リプレイ
エメ・シャミナード
……悪趣味だなぁ
故郷がこんな風になってるの、すっごい嫌だけど
だからこそ復讐してやらないと
最初は街の中を散策
大陸軍とかナポレオンの信奉者に関する建物や彫像なんかを探すよ
そして見つけたら……デストロイスマッシュでぶん殴ってやる
電磁槍でこう、バーンって
他の人を巻き込まないようには注意
それで誰かが捕まえに来たら思いっきり叫ぶよ
偉そうに威張り散らかして、適当な理由でみんなを捕まえて
見せしめみたいに殺し回ってるみたいだけど
そんな風に誰かを怖がらせないと人に言うこと聞かせられないんだ?
ほんと、悪趣味で格好悪い!
軽く抵抗はするけど最後にはきちんと捕まるよ
でも最後まで自分の言った事を撤回はしない
だって本心だもん
●
「……悪趣味だなぁ」
故郷の街並みを眺めながら、エメ・シャミナード(キロプテル・ローズ・g03820)は小さく呟いた。
町を巡回する兵士たちの様子は物々しく、事情を知るエメには、血走る眼で警邏する彼らが、処刑する標的を求めているだろう事が容易に想像できた。
(「故郷がこんな風になってるの、すっごい嫌」)
美しい街並みを穢されたように感じるエメ。
そんな彼女を元気づけるように、山羊のリュヌが身を寄せてくれる。
「……うん。そうだね。こういう時は――」
エメは周囲に視線を這わせる。すると、目当てのものはすぐに見つける事ができた。
「大陸軍やナポレオンを称える銅像だね。こういうの見つけたら、電磁槍でこう、バーンってやってあげないとね」
エメは淡々とした様子で、電磁槍を振りかぶった。
そこに、魂に満ちる衝動と、建物すら打ち砕く念動力を乗せて。
――デストロイスマッシュ!
一撃を受け、石造が脆くも砕け散る。
エメが無関係の人々に被害が及ばないかを注視していると、即座に大陸軍の兵士が物凄い形相で駆けてきた。
「貴様! 自分が何をしたか、理解しているんだろうな!?」
胸倉を掴み上げてくる兵士を軽く振り払いながら、エメは告げる。溜め込んだものを、思いっきり。
「偉そうに威張り散らかして、適当な理由でみんなを捕まえて、見せしめみたいに殺し回ってるみたいだけど、そんな風に誰かを怖がらせないと人に言うこと聞かせられないんだ? ほんと、悪趣味で格好悪い!」
兵士の憤怒の表情。街の人々が、エメを見る。
エメは、「即座に撤回せよ」と主張する兵士に対し頑とした拒否を示すと、口を噤んだままに連行されるのであった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
リリア・エルクール
【アドリブ歓迎】
まずは地味なフード付きのマント姿で【モブオーラ】で気配を消して行動、一般人が捕まりそうになったら【アサシネイトキリング】で捕まえようとする相手を攻撃するわ
「リリアに誘惑されて相手を連行しようなんて本当にナポレオン愚帝の配下らしいわねぇ……おかげで今日も簡単に1人倒せたわぁ」
と相手を挑発するように大きな声で言ったあとでフードつきマントを脱いでこの姿を晒して【誘惑】をするわ。
その後に押し寄せた増援がいるならある程度普通に戦うけど、ある程度でわざと負けて捕まるわ
その時に拘束具やセクハラも受け入れて連行されるつもりよぉ
●
(「向こうも行動を始めたみたいね」)
少し離れた場所で、リリア・エルクール(ドリームトラッパー・g01136)は建造物が崩れ落ちる音を聞き、魅力的な唇で緩やかな弧を描く。
周囲は騒然としていたが、地味なフード付きのマントを纏い、気配を消す彼女に注目を集める者はいない。
――と。
「あちらで大陸軍やナポレオン様の銅像が破壊されたというのに、貴様は何故そうも平然としていられる! 敬意がないのか!?」
「えっ?! ち、違います、違いますぅー!!」
リリアのすぐ眼前で、また一人の市民が難癖をつけられ、捕らえられようとしていた。
