リプレイ
ベアトリクス・スコル
【アドリブ連携歓迎】
【心情】
おー、敵はドラゴンでありますか。ガウェインと言えば太陽の騎士!太陽喰らうスコルとしては丸齧りしたいでありますな。その後はきちんと怠惰するのでありますが。
まぁ、まずは太陽を拝む前の露払いでありますな。騎士竜さんは、太陽ではないので遊ばず仕留めましょう。
【戦闘】
【光学迷彩】で敵の死角から攻撃したい。パラドックスはミラージュスラスト。後ろから殺っちゃいましょう!
味方がいれば、味方と連携しながら複数をできるだけ、ソロなら一体を確実に落とさないと!
「ドラゴンいっぱーい!あれ全部敵なんでありますね!?」
「早く!自分の、そして誰かの憂いを断って怠惰に寝そべりたいでありますよ!」
「ドラゴンって意外としぶといであります?よし、喉を狙うでありますよ!」
「おー、ドラゴンいっぱーい! あれ全部敵なんでありますね!?」
ベアトリクス・スコル(太陽に焦がれる金狼・g10386)は透き通る硝子のような瞳で騎士竜の群れを見やる。
多くのドラゴンや竜鱗兵が犇めく戦場。
この地のどこかに、もう一振りの聖剣を携えた円卓の騎士、ガウェインがいるのだという。
「ガウェインと言えば太陽の騎士! 太陽喰らうスコルとしては丸齧りしたいでありますな。その後はきちんと怠惰するのでありますが」
怠惰を自称し、怠けることに心血を注ぐベアトリクスは、このような状況にあっても怠惰という自分へのご褒美を忘れてはいない。
「……まぁ、まずは太陽を拝む前の露払いでありますな」
そして勿論、ここに立つ己が今、何をすべきかも。
甲冑じみた甲殻に覆われた、騎士竜の群れ。
――“太陽”ではない彼らと、遊んでいる暇などない。
残像を纏い、音もなく。ゆらりと尻尾を揺らしながら騎士竜ナイトドラゴンの背後に回り込んだベアトリクスは、容赦なくその首に銀の刃を滑らせた。
「がっ……!?」
「あんまり美味しくなさそうでありますねぇ」
「この……小癪なっ!」
すぐさま雷撃を纏い、騎士竜ナイトドラゴンは反撃に転じる。
飛翔しながら飛び込んでくるその姿は雷光そのもの。
躱し切れず凄まじい衝撃に吹き飛ばされながらも、ベアトリクスはゆらりと立ち上がる。
目指すはこの先に在る、太陽のみ。
その衝動、あるいは本能とも呼ぶべきものだろうか。それがベアトリクスを突き動かしていると言っても過言ではなかった。
「……ドラゴンって意外としぶといであります? でも、次はないでありますよ」
澄んだ瞳が冱えた刃のような鋭さを帯びて煌めき――。
ベアトリクスは残像を伴って、右から、左から、下から、上から――あらゆる方向から騎士竜ナイトドラゴンを追い詰める。
「なっ……」
騎士竜ナイトドラゴンは、その動きが見えているのかいないのか、だが、かの竜が再び雷撃を纏うより先に、ベアトリクスはその背後から刃を閃かせていた。
最初の一体が崩れ落ちると同時、同胞たちが続く気配を感じながら、ベアトリクスは再び刃を構える。
「早く! 自分の、そして誰かの憂いを断って怠惰に寝そべりたいでありますよ!」
――それは、ベアトリクスの心からの想い。
来たる幻想竜域キングアーサー奪還戦。
その戦いの火蓋は、今ここに切って落とされた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
怨間・ポピィ
アドリブ連携◎
●心情
ドラゴンの聖剣に新宿島を両断なんてさせないよ!
敵を両断していいのは復讐者の剣士の刀剣の方だからね!
●行動
愛刀の「滅命刀」を持って参戦するよ
パラドクスを使用して相手を内部から「破壊」する刺突攻撃を繰り出す
基本はヒットアンドアウェイで立ち回って、状況を見て撤退を判断する
必要以上に突撃しても意味がない場合もあるからね…そこは弁えよう
さて覚悟だよ!でやぁっ!
相手の攻撃は魔力障壁「鋼の「うぉーる」」を発生させて防ぐつもりだけど、他の人とも上手く連携して防いでいきたいね
千賀谷・幸彦
いよいよこの地を人類史に取り戻す為の戦が始まるのですね。
私も微力を尽くして参りましょう。
現れたる騎士竜に真っ向より対峙、交戦していきます。
忍びの流儀ではありませんが、事此処に至れば小手先の技は無意味。
敵を退け己を徹す意志こそが力となると考えます。
敵に対してはその企み──ガラティーンによる新宿島破壊を阻止する意志を示して戦いましょう。
何やら秘策を用意しているようですが、其の成就は果たさせません。
私達を信じて此処まで来て下さった皆様の命、決して散らせは致しません!
その意志と共にパラドクス起動。
魔導忍術にて形成せし氷弾を撃ち込み、敵群へ攻撃を仕掛けていきます。
反撃に対しては彼我の位置関係より突撃軌道を推測し回避を。
直撃を避けられますれば良し、でしょう。
これしきで敗れはしませんとも!
さあ、今度は此方の番です…!
