リプレイ
オズワルド・ヴァレンティ
1)
クリスマスという言葉を聞くと
雪降るような季節の印象もあったが
真夏が其の時期にあたる地域もあったのだな
改めて、取り戻していった世界と
この大地の広さを感じるように思う
オーストラリアも…ディアボロスにならなければ
訪れることも無かっただろうな
受け取った花冠は…
クリスマスブッシュという名だったか
初めて見る植物のような気もする
星に似た赤い花に、緑の葉に
まさしくクリスマスを飾るのに
相応しい様相のように思えて
既にツリーへと飾られた花冠を眺めてみても
人々の灯す星明かりのようにも見えて
…僕もひとつ彩りを添えるとしようか
取り戻されたこんな時間が
この先も長く続いていくように
…あまり柄ではなかったかもしれないが
後は折角飾られたであろう
天蓋のイルミネーションも眺めて歩いて
今日訪れた此の景色のこと
確と忘れず覚えておくとしよう
いつまでも
アドリブ歓迎
● Conditor alme siderum
カラン、カランと鐘の音が響く。オーストラリアの街に季節を告げるように三度鐘が響けば、ぱっと世界が明るくなった。
「わぁ、すごい!」
「全部ついたよ。きらきらだぁ……!」
はしゃぐ子供質が、ショッピングモールの天井に手を伸ばす。迷子にならぬようにとその手を取って、抱き上げる親子の、兄弟の姿に青年は足を止める。
「……」
通りを吹き抜ける風が、ふわりと灰の髪を揺らす。晒された翠の瞳が捉えた空は遥か遠くまで見える程に澄んでいた。
「クリスマスという言葉を聞くと雪降るような季節の印象もあったが」
ほう、と落とす息が白くは染まらない。すい、と伸ばした掌——指先が感じるのは心地よい暖かさだ。
「真夏が其の時期にあたる地域もあったのだな」
小さく、翠の瞳を細めてオズワルド・ヴァレンティ(砂塵の・g06743)はクリスマスの夜空を——真夏の空を見た。
「……」
星の位置が違う。不思議も無いことだ。此処は新宿では無く、オズワルドが過ごしてきた地とも違う。
「……広いな」
そう、改めて思う。
取り戻していった世界と、この大地の広さ。
「オーストラリアも……ディアボロスにならなければ訪れることも無かっただろうな」
真夏の空に映り込む光の天蓋もこの地で無ければ見ることは出来なかっただろう。遠く、聞こえる潮騒に賑やかな声が混じる。海に入れる季節と思えば、暖かな風も少し暑く感じられるようだった。
「お、あんたもツリーに飾りつけに来てくれたのか? ほい、どうぞ。この花冠を先にあるツリーに飾ってくれ」
「これは……クリスマスブッシュという名だったか」
聞いた話を思い出しながら手にした花冠を小さく持ち上げれば、手渡したソムリエが楽しそうに笑った。
「へぇ、知ってるのか?」
「初めて見る植物のような気もするな」
ぽつり、と呟くようにオズワルドがそう零せば、そうか、とソムリエは顔を上げた。
「この辺りじゃぁ、クリスマスシーズン到来って感じのもんさ。花の盛りが来る合図みたいなもんでな」
「花の盛りか」
星に似た赤い花に、緑の葉。その姿は、クリスマスツリーを飾るのに相応しいように思えた。探さずとも見つかるだろうとソムリエの言った通り、見上げる程に大きなツリーは色とりどりの花々と共にショッピングモールの先にその姿を見せていた。色とりどり、鮮やかな花々やオーナメントと共に飾られているのが花冠は、人々の灯す星明かりのようにも見える。
「……僕もひとつ彩りを添えるとしようか」
そう、と手を伸ばす。とん、と軽く床を蹴って、ふわりと浮かせた身で飾った花冠は真夏のツリーに色彩を一つ添え——星となる。
(「取り戻されたこんな時間が、この先も長く続いていくように」)
祈るように、願うように。
とん、と下ろした身で見上げた先、花冠はツリーによく似合っていた。似合ってはいたのだが——……。
「……あまり柄ではなかったかもしれないが」
少しばかり慣れない気分に、オズワルドは小さく息を落とす。それでも、確かに綺麗ではあるのだ。ゆるりと視線を上げれば賑わいの天井を色取る光の天蓋も見える。その光を辿るようにオズワルドは歩き出した。
(「今日訪れた此の景色のこと、確と忘れず覚えておくとしよう」)
いつまでも。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
茜來・雪璃
【祇雪】2
なんか暑いのにクリスマスってすっごく不思議
知ってるのに知らないイベントみたい
キョロキョロ見回して
あ、あそこ見て!ツリーもすごくカラフル!
花冠を飾ってるんだねえ
夏だからこそって感じ
願いの輪かあ…素敵だね
御屋敷のツリー飾る時、桜冠飾ってみる?
ここでもにゃんこは気儘だねえ
みんなが満喫できるのっていいね
少しだけもふらせてくれたり…しない?
パブロバ?初めて聞く名前…
わ!すごい可愛くて美味しそう!
祇伐、これ一緒に食べよ
あっちで星見ながら食べられるかな?
ブルベリーとラズベリーのパブロバを抱えて二尾がゆるゆら
わお、ここ星が綺麗だねえ
前に彗に教えてもらった南十字星…見えるかなあ?
いいよ!頑張って探すね!
それとも二人で星座作っちゃう?だいふく座とか
並んで腰掛け、星をなぞり楽しげに
んー!おいしー!
食感が面白いね
ふわふわだけどカリカリ!
気持ちもふわふわでしあわせ
はんぶんこする!はい、私のもどーぞ
まずいよ祇伐
これはいくらでも食べられちゃうやつだ
あは、一緒?なんか嬉しいね
沢山食べちゃお
二人だけの甘いひみつ
咲樂・祇伐
【祇雪】2
わぁ、きれい!
花の盛りのクリスマスとは新鮮ですね!
思わずもれた感嘆と、花にも負けぬ好奇心
はじまりをまた、と願う気持ち…きっとこれが、新たなはじまりにもなるのでしょう
明るい声に誘われるように見上げた、花冠の飾られたツリー
まるで人々の願いが輪となり結ばれているようで
その心に、胸が熱くなる
それは名案です!
御屋敷のツリーには桜冠を飾ってみましょう
猫さん達もクリスマスを満喫しているのでしょうか?
思わず近寄って撫でたくなってしまう
ほんとう
雪璃さん、美味しそうなお菓子ですね
パブロバ…って私も初めてです
私がもらったのは苺のパブロバ
大切に抱えて、向かったのは星の天蓋の元
南十字星……?私もみてたいな、その星座
雪璃さん、教えてくださいな
星をつないで星座をつくる──なら、いづ座なんかも作りたいわ
私たちの可愛い子座ね、なんて悪戯に
パブロバの優しい甘味に心が咲くよう
私のも食べてみてとわけっ子の提案
これなら、何個でも食べられちゃいます!
ふふ……同じこと考えてた
今日だけは
食べすぎても、ゆるしてもらえるかしら?