(「まったく」)
嘆息一つ。リリアは音もなく難癖をつけた兵士に密かに忍び寄ると、致命的な一撃で瞬時に相手を無力化する。
「な!?」
どこからともなく現れたリリアに、ギョッとする兵士の仲間達。
そんな兵士に、そして周囲に喧伝するようにリリアは告げる。
「リリアに誘惑された相手を連行しようなんて本当にナポレオン愚帝の配下らしいわねぇ……おかげで今日も簡単に1人倒せたわぁ」
理不尽を敷いた兵士が倒されたのみならず、『愚帝』。その単語に、兵士のみならず周囲までもがざわめいた。
「こんな風にね?」
リリアはフードつきマントを脱ぐと、豊満な肢体で兵士を誘惑すらしてみせる。
だが騒ぎを聞きつけて続々と押し寄せた増援に、リリアは拘束された。
それでも、周囲には数人の兵士が意識を失って倒れている。
(「……こんな所かしら? でも、子供にまで手を出した罪、払ってもらうわよ?」)
誘惑されかかった兵士の不快な手つきを無視して、リリアは連行された。
大成功🔵🔵🔵
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
ニコル・リヴィエール
あまり上のご身分の方を悪く言うのは得意ではないのですが……すべてはお嬢様のため、こんな世界はお優しいお嬢様もお望みではないはずです
周囲を観察し、ナポレオンの信奉者と思わしき数人に目を付け、わざと次々ぶつかりに行きましょう
「あら、失礼いたしました」
と頭を下げ、なおも何か言われるようでしたら「先を急ぎますので」と聞く耳持たずで立ち去ろうとしましょう。これならきっと侮辱だと気を引けるでしょうから
そして周辺に聞こえるぐらいの声で言いましょう
「どなた様にお仕えしていますか存じ上げませんが、ぶつかってしまった程度で反逆を疑われるような猜疑心の方待ちのような方なら頂点に立つには全くふさわしくないでしょうね」
●
(「一介のメイドである私が、上のご身分の方を悪く言うのは得意ではないのですが……」)
ニコル・リヴィエール(リヴィエール家のメイド・g00574)の脳裏には、少しばかりの粗雑な言葉が浮かんいた。
無理もない。罪のない人々が、次々と連行されている現状を思えば。
(「すべてはお嬢様のため、こんな世界はお優しいお嬢様もお望みではないはずです」)
ニコルは、彼の誇りたるリヴィエール家の紋章を思い浮かべ、決意を新たにする。
やがてニコルは、ナポレオンの信奉者らしき集団を目にする。判別は簡単だった。
(「私達ディアボロスが動いている影響で、彼らも気が気ではないのでしょう」)
街では既に複数件の騒ぎが起こっている。ナポレオンの信奉者からすれば看過できる状況ではないだろうし、怒りを抑えられてはいなかった。
事実、彼らはその怒りをぶつける相手を求めているようにニコルには見えた。
だから――。
「あら、失礼いたしました」
ニコルは自分から、目を付けていた数人にわざとぶつかっていった。
ニコルは丁寧に頭を下げるも、
「……わざとぶつかったのであろう? ナポレオン様の信奉者たる我々に」
「先を急ぎますので」
激昂する相手に構わず、ニコルは素知らぬ顔でナポレオンの信奉者達の間をすり抜けて立ち去ろうとする。
「っ、待て!!」
だが、ナポレオンの信奉者達はニコルの無礼な行いに腹をたて、道を塞ぐ。
そして、騒ぎを聞きつけた兵士も押し寄せてきた。
ナポレオンの信奉者がある事ない事兵士に報告し、その報告を疑いも持たずに受け取り、ニコルを侮蔑に満ちた瞳で見る兵士。
一般市民の注目も十分に浴びている事を確認し、役者は揃ったと判断したニコルは……。
「どなた様にお仕えしていますか存じ上げませんが、ぶつかってしまった程度で反逆を疑われるような猜疑心の塊のような方なら頂点に立つには全くふさわしくないでしょうね」
彼のお嬢様のメイドとして恥じないよう堂々と、中性的な声でハッキリと周囲に聞こえるように明言した。
