リプレイ
サティニフィア・ネイバーライト
・淫魔の趣味嗜好、コンテストの方向性を調査する
コンテスト参加するディアボロスを勝ち残りやすくさせるため淫魔について聞き込みをする
カフェに居た男どもに「面白そうな話してんな、お前たちの女神様について教えてくれや」と話しかける
手には賄賂替わりのおかわりビールジョッキ2つ
気さくに気安く話かけて適当に話を合わせたりおだてたり
好きな服装とか普段聖堂に侍らせてる人間たちの好みとか、コンテストで有利になりそうな淫魔の興味を引けそうなものを聞く
・自身のスタンスについて
自分はあくまで情報屋
コンテストで入選出来る自信はないし、戦うにしても役立てる自信もない
情報を集めて他のディアボロスのサポートに徹する
「面白そうな話してんな。ちょっと混ぜてくれよ」
カフェで雑談をする二人の男に声が掛けられる。振り向いた男たちはいつの間にかすぐそばにいた人物を認めて呆気に取られた。そこにはサティニフィア・ネイバーライト(スゴ腕情報屋・g00008)が両手に二つのビールマグを持って立っていた。
サティニフィアは返事を聞く前にマグをテーブルの上に置き、新たな椅子を引いてきて同じ席についてしまう。さらにマグを二人の方へ寄せて笑みを浮かべた。悪魔の翼でデーモンと分かるものの、幼い外見からは予想できない行動に男たちは思わず顔を見合わせる。
「これやるからさ。お前たちの女神様について聞かせてくれよ」
その言葉に軽薄そうな男が口笛を吹き、堅物そうな男が渋い表情を浮かべる。
「まさか賄賂か。世も末だ」
「寄進だ寄進! で、何が聞きたいんだ?」
男の一人がマグを抱きかかえ、機嫌良くサティニフィアへと顔を向ける。態度からして何でもペラペラと答えてくれるだろう。
「助かるよ。それで女神様ってどんな奴なんだ?」
「聖堂に入り浸ってるこの街の支配者様さ。女神っつーのは俺が付けたあだ名だけどな」
軽薄そうな男によると、淫魔は街を支配して早々聖堂を占拠したらしい。そして聖歌隊を捕らえると自分のことを賛美する歌を毎日のように歌わせているとのことだ。男女問わず清楚な容姿の者を選んでは、聖職者や聖歌隊の衣装を着せて侍らせているのだという。
現在は人材発掘と欲求を叶える催しとして賛美歌コンテストを企画しているようだ。
「賛美歌マニアみたいに聞こえるな」
「そんな可愛らしいものではない」
口元を拭いつつ答えたのは押し黙っていたもう一人の男だった。気付けば彼に渡してやったマグの中身が半分になっている。
「彼女は清らかなものを穢すことに悦楽を得るようだ」
聖堂を好き勝手に模様替えし、神聖なパイプオルガンで卑猥な音色を奏で、自らを神に据えた賛美歌を歌わせる。高潔な者や貞淑な者を嬉々として堕落させて傍に置き、興味の無い者は放り捨てた。
そう語った堅物そうな男の後を隣の男が継ぐ。
「敬虔さや清楚さを感じれば、汚しがいがあるって興奮するぜ」
「いい話を聞けた、ありがとよ」
自分の仕事は果たした。手に入れた情報で他のディアボロスを助けることができるだろう。そう判断したサティニフィアはそろそろ頃合いと席を立つ。
去り行く情報屋の小さな背中を二人の男が不思議そうに見送った。
大成功🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
薬師寺・洸
街でコンテストに関する情報を街の人に一杯おごる手で(洸はミルクを飲む)聞き出します。「ボク、楽器も弾けるし、歌も歌えるよ。何とか、コンテストに出させて欲しいな。誰か紹介状とか手配できる人、いない?」
アドリブ、共闘歓迎です。
マリアラーラ・シルヴァ
・後の脱出時のために元神父様に接触する。
「女神様」なんて呼ばれているのなら、パーティはいつも聖堂でしていると思うの。
それなら元神父様とお話しできたら、聖堂の構造とかヒミツの脱出路とかパーティーでの奇襲や脱出時に役立つ情報を教えてもらえるかもだよ!
でも、知らない子からいきなり聖堂の秘密を教えてってしてもあしらわれちゃうと思うから
「女神様に気に入って貰えるかどうかは聖堂の神父様に聞けばいいかなって思ったの」と
【ヒロイックシンフォニー】の幻影英雄にまだ見ぬ敵との模擬戦させて
その様子を即興詩で歌いあげて
こっそり【プラチナチケット】しようと思うの。
できれば元神父様に仲間になってもらえれば心強いのだけど…
街で元神父様を探していたマリアラーラ・シルヴァ(コキュバス・g02935)が有力な手掛かりを得たのはあるカフェで聞き込みをした時だ。ウェイトレスは二人の男が座るテーブルを指し「あの人たちに聞けば分かるよ」と教えてくれた。
早速お話ししようとテーブルに近づいたマリアラーラだが、そこで見知った人がいることに気付いた。背伸びして男たちの後ろから覗き込む。それに気付いた先客と視線がぶつかって、お互いに「あ!」と驚きの声を上げた。二人の男と同席していたのは薬師寺・洸(謎の存在・g00782)だった。
「やあマリアラーラさん。奇遇だね」
「元神父様を探してるの。洸も?」
「ボクはお兄さんたちにコンテストのことを教えてもらうところだよ。お姉さん!」
洸が手を挙げてウェイトレスを呼びミルクを追加注文する。そしてマリアラーラが隣に座れるようにと椅子を引いた。マリアラーラは二人の男に断りを入れてから洸へ礼を言い、嬉しそうに着席した。
「今日はガキ共が次から次に何なんだ?」
軽薄そうな男が怪訝な面持ちでマグをすする。その隣では堅物そうな男が同じように無言でマグを傾けていた。彼らの飲み物は洸が話を聞く前払いに奢ったものだ。
程なくしてマリアラーラの前にミルクが運ばれてくる。彼女がそれを一口飲み人心地つくのを待ってから、軽薄そうな男が口を開いた。
「そんでどこまで話したっけ」
「聖堂で賛美歌のコンテストが開かれるところまでだよ。ボク、楽器も弾けるし歌も歌えるから出たいんだ。どうすれば参加できるかな」