●Benedicta tu
吹き抜ける風は、ふわりと暖かくあった。顔を上げればひらり、ひらりと舞う花びらが目に付く。真夏の夜、とん、と二人、揃って踏みだした先で目にしたのは色とりどりの花が咲くショッピングモールだ。
「わぁ、きれい!」
舞う花びらの一つに指先で触れる。思わず漏れた感嘆と共に、くるり、と踊るように振り返った娘の髪がふわり、と揺れた。
「花の盛りのクリスマスとは新鮮ですね!」
踊る紫烏の向こう、見えた咲樂・祇伐(花祇ノ櫻禍・g00791)の瞳が楽しげに煌めけば釣られるように狐の娘の尾が揺れた。
「なんか暑いのにクリスマスってすっごく不思議」
ぴん、と立てた狐の耳。尻尾に感じる風は暖かいのだ。真夏のクリスマス。きっともう少し歩いて行けば暖かいも暑いに寄っていくのかもしれない。キョロキョロと辺りを見渡しながら茜來・雪璃(朧夜ノ蝶華燈・g00793)は顔を上げた。
「知ってるのに知らないイベントみたい」
ショッピングモールの花壇には沢山の花が咲いていた。色鮮やかな花々は二人も知る夏の花だ。少しばかり形が違うのは、きっとこの地、特有なのだろう。
オーストラリア。真夏のクリスマス。
世界が変わって、不安が残る中——それでも、今日を、明日を生きていこうと踏みだす一歩に人々はクリスマスを選んだ。
「はじまりをまた、と願う気持ち……きっとこれが、新たなはじまりにもなるのでしょう」
楽しげな人々の背を、声を見守るように見送るように祇伐は足を止めた。小さく呟いた言葉は祈りに似て。僅かばかり神の愛し子は目を伏せる。小さく唇に載せた言葉は、ふわりと夏の風に溶けて行けば、とん、と軽やかな足音と共に、ぱ、と明るい声が祇伐を呼んだ。
「あ、あそこ見て! ツリーもすごくカラフル!」
「わぁ」
誘われるように見上げた先、出会ったのは花冠で飾られた大きなクリスマスツリーだった。てっぺんの星は淡く輝いて、赤い花と共に作られた冠はツリーを鮮やかに飾っていた。
「花冠を飾ってるんだねえ」
沢山の花に飾られたツリーは、この地ならでは、の姿だろう。
「夏だからこそって感じ」
ほう、と息を零すようにして告げた雪璃の隣、見上げたツリーの姿に祇伐は瞬いた。ひとつ、ひとつ少しずつ姿の違う花冠は人々が願いを込めて編んだのだろう。赤く色づく花は季節を告げ、幸いを告げる。
「まるで人々の願いが輪となり結ばれているようで」
その心に胸が熱くなる。
小さく唇から零れ落ちた言葉に、ふ、と吐息を零すようにして雪璃は笑った。
「願いの輪かあ……素敵だね」
祇伐、と一つ彼女の名を呼んで隣を見る。
「御屋敷のツリー飾る時、桜冠飾ってみる?」
「それは名案です! 御屋敷のツリーには桜冠を飾ってみましょう」
ぱっと瞳を輝かせるようにして頷いた祇伐に、ふ、と雪璃は笑みを零す。ゆるり、二本の尾が揺れれば——つい、と引っぱられるような妙な感覚がした。
「ん?」
「にゃ」
「猫さんですね」
首を傾げた雪璃の横、ふ、と笑みを零すのは祇伐の番だった。どうやらツリーの下で微睡んでいた猫たちが揺れる尾に誘われて目を覚ましたらしい。つい、ついと手を伸ばして髭を前に出す白猫は遊びたい気分なのか。それとも、興味津々なのか。
「ここでもにゃんこは気儘だねえ」
やわく零した笑みと共に雪璃が小さく尾を揺らせば白猫がうにゃ、と声を漏らす。ふふ、と釣られるように笑いながら祇伐は、ととと、とやってきた黒猫と視線を合わせるように膝を折った。
「猫さん達もクリスマスを満喫しているのでしょうか?」
「みんなが満喫できるのっていいね」
「うにゃ」
「にゃぁ?」
てや、と尻尾にじゃれついてきた白猫に、甘いねぇ、なんてひとつ狐は笑って。
「少しだけもふらせてくれたり……しない?」
「……にゃぁ」
まぁいいけど、な「にゃぁ」なのか。そう、と雪璃が伸ばした手に頬をすり寄せるようにして白猫は小さく、鳴いた。
「にゃ」
ちょこっとみせたツンな白猫の横、黒猫の方は祇伐の膝に尻尾で挨拶をしながらご機嫌に撫でられていた。
「おや、可愛らしいお嬢さん達じゃないか。メリークリスマス。パブロバは食べたかい?」
そう二人に声をかけてきたのは年嵩のシェフであった。リーンばあさん、と他の店の人々に呼ばれていたシェフの言葉に雪璃は瞳を瞬かせた。
「パブロバ? 初めて聞く名前……」
「それじゃぁ楽しんでってもらわないとね。ほら、好きなのを選らんでってくれ」
そう言って誘うように二人を招いたシェフが見せたのはメレンゲを焼いた生地に、生クリームやヨーグルト、季節のフルーツが飾られたケーキだった。
「わ! すごい可愛くて美味しそう!」
「ほんとう。雪璃さん、美味しそうなお菓子ですね」
ぱち、と瞳を瞬かせると祇伐は、ふわりと踊る甘い香りに息を零した。
「パブロバ……って私も初めてです」
「祇伐、これ一緒に食べよ」
「はい」
微笑んで頷いた祇伐につられるように雪璃も笑みを零して。ふたり、甘い香りに包まれるようにして星を見ながら食べられる場所へと歩いて行く。天井を飾る光の天蓋が、ふ、と途切れれば見上げた先に広がっていたのは澄んだ夏の夜空と満天の星が輝く高台であった。
「わお、ここ星が綺麗だねえ」
ブルベリーとラズベリーのパブロバを抱えて、二尾をゆるゆらとさせていた雪璃は、ほう、と息を飲んだ。
「前に彗に教えてもらった南十字星……見えるかなあ?」
「南十字星……? 私もみてたいな、その星座」
苺のパブロバを大切に抱えたまま、つい、と祇伐はつま先を上げる。
「雪璃さん、教えてくださいな」
「いいよ! 頑張って探すね!」
オーストラリアだからこそ、見ることが出来る星座だ。小さな星だが、南の空には天の川が流れている。無数の星の間、辿るように探しながら、ふ、と雪璃は笑うように傍らを見る。
「それとも二人で星座作っちゃう? だいふく座とか」
「星をつないで星座をつくる──なら、いづ座なんかも作りたいわ」
肩を寄せ合って笑うように祇伐が告げる。いつ座? と雪璃が首を傾げれば艶やかな黒髪を揺らすようにして祇伐は悪戯っぽく笑った。
「私たちの可愛い子座ね」
そうして見つけた星の下。南十字星を眺めながら——天の川に二人の星座の腰掛ける場所を考えながら、空を指さして星を辿り、クリスマスに吐息染まらぬ夜を過ごす。
「んー!おいしー! 食感が面白いね。ふわふわだけどカリカリ!」
「本当に。雪璃さん、私のも食べてみて」
優しい甘味に心が咲くよう。
ほわり、零した笑みと共に、すい、と祇伐は苺のパブロバを差し出した。
「はんぶんこする! はい、私のもどーぞ」
ふわふわのさくさくで。ほんのり甘くて。ほわり、零れた笑みと共に分け合った甘みは優しくて甘くて、軽くて——そして、こう、なんというか。
「まずいよ祇伐。これはいくらでも食べられちゃうやつだ」
「これなら、何個でも食べられちゃいます!」
二人、見合った先、考えていたことは同じで。
「あは、一緒? なんか嬉しいね」
「ふふ……同じこと考えてた」
ぱちくりとさせた瞳に互いの色を移し込んで。真夏のクリスマス。満天の星の下で秘密をひとつ。
「今日だけは食べすぎても、ゆるしてもらえるかしら?」
囁くように告げた祇伐に、雪璃は微笑んで頷いた。
「沢山食べちゃお」
二人だけの甘いひみつ。
だって今日は、クリスマスなのだから。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【腐食】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
フィオリナ・ネージュ
雫猫*g09163
1)
クリスマスはいつも寒い時期ですから
あたたかいのも過ごしやすくて良いですね
猫にとっては快適です
辺りでのんびりしてる猫達へ同意を求め
ご機嫌に尻尾をふりふり
今日はねーこはこたつでまるくなりません!
