【幻想竜域キングアーサー奪還戦】王を護る騎士盾
このシナリオは【幻想竜域キングアーサー奪還戦】に関連する特別シナリオです。
幻想竜域キングアーサーのジェネラル級及び、従属状態である『TOKYOエゼキエル戦争の大天使とアークデーモン』と『巨獣大陸ゴンドワナの巨獣』、戦争に利用されようとしている『黄金海賊船エルドラードのアビスローバー』の軍勢に対して、戦闘を仕掛けます。
この戦闘によって、敵の戦力を削ることが出来ます。
勝利したシナリオ数に応じて、対応する戦場の敵の数が減少し、戦いを有利に進めることが出来るようになります。
このシナリオの攻撃対象は、史実で『最も穢れなき完璧なる騎士』と称された円卓の騎士の名を持つジェネラル級ドラゴン『真竜卿・ガラード』の軍勢です。
『真竜卿・ガラード』は、断片の王アーサー・ペンドラゴンを守護するという重要な任務を与えられているようで、配下も精鋭が揃い、王を守り抜く決意に燃えているようです。
「成功したシナリオ数×5%」だけ、「⑦真竜卿・ガラード」の敵残存率を低下させます。
【幻想竜域キングアーサー奪還戦】堅牢なる決意(作者 秋月きり)
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改竄世界史幻想竜域キングアーサー、グレートブリテン島。
断片の王アーサー・ペンドラゴンを護る最終防衛ライン。それがこの真竜卿・ガラードの陣営であった。
空には無数のドラゴンが浮かび、地を竜鱗兵達が固めている。
その一角に、彼女達――トループス級竜鱗兵『竜鱗の魔女』達の姿があった。
「今宵、我らは死兵となります!」
隊長格なのであろう。麗しい一体が仲間達に向かって声を張り上げていた。
「守るべきは我らが断片の王、アーサー・ペンドラゴン! 我らが主、真竜卿・ガラード様は最も穢れなき完璧なる騎士であり、彼の方は王に守護を命じられました。ならば我々は死力を尽くさねばなりません! 死して死して、あの無法な悪魔達を倒さねばなりません! この場所にその覚悟が無き者は居ませんよね?!」
「当然です!」
「是! 是! 是!」
重要な役目を担う主と、それを支えるべく奮闘する兵士達。その構図が齎す力は強い。その使命感が、決意が、興奮が彼女達の士気を高揚させていく。
「行きますわよ!」
遙か彼方から攻め来る敵に向かい、竜鱗の魔女達は吼えていた。
処変わって最終人類史新宿島新宿駅ターミナル。
到着したパラドクストレインの前に歩み出た時先案内人、マリー・アントワネット(人間のサウンドソルジャー・g09894)は静かな口調で、現状を解説する。それは改竄世界史幻想竜域キングアーサーに纏わる『歴史の奪還戦』の話であった。
「幻想竜域キングアーサーのドラゴンは、強大な力を持ち、妖精郷を滅ぼす寸前まで追い込むなど、クロノヴェーダの中でも特別に強力な存在でした」
しかし、そこに復讐者達の介入が無ければ、と言う但し書きが入る。
復讐者達の活躍によって、多くの円卓の騎士が討ち取られ、竜域ダンジョンを失い、妖精郷からは撤退。今年の夏に行われた《七曜の戦》の結果、アイルランドとグレートブリテン島の南半分を失っている。
そして、絶対不可侵とされたキャメロット城が復讐者達の奇襲攻撃によって陥落した今こそ、断片の王アーサー・ペンドラゴンを討ち取る絶好の機会と言えるだろう。
「ですが、ここまで追い詰められても、アーサー王は勝利を諦めていません」
王とは諦めの悪い物。それが断片の王であれば尚更。
妙に説得力のある台詞を口にしたマリーは、更に現状を語り始める。
アーサー王は奪還戦の為に現れる『新宿島』を破壊し、復讐者を撃退するつもりなのだ、と。そして、その準備を整え、待ち構えている。それが現状であった。
