【幻想竜域キングアーサー奪還戦】飛矢のごとくに(作者 一条もえる)
#幻想竜域キングアーサー
#【幻想竜域キングアーサー奪還戦】獅子龍騎士の儀式陣
#幻想竜域キングアーサー奪還戦
#『獅子龍騎士』ユーウェイン
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眼下にキャメロット城を望み、『獅子龍騎士』ユーウェインは大きく息を吐いた。その周囲には巨大な魔法陣が形成され、魔力は着々と蓄積されている。
その背後には騎士竜ナイトドラゴンどもが整然と並び、飛んでいた。
ユーウェインは魔法陣を見据えたまま、
「聞け、我が精鋭たちよ」
と、呼びかけた。
「陛下のご加護である儀式魔術を以て、ディアボロスどもの拠点……『新宿島』を討ち滅ぼす。
ディアボロスどもごとき、聖剣の力を使うまでもない。それを知らしめるのだ」
魔力は確実に力を増している。ただし、極々ゆっくりと、である。
「この魔術は、その威力が凄まじいゆえに、発動までには相応の時間が掛かる。
エイワス殿の予測が正しければ、『新宿島』が現れるのは、キャメロットの上空であろう。それがいつ現れてもよいように、警戒を緩めるな」
「ははッ、お任せを!」
ナイトドラゴンどもはユーウェインに一礼すると、やはり整然と並んだまま飛んでいった。
「いよいよ、決戦の時が近いようだ」
ディアボロスたちの前に姿を見せたヴィクター・リントヴルム(ドラゴニアンのレジェンドウィザード・g01290)は、穏やかに、しかし重々しく声を発した。
「クロノヴェーダの中でも、『幻想竜域キングアーサー』のドラゴンは強大な力を持ち、妖精郷を滅ぼす寸前まで追い込むなど、非常に強力な存在だった。
しかし、私たちディアボロスは、多くの円卓の騎士を討ち取り、竜域ダンジョンと妖精郷を奪い、さらに《七曜の戦》によってアイルランドとグレートブリテン島の南半分を取り戻すことに成功している。
さらには、絶対不可侵とされたキャメロット城も、奇襲によって陥落させた。今こそ、断片の王アーサー・ペンドラゴンを討つ、絶好の機会だ」
しかし、敵も座して滅びを待っているわけではない。『新宿島』を破壊し、ディアボロスたちを撃退する構えを見せている。
「相手方には、『TOKYOエゼキエル戦争』の者どもが与しているようですからな。そこから得た情報なのやもしれませぬ」
と、ヴィクターの傍らで話を聞いていた許・伯隼(人間の無双武人・g03617)は顎を撫でた。
「さらに、アーサー王は『幻想竜域』を残すべく、王妃竜グィネヴィアをゴンドワナ大陸へと逃したようです。また、未知のディヴィジョンである『空想科学コーサノストラ』とも密約を結んでいるようである、とのこと。
……狡兎三窟(こうとさんくつ)とは、よく言ったものですな。敵も一筋縄ではいかぬとみえます」
そう言って伯隼は苦笑した。
「敵がこちらの策に備えているということは、この奪還戦においては我々も大きな損害を受ける恐れもある、ということです」
すなわち、アーサー王の聖剣エクスカリバーの力によって『新宿島』が攻撃を受けるということである。とりわけ、パラドクストレインの発着所である新宿駅が消失してしまえば、致命的である。
「そうなった場合、我々はこれまでのような戦いは出来なくなるでしょう。これを防ぐためには、そうなる前にアーサー王を討ち取るほかありませぬ」
と、伯隼は一同を見渡した。
「各々方の前方にいる敵は、『獅子龍騎士』ユーウェイン。かの者は魔術により、『新宿島』に先制攻撃をかけようとしています。
もはや策を論じるときではありませぬ。我らは飛矢の如く、ただただ一心に突き進んで敵を蹴散らすのです」
一同を見渡した伯隼は拱手し、頭を垂れた。
リプレイ
孫・リア
いよいよキングアーサーとの決戦ね、向こうは新宿島の落とそうと本気でかかってくる……私達の新宿島、落とさせたりはしないわよ!
ドラゴンにはドラゴンをぶつけましょうか!『焔竜』で大量の炎のドラゴン達を召喚して……
まず数匹をあえて目立つところから攻撃に向かわせて気を引いたら彼らの死角から残りの炎のドラゴン達を向かわせて一気に囲んで風を起こして炎で燃やし尽くす!
ある程度倒したらすぐに手負いを負う前に撤退するわよ!
ユーウェインが出てくるかもだけど絶対に無理しないで撤退!