「自由参加だって聞くぜ。聖堂に行って出たいって言や一発さ。坊主なら変なことしなけりゃ大丈夫だろ」
男に坊主と呼ばれ洸の笑みがぎこちないものになる。コンテストが基本的に誰でも参加できるというのは喜ばしい情報だが、男性だと間違われるのは喜ばしくない。
ミルクをもう一口舐めていたマリアラーラがまなじりを上げた。
「洸は女の子よ」
「えっ。そりゃ悪ぃ! 男にしちゃ綺麗な顔だとは思ったが」
言いながら男が洸をじろじろと眺めようとし、隣の男に頭を叩かれる。
「馬鹿が済まん。それで、そちらのお嬢さんの用件は。神父がどうのと聞こえたが」
堅物そうな男の言葉にマリアラーラがぴくりと反応する。もう自分の話をしてもいいのか確認するように洸へ目配せした。それを受けた洸は、知りたいことは粗方聞き終えたと思い返して頷きを返す。
「マリアね、元神父様にお話を聞きたいの。どうすれば女神様に気に入って貰えるか聖堂の神父様なら知ってるかなって思って。このテーブルの人に言えば分かるってウェイトレスさんが教えてくれたよ」
「ふむ。確かに我々は元神父を知っている。だが何故そんなことを知りたがる?」
問いにマリアラーラは歌で答えた。厭世観の蔓延る街においては異質な雄々しい即興詩。淫蕩なる音色に英雄の歌が抗い、やがて打ち倒し、街を解放する物語。ほんの僅かな時間、朧気な幻影だったが、その場にいる者は確かにその情景を得た。そしてこの歌が何を意味するのかをも薄々と理解していた。
歌い終えたマリアラーラが嫣然として、しかし真剣な眼差しで男たちを見つめる。
「元神父様なら聖堂の隠れられる場所とか、安全に逃げる方法を知ってそうでしょ。それを教えて欲しいの」
「……本気か?」
「うん、本気だよ。ボクたちはそのために来たんだ。だからコンテストで活躍してパーティーに出る必要がある」
洸もまた力強く言い切る。決意と覚悟の込められた言葉に嘘の色は無い。
男たちは難しい顔をしていたが、やがて観念したように息を漏らした。
「聖堂の二階は一階を囲う形でコの字型の回廊になっている。聖堂一階からは見上げでもしなければ気付きにくいだろう。あるいはテーブルの下を覗くこともあるまい」
「パーティーならどうせ賛美歌の時間もあるんだろうが、もしパイプオルガンを演奏すんなら会場に背を向けるよな。歌の最中だし後ろ向いてるし、俺なら何されても反応できねぇ自信があるね」
二人の男の話し振りからは聖堂を熟知していることが窺えた。
「聖堂から外までは一直線で複雑な造りはしてねぇし長くもねぇ。出入りは簡単さ」
「問題は時間の方だ。敷地内には司祭館がある。私の記憶が確かならば、彼女は配下のような者たちを司祭館に置いていた。彼らが聖堂の出入り口を閉鎖するのは容易だろう」
「要するに逃げ道塞がれる前に事を済ませてさっさとおさらばしろってこった」
「我々に言えるのはここまでだ。役立つと良いが」
恐らく彼らが件の元神父なのだろう。洸は直感したがそれを指摘することはせず、マリアラーラも男たちに元神父の行方を訊ねることはなかった。男たちもまた少女たちの素性を問うことはない。
「お話ありがとう。とっても役に立つと思うの」
「聖堂も街もボクたちが取り戻すよ」
一人は可憐に、一人は凛々しく。強い意志で立ち上がった少女たちを男たちは眩しそうに仰いだ。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
教会の敷地内、聖堂ではコンテストの開始が間近に迫っていた。
一般人の参加者たちは皆、受付を終えて聖堂内で待機している。その数はざっと数えて三十名強。年齢も性別もまちまちだ。気合の入ったドレス姿の者もいれば農民らしき者もいる。共通するのは多くが不健康、というよりは不健全そうな雰囲気をまとっていることだ。
服装や容姿が清楚な者はそこそこいるが、聖職者や聖歌隊を連想させるような者はいない。既に淫魔の配下となってしまった正規の聖堂関係者はコンテストに出場せず運営側に回っている。
受付には数名のシスターが就き、リストに参加者の名前を記入したり細かな事務をこなしている。その内の一人、随分と若いシスターが大事なことを忘れていたかのように訊ねた。
「そういえば入賞者は何名の予定なのでしょうか」
「気分次第とのことです」
「気分……え、もう一度お願いします」
「入賞者は全てフルーティア様の気分次第でお決めになるようです。その人数も」
若手のシスターは困惑も露わに先輩を見つめ、次に手元の用紙に目線を落とした。そこにはパーティー準備のため予定されている入賞者数を至急教えて欲しい、ということが書かれている。パーティー準備班からの要請だった。
何と書けばいいか分からず固まってしまった彼女に熟年のシスターは優しく言った。
「全てはフルーティア様の御心のままに」
若手のシスターは悩んだ末、新たな参加希望者が来たことに気付くと、急いで一言一句違わずそのように書いた。用紙を連絡役に渡し、澄まして参加希望者へと向き直る。
「お待たせ致しました。賛美歌コンテストの参加希望でお間違いないでしょうか。では、お名前をお聞かせ願います」
淫魔に支配されてなお、聖堂の門戸は万人に開かれている。いよいよコンテストが始まるのだ。
黒城・廉也
自分の歌でコンテストに参加する。勿論優勝を狙って行動するが夢魔の奉唱の効果【プラチナチケット】で仮に入賞できずとも入賞関係者、もしくは運営の一員を装い表彰の場、拠点へ参加できるような残留効果を残す。また、参加者との交流も忘れずに深めて情報集めを行う。深めた結果身内扱いとして拠点に乗り込む事も視野に。
俺はそういう事をしないで生きてるサキュバスっす。昔の記憶だってほぼないから感性が違うかもしれない。でも…己の快楽のために操りまくって人を争わせるなんてのは少し許せないッスよ。あっちの事情があったとしても俺たちで止めてみせるッス。
というわけで、自前の歌で参加するッスよ!目指すは優勝、頑張るッス!