「おそらく、TOKYOエゼキエル戦争の大天使からの情報でしょうね。自身の持ちうる全ての情報を精査し、最良の結果になるように動く。……敵ながら天晴れ、と言うべき場面かもしれませんわ」
そして、たとえ自らが敗北したとしても、『幻想竜域』を残すべく、王妃竜グィネヴィアをゴンドワナ大陸に移動させ、且つ、未知の改竄世界史である『空想科学コーサノストラ』とも何らかの密約を結ぶことで、もしも、に備えているようだ。
「未だ、幻想竜域キングアーサーは強敵で、おそらくこの奪還戦は厳しい戦いになるでしょう。それでも、皆様なら」
その力を貸して欲しい。マリーはぺこりと頭を下げ、復讐者達に力を求める。
「……これまでの奪還戦と異なり、今回の戦いでは、『ディアボロス』が致命的な打撃を受ける可能性があります」
今までの戦いでも直接新宿島が狙われることはあったが、此度、アーサー・ペンドラゴンの聖剣エクスカリバーによる攻撃はその比では無い。新宿島が両断され、パラドクストレインが出現する重要拠点『新宿駅』の消失が予測されている。
そうなった場合、どの様な影響が出るかは不明だ。故に、その状況に陥る事だけは避けねば成らないだろう。
「アーサー王撃破には速やかな進軍が必要です。この奪還戦に勝利し、新宿島を守り抜くためにも、此度の前哨戦で出来る限り、多くの敵戦力を削って下さい」
皆様にならそれが出来る筈です。
信頼を目に宿し、マリーは復讐者達を送り出すのであった。
リプレイ
フィリス・ローラシア
※アドリブ、連携ok
最終防衛ライン、という訳ですね。ですがアーサー王の切り札を切らせる訳にはいきませんし、それ以前に勝利のために必要な道のりです。
確実にここを押し通るため、少しでも防衛網を削っていきます。
一緒に行きますよ、リュカ。
機動力確保のため飛翔しますが低空飛行に留めます。
戦闘ではリュカと力を合わせて攻撃です。
周囲の味方と足並みを揃えつつ魔力を集中して、遠くから『重唱』の術式で砲撃し、敵を薙ぎ払います。
もし接近戦に入っている味方が居た場合、其方を巻き込まぬよう注意ですね。
なるべく孤立した敵か味方と戦闘中の敵を狙いつつ、弱った敵から順番に、そして確実に数を減らし、防衛網に穴を開けていきましょう。
敵の放つブレスに対してはリュカに応戦して貰いつつ、魔力障壁を張って防御です。この程度でリュカは負けません!
その他、孤立する味方が出ないよう注意しながら立ち回り、味方を援護します。
敵将が増援に来るか、此方が攻勢限界になったら、周囲の味方に警告しながら撤退を提案。歩調を合わせて戦場から離脱しますね。
獅子堂・崇
アドリブ連携歓迎
命を捨てる覚悟での戦いか。士気も高く勢いもある。だが、そういった手合とは何度もやりあっているんだ。
今まで戦ってきた相手も命を捨てる覚悟がある奴らばかりだったが、全て倒したうえで俺たちがここにいるんだ。気圧される道理はない。
孤立しないように仲間の位置を確認しながらの戦いに努めよう。狙いは敵の防衛網の一角、その場所のみに集中する。
動き回りながら敵の分散を狙う。こうすれば遠距離から攻撃する仲間も狙いやすくなるだろう。
敵の魔法の矢が高速で飛んできてかわせそうにないなら、念動力を通したバンデージで打ち払う。ただの痛みで俺を止められると思うなよ。
敵の数が増えてきたら大人しく撤退する。無理のしどころは今じゃないからな。
八栄・玄才
気合い十分、イ~イ守りじゃねぇか
断片の王、アーサーの王様のところに行くにゃあ、ここを崩さねぇと行けねぇわけだ
(まあ、コーサノストラのUFOを墜として回り道する手もあるにはあるが)
距離の意味が薄い逆説連鎖戦だが、それでも囲まれるのは上手くねぇ
ここは遠距離攻撃で行こう
え? 拳士に遠距離攻撃があるかって?
