガには想い人はいますか?
視線を奪って、他の人に余所見をしている暇もないくらいに気を引きたくなって……
どんな手を使ってでも、ずっと一緒にいたいと思う人です

……俺にはいますよ
誰かは教えてあげませんけど
クーガも知っている人です

そうですね、じゃあその人にはうんと長生きしてもらわないと
……手、寒いんで
繋いでもらえます?

「貴方のことですよ」なんて種明かしができるのは
きっとまだまだ先のこと


●輝きのみちゆき
 見るからに温かそうな。そんなドリンクを好きにカスタマイズできるのは楽しい事のひとつ。
 ホットチョコにホイップ。それからナッツを乗せてとクーガ・ゾハル(墓守・g05079)の口端は笑みの形。
「冬のスペシャル・あまあまゼータク・ドリンクだ」
 一口飲めば、甘さが染み渡る心地。その様子を見ていたケペシュ・ナージャ(砂蠍・g06831)の手にはブラックコーヒー。
 シナモンとナッツをトッピングは普通のコーヒーとは違う香りを灯している。
 ふたり、それを飲みながら輝ける道をぶらぶらと、ゆっくりと歩んでいくだけの時間。
「クーガのも美味そうですね、そっちも一口ください」
「ん、じゃあおれも」
 甘くておいしいとケペシュがそれを一口飲む傍らで、クーガは僅かにきゅっとなる。
「……んん、ちょっとにがめだな」
 やっぱり甘いこっちのほうがいいと自分のを飲んで頷きひとつ。
 ケペシュはふ、と白い吐息零して。
「一年の終わりも、もうすぐ側まで近付いているんですね」
 去年の今頃はまだクーガと知り合ってもいませんでしたっけ? と振り返ればなんだか時の流れも速く。
 そうだったっけな、とクーガも改めて思い返す。
「おう、あんまり、そんな気がしないよな」
 なんでだろうと考えてクーガはきっと、とその理由に至る。
「古代からの、ドーキョーだからかな、おれたち」
 ケペシュはそれもあるかもしれないと思いつつ――苦笑交じりに己の心内を零す。こうして共に並んで歩いて、心内を紡げるほどに近い距離。
 こんな風になるとは、出会った時は思っていなかった。
「信じられないな。警戒心が強い人間だと自負しているのですがあっという間にここまで入り込まれてしまった」
 とんとケペシュは自分の胸元叩いて、そこにクーガの場所があることを示す。
 その言葉にクーガはぱちりと瞬く。まさかそんな事と思ったからだ。
「ケイカイ、してたのか?」
 おれ、気付かなかったかもしれないとぐぬぬと唸る声。けれどそんな日々があっても、今こうして肩を並べて歩いている。
 だからそれでいいのだろう。
 温かいホットチョコを飲んで、はふと息を吐く。白い息が流れて、それを面白がってもう一度とクーガは息を吐く。
 空気は冷たく澄んでいて。白い息を共に一度吐いてから、かじかむ唇を開いてケペシュは問いかける。
「クーガには想い人はいますか?」
「オモイビト?」
 視線を奪って、他の人に余所見をしている暇もないくらいに気を引きたくなって……と、ケペシュは紡ぎながら、クーガへと青の瞳向けその姿映す。
「どんな手を使ってでも、ずっと一緒にいたいと思う人です」
「どんな手を、つかって、でも……?」
 それは一体どんな意味か。クーガは自分の中で噛み砕く。
「うーん、自分のモノにする、ってことか」
 そして、何か思い当たるようなものがある。けれどそれは――それなのだろうか? と思って。でもそうではない気もしてケペシュへとそろりと尋ねる。
「……ドレイとは、ちがうんだよな?」
「違いますね」
 はっきりと紡ぐケペシュの声色はなんだか少し柔らかく思えた。クーガにとってそれは、自分のしらない感覚。
 それはどんな、と疑問ばかり沸いては積もって。そしてまたとまるでナゾときの真っ最中の心地。
 答えを探して、見つからなくて。けれど、その答えにはわずかに触れているような気もする。
「……俺にはいますよ」
「そうか、ケペシュには、いるんだな」
 ケペシュがふわと落とした言葉がクーガの中にゆるりと溶け落ちていく。
 まるで悪戯するように、ケペシュは笑って。
「誰かは教えてあげませんけど、クーガも知っている人です」
「おれもしってるやつ、だれだろう」
 それは誰なのだろうか。なんだよ、ヒミツなのかと零して――クーガには、それはわからないけれど。
「ちょっと、アンシンかな」
 そんな相手がケペシュにいる。それは、だってとクーガは頬緩めて。
「ずっといっしょにいたいやつが、生きてたら――おまえもたくさん、いっしょに生きてくれそうだからな、へへ」
「そうですね、じゃあその人にはうんと長生きしてもらわないと」
 その言葉にケペシュも笑って――そしてひとつ、頼みごと。
「……手、寒いんで、繋いでもらえます?」
「おう、いいぞ、あったかいだろ」
 コーヒー、おとさないようになと空けた片手を繋げばぬくもりが伝わってくる。
 イルミネーションで彩られた道の中での時間。
 ふたりで歩むこの輝き。それを星がふってきたみたいな、キラキラ明るい道とクーガは思う。
 そして、おまえが歩く道が、ずっと、こうだったらいい――そう思って、クーガはケペシュにやわらかに微笑んだ。
 その視線を感じて、ケペシュも笑み返す。
 さっきの話――その誰かは『貴方のことですよ』と種明かしができるのはいつだろうかと思いながら。
 きっとまだまだ先のことですねと、小さな声で落として。
 それはいつになるだろうか。彼の言葉通り、うんと長生きしてもらって、その終わりかもしれないなんて思いながら。
 けれど、その時が来るまでこの想いは秘めたままに。その時がもしきたら、今日の事も思い出すだろうかと、ケペシュの瞳は輝きを映し覚えていく。
 この輝きのみちゆきをふたりで歩んだことを。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】がLV2になった!
【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!

四葩・ショウ
黒系ファーコートを着て
慣れ親しんだ、新宿駅グランドターミナルから一歩
煌めきに彩られた街並みの中へと

有難う、と受け取るのは
ナッツと星のチョコレートチップをクリームを載せたホットチョコレート
両手で包み込む温もりと一緒に
遊歩道をすすんでいく

あ、あのお店
帰りにぜったい、シュトーレンを買ってかえろう――なんてこころに決めながら

橋のうえに差し掛かったところで
出発するパラドクストレインに出逢えたから
立ち止まってその雄姿を眺めて

……いつもは自分が乗車するばかりだから
こうやって見送るのってすごく新鮮な気持ち
あたたかなチョコレートを飲みながら
いくつも、いくつも
見送っていく

アーサーペンドラゴンの聖剣が
王の思惑通りに届いていたならと、おもうと
そのおそろしさに
嫌な汗がにじんでくるから
……誰にもバレないようにテディベアのキミを抱締める