簡易な受付で行われるのは名前の聞き取りとエントリーナンバーの割り当てくらいのものだ。黒城・廉也(後輩サキュバス・g02175)は受付役のシスターから名前と番号の書かれた紙を受け取ると聖堂内へ歩を進めた。
それぞれにコンテスト前の時間を過ごしている一般人の参加者たちをそっと観察する。
(「さて、誰がいいッスかね」)
あくまで優勝を狙う廉也であるが、入賞できなかった時のため、入賞者の身内枠を確保する必要性を考えていた。入賞者と仲を深めればそのチャンスが生まれるほか、情報も集められる。
ふと、ある女性が廉也の眼に留まった。年頃は自分より少し上で清楚な美人。お仕着せらしい上品な純白の衣装に着慣れない感がある。所作が純朴でコンテスト前の不安と緊張を隠せていない。淫魔の好みと照らし合わせ、入賞するだろうと直感する。
「お姉さん、大丈夫ッスか?」
話し掛けられた女性が肩をびくりと震わせる。しかし廉也の醸し出す後輩気質に安堵したのか、ほっと一息吐くと言葉を返した。
「歌うのは好きだけどちょっと緊張しちゃって」
「俺も歌うの好きで参加したッスよ! お姉さんもそれが理由で?」
彼女曰く自分は使用人で、主人の命令で参加するとのことだった。詳しく聞けば淫魔が主人に対して、今度開くコンテストに彼女を参加させろと使いを寄越して来たらしい。
廉也にはピンと来た。彼女は淫魔に目を付けられていて、コンテストで品定めされるのだ。そして他にもこういった人物がいる可能性が高い。その全員を救うには淫魔を倒すほかない。
「もしパーティーに参加するのが怖いなら、俺も付いて行くッスよ」
「気が早いわ。でもありがとう」
合って間もない男に素直な感謝を告げる女性。そんな人を快楽のまま弄ぼうとする者がいることが廉也には許せそうになかった。
コンテストが始まってしばらく。名前と番号を呼ばれ、廉也が壇上に立った。
「俺の唄、聴いて欲しいッス」
そして廉也は己の唄を歌う。どうか届いてくれと捧げる祈り。快楽のために誰かを操ったり、争うことなど止めてみせるという想いを込めた渾身の唄だ。それは賛美歌でこそないがどこまでも神聖なものだった。
廉也の穢れなき想いが唄となり、聖堂に美しく響き渡った。
心動いた人たちの拍手の中、審査席の淫魔が淫蕩に笑む。
「青くて初心。可愛いわ。あの祈りを私だけに捧げさせたらどんな歌になるのかしら」
廉也を見る瞳は妖しく歪んでいた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【プラチナチケット】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
薬師寺・洸
「下準備」あらかじめ賛美歌の楽譜を手に入れて、覚えておきます。「パイプオルガンは初めてなんだけど、何とかなるよね」あと、服装はタキシードにします。あと、聖堂の内部についてはみんなに伝えておきます。
「コンテストへの参加」自由参加だそうなので、現場で許可をもらいます。
あと、出来れば賛美歌を弾きたいと言うことを伝えます。
「襲撃への対策」賛美歌の演奏中に襲われる事は分かっているので、手鏡を用意して、時々後ろを確認します。襲われたら【クィックドロウ】で振り向きざまにブッ飛ばします。直ぐに演奏は再開します。間に合わなかった時のために、タキシードの背中に鉄板を入れておきます。
アドリブ、共闘歓迎です。
出番を直前に控え薬師寺・洸(謎の存在・g00782)は手鏡で身嗜みを整えていた。これからコンテストに出場し大勢の前に立つのだ。淫魔に気に入られる以前にだらしのない姿を人に見せたくはなかった。
音楽の正装ならこれだろうと、衣装として選んだのはタキシード。胸元の白いポケットチーフが清潔かつ華やかで、オックスフォードシューズは磨き上げられて光り輝いてる。文字通り、頭の先から足の先まで一分の隙もない。
「うん、バッチリだ」
名前と番号を呼ばれた洸は満足して席を立った。
向かうのは聖堂の奥に鎮座するパイプオルガンだ。洸はそれで賛美歌を演奏するつもりだった。要望はあっさりと認められた。曰く、今日一日はいつでも弾けるよう準備がしてあるからぜひ弾いて欲しいとのことだ。
歩みの中でさり気なく聖堂を見回すと、調べた通り二階には回廊があり、パイプオルガンは聖堂全体に背を向ける位置にある。仲間たちに伝えた情報に誤りはなかったようだ。
同時に参加者たちの様子も視界に映るが、何故か洸を見た女性や一部の男性がざわついている。一瞬正体がバレたかと危惧するも、そんな雰囲気ではない。首を捻りつつ少し考え、どうやら謎の美少年と思われているらしいことに気付いた。試しにフッと笑みを浮かべると黄色い溜め息が漏れ聞こえて来る。問題はなさそうだ。
パイプオルガンの下にたどり着き、演奏台に座る。目前にすると視界に収まらない程の威容だ。視線を下ろせば四段の手鍵盤に足鍵盤、パイプへ供給する空気を制御するストップ。数千ものパイプから音を鳴らす複雑で高難度な楽器だ。しかしそれで怯む洸ではない。彼女は高い演奏技能を誇るサウンドソルジャーだ。臆することなく譜面台に持参した賛美歌の楽譜を広げた時、何かに歓迎されたような温かさを感じた。
万が一の襲撃のため、背後を見られるよう演奏台に手鏡を置く。懐に忍ばせたピストルの重みも心強い。安心した洸はとうとう鍵盤に指を触れた。
「実はボク、パイプオルガンは初めてなんだ。よろしくね」
穏やかな微笑みと共に一言告げ、大胆に始めの一音を鳴らすと、パイプオルガンは応えるように咆哮を上げた。そして奏でられたのは力なき者が救いを求める曲ではない。困難があろうとも力強く生き抜くことを誓う勇ましい曲だ。