侮るなよ、時代の最前線を行く拳術はオールレンジ対応型だぜ
奥義応用『八栄流・界砕き―風薙―』で空気を【破壊】し、真空の爪で敵陣をズタズタに【蹂躙】だ
これはまだ前哨戦、敵陣を"削る"ことを意識し、狙いは仲間とあわせて弱った敵から仕留めていく
敵の鋭い攻撃は雷の籠手・ワードブレイカーで防御し、牽制の掌底や蹴りを放ちつつ、後方へ【ジャンプ】
空を砕くための"間"を取ろう
疲弊してきたら、最後に錬気帯電を解放して空間を【粉砕】するような雷が爆ぜる一撃を放ち撤退
全力ダッシュで戦場からずらかろう
邪竜、聖盾、なんにせよ砕き甲斐のある手応えじゃあねぇか
本戦じゃ一切破砕の拳撃で以って、その堅牢をブッ砕いてやんよ
ニルキャス・トーネード
アドリブ連携歓迎
ドラゴンを信じる人達がそいつらに利用されて、裏切られて潰されて…もういいでしょ。それを繰り返させるぐらいなら、キミ達の言う無法な悪魔で結構。この島を奪い返して、断ち切ってやるんだ
狙うのは少数の敵陣がいいかな?仲間との連携が大事だと思うからパラドクス通信を使って、狙う相手や攻撃を仕掛けるタイミングはみんなと合わせるよ
サンダーストームの突風を敵陣に浴びせて、怯んだところに連続魔法による雷を落とすよ。狙った敵陣全体に損害が行き渡ることを意識して、仲間の各個撃破をサポートするからね
飛んでくる魔法の矢には突風で対処して、直撃を避けるけど当たるときは当たるよね。
ふふっ、あはは…痛い、痛いなぁ。でもこれが奴らに対する意志の表れってことでしょ。嬉しいな、僕はもうドラゴン達の所有物じゃないってことを再確認できる…絶対勝って生き延びるよ
撤退する時は突風を起こして煙に巻いちゃおっかな。
風祭・天
天王山だし、覚悟ガン決まり感ありありじゃん☆
そんな敵にやることはシンプルだよねー☆ もち、全力を以て叩き潰す☆ ってことで…風祭天、参る。
士気の高い軍勢が敵だし、他の人とは連携協力すんよー☆
とりま、近接組としてゴー☆ 他の近接組の人とはそんなに距離を取らず、直ぐに援護に行ける位置取りで戦うねー☆ んで、動き的には遠距離組の人の攻撃から少し遅れる感じに斬り込んで敵陣分断か~ら~の…孤立したり損耗の激しい敵を初式抜刀で攻撃か~ら~の…同じノリの繰り返し☆ 敵陣分断がキまって来たら、殲滅に切り替えて行くよー☆
後、攻撃中に敵の指揮を執っているっぽいトループス級を見つけたら優先度マシマシってか、最優先☆
後はー…撤退のタイミングを間違えないことが重要そ☆ 敵がわからん感じに増えだしたり、やばばな感じの敵が出て来たりしたら、他の皆と足並みを揃えつつも雲を霞とダッシュでリターン☆
ここで戦果を焦ってもしゃーなし☆ 他の戦場との積み重ねで大穴を開けられたらよしゃよしゃだかんね☆
マティアス・シュトローマー
ラト(g00020)と
さすが、断片の王を護る最終防衛ラインだけの事はあるね
敵の士気の高さが他の戦場とは段違いだ
けれどもこの戦いにかける思いの強さなら俺達も負けてないよ
大切な人の故郷を取り戻す為に、“生きて”この前哨戦も奪還戦も戦い抜く
最初から死ぬつもりの君達には負ける気がしないな
仲間と連携してパラドクスを発動。敵陣に飛び込み、密集する敵を足蹴に高く跳躍。さらに【エアライド】で宙を蹴り、衝撃波を伴う一撃をお見舞いするよ
ラト、ナイスアシスト!