それでもこの島の誰もが
わたし達を信じてくれていたのだと
イルミネーションが証明してくれてるようで

これからきっとこの島は
今回以上に危ない目に遭うかもしれない
それでも

護ってみせるよ、かならず


●それは誓いにも似た
 冷たい風が頬撫でて、四葩・ショウ(Rupert's Drop・g00878)は吐き出した息の白さに瞬きを一つ。
 黒のファーコートはその身にあたる風を和らげてくれたけれど、頬はそうはいかずほんのりと赤らむ。
 慣れ親しんだ新宿駅グランドターミナルから一歩。
 かつんとヒールで楽しげに遊歩道の上で音奏でながら煌めきに彩られた街へとショウは足向ける。
 まず訪れたのはその香りに誘われたから。
 有難う、と受け取ってまずめに飛び込んでくるのは、ナッツと星のチョコレートチップ。それをのせたふわふわのクリームの下はホットチョコレートだ。
 両手で包み込めば温もりが指先から温めていく。
 一口飲めば、ナッツの香りがチョコレート共に。美味しいと頬緩む。
 そしてまたホットチョコレートやコーヒーとは違う良い香りが鼻を擽って、視線向ければそこにはパン屋。
「あ、あのお店」
 帰りにぜったい、シュトーレンを買ってかえろう――なんて、こころに決めて。店先のチョークボードに描かれたオススメに目を捕らわれる。
 そして、遊歩道歩んで――ショウは橋の上でふと、止まる。
 出発するパラドクストレインの姿。立ち止まってその雄姿を眺める。
 あれはどこに向かうパラドクストレインだろうかとショウは見詰める。
「……いつもは自分が乗車するばかりだから」
 こうして、見送るのはすごく新鮮で。
 あたたかなチョコレートを飲みながらいくつも、いくつも――パラドクストレインが出発するのを見送っていた。
 この光景があるのは、先の奪還戦で勝つことができたからだ。
 もし、断片の王の、アーサーペンドラゴンの聖剣が、王の思惑通りに届いていたなら――そう、おもうと。
 その恐ろしさに嫌な汗がにじんでくる。
 ぎゅっと、誰にもバレないようにテディベアのキミを抱きしめるショウ。
 この光景は消えていたかもしれないものだ。けれど今、ショウの目の前にある。
 それはここの生きるひとびと、その誰もがディアボロスたちを、ショウたちを信じてくれていたから。
 その証明のようにきらきらとイルミネーションが輝いて、平和だった嘗てと同じ姿を見せてくれている。
 これからきっと、この新宿島は今回以上に危ない目に遭うかもしれない。
 それでも――、と。ショウの瞳はこの島の姿を映して。
「護ってみせるよ、かならず」
 零れた言葉はこの島すべてに向けた言葉。帰ってくるべき場所でもあるこの新宿島への、想い。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【操作会得】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!

レックス・ウェリタス
【魚縁】

へえ、色んな形のイルミネーションがあるんだ
星にハート…ね、ね、あの身体が雪華模様の子たちって猫じゃない?
親子かな、兄弟かな
魚も後で探してみたいね

んと、僕は紅茶のすとれー…
止められちゃった
でもイイね
好きなものを増やそうシリーズ賛成~

じゃ僕もリビトと同じやつ、今日用のブレンドにしない?
ホットコーヒーにクリームたっぷり!
濃厚なクリームが僕にも染み渡っちゃうかも
…ふふん、リビト気に入りそう?

クリスマスを欲張りにシュトーレンとパネトーネを二切れずつ
タルティーヌも行く?
リビトがそれなら僕はキノコとパラストラミビーフたっぷりので
あとで半分このシェアしよって笑いながら

いいの、いいの
今日だけの美味しいものいっぱい食べなきゃ
無表情にみえて眸がよく語るお前さん
今日もとっても満足げだから僕もゆるゆる

ツリーを目指してのんびり歩きつつ
――うん、
僕もと隣の星猫を見れば
彼の向こうに四角の光で囲まれた水槽
魚も居たよ、リビト
あたたかな口の空気は
より息を白く染めて

満足気に笑って
リビト、Merry Christmas!


津・リビト
【魚縁】

星やはーと、色んな形をしたいるみねーしょんが輝いているな
ん、本当だ。可愛らしい冬の猫だな
もしかしたら魚の形をしたやつもあるかもしれないな
後で探してみよう

その前に――まずは、腹ごしらえだ
レックスは何か飲みたいものとかあるだろうか
紅茶も良いが、たまには違うものも飲んでみよう
好きなものを増やそうしりーずだ

俺は……コーヒーにくりーむを乗せてもらおうか
賛成だ。今日用のぶれんどにしてもらおう
乾杯。と、コップを掲げ一口
くりーむの濃厚な甘さが美味い
これは、はまってしまいそうだ

