最終人類史のハロウィン2023

 ラムセスの黄金アンクによる『新宿島大結界』や、港区のオベリスクの起動、千早城や巨大砂上船の移動といったクロノ・オブジェクトの運用には、膨大な感情エネルギーが必要です。
 この膨大なエネルギーは、平安鬼妖地獄変で得た重要クロノ・オブジェクト『地獄変』を使って集積していますが、感情のエネルギーならばなんでも集積できる訳ではありません。
『地獄変』の巻物が集積可能なエネルギーは、一般人の『鬼や妖怪、お化けなどが根底にある感情』を元とするエネルギーなのです。
 ハロウィンは、地獄変のエネルギーを集積する最大のチャンスですので、最終人類史全土で、ハロウィンを盛り上げ、より多くのエネルギーを地獄変に集積してください。
 収集したエネルギーは攻略旅団の提案があれば、その目的に使用し、無ければディアボロス・ウォーにおける新宿島大結界の為に備蓄します。

 最終人類史の一般人の皆様も、去年に引き続き『ハロウィンパーティーを楽しめば、ディアボロスと新宿島を護る事になる!』と、喜び勇んで準備を行っています。

 ディアボロスの皆さんにも、ハロウィンを盛り上げる協力要請が来ています。
 自分の考えた企画で人々を楽しませるも良し、人々の企画に加わって盛り上がるも良し。気軽に参加してください!

「ハロウィンパレード2023」アイコンフレーム対象

 このハロウィンシナリオで一度でも採用(トレインチケット含む)されたディアボロスには、ハロウィン仮装をしたサーヴァント達を描いたアイコンフレームをプレゼント!
 来年は違うデザインになります。かならずゲットしよう!

ハロウィンの挑戦状 ~にげだせおばけの国(作者 花々実コノネ
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#最終人類史(新宿島)  #最終人類史のハロウィン2023  #ハロウィン  #地獄変  #新宿島大結界 


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「今年もハロウィンがやってきますよ~」
 久住・野乃はコウモリの飾りをぱたぱたと動かしてみせた。
 今年もまた、人々が帰還した地域で、最終人類史をあげてのハロウィンパーティが開催される。
「野乃がお誘いするのは、三重にある遊園地のハロウィンですよー」
 ハロウィンに彩られた遊園地はそれだけで心躍る。
 だが、このイベントはただのパーティではない。去年に引き続き『地獄変』でのエネルギー集積のための重要な催しなのだ。
 新宿島を護る防御結界、巨大砂上船『サフィーナ・ミウ』『ミウ・ウル』、移動城砦である『千早城』の動力、港区とゴンドワナを結ぶオベリスクなど、エネルギーを必要とするものは多い。今後獲得できるかもしれないクロノ・オブジェクトの研究に使用することも考えられるため、エネルギーの集積は大切だ。
 とはいえ、難しいことを考える必要はない。
 ディアボロスがハロウィンパーティを盛り上げるだけで、膨大なエネルギーを得ることができるのだ。
「いっぱい盛り上げて、いっぱい楽しんで、いっぱい笑顔になりましょう!」

 1つめの催しは、ハロウィンパレードだ。
 仮装した人々が、ハロウィン仕様のフロートに乗ったり、その周囲で観覧客にお菓子を配ったりしながら、遊園地を巡り歩く。その中にディアボロスが混ざれば、参加者も観覧客も大喜びだ。
「歌ったり、踊ったり、手を振ったりして、パレードを盛りあげましょう!」
 フロートには蒸気を噴き出したり、光ったりなどの仕掛けもある。それらや残留効果を利用しても面白いだろう。

 そして2つめの催しは。
「ハロウィン仕様の脱出ゲームです!」
 ゲームの参加者は、寂しがりやのおばけによって、遊園地の一角に閉じ込められる。
 そこはおばけの国。外に出るためには、ちりばめられた謎を解き、外への鍵を入手しなければならない。
 公募された中から選び抜かれた様々な難易度の謎が、ディアボロスの挑戦を待っている。
 見事脱出できれば、顔ほどもある大きなハロウィンペロペロキャンディをプレゼント。
 謎が解けても解けなくても、遊園地のそこかしこに設置されたディスプレイに映し出されるディアボロスの奮闘ぶりに、観客は盛り上がることだろう。

「エネルギーを得るための大切な機会……ではありますけど、なによりみんなでイベントを楽しみたいですよね」
 地獄変の巻物に描き出されるハロウィンの思い出が、素敵なものでありますようにと、野乃はディアボロスたちにハロウィンイベントのチラシを手渡すのだった。


 ハロウィンパレードが始まるまで、まだかなり時間があるが、パレードルートにはすでに場所取りをする人々の姿があった。
「せっかくだから、ディアボロスさんと近いところがいいなー」
「うーん、ここだと写真の背景がごちゃごちゃするかなぁ」
 ベストポイントを探してルートをうろうろする人の中、李央は迷いなく場所を決めた。
 下調べはばっちり。反対側に観覧場所がないここならば、ディアボロスの視線は必ずこちらに向くはずだ。
 試しにスマートフォンを構えて見え方を確かめると、李央はじっとそこで待機するのだった。

「さあ、そろそろハロウィンの脱出ゲーム『にげだせおばけの国』が開始となります。エントリーされる方はお急ぎください。お、そこのあなたもいかがですか?」
 通りかかったディアボロスに気付いた司会者が呼びかける。
「脱出ゲームの舞台はおばけの国。寂しがりやのおばけによって、あなたたちはおばけの国に閉じ込められてしまいました」
 ここにいて。
 遊ぼうよ。
「まとわりついてくるおばけをかわして隠された鍵を探し出し、元の世界へと帰ることができるのか。それは」
 そこで言葉を切ると、司会者はカメラに向かって手を差し出す。
「――あなた次第です!」


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【傀儡】
1
周囲に、ディアボロスのみが操作できる傀儡の糸を出現させる。この糸を操作する事で「効果LV×1体」の通常の生物の体を操ることが出来る。
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【狐変身】
2
周囲が、ディアボロスが狐に変身できる世界に変わる。変身した狐は通常の狐の「効果LV倍」までの重量のものを運べるが、変身中はパラドクスは使用できない。
【未来予測】
1
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【強運の加護】
1
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【現の夢】
1
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【照明】
1
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【迷宮化】
1
洞窟や家屋、砦などの内部を迷宮に変化させる。迷宮化により、敵は探索や突破に必要な時間が「効果LV倍」される。
【平穏結界】
2
ディアボロスから「効果LV×30m半径内」の空間が、外から把握されにくい空間に変化する。空間外から中の異常に気付く確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【無鍵空間】
1
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【液体錬成】
1
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【水面走行】
2
周囲の水面が凪ぎ、ディアボロスが地上と同様に走行や戦闘を行えるようになる。ディアボロスと手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人も同行可能。
【口福の伝道者】
3
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV7 / 【ガードアップ】LV3 / 【凌駕率アップ】LV1 / 【反撃アップ】LV4 / 【アヴォイド】LV2 / 【ダブル】LV1

●マスターより

花々実コノネ
 今年もハロウィンがやって参りました。
 ぜひ仮装してご参加くださいね。
 仮装の内容を書いてくださればその恰好をしているものとしますが、書いていない場合は勝手に仮装させてしまうかもしれないので、しない場合はしないと明記ください。

 どんな感じになるの? という方はよろしければ昨年のハロウィンシナリオ『ハロウィンの挑戦状 ~魔女のかぼちゃ迷宮から脱出せよ!』をご覧くださいませ。

 遊園地はモデルがありますが、自由度を高くしたいため名称は伏せました。
 実際にあるアトラクションにとらわれずに、遊んでいただければと思います。

 野乃(豆腐小僧)とグレーテル(魔女)も仮装して参加してます。
 誰かちょっと話し相手がほしいな、という際は相手として使っていただいても構いません。

 ①パレード。
 仮装の内容と、どんな風にパレードするのか教えてくださいね。

 ②脱出ゲーム。
 こちらは仮装してもしなくてもどちらでも。
 謎を解くシーンをプレイングにお書きください。
 これだ、とボタンを押す、とか、線を切る、とか、隠し扉を開く、とか。謎を解いた格好良い瞬間、をお待ちしてます。
 複数人での参加なら、協力プレイもいいですよねー。
 逆に、謎が解けずにはまっているところとか、謎を解くためにジェットコースターに乗らなくてはならなくて震えているところ、おばけに引っ張られてあわあわしているところ、なども面白そうかなって思います。

 ではでは、プレイングお待ちしております。一緒に楽しみましょう☆
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


フィーナ・ユグドラシア
※アドリブ、絡みok

吸血鬼(仮装SDの物)でパレード参加、ユリウスも同行ですが、マントはお揃いの蝙蝠マントに変更です。

今年もこのお祭りがやってきましたね。
夢と希望を振りまく妖怪さんの登場ですよ。
ユリウスも手伝って下さいね。

遊園地でのパレードとなると、少し大掛かりなパフォーマンスもありでしょうか?

行進中は、精霊達(蝙蝠モチーフ)を呼び出して、周囲を飛び回らせましょう。ただ、もし蝙蝠が他の方々の邪魔になるなら止めますね。

子供達が居たら、南瓜のビスケットや飴をプレゼントです。蝙蝠の宅急便でお菓子をお届けというのは如何でしょう?
変に怖がらせないよう、注意しながらお届けです。
御両親とか、大人の方々も居れば、其方には南瓜の和菓子、饅頭などの方が良いでしょうか?

もし希望があれば、一緒に踊りましょうか。ユリウスとも一緒に踊るのも楽しいですよ?
子供達も誘って行進してみるのも良いかも知れませんが、その時はちゃんと保護者の許可を貰いませんとね。
ハーメルンの笛吹きっぽくなりますが、連れ去ったりはしないのですよ?