狙うのはラトの足止めで動きの鈍くなった個体。特に翼にダメージを与える事でその機動力を低下させ、続く仲間の攻撃が通りやすくなるよう立ち回る
また、一手で複数の敵を巻き込めるようポジション取りも工夫しよう
敵意は上手く隠したつもりだったんだけどなー
反撃の矢は【エアライド】で致命傷を避けつつ、ガードアップの効果で受けるダメージを軽減させる。ラトへの攻撃は全てディフェンス
十分な戦果を上げたら戦略的撤退を
奪還戦では君達の上官――完璧な騎士様にも会いにいくから待っててね
ラト・ラ
マティアス(g00097)と
命すら失くしても厭わない――
その覚悟は立派だけれど
わたしたち復讐者だって生半可な気持ちで立ってはおりません
…いえ、今日という日に――此処に辿り着くまでに、どれだけの決意を重ねたことか
わからないでしょうね
あなたたちと分かり合える日は来ない
だから、――“実際にお見せしましょう”
先制攻撃で飛び出すマティアスと連携
彼の攻撃がより効果的に、複数の敵へと届くように
【月影】を発動し影蛇で敵の足元を捕える
今です…!
マティアスにだけでなく、他の復讐者たちへも連携のため声掛けを
【トラップ生成】による足止めに加え、
きつく締め上げることでそれぞれの個体を攻撃
反撃で食らった傷にはドレインを上手く活用しダメージ軽減を計れたら
…死に至るより前に自我をも失うなんて
ドラゴン・ブラッドを目の当たりにしても
決して怯むことはなく
ドラゴン化した敵の足に、尾に、蛇を絡ませ地に縫い付ける
盤面把握は冷静に
深入りしすぎず戦略的撤退を
わたしたちの“覚悟”は伝わったかしら
……足りないのなら、また後の戦場にて
眼前に広がるのは広い戦場と、其処を覆わんばかりのドラゴン、竜鱗兵達の軍だ。
それらは雄々しき雄叫びを上げ、復讐者達の到来を今か今かと待ち構えている。
ジェネラル級ドラゴン『真竜卿・ガラード』、その旗下。
断片の王アーサー・ペンドラゴンの命を守るべく、己が肉体すら盾とした最終防衛ラインを構築していた。
だが、その最終防衛ラインも正しく言えば一枚の壁では無い。
当然、全てが一枚岩の如く強固な壁となり、防衛の戦線を築くことが理想論だ。だが、理想あくまで理想。現実の兵士達は、個々に存在する意志の元、己が裁量で動いてしまう。それは、よく言えば臨機応変な行動が期待出来る、と言う事だが、悪く言えば行き当たりばったりな行動に繋がる事でもある。
そして、此度、復讐者達に捕捉され、その標的になったのは、そんな小隊であった。
(「命すら失くしても厭わない――。その覚悟は立派だけれど、わたしたちディアボロスだって、生半可な気持ちで立ってはおりません」)
闇を纏ったラト・ラ(*☽・g00020)は、己が掌をトループス級竜鱗兵『竜鱗の魔女』の一体へと突き付ける。そこから伸びたのは蛇影――巨大な蛇の影であった。それは音も無く魔女の一体を捉えると、その顎で喉笛を噛み砕く。牙に見立てたラトの指が閉じられたとき、そこに吹き上がったのは血の噴出と、魔女の悲鳴であった。
「……いえ、今日という日に――此処に辿り着くまでに、どれだけの決意を重ねたことか、わからないでしょうね」
木霊する怒号と戦音。飛び出した仲間と迎撃の呪を紡ぐ魔女を前に、ラトは更なるパラドクスを紡ぐ。
そう。敵は歴史侵略者。一般人や復讐者とは異なる存在だ。彼奴らがラトの心意を知る事は無い。分かり合える日など来る筈も無い。
「だから、――『実際にお見せしましょう』」
その宣言に呼応するように、先駆けと飛び出した一人が魔女へ鋭い蹴りを見舞う。マティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)であった。
魔女の肢体を足蹴に宙へと飛び上がった彼は、【エアライド】の加護を以て更なる跳躍。遙か上空で生み出した鋼鉄の籠手を合掌の如く叩き付けた。