今ここで戦う時じゃないからね
【アドリブ共闘歓迎】
野本・裕樹
※アドリブ・連携歓迎
放たれた矢は前へと飛ぶのみ、後ろへ飛ぶものに非ず。
不退転の意志ですね。
魔術による攻撃など許すわけにはいきません、かの『獅子の騎士』にもこちらの覚悟を示すとしましょう。
《雷光刀『雷花』》の刀身を雷光で伸ばし『騎士竜ナイトドラゴン』を薙ぎ払い。
【グロリアス】を頼りに受けた手傷を回復しながら戦い続けます。
敵の戦力を減らすために討ち取れそうな相手がいれば積極的に狙っていきましょう。
【グロリアス】の回復で誤魔化しきれなくなってきたら退きます。
『新宿島』は絶対に守ります、決戦の時にはこの刃を必ず敵将へと届かせましょう。
アンナ・ラークリーズ
連携・アドリブ歓迎
我が故郷を支配するドラゴン勢力の強靭さは知っていたが、多くの将を失っても敵勢力の本拠地を壊滅させる戦力がまだ残ってたとは。
ああ、私達が奪還に強い意志を持つと同じくドラゴン戦力は今まで君臨し、支配してきた意地と誇りを持って、戦況を覆そうとするだろう。ここまできたからにはお互い総力を挙げた決戦で決着をつけるのみ。お互い後戻りはできないね。
敵の攻撃はその大きい姿だけあって威力が高そうだが、大きい分姿は視認し
やすそうだ。出来るだけ敵の視線から外れた場所で【高速詠唱】でローゼスバレットを発動。確実に【全力魔法】を併せた薔薇の弾丸で撃ち抜いていこう。倒せそうな相手がいれば優先的に薔薇の弾丸で狙おうか。戦友もいるし、確実に敵の数を減らしていこう。
致命傷は【残像】で回避するが敵勢の様子から深入りはできなそうだ。戦友の足を引っ張らないように後退しよう。
恐るべき敵将へ至るには手勢の減少も必要だ。ある程度減ったら撤退を。
本戦は後に預けるよ。必ずアンタを討ち取って見せる。獅子竜。
文月・雪人
※アドリブ連携歓迎
大規模儀式魔術による新宿島への攻撃か、また厄介なものを用意したものだね。
だがそんなもの、絶対に放たせてなるものか。
新宿島の皆を、大切な仲間を護る為に、
俺もまた今できる事を精一杯成し遂げよう。
相手はトループス級とはいえドラゴンだ
地の利も敵にある中で、油断できる相手ではないだろう
素早く戦場を観察し、状況を見極めつつ、仲間と連携して戦いたい
重要なのは、短時間でどれだけの敵を倒せるか
声を掛け合い狙いを合わせ、確実に数を減らしていこう
攻撃には『斬糸結界』のパラドクスを使用
戦場に展開した極細の糸にて、敵の翼を絡め取り
【ダメージアップ】な攻撃で斬り落とし、仲間の攻撃へと繋げたい
敵を観察して呼吸を読み取り、プラズマブレスの放たれるタイミングを看破
破魔防御結界と、あれば【ガードアップ】等の仲間の効果も借りて凌ぎつつ
怯む事無く攻撃を重ねていこう
仲間の負傷具合も見ながら、庇い合ってダメージをコントロール
それでもダメージが嵩み継戦が難しくなってきたら
仲間と声を掛け合いつつ、無理せず撤退を選ぼう
フラン・ベルジュ
うわぁ、すっごい魔法を準備してるみたい!
あれを放たれたら大変なことになっちゃうよね…けど、そうはさせない
必ず食い止めてみせるからね!
そのためにも…まずは少しでも、ここに集まってる悪いドラゴン達をやっつけよう!
熱々の火球で攻撃してくるみたいだけど…ここは鋼のゴーレム達の出番!
召喚してその盾で火球を防いでもらうよ
ちょっとやそっとの熱で溶けちゃうような、ヤワな鋼じゃないんだからねっ
火球を防いだら返す刃で電撃をお見舞い!
怯ませてその隙に一気に接近して、盾でガンガン攻撃しちゃって!
見た目よりも結構素早いんだからねっ
そこそこ倒せたら、本格的に増援が来る前に撤収!