 秋晴れの空に、ドキドキとわくわくとが混ざった曲が流れ出す。
 一斉に舞い上がる、おばけを象った白い風船がハロウィンパレード開始の合図だ。
 期待をこめて待つ沿道の人々の姿にフィーナ・ユグドラシア(望郷の探求者・g02439)は、今年もハロウィンの時期がやってきたことを思う。
「夢と希望を振りまく妖怪さんの登場ですよ。ユリウスも手伝って下さいね」
 フィーナは抱いていたダンジョンペンギン『ユリウス』を下ろした。くるりと首を回してフィーナを見上げるユリウスの背にかかっているのは、いつものマントではなくフィーナとお揃いの蝙蝠マント。これもハロウィン用の装いだ。
 パレードの進みに合わせて歩き出したフィーナは、沿道の人々に手を振った。
 今年のフィーナの仮装は吸血鬼。濃紺に黒を重ねたゴシックドレスのフリルが上品だ。
 イヤリングもリボンもドレスと色味を合わせてある中、変わらないのは澄んだ瞳と流れる髪の青。そして胸元に輝く白銀の聖天使の人形だ。
「ディアボロスさーん!」
「ペンギンさん、こっち来てー!」
 手を振り回す子どもたちの元へと、フィーナとユリウスは蝙蝠マントを翻して、ふわりと飛んだ。
「はい、蝙蝠便のお届けですよ」
 子どもたちには、南瓜のビスケットと飴を。大人たちには南瓜まんじゅうをプレゼント。今日は子どもも大人も楽しんで欲しいから、どちらにもトリートを。
「ありがとう!」
 もらったお菓子を手に、子どもたちが跳ねる。その手をユリウスが取って、一緒に回った。恥ずかしそうにしている子の手を取って、フィーナも音楽に合わせて踊る。
「良かったらこのまま行進しませんか?」
「うん、する!」
「あ、僕も行きたい!」
 子どもたちがハイハイと競って手を挙げる。
 フィーナはその子たちの保護者に許可を貰ってから、一緒に行進していった。
 進むたびに行進する子が増えてゆき、フィーナとユリウスのあとにずらっと続くさまはまるで、ハーメルンの笛吹き。
 もちろん連れ去ったりはしないので、子どもを預かるたびにフィーナはしっかりと親の居場所を頭に入れておく。
「トリックオアトリート」
「トリックオアトリート!」
 楽しそうな子どもたちを引き連れて、吸血鬼と吸血ペンギンはハロウィンの遊園地をパレードしてゆくのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!

七田・ナナ (トレインチケット)



蒼狐・珠萌 (トレインチケット)



アーリア・ティスティリア (トレインチケット)



 ハロウィンの飾りつけのされた遊園地。
 その中を巡り歩くパレードの参加者は多ければ多いほど盛り上がる……ということで、運営側は遊園地を訪れていたディアボロスにも声をかけ、ぜひ参加してほしいと呼びかけた。
「でもパレードに参加するためには、仮装をしてなきゃいけないって書いてあるの。アーリア、仮装はしてきていないの」
 自分はパレードの参加条件に合っていない、と言うアーリア・ティスティリア(微笑みを絶やさぬ少女・g03232)に、スタッフは大丈夫ですと、ずらりとかかった衣装を示す。
「こちらでお似合いの仮装を選んでお出しします。パレードを楽しみにしている一般人のためにも、ぜひご協力願います!」
 そう言われてしまうと断りにくい。
「それならやってみるの」
「ありがとうございます! ではこちらへ」
 気が変わらないうちにと、スタッフはアーリアを着替え室へと案内した。

 そしてはじまるハロウィンパレード。
 アーリアの衣装は、童話のお姫様をほんのりダークな色調にしたくろゆきひめ。
 スフィンクスのサナキは黒い三角帽子をかぶって、森に住む小人役。
 沿道の人々に手を振って、笑顔を振りまく。
「珠萌ちゃんも童話モチーフなの?」
 アーリアは同じく、強引にパレードに引き込まれた仲間の蒼狐・珠萌(猫狐な天使・g03640)の衣装を眺める。
 スカートがふんわり広がった青いワンピースに白いエプロン。その上から青いフードのついた上着をすっぽりとかぶったその衣装は。
「これは青ずきんちゃんなのです。オオカミさんを隠し持った針で襲う、ホラーな女の子らしいのです」
 珠萌は『トリックオアトリート』と書かれたスケッチブックを観衆に見せながら、スタッフから聞いた衣装にまつわるストーリーをアーリアに話して聞かせた。

「隠し持った針? ちょっとこわいの」
「怖いです?」
 珠萌は手から下げている籠の覆いをずらしてみせた。
 そこからひょっこりと顔を出したのは、蒼い炎を背負ったハリネズミ。珠萌のペットアバターである焔針鼠のフォティアだ。
「こわくなくて可愛いのー!」
「でも悪いいたずらをすると、パチパチなのですよ」
 どうやら運営の用意した衣装には、童話モチーフのものが多いらしい。
 それは、巻き込まれその3の七田・ナナ(エンジョイガール・g05125)も同様……のようではあるのだけれど。
「ハロウィン、ハッッロウィィィーン、トリックもトリートも雨あられッスよ~♪」
 両手をぶんぶん振って観衆にアピールしていたナナは、珠萌の視線に気づいて振り返った。
「あれ、先輩、どうかしたッスか?」
「ナナさんのその衣装のコンセプトについて考えていたのです」
「これッスか?」
 ナナの腰の辺りにはロバがくっついている……というか、ロバに乗っているような着ぐるみとなっている。その上に犬、猫、が両側から挟み込むように装着され、極めつけに、頭の上にニワトリがのせられている。
「ハイパーにカッケーブレーメンの音楽隊ッスよ!」
「確かに童話なのです……」
 それに、泥棒たちがおばけと見間違えたというエピソードも、ハロウィンにはぴったり……ではある。
 面白仮装は沿道の人々に大うけで、笑いとシャッター音が止まらない。
「先輩方の仮装も、カッケーッスね! ウチも撮らせてもらっていいッスか?」
 ロバの胴体から取り出したスマートフォンで、ナナはアーリアと珠萌をパシャパシャと撮った。
「そこ、小物入れになってるですか?」
 珠萌に聞かれ、ナナはロバの背についた蓋を、開け閉めしてみせた。
「そう、このロバ荷物がたくさん入ってお役立ちッスよ! 先輩方もおひとついかがッスか」
「アーリアには、ロバさんの小物入れは大きすぎるの……」
「そうッスか? この着ぐるみ、あったかいし、最高ッスよ」
 スマートフォンを元のようにしまうと、ナナは声をあげる。
「ヒーホー、ワン、ニャン、コケコッコー!」
「ヒーホー、ワン、ニャン、コケコッコー!」
 観衆からコールのように返ってきた楽しそうな声の中、パレードは進んでゆくのだった。
善戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【液体錬成】LV1が発生!
【迷宮化】LV1が発生!
【狐変身】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV2が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!

梅指・寿
ふむふむ、おばあちゃんはとじこめられちゃったのね。
寂しがり屋のお化けさん達が引き留めてくる前にクイズに答えたりちょこっとしたアトラクションに挑んでみたらいいのかしら。
ふふっがんばるわね。

仮装はハロウィンカラーの看護婦さん。
SDに姿絵があるから描く時の参考にしてもらえたら嬉しいわ。
チャームポイントはちょこんとかぶったナースキャップかしら。

クイズは難なく解けると思うけどアトラクションに困ってちょこちょこしちゃうわね。
私…背が小さいの…
大人の人がジャンプして取るような鍵とかボタンが届かなくて壁に向かってぴょこぴょこジャンプして…
あんまり困ってたらお化けの子達が抱っこして助けてくれたり…
えっおばあちゃんの姿が映ってるの?
恥ずかしいわ…けどハロウィンだし…(はにかみながら観衆に向かって手を振る)
あらっあんなところに観覧場所が…すごく真剣な顔でスマートフォンを構えている子がいるわ。
撮ってくれてありがとうー。(手を振った後ポケットから飴玉を取り出して投げ渡してみる)


「では、ついにハロウィンの脱出ゲーム『にげだせおばけの国』の開始です!」
 会場の区画を仕切る柵の扉がガチャンと閉められる。
「さあ皆さん、今閉じ込められた人たちの顔をしっかりと覚えてくださいね。そう、その人は永遠におばけの国に閉じ込められて、もう二度と見られなくなるかもしれないのですから」
 芝居がかった調子で司会者は手にしていたハンドベルを鳴らす。すると、会場のどこからか、応えるように幾つものベルが鳴らし返された。
「おばあちゃんはとじこめられちゃったのね」
 梅指・寿(不沈の香・g08851)はふむふむと頷いた。
「寂しがり屋のお化けさん達が引き留めてくる前に、クイズに答えたりちょこっとしたアトラクションに挑んでみたらいいのかしら」
 寂しがり屋のおばけに引き留められたら、身体の大きさからも気持ちからも、寿はきっと動けなくなってしまう。
「そうならないようにがんばるわね」
 手にした紫の包帯を握って、寿はふふっと笑った。
 寿のハロウィンの仮装は看護師さん。
 レトロなデザインのナース服は、かぼちゃオレンジのワンピースに黒のエプロンというハロウィンカラーだ。前髪には紫の絆創膏を象ったピンをぱっちんと。
 色が重くなり過ぎないように、ナースキャップやワンピースからのぞく襟やカフス、シューズは白でまとめて。
 ちょこんとかぶったナースキャップが、ちっちゃな子どもが看護師さんに憧れているかのようで愛らしい。
 その姿が会場外のモニターに大写しされた。
「えっおばあちゃんの姿が映ってるの?」
 恥ずかしい、けれどこれはハロウィンの催し。観客にも楽しんでもらいたいから、寿ははにかみながらも観衆へと手を振った。柵ごしに真剣にスマートフォンを構えている子には、手を振ったあとにポケットから取り出した飴玉を投げ渡してプレゼント。
 外からの応援を受けながら、寿は会場を回って謎を解いてゆく。
「えっと、このかぼちゃに正解の鍵をさせばいいのね。問題はこれかしら」
 下には大きなかぼちゃが置かれ、頭上には虹の色の7つの鍵。
 そして問題は、蛇のイラストと、点々が2つついた鶏のイラスト。
「うふふ、若い子にはちょっと難しいかもしれないけれど、おばあちゃんはこういうの得意だわ」
 さあ、正解の鍵を……鍵を……。
 ぴょんぴょんと跳び上がって鍵を取ろうとするのだが、寿の背では届かない。
 困っているとおばけが近寄ってきて、寿をよいしょと抱き上げて鍵を取らせてくれた。
 寿が緑の鍵を取ってかぼちゃにさし込むと、閉ざされていた扉が開く。
「おばけさんたちもありがとう。おばあちゃん、がんばるわね」
 おばけに見送られながら、寿は次の謎へと向かうのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水面走行】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!

黄泉王・唯妃
娑婆蔵(g01933)さんと一緒に。

どこもかしこもハロウィン色に。
パラドクストレインに乗るまでもなく、見慣れた街並みもこうも変化するのは面白いですよね。
さて娑婆蔵さん、折角だから遊んでみませんか?

と脱出ゲームに参加します。
意気揚々と知識を披露しながら脱出かます娑婆蔵さんに手を引かれながらゲームそのものを楽しみますが、

あの。さすがに迷い過ぎじゃありません?
仕方ありません。ここは私がさり気無い気遣いが出来る良妻賢母として謎が解けるように誘導して差し上げましょう。
【強運の加護】をしれっと発動して横からアドバイスしていきます。

「おや、娑婆蔵さん。その数字の羅列ですけど確か先ほど別の場所でも見かけたような。それにほら、そこの壁も何かおかしくないですか?」


奴崎・娑婆蔵
【唯妃(g01618)と一緒に】
年がら年中ミイラの扮装をしているようなあっしじゃァありやすが、今日ばかりは仮装なすった人様の波に紛れちまいまさァな、カハハ

ハロウィンパレード物見遊山。よござんす
左様でござんすね、積極に挑めるような遊びの類も悪かねえ――ありやしたぜ!脱出ゲェーム!