ふふ、賛成です。手作りしてみましょうか?
ぴんくの可愛らしいクリスマスブッシュを
丁寧に繋いで、仕上げに…
いとちゃんカラーな蜂蜜色とクリスマスの雪色リボンで結びます
星みたいな花に願い事
あのね、私もいとちゃん大好きなお友達だから
ずっとずっと幸せが降り積もるように
乗せてもらった花冠を大切に触れながら
お返しにふわ、と乗せれば。ほら、可愛い!
ツリーの花に誘われたのか
私達の花冠にも興味あるのかしら
いとちゃんによじ登ろうとしてる子が居ますよ
わわ、確かに自慢の尻尾ですけれど
なんだか猫ちゃんたち集まってきてませんかー!
いとちゃんまで……!
言いながらふわふわ尻尾をゆらゆら
存分にもふって下さいね
皆でじゃれ合いながら
このひとときもまた幸いが降り注いで
雫芽・いとり
雫猫*g09310
1)
遊んで花びらを置いてったのが始まりなんて
絵本やお伽話の世界みたい!
あったかくてもクリスマスシーズンは一緒なんだね
まだちょっと不思議な感じだけど
真夏のクリスマスも楽しんじゃお!
手作り出来るって聞くと作ってみたくなっちゃう
フィオちゃんはどう?
孔雀青みたいな色のリボンはあるかなー?
ふふっ、ブッシュの色と合わせたらクリスマスカラーだ!
お揃いの蜂蜜色もきゅっと添えちゃって
フィオちゃんはね、大好きなお友達でもあるし
シェアハウスで過ごしてるからか家族みたいでもあるの
そんな私の一番星に幸いが降り注ぎますように!
願いを込めた花冠をふわっと乗せたら
これで幸せ万倍だね?って見合って笑って
あ、猫さんも遊びに来たよ
私の自慢のお友達は極上のふわふわ毛並みだよ!
その魅力伝わるはず…フィオちゃんを囲め~!
キミは甘えんぼさん?うんうん一緒に遊ぼ!
大人気フィオちゃん…わたしも触りたくなっちゃう
えいっ!っと尻尾をもふり
猫さんにも花びらひらり小さな花冠
祝福と始まりのお礼かな?
幸せな時間をみんなで分け合って
●adventus
夜に吹く風が、暖かかった。ふわりと髪を揺らす風に花の甘い香りが混ざる。花の季節の訪れと共に、この地はクリスマスがやってくる。真夏のクリスマス。見上げた夏の夜空は深く澄んでいた。一歩二歩、足を進めていけば光の天蓋が訪れる。ショッピングモールの吹き抜けの天井は美しいイルミネーションで飾られていた。
「遊んで花びらを置いてったのが始まりなんて絵本やお伽話の世界みたい!」
心地よい風にふわり、とミントレモンの髪が揺れた。トン、と進めた一歩、髪先にちょこんと腰掛けていた花弁が、ふわり、と舞って落ちる。話しに聞いた始まりを思い出しながら、雫芽・いとり(芽吹ノ雫・g09163)は辺りを見渡した。
「あったかくてもクリスマスシーズンは一緒なんだね」
「クリスマスはいつも寒い時期ですから、あたたかいのも過ごしやすくて良いですね」
吐息が白く染まることも、思わず手を引っ込めてしまいたくなるような寒さも無い。
「猫にとっては快適です」
ふふ、と零す笑みと共に金糸雀の尻尾が機嫌良く揺れる。のんびりとしている猫たちへ同意を求め、フィオリナ・ネージュ(華たそがれ・g09310)はご機嫌に尻尾をふりふりと揺らした。
「今日はねーこはこたつでまるくなりません!」
そう、新宿とは違う。
オーストラリアのクリスマスは、真夏にやってくるのだから。
「あれがツリーだね。やっぱり大きい!」
ぱ、と瞳を輝かせるようにしていとりは巨大なツリーを見上げた。一番上には星の輝きを、大きなリボンは美しいレースで飾られて。夏の花々で色取られたツリーには花冠も一緒に飾られていた。
「いらっしゃい、素敵なお嬢さん方。花冠をどうぞ。勿論、手作りもできるよ」
そう二人に告げたのは、ショッピングモールにある店の店主だった。
「手作り出来るって聞くと作ってみたくなっちゃう。フィオちゃんはどう?」
「ふふ、賛成です。手作りしてみましょうか?」
何せ折角のクリスマスなのだから。
二人、互いの色を瞳に映して。微笑み合って頷いたのは同じ瞬間だった。
「孔雀青みたいな色のリボンはあるかなー?」
色とりどりの花と共に、テーブルの上に用意されていたのは綺麗なリボンだった。ふんわりとした手触りも悪くはなかったけれど、いとりが探していたのは冴えたあの青に似た色。
「あ」
みつけた、と小さく零す。つやりとした手触りも良い孔雀青に似た色のリボンを手にとって、クリスマスブッシュと一緒に繋いで、編み込んで。
「ふふっ、ブッシュの色と合わせたらクリスマスカラーだ!」
甘い花の香りと一緒に、最後に選ぶのは蜂蜜色。お揃いの色彩もきゅっと添えて出来上がった花冠を小さく持ち上げていれば、ふふ、と柔らかな笑みが傍らから零れた。
「フィオちゃん?」
「私も、もう少しで……」
ぴんくの可愛らしいクリスマスブッシュを丁寧にフィオリナは繋いでいく。丁寧に一輪ずつ。花を絡めて、飾りの花もいれて。そうして最後に選んだリボンは、大切な友人の色彩。
(「いとちゃんカラーな蜂蜜色とクリスマスの雪色リボンで結んで」)
きゅ、と結んだリボンと共に出来上がった花冠にフィオリナは、ふ、と笑みを零した。
「できました。いとちゃん」
小さく持ち上げて見せるのは大好きな友達の色を添えたから。吐息を零すようにして微笑んだ先、甘い蜂蜜色の瞳をぱちくりとさせていとりは、あのね、と身を寄せる。
「フィオちゃんはね、大好きなお友達でもあるし、シェアハウスで過ごしてるからか家族みたいでもあるの」
真夏のクリスマス。賑わいの中、光の天蓋の下で、内緒話をするようにいとりは微笑んだ。
「そんな私の一番星に幸いが降り注ぎますように!」
願いを込めた花冠をふわっと、フィオリナの頭に乗せる。ぴん、と驚いたように耳が立って、ぱちくりとした瞳の孔雀青が蕩けるように甘く、緩む。
「あのね、私もいとちゃん大好きなお友達だから」
星みたいな花に込める願いがあるとすれば、ずっともう最初から決まっていたのだ。
「ずっとずっと幸せが降り積もるように」
乗せてもらった花冠に大切に触れながら、出来上がった花冠をお返しに、ふわっと乗せた。
「――!」
小さく瞬く瞳の蜂蜜と、ふわりと揺れるリボンが柔らかなミントレモンの髪に触れる。ふわりと花冠をのせた彼女の姿は綺麗で――。
「ほら、可愛い!」
思わず零れた笑みひとつ、ふふ、とご機嫌に尻尾も揺れれば、蜂蜜色の瞳に出会って。見合うようにいとりは笑った。
「これで幸せ万倍だね?」
花が綻ぶような笑みを浮かべ、ふわり二人の間で甘い花の香りが踊る。幸せいっぱいを願って、祈って。互いに選んだリボンが夏の風にふわり、と揺れる。
「にゃぁ?」
「にゃ……」
と、知らぬ間にちょこんとテーブルには二匹の猫が姿を見せていた。先の店主のところの猫なのか、リボンをつけた猫の他に、ひょこひょこと顔を見せる子猫たちがこちらを伺っていた。