「このっ――」
ナポレオンの信奉者に罵声を浴びせられながら、激昂した兵士にニコルは連行されるのであった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
刀匠其之他一切不明・刻切陽丸
【むにー】と行動
悪趣味な見せ物だなあ気に入らない、邪魔してやろう
狙いは味方の浸入支援と退路の確保、逃げる道が無ければどうしようもないからね
選択パラドクスの『モブオーラ』で存在感を隠し、更に『忍び足』で気づかれないように選択肢②で囮になったディアボロス達を追って監獄に侵入
啓慈の策に乗って牢に向かう仲間が見つからないように「妖刀」で音を立てず一般兵を始末していこう
また監獄に入ってからは曲がり角の床に傷を作りどちらに曲がれば出口に付くかを示す矢印を描く、簡単なものだがこれでどこへ逃げれば良いかわかってくれるはずだ
運良く鍵を手に入れたら仲間に渡して自分は退路の確保に注力するとしよう、殿は大切だからね
赤城・啓慈
……宗教め、恐ろしいことをする。幼子にすら手を出すのを、見過ごすわけにはいかないな。
まずは牢番を片付け、安全に囚われた者たちを助ける手配をするか。
影に隠れつつ、パラドクスで生み出したコインを投げる。転がって、牢番が歩けば届く範囲に落ちる程度に投擲をする。拾いに行く、もしくはこちらから背を向けたタイミングで、ウィザーズロッドでも使って牢番の首をぶん殴るんだ。これで寝てくれればいいのだがな。
力技でしか、今のところ解決できないのが問題だな……あとは鍵を探すなり、囚われた者たちを逃がすなりしよう。
クルドール・プリスカード
【むにー】と一緒
断頭や処刑というものは好みではありますが。だからと言って行う理由が雑過ぎます。やるなら極悪人にやっていただきたいものです。侵略者とか
わたしは脱出のしやすくする動きをいたしましょう
牢屋の鉄格子の隅に脆弱性があるというのでしたら『錆の一撃』の【腐食】効果で鉄格子の弱いところを腐食させます
非力な方でも破壊できるぐらい強めに腐食させましょう
ただし鍵が入手できた牢は必要なさそうですので、やめておきます。痕跡は少ないに越したことはありません
仲間の方達が牢番の無力化を、音を出しても問題ないぐらい処理出来たのでしたらのこぎりで削って壊しやすくいたしましょう。削るときは子供や重症患者の牢を優先に
●
――チップだ。受け取れ。
薄暗く、寂れた通路を貴金属のコインが彷徨っていた。
それは、影から放たれたもの。
転がるコインは軍服を着た兵士が数歩進めば手に取れる位置で止まり、チャリンという音を鳴らした。
「ん?」
どこからともなく現れたコインを警戒し、そして僅かの下心をもって兵士は歩を進める。
そして兵士がしゃがみ込み、ただの一円にも見えるそれに白けた表情を浮かべた。
やがて兵士は立ち上がろうとして……ドスン!! 首に猛烈な衝撃を見舞われ、意識を失った
「……物の価値すら分からないか」
ウィザードロッドを振り下ろした体勢で、赤城・啓慈(歩く金のなる樹・g00630)は彼の思惑通り簡単に背中を向けた兵士を見下ろしている。
「……宗教め、恐ろしいことをする。幼子にすら手を出すのを、見過ごすわけにはいかないな」
啓慈が辺りを見回すと、立ち並ぶいくつもの牢。その中には大勢の人々が詰め込まれており、子供の姿もあった。
と、その時。通路の奥で人の倒れる音がして、啓慈はそちらに視線を向け――こちらの兵士を無力化した事を合図した。
●
刀匠其之他一切不明・刻切陽丸(かざすその名に決意を込めて・g01258)達は、バスチーユの監獄への潜入に成功していた。気配を消し、忍び寄る彼女に気付く兵士は存在しない。
(「悪趣味な見せ物だなあ気に入らない、邪魔してやろう」)
異常発生を知らずに呑気に監獄を巡回する兵士。