手鏡に映る聴衆は皆、支配されて以降久しい音色に耳を澄ませている。淫魔もまた興味深そうに洸のパイプオルガンに聴き入っていた。
成功🔵🔵🔴
効果1【アイテムポケット】がLV2になった!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
リゼット・ノア
街の雰囲気や退廃を受け入れている人に嫌悪感を感じますが、これもクロノヴェーダの仕業、事件を解決すればいいようになる、と信じて行動しましょう。
一般参加者に混じって讃美歌のコンテストに参加をします。
淫魔の好みは清楚、敬虔な人間を堕落させること、のようなのでそれに自分なりに合わせる形にします。
服装については「精一杯きれいに身なりを整えた貧乏人」という感じで選びます。
歌うのはごく一般的な讃美歌を、歌の上手下手は考えず、一生懸命歌いきることだけ考えて、歌います…人前で歌を歌うのはちょっと恥ずかしいですが。
終わればに審査員と聴衆へのお礼を忘れずに行いましょう。
とにかく淫魔に目をつけられればいいのですが。
会場に居並ぶ者たちは発表の合間に感想を言い合う。先の農夫は見てくれも悪いし場違いだった、令嬢は下手くそだが肉付きは良かった。そんな下品な批評が聖堂で飛び交った。
リゼット・ノア(Cortège funèbre・g02975)は街の人々が退廃を受け入れていることに嫌悪を感じていた。今も壇上に立つ彼女を見てクスクスと嗤う者がいる。リゼットは淫魔の気を引くため、一見すれば綺麗だが、物の価値を知っていれば貧乏なのだと見抜ける絶妙な服装にしてきた。つまり先ほどの人物は貧乏人が頑張って身なりを整えた、という努力に気付いた上でそれを愚弄しているのだ。
しかし彼らの悪意は本質ではない。リゼットはそう信じていた。現に彼らは時折夢から覚めたような顔をする。そのタイミングは決まってディアボロスの賛美歌で心を揺さぶられた直後だ。だが淫魔の姿を見たり、声を聞くとたちどころに表情が緩み、再び品性のない言葉を放ち始める。
だとすると、やはり淫魔が街の人間の精神に影響を及ぼしているのだ。元凶を排除し事件を解決すれば街の状況は快方へと向かうだろう。
「……リゼットと申します。今日はよろしくお願いします」
淫魔よ、私を見なさい。戦意を胸中に秘め、丁寧に一礼した。
リゼットの選曲は穏当だった。オーストリアの住人なら飽きる程に聞いたであろう極めて一般的な賛美歌。あまりに平凡すぎて埋没するだろうと、彼女以前の参加者は定番でありながら誰一人歌わなかったものだ。曲の入りの段階では呆れや嘲笑が聖堂内を走った。
しかし歌い始めて三十秒もすると空気は変じていた。リゼットの歌は上手とも下手とも言えず、テクニックやアレンジも一切なかった。ただひたすらに一生懸命で真心があった。身なりからして、少女はきっとこの歌しか知らないのだろう、平凡で見るべきものもないが、これはこの子の全身全霊なのだ。そう思わせた。
いつしか聖堂中のリゼットを見る目は優しくなっていた。絶賛や罵倒はなく、無言の応援が一身に向けられている。歌が佳境に入ると唇の動きだけで共に歌詞をなぞらえる者もいた。
「……審査員並びに参加者の皆様、ご清聴ありがとうございました」
精一杯に歌いきったリゼットがカーテシーすると柔らかな拍手が降り注ぐ。歌に夢中だった彼女はそこで、人々が自分を見る目の温かさに気が付いた。
途端にこれだけの人たちの前で歌ったことが思い返され、白い肌にほのかな赤みが差した。
成功🔵🔵🔴
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
「コンテストの優勝者を発表しまーす! 静粛にぃー!」
コンテストの全参加者が発表を終えて十分後、淫魔フルーティアの声が聖堂に響き渡った。
「それでは早速発表します。栄えある第一回賛美歌コンテストの優勝者は……」
上機嫌になった淫魔が翼と尾を揺らしながら『溜め』を作る。こういうのは昔からお約束なのかもしれない。
「……さんです。おめでとう!」
名前を呼ばれ敬虔そうな孤児院の音楽教師が立ち上がる。愁いを帯びた美しい歌声と篤い信仰心、清らかな衣装が評価対象になったのだという。
どうやらディアボロスは優勝を逃してしまったようだが、悔しがるにはまだ早い。一人でも入賞できればそれでいいのだ。
「続いて入賞者を発表します。今回は七名選びました」
読み上げられていく名前に緊張が高まる。これを逃せば無理矢理な手段を取らなければならない。
だが杞憂に終わったようだ。最後の三枠に見事、三名のディアボロスが名を連ねていた。それぞれ全く違う理由で淫魔のお眼鏡に適ったのだろう。
「以上で第一回賛美歌コンテストは終わりです。優勝者と入賞者は今夜のパーティーにぜひいらっしゃい。最初に渡した紙がそのまま招待状になるわ。受付に見せてね」
そこで淫魔は妖しく微笑んだ。
「お友達も好きなだけ呼んでいいわよ。それじゃあまた、この聖堂で」
こうして賛美歌コンテストは終了した。ここからようやく淫魔と対決することができるのだ。
パーティーの招待状は名前と番号が書かれているだけで杜撰もいいところだ。たとえ本人がいなくとも、招待状を持ってさえいれば誰でも偽って潜入できるだろう。無論、淫魔本人に入賞者を騙るのは無謀だが、多忙を極める関係者たちを欺くのは容易い。
枷は外れた。いつ仕掛けるかはディアボロス次第だ。
黒城・廉也
滑り込めたし、これからが本番ッス!