●VS脱出ゲーム
大人げねえやもしれやせんが、かくも大掛かりな仕掛けを相手に手ェ抜いて掛かる方が失礼ってなモンよ
とくと見てなせえよ、唯妃――これが迷宮絶対攻略法『左手の法則』でさァ!

説明致しやしょう!
『左手の法則』とは!
こうして壁に手ェ付いたままにひたすら歩いて行けば、遠回りにはなりやすが、迷宮の輪郭を内からなぞり抜き、いずれ必ずゴールに辿り着くってェ禁断の秘儀でござんす!
この通り左手は塞がっちまいやす故、そら唯妃、この右手がお前さんを引きやしょウオオオオオ(不可逆に歩き続ける為、おばけにまとわりつかれまくる羽目になるという大失策)


アッ成る程……
そうか暗号……
むむっ、隠し通路……?
(結局唯妃の援護頼みで迷宮を往く)


 ハロウィンカラーに彩られた遊園地は、まるで別世界。
 魔女の帽子をかぶったスタッフが列の整理をしているかと思えば、あちらではジャックオーランタンがふらふらと歩き回っている。
 翻る旗も飾りつけも、どこもかもハロウィン一色だ。
「パラドクストレインに乗るまでもなく、見慣れた街並みがこうも変化するのは面白いですよね」
 世界が塗り替えられたようだと、黄泉王・唯妃(灰色の織り手・g01618)はこの時期だけの景色を目に収める。
 ハロウィンの世界に入るのだからと、唯妃も仮装を身に着けている。黒い着物と袴に日本刀。右目を囲むマスク。髪を高い位置でひとつに結んだその姿は、きりりとした剣士か死神か。
 一緒に遊園地にやってきた奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)は、仮装はせずにいつも通りの恰好だ。いつも通り……すなわち、肩肌脱ぎの白い着物から全身ぐるぐるに包帯巻きした身体を覗かせ、その上に黒の上衣を引っかけている、という普段着だ。
「年がら年中ミイラの扮装をしているようなあっしじゃァありやすが、今日ばかりは仮装なすった人様の波に紛れちまいまさァな」
 カハハと笑う娑婆蔵だが、すれ違う人の中にはぎょっとしたように立ちすくむ者がいる。
「なんでえ? あっしの後ろに何ぞおりやす?」
 振り返ってみたが、何もいない。何だろうと首をひねっている娑婆蔵に、
「娑婆蔵さん、後ろ後ろー」
 唯妃がぼそりと呟いた。
「何ぞ言いやしたか?」
「いえ別に。さて娑婆蔵さん、折角だから遊んでみませんか?」
 話を変えるように言う唯妃に、左様でござんすね、と娑婆蔵は周囲を見回した。
「積極に挑めるような遊びの類も悪かねえ――ありやしたぜ! 脱出ゲェーム!」
 指し示すその先には、『にげだせおばけの国』と書かれた看板があった。

 ガチャンと音を立てて、これ見よがしに大きな鍵がかけられる。
 これでもう、謎を解かない限りここからは出られない。
「ほう、これはガチで来やしたね」
 さあ解いてみろと言わんばかりの状況に、娑婆蔵の闘志に火がつけられる。大人気ないとは思いつつも、こうも大掛かりな仕掛けをどんと出されたら、手を抜いてかかるほうが失礼というものだ。
「まずはこの迷宮でしょうか。いかにも何か隠されていそうです」
「よござんしょ。とくと見てなせえよ、唯妃――これが迷宮絶対攻略法『左手の法則』でさァ!」
 バン、と勢いよく娑婆蔵は左手を壁につけた。
 説明しよう! 左手の法則、それはすなわち。
「こうして壁に手ェ付いたままにひたすら歩いて行けば、遠回りにはなりやすが、迷宮の輪郭を内からなぞり抜き、いずれ必ずゴールに辿り着くってェ禁断の秘儀でござんす!」
「なるほど、それなら迷う心配はありませんね」
「その通りでさァ。この通り左手は塞がっちまいやす故、そら唯妃、この右手がお前さんを引きやしょう」
 差し出された娑婆蔵の右手に手を預け、唯妃も歩き出す。
 迷宮の中もハロウィン仕様になっており、壁には不気味な夜の風景が描かれ、上からはコウモリがぶら下がり、あちこちにカボチャが積まれている。
「ちょいとこの南瓜が邪魔でござんすが……」
 壁から手を放すまいと無理な体勢になったりもしながら、娑婆蔵は迷宮を歩く……歩く……歩いて……歩き続けて……。
「ウオオオオオ」
「なんかおばけにたかられてますけど」
 ハロウィンの雰囲気を楽しんでいたけれど、さすがにこれは迷いすぎではないかと唯妃は思った。
 左手の法則には弱点があって、入口とゴールの壁が繋がっていないと役に立たない。そして隠し扉などには対応できず、あるいは時間で変化する道に翻弄されたり、などのことも起こり得る。
 一緒に迷っているのもそれはそれで面白いのだが、さすがに纏わりついてくるおばけの数がこのまま増えていったら厄介だ。
(「仕方ありません、ここは私がさり気無い気遣いが出来る良妻賢母として謎が解けるように誘導して差し上げましょう」)
 唯妃は【強運の加護】をしれっと発動した。周囲が黄金に輝き出す。
「ンン? 妙に明るくなりやしたね」
「きっと演出でしょう。おや、娑婆蔵さん。その数字の羅列ですけど確か先ほど別の場所でも見かけたような」
「そうか暗号……」
 思い当たった娑婆蔵は、ふむと考え込む。
「それにほら、そこの壁も何かおかしくないですか?」
 唯妃が指した不自然に壁に走る線を、娑婆蔵は指でなぞった。ちょうど人が通れるほどのサイズで、ぐるっと四角く溝が巡っている。
「むむっ、こいつァもしや隠し通路じゃありやせんか……?」
「隠し通路? それならどこかに開ける方法がありそうですが」
「開ける方法……暗号の類でやすかねェ……」
 娑婆蔵の呟きに、やったとばかりに唯妃は指摘する。
「そういえばさっき、娑婆蔵さん、暗号って言ってませんでしたか」
「アッ成る程……となればあの数字を」
 唯妃の誘導、もとい、助言を受けながら、娑婆蔵はぞろぞろとおばけを引き連れたまま、謎を解いてゆくのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【パラドクス通信】がLV2になった!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!

一角・實生
水蓮寺さん(g08972)と

地獄変のエネルギーを集積できるようだし、折角来たんだ。楽しんで貢献もしよう
手掛かりを集めて鍵を見つければいいんだよな
行こう、ふたりで頑張ろうか

これ、多分手掛かりだ
堅実に丁寧に領域を見て回る

謎のボタンは逡巡後に押す
うわ、水蓮寺さんごめん!
被害を被ったのは彼女だったり
俺はここ。隣……だと思う

足を踏み入れた場所で警報が鳴り響いたり
水蓮寺さん、逃げよう。変な匂いがする

最後の手掛かりは観覧車から見つけるらしい
俺も乗るのは初めてだから楽しみ
……自分で飛ぶのとは違うな

え、どこに――
顔の近さに一度だけ心臓が大きく鳴るけれど
……大丈夫かい?
痛そうな彼女に苦笑い

でも、これで手がかりは揃った
集めた数字「1020」を入力すれば鍵への道は拓けそうだ
降りる際に頭をぶつけた彼女の姿が蘇る
水蓮寺さん、頭気を付け――
振り返りざまに出入口で額を強打したのは俺

祈る彼女を見守る
置いてけぼりにならないよう皆で向かうんだよ
そっと手を振って

飴、水蓮寺さんの顔より大きいな
俺のもどうぞ
揶揄って反応を楽しもう


水蓮寺・颯
實生さん(g00995)と

あはは…お化けって聞いて引っ張って来ちゃいましたけど、危険なものじゃないみたいですね…すみません。

はい!よろしくお願いします!
彼に付いて歩くけど、實生さんがしっかりし過ぎて僕、何の役にも立ってな…ひわっ!?何!?實生さんどこ!?
隣…手探りで探すも見つからず涙目

な、何この刺激臭…けほ

観覧車…僕、初めて乗ります!
わくわくして見下ろしていたら
あっ實生さん、あれ、数字じゃありませんか!?あそこの…っ!?ぅ痛っ!!
思いの外近づいた顔にぶわっと頬が熱くなり、身を引こうとして後頭部を強打。
彼の方はなんともなさそうだし…うぅ、恥ずかしい。
って實生さん!?大丈夫ですか!?

脱出間際、袖を引かれて
?…あ。ちょっと待ってください。
大丈夫ですよ、皆さんが寂しい思いをしなくて済むように、僕が仏様にお願いしますからね。
数珠を鳴らして、彼らの為に唱えます。

こ、こんなに…これどうしたら…
(巨大なペロキャンを持って右往左往)
えええっ!?待っ…食べ切るまで何もできないじゃないですかぁ…


(アドリブ◎)


 お化けの結界に人が閉じ込められる事件発生。
 すわ一大事、とばかりに一角・實生(深い潭・g00995)を引っ張ってやってきた水蓮寺・颯(灼がて白く・g08972)は、カラフルな看板に躍る『にげだせおばけの国』の文字を呆然と見上げた。
「あはは……お化けって聞いて引っ張って来ちゃいましたけど、危険なものじゃないみたいですね……」
 すみません、と颯は頭を下げた。
 實生は受付横に書かれている説明を読んでみる。どうやら、手掛かりを集めて鍵を見つける脱出ゲームのようだ。
「気にしなくていいよ。地獄変のエネルギーを集積できるようだし、折角来たんだ。楽しんで貢献もしよう」
「いいんですか?」
「ああ。行こう、ふたりで頑張ろうか」
「はい! よろしくお願いします!」
 しゅんとしかけていた颯は、顔をあげてにこりと笑った。

