リプレイ
ハニエル・フェニックス
相手は森の中かぁ。
敵に有利な場所に飛び込むって言うのもちょっと遠慮したいんだけど……まぁ仕方ないね。
こっちもせめてこの森の環境を少しでも利用したい所!
【光学迷彩】も使いながら木の陰に隠れて、見つからないように近付けたら良いね。
だってめちゃめちゃ力強そうだし、武器も痛そうだし……殴られたくないもんね!
出来たら不意打ちのパラドクスで攻撃して、なるべく早くやっつけちゃいたいな。
一度攻撃しちゃったらもう隠れられないだろうし、後は後退しながら再び攻撃していく事になりそうだね。
敵の攻撃はロッドで受けたりして、なるべくあの痛そうな刃で傷つかないようにはしたいけど……呪詛の方はどうにもなんないかな。
オーラやスーツで軽減出来ると信じて、勇気を出して頑張るぞ!
ルーシド・アスィーム
アドリブ、連携歓迎
防衛側は優位な布陣を展開し易いとは有名な戦術論ですが、四方や場内に森を築くとは
けれど我らは全てを焼き払い進むのみ
神を畏れぬ不信心者達よ、その命にて贖いなさい
サディークの剣戟で草木を断ち切りたいところですが難しいかな
自前の『シャムスの天眸』の暗視・拡大モードで視界を確保
【防衛ライン】を敷き、敵の動きを牽制しつつ敵の「不意打ち」に気を付けながら探索
わたゆき、敵を探すのを手伝って下さいね
見つかったなら仲間と情報共有し襲撃を
索敵困難なら不意打ちを狙う仲間の為にも陽動役を担います
先の斬撃の他「火炎使い」「氷雪使い」で紡いだ魔術でオブジェクトを攻撃
「厄介ですね、パラドクスで焼きますか」と聞こえよがしに声音に「呪詛」を乗せ「精神攻撃」で宣言
破壊は出来ないでしょうが「地の利が失われるかも知れない」焦燥感を煽り動揺を誘います
樹兵が迎撃に現れれば良し、難しくとも殺気立つだろう気配から敵の位置を探り反攻を
『ネガティブペネトレイター』を打ち込み一体ずつ屠ります
攻撃は「結界術」で逸らせないか試行
リズ・オブザレイク
キャメロット城の通路はドラゴンが動けるような広いものばかりだと思っていましたが……ここを無双馬『ユニコーン』で突破していくことはできないや、待っていてくれるかな。
状況は不透明だけれど、ブラフの為に何もない場所にトループス級を置く余裕は既に敵にはないでしょう。
このまま進んで樹木竜麟兵を倒せば先に進めるはずです。
とはいえ鬱蒼と枝木が生い茂るここは通常の通路以上に厄介です。
敵がどこに潜んでいるか……。
妖精たち、『妖精の目』で通路の奥まで確認してきてくれるかな。
妖精たちの集めてきた情報と、できれば他の味方の情報を合わせて敵のおおまかな位置を割り出しましょう。
戦闘は僕の出番です、フェアリーソードを引き抜いて樹霊竜鱗兵に切りつけます!
敵がしぶといなら臨機応変、サポートに回り味方の打開策を通す為に頑張ります。
「毒牙を生やした花」を咲かせる低木による反撃は、
低木を刈り取りながら突破する他にないでしょう。
敵を倒せば新たな罠は生まれませんから、後に通るディアボロスの為にも頑張りませんとね!
黒桐・凜
この戦いが、誰かの故郷を取り戻す戦いに繋がるのだろう?
ならば確実にここは制圧しておかなければね
入り組んだ森の中ならば死角も多いだろう
物陰からの奇襲なども警戒しておく必要があるね
相手のテリトリーだ、会敵は避けられないだろうけれど
なるべくこちらの意図しない状況での会敵を避けるよう努めるとしよう
周囲を能く観察し、音や気配、視覚的異常をいち早く捉えられるよう努めるほか
こちらは【闇使い】でこちらも影や遮蔽をうまく利用し
【忍び足】でなるべく気配を殺しながら進軍
会敵時は銃で応戦
出来得る限り距離を取りながら
敵の動きから目を離さず、周囲の様子にも気を配り
包囲されぬように気を配るよ
敵の攻撃は『影の蔦』を幾重に編んで受け止め
呪詛の影響を少しでも軽減する
巧く受け止められれば、反撃の隙も生み出せるだろう
加減も容赦もできる相手ではないし、するつもりもない
敵ならば、殺すだけだもの
急所を外しはしないよ
“そうなる”ように出来ているから
それが、先生から教えられたもの
ボクに宿った異能だからね
さあ、道を開けて貰おうか
リューロボロス・リンドラゴ
む……。
よもや城の中に森が生えておるとはの。
中々に面白いことをするではないか。
自らの戦いやすい護りやすい戦場を用意しておくというのも理にかなっておるよ。
だがそれをぶちやぶってこその竜!