「……にゃ」
「あ、猫さんも遊びに来たよ」
ぱ、といとりが顔を上げる。ちょこん、と頭に乗せた花冠をそっと押さえるようにして、膝を折った娘に、ふんふん、と子猫たちが近づき――むんずと年嵩の猫が止める。
「みゃ!?」
「にゃぁ」
「みゃぁ……みゃ、にゃぁ」
「警戒してるってよりは……子猫さんが好奇心旺盛すぎたかな?」
「そうかもしれません」
こちらを威嚇する様子は無い猫たちは、やっぱりツリーの花に誘われたのか。それとも、花冠に興味があるのだろうか。
「いとちゃんによじ登ろうとしてる子が居ますよ」
ちょい、ちょい、と膝をついたいとりのスカートの裾から膝の上を狙ってこようとしている子猫たちに、ふ、といとりは笑みを零した。
「私の自慢のお友達は極上のふわふわ毛並みだよ!」
「わわ、確かに自慢の尻尾ですけれど」
「にゃ……」
「にゃにゃ」
そんないとりの言葉が通じたのか遠巻きに見ていた年嵩の猫たちが近づいてくる。これはもしや、もしやなやつなのか。
「なんだか猫ちゃんたち集まってきてませんかー!」
「その魅力伝わるはず……フィオちゃんを囲め~!」
「にゃ!」
「にゃぁ!」
目をキラキラと輝かせて、髭も前に出して。興味津々でやってくる猫たちと、ぴしっとどうだと魅力アピールをする友人に慌てるようにフィオリナは声を上げた。
「いとちゃんまで……!」
「にゃぁ」
「……」
けれど、そう。にゃぁ、なんて興味津々に、きらきらとした瞳で来られたら、大切な友人にそんな風に言われたら否という気分でも無い訳で。ふわふわの尻尾をゆらゆら、とフィオリナは揺らす。
「存分にもふって下さいね」
「にゃぁ……みやぁ」
「キミは甘えんぼさん?」
てやっと膝の上にやってきて。頬をすり寄せてくる子猫にいとりは笑みを零した。
「うんうん一緒に遊ぼ!」
「みゃぁ」
ご機嫌に零れた声に笑って、腕の中の子猫にいとりは笑みを零す。ごろごろと喉を鳴らす猫もふっと気になるのはあのもふもふなのか。
「大人気フィオちゃん……わたしも触りたくなっちゃう」
えいっと尻尾をもふれば、わ、とフィオリナが声を上げる。
「びっくりした?」
「少しだけですよ」
二人目を合わせて、贈り合った花冠と暖かな幸せと共に真夏のクリスマスを過ごす。
「祝福と始まりのお礼かな?」
ちょこんと猫の頭の上、乗っかった花弁にいとりは笑みを零す。幸せな時間をみんなで分け合うように。幸いの時を過ごした。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【植物活性】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
【凌駕率アップ】LV1が発生!
津・リビト
彗藍/g00192
【1】
ふふ、そうだな
俺もこの世界へ来てから、初めてのくりすますを過ごしていたので
暖かい季節にくりすますを過ごすのは少し不思議な感覚だ
綺麗なつりーだな
それに、甘くてとても良い香りだ
猫達もこの香りにつられてやってきたのかもしれないな
そして、可愛らしいお誘いに
猫と彗藍の頭を柔くぽんぽんと撫でて
――もちろんだ
花冠を手に取りそっとツリーに飾り付けて
高い位置に飾ろうとする姿を見れば
何かを思い付いたかのように彗藍を持ち上げようとして
彗藍、これなら高い位置に飾れるだろう
ふと、彗藍に似合いそうなクリスマスブッシュとペンタス
煌めく星が飾られた花冠を見つけて
贈り物をしたいので、もう一つ頂こう。と
見つからないようにこっそりと手に取る
ん、こうだろうか
頭に添えられた花冠に目を見開き
! 俺にくれるのか?
手作りなんて凄いな、ありがとう
彗藍、と名前を呼びそっと頭に花冠をのせる
手作りは出来ないが、俺からも贈らせてほしい
彗藍にも沢山、幸せが訪れますように
ふふ、最高のさぷらいずだな
――彗藍、めりーくりすます
朔・彗藍
リビト/g00145
【1】
夏の暖かいクリスマスってなんだか不思議ですね
ツリーから花の馨りも甘やかに
猫さんもやっぱりたくさん!
星花弁を付けた足元の猫へ微笑み抱っこをして
にゃんこで顔隠し肉球で彼にちょん、と触れて
リビト、ツリーに花冠を添えて行きませんか?
――!えへへ、嬉しい、です
猫さんと擽ったそうにごろごろ喉を鳴らしてしまいそう
星花連ねた花冠を持ち
折角なので高いところに飾ってみたいですね
背伸びでツリートップの方へ手を伸ばせば
ふわりと浮く身体、思わずぎゅうとしがみつき
わ…!リビト、届きました……!
…お、重くなかった、ですか?
こっそりもう一つは手作り
クリスマスブッシュと白のアストランティア
編み込み星屑見立てた金の実鏤め出来上がりっ
リビト、屈んで頂けますか?
そうと彼の頭上へ花輪を贈り
私からリビトへ、一番星と星に願いを
いっぱい倖せが降りますように
よくお似合いですって綻んで
――!私にも?綺麗…有難うございます
今この瞬間も幸福で
少しだけサプライズになったでしょうか
優しい貴方へ感謝へ込めて
メリークリスマス
●Pray devoutly
甘い花の香りが心地よい風と共に通りを抜ける。暖かい、と思うのは今の間だけだろうか。
オーストラリア。真夏のクリスマス。
零す息が白く染まることは無く——遠く、聞こえてくるのは波の音だろうか。楽しげな声は、きっとこれから海に入る人達のものだろう。色とりどり、鮮やかな花の飾り付けと共にショッピングモールはクリスマスシーズンを迎えていた。
「夏の暖かいクリスマスってなんだか不思議ですね」
くるり、くるくると辺りを見渡して、甘い花の香りと光の天蓋の向こう、夏の空を見る。見上げた先、見える星が違うのはここがオーストラリアだからだ。暗く澄んだ夜の空に、夏の星空を見つけながら朔・彗藍(ベガ・g00192)は、とん、と足を止めた。
「リビト」
「ふふ、そうだな。俺もこの世界へ来てから、初めてのくりすますを過ごしていたので、暖かい季節にくりすますを過ごすのは少し不思議な感覚だ」
てぶくろも、まふらーもいらない。
ふわり、と風に乗って花の匂いと共にやってくる潮風も夏の気配がする、と津・リビト(釣人・g00145)は思った。
「綺麗なつりーだな」
光の天蓋を抜けた先、辿り着いたその場所に大きなツリーはあった。淡く零れる光は一番星のものだろう。ふんわりと柔らかなリボンに、色とりどりのオーナメントに、沢山の花。鮮やかな花が多いのは、夏の盛りだからだろうか。ひらり、ふわりと時折、気まぐれな風に揺らされてツリーから花弁が舞い降りてきていた。
「それに、甘くてとても良い香りだ」
ひらり舞い降りてきた花弁をリビトは掌に受ける。ほんのりピンクに色づいた花弁は、花冠のものだろうか。ゆるり、と見上げた先、空の色彩を持つ瞳が、ぱち、と瞬いた。
「……?」