 閉じ込められてしまったおばけの国から出るためには、各アトラクションに隠されている謎を解かなければならない。
「順に見て行こうか」
「はい、行きましょう」
 颯は、アトラクションの領域を見て回りだした實生についてゆく。
「たぶんこれだな。仕掛けを発動させないといけないようだが……これかな? うーん、他に考えられないから押してみようか……」
 謎を調べる實生は堅実かつ丁寧で、
「僕、何の役にも立ってなくてすみません」
 後ろについて歩いてるだけになってしまっている颯が、何か手伝うことは……ときょろきょろしていると。
 プシューッ。
 不意に顔面を直撃してきた煙で、颯の視界は真っ白になる。
「ひわっ!? 何!? 」
「うわ、水蓮寺さんごめん!」
 そっちに被害がいくとはと、實生は煙を止めようとボタンを押すが、煙は噴き出してくる一方で。
「實生さんどこ!?」
「俺はここ。隣……だと思う」
「隣……」
 真っ白な煙の中、颯は手探りしてみるが手はすかっすかっと空振りするばかりで。
 涙目になったところで、にゅっと伸びてきた手に腕を掴まれた。
「うわわーっ!」
 おばけに掴まってしまった! 焦る颯だが、その手の先には心配そうな實生の顔が。
「水蓮寺さん、大丈夫か? まさかそっちに噴射口があるとは思わなくて悪かったな」
「實生さーん!」
 ふにゃっと颯の顔が安堵に崩れた。

 おばけをテーマにした脱出ゲームには、はらはらする展開も盛り込まれていた。
 とある部屋では、足を踏み入れると突然警報が鳴り響いて。
「水蓮寺さん、逃げよう!」
「逃げるってどこへです?」
「どこでもいい。とにかくここは危険だ。変な臭いがする」
「変な? ……な、何この刺激臭……けほ」
 つんとする臭いをうっかり吸ってしまった颯がむせる。
「息を止めて……走って!」
「んんん~っ!」
 息を止め必死に走って逃げる……なんてことも。

 それでもなんとか謎を解き、最後の手掛かりを求めてやってきたのは観覧車。
「観覧車……僕、初めて乗ります!」
「俺も乗るのは初めてだから楽しみだ」
 一周約15分の空中散歩。
 ゆっくりと地上が遠ざかっていく。
「……自分で飛ぶのとは違うな」
「實生さん見てください。さっき通ったところが……あれ?」
 わくわくと見下ろしていた颯が、側面のガラスに顔を寄せた。
「あれ、数字じゃありませんか!? あそこの……っ!?」
「え、どこに?」
 颯が見ている場所を探し、實生もガラスの向こうをのぞき込んだ。
 ――顔が近い。
 實生の心臓が一度だけ、どくんと大きく鳴る。
 息がかかりそうな距離に、颯はぶわっと頬が熱くなり、慌てて身を引こうとした拍子に、
「ぅ痛っ!!」
 後頭部を強打した。
「……大丈夫かい?」
「痛い……けど大丈夫、です……」
 痛みよりも自分の焦り具合が恥ずかしい。實生は意識していなさそうなのに、と颯はちらりと視線を向ける。
 その視線には気づかず、實生は見つけた数字をメモに書きつけた。
「でも、これで手がかりは揃った。集めた数字を入力すれば鍵への道は拓けそうだ」
「脱出は近いですね」
 観覧車はゆっくりと地上へ降りてゆく。
 さあ降りよう、というときに、實生の脳裏にさっき頭をぶつけていた颯の姿が甦った。これ以上、頭をぶつけたりしないようにと、實生は声をかける。
「水蓮寺さん、頭気を付け……」
 ゴツッ。
「實生さん!? 大丈夫ですか!?」
 出口で頭を強打した實生に、颯が悲鳴のような声をあげた。

 解けた謎の数字を入力すれば、外への扉が開く。
「あ、實生さんちょっと待ってください」
 出ようとした颯はおばけに袖をちょんと引かれ、数珠を手に向き直る。
「大丈夫ですよ、皆さんが寂しい思いをしなくて済むように、僕が仏様にお願いしますからね」
 数珠を鳴らしておばけたちのために祈る颯を、實生は見守って。
「置いてけぼりにならないよう皆で向かうんだよ」
 そっと手を振ると、おばけの国から脱出した。

 脱出の記念品は大きなハロウィンペロペロキャンディ。
「こ、こんなに……これどうしたら……食べ切るまで何もできないじゃないですかぁ」
 想像以上の大きさに困惑する颯に、實生は自分の分も渡す。
「飴、水蓮寺さんの顔より大きいな。俺のもどうぞ」
「えええっ!?」
 両手に持った巨大ペロペロキャンディを交互に眺め、颯は途方に暮れるのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【現の夢】LV1が発生!
【平穏結界】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!

美空・旭
 これだけでもコスプレ……ぽいですかね? フランケンシュタインって、誤解されがちですが本来怪物を生み出した科学者の方の名前ですし。(白衣を着てみて。しかし、小柄さも相まって袖余りの萌え袖状態)
 それはともかく、こういう頭の体操もたまには良いものです。
(カボチャランタンが並ぶ床を見て)ふむふむ、なるほど。この2か所で重さの違うカボチャランタンを同じ重量になるように移動すればいいと……意外と凝ってますね。
 (しかしいざ重りのランタンを持つと萌え袖に苦戦して)持ちにくい……いや脱げばいい話なんですが脱ぐとシャツ1枚なので参加者の視線が気になるんです。しかし、一向に開かない扉。
「妙ですね? ちゃんと重量のバランスはとっているはず……」
(困惑してウロウロすると不意に扉が開いたり閉まったり)
 オカルト現象!? ではなく、そこで気付いて溜息。
 ああそうですか、私の体重にまで反応してしまっていると。(気付いて移動すると扉が開き)
 ……重いと言われているようで面白くないですが、ギミック自体は楽しめました。


 せっかくのハロウィンイベントだから是非仮装姿で。
 そう勧められた美空・旭(悪辣軍師・g02138)は、用意されている貸出衣裳を眺めた。
 童話モチーフのもの、古典的な吸血鬼やジャックオーランタン、本格的なゾンビや着ぐるみ、などなど。種々雑多な衣装がある中から旭は、白衣を手に取った。
「これだけでもコスプレ……ぽいですかね?」
「マッドサイエンティストとかですか?」
 スタッフに聞かれ、そうとも言えるでしょうか、と旭は上着を脱いで代わりに白衣を羽織る。
「フランケンシュタインって、誤解されがちですが本来怪物を生み出した科学者の方の名前ですし」
 用意されていた白衣は、小柄な旭にはぶかぶかで裾が床につきそうだ。そして袖の長さも余って完全な萌え袖状態。けれど、
「いいです! バッチリです。これ以外ありません!」
 スタッフの琴線に触れたのか、滅茶苦茶推されたので、旭はその恰好で脱出ゲームに参加することにした。

 おばけの国に散りばめられた謎は、暗号だったり、パズルだったり、謎かけだったりと様々だ。すべてを解かなくても、規定以上の謎を解けば外への道が開けるらしい。
「こういう頭の体操もたまには良いものです」
 普段と違う頭の使い方をするのは、それもこういう道具立ての中でするのは面白い。
 目下旭が取り組んでいるのは、カボチャランタンの並べ替えパズルだ。
「ふむふむ、なるほど。この2か所で重さの違うカボチャランタンを同じ重量になるように移動すればいいと……意外と凝ってますね」
 持てるランタンには条件があって、それを満たしつつ、目標とする重量に合わせなければならない。
「こうして、こう……」
 頭の中でシミュレートすると、旭はランタンを持ち上げた……が、持ちにくい。
 原因は白衣の長い袖だ。だが白衣を脱ぐとシャツ1枚。それをモニターにでかでかと映されるのは抵抗がある。
 よちよちとなりながら、旭は苦労してランタンを並び替えた。しかし扉は一向に開かない。
「妙ですね? ちゃんと重量のバランスはとっているはず……」
 困惑してうろうろすると、扉が開いた。
「あ」
 そして閉まる。
「オカルト現象!?」
 驚いた直後に、旭は気づいてため息をついた。重量を感知する範囲が旭の思っているより広くて、体重に反応しているのだ。
「……私が重いということですか?」
 ちょっと面白くないような気はしたが、ギミックとしては面白い。
 ランタン置き場から離れ、旭は見事開いた扉をくぐった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【平穏結界】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

甘花・蜜充
まつゆ(g03996)と参加
アドリブ◎

脱出ゲームははじめてだけれど、楽しみながら脱出できるといいわね。
あら、まつゆは経験があるのね。それじゃあ頼りに……(言いかけて首を振って)行きましょうか。

えぇと、ここは正しいボタンを押すと扉が開くのね。
だけどおばけの悪戯に注意……え、おばけ……?(きょろきょろ警戒)
とにかく、ボタンの謎を解くのよね。
ヒントは月と星の通り道って言葉とカタカナがたくさん書いてあるわ。
月のイラストと星のイラストの間のカタカナはフ、ク、ロ、ウ……フクロウのボタンが正解ということかしら。
ちょ、ちょっとっ……落ち着きなさいよ、まつゆ。目が回っちゃうわ!

フクロウのボタンで開いたわね。じゃあ次に……きゃっ!?
扉の向こうからおばけがたくさん……!

びっくりしたのと少し怖いのとで進めずにいたのにいつの間にかまつゆはどんどん進んでしまっていて

あ、ちょっと、まちなさいよ、まつゆ!
……べ、べつに、ちょっとびっくりしただけよ。
おんぶなんてしなくていいわ!

そう言いつつまつゆの服を指先で摘んで進む


葉切・松露
みつみちゃん(g05453)と

おれは一回やった事あるです!脱出ゲーム!
大舟に乗ったつもりでいるといーですよ!
……謎解きはお任せするかもですけど。

えーと、こうかな?お、開いたです!なんか可愛い絵がいっぱい描いてあるですよみつみちゃん。
ん?どしたですか、きょろきょろして。今日のみつみちゃんは何だか野うさぎみたいですねぇ。
月?星?ロケットが要るですよ……
えっすごい!ほんとだ!フクロウ!!さぁっすがみつみちゃん!天才!!
テンション上がってみつみちゃんの両手を掴んでぐるぐる回るです。
ごめんごめん、おれもちょっと目ぇ回ったです。

じゃあ早速行くですよ!!みつみちゃんも早く!!
すったかたったか進もうとしたら止められて。
何ですか?え?おばけ?
大丈夫ですよぅ、何もしてこないですから!
腰抜けてないですか?おんぶしましょーか?