まず入賞のお礼を
「この度入賞、並びにこの場へのご招待をいただき誠にありがとうございました」
…今さら丁寧にしてもコンテストで素がバレてるのは百も承知ッス
お礼は礼儀正しくしないと
淫魔を誉めつつ淫魔の種族の目的(無理なら個人の目的)今後の展望は聞いておきたいッス
自惚れかもッスけどコンテストでかなり視線を感じたんで
気に入られてると信じて聞いてみるッス
こんな機会そうそう無いッスもん
あと立ち位置、視線を演奏で無防備な薬師寺さんを庇う様に調整するッス
今回サキュバスミストを用意
情報組から得た護衛の居る司祭館にまで届けて戦闘時【現の夢】を発動可能に出来れば対象が眠って安心ッス
これからが本番だ、と意気込みを新たに聖堂に入った直後、黒城・廉也(後輩サキュバス・g02175)は声を掛けられた。
「来たのね廉也。私とお話ししましょう?」
甘く蕩けるささやき。
ぎょっとして声へ振り向く。入場者を視認できる位置、入口に近く死角となる席に淫魔フルーティアが座っていた。その瞳は疑いようもなく廉也を射抜いている。
(「待ち伏せ! やっぱバレてたッスか!」)
目を付けられた予感はあったが名指しとは予想外だ。今攻撃されたら一溜まりもない。
驚愕しつつも思考を回転させる廉也だが、その危機感をよそに淫魔は無邪気な笑みを咲かせた。浮かれた足取りで近付いてくる。
「緊張してるの? 何か言ってちょうだい」
淫魔はいやに友好的な様子だ。どうもこの場で攻撃するつもりはないらしい。本当に話したいだけなのか。
「この度入賞、並びにこの場へのご招待をいただき誠にありがとうございました」
いずれにせよ対話できるなら好都合だ。廉也はあくまで入賞者として礼を返した。
「礼儀正しいのね」
淫魔に促され二人で席に着く。給仕役らしい少年が氷水の入ったグラスを二人分用意していた。恐らく罠ではない。出された物を拒むのも失礼だ。喉の渇きを覚えた廉也は感謝を告げてからグラスを手に取った。
「賛美歌ではないけれど祈りを歌っていたわね。欲しいと思った」
淫魔は童女のように氷を口に含んで遊んでいる。がりがりと噛む音がする。
「見られてる気がしたのは自惚れじゃなかったんスね。光栄ッス」
廉也は素早く周囲に視線を巡らせ、仲間を探した。自分が淫魔を引き付けているこの状態なら仲間に危害が及ぶことはない。突っ込んでみる好機だと意を決した。
「でも俺はフルーティアさんのことよく知らないッス。何をするつもりなんスか?」
「私は楽しめればそれでいいの。綺麗なものが好き。気持ちいいことが好き。愛されることが好き。廉也は違うのかしら?」
試すような言葉だ。その答えを廉也はとっくに示している。
「人を操ってまで手に入れたくはないし、それを許したくもないッス」
「それがあなたの祈りだものね。今はそれでいいわ」
尊ぶように頷いた後、氷を砕く音がした。
清らかなものを穢さずにはいられないのがこの淫魔の本質なのだ。ならば少なくとも自分はこの女と相容れない。廉也はそれを再確認した。
「廉也、パーティーを楽しんでね」
淫魔が少年を伴い去って行く。廉也の手に返せないままのグラスが残った。
大成功🔵🔵🔵
効果1【現の夢】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
リゼット・ノア
入賞者として正面からパーティーで話をしに行きます。おそらくこちらの正体はバレていると思いますが。
まずは入賞に選んでいただいたお礼を。
そのうえで質問をします。
①現在、淫魔は自動人形に従属していると聞くが、貴女と自動人形の関係。および自動人形のことをどう思っているか。好きか嫌いか、忠誠を誓っているか反抗の意志があるか、など。
②自動人形は人を処刑しエネルギーを得ているが、人を「生かして」堕落させエネルギーを得る淫魔とは相反する存在に見える。共存できているのか?(これは純粋な疑問)
返答に対価を求められるなら、私で支払えるものでしたら、応えたいと思います。
とはいえ、私は簡単に堕落はしないと思いますが…。
淫魔フルーティアを探してリゼット・ノア(Cortège funèbre・g02975)が歩く。仲間の一人に淫魔の方から接触があったことは聞いている。こちらの正体がバレているなら、こそこそする必要はないだろう。
そう考えたリゼットは談笑する淫魔を見つけると、正面から歩み寄った。接近に気付いた淫魔にぺこりと一礼する。
「……入賞のお礼に参りました」
「リゼットだったわね、精一杯で可愛らしい歌の」
最後に恥ずかしがっていたことが印象にあるのだろう。からかうような眼差しでリゼットを見上げた。そして給仕を呼び椅子と飲み物を持ってくるよう指示を出す。
「……質問があります」
「いいわよ。席を用意させるから少し待ってね」
「自動人形と淫魔はエネルギーの取得方法から相反する存在に見えます。共存できるのですか?」
構うことなく疑問を投じたリゼットに淫魔は呆けた顔を向ける。次いで何かを確かめるように見つめ、最終的に「気付かなかったわ」と呟いた。
不意に淫魔が人気のないテーブルへと移動し始めた。リゼットが後を追うと対面に座るよう求められる。
先に口を開いたのは淫魔だった。
「私たちと自動人形が共存できるのか、ね。逆に聞くけれど共存できないと思うのは何故?」
「……淫魔は人を堕落させエネルギーを得ます。人を死なせたくないのではありませんか」
「ふ、ふふ」
小馬鹿にした含み笑いだ。何が可笑しいと問うリゼットには答えず、淫魔は再び問い返した。
「ヒトは牛のミルクを飲むわよね。でも食べるために殺しもする。ミルクが飲めなくなって困りはしないの?」
「……それは」
困ることはない。何故なら困らないように管理するからだ。乳牛と肉牛という区別もある。
「……貴女個人はどうなのでしょう。自動人形に思うところはないのですか」
「ないわ」
話題をずらし個人的な意見を訊こうとすると、こちらには即答された。もっと詳しくと促せば素直に応えた。
「忠誠も反抗もないわ。私も自動人形も好きにすればいい。それで問題ないもの」
「……もしミルクが飲めなくなったら困るのでは」
「でも今はそうじゃない」
まさに享楽的だ。淫魔にとっての人間は家畜や奴隷のようなものに過ぎないのだと痛感した。本音が別にあったとしても話す気はないのだろう。
いずれにせよ堕落すればその末路は悲惨なものだ。自分は簡単に堕落しないだろうが一般人はそうではない。街の人々の行く末を思いリゼットは瞑目した。
成功🔵🔵🔴
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV3になった!