ガウェインの出現時は無理に争わず撤退を。
今は退きますが、その剣、無辜の人々へ向けて振るうなど…私達が、決して赦しはしません。どうぞ、お覚悟おき下さい。
天破星・巴
アドリブ&辻連携歓迎
ドラゴンとの決戦の時がやっと来たのじゃ。
ドラゴンと鬼では鬼の方が優れていると言うことを証明するときじゃ。
巨大なら良いというではなく、鍛え上げらた膂力こそ重要だと魂に叩き込んでやるのじゃ。
同じ戦場にいる仲間と連携を取り孤立や深追いしないように注意しながら確実に敵の戦力をそぐように行動
太陽・月・星の光を集めて光の爪を生成し切り刻む『三光爪』で敵の尻尾の聖剣を切り落とし返す刃で首を落す
聖剣を名乗る価値の無い斬撃などわらわの敵では無いのじゃ
(遠く聖剣ガラティーンの輝きを見据え)
大地を両断する聖剣で有ろうとも振るわれる前に倒せばよいだけじゃ
聖剣に力を注ぎ込んでいては戦場には出てこぬか
出てきたら聖剣を担いし者の実力を見定めてやったのに残念じゃ。
ガウェインが現れたら殿となり味方が撤退するまでの時間を稼ぐべく光の爪て斬りかかり、実力を見定める
今は退くがその首洗って待っていると良いのじゃ。
「……いよいよこの地を人類史に取り戻す為の戦が始まるのですね。私も微力を尽くして参りましょう」
犇めく竜の大軍勢を前に、千賀谷・幸彦(彩影・g08457)は想いを新たにする。
「そうじゃな、待ちに待った戦じゃ。ドラゴンと鬼では鬼の方が優れているということを証明するときじゃ」
ドラゴンとの決戦の時に、天破星・巴(反逆鬼・g01709)は心が昂らずにはいられなかった。
「ドラゴンの聖剣に新宿島を両断なんてさせないよ! 敵を両断していいのは復讐者の剣士の刀剣の方だからね!」
愛刀の“滅命刀”――全ての悪の命を刈り取る一振りを手に高らかに声を上げ、怨間・ポピィ(現ヒルコの戦闘狂・g09767)は敵群へ颯爽と斬り込んでいく。
「なっ――ディアボロス!?」
「さて覚悟だよ! ――でやぁっ!」
居るはずのない存在を目の当たりにした騎士竜ナイトドラゴンたちが反応するよりも早く、ポピィは刀を突き出していた。
裂帛の気合いと共にポピィが繰り出したパラドクスは、刃突・魔式(アルティメットストライク・マギスタイル)。
滅命刀で刺し穿ち、その傷口に魔力を注ぎ込むことによって、敵を内部から破壊する強烈な一撃だ。
「ぐっ……、これは!?」
閃光の如く放たれた鋭い突きに穿たれた騎士竜ナイトドラゴンは、続けざまに内部から襲ってきた衝撃に目を見開く。
「ディアボロス共を逃がすな! 行け!」
だが、辛うじて持ち堪えたナイトドラゴンたちは、咆哮めいた叫びと共に尻尾の先端の刃に聖なる光を纏わせながら襲いかかってくる。
「それが聖剣だなんて笑っちゃうな!」
挑発めいた言葉を投げながらもポピィはすぐさま魔力障壁を展開させ、鞭のように振るわれる尾の斬撃を受け止めた。
無論、障壁だけで凌ぎ切れるものではなく、決して少なくはない衝撃がポピィの身に刻まれる。
だが、どれほどの衝撃も痛みもポピィの膝を折るには至らない。
「これくらいじゃ、僕を倒すには全然足りないね!」
どこか楽しげな笑みさえ浮かべながら、ポピィは滅命刀を再び構える。
騎士竜とポピィの眼差しが交錯した直後。
「がっ……!?」
不意に驚愕の声を上げた騎士竜の首から血が吹き出し、騎士竜がその場に崩れ落ちる。
「後ろまでは見えなかったようじゃのう? 巨大なら良いというではなく、鍛え上げらた膂力こそ重要だと魂に叩き込んでやるのじゃ」
鬼神変改『三光爪』(キジンヘンカイ・サンコウソウ)――太陽と月、そして星。天の三つの光を束ねた爪の一閃は巴の手によるものだ。
「光の鬼爪は森羅万象を切り刻む、血溜まりに躯を晒すが良いのじゃ」
為す術もなく崩れ落ちた竜の骸を一瞥し、巴はすぐに次なる敵へと視線を移す。
一方の幸彦も、騎士竜ナイトドラゴンの群れへ、身を隠すことなく真っ向から対峙していた。
それは魔導忍者である幸彦にしてみれば“忍び”の流儀ではないけれど、強大な軍勢を前に小手先の技は通用しないだろうとわかっていたからこそ。
敵を退け、己を徹す意志。
それこそが歴史を奪還し、世界を取り戻すための何よりの力になるはずだ――。
「何やら秘策を用意しているようですが、その成就は果たさせません。私たちを信じて此処まで来て下さった皆様の命、決して散らせは致しません!」
聖剣ガラティーンによる、新宿島の破壊。
そのような暴挙は決して許しはしないという確かな意志と共に、幸彦はパラドクスを編み上げて氷弾を解き放つ。
駆け抜ける氷雪の煌めきが狙うは、先程ポピィが仕掛けた騎士竜たちだ。フリージングミサイルの直撃を受けながらも、騎士竜たちは雷撃を纏い、さながら雷光そのものとなって反撃を繰り出してくる。
幸彦は即座に動きを推測し回避を試みるも、その全てを完全に避けることは叶わない。
それでも、かろうじて致命傷だけは避けられたのが幸いだろうか。
体が動くことを確かめた幸彦はすぐさま体勢を整え、再び氷弾を形成しながら毅然と告げた。
「私たちはディアボロスです。これしきで敗れはしませんとも! さあ、今度はこちらの番です……!」
「聖剣を名乗る価値の無い斬撃など、わらわの敵では無いのじゃ」
巴が繰り出す天の輝きが、騎士竜の尾が振るわれるより速くその首を斬り落とす。
騎士竜たちの気迫は凄まじいものであったが、三人は連携を取りながら次々に彼らを倒し、着実に戦力を削っていった。
だが、やはり相手は大軍勢だ。攻防を経る内に少しずつ包囲網が狭まってきているのを感じ取った幸彦は、ポピィと巴に告げる。
「……そろそろ頃合いでしょうか」
「そうだね。必要以上に突撃して、戻れなくなったら大変だからね」
ポピィとしてはこの場にいる全員を滅ぼしてやりたいのは山々だが、今はまだ、その時ではないと知っていた。
「やはりそう易々と戦場には出てこぬか。出てきたら聖剣を担いし者の実力を見定めてやったのに……残念じゃ」
戦場を見渡しても犇めくは黒き騎士竜ばかりで、ガウェインの姿は見えない。
溜め息混じりに呟きながらも、巴は目の前の騎士竜たちに告げる。
「ガウェインに伝えると良い。大地を両断する聖剣で有ろうとも振るわれる前に倒せばよいだけじゃ。今は退くが、その首洗って待っていると良いのじゃ――とな」
光の爪を振るい、かの円卓の騎士の実力を見定める、否、倒すのは――来たる決戦の時。
そうして三人は顔を見合わせて頷き、素早く戦場から撤退していく。
去り際に一度だけ振り返り、この戦場のどこか――もう一振りの聖剣と共に在る騎士竜ガウェインへ、幸彦もまた、想いの丈を紡ぐ。
「その剣、無辜の人々へ向けて振るうなど……私たちが、決して赦しはしません。どうぞ、お覚悟おき下さい」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
【温熱適応】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
ニーニ・ニニ
…ぼくが新宿島に来る少し前にも、大きな戦いがあったと聞きました。
あの日から、もう少しで1年。
ぼくを助けてくれた、新宿島の皆のためにも。
どこかで、ぼく達の助けを待っている皆のためにも。
絶対に、負けられないのです!