素直じゃないなぁ、なんて呟いて。
つままれた服が離れないように、今度はゆっくり歩いて進むです。

(アドリブ◎)


 大変、おばけの国に閉じ込められちゃった!
 ハロウィンが終わる前に脱出しないと、ここから出られなくなっちゃう。
 さあ、急いで。
 脱出ゲームの始まりだ。

「脱出ゲームははじめてだけれど、楽しみながら脱出できるといいわね」
 どんな謎が待ち構えているのだろう。甘花・蜜充(ドリームキャンディ・g05453)に不安とわくわくが湧き上がる。
「おれは一回やった事あるです! 脱出ゲーム!」
 葉切・松露(ハキリアリのきのこ農家・g03996)は、大舟に乗ったつもりでいるといーですよと胸を張ったあと、
「……謎解きはお任せするかもですけど」
 と付け加えた。
「あら、まつゆは経験があるのね。それじゃあ頼りに……」
 言いかけた語尾を蜜充は首を振って散らすと、行きましょうかと歩き出した。

 ヒントの書かれた紙を見つけて、次の場所への鍵を探して。
 様々な難易度の謎を、楽々、あるいは頭を悩ませつつ解いてゆく。
「えーと、こうかな?」
 松露がジャンプして天井から下がっているレバーを引くと、ぽかりと通路が口を開けた。
「お、開いたです!」
 すぐさま通路に飛び込んで、松露はぐるりと部屋を眺め渡した。
「なんか可愛い絵がいっぱい描いてあるですよみつみちゃん」
 おすまし黒猫がつんと喉を逸らし、シルエットになった木には蜘蛛が巣をかけて、枝ではフクロウがウインク。ひとつずつ文字が入ったコウモリが、あちらにもこちらにも飛んでいる。
 赤々と燃える焚火。ぐらぐら煮えている大釜。
 カラフルなイラストの隣には、それぞれボタンがついている。
 そして正面の扉にはこんなヒントがかかれていた。
『月と星の通り道。間違えずにボタンを押せるかな。おばけのいたずらにも注意だよ』
「え、おばけ……?」
 どこからかおばけが来るのだろうか。蜜充はきょろきょろと辺りを見回した。
 こっちから? それともあの陰から来たり?
「ん? どしたですか、きょろきょろして。今日のみつみちゃんは何だか野うさぎみたいですねぇ」
「な、謎のとき方を考えていただけよ。えぇと、月と星の通り道……」
 周囲を気にしながらも、蜜充は平気なふりで謎解きに取り組む。
 部屋の壁に三日月が描かれている。少し離れたところにはお星さまも。
「月? 星? 通るにはロケットが要るですよ……」

 うーんと松露が考え込む。
「月……」
 蜜充は壁に描かれた月をさした指を、
「星……」
 すうっと星まで動かしてみた。
「月と星の間を飛んでいるコウモリの文字、カタカナで『フ』『ク』『ロ』『ウ』……フクロウのボタンが正解ということかしら」
「えっすごい! ほんとだ! フクロウ!!」
 自分も文字を順に辿った松露は、
「さぁっすがみつみちゃん! 天才!!」
 蜜充の両手を取って、ぐるぐると回りだした。
 回るうちにだんだん勢いがついてきて、蜜充は飛ばされないようにぎゅっと松露の手を握る。
「ちょ、ちょっとっ……落ち着きなさいよ、まつゆ。目が回っちゃうわ!」
 あ、っと気づいて、松露は回るのをやめた。
「ごめんごめん、テンション上がって回っちゃったですよ」
 謝りながら、ととと、っと松露はたたらを踏んだ。
「おれもちょっと目ぇ回ったです」
「気を付けないと転ぶわよ。ボタンを押してくるからまっててちょうだい」
 蜜充が壁に描かれたフクロウの横にあるボタンを押すと、扉が開く。
「じゃあ次に……きゃっ!?」
 開いた扉の向こうには、おばけがたくさん……。
「じゃあ早速行くですよ!! みつみちゃんも早く!!」
 めまいから立ち直った松露が、元気に扉をくぐってゆく。おばけが両手をあげて唸るが、松露を脅かそうとするだけで、通る邪魔はしてこない。
「こっちも、がおーですよ!」
 おばけの真似をして脅かし返しながら、松露はすったかたったか進んでゆく。
 けれど、蜜充は動けずにいた。
 その間にも松露はどんどん進んでいってしまっていて。
「あ、ちょっと、まちなさいよ、まつゆ!」
 呼び止めた蜜充の声がつい大きくなってしまったのは、置いて行かれてしまうかもしれないという不安の所為だ。
 だが松露はすぐに振り返ると、蜜充のところに駆け戻ってきた。
「何ですか?」
「おばけが……」
「おばけ? 大丈夫ですよぅ、何もしてこないですから!」
「そうかもしれないけど」
 蜜充も頭ではそう分かっている。けれど一度止めてしまった足を動かすには、ちょっと勇気が足りなくて。そんな蜜充の顔を、松露は覗き込む。
「腰抜けてないですか? おんぶしましょーか?」
 くるっと背を向けてしゃがむ松露に、蜜充は慌てて首を振った。
「ちょっとびっくりしただけよ。おんぶなんてしなくていいわ!」
 おんぶされるのは恥ずかしい。その気持ちが蜜充の硬直を解いた。けれどやっぱり恐ろしげなおばけがうろうろしているところを通るのは、少し怖くて。
 蜜充は松露の服を指先で摘んだ。
「ほら、行くわよ」
 それでも強がる蜜充に松露は、素直じゃないなぁと呟いて。
 摘ままれた服が離れたりしないように、今度はゆっくりと歩いておばけの間を通り抜けてゆくのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【傀儡】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!

ソレイユ・クラーヴィア
【WWK】
アドリブ歓迎

ジャージ(青)とTシャツを着用
シャムスの総括には深く頷き

今年もゆーかりを齧る季節がやってきましたね
様々なこあらとの出会いが、こあらの絆を強くする
お化けこあらの謎を解き、こあらワールドの素晴らしさを世界中に発信すべく
さあ、行きましょう
謎は全て食べた…!
灰色の脳細胞がこあらーと啼く時、全ての謎は食べ尽くされる運命なのです

あ、ユーカリは有毒ですから、良い子は真似しちゃ駄目ですよ☆(ユーカリむしゃあ)

菜芽の部屋からの脱出手腕は流石WWKの会・会員の手際ですね!
次は木に登ってみましょう
こあらとは木に登るもの
謎は現場に戻ってくるとも聞きます(聞きません)

登れば、目の前をエグい角度で下るこあらコースターが
これは乗るしかありません
こあらの導きに従うのです
世界的な名探偵こあらは、きっと世界を股にかける冒険家インディ・こあらでもあったかもしれません
安全バーを握りしめ、いざ出発です!

あ、コースの途中の池にも、光が見えましたよ
シャムスと菜芽が見つけた暗号を合わせれば、鍵の在処が分かるのでは


島江・菜芽
【WWK】
オレンジ色ジャージ着用
現代っ子の常識人でツッコミ要員

謎解き頑張りましょうね!
って謎を食べるんかぁい!(HARISEN炸裂)

ソレイユくん毒だとわかってユーカリ食べちゃう!?
復讐者だからこそ出来る芸当!
良い子はまねしちゃだめだよ、絶対!
(カメラ目線でダメ、絶対をアピール!)

えっと…まず、閉じ込められた部屋(スタート地点)から出ないと!
入ってきた扉にはお化けが通せんぼ? 他に出口は…
乱雑に置かれた置物や、調度品調べて…マロさんが匂いで教えてくれた隠し扉を開くと迷路が
縋り付く幽霊達を皆で躱して迷路を爆走、途中とおった分かれ道の記号を繋ぐと…KOARA!?
こんな偶然ってアリ!? 何処までこあらに付いてるのっ!?
沢山の扉の中からはこあらのマークの扉で決まりだね

外に出たらソレイユくんが木に登ってる!
ソレイユくん、だんだんこあらに近づいてきてる?最終形態(ネメシス)でこあら化しちゃう!?
シャム兄はジェットコースターに乗る気満々、スタッフより手際良いし
謎解きどこいったぁーーー(コースターで絶叫)


シャムス・ライラ
【WWK】
黒ジャージとこあらのお面
帰ってきたWWK!
素敵な生物「こあら」を求めグローバルに活動する友の会
「人生いたる所にこあらあり」を痛感した一年
オーストラリアでは原初のこあら
ゴンドワナではマッスルを称え合う巨獣こあら
「名探偵こあらの事件簿」はパルマっ子にも大好評
きっとこれからも未知のこあらに出会える
こあらは可能性の生物
もしやここにはおばけこあらが?
では今回も張り切って
「謎は全て食べた…!」(きめポーズ☆)

謎解きはジェットコースターで
(最後まで縋り付いてきたおばけさんに)
本当に寂しがり屋なのですね
わかりました
慈愛に満ち大地を潤すこあらの如く我らもおばけさんを拒みません
一緒に乗るが宜しいですよ
ソレイユ、菜芽、おばけさん、安全装置はロックしましたか?
風のようですねーっ
ところでどの辺りに謎がーっ
おや、おばけさんどうしましたーっ?
(振り返り)
上から見たイルミネーションが暗号のヒントになっているようです
これで三つヒントが揃いました
こあらの導きで謎も瞬く間に氷解ですね
※謎の内容はお任せ

アドリブ等歓迎


 遊園地のあちらこちらに設置されたモニターでは、ハロウィンの脱出ゲーム『にげだせおばけの国』に挑戦する人々がライブで映し出されている。
 今映っているのはお揃いのTシャツの上に、黒、青、オレンジのジャージを着た三人組だ。胸元にはKの文字とこあらがデザインされた、WWKの会の会員バッジ。そう、彼らこそ。
「帰ってきたWWK! 我ら、素敵な生物『こあら』を求めグローバルに活動する友の会!」
 こあらのお面をかぶったシャムス・ライラ(極夜・g04075)がカメラ目線で名乗りをあげる。
 脱出ゲームファンの中には、去年江戸川区臨界球技場で開催されたハロウィンの脱出ゲームでの、彼らの雄姿を思い出す者もいるかもしれない。
 あれから一年が経つのかと思えば感慨深い。
「『人生いたる所にこあらあり』を痛感した一年でした。ゴンドワナではマッスルを称え合う巨獣こあらとの出会いがあり、オーストラリアでは原初のこあら。そして『名探偵こあらの事件簿』はパルマっ子にも大好評」
 しみじみと振り返ると、シャムスはこあらのお面の向こうに未来を見る。
「きっとこれからも未知のこあらに出会えることでしょう。そう、こあらは可能性の生物なのですから。もしやここにもおばけこあらがいるかもしれません」
 シャムスの語りに、ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は深く頷く。
「様々なこあらとの出会いが、こあらの絆を強くする。おばけこあらの謎を解き、こあらワールドの素晴らしさを世界中に発信するのです」
「謎を解き、って言うけどそもそもおばけこあら、いるの?」
 島江・菜芽(雪の妖精☆・g06056)は想像しようとしてみたが、浮かぶのはおばけこあらというよりは、コスプレこあらばかりで。そもそも、ハロウィンとこあらの組み合わせが難しい。
 むむむと唸る菜芽に、ソレイユは厳かに告げる。
「いると思えばこあらはどこにでもいるのです。――さあ、新たなこあらを求めて行きましょう!」
「これ、こあらハントじゃなくて脱出ゲームだよねっ?」
 ゲームのテーマはどこ行った? 思わず突っ込む菜芽を横目に、シャムスがシャキーンとポーズを決める。
「謎は全て食べた……!」
「謎は全て食べた……!」
 即座にソレイユが続いたが、菜芽は、
「謎を食べるんかぁい!」
 すぱーんとハリセンを炸裂させる。
「もちろん食べますよ。灰色の脳細胞がこあらーと啼く時、全ての謎は食べ尽くされる運命なのですから」
 それでも動じず、ソレイユはユーカリを取り出し、
「あ、ユーカリは有毒ですから、良い子は真似しちゃ駄目ですよ☆」
 良い笑顔で、むしゃあと齧る。
「ソレイユくん毒だとわかってユーカリ食べちゃう!?」
 あせあせっと、菜芽はカメラに向かって両手でバッテンを作った。
「真似しちゃダメ、ゼッタイ!」