(「悪く思わないでくれよ。ガンガン制圧させてもらうから」)
刻切陽丸の妖刀の一撃で、音もなく始末されていく。
「よし、後は矢印を刻んでっと。……簡単なものだが、これでどこへ逃げれば良いかわかってくれるはずだ」
刻切陽丸は大まかにではあるが、通路の曲がり角ごとに逃走のための進路を床に傷をつける事で示していた。
「俺達ディアボロスにしろ、囚われた人にしろ、逃げる道が無ければどうしようもないからね」
まずはそちらの確保が最重要。主要な敵の始末はその後だ。
「始末した兵士から、運良く鍵も手に入ったしな。これをクルドールに渡して、俺は殿に注力するとしよう」
●
「安心してください。脱出はわたし達の指示に従ってください」
監獄。饐えた匂い。拷問。人の死。
両親の死をしっかりと受け継いだクルドール・プリスカード(壊れかけた・g01966)にとって、それは身近に存在するものであった。
ゆえにだろうか、幼い彼女が泣き、喚き、悲嘆し、絶望する囚人達の前にあって、こうも落ち着いていられるのは。それとも、彼女の自称する過去ゆえだろうか。
「痛みは長く、命を蝕む」
クルドールは牢の脆弱部に、錆だらけの鋸刃で斬りつけ、腐食させる。
すると、元々ガタがきていた牢は、子供の力でも破壊できる程度にまで脆弱性が進行した。
「……お家に、帰れる……?」
クルドールの目の前には、この脆弱性を発見してくれた女の子の姿があった。
クルドールは頷くと、「後少しだけ我慢してください。痕跡は少ないに越したことはありませんから」そう告げた。
●
「これでこの辺りの兵士が持っている鍵は全部だ」
「ありがとうございます、啓慈様。まるちゃん様も」
啓慈からも鍵の入手を知らされたクルドール達、それらを囚人達に渡しておく。
「この辺りの牢番の無力化はできているはずだよ」
「本当にご苦労様です、まるちゃん様」
やがて最後の仕上げとして、子供や重症患者の牢を優先的に、出来る限り鋸刃で削り、腐食させた。
(「断頭や処刑というものは好みではありますが、理由が雑過ぎます。やるなら極悪人にやっていただきたいものです。侵略者とか」)
希望の灯がともりはじめた牢に、クルドールはそう思うのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【モブオーラ】がLV2になった!
【操作会得】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】がLV2になった!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
その日、バスチーユ監獄の断頭台に上がった罪なき者達は、心に秘した何かを抱いていた。
「ようこそ、許されざる罪人よ」
その内心を知ってか知らずか、処刑場で楚々とそう告げるのは、処刑人である鉄爪貴婦人。
そしてその周囲を固める、護衛のサンソン式断頭人形達。
両者は冷徹な眼差しで、こちらを見つめていた。
だが、断頭台に上がったのは、一般の囚人達――ではなく、ディアボロスであった。
ディアボロスは見事にクロノヴェーダを欺き、一般人を庇う必要がない状況で、鉄爪貴婦人とサンソン式断頭人形と向かい合う。
両者を撃破に導ければ、場は大きく混乱し、ディアボロスが関わった囚人たちも、この地獄のような監獄を脱する事ができるはず。
順当にサンソン式断頭人形達から先に撃破するか、それとも……。
雨ヶ屋・マヌエ
●行動
標的である人形を味方と挟撃できる位置まで[忍び足]で移動する。囮となってくれたディアボロスのおかげで不意も突くのも容易いだろう。
それから相棒のモーラット・コミュ「スタナ」にハンドサインで合図を送り、電撃で標的を狙い撃たせると同時にあたし自身も拳銃片手に突撃する。スタナが攻撃を受けないようにあたしが前衛、スタナが後衛だ。3、2、1、行くぞ!!