マユラ・テイル
2つの聖剣による直接攻撃
そして大規模術式による新宿島への攻撃
大天使共入れ知恵があったにせよ、此方の本拠への攻撃が激しいのう
厄介な事じゃ
じゃが、先手は取れる
戦の前に少しでも戦力を削り、早々に敵の策を潰すのみじゃ
さて、ではひと暴れといこうかの
先ずはひっそりと、敵の竜共が布陣している場所を眺めるとしよう
突撃するにしても、やりようがある
馬鹿正直に、やあやあ我こそは!などはせんよ
側面とまでは言わんが、少しでも警戒の視線から外れた場所から仕掛けたいのう
該当箇所があれば、後は仕掛けるのみじゃ
一気に駆けて「突撃」じゃ
竜爪【Dragon’s Blood】に魔力を回す
接近し、双爪連斬
竜爪で騎士竜共を連続して斬り裂く!
例え体格差がどれ程あろうとも、竦む妾では無いわ!
あ奴の尻尾には要注意、じゃな
両手の鉤爪で守りを固め、しっかり防御し耐えきる
まだ動けるなら、今回はそれで良いのじゃ
後は常に動き続け、一カ所に留まらないよう移動しながら敵へと攻撃を仕掛けていこうぞ
じゃが、猪武者という訳にもいかん
厳しくなったら退却じゃ
「あれね!」
無双馬『星星』を駆って丘の上に至った孫・リア(勇武と炎を胸に秘めて・g03550)が目にしたのは、視界を覆うほどに巨大な魔法陣であった。すると、かすかに見えるあの影こそ、
「『獅子龍騎士』ユーウェイン……でしょうか?」
野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)が目を細める。
「いよいよ『幻想竜域キングアーサー』と決戦という雰囲気がしてきたわ」
圧倒されそうになるところだが、リアは気を奮い立たせて得物を握りしめる。
「向こうは『新宿島』を落とそうと、本気でかかってくる……でも、私たちの『新宿島』、落とさせたりはしないわよ!」
「えぇ。放たれた矢は前へと飛ぶのみ、後ろに飛ぶものに非ず。不退転の意思ですね」
ふたりが決意を漲らせたのに呼応するように、ユーウェインの周囲を旋回していた影がこちらを目指して真っ直ぐに飛来した。
「見つかったわね。いいわ、かかってきなさい!」
リアは得物を構え、敵勢を迎え撃った。
騎士竜ナイトドラゴンは金色に縁取られた翼を大きく広げ、襲いかかってくる。
「ディアボロスどもめ、邪魔はさせぬ!」
「こちらとしても、魔術による攻撃など許すわけにはいきません。かの『獅子の騎士』にも、こちらの覚悟を示しましょう!」
「ドラゴンには、ドラゴンをぶつけましょうか!」
裕樹は雷光刀『雷花』を抜いて、敵群を真正面から見据える。その力が解放されると、発した雷光は刃を成した。
そしてリアの呼びかけに応じて、小さな炎がいくつも現れた。その炎が取る形は、ドラゴンのそれであった。
「さぁ、天を駆け抜けて!」
炎の竜の1匹は「翼」を広げて空へと舞い上がり、風を起こし、炎を巻き上げる。
ナイトドラゴンどもはその突進を避けるように散開した。しかし、その死角から他の竜たちが襲いかかる。
「むおおッ!」
炎は渦となってナイトドラゴンどもを押し包み、辺りには焦げ臭い臭いが漂った。
そこに裕樹の刃が襲いかかる。
「燃え上がれ、百合車!」
剣刃一閃。渾身の力で振るわれた刃が、敵群を薙ぎ払う。
炎の竜によって鱗を焼かれたナイトドラゴンの胴を、裕樹の刃は深々と斬り裂いた。その傷口から炎が発する。まるでその形は、咲き誇るグロリオサ。
「その語源はラテン語の『栄光』……そして花言葉も、また」
崩れ落ちるナイトドラゴンどもに背を向け、裕樹は新たな敵に狙いを定めた。
「儀式魔術を邪魔させるわけにはいかぬ!」
先陣を切ったリアと裕樹とによって、ナイトドラゴンどもの陣形は大いに乱れた。
しかし敵勢は一歩も退かず、数を頼りに襲いかかってくる。
長い尾が鞭のようにしなれば、先端の刃には聖なる光が生じる。
「クロノヴェーダが、『聖なる』だなんて、ね!」
リアは偃月刀と馬上槍とを交差してその一撃を受け止め、渾身の力で押し戻した。
だが、敵はその1体だけではない。無数の敵が左右から襲いかかり、むしろ囲まれたのはリアたちの方である。
しかし、
「囲んだつもりじゃろうが……この連撃、見切れるかの?」
敵勢が正面に気を取られている間に、マユラ・テイル(みすてりあすじゃ・g05505)は一気に接近して敵の懐へと飛び込んでいた。
「たとえ体格差がどれほどあろうとも、居竦む妾ではないわ! 懐に潜り込めるだけ、好都合よ!