食べ物も美味そうだな
胃には自信あるので、欲張ろう

たる、てぃーぬ?も食べたい
ホタテとエビ、をたっぷり乗せてくれ
ああ、美味しいを共有しようか

沢山買ってしまったな
無表情だけれどレックスから見たらほくほくと満足気にみえるだろう
クリスマスツリーを目指してのんびり歩きつつ

――綺麗だな
今年もこうして、レックスと過ごせて嬉しい


本当だ。良く見つけられたな
ふふ、とても気持ち良さそうだ

白い息を零し、隣の星猫に柔く微笑み
レックス、めりーくりすます


●今年もと、笑って
 きらきらと冬の空気の中で輝くものたち。イルミネーション並ぶ道を津・リビト(釣人・g00145)とレックス・ウェリタス(Memento mori・g07184)はゆるりと歩む。
「へえ、色んな形のイルミネーションがあるんだ」
「星やはーと、色んな形をしたいるみねーしょんが輝いているな」
「星にハート……ね、ね、あの身体が雪華模様の子たちって猫じゃない?」
 いろんな形のものがあると、視線はあっちへこっちへ。クリスマスにちなんだものもあれば、馴染深いものだってある様子。
 リビトが向けた視線を追いかけるレックス。そしてレックスの目に飛び込む可愛らしい姿の猫たち。
「親子かな、兄弟かな」
「ん、本当だ。可愛らしい冬の猫だな」
 そして猫がいるならばとリビトは。
「もしかしたら魚の形をしたやつもあるかもしれないな」
「魚も後で探してみたいね」
 それはあとのお楽しみのひとつ。その前に必要なのは――腹ごしらえ。
「レックスは何か飲みたいものとかあるだろうか」
「んと、僕は紅茶のすとれー……」
「紅茶も良いが、たまには違うものも飲んでみよう」
 と、紅茶を選ぼうとしたのを見越して、言葉遮るリビト。止められちゃったと笑って、でもイイねとレックスは紡ぐ。
「好きなものを増やそうしりーずだ」
「好きなものを増やそうシリーズ賛成~」
 ふふと笑い零してどうする? とリビトへ尋ねるレックス。リビトはメニューと眺めつつ。
「俺は……コーヒーにくりーむを乗せてもらおうか」
「じゃ僕もリビトと同じやつ、今日用のブレンドにしない?」
 ホットコーヒーにクリームたっぷり! とチョークボードに描かれたそれを指し示す。コーヒーの上にふわふわのクリームのせた絵だ。
「賛成だ。今日用のぶれんどにしてもらおう」
 コーヒーの上にクリームがふわっと乗る。
 それを手に乾杯、と掲げ一口飲むリビト。くりーむの濃厚な甘さが美味いとゆるりと紡ぐ。
 その様を見つつレックスも口に運んで、濃厚なクリームが僕にも染み渡っちゃうなと美味しさに頬緩める。
「……ふふん、リビト気に入りそう?」
「これは、はまってしまいそうだ」
 それから――クリスマスといえばというそれもレックスは見つけていて。
「食べ物も美味しそうだな」
 胃には自信あるので、欲張ろうというリビトに笑って、レックスはシュトーレンとパネトーネを二切れずつと示す。
「タルティーヌも行く?」
「たる、てぃーぬ? も食べたい」
 リビトが視線で追いかけたそれはバゲットの上に食材とチーズをのせて――いかにも美味しそう。
「ホタテとエビ、をたっぷり乗せてくれ」
「リビトがそれなら僕はキノコとパラストラミビーフたっぷりので」
 あとで半分このシェアしよって笑いながら選べば、リビトもこくりと頷いた。
「ああ、美味しいを共有しようか」
 どちらも気になるから、それは美味しいお誘いだ。
 買ったものを手にしてみればわりとずっしり。
「沢山買ってしまったな」
 その表情は常と変らず無表情――けれどレックスにはほくほくと満足気なのがわかる。
「いいの、いいの。今日だけの美味しいものいっぱい食べなきゃ」
 その眸がよく語ると言葉にせず笑って二人でゆるゆるとツリーを目指してあるく。
 きらきらのイルミネーションに彩られた輝きは二人をやわらかに迎えてくれる。
「――綺麗だな」
 今年もこうして、レックスと過ごせて嬉しい。そう、リビトは静かに紡いで。
「――うん、」
 僕もと隣の星猫を見れば――レックスは瞬きひとつ。その向こうに見つけたあるもの。
 それは四角の光で囲まれた水槽だ。その中ではもちろん――ぴかぴかと輝くものたちの姿。
「魚も居たよ、リビト」
「! 本当だ。良く見つけられたな」
 沢山の輝きの中でゆるりと気ままに泳ぐような魚の姿。
 リビトは僅かに瞳細めて。
「ふふ、とても気持ち良さそうだ」
 その表情の緩みにレックスもつられたように口端緩める。
 ふと零れた吐息は、白く。
「レックス、めりーくりすます」
「リビト、Merry Christmas!」
 柔く微笑み向けて、白い息ひとつ。レックスも満足気に笑って、彼へと言葉を向ける。
 もうしばらく、イルミネーションの輝きに誘われるままに。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【おいしくなあれ】LV1が発生!
【落下耐性】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!

霧崎・和月
千景さん(g01765)と共に

記録という名の撮影を先に済ませようと
掛けられた声に振り返れば暁彩の彼女の姿
もちろんと一つ頷いて

しばしゆっくりと歩きませんか
互いにいつもなら写真や絵で切り取って
『お裾分け』するような景色を
共に眺めてお話しするのも良いかと思いまして

光とは不思議です
昼間はなんてことのない景色なのに
夜に灯るだけでとても幻想的な空間になる
中には灯り方で姿を演出しているものもあり…
千景さんは、どういうイルミネーションがお好きですか?

予想外の返しに目を瞬かせ
……千景さんだって、とても綺麗です
悪戯にちょっとしたお返し
街に灯る明かりのお蔭で
今日は夜明けの彩がいつもよりも輝いているようです

少し特別な散歩道に
いつも通りのお裾分け
幸せな日常の延長線そのものだなと
密かに噛み締めて

少し歩いたら、あとでパン屋に行きませんか
お互い好きなものを選んで『お裾分け』、どうです?

手招かれ黎明の高さに合わせ少し屈んで
切り取られた世界は確かに半分こ
相変わらず素敵な表現をしますねと
月も気づけば淡く笑っていることでしょう


紫空・千景
和月(g06070)と共に

見えたのは彼が世界を切り取ろうとする姿
そっと近付き、名を呼んで
私も良いか?
軽くスマホを揺らす

ならばいつもよりゆっくりと歩こう
『お裾分け』ではなく
共に眺め話すのも醍醐味やもしれん

光を添える事で昼と違う顔を見せるのは確かに
全く違う場所に見えるのは同意だ
幻想という彩を乗せたかの様だなとも

人工なら複数の彩が見れる物が好ましい
自然なら――月かな
何方も昼夜の違いには驚かされる
星に隠された空月の代わり
隣の綺麗な蒼月を映しては一歩先へと
くるり振り返って
其れに負けぬ程、和月も綺麗だがな
花唇から悪戯な紡ぎ
ふふ、有難う
素直に受け取れるのは
彼の氷彩に嘘も世辞も無いと知っているから

パン屋、良いな
『お裾分け』を断る理由なんて無いよ
今一度、己の好きを手繰ろうか

月モチーフの光を見つけ
和月をゆびさきで手招く
互いと後ろを入れた世界の切り取り
お裾分けより半分こか?
夜明けがそうと氷彩を覗き込む

光の散歩道は『半分こ』
求める味は『お裾分け』
少し照れるのは
月が淡く笑い褒めてくれるから
…狡いは、届いたかどうか


●世界を切り取って
 輝く世界――それをフレームの中に霧崎・和月(彷徨う器・g06070)は収めていた。それは記録という名の撮影。
 その姿を見つけた紫空・千景(夜明の導べ・g01765)はそっと近づいて、和月とその名を呼んだ。
「私も良いか?」
 和月が振り返れば、軽くスマホを揺らす千景の姿。彼女は暁彩の中にあって、もちろんとひとつ頷いた。
 夜に近づくほどに、それは輝きを増していく。いつも馴染のある新宿駅の周辺はイルミネーションに彩られていて、和月は千景へと声向ける。
「しばしゆっくりと歩きません」
 互いにいつもなら写真や絵で切り取って『お裾分け』するような景色を――今日は。
「共に眺めてお話しするのも良いかと思いまして」
「ならばいつもよりゆっくりと歩こう」
 それは『お裾分け』ではなく、共に眺め話すのも醍醐味やもしれんと千景は笑む。
 いつもと変わらぬ歩幅だけれども、それはゆっくりと。
 きらきらと輝くものたちに目を奪われて、足を止めることもしばしば。
 そんな中でふと、和月が零す。
「光とは不思議です」
 その和月が紡ぐ言葉を
「昼間はなんてことのない景色なのに、夜に灯るだけでとても幻想的な空間になる」
「光を添える事で昼と違う顔を見せるのは確かに。全く違う場所に見えるのは同意だ」
 幻想という彩を乗せたかの様だなともと千景は周囲を見回す。
 輝きはきっとどれも同じなのだろう。それでも連なって何かの形を成せば瞬くように輝いているようにも感じられた。
 人々の手が作り出した輝きが人々の心をまた輝かせるかのように。
「中には灯り方で姿を演出しているものもあり……千景さんは、どういうイルミネーションがお好きですか?」
 あれもこれも、どれも興味深いというように和月も視線を周囲に向けて、そして千景にぱっと向ける。
 千景はそうだなと少し考えて。
「人工なら複数の彩が見れる物が好ましい。自然なら――月かな」
 何方も昼夜の違いには驚かされると擽る様に微笑んで。
 星に隠された空月の代わり。隣の綺麗な蒼月を映しては一歩先へと大きく。
 そしてくるりと振り返って――千景は。
「其れに負けぬ程、和月も綺麗だがな」
 花唇から悪戯な紡ぎを。その悪戯に和月はぱちりと瞬いて、ふわと微笑む。
「……千景さんだって、とても綺麗です」
 それは悪戯にちょっとしたお返し。
 街に灯る明かりのお蔭で、今日は夜明けの彩がいつもよりも輝いているよう――和月は千景へと柔らかに微笑む。
 ふふ、と千景は小さく吐息零して有難うと、紡ぐ。
 その言葉を素直に受け取れるには――彼の、和月の氷彩に嘘も世辞も無いと知っているからだ。
 二人並んでゆるりと歩むこの道は、少し特別な散歩道。
 いつも通りのおすそ分け。幸せな日常の延長戦そのものだなと、和月は密かに噛み締める。
 そんな最中にふわと良い匂いが和月に届く。
 それは焼き立てのパンの匂い。だからその香りに誘われるままに。
「少し歩いたら、あとでパン屋に行きませんか。お互い好きなものを選んで『お裾分け』、どうです?」
 その提案に、千景もかすかに届く香りに気付いて笑む。
「パン屋、良いな。『お裾分け』を断る理由なんて無いよ」
 今一度、己の好きを手繰ろうかと千景は紡いで向かう先に視線を巡らせ――それに気づいた。
 千景が見つけたのは月を模したイルミネーション。
 ふわりと柔らかな光放つそれの方へ歩み、和月へ肩越しの視線を送ると共にゆびさきで手招く。
 和月はそのゆびさきに招かれるままに、少し屈んで。
 そして世界を切り取る。
 千景が互いと後ろの、その月輝く世界を切り取って見せた。
「お裾分けより半分こか?」
 夜明けがそうと氷彩を覗き込んで――確かに半分こと和月は頷く。そして、ふふと小さく笑み零して。
「相変わらず素敵な表現をしますね」
 淡い微笑みと共に向けられた言葉。
 光の散歩道は『半分こ』、求める味は『お裾分け』。
 千景の頬が少し照れて、僅かに朱に染まっているのに和月は気が付いているか。
「……狡い」
 細く、紡いだその狡いは届いたかどうか――輝きの中に溶け込んでいく。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV4になった!