虎穴に入らずんば虎子を得ずとも言うしの!
竜虎相搏つとも言うが、この我に相応しき虎の巣かどうか、試してくれようぞ!
隠れて進む味方が多いようだからの。
我も最初は邪魔せぬよう大人しくしておくよ。
光学迷彩等を借りられれば尚良しよな。
味方の開戦等で隠れておく必要がなくなれば【照明】よ!
奴らに有利な要素の一つ、夜の如き闇を奪い去ってくれるわ!
敵の隠匿を解くのや森の攻略にも役立つであろうが。
暗闇の中、予期せぬ光に突如覆われれば混乱し、隙もできるのではないか?
奴らは闇の中で戦うのが前提だしの。
光の下ではやりにくかろう!
フィールドに最適化しておるということは、そのフィールドが崩されれば強みを活かせぬだけでなく戦いにくくもなるということよ!
さあ、我が友より授かりし力、火葬の王よ!
我らが敵を焼き尽くせ!
闇を祓い照らすは竜である!
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
通路内を森化させるってすごいというかなんというか
まあ、出来ることをするしかないか
隠れても無駄だ。こいつが追いかけるからな
【行動】
まずはパラドクスを使用して
敵を追いかけるバスケットボール大の鬼火を製作する
それから肉体改造で自分の機械の手足に鉤爪のような部位を取り付ける
光学迷彩や完全視界など借りられる残留効果を借りつつ
ミラージュコートの機能も使い進む
機械の手足につけた鉤爪を木に引っ掛けて登り
鬼火は敵を感知するまでは近くを飛んでもらう
そうすれば敵が隠れていても感知次第そのまま追ってくれるはずだ
身を隠している敵を鬼火に攻撃してもらい
敵からの攻撃は盾のフェイク・プリドゥエンや電光警棒で受けて防ぐ
鬼火は敵を燃やすと壊れてしまうから適宜製作し直して行動するのもいいかもな
仲間とは声を掛け合って積極的に連携する
必要なら臨機応変に対処しよう
ロキシア・グロスビーク
アドリブ連携ご自由に
……あいつら、本当に竜麟兵なんだ?
現地に居ても首を傾げる
ナナさんが竜麟兵って言ってるからそうなんだろうけど
フローラリアみたいなことやるなあ
ま、こうして脅威ですよって立たれたからには
“魔槍”をぐるりと遊ばせて
やるしかないね?
ウインクをひとつ
さて、クロノ・オブジェクトの障害物は面倒だよ
普通のものなら【一刀両断】とか出来るのに
ま、これはこれで倒し方はあるし!
【光学迷彩】を用い枝木の一本一本に隠れながら進んでいくよ
近い位置に味方が居るなら攻撃前に情報提供すれば倒すにも捗るかな
僕はかくれんぼするなら可愛い子としたいんだけど
敵を見掛けたら慌てず逸らず回り込み
きみたちみたいな筋肉?筋幹?まあどっちでもいいか
ぐっさり突き刺し一体一体処理していくよ
ムキムキさんとは勘弁してほしいんだよね!
反撃に際しては
樹木だ草花だってのは!
Moon-Childを両腕に這わせ、敵を確りと見据えて
飾りで間に合ってますー!