マリアラーラ・シルヴァ
お友達権で入場し完全視界で人形不在を確認して女神様を説得する
女神様の行動って他の街と違うの
・活力献上役となり人形の殺戮を回避し街支配のみに被害を抑えてる
・聖堂の人達を使った戦力強化しない
・穢すのが好みなのに神父様は放置
この動機って女神様は神父様の事好きなんでしょ
それなら「興味の無い者は放り捨てた」という話も
神父様を危険から遠ざけただけだし
上に挙げた行動も辻褄合うし
でも他の街が解放され総活力献上量が足りないから
根こそぎ献上させようと人形が街に攻めてくるよ
このままだと危ないの
だから先に裏切ろ?
人形の悔しい顔が見れるし皆が助かるの
マリア達が夢を見るに相応しい共闘相手か見せてあげる
共闘アドリブ歓迎
聖堂内外を駆け回る小さな影が一つ。暗がりや隙間に潜む者がいないかを完全視界で調べるのはマリアラーラ・シルヴァ(コキュバス・g02935)だ。
聖堂に自動人形がいないことを確信した彼女は本命の淫魔フルーティアの元へと赴いた。
「ねえ女神様」
不思議な呼ばれ方をした淫魔は声の主を見ると、まずその幼さに驚いた。次に女神様という呼び名を反芻し悦に入り、機嫌良く応じた。
「素敵なニックネームね。あなたが考えたの?」
「神父様がそう呼んでたの。女神様って神父様のことが好きなんでしょ?」
「誰のことかしら」
首を傾げる淫魔にマリアラーラはカフェで出会った二人の元神父のことを伝えた。特徴を話すと合点がいったらしいが、同時に微妙そうな顔をされた。
「破戒僧を堕落させても楽しくないから追い出したのよねぇ」
「自動人形から守ろうとしたんじゃないの?」
「……あら、あなたも敵なのね」
親身な様子が一変し、マリアラーラを見る淫魔の眼が冷たくなる。どうやら自動人形に言及したことで警戒し、こちらの正体を看破したようだ。
「他の街が淫魔から解放されたら、自動人形はエネルギーを根こそぎ奪うために街を襲いに来るかもしれないよ。それでいいの?」
「この街の主は私よ。エネルギーが足りないのなら搾り取るのは私の役目。自動人形は来ないわ」
不快を露わにしていた淫魔の唇が吊り上がる。
「私はこの街で遊んでいるだけ。必要なら殺戮もするわ」
酷薄に放たれた言葉を嘘だと感じたのか、あるいは情報を引き出すためか、尚もマリアラーラは言い募った。
「聖堂に自動人形はいないから聞かれてないよ。ねえ女神様、裏切ろう? それで皆が助かるの」
「自動人形を裏切るですって? なるほど、面白いことを考えるのね」
淫魔は含み笑いを漏らすと、表情から感情を消した。
「私たちは絶対的な力を知っている。言葉だけで何を信じられると言うの? このやり取りだって遊びなの」
内緒話するように人差し指を自身の唇に添え、そっとささやく。
「あなたの提案を楽しそうだと思えないわ。今はお互いのことを深く知らないもの」
マリアラーラは淫魔の答えが直截には肯定も否定もしていないと気付いた。だがそれをこの場で追求してもはぐらかされるだけだろう。
確かなのは淫魔に街を救うつもりがなく、そのためには戦って勝ち取るほかないことだ。
会話を終えた淫魔がパイプオルガンへと向かって行く。パーティーの終わりが近づいていた。
成功🔵🔵🔴
効果1【強運の加護】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
薬師寺・洸
パーティーには参加していた、という事で。
「どうやら、殴らないと言うこと聞いてくれないようだね……」出来れば先手をとりたいです。【ストリートストライク】を使って、女神を撲り倒します。
「自分さえ楽しければあとはどうでもいい、って貴女の考え方、どうにも気に入らないんでね」
一般の人の対応は、【現の夢】でごまかします。
一発撲ったらすぐ他の人のために逃げ道を確保します。
そして逃げます。
アドリブ、共闘歓迎です。
パーティーの様相は時を追うごとに変化した。行儀よく楽しむ賛歌客の元へ決まって淫魔フルーティアが現れ、数分も経つと理性的だった会話が下世話なものに浸食されていく。
「そろそろ宴もたけなわかしら。でもその前に一曲やりましょうか」
淫魔がパーティーを締めくくろうとパイプオルガンへ座る頃には聖堂全体が堕落の気配に侵されていた。
賛美歌の導入部を弾きながら淫魔はほくそ笑む。淫魔の持つ心を操る能力の前ではディアボロスなど大した脅威ではない。退廃の賛美歌を歌い終わる頃には人間たちは完全な虜となる。ディアボロスはそれからゆっくりと陥落させればいい。
その考えが慢心だと分かったのは曲の歌い出しに入った時だった。パイプオルガンの淫靡な音色に乗せられた歌声が賛美歌ではない。致命的な違和感に淫魔は振り返り、その視界に二つの事実が飛び込んだ。
一つは人間たちが一人残らず意識を失いかけていること。もう一つは食卓用のナイフが飛来していることだ。
咄嗟にナイフを弾いた淫魔は、それが尋常の物質でありながらパラドクスの力を有していると感じ取った。
「失礼。言葉だけじゃなく、殴りでもしないと言うことを聞いてくれないようだからね」
靴音を鳴らしながら薬師寺・洸(謎の存在・g00782)が演壇へと上がる。
「悪趣味な歌を聴くつもりはないから皆には眠ってもらったよ」
一般人を半睡半醒にしたものの正体は歌だ。現の夢へと誘う歌は洸によるものだった。
「よくも演奏を、パーティーを、私の愉しみを邪魔してくれたわね」
「その、自分さえ楽しければ後はどうでもいいっていう貴女の考え方、気に入らないよ」