朔・彗藍
【雪星】

ひゃー寒いです
やっぱり新宿島のクリスマスは冷えますね
悴む指先と掌を摩り尻尾にもつい触ってしまい

でも、この澄んだ寒空で見るイルミネーション
綺麗なのですよねっ
ちかちか彩を変え瞬く電飾が薄紫に映る

この近くにシュトーレンが売ってる
パン屋さんがあるみたいなので行ってみませんか?
お店のパンのよい香り
味見がてら少し此処で頂いて、お土産に一本……
桜のお屋敷に持って帰りましょうか
パネトーネも食べます?
イタリアのお菓子みたいですよう
パンドーロの方も私好きなんですよね…
星型に切ってあってふわふわなのです

欲張って気になるパンは全部一切れずつ
んむ!甘くて美味しい…!
味変にはきのこのタルティーヌぱくり
雪璃は何にしたのです?
じーー…です(口をぱかり)
ふふふ、雪璃になら餌付けされてしまいます
勿論私のも、あーんですよ
美味しそうに食べる友達を見ると
――胸があたたかくて
誰かと過ごすクリスマスはこんなに倖せ

ふふーさて、お土産も買ったし!
次はコーヒー屋さんでホットチョコレート如何ですか!
食べ歩きはまだまだこれからですよっ


茜來・雪璃
【雪星】

うぅぅ…寒いっ!
もうちょびっとだけ寒さ控えめにしてくれたらいいのに
尾をカイロ代わりにしゅぽっと手を入れ

たしかに、寒いとイルミネーションも星も
いつもよりキラキラして見えるよねえ
ちらちらと移り変わる光を見上げ
ほう、と白い吐息も上がる

そうなの?
ん、行こう!ちょうどお腹も空いてきたとこ!
うわぁ、焼きたてパンの良い香り
思わずふかーく深呼吸しちゃう
いいね!お土産も買ってみんなで食べよ
パネトーネ?へえ、お菓子の名前なんだ
ぱんどーろ…星型で、ふわふわ……シフォンケーキとはまた違うのかな?
ん、よし!どっちも食べてみたいから両方にしよ!

初めて聞いたふたつを食べ比べ
んふふ、どっちも美味しいねえ
ん?私はねえ
パストラミビーフ!塩っ気がいい感…
言い切る前に隣のキミを見て思わず笑い出す
あはは!はい、どーぞー
小鳥みたいで可愛いと笑い、彗のも一口ちょーだいって
寒いけど、友達とぽかぽかな気持ちになれるひとときが
すーっごくしあわせ

お!いいね
ホットチョコは色々トッピングも出来るんだって!
うんうん、まだまだ行こーう!!


●笑いあうきらきらの時間
「ひゃー寒いです」
 やっぱり新宿島のクリスマスは冷えますねと、朔・彗藍(ベガ・g00192)は悴む尻尾と指先と、掌を摩り尻尾にもついつい手が伸びる。
「うぅぅ……寒いっ!」
 茜來・雪璃(朧夜ノ蝶華燈・g00793)も寒さに頬染めて、もうちょびっとだけ寒さ控えめにしてくれたらいいのにと言いながら尾をカイロ代わりにしゅぽっと手を入れる。
 互いに尻尾にあたたかさを求めているのに気づいて、笑いあう凍て空の下。
「でも、この澄んだ寒空で見るイルミネーション、綺麗なのですよねっ」
「たしかに、寒いとイルミネーションも星もいつもよりキラキラして見えるよねえ」
 寒いからこそ、冴えて美しい光景があることも知っている。
 ちかちか彩を変え瞬く電飾が薄紫に――その様を二人で見上げて、ほうと白い吐息。
 冷たい空気の中に溶けるようにふわと消えていく吐息。
 そして彗藍は雪璃へと、ねぇと声向けた。
「この近くにシュトーレンが売ってるパン屋さんがあるみたいなので行ってみませんか?」
「そうなの? ん、行こう! ちょうどお腹も空いてきたとこ!」
 それは嬉しいお誘い。雪璃は笑顔と共に頷いてイルミネーションの中歩めばふわと、鼻をくすぐる良い香りが案内してくれる。
「うわぁ、焼き立てパンの良い香り」
 雪璃は思わず、深く深呼吸して幸せの心地。それにちょっと味見はいかが? なんて言われたら笑顔になる。
 雪璃と彗藍は一緒にぱくりと味見。口に広がるナッツとドライフルーツの味に二人ぱちりと目を合わせる。
「味見がてら少し此処で頂いて、お土産に一本……桜のお屋敷に持って帰りましょうか」
「いいね! お土産も買ってみんなで食べよ」
「パネトーネも食べます?」
 こっちも美味しそうと彗藍が示す。
「パネトーネ? へえ、お菓子の名前なんだ」
「イタリアのお菓子みたいですよう。パンドーロの方も私好きなんですよね……」
 星型に切ってあってふわふわなのですと彗藍はそれを思い浮かべる。雪璃は彗藍から聞いたそのままを想像して。
「ぱんどーろ……星型で、ふわふわ……シフォンケーキとはまた違うのかな?」
 まだ知らぬそれもとても気になって。
「ん、よし! どっちも食べてみたいから両方にしよ!」
 食べたいと思ったものを、気になるものを選んで。ちょっと欲張りかなと思っても、クリスマスの特別ということにすればいいだけ。
 雪璃と彗藍はパンを買って早速口に運ぶ。
「んむ! 甘くて美味しい……!」
「んふふ、どっちも美味しいねえ」
 初めての聞いたふたつを雪璃は食べ比べてほっぺた落ちそうと抑える。
 けれど甘いのだけでは無くて、味変にはタルティーヌ。彗藍はきのこのタルティーヌをぱくりと食べてチーズの程よいしょっぱさにも表情緩める。
「雪璃は何にしたのです?」
「ん? 私はねえ、パストラミビーフ! 塩っ気がいい感……」
 じーー……と見詰める視線に最後まで言葉紡がれることなく、ぱかりと開いた口に思わず笑いだす雪璃。
「あはは! はい、どーぞー」
 小鳥みたいで可愛いと、雪璃はもぐもぐと食べる彗藍に笑いかける。
「ふふふ、雪璃になら餌付けされてしまいます」
「彗のも一口ちょーだい」
「勿論私のも、あーんですよ」
 ぱくと一口もらって、あげて。
 美味しそうに食べる雪璃の姿に彗藍の胸の内があたたかくなる。
 誰かと過ごすクリスマスはこんなに倖せと彗藍の笑みは深まるばかり。
 そして雪璃も、寒いけれど一緒に過ごして、ぽかぽかな気持ちになっていることを感じていた。このひとときが――
「すーっごくしあわせ」
 言葉にすると、彗藍もぱちりと瞬いて私もと笑む。
「ふふーさて、お土産も買ったし!」
 と、彗藍は買ったものをみつつ。
「次はコーヒー屋さんでホットチョコレート如何ですか!」
「お! いいね。ホットチョコは色々トッピングも出来るんだって!」
 それもまた楽しみ――クリームふわっと乗せてその上にどんなトッピングをしようかと楽しみがまた増えていく。
「食べ歩きはまだまだこれからですよっ」
「うんうん、まだまだ行こーう!!」
 きらきら輝く道を、二人弾む足取りで。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【寒冷適応】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!