打ち払う、或いは受け止め攻撃の威力を少しでも減じさせるように
●夜
床と言わず壁にも天井にも根を張る木々。蔦や雑草ではなく、太い幹を持つ樹木が天地上下左右を問わず蔓延っているのである。緑豊かでありながら反自然的な情景だった。
「……これ、本当に竜麟兵の仕業なのかな?」
ロキシア・グロスビーク(啄む嘴・g07258)は首を傾げる。
フローラリアの根城、と言われたほうがまだ理解出来よう。もっとも、キャメロット城にフローラリアがいるわけもないのだが。
「よくて林ぐらいのものを想像しておったが、なるほどこれは森も同然よ。城の中に森を生やすとは、の」
む、と訝しみつつも、リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)の声は掌で玩具を転がす子供のよう。
竜を標榜する者として、虎穴に入るのは呼吸と同じように当然でなければならない。竜こそが巣穴を敷いて王として君臨すべき生き物なのだから。
他の生物の"ねぐら"は、竜にとって困難な要所でなく狩りの餌場である。油断でなく不遜として彼女は態度を鎧う。
夜のごとき闇と静寂に満たされた"森"に踏み込めば、城内のそこら中でけたたましく響く戦いの歌もシャットアウトされる。
「妖精たち、『目』を貸してくれるかな」
相棒の無双馬を外に残しやってきたリズ・オブザレイク(人間の妖精騎士・g00035)は、パラドクスを発動しふわりと妖精を出現させる。妖精眼(グラムサイト)は人の機微やこの世ならざるモノを見通すとされる――それに連なる術式だ。炎を出すわけでも巨人を飲み込む穴を生じさせるわけでもないが、ただ「性質を見抜く」だけで逆説連鎖の戦いになりうるのは、ひとえにその情報を利用するリズの判断力があらばこそか。
「邪魔な枝木は、僕とわたゆきが処理しましょう。隠れて進むつもりの方は、囮にでも使ってください」
と、ルーシド・アスィーム(轍つ祈星・g01854)が言うや否や、魔法のランプから眉目秀麗なジンを呼ばわった。精霊の振るう剣が、ざんっと勢いよく横薙ぎに振るわれる。複雑に作られた消音室の壁のように、折り重なった枝木はその大きな音さえ吸い込み静寂に包み込む……かに思えるが。
「……わたゆき、聞こえますか?」
ダンジョンペンギンがこくんと頷いた。
音とは波である。光もまた波だ。波はぶつかればいくつもの波紋に分かれて寄せ返す……暗澹たる闇の中、"なにか"が微かに身動ぎした気配があった。そこに敵がいるのか、あるいはこちらの突入に対応して動いたのか。いずれにせよ存在は感じ取れる。ならば着実に追い詰め、少しでも有利な状況を作り出せばいい。
「僕はかくれんぼするなら可愛い子としたいんだけどね……」
などとぼやきながら、ロキシアはすっと息を潜めた。すると、すぐそこにいるはずなのに彼の存在が紙っぺらのように薄く感じられる。それが枝木に身を滑り込ませると、仲間でさえ見失いかねない。
「今の音と姿……うん、見えます。すぐに消えたけど次は逃さない……」
リズは青い瞳を瞬きさえせずに闇に向ける。その手にはすでに妖精剣が握られ、どこから敵が襲ってきても即座に反応できるよう身構えていた。つまりすでに逆説連鎖戦は始まっている。これは西部劇の決闘じみた、長い膠着と一瞬の交錯で終わるタイプの戦いだ。
光差さぬ暗闇は前後感覚を狂わせ、突然の張り詰めるような静寂な聴覚と三半規管を断続的緊張で摩耗させる。
五感が疲弊すればそれだけ時間感覚にもズレが生じる……樹木竜麟兵がディアボロスの"進軍"を迎え撃ったのは、現実においては予想より早かった。ただし彼らが体感していた時間はその数倍だ。並の戦闘者なら後手に回る。が、しかし!
「現れたな。もう逃しはしない」
荒田・誠司(雑草・g00115)の掌に浮かぶ鬼火が、ぼうっと帳を払うように闇を切り裂いた。
「「「!!」」」
樹木竜麟兵は、当てが外れたことを察し再び闇に隠れようとした。ここが敵=ディアボロスのアウェイであるなら、闇雲に迎撃するよりも機を窺うほうがよい。そのために構築された戦場でもある。
「言ったはずだ、逃さないとな」
しかし誠司の言葉通り、掌の上に浮かぶバスケットボール大の鬼火が滑るように空中を走り、木々の影に隠れようとする樹木竜麟兵の姿を照らし出した。
樹木竜麟兵は咄嗟に足元から新たな根を這わせ、枝木を萌芽させる……遅い。一手の隙が生じる、そしてそのために潜んでいた仲間が動いた!
「そのおっきな武器で殴られる前に、やっつけちゃうよ!」
キン、と甲高い音とともに、目を灼きそうなぐらいの輝きが瞬いた。それは星が死ぬ瞬間の盛大な爆発を思わせる。
事実、ハニエル・フェニックス(第七の天使・g00897)の掌に生まれ凝縮された光子は、密度の比率だけで言えば星にも喩えられよう。そして質量の限界を越えた星が反転してブラックホールという闇に変じるように、カタチなき光子は流体として物質化していた。そこだけ黒一色のキャンバスを白く切り取ったかのように波打つオーラを、ハニエルは!