 こあらアピールを終えると、いざ謎解き。
「頑張りましょう! まずはこの部屋から出ないと……」
 薄暗い魔女の部屋。入ってきた扉はおばけが通せんぼ。他に扉らしきものはない。
 本棚、薬品棚、机、大釜、不気味な調度品……どこかに手掛かりがあるはずだけれど。腕組みした菜芽に、パンツァーハウンドの『マロ』さんがちょいちょいと壁を引っ掻いてみせる。
「マロさんも外に出たい? ん、外?」
 壁を調べてみると、模様に紛れて隠し扉があった。
「あった! シャム兄、ソレイユくん、ここから先に進めそうだよ」
 やった、とばかりに菜芽は扉を開け、先を覗いてみる。
「この先は迷路かー。『おばけから逃げながら、分かれ道を集めろ』? 集めろってどういうこと?」
 首を傾げながらも迷路に入ると、おばけが寄ってくる。縋りつくおばけをかわしながら、迷路を爆走していた菜芽は、分かれ道にKのアルファベットが書かれているのに気づいた。
 そして次の分かれ道にはA。
「わかった! 分かれ道のアルファベットを集めるんだね」
 迷路を走り回って集めたアルファベットは、K、O、A、R、A……あれ?
「こんな偶然ってアリ!?」
 どこまでこあらづいているんだろうと思いながら、菜芽はこあらのマークのついた扉へと飛び込んだ。

 扉を出れば、そこは外。どうやら正解の扉を選べたようだ。
「菜芽の部屋からの脱出手腕は流石WWKの会・会員の手際ですね!」
 菜芽について迷路の外に出たソレイユは、おもむろに木に近づいた。
「これに登ってみましょう。こあらとは木に登るもの。謎は現場に戻ってくるとも聞きます」
 案外器用にソレイユは木に登ると、枝にゆったりと身を持たせかけた。
 こあらもこうして、悠然と木の上で暮らしているのだろうか。なんと贅沢な時間を過ごしているのだろう。
 優雅な樹上のひとときを過ごすソレイユを見上げながら、菜芽はちょっと心配になる。
「ソレイユくん、だんだんこあらに近づいてきてない? このままだと、最終形態(ネメシス)でこあら化しちゃう!?」
 こあらーこあらーと鳴くソレイユを想像して菜芽は青くなる。
 そんな菜芽の心も知らず、ソレイユは空を見上げ……その目に、エグい角度で下るジェットコースターが映った。
 そのスピード、その偉容。
 とびきりのスリルとスピード、最高速度は100キロをゆうに超えるジェットコースター。こあらの気持ちで木に登ったところに示されたこれは、まさしくこあらの導き、こあらコースター。
「これは乗るしかありません」
 ソレイユはするすると木から降り、ジェットコースターへと向かう。
「えっ、乗るって……これに?」
「謎解きはジェットコースターで、ということですね。行きましょう」
 迷路で縋りつかれたおばけをまだ引きずっているシャムスが、得たりとソレイユに続いた。普段は大行列のアトラクションだが、この辺り一帯が脱出ゲームの会場となっているため、並ぶことなく乗り場まで行けるのが有難い。
 なんとなく、縋りついたままついてきてしまったおばけに、シャムスは温かな眼差しを向ける。
「おばけさん、本当に寂しがり屋なのですね。――わかりました。慈愛に満ち大地を潤すこあらの如く我らもおばけさんを拒みません。一緒に乗るが宜しいですよ」
 シャムスはさあさあと手際良く皆をジェットコースターに乗せると、最後に自分も乗り込んだ。
「ソレイユ、菜芽、おばけさん、安全装置はロックしましたか?」
「うん、したよ……ってか、シャム兄、スタッフさんの出番が無くなってるんだけど……」
 菜芽はあははと笑って、かぶのランタンをぶらさげているスタッフに手を振った。
「世界的な名探偵こあらは、きっと世界を股にかける冒険家インディ・こあらでもあったかもしれません。いざ冒険に出発です!」
 鳴り響く発車ベルに、ソレイユは安全バーを握りしめた。
 動き出したコースターはゆっくりと登ってゆく。まだ登るのか……というほど高くまで登ると、ふわっと降下。あれ、こんなものか、と拍子抜けしたそのとき、頭から真っ逆さまに落ちるような急降下が始まる。
「風のようですねーっ」
 座席から飛び出しそうなくらい左右に振られながら、シャムスが気持ち良さそうに声をあげた。
「謎解きどこいったぁーーー!!」
 菜芽の絶叫に、はたとシャムスは目的を思い出す。
「ところでどの辺りに謎がーっ」
 きょろきょろと見回すシャムスを、おばけの手がつついた。
「おや、おばけさんどうしましたーっ?」
 おばけが指さす方向に、きらきらとイルミネーション……もしやあれは。
「コイン……でしょうか」
「あ、コースの途中の池にも、光が見えましたよ。あれはリンゴでしょうか」
 ソレイユが見つけたヒントはリンゴ。
「さっきのスタッフの人、ランタン持ってたよね」
 菜芽が見つけたのは、カブのランタン。
 悪魔をコインに変えて、林檎を取ってと登らせた木に十字架を刻んで出し抜いて。けれど最後には、どこにも行けなくなってカブのランタンを持ってさ迷い歩く。
 それはだぁれ?
「こあらの導きで謎も瞬く間に氷解ですね。次はジャックオーランタンを探しましょう。よろしければおばけさんもご一緒に」
 シャムスに言われ、コースターから降りたおばけはちょっと考える様子だったが
 よいしょ、とシャムスのジャージに縋りついた。邪魔をするつもりか、手伝ってくれるつもりかは分からないが、このまま一緒に来るようだ。
「シャム兄のジャージ、伸びそう……」
 びろーんと引っ張られているジャージに菜芽は目をやった。
「さあ、次の謎を求めて行きましょう。おばけも皆、WWKの仲間です!」
「待ってソレイユくん、さりげなく会員増やそうとしてない?」
 ツッコミが追いつかないとぼやきながら、菜芽はソレイユと、シャムス&おばけとともに、次の謎に向かうのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】LV2が発生!
【未来予測】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV5になった!

ベロニカ・バーゲスト
くー(g05079)と!

脱出ゲームはじめて!
ほんと?じゃあくーが居たら百人力だ!
くーはおばけ大丈夫?
こわかったらニカに任せてね
ニカピエロがいっぱいおばけを笑わせて、こわいのどっかへ飛ばしてあげる!

よーし、いっくぞー!
元気満タン意気揚々
メッセージに首を傾げ
おばけに追いかけられて鏡のお部屋に飛び込んだ

わぁ!ほんものがわからなくなっちゃいそう!
それじゃあいってみ(ごん)
いたたた……え、どっちに(ごん)
くー大変、ここカベしかない!
……くーどこ!!ネネもどこ!

くーも、ジンの黒兎ネネも、姿は映るのにどこにもいなくて
べちべちぶつかりながら歩いてくうち
しょんもりピエロになってべそをかきそうになるけど
二人が見つけてくれたらもう大丈夫

くー!ネネ!会えた!

あ、ほんとだ!じゃあせーのっ

一緒に開ければ無事お外
よかったって安心して

にしし、それならね。だいじょぶ、ニカ見つけてるよ
からっぽになったニカの中に
カガミのお部屋のぼーけんや色んな思い出
いっぱい笑って楽しかったきもちがあるから
もうからっぽじゃないんだって笑うの


クーガ・ゾハル
ニカ(g06414)と

おれも、こういうのはじめ……
――あ、ドレイ小屋からにげるとき、やったな
ヨシ、やれる気がしてきた

オバケ、見たことないから、わからないが
ニカだけおいて、にげたりはしないぞ
おれもヘン顔で、笑わせてやるからな

ピエロニカと、サイバーバケネコすがたのおれで
キアイたっぷり、カガミの前のメッセージ
――『だいじなものは、目に見えない』……?

すごいぞ、ニカもおれも、ネネも100人くらいいる
あっ、こっちに道があるぞ、ニカ――(がつん)
これカガミだ、ホンモノのニカどこいった(ごん)
遠ざかっていくニカの声
おーい、まってくれニカ(べしゃ)
ネネ、おまえの耳でさがしてくれ
顔がベコベコになりそうだ

ニカをさがしあてるネネをおいかけ
まよいこんだ行き止まり
!ニカ、そのカガミ
そこだけ、なにもうつらないぞ
せーの、で開けてみよう

目に見えない、だいじなもの、か
昔のこと、ぜんぶわすれたニカの中にも
たくさん見つかるといいよな
かえるこたえが、なんだかうれしくて
これも、みえないものだな


「わはー、ニカとじこめられた! くーもだね!」
 これみよがしにかけられる大きな鍵に、ベロニカ・バーゲスト(迷い香・g06414)がはしゃいだ声をあげて、クーガ・ゾハル(墓守・g05079)を振り返る。
「ああ、ここからカレイに脱出だ」
「脱出だー! ニカ、脱出ゲームはじめて!」
「おれも、こういうのはじめ……」
 言いかけてクーガは思い出す。ゲームではないけれど脱出に挑戦したことがあったのを。
「あ、ドレイ小屋からにげるとき、やったな」
「むずかしかった?」
「ああ、イノチガケだ」
 脱出ルートなんて設定されていない。逃げようとしてつかまったら、本当に二度と外には出られない。そしてあっという間に、おばけの仲間入りをするだろう……そんな挑戦をクーガは一言で答える。
「それに成功したなんてすごい! じゃあくーが居たら百人力だ!」
「ヨシ、やれる気がしてきた」
 クーガはゴゴゴと気合いを燃やすと、鍵のかけられた柵を離れ、外に出るためのヒントを探し始めた。
「ここ、おばけいっぱいいるんだよね。くーはおばけ大丈夫?」
 こわかったらニカに任せてと、ベロニカは両手を広げ、おどけて回る。
「ニカピエロがいっぱいおばけを笑わせて、こわいのどっかへ飛ばしてあげる!」
 ベロニカの仮装はキュートなピエロ。
 ふんわりシルエットのジェスターハット、その先にイヤリングと似た飾りがきらきら揺れる。ひらひらフリルの白いブラウスに、スカートはふかふかキルティングされたスカーレット。
 ネネもお揃い、キルティング衣装をつけて、首元ふりふりピエロカラー。
「オバケ、見たことないから、わからないが、ニカだけおいて、にげたりはしないぞ」
 胸を張るクーガが扮するのは化け猫。耳にも二又になった尻尾にも蛍光カラーが走り、右目につけた眼帯にはきらりと輝く緑の目。デジタルな幾何学模様のデザインにベルトを垂らしたそれは、名づけて『サイバーバケネコ』だ。
 そんな恰好良い仮装をしているのに、
「オバケがきたら、ヘン顔で笑わせてやるからな」
 クーガは変顔練習中。
「じゃあニカと笑わせしょうぶだね! よーし、いっくぞー!」
 ベロニカは元気満タン意気揚々、まずは扉に掲げられた小さなメッセージプレートに顔を近づけた。
「なんだこれ。『だいじなものは、目に見えない』……?」
 読み上げるクーガに、ベロニカも首を傾げる。が、そこに。
「くー、おばけがきた! 逃げよう」
 近づいてくるおばけを見つけ、ベロニカは鏡の扉を開けて中に飛び込んだ。