「Leck mich am Arsch! ……なんてね」
軽快な言葉と共に発せられたのは、空を揺るがす嵐――衝撃波だ。それが足蹴にした魔女とその周囲を巻き込み、多大な破壊をまき散らしていく。
だが、魔女達とて蹂躙されるままでは無い。一斉に短杖を構えると、それぞれが呪を詠唱。エネルギーの矢を生み出し、未だ宙にあるマティアスの身体を撃ち抜こうとその尖端を突き付ける。
「今です……!」
刹那、そんな彼女達の一体を襲ったのは再度と投げつけられた蛇影の一撃、ラトのパラドクスだった。派手に吹き飛んだ彼女はしかし、そのままくるりと側転しながら着地。蛇影を光の矢で打ち払うと、キシャーと爬虫類を思わせる視線と唸り声を零す。
「ナイスアシスト!」
地へと降り立ったマティアスは相棒に親指を立てると、その一体に更なるパラドクスを見舞うべく、飛び込んでいった。
「天王山だし、覚悟ガン決まり感ありありじゃん☆ そんな敵にやることはシンプルだよねー☆ もち、全力を以て叩き潰す☆ ってことで……」
駆け巡る仲間と、それを援護する仲間。その渦の中に飛び込んだ彼女の名は風祭・天(逢佛殺佛・g08672)。鞘に収めた己が体躯の約半分の刀を構え、そして、短い宣言を口にした。
「風祭天、参る」
放たれたのは正道にして王道。教科書の様に綺麗な抜刀剣であった。
抜刀から残心に移るまでの刹那。刃の通過する最中にあったのは竜鱗の魔女の身体であり、そして、それは彼女の刃を止める程の障壁と成り得なかった。
手に残ったのはストンとした軽い衝撃。次の瞬間、吹き出る熱い血潮は、彼の竜鱗兵の胴が横一文字に断たれた証左であった。
「とりま、こんな感じかな☆」
納刀と同時に零れた微笑は、例えるなら天真爛漫。或いは天衣無縫か。戦場に咲いてでも蠱惑的にすら見える微笑に、しかし、敵としての魔女達は動じない。
「殺せ!」
「ディアボロスの襲撃だ! 悪魔達を殺せ! 焼き尽くせ!」
「――まぁ、もち、そうなるよね!」
反撃の狼煙の如き叫びに対し、再度の抜刀術が紡がれる。そして、其処に重なるのは雷を帯びた突風――サンダーストームのパラドクスであった。
「ドラゴンを信じる人達がそいつらに利用されて、裏切られて潰されて……」
雷を放った少女、ニルキャス・トーネード(流離の風竜術士・g05173)は唸るように言葉を紡ぐ。それは、彼女の抱く想い、そして決意だった。
「もういいでしょ。それを繰り返させるぐらいなら、キミ達の言う無法な悪魔で結構。この島を奪い返して、断ち切ってやるんだ」
再度紡がれる雷撃は、先程の突風比では無かった。
言うならば、それは嵐。吹き荒れる雷嵐は竜鱗の魔女達を吹き飛ばし、或いはその身を焦がしていく。
悲鳴と共に立ち上がるのは、矢衾と化した無数の光だ。一部を風で受け流し、しかし、それが叶わなかった矢群をその身で受け、ニルキャスはぎりりと歯噛みした。
痛い。痛かった。白い肌は抉られ、赤い血が噴き出している。端麗な容姿を包む防具は貫かれ、一部、その白い肌を零れさせていた。
だが、そんな彼女の口から零れたのは悲鳴ではなかった。
「ふふっ、あはは……痛い、痛いなぁ」
言葉とは裏腹にそこに在ったのは喜び。意志の籠もった肺腑からの叫びであった。
嬉しかった。ドラゴンと対峙し、その尖兵である竜鱗兵と対峙しているこの現状が。そこにある戦いも痛痒も、全てが愛おしく、嬉しかった。
「僕はもう、ドラゴン達の所有物じゃ無い」
「その心意気や良し!」
喜びの声を肯定し、超零距離の拳を放つのは、獅子堂・崇(破界拳・g06749)であった。その拳は地を割り、空を割き、空を切る。竜鱗兵の柔な身体など、その前には紙切れも同然だった。真紅のドレスがどれ程の防御を担っているかは判らなかったが、そんなことは崇にとって考えるべき事では無い。撃ち付け、打ち据え、白く細い肢体を吹き飛ばしていく。
