アナタと鹿とわらび餅☆ダイスマスパーティ!(作者 荒雲ニンザ)
#最終人類史(新宿島)
#最終人類史のクリスマス2023
#クリスマス2023
⊕
●
時は今。
場は新宿南口、クリスマスの電光がキラキラと光り輝いている駅前ターミナル。
今年もこの時期がやって来た。
時先案内人の大和屋・酔仙(妖狐の妖怪博士・g03240)が、狐変化で鹿のかぶり物を被ってチラシを撒いている。
「クリスマスのパーティーのお誘いでぇーす! 今年は奈良が私の担当となりましたー!」
足元に落ちてきたチラシを拾うと、酔仙の説明が聞こえてきた。
「奈良と言えばわらび粉の名産地! 今年は可愛らしく和風クリスマススイーツを一緒に作るパーティーを開催しておりますー!」
いつも戦ってばかりのディアボロスの皆様にゆっくりしていってほしいと、町ぐるみで一肌脱いでくれているらしい。
場所は大仏様で有名な東大寺。大仏殿に続く路地に屋台が出ており、一般人も含めてパーティーに参加だそうだ。
遠距離のパーティー会場でも、パラドクストレインを使って自由に行き来できるので、その辺りの心配も無用である。
とまあ、ここまでは順調。
「今回は奈良のお子様たちがお手伝いを買って出てくれております! 材料調達から鹿の手配……あ、ゴホッゴホッ! 大丈夫! 皆様ディアボロスですからね! そういう訳で、うまく対処しながら、パーティーを楽しんでいって頂きたいなっと! こう思っている次第でございます!」
何がどう大丈夫なのか、肝心な部分をゴニョゴニョしていたが、概要は以下、こうである。
「では、わらび餅クリスマススイーツの作り方ーっ!」
わらび餅を作る材料と調理道具一式は屋台に用意してあるのでそれを使うこと。
1。
「まず、わらび餅でどんな和風スイーツを作りたいか考えて下さい」
生クリームを使ってもよし、チョコレートベースにしてもよし、オーソドックスにきなこでもよし、自由!
和菓子やケーキなんかも用意してあるので、それにトッピングしてもよし。
2。
「次、お子様たちが用意したわらび餅の材料を選んで下さい」
運命はここで決まり、不運ならば、とんでもない材料が混ざっていることもある。
そこは天のみぞ知るサイコロが3回、振られる。
良い素材を選べれば、おいしく!
まあまあな素材が選べれば、まあ、それなりに。
やばい素材を選んでしまうと……何がおきるか分からない……!
3。
「できあがったら、イルミネーションで彩られた古都を眺めながら食べましょう!」
3つの素材をあわせた結果、わらび餅スイーツがちゃんと食べられる物になるかどうか。
「巨大な大仏様に見守られながらというシュールな雰囲気の中、ぜひクリスマスパーティーを楽しんでいってくださいねえーっ!」
●
これから話すは、これから起きるであろう、現在の出来事。
知っての通り、わらび餅でクリスマスパーティーの物語。
京都に比べて落ち着いた町が奈良だ。
寺などの建造物もしっとりと重そうな色彩で自然に溶け込み、木造の建物は木の延長に見えるほど穏やかな風景が広がっている。
今年はディアボロスのために町の住人達がクリスマスの飾り付けをしているので、大分チカチカと賑やかに輝いているが。
大仏殿に続く石畳の通路に沢山の屋台が並べられ、一般市民がそこで宴会をしている光景。
今年も狐変化の酔仙が奈良のよい子達を仕切り、三角巾と割烹着をつけて食材の確認を念入りにしていた。
「わらび餅の材料ーっ!」
「わらび粉、おっけーっ!」
「お砂糖、おっけー!」
「ばくだん、おっけー!」
「きなこ、おっけー!」
「鹿、おっけー!」
何やら不穏な物が一つ追加されて混じっていたように思うが、そこはまあ、クリスマスですから、うん。
リプレイ
松中・誠
アドリブ歓迎
鹿の手配……なんで鹿?!
まぁ、そういうこともあるのか。(思考放棄)
えーと、わらび餅で和風スイーツ?
あとが怖いので、安定のきなこにしておこう。あとが怖いので。
で、わらび餅の材料…何が来るのか。
A:これはよいわらび餅になりそう。
B:まぁ…まだまし?
C:鹿かぁ……なんで鹿…。むしろ鹿をどのように使えと…ぁ、待って材料食べないで。
D:なぜこの素材を選んだし…解せぬ。(ぼん)……解せぬ。
E:あぁ……うまい。
F:まぁ、普通に食べれるからオッケーだろう。
G:(宇宙猫になる)
食べられる限り、残さず食べる。
……やばい素材3連続だったら宇宙猫状態になって置物になってるかもしれない。
ジェト・ネヘフ
ファル(g00078)と一緒に
わらび餅もっちしに来た
材料調達ありがとう、子供達
『夢』も喜んでる
わらび餅は初めてなので、シンプルめに抹茶のわらび餅とやらを作ってみたい
A:おお、これはとてもいい食材
最高級だと『夢』も褒めている、張り切って作るぞー
B:なるほど、これで作れば良いのですね
よし、頑張る
C:鹿……?(二度見)鹿だ。え、鹿?
