【幻想竜域キングアーサー奪還戦】王妃を護る悪魔

 このシナリオは【幻想竜域キングアーサー奪還戦】に関連する特別シナリオです。
 幻想竜域キングアーサーのジェネラル級及び、従属状態である『TOKYOエゼキエル戦争の大天使とアークデーモン』と『巨獣大陸ゴンドワナの巨獣』、戦争に利用されようとしている『黄金海賊船エルドラードのアビスローバー』の軍勢に対して、戦闘を仕掛けます。
 この戦闘によって、敵の戦力を削ることが出来ます。
 勝利したシナリオ数に応じて、対応する戦場の敵の数が減少し、戦いを有利に進めることが出来るようになります。

 このシナリオの攻撃対象は、王妃竜グィネヴィアに与したジェネラル級アークデーモンの一体『深淵求師フォルカス』の軍勢です。
 『深淵求師フォルカス』は、ドラゴンの力こそが、ディアボロスと戦う最大の武器になると信じ、ディアボロスへの復讐を完遂する為、自らの命をかけて、王妃竜を護る覚悟を決めているようです。

「成功したシナリオ数×5%」だけ、「⑲深淵求師フォルカス」の敵残存率を低下させます。

【幻想竜域キングアーサー奪還戦】利己的な覚悟(作者 Oh-No
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「メフィストフェレスとベリアルは、どうやら逃走を決めたようですね」
 深淵求師フォルカスが独りごちた。
「彼らは、それで良い。幻想竜域キングアーサーの命運など、私達には関係ありません」
 ここは巨獣大陸ゴンドワナにある、新都ネオキャメロット。
「我らの目的は、ディアボロスを滅ぼし、TOKYOエゼキエル戦争を奪還する事なのですから……」
 フォルカスは、思考を言葉にして淡々と紡いでいる。
「ですが、だからこそ。この私は、この地で王妃竜グィネヴィアを護るために命を賭けましょう。ドラゴンの持つ聖剣の力。あの力こそ、ディアボロスを滅ぼす最大の戦力となるのは間違いありません」
 ドラゴンが持つ力を評価し。
「今回の戦いは、残念ながらドラゴンの負けの公算が高い。ディアボロスならば、断片の王たるアーサー王を討ちとってみせるでしょう」
 されど、その先行きは暗いと読む。
「しかし、アーサー王を討ったとしても王妃竜グィネヴィア様が生き残り、この地を新たな『幻想竜域』としたなら、復讐に燃えるドラゴンが次々と新たな幻想竜域へと漂着して来るでしょう。――ディアボロスへの復讐に燃えるドラゴンの軍勢……我が命を賭けても惜しくはない、最上の武器となるはずです」
 その判断は、あくまで利己的なもの。だが、下した決断は重い。


「いよいよドラゴンどもを追い詰めたってとこだが、アイツらちっとも諦めてねーな」
 開口一番、我孫子・寅吉(人間のバウンサー・g03186)はそう言って不敵に笑った。
「アーサー王の奴、新宿島を真っ二つに出来るようなとんでもない武器を持ってるらしいじゃねえか。おまけにゴンドワナ大陸に王妃竜グィネヴィアを移して、今後に備える慎重さもある。めんどくせー相手ってわけだ」
 ほかにも、未知のディヴィジョンである『空想科学コーサノストラ』と密約を結んでいるともされている。
「だが、お前らにとっちゃ何も問題はないよな。どんな厳しい戦いになったとしてもよ、必ず勝つって信じてるぜ」
 寅吉が、また笑う。
「ま、そのためにも準備はしっかりしとかねえとな。つうわけで、王妃竜グィネヴィアを護るアークデーモン、深淵求師フォルカスが率いる戦力を削ってきてくれねえか。TOKYOエゼキエル戦争から逃げ出した奴らが何を企んでるのかは知らねえが、削っとけばそれだけ戦争でブッ飛ばしやすくなるからな」

 相手となるのはトループス級である『魔導公爵近衛兵』だ。戦争に備える彼らに対し、攻撃を仕掛けることになる。
「言うまでもねえが、敵は戦争に備えている大軍勢だ。とても壊滅できる規模じゃねえ。気持ちよく暴れた後は、いいところで引いてくれ」
 ここで寅吉は真顔になった。
「今までの奪還戦とは違ってよ、今回はこっちがひでえダメージを受けるかもしれねえ。そうならない為にも、事前にどれだけ敵戦力を削れるかが大事だ。――よろしく頼むぜ」