泣きたいくらい怖くて強いドラゴン達が相手でも、ぼくはひとりきりじゃありませんから。
新宿島で出会ったお友達を思い浮かべたり、
共に戦う皆の姿に勇気を貰ったりして、心を奮い立たせるのです!
痛くても、怖くても、心は絶対に折れないですよ!
周りの皆と協力して、少しずつでも確実に数を減らしていくのです。
高速飛行する相手を捕まえるのは大変ですが……雷光のような体当たりを仕掛けてくる時が好機です。
だって、向こうからわざわざ近付いて来てくれるのですから。
パラドクスの罠を張り、接近してきた相手を氷の蔦で絡めとって。
動きを封じたところを、杖でぽかぽかお殴りするですよ!
子猫だと侮りましたね?ぼくだってやればできるのです!
交戦中も、周囲の警戒は忘れずに。
異変や強敵の接近を察知したら、皆に知らせて撤退しますね。
フラン・ベルジュ
ここからでも凄い力を感じ取れる気がする
あれが噂の聖剣…とは、また別の剣?
あんなのが二振りも三振りも来たら、本当に新宿島が大変なことになっちゃう!
必ず止めなきゃだね!
そのためにもまずは、ここに集まってる悪いドラゴン達を今のうちに少しでもやっつけよう!
熱々の火球で攻撃してくるみたいだけど…ふふん、ニールの火の球の方がもっとすごいもんねっ
直撃でなくても襲ってくる熱は、纏った風の加護で受け流して、高速飛行してブレスを回避しながら攪乱をするよ!
魔力の砲撃を拡散させて広範囲を牽制しつつ、ドラゴン達の気を惹いて、他の人たちが仕掛けやすくなるように立ち回ろう
誰かにブレスが直撃しそうなら、横から砲撃の薙ぎ払いでブレスをかき消して援護するよ!
すっごく強そうな相手が現れたら無理はしないよ
密度を上げた拡散砲撃で目くらましをして、その隙に撤収ー!
「あれが噂の聖剣……とは、また別の剣?」
戦場に満ちる異様な――あるいは、嫌な、ともとれる気配に、フラン・ベルジュ(揺らめく焔のように・g06262)は小さく息を呑んだ。
円卓の騎士ガウェインがアーサー王から与えられたという聖剣ガラティーン。この度の幻想竜域キングアーサー奪還戦において対ディヴィジョン兵装たるその剣が振るわれたなら、新宿島は甚大な被害を受けてしまうのだという。
そして、その聖剣は一振りにあらず――断片の王アーサー・ペンドラゴンもまた、新宿駅を消し去る力を持つ聖剣エクスカリバーを携えている。
「あんなのが二振りも三振りも来たら、本当に新宿島が大変なことになっちゃう! 必ず止めなきゃだね!」
相棒たるミニドラゴンのニールも、フランの声に応えるように大きく鳴いた。
――ニーニ・ニニ(雪陽の子猫・g08923)がディアボロスとなったそのきっかけは、ニーニが新宿島に流れ着く少し前にあった、歴史を取り戻すための大きな戦いだった。
あの日から、もうすぐ一年。
ニーニは今、あの時のディアボロスたちがそうだったように、ディアボロスのひとりとして、歴史を取り戻す大きな戦いのために――この場に立っている。
たくさんのドラゴンたちは強そうで怖そうで、泣きたくなってしまうけれど。
(「……大丈夫、ぼくはひとりきりじゃありませんから」)
新宿島で出逢ったたくさんの大切な友達や、共に戦う仲間たちの姿が、勇気をくれるから。
たとえ痛くても、怖くても、大丈夫だと――震えるこころを勇気でくるんで奮い立たせ、ニーニは雪結晶煌めく杖を握る手に力を籠める。
「ぼくを助けてくれた、新宿島の皆のためにも。どこかで、ぼくたちの助けを待っている皆のためにも。――絶対に、負けられないのです!」
ニーニの力強い言葉に、フランもうん、と大きく頷く。
聖剣の力が放たれるのを食い止め、そして、幻想竜域キングアーサーを取り戻す。
そのためにも、まずはこの地に集う“悪い”ドラゴンたちを、本番の前に少しでも多く倒したいところだ。
「よーし、悪いドラゴンたちをやっつけちゃおう!」
「はい、がんばるのです!」
騎士竜たちを前に怯むことなく、フランはすぐさま風と光の加護を纏いながら魔法の杖に跨り、空高く舞い上がる。
「――飛ばして、精霊さん! もっともっと、奔放に!」
そうして編み上げたパラドクスの力でまるで重力も慣性も無視したような機動で敵の間を翔け回りながら、杖の先端から魔力砲撃を解き放った。
正面に撃ち出された魔力はフランの意のままに拡散しながら、騎士竜たちの意識を惹きつける。
「ここにもいたか、ディアボロスッ!」
黒と金の甲冑のような甲殻で覆われた騎士竜が放つのは、炎と風を織り交ぜた熱々の火球。
纏った風の加護で熱を受け流しながら、フランは高速飛行することでブレスの直撃を避ける。
「ふふん、ニールの火の球の方がもっとすごいもんねっ」
騎士竜たちへ胸を張りながらそう告げるフランに、共に空を翔けていたニールが誇らしげに鼻を鳴らしてみせた。
一方のニーニも、騎士竜を相手に駆け回っていた。
「どうした、ちょこまかと逃げることしか出来ないのか!?」
高速で飛翔する相手を捕らえることは難しい。ゆえに、ニーニはじっと好機を待っていた。
「仕掛けてこないのであれば、こちらから行くぞ!」
そうして、騎士竜の一体が豪奢な甲冑染みた甲殻に雷撃を纏わせ、体当たりを仕掛けてくる。
それこそが、ニーニの狙い。
――刹那。
ニーニを中心に、幾本もの透き通る煌めきが迸る。
「にぃ……!」
蜘蛛の巣のように地面を這いながら広がっていくそれは、パラドクスが形をなした氷の蔦だ。
「ここはぼくの縄張りです! ――逃がさないですよ!」
そして、蔦は騎士竜の巨大な体躯を絡め取り、その動きを封じ込める。
「なっ……!!」
「子猫だと侮りましたね? ぼくだってやればできるのです!」
ニーニが張り巡らせた“罠”に捕らわれた騎士竜は、その場から動けぬまま。