足に、妙な感触があった。何かが触れたというか、乗っかられたというのか。
「わぁ、リビト。猫さんです」
「にゃ」
ぱ、と瞳を輝かせた彗藍が、おいで、と膝を折る。ちょこんとリビトの足先に乗ったまんまるの猫は、散歩帰りの休憩先にこの足を選んだのか。
「ねこ」
「にゃぁ」
「みゃぁ、にゃ、にゃう」
「ふふ、縞猫さんは甘えんぼですか?」
ツリーの下をくぐり抜けて遊んでいるのか。星花弁をつけた猫へ微笑んで、彗藍はそっと手を伸ばした。みゃ、と零す猫は、抱っこにもなれているらしい。鼻先をすり寄せてきた縞猫にふふ、と笑って、頭にちょこんと花弁も乗せた子を抱き上げる。ほんわり、あたたかなにゃんこで顔を隠しながら、彗藍はちょこん、と肉球でリビトに触れた。
「リビト、ツリーに花冠を添えて行きませんか?」
「――もちろんだ」
青の瞳は僅かに緩む。ゆっくりと瞳の青は弧を描きながら、手は優しく一人と一匹の頭に触れていた。ぽんぽんと柔くリビトの手が、猫と彗藍の頭をぽんぽん、と撫でる。
「――! えへへ、嬉しい、です」
にゃんこと一緒に、擽ったそうに喉を鳴らしてしまいそう、そんな気分になる。腕の中、ごろごろとご機嫌な縞猫は、頭も撫でられて満足したのか、とん、とさっきの猫の所へ帰っていった。
「さぁ、お好きな花冠をどうぞ。あぁ、猫たちが気まぐれにやってくるんで、足元には気をつけて」
笑うように告げた街の人々が用意したテーブルには、様々な花冠が置かれていた。大きいものもあれば、少し小さなもの。使われている花やリボンにちょっとした違いはあるが、どの花冠もクリスマスブッシュを使った色づく赤の添えられた冠であった。
「折角なので高いところに飾ってみたいですね」
星花を連ねた花冠を持ちながら彗藍は大きなツリーを見上げた。つい、とつま先を上げて、それだけだと届かないから、ぐっと背を伸ばしてツリーのトップの方へと手を伸ばす。
(「あと、ちょっとで……」)
届く、かも。とつい、とつま先を上げたそこで——身体が浮いた。
「わ……!」
思わず、ぎゅうとしがみついて——気が付く。リビトが持ち上げてくれているのだと。
「——!」
「彗藍、これなら高い位置に飾れるだろう」
わ、と思うより先に、優しく響いた声に顔を上げる。
「リビト、届きました……!」
そっとツリーに添えた花冠。頭の方へちょこん、と乗せれば、ゆっくりと地上に足が下ろされた。
「……お、重くなかった、ですか?」
「あぁ」
さらり、と返される言葉と共に、こうちょっとだけちょっとだけ昨日とかのデザートを思い出しながら、彗藍は、すぅ、と息を吸った。
実は、あとひとつあるのだ。
こっそりと用意したのは手作りの花冠。クリスマスブッシュと白のアストランティアを編み込みんで、星屑に見立てた金の実を鏤めたこの花冠は飾るためにあるものじゃない。
「リビト、屈んで頂けますか?」
「ん、こうだろうか」
そう、と膝を折るようにして身を屈めたひとに感謝を告げながら、そっと彗藍は手を伸ばす。柔らかな髪の上、そっと花輪を贈った。
「私からリビトへ、一番星と星に願いを。いっぱい倖せが降りますように」
「!」
ぱ、と目を見開いて驚いたようにリビトが声を上げた。
「俺にくれるのか? 手作りなんて凄いな、ありがとう」
「よくお似合いです」
綻ぶように微笑んだ彼女に、リビトは小さく笑う。うん、と零れた言葉ひとつ、ずっと見つからないようにこっそりと持っていたものがリビトにもあった。
『……これ』
それは、彗藍に似合いそうなクリスマスブッシュとペンタス。煌めく星の飾られた花冠。
『気になるかい?』
『贈り物をしたいので、もう一つ頂こう』
『あぁ、勿論!』
他に飾りはいるかい? と聞く店主に緩く首を振って。受け取ったこれは、彼女に似合いそうだったから。
「彗藍」
「リビト? 何か――!」
顔を上げた彼女の頭にそっと、花冠を乗せる。ぱちくり、とした薄紫華の瞳に、リビトは柔く告げた。
「手作りは出来ないが、俺からも贈らせてほしい。彗藍にも沢山、幸せが訪れますように」
「私にも? 綺麗……有難うございます」
そう、とほっそりとした指先で、花冠に触れながら彗藍は嬉しそうに微笑む。
「少しだけサプライズになったでしょうか」
「ふふ、最高のさぷらいずだな」
二人、ふわりと甘い香りを纏いながら笑みを零す。幸いを願って、祈って。どうか、貴方に幸せが降りそそぎますようにと。
「――彗藍、めりーくりすます」
「メリークリスマス」
今この瞬間の幸福と共に。二人はそう言って、微笑んだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【隔離眼】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!
ジェームズ・クロサワ
霞(g00118)と【1】。
まあ、出来るというか母国語だからな、英語。
通訳くらいはしてやるが。
とは言ったものの。
いきなりどこ行ったんだあいつ……。
作った花冠を持って探しに行く。
やっと見つけた迷子と猫に溜め息ひとつ。
せっかく作ったものを置いていくな。ここまで何しに来たんだお前は。一人で飛び出して行って帰れるのか?
まったく……。
花冠を飾り終え、
手の中に残った花ひとつ、彼女の髪に飾り。
……踏み込んでくれるな、と何度も前に言われたが。
海から拾って貰った恩があるのはこちらの方だと、分かってはいるが。
俺もそろそろお前のお守の褒美が欲しいんだが、どうだ。
「行間を読む」と言うのか、
直球で言わないのが好きだろ、日本語は。
絆されることから、いつもうろちょろ逃げ回っているお前も。
それとも。
直球で言って欲しいなら、言ってやろうか。
すぐ拒絶しなくていいのか?つけ上がるぞ。
俺は、愛を乞うているわけだが。返事は?
まあいい、待つのは慣れてる。
※アドリブ歓迎
八上・霞
Jくん(g10136)と【1】!
Jくん英語出来るんだよね~。あれなんて書いてあるの?
あっ猫ちゃん!
思わず猫ちゃんを追いかけて行ったらツリーの下まで来ちゃった。
あれ、花冠置いてきた?あれー?
Jくんともはぐれたし、とりあえずツリー下で猫ちゃんと戯れて。
あっ、見つかっちゃった。
花冠持ってきてくれたの?ありがとー。
……うーん、もうお説教は分かったから、花冠飾りに行こうよー。猫ちゃんも行っちゃったし。
花冠をツリーに飾って、何気なしにぽんぽんと二回手を叩く。
こういうときって何をお願いすればいいのかな?
えー、何なにー?
お花?取れちゃったの?
私にくれるの?
……えーと……
向こうでお菓子配ってるらしいんだけど、いる?
……えーーーっと……
(返すべき言葉もすぐには浮かばず)
(黙っているだけで墓穴を掘っていることには気づいているものの)
わ、私、飲み物貰ってくるから!!!