「おらおら! これを受けてみろ!」
その様子はまるで重機が瓦礫の山を蹂躙しているかのよう。
それが彼の獅子奮迅を目撃した天とニルキャスが後に語った言葉だ。
魔法の矢を受けても尚、戦場を駆け抜けるその姿は頼もしく、そして――幾分か怖かった。
「ま☆ 多少の犠牲で敵が殲滅できるなら、安い対価ってね☆」
軽口を叩く天もまた、無傷ではいられない。身体能力を向上させ、取り付いた魔女の爪や殴打、噛み付きが彼女の体力を梳っている。ニルキャスや崇同様、零れ出でる血は徐々にだが、その体力を奪っていった。それでも、まだ戦えると、軽快な動きと共に、更なる斬撃を重ねていく。
「……そうだね。僕らはここでこいつらを壊滅させて、そして生き延びる。ドラゴンの好きにはさせない」
拳の嵐、斬撃の嵐に重なり、再び、戦場へと雷と烈風が轟き始めていた。
「リュカ、本気で行きましょう。……私に続いて下さいね……!」
フィリス・ローラシア(夢現の竜使い・g04475)の繰る氷雪は、己がサーヴァント、リュカの息吹と重なり、戦場に吹き荒れる光の嵐と化していた。まして、今のリュカはミニドラゴンと言った体躯ではない。今、彼が具現化している体長は、主であるフィリスを乗せてもあまりある程の巨大さだ。そんな彼が放つ息吹は、普段の数倍の威力をも秘めていた。
「空の実在を身体で捉え――、その真を叩くッ!!」
そこに放たれる斬撃は、無数の真空撃――八栄・玄才(井の中の雷魔・g00563)の拳が発生させた所謂カマイタチ現象であった。それらがフィリスの吹雪を、リュカの光線を、そしてニルキャスの雷嵐をも切り裂き、魔女達の身体をも斬り裂いていく。
「くっ! 拳士が、遠距離だと――?!」
「侮るなよ、時代の最前線を行く拳術はオールレンジ対応型だぜ!」
歯噛みする魔女の一体に、返す言葉は何処か喜劇的で、そして冷笑的であった。
ちなみに近接戦にのみ拳を振るう崇のような例もあるが、衝撃波を振り注がせるマティアスの様な例もある。拳士は遠距離に弱いと言うのは、最早過去の遺物であった。
「いや、俺だって遠近両用の攻撃はあるぞ」
とは崇談。ちなみに共に前衛を務める天にも結界術という切り札があるので、近接のみという訳ではない。
それは兎も角。
竜の爪とかした魔女の殴打をくぐり抜けた玄才は、へっと不敵に笑う。むしろそれは賞賛の笑みだった。
「気合い充分。イ~イ、守りじゃねーか。断片の王、アーサーの王様のとこに行くのには苦労しそうだな!」
ちなみにその台詞の裏で迂回路がある事を思考しているが、其処は表にも出さない。ただ不敵な笑みが挑発の如くその端正な口元に紡がれていた。
「ええ。そうです。勝利の為に必要な道です」
氷雪を放つフィリスもまた、挑発を引き継いで言葉を口にする。
「ですから、あなた方の意志がどれ程堅牢で、どれ程私達を倒したいと考えていても――私達はアーサー王を討つため、ここを押し通らせて頂きますね」
断片の王、アーサー・ペンドラゴンを討つ。それがこの幻想竜域キングアーサーを奪還する為に必要な手段だ。そして何より。
(「アーサー王に、切り札を切らせる訳にはいきません」)
アーサー王の切り札こと、聖剣エクスカリバー。アーサー王と言えばその剣、と言われるくらい有名な逸話を、彼の歴史侵略者は戦略兵器として展開している。エクスカリバーが発動すれば、新宿島が半壊し、新宿駅すら失われてしまう。故に、その攻撃だけは防ぐ必要があった。
「ああ。俺達はこの戦場を制する」
一瞬、視線を相方に移したマティアスは、しかし、全てを吹き飛ばす衝撃波で応戦。魔女達の身体を木の葉の様に舞わせ、そして己が決意を紡いだ。
「大切な人の故郷を取り戻す為に、『生きて』この前哨戦も奪還戦も戦い抜く。最初っから死ぬつもりのキミ達には負ける気がしないな」
それはむしろ、非難だった。