「まかせてっ!」
機を逃さず精霊の力を解き放ったフランの魔力砲撃に、為す術もなく薙ぎ払われた。
力を合わせて騎士竜を倒した二人は、どこか安心したように息をつく。
だが、それも束の間で――次から次へとやってくる騎士竜たちの気配に、ニーニは尻尾を膨らませた。
ニールもまた気づいたのか、威嚇するように唸る。
「……ドラゴンが増えてきたみたいなのです。そろそろ戻りましょう!」
「そうだね、囲まれて逃げられなくなっちゃったら大変! それじゃあ――」
フランは密度を上げた拡散砲撃を地面に叩きつけ、灼きつくような鮮烈な光で騎士竜たちの目を眩ませる。
「よーし、撤収ー! 新宿島への攻撃なんてさせないし、キングアーサーも取り戻すから!」
「に! ――ぼくたちは絶対に、負けませんから!」
来たる決戦の日へ、想いを新たにして。
二人と一匹は、光に紛れてその場を離れていった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【土壌改良】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!
エラ・パーカー
連携アドリブ歓迎
ブリテンから流れついた新宿島
たくさん大切な人たちができた大切な場所
故郷で王さま面してるあいつに奪わせたりなんかしないの…!
まずは前哨戦、数を減らさせてもらうね
…あれが聖剣?鈍もいいとこなの
憎しみにギラついた瞳でそう微笑みながら歌うのは英雄譚
重みが増して、鋭さを得たマイクを握り早業で懐に潜り込んで薙ぎ切るの
プラズマ・ブレスが飛んでくればマイクを構え、【ガードアップ】で耐える
あは、温いブレス。こんなのじゃ、ドラゴンの名が泣いちゃうよう?
傷も痛みも無視して嘲る
命さえあれば次へ行ける、戦える
家族の元へも帰れるもの
強い衝動みたいな感情は身体を急かすけど
周囲の仲間の邪魔をしないように着実に一体ずつ倒していこう
ある程度間引けばちゃんと撤退
“リハ”はここまで、“本番”でまた嫌というほどエラの歌聴かせてあげる
この地の歴史を奪い、あまつさえ支配者として君臨しているというだけでも、決して許せることではないというのに。
伝承の名を借りただけの偽りの王と騎士たちは、新宿島にも牙を剥こうとしている。
エラ・パーカー(Bardd Morganite・g03253)にとって、すべてを奪われ、ひとりきりで流れ着いた新宿島は、生まれ育ったブリテンと同じくらい大切な場所だ。
たくさんの大切なひとたちと出逢い、掛け替えのない絆を得た。
「エラの故郷で王さま面してるあいつに、奪わせたりなんかしないの……!」
そう。これ以上、何も――奪わせはしない。
燦くモルガナイトの双眸に揺るぎない怒りと憎しみを滾らせながら、エラは、マイクを強く握り締める。
「……聖剣?“なまくら”もいいとこなの」
どれほどの力が籠められようとも、振るう前に倒すだけ。
花咲くような稚い微笑みを浮かべながら響かせるは、甘く力強い歌声。
心に勇気を、希望を燈すその歌は、敵への葬送歌だ。
träumerei『CORINEUS』(トロイメライ・コリネウス)――伝説の戦士の英雄譚に乗せて、エラのマイクはさながら巨人を打ち倒した英雄が携えていた戦斧のように、重さと硬さを増していく。
歌声は止まず、エラの足も止まらない。
軽やかに飛ぶように駆けて騎士竜の懐へ潜り込んだエラは、そのまま渾身の力を籠めてマイクを叩きつけた。
鋭く重い一撃を受け、甲冑めいた甲殻ごと砕かれた騎士竜が――崩れ落ちる。
「……ッ!」
ドラゴンへの滾る怒りと憎しみを湛えたエラの眼差しに、騎士竜たちは思わず息を呑んだ。
「――怯むな!」
騎士竜たちはすかさず炎と風のプラズマ・ブレスを放ってくる――が。
エラはマイクを盾のように構えガードアップのて残留効果を手繰り、身を焼き焦がさんばかりの灼熱を耐え抜いた。
「……あはっ」
エラは、声を上げて笑い。
まるで幼子のようなあどけない笑みを浮かべたまま、告げる。
「温いブレス。こんなのじゃ、ドラゴンの名が泣いちゃうよう?」
そして、次の瞬間には、エラは空間を超えて騎士竜たちへ肉薄していて――。
戦斧の如き一撃が、騎士竜たちを薙ぎ切った。
急かすような衝動のままにエラは駆け、ひとり、またひとりと騎士竜たちを屠っていく。
どれほどの傷も、痛みも、エラの足を止めることは叶わない。
命さえあれば戦えるし、家族の元へ帰れるから。
――だから、今は。
ただ一体でも多く、この手で――。
そうして、どれほどの間戦い続けていただろう。
倒しても尚どこからともなく集まってくる騎士竜たちの大群を前に、撤退の時が来たことを悟ったエラは小さく息をついてから、静かに告げる。
「――“リハ”はここまで」
とん、と地を蹴り、舞い上がったエラが向かうのは、敵の元ではなく――新宿島へと帰るための、パラドクストレインだ。
「“本番”でまた、嫌というほど……エラの歌、聴かせてあげる」
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
ガーデニア・ラディーチェ
・アドリブ、連携◎
キングアーサー……思い出深い地だわ
竜の花嫁関係の依頼で、何度も訪れた場所だもの
でも、もうそれもお終いね
解っていたわ
どれだけ永遠を願ったとしても……終わらない物語なんて、この世には存在しないんだもの
ねえ、ロズ
貴方はどう思う?なんて
傍の人形に問いかけても、返事が無いのはいつものことだけど
さて、そろそろ物語のクライマックスを告げる――前哨戦といきましょうか
そうね、とびきりど派手な幕開けなんてどうかしら?