※アドリブ歓迎
※ファッション自由人。本質は臆病。
●I take that very seriously
ふわりと、甘い花の香りがした。夏の盛り、花期を迎えた花々が通りに咲き誇る。
オーストラリア。夏のクリスマスは、深く澄んだ夜の空の下、多くの花々に見守れるようにしてあった。
「……」
風が、暖かい。時期に暑いと感じるようになるのだろう、と思いながらジェームズ・クロサワ(遺薫・g10136)は、とん、と先を行く背を見る。右に、左に、興味津々と見て回りながら、とんと振り返らずにいた彼女が、きゅ、と足を止めて振り返った。
「Jくん英語出来るんだよね~。あれなんて書いてあるの?」
「まあ、出来るというか母国語だからな、英語。通訳くらいはしてやるが」
ぴしっと指さされた先、見つけた看板に工房だ、とジェームズは告げる。
「手紙を作る工房だろう。向こうは……、そうだな。判子屋か」
どう訳せば通じるか考えながらひとつ、二つと言葉を転がす。なるほどなるほど、ふむふむ、と頷いた先「じゃぁ」と軽やかな声で八上・霞(閃光・g00118)がジェームズを招いた。
「Jくん!」
「……」
古くからある文具店に鞄工房。その先にあったカフェが……とそこまで、請われるままに翻訳していたのはジェームズも覚えている。ソムリエやらパティシエやらに場所を聞いて、花の種類やら色やらも決めた所までは——そう、確かにいたのだ。隣に。
気が付いたら霞がいなくなっていた。
「いきなりどこ行ったんだあいつ……」
くしゃり、と髪をかき上げるようにしてジェームズは息をついた。
「——あれ?」
ジェームズが花冠を持って探しに出た頃、霞は光の天蓋を抜けてツリーの近くまでやってきていた。
「あれ、花冠置いてきた? あれー?」
「にゃー?」
一緒になって鳴いてみせる黒猫に、ふふ、と霞は笑みを零した。
「Jくんどこ行ったんだろうねー」
どうにも見事にはぐれてしまったらしい。確か、カフェの看板を読んでもらって、有名な歌が生まれた場所だという話しを聞いていた所で、ひょこ、と猫が姿を見せたのだ。
『あっ猫ちゃん!』
花冠を作るテーブルの下、ひょこと姿を見せた黒猫の子猫たちに誘われるまま、思わず追いかけてきてしまった訳で——……。
「んー……」
まぁとりあえず、猫ちゃん達と戯れよう。みゃうみゃう、にゃぁと零す猫たちは、どうやら霞を遊び相手と定めたらしい。てやっと足許、じゃれつくようにやってきた子猫に、ふふ、と笑って、ひょい、と足を引く。
「甘いよー」
「んにゃ」
「にゃぁ?」
「尻尾の短い猫ちゃんは甘えただね。じゃぁみんなで……」
遊ぼうか、と霞が言いかけたそこで、カツン、と硬い足音が響き渡った。
「——やっと見つけた」
「あっ、見つかっちゃった」
「にゃ?」
溜息ひとつ、低く響かせた声に霞が顔を上げれば、そこには花冠を持ったまま走ってきたジェームズの姿がそこにはあった。
「花冠持ってきてくれたの? ありがとー」
「せっかく作ったものを置いていくな。ここまで何しに来たんだお前は。一人で飛び出して行って帰れるのか?」
カツ、コツカツと足を進め、見下ろすように告げられた言葉に、ぱんぱん、と霞は裾を払うようにして立ち上がる。エスコートするように手を取って立ち上がらせるような動きは無い。ただ、カツン、と詰めた一歩で、花冠を差し出してきたジェームズの圧に霞は唇を尖らせた。
「……うーん、もうお説教は分かったから、花冠飾りに行こうよー。猫ちゃんも行っちゃったし」
お説教に散っていったのか、気まぐれな猫たちは満足してしまったのか。尻尾で挨拶だけして行った猫たちを思い出しながら、霞はツリーへと歩き出した。
「まったく……」
その後ろに、溜息一つ零す男を置いて。
ツリーには、色とりどり様々な花が飾られていた。てっぺんの一番星は淡く輝いて、柔らかなリボンとオーナメントも華やかな色が多いのはこの地特有のものだろうか。
「よいしょっと」
花冠をツリーに飾って、何気なしにぽんぽん、と霞は二回手を叩く。
「こういうときって何をお願いすればいいのかな?」
「……」
「Jくん?」
落ちた沈黙に、応えがあった。それが珍しいのか、或いはこいつの勘がそうさせるのか。本当に駄目な時であればそれこそ気が付きそうだが——これは『違う』そう分かっているからこそ、ジェームズは花冠を飾り終えた後、一輪の花を手に残していた。
「……うん?」
「……」
一歩、距離を詰める。己の影が霞に触れる。つま先が触れる距離には遠く、だが、影は彼女に触れていた。ぱちくりと瞳を瞬かせた霞に、その艶やかな黒髪に花の一輪を飾る。
「えー、何なにー? お花?取れちゃったの?
私にくれるの?」
「……踏み込んでくれるな、と何度も前に言われたが」
肺腑の底、沈みきらずに残っていた言葉をジェームズは唇に乗せる。
「海から拾って貰った恩があるのはこちらの方だと、分かってはいるが」
瞳を、合わせる。逸れようと一瞬、泳ぐ瞳を逃すことがないように——真っ直ぐに。そうしてみれば、こいつが揺れるのも容易く逸らせぬのも見てはいる。
「俺もそろそろお前のお守の褒美が欲しいんだが、どうだ」
「……えーと……。向こうでお菓子配ってるらしいんだけど、いる?」
問うた先、請うた先。
黒の瞳は、瞬くのではなく戸惑うように揺れて。漸く出てきたのだろうその言葉に、ジェームズは喉の奥で笑った。
「「行間を読む」と言うのか、直球で言わないのが好きだろ、日本語は」
「……」
「絆されることから、いつもうろちょろ逃げ回っているお前も」
この感情に、気が付かぬ振りをするつもりはもう無い。朧気に描かれていた感情は形を得て、舌の上に溶かして飲み込むにはもう足りぬ。詰めた距離で、互いの間合深く踏み込んだ先で、ふ、と笑うようにジェームズは告げた。
「それとも。直球で言って欲しいなら、言ってやろうか」
「……えーーーっと……」
霞にも分かっていることはあった。そう、黙っているだけでは墓穴を掘っているということが。だが、そう。返すべき言葉もすぐには浮かばなかった。どうしたら良いのか、どう言ったら良いのか。今の自分はどう思っているのか。
「すぐ拒絶しなくていいのか? つけ上がるぞ」
「——」
ひゅ、と息を飲む。体が上手く動かない。どうしたら良いか、どうすれば良いのか。心の裡が戸惑うように揺れるのは、自分という人間が『そう』だからだろうか。でもそういう問題なのか。そうじゃないのか。ぐるぐると思考は回って、言葉は浮かばなくて——それでも、ジェームズは退かなかった。
あの日、海で出会った彼は。
「俺は、愛を乞うているわけだが。返事は?」
「わ、私、飲み物貰ってくるから!!!」
気が付いたら、ぱっと霞は走り出していた。白皙が染まるのは、夏のクリスマスだからか。それとも他の何かか。ほんのり残った赤と共に駆け出した霞を見送るとジェームズは小さく息をついて軽く肩を竦めた。
「まあいい、待つのは慣れてる」
自覚すれば良い、と思うような心と、思いしらせてしまいたいような心もある。己の顔に自信はあったのだが——まぁ、それだけで素直に頷くような相手でも無く、ここで退くような想いであれば警告を受けた上で、ジェームズも踏み込みはしない。
「待つさ」
クリスマスの夜。ツリーの下。
告げた言葉の行き先は、花冠に込められた願いよりも——二人の明日が知っている。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【ダブル】LV1が発生!
●祈りの園生
ショッピングモールの天井を飾る光の天蓋が、波のように揺らめいた。0時を過ぎ、夜の音ズレと共に聞こえてくる歌はサンタクロースを招く歌だろうか。あちことに遊びに出ていた猫たちも、ツリーの下で少しばかり休むらしい。色とりどりの花冠に飾られた大きなツリーの下、鼻先に、頭にちょこんと花弁を乗せる猫たちはまた、クリスマスに幸いの訪れを告げにお出かけをするのか。
甘い香りは花とお菓子。
クリスマスブッシュの色づいたクリスマスの日は、あともう少し続くから。
さぁ、何をして過ごそうか。
------------------------------------------------------------------
🎄🎄🎄🎄
ご参加いただきありがとうございます。
秋月諒です。
第二章「クリスマス・クライマックス!」受付中です。
マスターコメントで分かりにくくなってしまっているのですが、システム的に一人採用するとしまりますが、何人でも大丈夫です(通常の受付と変わりません)
年内完結となりますので、そんな感じです。
他詳細はMSページをご確認ください。
1)クリスマスツリーに花冠を飾る
2)パブロバを食べる
からメインの行動をどちらかお選びください(数字記載でOKです)
八上・霞
引き続きJくん(g10136)と【2】。
あの後、戻らなかったら捕まりました。
違うんすよお巡りさん、そんなつもりじゃなかったんですよ。
お菓子も一緒に貰おうと思っただけで。逃げるつもりではなかったんだって。
パブロバを食べつつ、ふたりで歩く。甘くておいしい。
えーと、あの、言い訳していい?