わらび餅に、鹿を?(困惑)
元いた場所に返してこよう
D:うわ(防御結界)
……これは、食べられる、モノ、ですか?(片言)
ファル、これいらない?
芸術は、ならぬわらび餅は爆発、ジェト覚えた
ふう、何やかんやあったけど、完成した
はっぴー
ファルはどんな感じ?
食べるのが楽しみですね
E:……!
とても美味しい
これが、わらび餅……!
私は凄く感動している
ファルもお食べ
子供達もお礼です、お食べ
F:なるほどなるほど、これがわらび餅
自分で作ると達成感補正入りますね
ふむ、ファルも食べる?
G:……うん(死んだ目)
ファル、ちょっと食べてみて
大丈夫、死にはしない
良いからお食べ
食べ物、粗末、いけない
食え
ファルディゴール・バレットレイン
ジェト(g01750)と一緒に
こういうのは混ざって楽しむものと聞いた。
伝聞で。なるべくオーソドックス……と言いたいところだが、生クリームを加えたいよな。
クリスマスに生クリームは基本、と聞いた。子供たちに。
A:これも合わせれば最高の練度になりそうだぞ。
B:ふむふむ、これは良さそうだ。
ジェトのも合わせても、大丈夫そうなヤツ…。
C:……おい、目があったぞ。鹿だ。それは。
四足には帰って貰おう。お帰りはあっちだ。
D:……食べられなくはないもの、ではないか?
俺もいらない(即レス)。手一杯だ(必死)。
……見た目だけは問題なさそうだと思う。
食べてからのお楽しみだな。
EFG:どれであってもまずいという顔は一瞬だけ。
残さず食べるの誓いをしよう。
味覚は普通なので甘ければ旨いと言うし、ジェトにも子どもたちにもやろう。さあ、食べるといい。
……マズさが凄いと無言に耐えるのでジェトバレるだろうが。
いや、面白い……味だな。これは俺もおすすめだ(お前も巻き込んでやろう)
勧められたものが相当の見た目じゃなければ残さす食べる
●
冬場の乾燥に肌をひりつかせながらも笑う人々の、その隙間を縫って奈良県にある東大寺の大仏殿へとやってきた松中・誠(術師系竜人・g03037)は、ディアボロス様ご一行特設屋台へと足を向けていた。
「静かな町だと聞いて来たが、今日は随分と賑やかだねぃ」
遠くを窺っていたせいで、背後にいる人を少し押しやってしまう。
「むぎゅ」
「おっと、失礼だぜぃ」
振り向けば、そこに立っていたのは同じディアボロスであるジェト・ネヘフ(白昼夢・g01750)で、ファルディゴール・バレットレイン(凍壁の鉾・g00078)と共にここへ遊びにやって来た様子。
「誠も『夢』に誘われて来たの?」
「ユメ? 俺っちはふらっと来ただけだぜぃ?」
ジェトの発言に困惑している誠に、ファルディゴールが指し示してやる。
「あそこだ、我々の目的はあそこにある。こういうのは混ざって楽しむものと聞いた」
「ああ、パーティーに参加するのか」
調理台の方向へ近づいていくと、今回ここ担当の主催である大和屋・酔仙(妖狐の妖怪博士・g03240)が狐変化で走り寄ってきた。
「メリークリスマース! 参加者のディアボロスの皆様ですねー! ささっ、こちらへドゾウー!」
「ゲッ!? そ、その姿は……」
「今年もようこそ松中様、ヒヒヒッ」
ジェトとファルディゴールの進む後ろに誠も押し込まれ、お子様達にエプロンを渡された。
「ぎゃああ! お、俺っちは違う! 参加するのはこの2人だけ……」
「では、主賓のディアボロス様ご登場でぇすー!」
拡声器から出る酔仙の大声が人々の視線をこちらに向けた。
調理台にはジェト、ファルディゴール、誠の順番で3人のディアボロスが横並びとなっている。
「ルールは簡単! お子様達から手渡される素材で、おいしいわらび餅スイーツを作って頂くだけです! さあお三方、どんなものを作りたいですか!?」
「シンプルめに抹茶のわらび餅とやらを作ってみようと思う」
「むむ……何がよいか。なるべくオーソドックス……と言いたいところだが……」
そこでお子様が1人。
「お兄さん、クリスマスに生クリームは基本だよ!」
「ほう。ならば基本に忠実にいこう。生クリームわらび餅だ」
「こ、この流れは絶対作らないといけないやつ。じゃ、じゃあ……あとが怖いので、安定のきなこにしておこう。あとが怖いので」
「では、まず始めは、わらび餅粉と水を鍋にレッツギョォォウー(業)!」
ジェト5、素晴らしい。
「おお、これはとてもいい食材! 最高級だと『夢』も褒めている、張り切って作るぞー」
ファルディゴール2、こちらも出だし最高。
「これも合わせれば最高の練度になりそうだぞ」
誠55。
「あっぶ……危っ……!! ハハハ、まぁ……まだまし?」
「では次の行程。火にかけて混ぜるー!」
ジェト24、余裕綽々ですな。
「なるほど、これで作れば良いのですね。まあ、混ぜるだけで間違えようがないですしね」
ファルディゴール85……アッ! 突然鍋の中身が膨らみ始め……。
「な!?」
「ファル、どうやったらそんな膨らませられるんだ!?」
「ちょちょちょ、危ない危ない! 俺っちも早くかき回せて避難……」
誠71……アーッ! 惜しい、もう少しで鹿だった! でもどの道ダメなやつ!