本を読み上げて、具現化させる場面は……あら、いけない
そうだったわ
わたし、アーサー王伝説には詳しくないのよ
どんな物語だったかしらね……?
とりあえず、激しくて冷たい、無慈悲な吹雪はどうかしら?
炎や火球すらも凍らせてしまう程の、寒くて恐ろしい真冬の訪れを
味方とタイミングを合わせて、本を読み上げて敵陣に向かって放ちましょう
ブレスに対しては、どこへ向かって放たれるか観察して
放った吹雪で真っ向から対抗よ
押し返すくらいの勢いで
なんか凄そうな竜が出てきたり、敵が多くなってきたら撤退ね
ガーデニア・ラディーチェ(クチナシの花護り・g03839)にとって、この幻想竜域キングアーサーは――いつしか、忘れられない世界のひとつとなっていた。
竜の花嫁という運命に翻弄された娘たち。定められていた悲劇の終焉を覆すために、ガーデニアもどれほど力を尽くしたかわからない。
「……でも、もうそれもお終いね」
これから始まるのは、幻想竜域キングアーサーを奪還するための戦い。
そして、この戦いに勝利するということは、即ち――この世界が失われるということでもある。
「解っていたわ。どれだけ永遠を願ったとしても……終わらない物語なんて、この世には存在しないんだもの」
クロノヴェーダに奪われ、改竄された歴史が、正しきものへと戻る。
それは、ディアボロスとしての本懐ではあるのだけれど――。
「……ねえ、ロズ。貴方はどう思う?」
ガーデニアはそっと、寄り添って立つ青年の人形、ロズリエルに問いかける。
花緑青の彩が差す青空色の瞳は今日も変わらずガーデニアを優しく見つめているけれど、その唇から答えが紡がれることはない。
でも、それもいつものことだと、解っているから。
「……さて、そろそろ物語のクライマックスを告げる――前哨戦といきましょうか」
そうして、仲間たちと共に戦場へ降り立ったガーデニアは、はらりと本の頁を捲る。
「そうね、とびきりど派手な幕開けなんてどうかしら?」
ガーデニアが、ロズリエルが生きていた、あの頃のように。
紡ぎ創るはふたりだけの、千夜一夜の願いを抱いた世界。
――けれど。
本に綴られた物語をなぞろうとして、ガーデニアははたと瞬いた。
「あら、いけない。……そうだったわ。わたし、アーサー王伝説には詳しくないのよ」
はたして、どんな物語だっただろう。
アーサー王、そして、円卓の騎士。それから――思考を巡らせて、すぐにガーデニアは小さく首を横に振った。
「今日の物語は――……、とりあえず、激しくて冷たい、無慈悲な吹雪はどうかしら?」
柔らかな音が、ほんの一瞬、凍てつくような響きを帯びて。
即興の物語が紡がれた直後、ガーデニアを中心として、ましろの花が咲くように冬の嵐が巻き起こった。
寒くて恐ろしい真冬の風が騎士竜たちを忽ちの内に凍らせて、彼らが吐き出す炎も風も呑み込んで、戦場を駆け抜けていく。
――ガーデニアは、冬が嫌いだ。
街を襲った流行病にロズリエルが斃れ、共に永遠の眠りについた季節だから。
「……だから、あなたたちも」
優しく終わらせてなどやらない。
永遠に醒めぬ悪夢の中に、落とすだけだ。
来たる戦いを超えて、取り戻すことが叶ったなら。
この世界にきっと、本当の夜明けが訪れる。
(「でも……」)
傍らにいつだって感じる気配に、ガーデニアは大丈夫よ、と微笑んだ。
――わたしたちの夜は、明けないままで好い。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【植物活性】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
アンゼリカ・レンブラント
いよいよキングアーサー奪還戦の時がきた
新宿島もかかった大一番
けして負けられないよね、さぁいこう!
切り込むタイミングを可能な限り仲間と合わせ、
パラドクスの閃光と衝撃波をお見舞いだよっ
さぁ我こそは黄昏殺し
円卓の騎士:黄昏のガレスを屠りしこの光剣、
味わいたければかかってこいっ!
堂々とした名乗りを上げ騎士竜たちに近距離戦を挑む
切り込んだら反撃も障壁と盾ででしっかり凌いだうえで
足を止めず一撃離脱して囲まれるのを防ぎ、
倒せそうな相手を巻き込めるよう斬りこみ確実に数を減らすよ
ピンチの仲間がいればPOWでディフェンスも行うね
大丈夫
ここまで戦ってきた私たち自身を信じよう
必ず私たちは幻想竜域のすべてを奪還できる!
気を吐く言葉をあげながら戦場を駆け、敵を倒していくよ
全力の《光剣閃波》をお見舞いだっ、受け取れーっ!
仮に騎士竜ガウェインが現れたらすぐに撤退するよ
取り残されることのないよう足並みを揃える
仲間にも無理はさせない
ガウェインもアーサー王同様見事な業物を持っているね
でも戦の折は、その剣を砕かせてもらうよっ!
風花・波那
幻想竜域キングアーサー。
私が最も関わってきたディヴィジョンも、ついに奪還戦ね……。
心を静かに、集中力を高めて。
新宿島を守るためにも負けられない。絶対に。
大丈夫。いつも通りに。
よし!わーっとやっつけてやるわよ!
やられたい奴からおいで!
右手に夢幻の花果を構え、左手でちょちょいと挑発。
仲間とも連携して、出来るだけ敵を包囲するような位置取りを心がけるよ。
敵(視界内に見えればガウェイン)を描き、幻影のドラゴンを従えて戦闘開始!
ドラゴンは描き慣れてるから得意なのよね〜。お花も可愛く飾っとこ。
敵の反撃のプラズマ・ブレスはよく観察。ダメージが最小限になりそうな位置に移動して回避か防御。
残念だったね。炎と風なら私も多少の心得はあるんだから!