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【スーパーGPS】
1
周囲のディアボロスが見るあらゆる「地図」に、現在位置を表示する機能が追加される。効果LVが高ければ高い程、より詳細な位置を特定できる。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。
【防衛ライン】
1
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。

効果2

【命中アップ】LV2 / 【反撃アップ】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

Oh-No
 こんにちは、Oh-Noです。
 このシナリオでは『魔導公爵近衛兵』を相手にすることになります。
 戦場はとくに遮るものがなく、見晴らしの良い平原です。

 それでは、よろしくお願いいたします。
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


レイラ・イグラーナ
吸血ロマノフ王朝でも彼らの在り様は見てきました。
皇帝を唆し、そのディヴィジョンの勝利ではなく、私たち復讐者を討つことに力を入れる者たち……ディヴィジョン側も彼らの力を利用している節がありますから、お互いさまと言えばそうですが。
私たちとしては、それを放置はできません。
来たる戦いで新たな幻想竜域を阻止し、私たちへの復讐のために在り、新宿島を狙う者を討ち果たすため。まずはこの戦場です。

銀の針を手に戦闘を行います。
遮蔽のない平原。あの数に一度に投槍をされるのは脅威ですね。
【手製奉仕・彗】を使用し、ダッシュで敵の組んだ隊列まで一息に接近。
隊列の内部に入り込み、隊列を乱しながら、すれ違いざまに銀の針で攻撃を仕掛けます。
その後も隊列を組み直されないよう、動き回り槍の投擲から致命傷を受けないよう回避しながら攻撃を仕掛けます。

陣形を組む敵をある程度倒したら増援が来る前に後退します。
本戦はまだ先……今は無理をすべき時ではございません。


プターハ・カデューシアス
アドリブ・連携歓迎

キングアーサー奪還戦ももうすぐ
彼らや、取り巻くアークデーモン勢も何か画策しているようですが
今できることを致しましょう

現地に向う電車内で味方とある程度の打ち合わせ
予兆された敵の居場所まではできるだけ忍び接近、冷静状況観察し
敵の状況を把握した上で可能であれば奇襲を掛けられると良いですね

同戦場の仲間とは可能な限り連携
今回の敵は団体戦がお得意なようでならば、その連携を崩していきましょう
【桜散春風】で攻撃し桜花で視界を残存効果「通信障害」で敵の通信を遮断

相手もパラドクスですし、小隊中の効果は低いかも知れませんが
少なくとも小隊同士の通信妨害や混乱は誘えるはずです
「グロリアス」の効果で可能な限り継続的に戦闘

十分な痛手を与えたら撤収
あくまで今回の作戦は前哨戦、素早く撤退しましょう


 自らの版図を失ってなお、アークデーモンが各地で蠢動していることなど、ディアボロスには今さらのことだ。
「吸血ロマノフ王朝でも、彼らの在り様は見てきました。皇帝を唆し、そのディヴィジョンの勝利よりも、私たち復讐者を討つことに力を入れる者たち……。ディヴィジョン側も彼らの力を利用している節がありますから、お互い様ではあるのでしょうが」
 レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)は、軸足を置いて活動するディヴィジョンで見聞きしたアークデーモンの行動に思いを巡らせた。
 この巨獣大陸ゴンドワナにおいても、アークデーモンによるドラゴンへの助力が、単純に純粋なものとは考えづらいが故に。
「私たちディアボロスは、アークデーモンの策謀を放置できません」
「ドラゴンや、彼らを取り巻くアークデーモン勢が何やら画策していることは間違いないでしょう」
 言い切るレイラに、プターハ・カデューシアス(招福龍・g03560)が同意を示す。
「一方で、キングアーサー奪還戦の幕は間もなく上がります。今できることを致しましょう」
「ええ。来たる戦いで新たな幻想竜域の誕生を阻止し、私たちへの復讐を第一義として新宿島を狙う者を討ち果たすため。まずは、この戦場です」
 目前に迫った奪還戦にて、巨獣大陸ゴンドワナにて待ち構える敵の最奥まで攻め入り、制圧することが出来れば、企みのすべてを叩き壊すことが出来るだろう。
 この地にいるアークデーモンの戦力を削っておいたなら、その未来は確実に近付く。それがプターハとレイラ、2人の共通理解だった。