「うわああああ!? 俺っちもヤバイやつー!」
観客席から悲鳴があがり、爆発と同時に酔仙が持っていた蓋で飛び散るわらび餅の液体を弾いてゆく。
「やー、危なかったですね! 観客席だけは私がお守りしますので、ご安心ください!」
調理台ではファルディゴールと誠が、わらび液を頭から垂らしてお玉を持って立っていた。
「くっ……何故爆発した……? 今のは、食べられなくはないものであるが、ほぼ食べられないに近い食材では……?」
「なぜこの素材を選んだし……」
ファルディゴールを盾にしたジェトが顔を出す。
「ちょっと、2人ともしっかりやって。何で爆発するの、今ので」
それが謎の重曹パワー。
「最後はデコレーションでーす!」
ではラスト、ジェトから順番にポンポンポンといきましょう。
ジェト24、ファルディゴール85、誠33。
「抹茶をパパパ……と。まあ悪くないですね」
「生クリームを、あ……」
「きなこよしっ! セーフ!」
と思ったところで、中央にいたファルディゴールの生クリームが盛大に爆発を起こす。
「何故爆発した!? クリームだぞ!?」
とばっちりを受けた両隣も白くなったところで終了。
「はーい、白くて綺麗な光景ですねー! クリスマスらしい食べ物になりましたので、あちらで召し上がって下さいねー!」
総合得点。
ジェト34、ファルディゴール104、誠159。
「……! とても美味しい。これが、わらび餅……!」
抹茶わらび餅に隣から飛んできた生クリームがついてしまっているが、ジェトはとても満足しているようだ。
飛ばした本人であるファルディゴールは無表情でそれを頬張り、ジェトの前にグイと出す。
「おいしくないの?」
「うまい」
誠のきなこ隣から飛んできた生クリームわらび餅も普通に食べられてホッとしている。
「どうなることかと思ったけど、普通に食べれるからオッケーなんだぜぃ」
何とか3人とも、無事食べられるわらび餅ができあがった!
「さあ子供たち、お礼です。お食べ」
生クリームで白くなったジェトとファルディゴールは、自分たちの作ったスイーツを人々に振る舞っている。
酔仙からお茶を渡された誠が白い息を空に逃がした。
「危なく鹿を手配されるところだったけど……何で鹿?」
「奈良ですから」
聞きたいのはそういうことじゃないんだぜぃと思ったが、今年はこれでメリークリスマス。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
【アイスクラフト】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV2が発生!
【ダブル】LV1が発生!
涯辺・こより
(トレインチケット)
●
宴もたけなわ。
ディアボロスと一般市民が入り交じり、クリスマスパーティーはすっかり日本特有の宴会状態となっていた。
わらび餅だけではなく、用意されたり持ち寄ったりで他のご馳走も置いてあるのだが、それを狙って参加していた涯辺・こより(人間のガジェッティア・g03387)がタッパ片手にほっぺたを膨らませてテーブルを渡り歩いていたところ、主催である狐変化の大和屋・酔仙(妖狐の妖怪博士・g03240)にお茶を渡される。
「ふぐぁっ、ももももーーぐぼぁいます」
謎の言葉を発した後、お茶で口の中のものを流し込み。
「もとい! ありがとうございます」
「いい食べっぷりですございますね。私もそろそろ給仕を終わりにして、皆様とまじってご馳走を頂頂こうかなー」
「終わってしまうのですね……急いでお腹に入れておかないと!」
「大丈夫でございますよ、お開きにしても、どうせ皆様、まだしばらくここで食べて遊んで騒いでいるでしょうし」
そう言ってやるが、切実な様子でこよりは爆食を続けている。
拡声器を持った酔仙がシメの挨拶を始めた。
「えー、では、今年はこれにてクリスマスパーティーは終わりとなります。食べ物が無駄にならないよう、持ち帰っていただいても結構ですので、ご馳走を完食してから解散となります」
まばらな拍手が聞こえた後、酔仙は壇上から飛び降りながら言う。
「では、今年もよいクリスマスでした! ありがとうございましたーっ!」
挨拶が終わったと同時に、こよりが投げてよこしたチキンを口でキャッチ。
「さあっ、無駄はよくないですからね! 食べますよ酔仙さん!」
「頂きマス!」
それでは皆様、少し早いですが、よいお年をお過ごし下さい。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!