ついでに【パラドクス通信】のネットワークも構築しておきたいところだがこちらは運次第。
●心情
なんと頼りになる味方なのでしょう。これで後顧の憂いなく戦闘に専念することができます。他のディアボロスの腕利きぶりに驚きつつも心中で賛辞を送ります。
刀匠其之他一切不明・刻切陽丸
絡繰に介錯させるなんてぞっとする、ちゃんとした専門家にしてくれ
WIZのパラドクスは反撃ができないからエメ(g03820)にディフェンスを頼む
戦法は味方との挟撃を意識して不意討ち狙い、使える残留効果は全て使用する
敵の数を考えると乱戦となるから相手を絞れば死角は多いはずだ
攻撃する2体を決めたら『精神集中』してその動きを追いながら罪無き子供を殺そうとした怒りを『呪詛』として練り上げ、他の敵や味方の身体で自分を隠すようにしながら『忍び足』で攻撃する相手に気づかれないように死角を保ち続けよう
味方の攻撃により相手の動きが乱れたら「妖刀」を引き抜きパラドクスの一撃を入れる
どうだい、絡繰よりは良い切り口だろう
ニコル・リヴィエール
こうも上手くいくとは、これで何の憂いもなく敵を倒すことが出来ます
後は敵の目を引き付けることができるならもう一つ有利になるでしょうか
使える残存効果は全て使わせていただきましょう
大人しく断頭台へ上がり、周囲を見回し、味方の姿を探しながら青い薔薇に口づけ不意を突くように青薔薇の夢で周囲のサンソン式断頭人形へ攻撃いたします
「これがお嬢様からの最後のプレゼントでございます」
薔薇の花びらも含めて断頭台から目立てば、他のディアボロスの方々も不意を突きやすくなるでしょう
少しの反撃は無視して、敵の目を引き付けることに集中いたします
エメ・シャミナード
一番偉いのは綺羅びやかな人形っぽいけど、こいつらも生かしておいていい訳がない
これ以上誰の首も刎ねさせないよ
同じ戦場にいる仲間と連携することを意識しつつ、敵の数を減らしていくことを最優先に
皆と同じ敵を攻撃したり、弱ってる敵を優先して攻撃したりね
必要に応じて声をかけあっていこうか
使うのはサキュバスミストで
人形が夢を見るかは分からないけど
桃色の風を生み出して【撹乱】は出来るんじゃないかな
処刑人は夢うつつのまま崩れてしまえ
陰鬱な歌を掻き消すように、戦場をどんどん駆け抜けよう
それから「刻切陽丸(g01258)をディフェンス」するよ
変な歌の対処なら任せてね
一緒にいる皆も頑張ろう
私達は一人じゃないからね
赤城・啓慈
処刑人か。たとえ人形だろうと容赦はしない。奴らの罪は私たちが罰する。
奴の歌が聴こえ次第、パラドクスで生成したコインを味方に投擲。歌からコインへと意識を移させてもらう。ほんの少し目を逸らさせてしまうことになるが、精神攻撃を受けるよりはマシなはずだ。
奴らの歌になど一銭も価値がない。耳を傾けるべきは命を奪われそうになった者たちの慟哭だろう、死に囚われるな!
敵の攻撃を欺くことができれば、作業用ノートPCから適当な魔術を取り出し、高速詠唱をする。ある程度しかダメージは与えられないだろうが、幸い攻撃役は多数いる。
私利私欲の処刑など私が認めん。
●
「さぁ、処刑を始めましょう」
鉄爪貴婦人が告げた。
それを合図に、サンソン式断頭人形の軍勢が処刑台への道を作ろうと左右に分かれようとする――その刹那。
「こうも上手くいくとは、これで何の憂いもなく敵を倒すことが出来ます」
大人しく断頭台に上がっていたはずの一人、ニコル・リヴィエール(リヴィエール家のメイド・g00574)が、口を開いた。
「…………貴方は?」
鉄爪貴婦人とってそれは、脚を止めるに値する異変。
これまで処刑される人間は、涙を流し、許しを請い、無力に打ちひしがれるだけの存在だった。
だけど……。
「どうかお嬢様の優しき想いを花開かせてくださいますよう」
ニコルは違う。……否。ここにいるニコル『達』は違った。ニコルは彼の瞳と同じ色の薔薇に口づけると、ふいに薔薇の花びらによる嵐が舞い、刃となって4体のサンソン式断頭人形を斬りつけた。
「ありがとね、ニコル」
エメ・シャミナード(キロプテル・ローズ・g03820)の周囲にも、薔薇の花びらは盾として舞っている。
そして、ここまで積み重ねた残留効果は、ディアボロスの確かな力に。加えて【アヴォイド】により、ニコルへのサンソン式断頭人形の反撃は無力化されていた。