 慎重に平原を進んだプターハたちは、簡易的な陣を構えて佇む、魔導公爵近衛兵の一隊を発見した。
 可能ならば奇襲を仕掛けたいところだが……、これ以上近付けば、敵もこちらの存在に気付くだろう。
 だが、ようは一度に相手取る敵を限定できれば、それでいいのだ。
(「完全な奇襲にはならずとも……連絡を取る暇は与えませんよ」)
 プターハは見つかることを承知でさらに前進し、パラドクスを放った。
「桜散りて恵み与えよ」
 伸ばした手で示す敵陣に向かって、季節外れの暖かな風が吹いた。風は何処から散ったとも知れぬ桜の花びらを乗せて吹き荒れ、桜吹雪で敵陣を覆いつくす。
 これで近衛兵たちが、すぐに援軍を通信で呼ぼうとしても、その媒体が何であれ桜吹雪に吸収散乱されて届くことはないだろう。あとは稼いだ時間の間に、どれだけ殲滅できるかだが――。
 プターハからの攻撃を受けて、魔導公爵近衛兵たちも動き出した。多数が協調して動くさまからは、兵として十分に訓練された練度が窺えた。
(「遮蔽物のない平原で、一斉に投槍を受けたなら脅威ですね。ならば、いっそ――」)
 レイラは幾本もの銀の針を懐から抜き出して、一直線に敵陣を目指して加速する。
 彼我の人数差なら、あえて敵の隊列に踏み込んで活路を求める。それが、レイラの決断だった。向かう先で槍を構える近衛兵たちは、一糸乱れぬ動きで動きで槍を投げ放ったが、あまりの加速に目測を見誤ったか、槍は平原を走るレイラの後方の大地に突き刺さっていく。
 レイラはさらに加速して、槍を構える近衛兵の間際で宙に飛び上がった。兵の頭上スレスレを越えて最前列の裏を取り、左右に立つ兵が振り向く暇も与えずに、逆手に握った銀の針を鎧の間隙から撃ち込む。
 次の瞬間には、レイラはすでにその場所にはいなかった。一時も同じ位置には留まらず、兵たちの身体そのものを盾にして、容易には集中攻撃されぬように振舞いながら、隙をついて攻撃に転じる。
 一瞬の油断も許されぬ状況下で、レイラはただひたすらに舞い続けた。

 敵陣に踏み込んで技を振るうレイラに対し、プターハは外側からレイラの周囲に桜吹雪を巻き起こすことで援護するとともに、敵兵の数を着実に削っていた。
 しかし、プターハ自身もまた敵からの攻撃目標になっていることに違いはない。鬨の声を上げて突撃してくる敵を捌きつつの戦闘だ。加えて直接の通信を遮断しているとはいえ、周囲の別部隊による増援も遠からず来るだろう。
(「あくまで今回の作戦は前哨戦。そろそろ頃合いでしょうか」)
 プターハは撤退の時機だと判断して、桜吹雪をレイラの周囲ではなく、レイラが敵陣を抜け出す際にもっとも敵が薄い地点を狙って発動させた。
 レイラの側も撤退の時期を窺っていたのは同じだ。プターハの意図を察し、即座に桜吹雪の中に身を躍らせて、敵陣を駆け抜けた。
(「本戦はまだ先……今は無理をすべき時ではございません」)
 すれ違った近衛兵への置き土産に銀の針を無数に残して、その場を後にする。
 プターハ自身も、この時にはすでに戦場から遠ざかり始めていた。

 ――結果だけを見れば、アークデーモンの部隊がディアボロスの攻撃を跳ね返したとも言えるだろう。だが、そのために彼らが費やしたリソースは、あまりにも不釣り合いだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【スーパーGPS】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!