「イヤーッ!」
雪崩打つように投擲! 直後、凝縮された光子が生成時以上のハレーションを発生させ、森の黒を白に反転させる。矢の如き光条が、回避予備動作に入った樹木竜麟兵をまっすぐに穿つ!
「……!!」
断末魔はない。胴体を貫通されれば当然……とも思えるが、実際はそれ以上の被弾を浴びていたからだ。その証拠に、物言わぬ材木と化した竜麟兵のこめかみに当たる部位には、それと言われて中止せねば気づかぬ小さな穴が開いている。
正しくはそれは銃痕と言う。ハニエルの光子投擲と同時に、寸分の狂いなく急所を穿った黒桐・凜(月幎・g09216)の銃弾だった。
(「まだ敵がいる。どこだ?」)
闇に潜んだ凛は味方にさえその存在を気取らせていない。いわんや竜麟兵をや、攻撃が二重だったことすら当事者さえ知るまい。闇の中、完全に誠司の追跡を逃れたつもりの樹木竜麟兵は包囲を狙って散開する。かさりと、遠くで針が落ちた程度のささやかな音が凛の耳朶を叩いた。
(「悪いけど、見逃し方は教わってないんだ」)
夜の静寂がまた訪れた。距離を取ろうと、閉所の中苦労して後退するハニエルの包囲が一体分欠けていたことなど、竜麟兵は知らない。狩猟獣の狩りはこうして行われるものだ。
一度戦端が拓かれれば、状況は雪崩式に進む。ヒュンヒュンと自我があるかのように暗闇を斬り裂いて飛ぶ鬼火が、ディアボロスの倒すべき敵の在り処を教えてくれる。
「……!!」
また一匹。鬼火に照らされた樹木竜麟兵は、逆に鬼火の明かりを道標に根を張った。向こうが明かりを頼りにしているなら、見られているのと見通せるのは同義。めきめきと異常な速度で伸びる、捻じくれ絡み合った樹木が獲物を飲み込み、森の一部に変えた……いや。手応えがない?
「……?」
鬼火を取り込んだ樹木は、らせん型に絡み合ったその内側からめらめらと燃え始めた。避けられた? いや、そんなはずはない。パラドクス攻撃は常に反撃と等価である。鬼火による攻撃はこちらを狙っていた、ならば術者はどこに……?
「ここだ」
声は頭上からした。
「!!」
反射的にそちらを向いた樹木竜麟兵は、視界一杯に燃え上がる鬼火を見た。そしてそれが奴の最期の映像となった。
誠司は鉤爪のような手足を使い、立体的に死角を取っていたのである。生成した鬼火はふたつ……初撃でフェイントをかけ、あらかじめ生成しておいた本命の二個目を命中させた。樹木竜麟兵はその直撃を受け、めらめらと燃えるトーチと化した!
「こちらも一体仕留めた!」
誠司はあえて大きな声で叫んだ。己の存在が他の個体に晒されるのを承知の上で。
「なるほど、燃やしてしまうのですね。ならこちらもパラドクスであたり一面焼き払いますか」
ルーシドの落ち着き払った声が答える。がさり――焦りか恐怖か、それともルーシドの言葉を慢心と捉えたか? 別個体が存在を知らせた。怖気が立つ速度で床を蔓延る低木と毒花の群れが迫る!
「そうです、それが欲しかった」
――ざん。聞き馴染みのある風切り音が、何もない暗闇にこだました。
蔦に咲く毒花を低木もろとも斬り裂いたジンが、一瞬だけ姿を表しまた滲むように消える。その傍らには、後ろから串刺しにされた竜麟兵の亡骸が崩折れるように斃れていた。ネガティブペネトレイター!
「……!!」
また一体滅びた。圧倒的優位だったはずの状況が、知らぬ間に逆転しつつあることに敵は慄く。もう一度姿を消して再起しなければならないという消極的思考が、捨て身の一斉攻撃という一縷の可能性を潰えさせる。
己の姿を妖精の目ではっきりと捉えているリズがいることを、やはり敵は知らない。折り重なり入り乱れる枝木は、もはや環境を味方につけたリズの敵にはならぬ!