「鉄爪貴婦人様、お下がりを」
「ええ、この場は一旦お任せしましょう」
痛撃を受けたサンソン式断頭人形を見て、敵方もこちらの脅威を悟る。サンソン式断頭人形の提案を受け、鉄爪貴婦人は大人しく引き下がる。
(「一番偉いのは綺羅びやかな人形っぽいけど、こいつらも生かしておいていい訳がない。これ以上誰の首も刎ねさせないよ」)
一連の様子を警戒しつつ見ていたエメは鉄爪貴婦人への警戒も露わに、次いでサンソン式断頭人形へと鋭い目を向ける。
「ニコル、まずは弱っている敵から、各個撃破で数を減らすよ」
「はい!」
エメが星空の如き羽根を広げると、魅了の魔力を宿した桃色の風が拡散する。
(「人形が夢を見るかは分からないけど、【撹乱】は出来るんじゃないかな」)
2体のサンソン式断頭人形が、精神を侵蝕されて事切れた。
「処刑人は夢うつつのまま崩れてしまえ」
エメが呟く。
その時、ニコルはサンソン式断頭人形の背後に味方の姿を見つけ、
「これがお嬢様からの最後のプレゼントでございます」
一際激しく、派手に。薔薇の花びらによる嵐を吹かせた。
●
(「なんと頼りになる味方なのでしょう」)
作業帽を目深に被りながら、忍び足で雨ヶ屋・マヌエ(ボランティア・g01424)は、サンソン式断頭人形の背後に回っていた。
(「さすがですね、皆さん」)
サンソン式断頭人形は、目の前のディアボロスに集中せざるを得ない状況。
(「囮となってくれたニコルさん、エメさん達のおかげです」)
それらを確認し、相棒のモーラット・コミュ「スタナ」へと、マヌエはハンドサインで合図を出した。
瞬間、スタナが高圧電流を放った。電流は3体のサンソン式断頭人形へと直撃。
小型拳銃を構え、マヌエも戦場に突撃する。
「スタナが攻撃を受けないようにあたしが前衛、スタナが後衛だ。――3、2、1、行くぞ!!」
「背後だ。増援が来るぞ!」
サンソン式断頭人形が伏兵の存在に気付くも、マヌエ達伏兵からしてみれば、その反応はあまりにも遅すぎた。
マヌエは『自律形態』に変形した断頭台をを掻い潜り、発砲。
「スタナ、頼んだ!」
スタナに合図を出して、反撃する。
そんなマヌエの前には小型通信機が現れており、彼女は状況の変化に対応すべく集中した。
「処刑人か。たとえ人形だろうと容赦はしない。奴らの罪は私たちが罰する」
エメに反撃の手を向けるサンソン式断頭人形を狙い、赤城・啓慈(歩く金のなる樹・g00630)が生成したコインを投擲する。浄罪哀歌の影響を受ける仲間が、「死」のイメージさせる陰鬱な歌から少しでも意識を逸らす手助けができればという思惑での行動。
「不快な歌だ」
啓慈は吐き捨てる。
そして、
「奴らの歌になど一銭も価値がない。耳を傾けるべきは命を奪われそうになった者たちの慟哭だろう、死に囚われるな!」
告げると、エメとニコル、そして彼が補助する刻切陽丸ら、同旅団の仲間が頷きを返す。
「汚らわしき罪人の慟哭であろうが!」
「そうでない事を私達は知っている!」
啓慈は、サンソン式断頭人形が嗾ける変形した断頭台の一撃を舞い散る花びらで威力を減衰させつつ受け止め、コインで意識を逸らす事で反撃し、作業用ノートPCのキーボードに指を這わせた。
「たいしたダメージは与えられないだろうが、幸い攻撃役は私以外にもいるもんでな」
啓慈は、カスタムした作業用ノートPCにデータとして入っている魔術の術式を高速詠唱によって発動させた。
「絡繰に介錯させるなんてぞっとする、ちゃんとした専門家にしてくれ」
セミロングの金髪を揺らし、刀匠其之他一切不明・刻切陽丸(かざすその名に決意を込めて・g01258)はサンソン式断頭人形の背後を取り、武器に宿る呪いを解放する。
狙うは、エメのサキュバスミストや、啓慈が魔術で牽制している内の2体のサンソン式断頭人形。
刻切陽丸は、その2体の動きをつぶさに追う。
(「よくも罪なき子供を殺そうとしたな!」)
刻切陽丸の脳裏には、牢に囚われた子供の姿が鮮明に刻み込まれている。
頬を流れる涙も、不安も、「少女」の心には全てが。
刻切陽丸はそれら怒りを呪詛として練り上げ、小柄な体躯を活かし、仲間の影に紛れるようにしてサンソン式断頭人形の死角から忍び寄る。
――神蝕呪刃!