桜之宮・春風
エゼキエルは無くなったっていうのにアークデーモンも元気ですねー
でもでもおかしいですね?
エゼキエル奪還のためだなんて、まるで東京が自分たちのものみたいに

諦めの悪い侵略者にはもっかいドカーンと力の差を分からせてあげないとですかね
もちろん、ドラゴンも一緒ですよ☆

とゆーわけで今回は真正面から削ってきましょーか
見晴らしのいいとこじゃ奇襲も何もないですし
撤退するにも変に乱戦に持ち込まない方が楽ですからね

向こうは投げ槍してくるみたいですし
直ぐ離脱しやすいようにちょっと距離をとりつつ大鎌を投げていきますよ

コツは前の方にいる敵の首を狙うことです
そうすれば後ろの方は血で多少は視界が遮られますからねー
ついでに私に意識を向けてくれれば鎌威断ちも使いやすいし
味方への援護にもなるからすっごくお得なんですよ☆

さてさて、新宿島が真っ二つだなんて冗談でも笑えないですからね
奪還したいのもですけど、もう奪われるのも懲り懲りなんでー
完全勝利のためにちょっと張り切っちゃいまーす


鳴神・雷羅
※アドリブ、連携歓迎

せっかくあたいらの故郷……TOKYOエゼキエル戦争をいけ好かない大天使や悪魔の連中から取り戻したんだ。
ここまで来て奪い返されてたまるかよ。

騎士さんたちよぉ、あんたらも災難だったな。
仕えた相手のフォルカスは、あんたらを捨て駒にする気満々だ。
ま、どうせ目の前の敵を倒せればそんなことは関係ないんだろうが。
これも戦争。容赦なくやらせてもらうぜ!

あんたらと同様、あたいにも「頼れる仲間」がいるんだよ。
いくぜ!特攻戦女『罵流鬼利威』!
敵の向こうを張って大声で雄たけびを上げ突撃だ!

隊列が入れ替わろうが関係ねえ。
目の前に立ちはだかる敵を鉄の騎馬(大型バイク)で引き潰し、
破壊の力を込めて全力で強打!
弱っている個体から狙い撃ちし、頭数を減らしつつ同じ隊列の敵を巻き込んでなぎ払い削っていくぜ。

ある程度数を減らしたら深追いはせず【防衛ライン】を敷いて撤退だ!
フォルカスよぉ、テメェが何度悪あがきしようが、あたいらはテメェらを決して許さねえ。
次は戦場で叩き潰してやるぜ!


 単純に言ってしまえば、気に食わないのだ。
「エゼキエルはなくなったっていうのに、アークデーモンも元気ですねー。でもでも、おかしいですね? エゼキエル奪還のためだなんて、まるで東京が自分たちのものだって言ってるみたい」
「せっかくあたいらの故郷――TOKYOエゼキエル戦争の舞台にされちまった街を、いけ好かない大天使や悪魔の連中から取り戻したんだ。今さら奴らに奪い返されてたまるかよ」
 桜之宮・春風(明日も春の風が吹く・g00839)が呆れた様子で肩をすくめ、鳴神・雷羅(獄道デスペラード・g02984)は眦を吊り上げて気炎を吐く。せっかく取り戻した故郷を、アークデーモンが再び奪おうと企んでいるなどと考えるだけで憤りが止まらない。
 彼らが未だにそんな夢想を抱いていることにも。きっと、禄でもない策を巡らせているだろうことにも。
「諦めの悪い侵略者には、もっかいドカーンと力の差をわからせてあげないとですかね。もちろん、ドラゴンも一緒ですよ☆」
 春風は軽い調子で、それが何でもないことのように言う。
「おう、ブッコミに行くぞ!」
 雷羅は怒気を孕ませて、高らかに吠える。
 両極端な雰囲気の2人だったが、期せずして考えていることは全く同じだった。
 ――これから一緒に殴りに行こうか。