その手に装着された『竜爪【Dragon’s Blood】』こそ、竜のそれを模し、竜を斬り裂くために作られた武器である。それが一閃すればドラゴンの腹は割け、もう一閃すれば、前足を抉る。
腹を深々と割かれた敵は、絶叫しながらも尾を振り回してきた。
「あやつの尻尾には要注意、じゃな」
その凄まじい破壊力に吹き飛ばされたマユラであったが、聖剣にも等しい斬撃は、両手の鉤爪でしっかりと受け止めた。空中でくるりと身を翻し、何事もなかったかのように着地する。
「さすがね」
「助かります」
敵の不意を突いたマユラに、賛辞をおくるリアと裕樹。
マユラはふふんと得意げに笑い、
「敵の出方を窺えば、警戒の薄いところがあるものよ。
突撃するにしても、やりようがある。馬鹿正直に『やぁやぁ我こそは!』などは、せんよ」
「ちょっとちょっと。それじゃまるで、私たちが考えなしみたいじゃない」
敵の刃を避けつつリアが笑うが、
「戦い方はそれぞれ、ということよ。先陣を切ってくれたふたりのおかげで、妾にとってはやりやすかった」
と、動き回って敵に狙いをつけさせないマユラは、したり顔で頷いてみせた。思わず、裕樹が吹き出す。
「ふたつの聖剣、そして大規模術式による『新宿島』への攻撃……大天使どもの入れ知恵があったにせよ、本拠を狙われるのは厄介なことじゃ」
じゃが、とマユラは爪を煌めかせる。
「先手は取った。あとは戦の前に少しでも戦力を削り、敵の策を潰すのみじゃ!」
「ディアボロスどもめ、焼き尽くしてくれる!」
同胞の死に、ナイトドラゴンどもは激高して叫んだ。その胸が膨らむほどに、大きく息を吸い込む。
「まずい、来るぞ」
察した文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)はすかさず、『破魔防御結界』を張り巡らせる。
「大丈夫、ちょっとやそっとの熱で溶けちゃうような、ヤワな鋼じゃないんだからねッ!」
ここは鋼のゴーレムたちの出番、とフラン・ベルジュ(揺らめく焔のように・g06262)は精霊に呼びかけた。
「死ねッ!」
ドラゴンどもがその口から、圧縮された炎と風による火球を放ったのと、フランの願いの声はほとんど同時であった。
「お願い、精霊さん! ……『立ち上がれ』ッ!」
その声に応じ、数体の鋼のゴーレムが立ち上がる。
炎の吐息がフランを狙って襲いかかるが、ゴーレムたちは重い盾を構えてその前に立ちはだかり、それを跳ね返す。
灼熱の息はなおも襲いかかってきたが、幾層もの魔力鋼で構成されたゴーレムたちは崩れない。盾を構えたままナイトドラゴンどもを目がけて突進する。
敵は翼を広げて上空へと退こうとしたが、
「見た目よりも、けっこう素早いんだからねッ! 盾で、ガンガン攻撃しちゃって!」
敵が逃れるよりも早くゴーレムは間合いに入り、渾身の力で盾を叩きつけた。
「ギャッ!」
「雪人さん!」
そして、ゴーレムたちの陰から雪人が飛び出す。
「任せて、フラン。重要なのは、短時間でどれだけの敵を倒せるか……だからね」
ゴーレムたちに気を取られていた敵は距離を置いて体勢を整えようとしたが、そのときにはすでに、雪人の放った糸は戦場に張り巡らされている。
その糸に触れたナイトドラゴンどもの肉体は、まるで紙のように斬り裂かれた。片翼を裂かれたナイトドラゴンは無様に地に伏して、もがき苦しむ。
「ウオオッ!」
敵は再び炎の吐息を発したが、その挙動を察した雪人は大きく横に跳んだ。結界がそれを弾き直撃を避けたにもかかわらず、灼熱の炎は雪人の身体を焼く。
雪人は顔をしかめながらも、糸を再び放って敵を絡め取る。
「狙いがつけやすくて、助かるねぇ」
アンナ・ラークリーズ(清光のフィエリテ・g09972)は、後方から狙いを定めていた。その魔力が膨れあがることを掴んだナイトドラゴンどもが狙いをつけるが、アンナの【高速詠唱】が終わる方が早い。
放たれた薔薇の弾丸は糸に絡め取られたナイトドラゴンに、狙い違うことなく命中した。
「この程度で……!」
糸を引きちぎり、弾丸を浴びたナイトドラゴンはアンナに迫ろうとした。
が。敵の体内に残った弾丸は急激に生長し、棘を持った蔓を体内で伸ばしていく。蔓は固く分厚いドラゴンの鱗を貫いて体外へと飛び出し、蕾をつけて大輪の薔薇を咲かせた。
アンナは仲間たちの攻撃によって負傷した敵を狙い、着実に傷を負わせていく。