隙を突き、呪詛が練り込まれた妖刀がサンソン式断頭人形を断ち、傷口から侵食した。
「どうだい、絡繰よりは良い切り口だろう」
●
「私に任せてね!」
「助かる、エメ」
エメがサンソン式断頭人形の反撃を受ける刻切陽丸を庇い、カウンターのサキュバスミストで侵食する。
「私利私欲の処刑など私が認めん」
啓慈が仲間全体の補助をし、ニコルの青い薔薇が残ったサンソン式断頭人形を一掃した。
「敵の目を引き付けることができていたでしょうか」
彼のお嬢様に恥じない戦いができたかと、ニコルが自問していると。
『見事な腕利きであると、皆さんに賛辞を贈らせてください。もちろん、ニコルさんにも』
小型通信機から、マヌエの明るい声が聞こえて来た。
「一緒にいる皆も頑張ろう。私達は一人じゃないからね」
エメが締めると、ディアボロス達は残る敵への視線を向ける。
鉄爪貴婦人。
牢に囚われた人々を解放するための、最後の関門へ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【腐食】がLV2になった!
【植物活性】LV1が発生!
【現の夢】LV1が発生!
【操作会得】がLV2になった!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
クルドール・プリスカード
そうですね、断罪されるべき罪は存在します。鉄爪貴婦人様の意見にはわたしも肯定いたします。
ですが、一つだけ間違いがありますね。…裁かれるべきはお前です。
戦闘を行いながらスパイダーウェブを戦場に設置を行いましょう。高めのSPDを活かし【トラップ生成】も駆使して素早く設置していきます。
啖呵を切った割に攻撃もせず逃げ回ってる小物を演じましょう。実際WIZが低いので使われると厄介ですし、余裕がないですね。
糸の設置を済ませたらあとは罠にかけるだけ。糸を操り敵に絡ませ動きを止め、素早くのこぎりで一撃を入れて離脱します。
…とどめがさせる状況なら断頭台を【操作会得】で使用して奴の首を刎ねてやりたいですね。
●
「罪には罰を。違いますか? 私達はナポレオン様やこの世界に害を為そうとするものに裁きを下しているに過ぎません」
ゆえに、己が行いは絶対的な正義だと、鉄爪貴婦人が主張する。
「そうですね、断罪されるべき罪は存在します。鉄爪貴婦人様の意見にはわたしも肯定いたします」
クルドール・プリスカード(壊れかけた・g01966)は同意する。狂気と残酷を好む彼女からすれば、同意せざるを得ない。
「では――」
「――ただし!」
鉄爪貴婦人の言をクルドールは遮った。
「ですが、一つだけ間違いがありますね。……裁かれるべきはお前です」
クルドールの瞳が狂気に歪む。そう、狂気を向けられるべきはバスチーユ監獄の囚人達では決してない。おぞましい罪があるのは他でもない鉄爪貴婦人。無論、苦痛の果ての死を与えられるべきなのも。
「……そうですか。ですが、どちらにせよ変わりません。私を肯定しようと否定しようと、貴方がたの首はこの断頭台で断たれるのですから」
クルドールが攻め、鉄爪貴婦人が反撃する。
だが、クルドールは決定的な一打を入れられず、むしろ踊るが如き優雅で軽やかな足取りで鉄爪を振り回す鉄爪貴婦人に追い詰められている――ようにも見えた。
「啖呵を切った癖にと、そしてわたしが小物に見えましたか? ……実際、余裕がないのは事実ですが」
と、動き回っていたクルドールが、唐突に動きを止める。
「その通りでしょう」
鉄爪貴婦人は、それをただの隙と見て近づくが。
ただしそれは、高速で逃げ回るクルドールが、その裏で策を張り巡らせていない場合である。
もし策を張り巡らせていた場合、誘い込まれた獲物はどちらか。
答えはすぐに分かった。
「――っ?」