死兵となると奴らは言った。死して死して死力を尽くして戦うと奴らは言った。
それをマティアスは認めない。今、必要な事は生きることだ。生きて、奪還戦を制し、最終人類史に幻想竜域キングアーサーを奪い返すことだ。
それが、ラトと共に抱いた覚悟だ。
安易に死に逃げる彼奴らと重さが違う。強さが違う。何もかもが違う。
「もしもわたし達の覚悟が足りないと言うのならば――それは、後の戦場で」
新たに湧いたラトの蛇影が魔女に牙を剥き、そこに天の抜刀が、ニルキャスの雷が、崇の拳が降り注ぐ。加えて紡がれる氷雪や光線、斬撃と言った有りと有らゆる破壊に、魔女達は為す術も無く梳られていった。
だが、対峙する魔女達もまた、覚悟を決めた者達だ。戦場を制する想いは、復讐者達比ではない。彼女達は彼女達に、この戦場を制する覚悟があった。
「黙れ! ならば、ここで貴様らに死をくれてやるわ!」
「はんっ! 砕き甲斐のある意志じゃねーか。だったら、邪竜、聖盾、そしてお前らの意志! その全てを、一切破砕の拳撃でぶっ壊してやんよ!」
魔女の叫びに、玄才の笑みが重なった。
戦いの時間は数刻、と言った所か。
竜の魔女の小隊は壊滅し、しかし、それらと対峙した復讐者達もまた、相応の損害を受けている。矢を受けきると豪語した崇やニルキャスはもとい、前線を担った天やマティアス、挑発と共に拳を振るった玄才、そして中距離遠距離で魔術を行使したフィリスやラトも例外ではない。魔術の矢は復讐者を抉り、竜の肉体を具現化させた魔女達の爪や牙は、幾多の防御を貫いては復讐者達へ充分な損害をもたらしていた。
「ドラゴンの面目躍如ってとこか」
己の腕に残る歯形に厭そうな視線を送り、玄才がぺっと唾を吐く。幾分か血が混じったそれに、思わず敵の奮闘を重ねてしまった。
「結構倒したつもりだが、まだ湧きそうだなぁ」
崇はウンザリとした表情を浮かべると、周囲を見やる。其処に転がる魔女達の遺骸はしかし、今やポロポロと崩れ、消失して行っている。この世ならざる終わりは、自身等が倒した魔女達の数を正確に伝えてくれず、ただ嘆息のみが零れた。
最初の小隊のみならず、その援護に来た別小隊もまた倒したのだ。この拳が砕いた魔女は十数どころかそれ以上になるだろう。それは崇のみならず、他の面子も同じだった。
「充分に敵は斃した。だったら、撤退しよう」
未だ、戦の音は響き渡っている。おそらく自身等だけでは無く、至る所で仲間と歴史侵略者達の戦いが繰り広げられているのだろう。ならば、この機を逃す理由も無い、とニルキャスは主張する。敵を目の前にしていないからだろうか。意外と冷静な判断であった。
「そうだね。この戦場での俺達の敵はあくまで完璧な騎士様――真竜卿・ガラードだ」
「深入りしすぎず、戦略的撤退を。このまま無茶しても、意味は無いわ」
マティアスとラトの台詞に肚が決まったと、復讐者達は行動を開始する。即ち――戦場を後にすることであった。
「この戦いで防衛網に穴を開けられれば良いのですが……」
「かといって、ここで戦果を焦ってもしゃーなししゃーなし☆ 他の戦場との積み重ねで大穴を開けられたらよしゃよしゃだかんね☆」
去り際に紡がれたフィリスと天の言葉に、復讐者達は是と頷く。
復讐者達の紡いだ前哨戦が、どのような影響に結びつくのか。それが蝶の羽ばたきになるのか、小石の転がりになるのか、それとも戦局を揺り動かす何かになるのか。
神にすら見通せぬだろうその先を知るのは、もう少しだけ、時を必要としていたのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
【水面走行】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV2が発生!
【ダブル】LV3が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!