 扉の向こうは鏡の迷路。
 映して、反射して、映して……あちらもこちらもどこもかしこも。
「すごいぞ、ニカもおれも、ネネも100人くらいいる」
「わぁ! ほんものがわからなくなっちゃいそう!」
 なんか楽しそう、とベロニカが元気に足を踏み出すと……ごんっ。
「いたたたた……じゃあこっちにいって……」
 ごつん。
「え、どっちに」
 ごん、とまたぶつけた額にベロニカは手をあてる。
「こっちに道があるぞ。ニカ――」
 ベロニカを手招きしようと上げたクーガの手が、ごつんと鏡にぶつかった。
 すぐそこにいると思っていたベロニカは、鏡に映った像だったのだ。
「ホンモノのニカどこいった」
 手探りするように進んでいるベロニカの姿は見える。右にも左にも前にも後ろにも。けれどベロニカがどこにいるのかは分からない。
「クー、見つけた……いたっ……あれ、こっちかな」
 ベロニカの声はどんどん遠ざかっていく。
「おーい、まってくれニカ」
 慌てて追いかけようとしたクーガは、べしゃっと鏡に阻まれた。
「ネネ、おまえの耳でさがしてくれ」
 おれの顔がべこべこになる前に、とクーガは顔を両手で押さえた。

「くー大変、ここカベしかない!」
 ベロニカは行き止まりを手で探る。戻ろうにもどっちから来たのか、ううん、どこが道なのかすら見分けがつかない。
「くーどこ!! ネネもどこ!」
 どちらもちゃんと見えているのに、どこにもいない。それは見えないよりも遠くに感じる。
 しょんもりピエロになったベロニカは、べそをかきそうになった。
「ニカ!」
 こんなに近くに見えて声も聞こえるのに、と思った途端、ネネがベロニカに体当たり。あれ、本物だ!
「くー! ネネ! 会えた!」
 2人が見つけてくれたからもう大丈夫。くしゃくしゃっとした笑顔で、ベロニカはネネを抱きかかえた。
「でもここカベしかないよ」
 引き返そうとするベロニカだったが、クーガは何かに気付いて鏡を凝視する。
「ニカ、そのカガミ、そこだけ、なにもうつらないぞ!」
「あ、ほんとだ! えっと、『だいじなものは、目に見えない』?」
 顔を見合わせると、2人と1匹はせーの、で鏡を押してみる。すると鏡は扉のように開いた。
「あたりー! よかった」
 ベロニカが跳ねると、帽子もうさぎの耳のように跳ねた。
「目に見えない、だいじなもの、か」
 クーガは、明るい外に導いてくれたその言葉と、ベロニカを重ねる。
「昔のこと、ぜんぶわすれたニカの中にも、たくさん見つかるといいよな」
 それに対してベロニカはにししと笑う。
「それならね。だいじょぶ、ニカ見つけてるよ」
 両手を重ねて胸に当てると、
「からっぽになったニカの中に、カガミのお部屋のぼーけんや色んな思い出、いっぱい笑って楽しかったきもちがあるから、もうからっぽじゃないんだ」
 いっぱい詰まっているものを感じる。
 そのベロニカの答えが、クーガはなんだか嬉しくて。
「これも、みえないものだな」
 だいじなものは目に見えない。見えないけれどちゃんとある。
 行き止まりだと思っても、その先に道がある。
「くー、次にいくよー」
「おー!」
 おばけの国になんて閉じ込められはしないとばかりに、ベロニカとクーガは次の謎へと走ってゆくのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水面走行】がLV2になった!
【口福の伝道者】がLV3になった!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【凌駕率アップ】LV1が発生!

レックス・ウェリタス
【01】
23南瓜・愛猫と合わせて猫の星詠み

言いたそうっていうか、云うんだけど
自分で淑女って言っちゃう辺り、ねえ?
ゲームの手前で星詠みの猫たちと南瓜の山羊は大きな溜息を重ねて
選びを遠慮なく外していく魔女に生ぬるい視線はみっつ

能ある鷹は爪を隠すって言葉知らなそうだなあと
言わず眺めて前途多難な予感

あ、ハッキングとかしたら僕が上書きして
出れないようにしてあげるから…わかってるね?
うんうん、ならば宜しい
ゲームを暴いちゃうなんてナンセンスでしょ

テンポよく進む謎も演出も楽しくて
ん、何か言った?

この導線は言わずとも今までのヒント的に赤だね
ぱちんと切れば
青と推理する魔女
もう切り終わったよと言えばささらがやれやれのポーズ

ローブとはいえ罠が解れば避けるのは簡単
身軽な二匹も軽々だね
ところで和楓
何で疲れてるの?
嗚呼、罠に律儀に引っ掛かってると
身体で楽しむのも程々にね?

順調に進んでたはずが気づけば三人
居ないのはもちろん――
いつものだなって顔しながら迎えに行こう

どうせ僕たちを迷子扱いしつつ顔して泣いているだろうから


柊・和颯
【01】
ふふ、我は大人で淑女な魔女であります
ささらは南瓜メイド
レックス殿何か言いたそうだし
そして、何故三人から溜息が
解せぬであり…視線が生温い?

謎解きとなれば多分有能な我の出番!
さっと解決して華麗に脱出でありますよ!

我には奥の手ハッキング…
いえ、何でもありません
我何もしてないであります! レックス殿!
ハイ、ナンセンスデアリマス

さすが選び抜かれたというだけあって、色々な謎が
おばけさんも、中々にこわ…いえ、何も!

えーと、これは赤と青のどちらかの線を切ると
閃く名推理!
自信満々!
切るのは青であります!
…って、あれ? 
既に赤を切っておられる?

先、進むであります!

次から次に、大なり小なり罠が発動
我へろへろなのに、皆平気な顔ですたすたなのは何故
ああ、罠にかかってないからと!
成程!
いえ、楽しいは楽しいでありますが…あれ?

そして、気が付くと
あれ? 我何故に一人でありますか?
分かったであります!
皆、迷子でありますか!
仕方ないでありますね!



あの、おばけさん?
皆いず何処ーでありますか…ぴえん


 ハロウィンの華といえばやはり仮装。
「ふふ、どうですか。我は大人で淑女な魔女でありますよ」
 柊・和颯(めいたんてい・g07527)が自慢げに披露するのは、おとなしやかなネイビーのワンピースに大きな魔女帽子。襟やリボンの鮮やかなオレンジと、ちょんちょんとつけられたかぼちゃのマスコットが可愛いアクセントになっている。
 メーラーデーモンの『ささら』は色を合わせたメイド姿。かぼちゃを模したメイドキャップがハロウィンらしい。
 確かにとても良く似合っているけれど。
「レックス殿が何か言いたそうであります……」
 和颯は上目遣いにレックス・ウェリタス(Memento mori・g07184)を窺った。
「言いたそうっていうか、云うんだけど」
 レックスは渾天儀に手を翳して苦笑い。
「自分で淑女って言っちゃう辺り、ねえ?」
 同意を求める視線を送るレックスの扮装は、スフィンクス『レグルス』と合わせた猫の星詠みだ。漆黒のマントもそれに施された金の彩りも、マントの留め具に嵌められた赤い宝石もお揃いで。レックスの頭にはレグルスのような形の良い耳もつけられている。
 レックスの視線に、レグルスはふっさりした尾をぱたんと大きく振った。
「自分で言わないと、誰も言ってくれないであります!」
 語るに落ちている和颯だが、当人は大張り切りで謎へと向かう。
「謎解きとなれば多分有能な我の出番! さっと解決して華麗に脱出でありますよ!」
 実に威勢が良い。
 良い……のだけれど。
(「能ある鷹は爪を隠すって言葉知らなそうだなあ」)
 前途多難な予感が湧き上がったが、意気込む和颯に水を差すこともないだろうと、レックスは口には出さず……だが、自分たちは和颯に巻き込まれないようしっかりと距離を取る。
「どうしてわざわざ、一番あり得ない選択をするのだろうね」
 選択と言う選択を遠慮なく外していく魔女に、星詠みの猫たちと南瓜の山羊のため息が重なった。
「どうかしたのでありますか?」
 ひとり気づいていない和颯だけが怪訝顔。返ってきた3人からの生温かい視線に、解せぬと首をかしげる。
「手ごわい謎もありますが、我には奥の手ハッキング……」
 これさえあればと手を伸ばす和颯に、レックスが爽やかな笑顔を向ける。
「あ、ハッキングとかしたら僕が上書きして出れないようにしてあげるから……わかってるね?」
「我何もしてないであります! レックス殿!」
 無実を証明しようとするように、和颯は両手をホールドアップ。
「うんうん、ならば宜しい。ゲームを暴いちゃうなんてナンセンスでしょ」
「ハイ、ナンセンスデアリマス」
 かくかく頷き、和颯が取り組むのは南瓜爆弾解除のミッション。
 爆発を避けるためには、赤か青か、正しいほうのコードをカットしなければならない。
 その時和颯にきらーんと名推理が閃いた。
「赤、青……赤なんか残したら危なそうなのであります。切るのは青であります!」
 自信満々にびしっと指さしたそこでは。
 ――レックスがぱちんと赤のコードを切っていた。
「……って、あれ? 既に赤を切っておられる?」
「待ってたら爆発するからもう切ったよ。言わずとも今までのヒント的に切るのは赤だからね。ん、和颯何か言った?」
 はさみを鳴らすレックスの横で、ささらがやれやれと手を広げた。
「……先、進むであります!」
 気を取り直して、和颯は進んだ。