常に余裕の態度を崩さなかった淫魔がとうとう戦闘の構えを見せる。両者の間で高まった緊張は洸が腕を振り上げ、駆け出したことで破られた。
間合いは十歩足らず。拳よりも音の方が早く届く。淫魔が瞬時に出現させたフルートの旋律が洸の精神を破壊せんと襲い掛かる。
直後に淫魔の背後から雷鳴のような轟音が鳴り響いた。出所はパイプオルガンだ。見れば鍵盤の一つをスプーンが強かに叩いている。それは洸が駆け出すと同時に投げた物だった。
洸は最後の一歩をスピンしながら跳ぶ。パラドクスとなった轟音が魔曲の波長を乱し、弱まった音色は背に仕込まれた鉄板が受け止めた。
愕然とする淫魔の頬に洸の拳が振り下ろされ、鈍い破裂音を鳴らした。
大成功🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】がLV2になった!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
黒城・廉也
会場に入った際の残留効果【現の夢】を発動し聖堂、司祭館の人を眠らせ戦いでは巻き込まないように気を配る。
戦闘では『夢魔の微笑』で隙を狙い刃の様に手へ纏わせた武器『チャームスピリット』の一撃を急所に突き刺す。
俺だってそりゃ綺麗なものは好きだし、人に愛されたい。…快楽も必要ないと思ってるだけで種族的にきっと嫌じゃない、むしろ好きなのかもしれない……似てるッスよね。
でも、だからこそ…街を堕落させ、思うがままに振る舞い、人を家畜の如く扱う貴方を…俺は否定する。…さよなら。
アドリブ共闘歓迎ッス
「後はよろしく」
「お任せッス」
淫魔の頬を打った洸が素早く後退する。彼女が逃げ道を確保するため聖堂の扉を開けると、出入り口の受付を担当するシスターたちが船を漕いでいた。聖堂外に歌声の霧を届けたのは黒城・廉也(後輩サキュバス・g02175)だ。さすがに離れの司祭館までカバーする程ではないが、これで聖堂のすぐ近くの人間も半ば眠りに落ちる。関係者は眠りに落ちるまでの出来事を夢だと思い込み、戦闘の様子は朦朧として覚えていられないだろう。
「貴方と俺は似てるッス」
屈辱に燃える淫魔の行く手に廉也が立ち塞がる。淫魔の前進を許して戦線を下げ過ぎると、夢現の人間たちが戦闘に巻き込まれる恐れがあった。
「俺だって綺麗なものは好きだし、人に愛されたい。快楽も必要ないと思ってるだけで、きっと嫌じゃない、むしろ好きなのかもしれない」
廉也は穏やかに語り掛ける。それどころか微笑みさえ浮かべ、緩やかな足取りで歩み寄り始めた。
「誰だってそうよ。苦痛や恐怖より快楽が好きでしょう。ただ私を崇めていればいい」
「ひょっとしたらそれが幸せな場合もあるかもしれない」
淫魔の警戒が僅かに解ける。廉也もまたディアボロス、己の敵であることは彼女にも分かっていた。だが彼女はディアボロスから裏切りを持ち掛けられたことも覚えていた。裏切るつもりなど毛頭ないが、もしこの場でその話が持ち出されるのなら利用できるかもしれない。この男は青く、初心だ。
その打算は「でも」という一言と共に砕かれた。
和らいでいた廉也の瞳が鋭利に細まる。その急変は虚を衝くものだった。歩くペースは一定のまま、気付けば触れ合える距離にいる。そっと差し出された手は握手を求めるかのように見えた。それほど自然な動きで、夢魔の手刀は淫魔の腹部を刺し貫いていた。
「だからこそ。街を堕落させ、思うがままに振る舞い、人を家畜の如く扱う貴方を俺は否定する……さよなら」
正面からの騙し打ち。純真さとは程遠い、甘言を弄して行われたバックスタブ。
淫魔は思い違いを悟った。私人としてはともかく、ディアボロスとしては、廉也は初心などではない。容赦のない復讐者だ。
「ぐぅっ、廉也ぁ!」
憎悪の籠った眼差しが向けられる。淫魔のよろける足音が怒りのリズムを刻み、弾丸となって廉也へ殺到した。至近距離でそれを躱す術はない。
豪雨となった音色の弾丸に廉也は押し流されていった。
成功🔵🔵🔴
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
吉良・雪之丞
あなたが女神様……ですか
しかし、いくら神を名乗っても、やっている事は許すわけにはいきません
●戦闘
初撃から《臥薪嘗胆》を使って相手の力量を確認する
女神と言うには……いえ、女性に失礼な物言いは口に出せませんね
他の招待客に流れ玉が行かぬよう走り回りつつ注意を惹き付け、隙を見て攻撃
他の仲間がピンチの時など声かけ(危ないにら身を呈して助ける)
相手の動きを見切る、または癖を見つけたら、刀を鞘に収め、最後の一刀を狙う
フルートの音で失神しそうになったら脇差しで自傷し気つけに
機を見て飛び込み、斬り捨てながら駆け抜ける
ダメージをくらい威力のあがった≪臥薪嘗胆≫を発動
斬った後、鞘に収めて一言
●他
アドリブ&連携も是非
怒りを代弁する弾雨が廉也を激しく打ち据えている。その余波は後方まで及んでいた。
聖堂は説法や音楽をより効果的なものにするため音の反響を利用する構造となっている。音の性質を持つ弾丸は壁や天井に反射し、夢現に陥った一般人たちへと迫っていた。
動けない彼らを守るために獅子奮迅の働きをしたのは吉良・雪之丞(浪士・g03907)だ。被害を抑えることを念頭に動いていた彼は流れ弾にいち早く適応した。
聖堂中を文字通りに飛び回り、弾丸や粉砕された破片を妖刀で切り払う。刀で防げない時にはその身で盾となり、射撃が一段落する頃には傷だらけの姿になっていた。