そんなそよ風ブレスじゃ私の心は折れないよ。
自身で攻撃を引き付けつつ、敵の攻撃にもカウンターで幻影に反撃させるよ。
聖剣って聞くとかっこいいとは思うけれど、私達の想いの輝きに勝てると思ったら大間違いよ!
次に会ったら皆の力で一刀両断してやるから怯えて待ってなさい!
じゃあね〜!
ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎
いよいよ、ですね…
新宿島を狙われる事は何度かありましたが、ここまで致命的な攻撃を受ける予知と聞けば身が引き締まる想いです
この戦い、絶対に負けられません
ナイトドラゴンを射程に捉えれば、即宙に展開した光の鍵盤で「月虹」を演奏します
猫の姿にも似た月の化身を喚び、ドラゴンに向かって飛びかからせましょう
ガラティーンを解き放たせてなるものですか
狙いは仲間と揃え、体力の低い者を最優先に各個撃破で確実に戦力を削ります
突出は避け、敵軍の辺縁から堅実に攻めましょう
敵軍の動きには常に注意を払い、包囲されそうになったり、仲間の負傷が嵩んできている様子なら撤退の声掛けを
反撃のブレスには魔力障壁を展開して凌ぎ、グロリアスの効果で粘り強く戦います
前哨戦で怯んでいては、気持ちで負けてしまいますから
どんなブレスが来ようとも、私の指は止まりませんよ!
の、意気で旋律を更にアップテンポにアレンジして、逸る心のままにドラゴンへと斬り込みます
退き時はしっかり見極め、仲間にも伝達
次に見える時を、楽しみにしておりますよ
本郷・夏深
へえ、新宿駅が消失してしまうかも知れないとは!
いやはや、なんとも恐ろしい事態ですねえ。怖い怖い
ならば今回も、これまでと同じように全力を尽くすまでですね
皆で撤退する為にも無理ない範囲で、ではありますが
今日も元気に楽しく片っ端から殺すとしましょうか
敵の攻撃、中でも特に振るう尻尾の軌道には特に警戒を払いながら立ち回りたく
広げた扇で敵の攻撃を舞うように受け流し、凌ぎ、身を低くする等して躱しながら一気に接敵し
その近付く勢いに乗せて、扇でズタズタに斬り裂いて差し上げます
カフカの得物は聖剣なんて大層なものではないですが
それでもなかなかに良い切れ味だとは思いませんか?
扱っている主人の腕が良いのでしょうね!
敵の猛攻を回避できなかったとしても、微塵も怯まず突き進みます
だって、そうした方が相手が物凄く嫌がって面白いですからね!
それに痛みに動きを止めて敵を喜ばせてしまうのは業腹ですので
このカフカに傷をつけるのは楽しかったですか?
しかし私は痛いのは嫌いですから、お返しに
畳んだ扇で、その目を深く串刺してあげましょう
ナディーン・エルドレド
聖剣の輝きは正しい希望をもたらすものだろうに
……憤っている気がするのは、何か知っていたせいかな
ううん、今は今の私が大切な物のために戦おう
奪還はもちろん、新宿島を断たせたりしたくない
デモニックボムを敵の顔目がけて放つ
なるだけ顔の周りへ行っておいで
全て当たらずとも爆風が視界の邪魔になればいい
注意が逸れた隙に一気に畳み掛けよう
仲間の窮地に気づけたら、それも手助けできればいい
爆ぜろ、上手にな
敵のブレスはよく観察して槍で軌道を逸らし避けたい
熱いな、簡単に形さえ忘れそうだ
けれど引かないよ
お前達の王が諦めないよりもっと、私達は諦めない
負けたらどうするかより、負けないために戦うんだ
……そういえば、未知のディヴィジョンは気になるな
名からして色んな機械もあるんだろうか?
なるだけ動き回りながら、ふと浮かぶ興味
不利になりそうなら敵の集中砲火を浴びないように物影へ
逸れそうな気も整えたら、一体でも多く倒すべく槍を握り直して
やっつけて、皆無事に帰ろう
それがいつものお約束だ
これはまだ前哨戦なんだから
「幻想竜域キングアーサーも、ついに奪還戦ね……」
風花・波那(夢詠の花果・g00593)にとっては、最も深い関わりのあるディヴィジョン。それが、幻想竜域キングアーサーだ。
そして、それは静かに闘志を燃やすアンゼリカ・レンブラント(黄昏殺し・g02672)にとっても同じであった。
待ちに待った、キングアーサー奪還戦。
この時に至るまで、この地でどれほど多くの竜と戦ってきたことだろう。
ディアボロスとして目覚めたその日から、ひたすらに駆け続けてきた。
多くの竜と戦う中で、己が宿縁たる竜とも対峙した。
己にディアボロスとしての力を託してくれた青年の姿を思い返しながら、アンゼリカは誓うように、握った拳を胸に当てる。
決して負けられない、戦い。
今回は特に、新宿島の運命もかかった“大一番”だ。
「いよいよ、ですね……」
ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)もまた、静かに呟く。
これまでの奪還戦でも、新宿島を狙われることは何度かあった。
だが、今回は新宿島が致命的な打撃を受けるだけでなく、最悪の場合、新宿駅が失われてしまうという予知が出されている。
断片の王アーサー・ペンドラゴンが持つ聖剣エクスカリバーは、新宿島を断ち切る力を持つという。
そして、この戦場のどこかにいる円卓の騎士ガウェインが持つ聖剣ガラティーンも、また――。
――聖剣。
その響きに己の裡が妙にざわつく心地がするのは、何かを知っていたからだろうか。
「……聖剣の輝きは、正しい希望を齎すものだろうに」
胸に燈る怒りも、復讐者としてのそれとは――どこか、少し違うような気がして。
巡らせていた思考を緩く頭を振ることで払い、ナディーン・エルドレド(ねじまきさん・g02709)は槍を持つ手に僅かに力を込める。
思うところはあれど、今は――。
(「――今は、今の私が大切な物のために戦おう」)