ジュリオ・ヴェント (トレインチケット)



●笑顔と一緒に
「メリークリスマス!」
 ジュリオ・ヴェント(人間のレジスタンス諜報員・g03277)は新宿駅の近くてお手伝い中。
 通りすがりの人にサンタクロースの格好でシュトーレンをプレゼントというパン屋の企画のお手伝い中だ。
 有難うと貰っていく人へ手を振って――ジュリオは笑み一杯だ。
 人の波が切れて、ちょっと休憩はどう? とジュリオはホットチョコレートを貰う。それを手にして他愛ない話。
「クリスマスっていいよね」
 みんながにこにこして、冬は寒いけど心がぽかぽかするしとジュリオは笑む。
 新宿島の人たちが感謝してくれる気持ちも嬉しいし、こうやって新宿島で楽しむ人々のためにこれからも頑張りたいって思うんだ――そんな風にジュリオは思う。
 こうして新宿島の人々を手伝ったり触れ合ったり――そんな中でふとクリスマスプレゼントは何がほしいという話になって。
「クリスマスプレゼントに欲しいものは……あれ? 何も思いつかないや」
 欲しいものがまったくないわけでない。でもぱっと出てこないのはきっと。
「でもそれが満たされてるってことなのかな?」
 なら、いいやとジュリオはぱっと笑む。それは大人びた表情ではなくてきっと年相応の笑顔。
 こうして過ごすクリスマスが寂しいものでない事は確かなことは、自分が一番知っているから。
善戦🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【モブオーラ】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!

ハルトヴィヒ・レーヴェンブルク (トレインチケット)



●思い出
 新宿島の輝く街並み――ハルトヴィヒ・レーヴェンブルク(殲滅のカノーネ・g03211)はその様を眺めながらふと息を吐く。
 なんとなく、新宿駅から続くイルミネーションの遊歩道を歩む。傍らにはパンツァーハウンドのブレッツェルが足並みそろえて。
 と、ブレッツェルが鼻をすんと慣らして示した先。顔見知りの明鶴がいて――気づけば手をひらりと上げてくるからそのまま素通りするのもと向かう。
「ハルトヴィヒ、メリクリ~、散歩?」
 この辺はもう手伝うことはないぞと笑う明鶴は、そうだとごそごそと自分のコートのポケットを探って。
 そしてこれやるよと菓子を投げ渡した。一切れ分に切られたそれは――シュトレン。故郷の伝統的なクリスマスの菓子だった。
 それを嘗て――と、郷愁がよぎる。
「クリスマス、か」
 共に過ごしたものが、いた。
 その時間は楽しいものであった――けれど、今は。
「……あんまり得意じゃねえんだよな」
 そうぽつりと零した声は明鶴には聞こえてはいない。
 けれど、もらったものの礼はとありがとなと懐へしまうと、ハルトヴィヒはじゃあなと告げて、再びブレッツェルと共に歩み出す。
 胸の内にくすぶるものを抱えて、いつもより少しだけ長い相棒との散歩をこの聖夜に。
善戦🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【悲劇感知】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!

咲樂・祝或
🫧はるのあ

わーい!いっるみねーしょーん!
キラキラして綺麗だね、シュー
とんとんくるり、硝子の靴鳴らして光の海をくるりと游ぐ
おっ…よろけ…
にゃはは!
シューなら直ぐに支えてくれると分かってたからね
わたしを支えてくれた弟の手をそのまま握って
見上げるんだ
シューは紳士
奢ってくれるでしょ?

ホットチョコはどう?もちろん、わたしはフローズンドリンクだよ
…冷たい方が好きなんだ
シュー、クリームには何のせる?
ふふー!おねえちゃんがやったげる!
星のチョコチップをこんもり盛り付けご満悦
わたしのも飾ってくれるの?
ありがと!きらきらになったや!

道中買ったシュトーレンを皆で分けて食べながらクリスマスを彩る光を楽しむんだ

…シュー、悩んでることあるの?
キミはしっかりしてるけどなんでも背負っちゃうから

光はひかりだよ。シューだって、ひかりだ
あったかい春の、春告のひかりだ
あの子が…気がついていないだけ

…大丈夫
あの子にも伝わるさ

浮遊しわたしより背の高い彼を撫で
ほら!わらって

今日はクリスマス
美味しい物食べて楽しもう
次はチュロスだー!