一般人を守り抜いた雪之丞は次いで聖堂全体の被害を確認した。激情に任せた攻撃に曝されパーティー会場は見るも無残な様相だ。異邦人である雪之丞から見ても芸術的な価値があると分かる、柱や装飾も酷く損傷していた。
この見境の無い攻撃で犠牲者が出ていたかもしれない。雪之丞は安堵すると同時に身震いした。
(「曲がりなりにも彼女はこの聖堂の城主で、彼ら人間は領民のはずだ」)
壇上では興奮冷めやらぬ淫魔が肩で息をしている。刀を携え、段だら羽織を揺らめかせ、その元へ向かう。
「城と民を軽んじるあなたは、女神と言うにはあまりにも……」
弾劾しかけ、思い直して口を噤む。淫魔とはいえ仮にも女性である相手に無礼な物言いは雪之丞の矜持に反していた。言葉の代わりに妖刀を鞘へと納め、無言のままに構える。
敵を前に武器をしまった雪之丞に淫魔は怪訝な表情となったが、直後戦慄した。
抜刀と同時に斬るという抜き打ちの構え。守るに不向きなその構えは敵の攻撃を読み切る自信があって初めて扱えるものだ。淫魔に剣術の知識は無いが、雪之丞から発せられる決死の気配がそれを理解させていた。
じり、と雪之丞がすり足で間合いを詰める。その僅かな動きに淫魔は反応した。
「甘いわ!」
淫魔が後ろへの跳躍で距離を空けフルートを取り出す。そしてそれを吹くよりも早く、雪之丞が一陣の風となって彼女を通り抜けた。
すり足は動揺した淫魔が後退すると読んでの誘いだった。素早く軸足を引き戻し、二段連続の踏み込みで詰め、斬り抜ける。それが雪之丞の行った刹那の抜き打ちだ。
パイプオルガンが背中合わせに立つ雪之丞と淫魔を見下ろす。静かな空間にチン、という納刀の金属音がやけに大きく響いた。
「御免」
呟く雪之丞の背後で淫魔が壇上から転げ落ちていった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【断末魔動画】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
リゼット・ノア
もしかしたら、淫魔と私たちが共存できる道もあるか、と思いましたが…話してみても、その道はまだ見えませんね。
淫魔も自動人形も好きにすればいい、と言われましたね。
なら、私も思うがままに、堕落を力で排除しましょう。
他のディアボロスの方が仕掛けるのに合わせて、こちらも戦闘開始します。
操れる人形と召喚した妖精を最大限に展開し、【統率】で一糸乱れぬ連携を取らせ、包囲し、戦います。
相手を追い詰めたら、パラドクスによる攻撃でとどめを刺すことを試みます。
フルーティアを倒すことができたなら、妖精の合唱とともに、死を悼む祈りを捧げましょう。
コンテストでは讃美歌を歌いましたけど、本当に得意なのは鎮魂歌なので。
「まだよ」
よろめきながら立ち上がった淫魔がフルートを唇に当て、満身創痍とは思えない蠱惑的な魔曲を奏でた。人間からエネルギーを吸収するつもりなのだ。
雪之丞は淫魔の行動を阻止するため再び刀に手を伸ばし掛け、止めた。一人のディアボロスが淫魔に相対するのを視認したためだ。
「……無駄ですよ」
平静とも冷淡ともつかないリゼット・ノア(Cortège funèbre・g02975)の声。彼女は町娘らしい仕立ての衣装のまま、街を穢した支配者の前に現れた。
淫魔はまどろむ人間たちを指し、薄く嘲笑う。
「眠っていても音は聞こえるのよ」
「……何をしても無駄だと、そう言っているのです」
冷静な声音でリゼットは応じる。あまりにさり気ないその指の動きを、淫魔は遅れて察知した。
向かい合う二人はいつの間にか複数の影に囲まれている。影の正体は死神じみた鎌や花で飾られた槍で武装した人形の集団と、漆黒の妖精だ。
リゼットが見えない糸を手繰るように指を動かせば、人形と妖精が呼応する。無機質な瞳は揃って淫魔へ注がれていた。
「……貴女の言葉に倣い、私も思うがまま、堕落を力で排除しましょう」
視線が絡み合い、淫魔は気付いた。リゼットと人形の瞳は同じものを宿している。純粋な殺意だ。
恐怖に駆られた淫魔が声にならない叫びを上げ、死の舞踏が始まった。
武器を掲げた人形が包囲を狭める。淫魔が逃れようと高速のリズムを奏でるも、黒い妖精の呪詛が曲を遮った。命を刈り取らんと鎌が振るわれ、花を献ずるように槍が突き出される。抗う淫魔は必死にステップを踏み、リゼットは粛々と糸を手繰った。
度重なる攻防で淫魔は遂に限界を迎えた。妖精の叫びに意識が眩んだ隙を逃さず鎌が足首を薙ぐ。体勢が崩れた瞬間、胸へと槍が突き立てられ、心臓を貫いた。
「不、愉快……だわ」
槍を抜かれ支えを失った淫魔が倒れる。リゼットは警戒を解かずに近寄り、淫魔の容態を確かめた。絶命していた。
淫魔の撃破を仲間に伝えると脱出が始まった。出口を確保していた仲間から司祭館が物々しくなってきたという急報が来る。今すぐ逃げなければならない。
「……眠っていても音は聞こえる、でしたか」
去り際にリゼットは妖精に歌わせ始めた。歌わせるのは賛美歌ではなく本当に得意な歌だ。そしてほんの一瞬だけ祈りを捧げ、すぐに駆け出した。
聖堂に残された妖精はただ一人、聴衆のいない鎮魂歌を歌い続ける。やがて残響さえ残さず消えた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【罪縛りの鎖】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】がLV4になった!