私、君のしたいことしてあげられないかもよ?
ちょっといろいろあってさ、子供とか産んであげられないし。
……うーんうーん、なんか揚げ足取られた気がする……。
そんなことは思ってないけど……。
後悔しない?私で。
君と付き合っていい女の子、星の数ほどいると思うけど。
意外と重いんだね、愛。
そういうのは大体女の子の方だと思ってたよ。
ツリーを見上げて、彼の袖を引く。
……私、自分の将来のこととか、あんまり考えたことなくて、
結婚とか、将来を見据えて付き合うとか、まだよく分かんないけど、
それでもいい?ジェームズ。
……逃げたら追われるの、実証済みだし。
絆されちゃったのかなあ。それとも、死ぬまでに一回くらい愛されてみたかった?
※アドリブ歓迎
ジェームズ・クロサワ
引き続き霞(g00118)と【2】。
案の定逃げたので捕まえに行く。待つとは言ったが逃げていいとは言ってない。
はいはい、確保確保。
パブロバ……だったか。自分も貰って齧る。
何だ、不安要素があるなら聞いてやる。
希望がひとつふたつ通らないくらいどうってことない。
別に俺は子供が全てだと思っていないし、
子供のいない夫婦なんぞ世界にも歴史にもいくらでもいるが。
まあそれはそれとして、
つまりは結婚を前提に付き合う気はあるんだな?
……婚約者を死なせた男は不吉か?
それか、7つも8つも年上の男は嫌?
……なら、良かった。
夜空に星がいくつ瞬こうが、月はひとつだ。
まあ、そうだな、その気になったら、ちゃんと名前で呼んでくれたらいい。
彼女の額を指で小突き。
精々真剣に考えとけよ。
もし捕まえたら一生離してやらねえから。
……。
お前、思い切りいいのか悪いのかどっちなんだよ。
彼女の手を取り、指先に口付ける。
彼女に纏わりつく死の匂いが、少しでも薄まったらいい。
※アドリブ歓迎
●I'm here after all
賑わうクリスマスの通りを駆け抜けた。た、と踏み込んだ一歩、思ったより八上・霞(閃光・g00118)の身体は前に出た。走るつもりは――そう、別に走るつもりは無かったのだ。歩いてお菓子を貰いに行くくらいのつもりだったし、走るにしたってちょっとのつもりだった。ただ駆け出したら足は動いて、クリスマスの街中をそんな風に走る人を誰も珍しがることは無かった。光の天蓋の下、そんな人もいるだろうと見送っていた。
「えーっと……」
「……」
追い付いてきた、彼以外は。
「待つとは言ったが逃げていいとは言ってない」
現行犯逮捕。
否、別にこう、霞が何をしたという訳では無い。多分、うん多分。通りの逆走がダメだとかそういうのは無かったし、猫ちゃんも欠伸してたし。
『俺は、愛を乞うているわけだが。返事は?』
『わ、私、飲み物貰ってくるから!』
ただ、どうしてか霞の体は動いていた。帰すべき言葉もすぐには浮かばずに、茶化すことも出来ずに。逃げ出したかったのか、それとも鼈の――己が裡にある『もの』がそうさせたのかは分からない。ただ、どれだけ走ってみたところで地の利も無く、こちらの文字が怪しい霞と、英語圏のあちらであれば、圧倒的にジェームズ・クロサワ(遺薫・g10136)の方が有利だったのだ。
「はいはい、確保確保」
とりあえずこの追いかけっこに関して言えば。
通りの先、それで? とばかりに霞の前に立って見せたジェームズが息を吐く。警察時代の捜査能力か、或いは追いかける分の慣れか。時計ひとつ見てみせる彼に、霞は両手を上げた。
「違うんすよお巡りさん、そんなつもりじゃなかったんですよ。お菓子も一緒に貰おうと思っただけで。逃げるつもりではなかったんだって」
「とりあえず手を下ろしたらどうだ? 向こうで、店主が笑ってる」
「……わお」
クリスマスというのは、大抵のことを許すらしい。頬笑ましげにこちらを見ていたパティシエが「お二人さん菓子をどうぞ」と笑った。
パブロバはクリスマスを祝う特別なケーキなのだという。さくっとしたメレンゲに生クリーム、季節のフルーツで飾られたケーキは振る舞い用に手に取りやすいサイズになっていた。一口、さくりと軽い食感と共に優しい甘さが霞の口の中に広がった。
(「甘くておいしい」)
ふ、と揺るんだ口元と共に霞は隣を見る。歩幅を合わせるようにしているのは、また逃げるとそう思ってのことでは無いだろう。それくらい、十分過ぎる程に結局、霞はジェームズ・クロサワという存在を知っていた。
「……」
だからこそ、ひとつ、息を吸う。カツン、と石畳を蹴るようにして霞は足を止めた。
「えーと、あの、言い訳していい?」
「何だ、不安要素があるなら聞いてやる」
コツリ、と硬くジェームズの足音が響く。深く、濃い赤の瞳がひたりとこちらを見据えていた。
「……」
その瞳に、舌の上に溶かして飲み干すつもりだった言葉を紡ぐ。
「私、君のしたいことしてあげられないかもよ?」
息を、吐くようにして霞はそう言った。いろいろ、と曖昧に告げたことを理解しながら。吹き抜ける風も無ければ、結い上げた髪では己の表情を隠すことはできない。この瞳も、顔も。己が裡も。
自由に、生きてきた。そう在ろうとして生きてきて――その代償か、或いは本質か。臆病な心が、言い訳を唇にのさせる。
「ちょっといろいろあってさ、子供とか産んであげられないし」
「希望がひとつふたつ通らないくらいどうってことない」
「――」
言の葉は、静かに返された。
眉を寄せることも、溜息交じりに声が響くことも無く。ただ、静かに響いた声と共にジェームズの瞳が真っ直ぐに霞を見た。
「別に俺は子供が全てだと思っていないし、子供のいない夫婦なんぞ世界にも歴史にもいくらでもいるが」
そこで、漸く息をひとつ吐いて魅せたジェームズが一歩、前に出る。互いにあった距離を詰める。
「――」
霞の影を踏むように。互いの影が触れるようなその距離に立って、僅か口の端を上げる。
「まあそれはそれとして、つまりは結婚を前提に付き合う気はあるんだな?」
「……うーんうーん、なんか揚げ足取られた気がする……」
眉を寄せてみせる霞をジェームズは見ていた。あと一歩、距離を詰めて手を伸ばし、掴んでしまえばそれで捕まえることはできるのだろう。近接の制圧手段はどっちが上かという話が出てきたら、また別かもしれないが。
(「――だが」)
詰めた距離。互いの影を合わせる程のその距離は、クリスマスの夜にはきっとロマンチックに見えるのだろう。光の天蓋の下、クリスマスツリーを眺め見るその場所で告げる言葉がどれ程物騒でも賑わいに飲まれて、互いにしか届かない。
「……婚約者を死なせた男は不吉か? それか、7つも8つも年上の男は嫌?」
物騒な言葉だ、とは思う。そんな言葉を口に乗せながら、緩く首を傾げて見せたジェームズに霞は黒の瞳を瞬かせる。
「そんなことは思ってないけど……」
眉を寄せて、二度、三度と開いた唇が言葉を探すように小さく震えていた。すぅ、と最後、息を吸った霞が真っ直ぐにこちらを見た。
「後悔しない? 私で」
射貫くように強く、深い黒がジェームズに告げる。
「君と付き合っていい女の子、星の数ほどいると思うけど」