すでに両手でも数え切れない敵が地に斃れていたが、ドラゴンどもはなおもディアボロスたちに襲いかかってくる。
それもすべて、魔法陣を守るためである。その魔法陣は、さきほどよりもわずかに輝きを増したように見えた。
「うわ、すっごい魔法を準備してるみたい!」
ゴーレムたちは整列して盾を並べ、敵の炎を防いでいる。その隙間から顔をのぞかせたフランが、顔をしかめた。
「あれを放たれたら、大変なことになっちゃうよね……」
「大規模儀式魔術による、『新宿島』への直接攻撃か……また、厄介なものを用意したものだね」
雪人も、半ば呆れ気味に光芒を放つ魔法陣を見やった。
「だが、そんなもの。絶対に放たせてなるものか」
『新宿島』の皆を、大切な仲間を守るために、雪人は己に出来ることを成し遂げようと、襲い来るナイトドラゴンの爪を白銀の刀で受け止め、その衝撃を殺すために跳び下がった。
「うん。必ず食い止めてみせるからね!」
フランのゴーレムたちはナイトドラゴンどもの巨体をものともせず、押し合いへし合いを続けている。そこに雪人の糸が襲いかかった。
「あれだけ多くの将を失っても、敵の本拠地を壊滅させる力が、まだ残っていたとは……」
つくづく、ドラゴンどもは恐ろしい。
古い歌と秘伝の魔術を受け継ぎながらも、その郷里を支配されてきたアンナがかぶりを振る。しかし、ふと思い至ることもある。
「いや……私たちが故地の奪還に強い意思を持つのと同じく、ドラゴン勢力は、今まで君臨し支配してきた意地と誇りをもって、戦況を覆そうとしているのだろう」
これはもはや善悪ではない。生存をかけた、双方のぶつかり合いである。
小さく息を吐き、アンナはほのかに微笑む。
「ここまで来たからには、お互い総力を挙げた決戦で決着をつけるのみ。
……後戻りは出来ないね」
狙いを定めた弾丸が、ナイトドラゴンの頭蓋を貫いた。
雷光で形成された刀身が振るわれると、ナイトドラゴンどもの前肢が宙を舞い、発した炎が傷口を焼いた。
しかし敵は前肢を斬り落とされながらも尾を突き込み、咄嗟に身をひねった裕樹の脇腹を裂く。
「く……」
栄光ある戦いは、ディアボロスたちの肉体に癒やしをもたらす。しかしそれにも限度がある。
「裕樹!」
割って入った雪人が糸を放ち、敵の首を飛ばした。死ぬ間際に放たれた炎の吐息が傷口から飛び散り、辺りに炎熱をまき散らす。
「そろそろ、潮時かな」
顔をしかめつつ、雪人は空を見上げた。まったくどれほどの数がいるのか、敵は次々と押し寄せてくる。
「わぁ、空が見えないよ」
フランはあんぐりと口を開けた。多少大げさではあるが、そうとも言いたくなる敵の数であった。
「あの増援が来る前に、撤収しよう!」
「そうね。戦ってるうちにユーウェインが出てくるかもだけど……」
敵の尻尾を偃月刀で弾いたリアが跳び下がると、代わって飛び出た炎の竜が襲いかかる。
チラリと、リアは空を見上げた。
「無理は禁物。今、ここで戦うときじゃないからね」
「そうじゃの。裕樹よ、傷はどうじゃ?」
手を伸ばすマユラも、散々に浴びた返り血の中に、少なからぬ自らの血が混じっている。
「大丈夫です」
「まだ動けるなら、今回はそれでよいのじゃ」
そう言ってマユラは目を細めた。
「はい。……決戦の時には、この刃を必ず敵将へと届かせましょう」
裕樹は空を見上げ、口元を引き結んだ。
「そうだね。本戦は後に預けるとするよ」
薔薇の弾丸を浴びせた敵が、アンナに覆い被さるように倒れてくる。
「恐るべき敵将に至るための手はずは、十分に整えただろうからね」
跳び下がって逃れたアンナは、その骸から流れる血に靴を汚されながらも、
「必ずアンタを討ち取ってみせる、獅子竜」
と、彼方の、今は姿さえかすかにしか見えない敵将を睨みつけた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【温熱適応】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
【植物活性】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
【セルフクラフト】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV3が発生!
【グロリアス】LV1が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!