「もらった――!」
矢、いや弾丸を思わせる一気呵成の突撃だった。
ざざざざ、と蔓延る低木を毒牙もろともへし折り突破する、まっすぐな軌跡。突撃槍めいて腰だめに構えたフェアリーソードが鈍く輝く――夜の闇はもはやない。ハニエルの光子ハレーションか? 否!
「焼き尽くす! 照らし出す! なるほどいずれも効果的なようだ!」
呵呵と堂々たる笑い声が響いた。妖精剣の左刀身に、少女めいた小さな体躯が映る――リューロボロスだ!
「であれば両方を同時に叶えてくれる! さあ、いざ燃えよ『火葬の王(シティパティ)』!」
光の正体は、掲げた両掌の中心に生じた火球である。
小さな身体をまるごと飲み込んでも余りあるほどの巨大な火球。閉鎖環境で用いれば、おそらくは一斉反撃で戦闘不能もありえたが……敵が頭数を減らし、味方の索敵によってその隠形が丸裸になった今ならば!
「!」
「……! !」
まずい。声なき竜麟兵は明らかに狼狽しているのがわかった。正面からはリズ、側面にはリューロボロス。あの熱量を叩きつけられれば一網打尽である。退くか。あるいはいずれかの個体がやられるのを承知の上で散開するか? 瞬間的な判断を迫られた敵は、どちらも選べなかった。ディアボロスならば即座に選び、そして果敢に戦い続けたであろう――しかし奴らは結局のところ、巣に籠り敵を待ち受ける小心者なのだ。
見よ。
「はあっ!!」
勇ましく突き出され、樹木竜麟兵の喉元を串刺しにした妖精剣。
リューロボロスの火球に照らされあかあかと燃える左に対し、その向こう側――つまり右側の刀身には、花咲くように妖しく笑う、もうひとりの騎士の姿が踊っていた。
「ムキムキさんとは! 勘弁してほしいんだよねッ!」
ロキシア! 魔槍を軽々と振るい、咄嗟に掲げられたドラゴン仕込みの武器を横薙ぎに払う! そして!
「だからさっさと、退いてくれるかなッ!!」
くるりと空中で体重移動し、位置を変えずの縦振り下ろし! 防御を崩された樹木竜麟兵は、竹を割るように真っ二つに両断された!
「……――!!」
樹木竜麟兵が言葉を発するなら、おそらく「何が起きた」あるいは「そんな莫迦な」と叫んだのだろう。
もっとも、言葉を発せたとして叶わぬ望みだったのだが……なぜなら眉間には、やはりくっきりと銃痕が穿たれている。
「この地は誰かの故郷なんだ。お前たちのものじゃない」
闇から滲み出るように、凛が姿を表した。それはつまり、もう身を隠さなくてもいいということを示している。
「我らが敵を焼き尽くせ! 闇を祓い照らすは竜――」
「と、ハニィちゃんである!」
「なあっ!?」
と思ったら、いいとこでハニエルがインタラプト! リューロボロスと敵を挟むように回り込み、再び高密度光子を生成……!
「ええい! 一切合切焼け落ちよ――!!」
「とどめ、もらっちゃうよー!」
火球と光子の波。
ふたつの始原たる"ちから"が擲たれ、空中でぶつかり、視界を白で染め上げた。
爆発的熱量が放射状に吹き荒れ、残る敵を消し飛ばす。
すなわち樹木の砦もまた同様。一瞬のホワイトアウトが過ぎ去ったかと思えば、脆く枯死した木々は塵さえ残さず吹っ飛んでいた。
「長い間囚われていたような感覚もありますが、終わりは一瞬でしたね」
ルーシドは魔法のランプを懐にしまいながら呟いた。
「妖精の目があっても、ひとりでは物量に気圧されていたと思います。仲間がいてよかった」
リズは斬心して剣にこびりついた樹木の残滓を払い、納刀する。懐かしささえ感じる、城内いたるところの戦闘音が騒がしく彼らを出迎えた。
「ここは一部に過ぎないんだろう? なら、次の場所へ行こう」
「へっ!? いたの、7人目!?」
さも当然のように馴染んでいる凛にちょっとびっくりするハニエル。それだけ完璧に隠密していたということなのだが。
「花飾りはもう間に合ってます、ってね。この勢い、活かすしかないでしょ」
ロキシアは可憐にウィンクして、誰より先に軽く一歩を踏み出して仲間を急かした。
彼らは歩き出し、やがて駆け出す。円卓の騎士を、その奥に控える断片の王を討ち倒し、この地を取り戻すために――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV2が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
【修復加速】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
【過去視の道案内】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!