この世界の奪還は勿論、復讐者の、そして最終人類史に生きる人々のはじまりの場所である新宿島を断ち切らせぬために。
「へえ、新宿駅が消失してしまうかも知れないとは! いやはや、なんとも恐ろしい事態ですねえ。怖い怖い」
そう言いながらも、本郷・夏深(逢魔が夏・g00583)は凡そ、いつも通りであった。
「……ならば今回も、これまでと同じように全力を尽くすまでですね」
そう、夏深にとってはこれまでと同じだ。
無論、この前哨戦においては皆で無事に戻るために、無理のない範囲で――ではあるけれど。
どれほどの脅威が目の前に迫ろうとも、同じように全力を尽くして退けるのみだ。
「そうね、大丈夫。……いつも通りに」
夏深の言葉に頷いて、心を静かに、呼吸を繰り返しながら――波那は、集中力を高めていく。
新宿島を守るためにも、絶対に負けられない。
ここから繋がる奪還戦を、キングアーサーにおける最後の戦いとするために。
「この戦い、絶対に負けられません」
身が引き締まる心地を抱きながら、ソレイユは今一度、両手のグローブの裾を強く引く。
「――私たちは絶対に、負けない!」
波那も、力強く声を張り上げる。
「……では、今日も元気に楽しく片っ端から――殺すとしましょうか!」
前哨戦の相手である騎士竜ナイトドラゴンの群れを前に、夏深は音を立てて鉄扇を広げながら尊大な笑みを深めた。
そして、天光色の瞳で真っ直ぐに騎士竜たちを見据え――。
「――さぁ、いこう!」
アンゼリカは光り輝く剣を手に、颯爽と駆け出した。
「我こそは黄昏殺し。円卓の騎士――黄昏のガレスを屠りしこの光剣、味わいたければかかってこいっ!」
正々堂々、高らかに名乗りを響かせて、アンゼリカは勇ましく斬り込んでいく。
豪快に振り抜かれた剣の軌跡に重なった閃光と衝撃波は、忽ちの内に騎士竜たちを薙ぎ払った。
「おのれ、ディアボロスッ!」
騎士竜たちはガレスの名に怒りを顕わにしながらすぐさま反撃に転じ、尾の先端の刃を輝く剣に変えてアンゼリカを斬り裂こうと迫り来る。
アンゼリカは動じることなく盾を構え、誓姫の闘魂を守りのオーラとして猛攻を耐え抜き距離を取る。
アンゼリカは信じている。
ここまで戦ってきた己自身を、そして、皆の力を、想いを。
「……大丈夫。必ず私たちは幻想竜域のすべてを奪還できる!」
気を吐きながらすぐに再び斬り込んでいくアンゼリカ。
次々に騎士竜たちを斬り伏せていく姿は、さながら黄金の風のようであった。
「よし! わーっとやっつけてやるわよ!」
「ああ、やっつけて、皆無事に帰ろう」
張り切って飛び出していく波那の元気な声に笑って頷き、ナディーンも騎士竜たちへ向き直る。
波那は右手に魔法のペンを構え、左手を挑発するようにちょちょいと動かしながら、挑戦的な笑みを浮かべて告げた。
「やられたい奴からおいで! どうせ全部倒すんだから、誰からでもいいわよ!」
「ディアボロス如きが――ッ!」
波那の挑発にまんまと釣られた騎士竜たちの顔面が、突如として爆ぜる。
「ぐあっ!?」
「余所見はしないほうがいい。ディアボロスは一人ではないのだから」
時空も歪む逆説連鎖戦の刹那に放たれた反撃のプラズマ・ブレスを、ナディーンは槍の穂先で軌道を逸らすことで直撃を避ける。
それでも掠めた熱に焦がされながら、ナディーンは小さく息をついた。
「……熱いな、簡単に形さえ忘れそうだ。けれど、引かないよ」
ナディーンが放ったデモニックボムの爆風に紛れ、夏深が一息に距離を詰める。
「残念、もう逃げられませんよ。ええ、見逃しませんとも」
とんと軽やかに地を踏み鳴らせば、足元から海波のような魔力が波紋を描きながら広がって――忽ちの内に騎士竜たちをその場に縫い留める。
泥濘の地に足を取られた騎士竜たちは歪な輝きを帯びた尻尾の刃で夏深を斬り裂こうとするけれど、そのどれもが、夏深には届かない。
そして、そのまま貪欲の刃たる扇を広げ斬撃を舞うように受け流した夏深が一気に懐へと飛び込んだ時には――既に、騎士竜たちは為す術もなく斬り裂かれていた。
「なっ……」
「カフカの得物は聖剣なんて大層なものではないですが、それでもなかなかに良い切れ味だとは思いませんか?」
全身から血を噴き出し崩れ落ちる騎士竜たちへ、夏深は殊更に笑みを深めて告げる。
「扱っている主人の腕が良いのでしょうね! ……おや、もう聞こえませんか?」
返る答えは最早なく、夏深はすぐに新たな敵へと狙いを定めた。
「ガウェインが見えれば良かったのにな~」
魔法のペンで騎士竜ナイトドラゴンに良く似た幻影を描きながら、波那は心の底から残念そうに零す。
戦場のどこかにいるはずのガウェインの姿は捉えられなかったものの、彼方の空が紅く染まっているのがわかる。
おそらくはそこにいるのだろう。そして同時に、この地に確かに強大な力が集っている気配も否が応でも感じ取れた。
「あれが、聖剣の気配……?」
呟きながら騎士竜の幻影にさり気なく可愛らしい花を描き足せば、それを見たナディーンが目を細めた。
「ふふ、可愛いな」
「でしょ? ドラゴンは描き慣れてるから得意なのよ~。さあナイトドラゴン! やっちゃって!」
波那の声に応えるように、幻影の騎士竜(可愛い)が大きく息を吸い込んで、何だかキラキラしたブレスを本物の騎士竜へ浴びせていく。
見た目は可愛らしいものだが、ちゃんとしたパラドクスの攻撃だ。
手応えを感じると同時に放たれた反撃のプラズマ・ブレスを、波那は持ち前の観察眼で軌道を予測することで直撃を免れる。
「残念だったね。そんなそよ風ブレスじゃ――私の心は折れない!」
気魄に満ちた波那の声に忌々しげに眉を寄せた騎士竜の耳に、美しき調べが触れる。
「――月の調べ、光の加護よ」
宙に広げられた透き通る光の鍵盤で、ソレイユが奏でるは幻想ソナタ「月虹」