誘樂・春祝
🐈‍⬛はるのあ

眩しそうに双眸を細め、光の海に弾むような
どこか危なっかしい「あね」に手を差し伸べる
祝或姉!危ない!
…彼女は、脚があまり強くはないのだ
それはそうだけど…万が一にも祝或姉が痛い思いしたら嫌だ
え?奢る?もちろんそのつもりで来た
久しぶりに会えたんだ

俺達も食べ歩きしよう
見渡せば皆思い思いにクリスマスを楽しんでいる
平和な光景に頬が弛むよ

ホットチョコレートはぴったりだ
寒いから暖か…フローズンドリンク!?
祝或姉…大丈夫なのか?
ならいいけど……あ、俺は星型のチョコがいいな
すごいな、もうクリームが見えなくなった
祝或姉のフローズンドリンクのクリームにはアラザンを飾り付けしておく

シュトーレンは薄く切って皆で分けて食べよう
アサもポヌも大喜びだ

ふと目に入った眩さに呟く
光…か
少し苦い想いが心にひろがる
俺は、姉さんの光には…なれないのかな

祝或姉…ありがとう
…頑張るよ、俺
撫でられ気恥しいけど嬉しいな
やっぱり祝或姉は、きょうだい想いのいいひとだ
俺は幸せだ

チェロス?いいね
好きなだけ食べよう
今日は…聖夜だからな


●聖夜のきらめき
「わーい! いっるみねーしょーん!」
 きらきら輝く道へと飛び出せば、心は躍る。咲樂・祝或(『忘却の匣舟』・g00552)は軽やかにくるりと回って振り返ると誘樂・春祝(招喜猫・g10644)へと笑いかける。
「キラキラして綺麗だね、シュー」
 とんとんくるり、硝子の靴鳴らして光の海をくるりと游ぐ。
 眩しそうに双眸細め、光の海に弾むような祝或を見詰めて、どこか危なっかしい「あね」に手を差し伸べた。
 けれど、それよりもちょっとだけ早く。
「おっ……よろけ……」
「祝或姉! 危ない!」
 よろけるのには間に合わなかったけれど、倒れるのには十分間に合って。
 腕の中に受け止めて支え、安心と一息つく春祝。その腕の中で、祝或はにぱと笑み向ける。
「にゃはは! シューなら直ぐに支えてくれると分かってたからね」
「それはそうだけど……万が一にも祝或姉が痛い思いしたら嫌だ」
 祝或のその脚があまり強くないことを春祝は知っているから、少しだけ渋い顔。その支えてくれたその手をそのまま握って、その顔見上げる祝或はシューは紳士、とその唇から零して桜霞の双眸は笑み象る。
「奢ってくれるでしょ?」
「え? 奢る? もちろんそのつもりで来た」
 久しぶりに会えたんだと春祝も桜の双眸を柔らかに、穏やかに。
「俺達も食べ歩きしよう」
 周囲を見ればみんな思い思いにクリスマスを楽しんでいる。平和な光景に春祝の頬も弛んでいた。
 何から奢る? と問えばうーんと祝或は考えて。
「ホットチョコはどう? もちろん、わたしはフローズンドリンクだよ」
「ホットチョコレートはぴったりだ。寒いから暖か……フローズンドリンク!?」
 ホットチョコ。そのすぐ後にフローズンドリンクと聞いて春祝は驚く。
「祝或姉……大丈夫なのか?」
 本当にそれでいいのかという視線にだって、と祝或は紡いで。
「……冷たい方が好きなんだ」
「ならいいけど……」
 二人で店へ向かって早速。そのドリンクの上には色々トッピングも出来る様子。
「シュー、クリームには何のせる?」
「あ、俺は星型のチョコがいいな」
「ふふー! おねえちゃんがやったげる!」
 星型のチョコをしゅばっとのせていく祝或。ひとつふたつ――一杯。
 こんもりと盛り付けて祝或はご満悦。
「すごいな、もうクリームが見えなくなった」
 その手元を覗き込みつつ、祝或のフローズンドリンクにもと春祝が選んでいく。
「わたしのも飾ってくれるの?」
 うんと頷いて、ぱららと飾り付けたのは銀色のアラザンだ。
「ありがと! きらきらになったや!」
 ふふーと、嬉しそうにする祝或の姿に春祝は瞳細め笑む。祝或姉が喜んでくれてなによりと。
 一緒に買ったシュトーレンを持って、イルミネーションの遊歩道へ。
 皆で分けて食べながらクリスマスを彩る光を楽しもうと祝或が告げるとダンジョンペンギンのアサは両の手ぱたぱた広げ、スフィンクスのポヌも周囲をくるりと飛ぶ。
 その様子に大喜びだと春祝は紡いで、ふと目に入った眩しさに唇動いていた。
「光……か」
 冬の空気の中、輝きは柔らかでもあるのに眩しくて。少し苦い思いが心にひろがる。
 それは心の内の燻りが――頭をもたげてしまったから。
 俺は、姉さんの光には……なれないのかな――それは言葉になったのか、ならなかったのか。
 そんな春祝の心の揺らぎを祝或は感じ取って、その顔覗き込む。
「……シュー、悩んでることあるの?」
 キミはしっかりしてるけどなんでも背負っちゃうからと、ちょっとだけ困った子というように笑んで。
「光はひかりだよ。シューだって、ひかりだ」
 あったかい春の、春告のひかりだと、祝或は柔らかに紡ぐ。
「あの子が……気がついていないだけ」
 そして静かに。けれど確りと春祝へと伝える。
「……大丈夫。あの子にも伝わるさ」
「祝或姉……ありがとう……頑張るよ、俺」
「ほら! わらって」
 自分より背の高い春祝を撫でる祝或。撫でられる事は気恥ずかしいけれど、春祝の心に温かなものを灯す。
 やっぱり祝或姉は、きょうだい想いのいいひとだ――俺は幸せだと春祝は柔らかに表情緩める。
 その表情を目に、祝或もふふと笑って。今日はクリスマスと改めて告げる。
「美味しい物食べて楽しもう。次はチュロスだー!」
「チェロス? いいね」
 好きなだけ食べようと春祝も返す。そのお店はどこかなとひかりの中を進んで。
 今日は――聖夜だから。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【浮遊】LV1が発生!
【猫変身】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!
【ダブル】がLV2になった!

ルシアン・ブランディーヌ
【竜の庭】
口調は私、おまえ
~だな、~だろう
竜から人の体になったばかりで人の営みを経験するのが楽しい

g10318=ガエル
g10316=リリ

人と同じ視界で人と歩き、同じ物を食べる。大地と親愛なる人々を奪われたのは辛いが、この体験ができた事だけは正直に嬉しい。
リリもこうして出歩けるようになった。一時はどうなる事かと思ったが、三人で過ごせるなら私はそれでいい。

イルミネーションを楽しむ前に体を温めておこうか。ガエル、注文は頼んでいいか?
リリは無理せずココアにしなさい。コーヒーはまだ無理だ。

ああ、これは素晴らしい。小さな人の身でここまでの物を作り出せるようになるまで、どれほどの研鑽を積んできたのだろう。
目まぐるしく変わる人の生が生み出す輝きはなんとも心が踊る。
…今は私も人の体だ。これほどの物は無理だろうが、もの作りに挑戦してみようか。

ガエルも付き合ってくれ。おまえは器用だから色々と教えて欲しい。
リリはまだ長時間起きていられないだろう?大人しくしていなさい。


ガエル・シルヴァン
【竜の庭】
名前呼び

フェリシエンヌ、コートの前はきちんとしめておくんだ。隙間から風が入ると体を冷やす。人の体はお前が思っている以上に弱いんだぞ。
先ずはコーヒーショップに寄って温かい飲み物を。ルシアンは俺と同じコーヒー、フェリシエンヌはココアだな。これを飲んで体を内から温めて行こう。