 そして春風と雷羅は、待ち受ける魔導公爵近衛兵の一団が策を疑うほどに堂々と、自らの姿を曝したのである。
「一番槍は貰うぜ?」
「いいですよー、やっちゃってください☆」
 春風に一言告げて、雷羅が一歩前に出る。
「騎士さんたちよぉ、あんたらも災難だったな。フォルカスは、あんたらを捨て駒にする気満々だぜ」
 そこで雷羅は、今から仕掛けようという近衛兵に対して語りかけた。
 別に反応を期待していたわけではない。おそらく何の反応もないだろうと思えたし、実際にも双方が手を出さない中で、妙な静けさが続くばかりだ。
「ま、どうせ命令に黙々と従ってるだけなんだろうが。これも戦争、容赦なくやらせてもらうぜ!」
 言いたいことがあるから言う。ただ、それだけ。
 そうやって気分を高め気合を乗せて、最高の一撃をぶち込むだけだ。
「あんたらと同様、あたいにも『頼れる仲間』がいるんだよ。いくぜ! 特攻戦女『罵流鬼利威』!」
 雷羅の叫びに応じ、かつての東京で共に走ったレディースの仲間たちの幻影が雷羅の周囲を埋め尽くす。そして自らもバイクにまたがってスロットルを全開にし、いつかの暴走をなぞるように、仲間たちと共に走りだした。
「爆走すること嵐の如く! 轟音響くは雷鳴の如く! 殲滅すること鬼神の如し! カチコミだゴルァ!!」
 エンジンが奏でる爆音と、爆音に負けないほど雄たけびを響かせて向かう先は当然、陣を張って迎え受ける近衛兵たちの部隊だ。決してスロットルを緩めることなく、命知らずの走りで駆け抜ける。
 相手が如何に隊列を組んで待ち構えていようともお構いなしだ。
「小細工じゃ、あたいたちは止められねえよ!」
 持ち上げた前輪で引き潰し、すれ違いざまに釘バットを叩き込み、雷羅は嵐となって戦場を駆け抜けた。

 雷羅の爆走で、砂塵が巻き上がっていた。
 その砂塵が薄くなるにしたがって、中から春風が姿を現した。春風が無造作に担いだ大鎌の、凶悪な刃がギラリと光る。
 爆走の喧騒に紛れて、近衛兵に対する距離を詰めていたのだ。
「次は私の番ですねー。とゆーわけで、投げ合いっこ、しましょーか」
 言うが早いか、春風は大きく身体を捻って大鎌を投げ放った。くるくる、くるくると回る大鎌が近衛兵の首を落とさんと、弧を描いて飛んでいく。
(「ちょっとばかり、狙い方にコツがあるんですよね」)
 春風曰く、手前にいる敵の首を狙うことが肝らしい。そうすれば、吹き上がる血が後ろにいる敵の視界を遮ることが出来るというのだ。
 そう、いま眼前で不幸にも首を刈られた兵が、血を撒き散らしたように。
「派手さじゃ負けちゃいますけど、こっちも怖さなら中々のものですよね☆ ほらほら、首が落ちたらもう怖がれないんですし、怖がるなら今のうちがお得ですよ☆」
 そして戻ってきた血染めの大鎌をキャッチした春風は、滴る血を見せつけながら、いささか過剰なくらいに敵を煽っていく。これで近衛兵たちが自分に意識を向けてくれるなら御の字だ。それが、自分を危険に晒す行為だとしても。
 それだけ春風は、この奪還戦の成功に入れ込んでいるのだ。
(「さてさて、新宿島が真っ二つだなんて冗談でも笑えないですからね。幻想竜域キングアーサーを奪還したいのもありますけど、もう奪われるのも懲り懲りなんでー」)
 再び東京を奪われるなんて結末に続く道は、必ずや断ち切らなくてはならない。
(「完全勝利のために、ちょっと張り切っちゃいまーす」)
 春風の負けず嫌いな面が、顔をのぞかせていた。

 とはいえ春風はリスクを冒す分、離脱のしやすさを考慮した立ち回りをしていたし、雷羅も戦い方こそ荒々しかったが、深追いをするつもりはなかった。
「おう、フォルカスに言っとけ! テメェが何度悪あがきしようが、あたいらはテメェらを決して許さねえ。次は戦場で叩き潰してやるぜ! 首を洗って待ってろよ、ってな!」
 短時間の間に敵陣の中を散々に暴れまわり、早々に撤退を決めた雷羅が、最後に大音声で捨て台詞を並べ立てて、戦場を後にする。
 春風も雷羅に合わせて、いつの間にか姿を消していた。

 こうして前哨戦は終わりを告げる。
 あとは奪還戦の本戦に挑むばかりだが――、この前哨戦で得た戦果は必ずやディアボロスを利するだろう。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV2が発生!

最終結果:成功

完成日2023年12月16日