旋律に誘われるように光の中から猫のような姿の月の化身がしなやかに躍り出て、穏やかな加護を復讐者たちに齎しながら、同時に孕む荒々しい狂気のままに騎士竜たちへ牙を剥く。
「ガラティーンを解き放たせてなるものですか……!」
赤く染まった彼方の空。離れていても感じられる聖剣の悍ましい気配は、恐ろしいと本能が告げてくるけれど。
今はまだ前哨戦。ここで怯んでいては、来たる“本番”の戦の時に、気持ちで負けてしまうから――。
放たれた反撃のブレスに魔力障壁を展開しながら、ソレイユは声を張り上げた。
「どんなブレスが来ようとも、私の指は止まりませんよ!」
熱風に焼き焦がされようとも怯むことなく、ソレイユは逸る心のままに想いを、力を籠めて鍵盤を叩き、旋律にもアップテンポなアレンジを加えて響かせる。
美しくも苛烈な音の連鎖は、騎士竜たちの心を乱すには十分すぎた。
「くそっ、誰かあの音を――」
止めろ、と声を上げかけた騎士竜の視界を、青白い光が覆って――。
ソレイユの怒りと想いを抱いた月猫に斬り裂かれ、騎士竜はその場に崩れ落ちた。
「爆ぜろ、上手にな」
瞬く間に乱戦となった戦場を駆け回りながら蝙蝠めいた悪魔爆弾たちを叩きつけるように放ちつつ、ナディーンはふと、思いを巡らせる。
――空想科学コーサノストラ。北米を支配する、未知のディヴィジョン。
名からして色々な機械もあるのだろうかと、尽きぬ興味が次から次へ溢れてくる――けれど。
逸れかけた気を無理矢理引き戻す熱風の気配に、ナディーンは我に返るように物陰に転がり込む。
「……っ、ふふ、おかげで目が醒めたよ」
こんな時でもいつもと変わらぬ己の思考に思わず笑みを零しつつ、ナディーンは改めてしっかりと槍を握り直す。
黒と金の色彩を纏う、騎士竜の群れ。
吐き出す息に怒りを乗せて、ナディーンは紡ぐ。
「お前たちの王が諦めないよりもっと、私たちは諦めない。負けたらどうするかより、負けないために戦うんだ」
「そう、カフカたちは諦めという言葉を知らないのです。元より――負けるつもりはありませんが」
ナディーンの言葉に同意するように夏深が笑って、鉄扇で騎士竜を斬り伏せる。
時間にして僅かな攻防を重ね、夏深は決して浅くはない傷を負っていたが、手足が動けばそれで構わぬとばかりに突き進んでいた。
そうすることで相手は物凄く嫌がるし、それは、夏深にとってはとても面白いからだ。
何より――痛みに気を取られ、動きを止めれば敵は喜ぶだろう。
けれどそれは夏深にとっては物凄く業腹であったから、夏深が足を止めることなどあるはずはなかったのだ。
「このカフカに傷をつけるのは――楽しかったですか?」
鮮やかな夏を思わせる海波に捉えた騎士竜へ、夏深は笑顔のまま告げる。
「……しかし、私は痛いのは嫌いですから」
研ぎ澄まされた刃のような鋭さを一瞬、瞳に帯びて。
「――お返しです」
「ガアアッ!!?」
言うが早いか、夏深はわざと音を立てるように扇を畳むと、騎士竜の目をその生命ごと深く串刺しにした。
「ほら、もっと攻撃してきなさいよ!」
波那が描く幻影の騎士竜は、リボンが付いたり、マントがついたり、しまいにはサンタクロースのような帽子を被ったり、次第にアレンジが増え続けていたのはここだけの話だ(なお、攻撃の威力自体は変わっていない)。
そうして、どれほどの間戦い続けていただろう。
狙いを揃えて各個撃破しながら敵軍の辺縁から堅実に攻めていくことで、着実にその数を減らしていたディアボロスたちであったが、どこからともなく集まってきた騎士竜たちによって、次第に包囲網が形成されつつあった。
グロリアスの治癒効果で戦いを続けること自体は問題はない――が、大軍勢に囲まれてしまえば、一溜まりもないだろう。
「そろそろ頃合いでしょうか。――皆さん、撤退の準備を!」
ソレイユの声にアンゼリカが頷き、呼吸を整える。
全身全霊を籠めて。アンゼリカが放つパラドクスは光剣閃波(セイバーフラッシュ)。
「どんな相手でも、この光剣で叩き斬るよっ。受け取れーっ!」
光剣の一閃に鮮烈な閃光と衝撃波が重なり、騎士竜たちを薙ぎ払う。
「ええ、わかっておりますよ。やはりまだまだ殺し足りませんが、引き際を見誤るほどカフカは愚かではありませんので」
偉いでしょう?なんて言いながら、夏深は自分たちと騎士竜たちとを隔てるように海波の魔力を泳がせる。
全力で戦い、そして一人も欠けることなく無事に帰ること。それが、前哨戦の“お約束”だ。
戦果は、これ以上ないと言っても過言ではないだろう。
「行こう。皆、帰りの電車に乗り遅れないように」
ナディーンは微笑みながらそう言って、目眩まし代わりに悪魔爆弾を地面に叩きつける。
「――次に見える時を、楽しみにしておりますよ」
怯んだ騎士竜たちへ、そう告げたのはソレイユだ。
「聖剣って響きは格好良いとは思うけれど、聖剣だろうが何だろうが、私たちの想いの輝きに勝てると思ったら大間違いよ!」
爆風に紛れ、一人、また一人と撤退していく中、波那は最後にもう一度振り返り、叫ぶ。
「次に会ったら皆の力で一刀両断してやるから怯えて待ってなさい! じゃあね~!」
――彼方の赤き空。おそらくはそこにいるであろうガウェインは、アーサー王同様に見事な業物を持っている。
聖剣ガラティーン。その力の高まりは、離れていても十分に感じられた。
ガウェインへ今は届かぬとわかっていても、アンゼリカは声を張り上げる。
「でも、戦の折は、その剣を砕かせてもらうよっ!」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【泥濘の地】LV2が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!
【命中アップ】がLV3になった!