人の身となった二人と視線を合わせ、人の腕で触れあうのは新鮮な感触だ。竜の体ではできなかった事ではあるな。
美しいイルミネーションにルシアンとフェリシエンヌの表情が明るく輝いている。竜の姿と変わりなく、二人は今も美しい。
あの世界を取り戻すまでこの怒りの炎が消える事はないだろうが、今はこの美しさを堪能しよう。

フェリシエンヌ、体が冷えてきたのではないか?そろそろ帰ろう。ルシアンもまだ人の体に慣れていないだろう。体を暖めるためにも帰ってからしっかり食べるぞ。俺もシュトーレンやパネトーネが気になる。


フェリシエンヌ・ブランディーヌ
【竜の庭】
呼び方はルシアンをお兄様、ガエルを名前呼び
ファーつきのコートと手袋と耳当てとブーツであったかくして出掛けます

自分の足で歩くのはすごく久しぶり。しかも人の体でなんて。でも、もう一度ガエルと並んで歩けるならなんでもいいわ
お兄様は反対側を歩いてね、ガエルのこっち側は私なの

風が冷たいなんて初めて。ガエルが飲むコーヒーが気になったけど、ココアがおいしそうだからこっちを飲むわ

まあ…すごいわ、なんて綺麗…。空に耀く星とは違う、人の営みが生んだ人工の光…
私はお兄様ほど人の営みを見ていたわけではないけど、人は自分の手で星のように耀く物まで作れるようになるのね

私たちの故郷も奪われなかったらこんな光が見られたのかしら…

ちょっと感傷的になってしまったわ。ねえガエル、帰りにパン屋さんに寄りましょう?パネトーネとシュトーレン、私も食べてみたいわ
お兄様もまだ食べたことはないのよね?どんな風に食べればいいのからしら、パン屋さんにいる人におすすめも聞きたいわ


●これまでも、これからも、一緒に
 冬の空は冷たく、けれどとても澄んでいる。その下で輝くイルミネーション――それは新宿島のひとびとが飾り付けたものだ。
 ルシアン・ブランディーヌ(守るべき宝がそこにあるから・g10329)にとってここにいまある時間は大切なものだ。
 人と同じ視界で人と歩き、同じ物を食べる。大地と親愛なる人々を奪われたのは辛いが、この体験ができた事だけは正直に嬉しい――そう思い、ルシアンの口端には笑みが乗る。
 それに今日は、聖夜――こうして出歩けることはルシアンにとってとても嬉しい事。
 それは妹のフェリシエンヌ・ブランディーヌ(籠入り娘・g10316)と、彼女の婚約者であり親友でありそして守護者でもあるガエル・シルヴァン(竜の守護者・g10318)と共に過ごすことができるから。
 フェリシエンヌが楽し気に歩いている。一時はどうなる事かと思っていたが、三人で過ごせるならそれでいいとルシアンは瞳を和らげた。
 フェリシエンヌはファー付きのコートと手袋。耳当てとブーツで温かくして寒さ対策はばっちりだ。
 自分の足で歩くのはすごく久しぶりとフェリシエンヌはふわと笑む。しかも、人の体でなんて、とこの姿は不思議な心地。
「でも、もう一度ガエルと並んで歩けるならなんでもいいわ」
「フェリシエンヌ、コートの前はきちんとしめておくんだ。隙間から風が入ると体を冷やす」
 それでもガエルはフェリシエンヌを心配して声をかける。それにちゃんときっちり着てるわと返しつつ、その腕を引っ張る。
「お兄様は反対側を歩いてね、ガエルのこっち側は私なの」
「人の体はお前が思っている以上に弱いんだぞ」
 フェリシエンヌはガエルとルシアンの間で嬉しそうに。
 風が冷たいなんて初めてとフェリシエンヌは小さく笑って、その冷たさを楽しんでいた。頬を撫でていくその冷たさが、逆に心地よくもあるから。
「イルミネーションを楽しむ前に体を温めておこうか。ガエル、注文は頼んでいいか?」
「ああ。ルシアンは俺と同じコーヒー、フェリシエンヌはココアだな」
 注文は任せてくれとガエルが行っているとフェリシエンヌは。
「ガエルが飲むコーヒーも気になるわ」
「リリは無理せずココアにしなさい。コーヒーはまだ無理だ」
 ぴしゃりという兄にフェリシエンヌはやっぱりココアがおいしそうだからこっちを飲むわと受け取る。
 そんな様子を目にしつつ、すでにコーヒーとココアを手にガエルが戻ってくる。
「これを飲んで体を内から温めて行こう」
 フェリシエンヌはココアを飲んで美味しいと笑む。
 柔らかにガエルも瞳細めて、二人と共に。こうして視線を合わせ、人の腕で触れ合うのは新鮮な感触。竜の体ではできなかった事ではあるなとガエルは思う。
 この姿だからこの時間があるのだと穏やかに。
 あたたかな飲み物で体の内からあたたかくなる。そして、共にイルミネーション輝く道へ。
 その光景を目にした瞬間、フェリシエンヌの瞳もきらきらと耀く。
「まあ……すごいわ、なんて綺麗……。空に耀く星とは違う、人の営みが生んだ人工の光……」
「ああ、これは素晴らしい。小さな人の身でここまでの物を作り出せるようになるまで、どれほどの研鑽を積んできたのだろう」
 目まぐるしく変わる人の生が生み出す輝きはなんとも心が踊るとルシアンはその 緑色の瞳に光の輝きを映していた。
「私はお兄様ほど人の営みを見ていたわけではないけど、人は自分の手で星のように耀く物まで作れるようになるのね」
「……今は私も人の体だ。これほどの物は無理だろうが、もの作りに挑戦してみようか」
 もの作りをするなら、何がいいだろうか――まずそれから考えねばと思うだけでも、ルシアンの心は躍る。
「ガエルも付き合ってくれ。おまえは器用だから色々と教えて欲しい」
「ああ、もちろん」
 美しいイルミネーションにルシアンとフェリシエンヌの表情が明るく輝いて見える。
 竜の姿と変わりなく、二人は今も美しい。ガエルは瞳細め穏やかに笑む。
 と――フェリシエンヌの口からほとりと、零れる。
「私たちの故郷も奪われなかったらこんな光が見られたのかしら……」
 ガエルの心は穏やかな風が吹いているような感覚だった。しかし、それは怒りを忘れたということではない。
 フェリシエンヌの落とした言葉を耳にして、その心の怒りの炎が揺らめく。
 あの世界を取り戻すまでこの怒りの炎が消える事はないだろうが、今はこの美しさを堪能しようと二人の姿を瞳に映し、その炎は燻るにとどまる。
 そんな彼の心の機微にフェリシエンヌは気付いたか、困ったように縁で。
「ちょっと感傷的になってしまったわ」
「フェリシエンヌ、体が冷えてきたのではないか? そろそろ帰ろう」
 まだもう少し大丈夫――そう思うのだけれど、自分を心配する兄の表情から帰った方が良さそうかしらと踵返す。
 けれどもう少しだけ。
「ねえガエル、帰りにパン屋さんに寄りましょう? パネトーネとシュトーレン、私も食べてみたいわ」
 買い物だからあとちょっとだけ、とフェリシエンヌは言ってガエルに行きましょうと促す。
「リリはまだ長時間起きていられないだろう? 大人しくしていなさい」
 フェリシエンヌの身を気遣うルシアン。しかしルシアンの事もガエルは心配なのだ。
「ルシアンもまだ人の体に慣れていないだろう。体を暖めるためにも帰ってからしっかり食べるぞ」
 そう言ってガエルはフェリシエンヌへ俺もシュトーレンやパネトーネが気になると告げる。
 買ってから帰ろうとパン屋への道を促しながら。
「お兄様もまだ食べたことはないのよね? どんな風に食べればいいのからしら、パン屋さんにいる人におすすめも聞きたいわ」
 楽しそうにフェリシエンヌは笑む。
 ガエルとルシアンと共に過ごす時間があることもまた、嬉しくて。
 今までとは違う体験をこれからも紡いでいけるという幸せと喜びと共に。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV3になった!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV2が発生!
【能力値アップ】がLV6になった!