「……なら、良かった。夜空に星がいくつ瞬こうが、月はひとつだ」
「――」
ぱち、ぱちと瞬いた後、光の天蓋が飾る通りで、たったひとり――ジェームズにとっての月は、吐息を零すようにして笑った。
「意外と重いんだね、愛。そういうのは大体女の子の方だと思ってたよ」
ふ、と息を零すようにして笑うのは色づいた白皙が理由か。重いと言われた男は、口の端を上げるようにして笑った。
「まあ、そうだな、その気になったら、ちゃんと名前で呼んでくれたらいい」
ぴし、と霞の額を小突いて、ジェームズは言った。ぺしり、と触れただけで終えた指先は、つい、と袖引く白い指に揺らされた。
「……私、自分の将来のこととか、あんまり考えたことなくて」
ツリーを見上げながら、ぽつり、と呟くように傍らの彼女は告げる。
「結婚とか、将来を見据えて付き合うとか、まだよく分かんないけど」
すぅ、と息を吸うようにして、霞がこちらを向く。その瞳と出会う。
「それでもいい? ジェームズ」
こつり、とつま先が振れた。互いの影が重なるようにして――二人、同じ影を踏むようにして言の葉はやわく響いた。
「精々真剣に考えとけよ。もし捕まえたら一生離してやらねえから」
手放すことなど出来やしない。離れるなと告げるのでは無く、離してやれぬとそう言った男に、ふ、と霞は笑った。
「……逃げたら追われるの、実証済みだし。絆されちゃったのかなあ」
それとも、とふふ、と霞は微笑んだ。
「それとも、死ぬまでに一回くらい愛されてみたかった?」
「……。お前、思い切りいいのか悪いのかどっちなんだよ」
吐く息が笑いを誘う。袖をひいて、それっきりの白い指先を掠うようにジェームズは取った。ぱち、と瞬く霞を視界にその指先に口付ける。
「……」
彼女に纏わりつく死の匂いが、少しでも薄まったらいい。
クリスマスの夜に、そう願った。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【平穏結界】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
【グロリアス】LV1が発生!
誘樂・春祝
①
これがクリスマスブッシュ…桜色なんて可愛らしくていいな
クリスマスブッシュを優しく手に取る
桜色は俺にも縁深い色だ…嬉しくなる
地に降りてきた星々を輪に繋いで願う
しっかり編み上げなければ
ポヌはそこで見物な
細かい作業は得意だ
花冠に編み込む願い
例えば日々の感謝に、たくさんの出会いの奇跡への感謝に…この世界へ生きる者たちへの祝への願いか
……俺の胸の奥に沈んだ──言葉にできない、明かせない願いごと
星に託せば、誰にも知られることなく天へ届けてもらえるだろうか
……いや、甘えるのはよくないな
俺の願いは、想いは……俺自身が届けなきゃ意味が無い
けど……勇気がもらえたら
そんな願いごと、桜色の星を編むよ
よし!できた!
ツリーに飾る花冠の他に、小さな猫サイズの花冠も作ったから…ポヌに飾ってやろう
はは!花言葉通り、「清楚」で良く似合うよ
猫のお姫様
ご機嫌なポヌと一緒にツリーへ花冠を飾ろう
ポヌが飾ってくれるのか?ありがたいが…高すぎないか?
皆の願いの花冠が輝くツリーを見上げれば自然笑みが咲く
願いの花咲く、銀河の樹のようだと
●恵みの高き嶺
ふわりと、暖かい風が少年の頬を撫でていった。さらさらと揺れる闇宵の髪と共に、夏の夜風をはらんだ衣が揺れる。夏の夜。クリスマスに吐息が白く染まることは無く——街は、花の盛りを迎えていた。
「これがクリスマスブッシュ……」
一房、手に取れば手の中でその可愛らしい小さな花がよく見える。澄んだ桜の双眸を細め、誘樂・春祝(招喜猫・g10644)は、ふ、と微笑んだ。
「桜色なんて可愛らしくていいな」
優しく手に取った花は、この地ではクリスマスを告げる花なのだという。ほんのりと色付いた花弁は星の形をしていた。
「桜色は俺にも縁深い色だ……嬉しくなる」
小さく紡いだ言葉と共に、ゆるり、と春祝は尾を揺らす。
(「地に降りてきた星々を輪に繋いで願う。しっかり編み上げなければ」)
光の天蓋の下、ショッピングモールのクリスマスツリーには花冠を飾るのだ。
「ポヌはそこで見物な」
「!」
ぴん、と立った耳と共にスフィンクスのポヌがこちらを向く。じ、と向けられた瞳の後、のしり、と春祝の手をポヌが跨いでいった。
「なぁん」
「……」
しっかりと見物ポイントを確保していったポヌに息を吐いて、春祝は猫足のテーブルに用意された花々を見た。
「そうだな、花はこれと、これを使って。あぁ、クリスマスブッシュはこのタイミングで……」
円を描くように花を並べ、ゆっくりと春祝は花冠を編んでいく。細かい作業は得意だ。丁寧に進めていけば、甘い花の香りが指先に乗る。
「花冠に編み込む願い、か」
例えば日々の感謝に、たくさんの出会いの奇跡への感謝。
(「……この世界へ生きる者たちへの祝への願いか」)
出来上がった花冠を嬉しそうに持っていた少女は、家族のことを願うのだろう。内緒にひとつ持っていた青年は、恋人にでもあげるのだろうか。
「……俺は」
胸の奥に沈んだ——言葉に出来ない、明かせない願い事が春祝にはあった。
「星に託せば、誰にも知られることなく天へ届けてもらえるだろうか」
呟き落とした言葉が、街の賑わいに融けていく。ゆるり見上げた空は、イルミネーションに色取られ、光の天蓋の向こうには本物の星と深く澄んだ夜の空がある。
「……いや、甘えるのはよくないな。
俺の願いは、想いは……俺自身が届けなきゃ意味が無い」
今は、胸の奥に大切にしまって。夏の空気に——その暖かさで肺を満たすようにして春祝は顔を上げた。
「けど……勇気がもらえたら」
そんな願いごと、春祝は桜色の星を編み上げていった。
「よし! できた!」
そうして出来上がった花冠は、ふわりと甘い香りを春祝の掌に寄せていた。ふ、と笑みをひとつ零し、見学を決め込みながらてしてしと尻尾で合いの手を入れていたポヌに「ほら」と声をかけた。
「なぁん?」
「これ」
ぽすり、と小さな猫サイズの花冠をポヌの頭に飾る。ぴん、と耳を立てたポヌに春祝は笑みを零した。
「はは! 花言葉通り、「清楚」で良く似合うよ。猫のお姫様」
「なぁん」
ゆるり、ご機嫌に尻尾を揺らすポヌと一緒に辿り着いたツリーには様々な花冠が飾られていた。そのどれもが、今日という日を祝い、幸いを願うものなのだろう。
「なぁん」
「ポヌが飾ってくれるのか? ありがたいが……高すぎないか?」
一番星のほど近く、ちょこんとポヌが飾ったのは春祝の幸いを願ってか。或いは、先の花冠のお礼か。ご機嫌に戻ってきたポヌに笑いながら、春祝はクリスマスツリーを見上げた。
「うん。良いな」
皆の願いの花冠が輝くツリーを見上げれば、自然笑みが咲く。彩りも鮮やかに飾られたそれは願いの花咲く、銀河の樹のようであった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【猫変身】LV1が発生!
効果2【ダブル】がLV2になった!