 迷路にパズル、暗号、リズムゲームにかくれんぼ。
 様々な謎が挑戦者の前に立ち塞がる。
「さすが選び抜かれたというだけあって、色々な謎がありますね。おばけさんも、中々にこわ……」
「おや、和颯はもしかして……」
「いえ、何も!」
 和颯が否定したその時、おばけの襲撃が!
「ぎゃああ……」
 逃げろや逃げろ。
 走り出せばあちこちに仕掛けられた罠が発動する。
「おっと」
 レックスは危なげなく罠を避ける。レグルスもささらも軽々と。
 けれど。
「痛っ……うわっ……ひょええ……」
 和颯は飛んできたボールに当たり、落ちてきた布に視界を塞がれ、蜘蛛の巣に絡まり……罠から抜け出ると、もうへろへろだ。
「ところで和楓、何で疲れてるの?」
 涼しい顔のレックスに、和颯は逆に聞き返す。
「そっちこそなんで罠があるのに、平気ですたすたなんですか!」
「成る程、和颯は罠に律儀に引っ掛かってると。まあ、身体で楽しむのも程々にね?」
「いえ、楽しいは楽しいでありますが……」
 何故自分だけ?
 和颯が問う視線を向けると、ささらはすうっと目を逸らした。

 それでも、見かねたレックスが手を貸したり、ささらがさりげなくボタンを押したりしながら、一行はおばけの国の謎を解いていった。
 けれど、ふとレックスは気づいた。
 ひとり足りない。それはもちろん……。
「レグルス、ささら、迎えに行こうか。どうせ僕たちを迷子扱いしつつも、情けない顔して泣いているだろうからね」
 いつものだなという顔で、レックスは和颯を探した。

 一方和颯も、
「あれ? 我何故に一人でありますか?」
 他の皆がいないことに気付いた。
「分かったであります! 皆、迷子でありますか!」
 仕方がないなと、和颯は余裕をかましてふっと息を吐く。
「我が迎えに……あれ?」
 右を見る。
 左を見る。
 ……。
「あの、おばけさん? 皆いず何処ーでありますか。それにここは何処でありますか」
 ぴえん、と和颯はおばけに縋りついた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【照明】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV4になった!
【能力値アップ】がLV2になった!

大鉄・焔
リーゼ(g02798)と
2023ハロウィン参照
人形遣い仮装
人形はポケットに

だなー
突然どこかを指差して
あっ幽霊!…なーんて
リーゼ、怖い?(悪戯顔

ほぉ?じゃ俺の服掴んでるこの手はなにかな?
つんつん

っはは、そっか、アリガト?
うむうむ、そういえば俺もゆーれーコワくなってきたかもー
手、握ってて貰おうかな
面白そうに尻尾を振って

へぇ、なぞなぞか…
リーゼの魔法に対する圧倒的信頼感ぅお…

リーゼの一本釣り…
って言ってる場合ではないな、大丈夫か?
中継されてたっけな、と。上着をかけつつ救出

中々の強敵だな
ま、こういうのは運と勢いと漢らしさで乗り切るもんだろ!
雑にフランケンをッターン!と押す

うお、当たった?
鍵Get

ゴール!
ハロウィンペロペロキャンディ、リーゼの顔よりでけぇな
一口おくれ
ガリっと一口齧りとる(飴噛む派
んめぇ

どういたしまして、すげぇ楽しかったっ
ハッピーハロウィン、リーゼ、ジン


リーゼロッテ・エカルト
焔(g00462)と
2023ハロウィン参照
ピエロ仮装

なかなか雰囲気があるね…
こ、怖くなんかないもん!ねぇジン君っ

驚かされれば過剰に飛び跳ね
焔の服裾を無意識に掴み
指摘に頬を染め慌て

焔が怖いかなぁと思って!掴んであげていたのよ!
しょうがないから手を握ってあげてもいいからねっ
早く脱出しないと

手というより腕にしっかりしがみつき

焔みて。ボタンがあるよ
なになに…問題?
「ハロウィンの仮装大会を開いたよ
フランケンシュタイン、魔法使い、お化け
一体誰がかったかな?」
…魔法を使える魔法使いかな?

魔法使いのボタンを押すと間違い
罠発動で足に紐が掛かり逆さま宙ぶらりんに
スカートだけは死守しつつ

いやー!焔たすけてーっ

あ、ありがと。焔
なんて恐ろしい罠…
気をつけよ
焔はどっちだと思う?
勢いで当ててしまうとはさすが焔だ…
この調子で出口まで行こ!

ようやく出口だーっ
開放感…っ
わぁ!キャンディーのサイズ感すごいね
一口と言わずに半分こしよ?
焔は噛む派だったね
おいしい?
焔のおかげで無事に脱出できたよ
ありがとね
ふふ!ハッピーハロウィン!


「なかなか雰囲気があるね……」
 閉じ込められたおばけの国を、リーゼロッテ・エカルト(菓葬・g02798)はこわごわと見回した。
 エリア内は、ハロウィン仕様に飾りつけられたアトラクションがあったり、飾りや看板が置かれていたりと、見通しがききにくくなっている。
 その陰から、今にもおばけが縋りついてきそうだ。
「おばけなんて平気、ねぇジン君っ」
 リーゼロッテはいつも傍にいるジンジャーブレッドマンの『ジン君』に同意を求めた。
 今日のジン君はハロウィン仕様のシルクハット姿。リーゼロッテの仮装がピエロなのに合わせて、玉乗りだって披露したりする。
 リーゼロッテは黒、紫、オレンジのハロウィンピエロ。ふんわりしたポンポンや、生クリームを絞ったような白いフリル、そして右頬にペイントされた紫のハートなど、可愛い要素も満載だ。
 キャンディをどうぞ、ジェリービーンズをどうぞ。そんな甘い誘いを振りまいて。
「だなー」
 強がるリーゼロッテを、大鉄・焔(灰塵・g00462)は楽しそうに眺めた。
 焔の仮装は人形遣い。耳にはコウモリやカボチャのピアスがゆらゆら揺れて、イヤーカフは後ろから爪で耳にしがみついているようなデザインだ。
 人形遣い用の人形は脱出ゲームの間はポケットの中に。けれど全部は入りきらなくて、右のポケットからは黒いクダキツネのマダラのもふぐるみが、左のポケットからはふわふわな手触りのもふにゃん魔王様が、盛大に顔を出している。
 その焔の指が、不意にリーゼロッテの背後を指さした。
「あっ幽霊!」
「ぴゃっ!」
 リーゼロッテは飛び跳ねて、焔の服裾をぎゅうっと掴む。
「……なーんて、ね。リーゼ、怖い?」
 悪戯顔の焔の指摘に、リーゼロッテはぱっと頬を染めた。
「こ、怖くなんかないもん!」
「ほぉ? じゃ俺の服掴んでるこの手はなにかな?」
 つんつん、と焔は指先でリーゼロッテの手をつつく。
「こ、これは……焔が怖いかなぁと思って! 掴んであげていたのよ!」
「っはは、そっか、アリガト?」
 こらえきれずに笑いながら、焔はうむうむと頷く。
「そういえば俺もゆーれーコワくなってきたかもー。手、握ってて貰おうかな」
「しょうがないから手を握ってあげてもいいわよっ」
 リーゼロッテは服の裾から手を放すと、焔の腕にしっかりとしがみついた。

 探し当てた小屋のドアを、謎を解いて手に入れた鍵で開く。
 中に入ってみると、周囲の壁にはぐるりと森の景色が描かれて、足元は作り物の草木で埋まっている。
「ひっひっひっ……次の鍵が欲しくば問題に答えてみよ」
 急に流れた声にリーゼロッテがびくっとなるが、それは問題の書かれた立て看板への誘導メッセージのようだ。
「なになに……『今日はハロウィンの仮装大会だよ。出場したのは、魔法使い、ジャックオーランタン、吸血鬼。さて、一体誰がかったかな?』」
「へぇ、なぞなぞか……リーゼわかるか?」
「うーん……魔法を使える魔法使いかな?」
 リーゼロッテは迷いなく、魔法使いのボタンを押す。
「リーゼのその、魔法に対する圧倒的信頼感……ぅお!」
 ブーっと音が鳴ったと同時に罠が発動し、リーゼロッテは足にかかったロープに吊られて、さかさま宙ぶらりん。
「いやー! 焔たすけてーっ」
 スカートを両手で死守しているため、罠を外す仕掛けを引っ張れない。
「リーゼの一本釣り……って言ってる場合ではないな、大丈夫か?」
 この映像は中継されてあちこちのモニターに映し出されているはず。焔は上着でリーゼロッテを包むようにして、救出した。
「あ、ありがと。焔」
「中々の強敵だな」
「ほんと、なんて恐ろしい罠……」
 気を付けよう、とリーゼロッテは心に決める。
「残りは2つ。焔はどっちだと思う?」
「どっちと言われてもなー。ま、こういうのは運と勢いと漢らしさで乗り切るもんだろ!」
 焔は雑に、ジャックオーランタンをッターン! と良い音を立てて押した。
 ピロリロロン。ぱかりと開いた花の中央には鍵。
「うお、当たった?」
 勢いだけで当ててしまうとはさすが焔だと感心しつつ、リーゼロッテは鍵を手に取った。
「この調子で出口まで行こ!」

 謎を華麗に、あるいは勢いで解きながらおばけの国をさまよい歩き。
 そして遂に。
「ようやく出口だーっ」
「ゴール!」
 見事脱出を果たしたリーゼロッテと焔に、おめでとうの言葉とハロウィンペロペロキャンディが渡された。
「わぁ! キャンディのサイズ感すごいね」
 うちわサイズのキャンディの後ろに、リーゼロッテの顔はすっぽりと隠れてしまう。
「リーゼの顔よりでけぇな。一口おくれ」
「一口と言わずに半分こしよ?」
 リーゼロッテが言っているうちに、がりっと焔の歯がキャンディを齧り取った。
「焔は噛む派だったね。おいしい?」
「んめぇ」
 脱出に使った身体と脳に甘いものを。
 開放感を味わいながら、リーゼロッテは焔に礼を言う。
「焔のおかげで無事に脱出できたよ。ありがとね」
「どういたしまして、すげぇ楽しかったっ」
 どうなるかと思ったこともあるけれど、それも楽しいハロウィンの思い出だ。
「ふふ! ハッピーハロウィン!」
 ハロウィンピエロがにこにこ笑う。
「ハッピーハロウィン、リーゼ、ジン」
 ハロウィンの人形遣いが応えて笑う。

 今日はおばけの国もハッピーハロウィン。
 楽しいトリックと、甘いトリートを召し上がれ――。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【狐変身】がLV2になった!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV7になった!

最終結果:成功

完成日2023年11月19日