不知火・紘希
キョウちゃん(g04509)と

今年は必ず、新宿駅でね。
そう約束したのはクリスマス前。今年で世界がまた目まぐるしく変わって、七曜の戦もあって。
晴れた空が陰る頃、ある日の夜に新宿駅を通って懐かしくなったんだ。

僕の寂しかった夜の終わり。
キョウちゃんにとって…恭弥お兄ちゃんにとって初めての夜。

あの夜、キョウちゃんは今みたいに新宿ターミナルから出る電車を眺めてた。夏だったから、温かい風が吹いてて、ぼんやり光が照らしてて。
せっかくまた会えたのに行っちゃいそうで、もう離れないよねって聞いちゃったんだ。

あのとき、不安な色でいっぱいだったのに約束するって言ってくれたのうれしかったよ。

ねぇ、見て!あのときよりもずっと、色とりどりの光が増えたと思わない?みんな楽しそうだよ!お店も賑やか。あのパン屋さん人気だね。

こっそり幸せの魔法をたしちゃおっか。キョウちゃんとの秘密だよ。

そう言って星を新宿駅の空に描き出そう。みんなへの感謝の気持ち。
それから何より、そばで頼もしく輝いてくれる、キョウちゃんへの気持ちをこめて。


大和・恭弥
紘希(g04512)と

新宿育ちの俺にとって。
新宿駅はただパラドクストレインの意味合いだけではないから。この前のようなことは本当に避けたくて。

だから紘希が新宿駅でクリスマスに必ず、と言ってきた時は無事だったことを労う意味が強いのだろうと思ったのだけれど。
…再会した時のことか。覚えてるよ、あのときは紘希のことをすっかり忘れていて、だけどそれを告
げてもこれからがあるよって笑ってくれたんだよな。
あのとき泣きそうだったあの笑顔覚えてる。俺は…あのとき、これからをきちんと生きるって決めた。

促されて、輝かんばかりに人工的な光を取り戻した新宿ターミナルをみやる。賑やかな声と、平和な空間。懐かしくも新しい景色。
隣の弟が新宿に星を描き始めれば、できることをやってやろうと彼を抱きかかえてふわりと数瞬浮かぶ。
嗚呼、これも人々のおかげだな。

腕の中で笑う彼の顔が星に煌めいて眩しく光を放つかのようで。
俺を導く希望の光の存在である弟。至らない俺だけど護ってみせる。だから消えぬよう、そっと願いを星に預けよう。


●輝き
 今年は必ず、新宿駅でね。
 大和・恭弥(追憶のカースブレイド・g04509)と不知火・紘希(幸福のリアライズペインター・g04512)がその約束をしたのはクリスマス前のこと。
 新宿育ちのふたり。新宿駅はただパラドクストレインの意味合いだけではない。過ごしてきた時間がある場所なのだ。
 だから、この前のような――敵に攻撃をされる可能性などは本当に避けたいことと恭弥は思う。防ぐことはできたがまた同じようなことが無いとは言えない。
 だから、紘希が新宿駅でクリスマスに必ず、と言ってきた時は無事だったことを労う意味が強いのだろうと思ったのだけれど――そうではないのだと、気付く。それだけではないのだと。
 世界がまた目まぐるしく変わって、七曜の戦もあって――紘希は思い返す。
 晴れた空が陰る頃、ある日の夜に新宿駅を通って懐かしくなったんだと。
 それは、紘希の寂しかった夜の終わり。
「キョウちゃんにとって……恭弥お兄ちゃんにとって初めての夜」
 その夜のことを紘希は忘れはしない。
「あの夜、キョウちゃんは今みたいに新宿ターミナルから出る電車を眺めてた」
 それは夏のこと。温かい風が吹いていて、ぼんやり光が照らしていた。
「せっかくまた会えたのに行っちゃいそうで、もう離れないよねって聞いちゃったんだ」
「……再会した時のことか。覚えてるよ、あのときは紘希のことをすっかり忘れていて、だけどそれを告げてもこれからがあるよって笑ってくれたんだよな」
 あのとき泣きそうだったあの笑顔――恭弥はそれをしっかりと覚えていた。
 けれど今、紘希の表情はその時のものとは違う。
「せっかくまた会えたのに行っちゃいそうで、もう離れないよねって聞いちゃったんだ」
「あのとき泣きそうだったあの笑顔覚えてる。俺は……あのとき、これからをきちんと生きるって決めた」
 恭弥は紘希へと笑む。その時の気持ちを、決めた心は変わらずにあるというように。
 そして紘希も
「あのとき、不安な色でいっぱいだったのに約束するって言ってくれたのうれしかったよ」
 そんな話をしながら歩む。すると人々が飾り付けたイルミネーションがキラキラ輝いていて――紘希はぱっと恭弥を見上げる。
「ねぇ、見て! あのときよりもずっと、色とりどりの光が増えたと思わない?」
 みんな楽しそうだよ! と弾む声で紘希は告げる。
 お店も賑やか。あのパン屋さん人気だねと紘希は楽しそうに、嬉しそうに微笑んでいた。
 紘希に促されて、恭弥もその光景を目にする。
 輝かんばかりに人工的な光を取り戻した新宿ターミナル。賑やかな声と、平和な空間。
 懐かしくも新しい景色――そして。
「こっそり幸せの魔法をたしちゃおっか。キョウちゃんとの秘密だよ」
 紘希は新宿へと星を描き始める。みんなへの感謝の気持ち――それから何よりと紘希は恭弥を見る。
 何より、そばで頼もしく耀いてくれる、キョウちゃんへの気持ちをこめて。
 笑いかけた紘希。恭弥はできることをやってやろうと思って彼の傍に向かい、抱きかかえてふわりと数瞬浮かぶ。
「嗚呼、これも人々のおかげだな」
 イルミネーションの輝き。そして紘希が描く星の輝き――抱えられた紘希はその腕の中で笑っている。
 星のように煌めいて眩しく光を放つかのように。己を導く希望の光の存在である弟の、紘希。
 彼の笑顔を守りたいと、曇らせることはしたくないと恭弥は思う。
 至らない俺だけど護ってみせる――だから消えぬよう、そっと願いを、恭弥は星に預ける。
 この笑顔を、人々の笑顔を。輝きを失わぬために。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【飛翔】がLV4になった!
効果2【アヴォイド】LV2が発生!

最終結果:成功

完成日2023年12月31日