「あなたは蝶、蜘蛛の巣に引っ掛かった蝶。あとは喰いつくすだけ」
クルドールが逃げ回るふりをしながら戦場に設置していたスパイダーウェブ。
それらにいつの間にか、鉄爪貴婦人は絡めとられていた。
動きが取れない。ぐるぐるに巻かれている。
クルドールは素早くのこぎりを振るい、鉄爪貴婦人に苦痛を味合わせ、刻まれた傷を【ドレイン】で癒すのであった。
成功🔵🔵🔴
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
エメ・シャミナード
あの人形を倒せば、今回の処刑は止められるね
罪のない人達を身勝手に殺そうとした報い、受けてもらわないと
手の数は相手の方が圧倒的に多い
なるべく捕まらないように立ち回りたいな
戦場を駆け回り相手を【撹乱】するように動こう
周囲の仲間との連携や声掛けも大切に
そしてタイミングを見計らい、一気に敵の懐へ
多少切り裂かれるくらいなら大丈夫
捕まるのが一番怖い
機械腕の動きに気をつけて行くよ
行ける所まで行ったら電磁槍でデストロイスマッシュだ
敵の身体も機械腕も思いっきり【破壊】してやる
街にあったあの銅像みたいにね
言ったよね
ほんと、悪趣味で格好悪いって
心の底からそう思うから、怒りはエネルギーに変えて
全力でぶん殴ってやるんだ
ニコル・リヴィエール
さて、これで周囲の掃除は終わりました
後は親玉だけですね。見た目に反し何と醜いことでしょう、お嬢様の足元にも及びません
できたら捕らえられることは避けたいところです
最初は皆様の援護をするように小型拳銃を相手の腕を狙って撃ち続けます
味方の攻撃が決まり始めたぐらいで箒に持ち替え、レボルシオスラッシュです。思い切り振り下ろしてやりましょう
これまで接近して戦う姿はみせていないため、多少の不意を突くことが出来るはずです
「これが罪なき人々を処刑した罰でございます」
接近に気づかれても先ほどの花びらの守りを信じて突き進みます
●
クルドール・プリスカードが、鉄爪貴婦人へとのこぎりの一撃を叩き込んでいた。
「あなたを守ってくれる護衛はもういません。残っているのは親玉であるあなただけです!」
「罪のない人達を身勝手に殺そうとした報い、受けてもらわないと」
小柄な彼女と入れ替わるように前線に躍り出るのは、ニコル・リヴィエール(リヴィエール家のメイド・g00574)とエメ・シャミナード(キロプテル・ローズ・g03820)の二名。
ニコルとエメ、そして鉄爪貴婦人の激しい応酬。
「その程度で優位に立ったつもりでしょうか? 逃げ回るのがお好きのようですね、貴方がたは」
ニコルは牽制するように小型拳銃から弾丸を放ち、エメは【撹乱】のために戦場を駆け回っている。
(「捕らえられることは避けたいところです」)
(「なるべく捕まらないように立ち回りたいな」)
だが、ニコルにもエメにも焦りの色はない。
鉄爪貴婦人のそれが、挑発であると察しているためだ。決定打を与えられないのは、向こうも同じなのだから。
だからニコルとエメは互いに視線を交わし、動くべきタイミングを見計らっていた。
「今だよ! 援護をお願い!」
「はい、お任せください!」
その時、エメの声掛けを合図に二人は攻勢に出る。
一気に敵の懐へ潜り込もうとするエメに対し、ニコルが小型拳銃を相手の腕を狙って撃ち続ける。
(「多少切り裂かれるくらいなら大丈夫。一番怖いのは機械腕に捕まる事だから」)
ニコルの弾幕の援護の中、エメは遂に鉄爪貴婦人の間合いに侵入し、
「破壊してやる! 街にあったあの銅像みたいにね!」
電磁槍を握る手に力が籠められる。心の底からの怒りをエネルギーに変えて。
複数ある機械腕の一部に、建物すら打ち砕く念動力を乗せた電磁槍が叩きつけられ、轟音が響いた。
エメに狙いを定めていた機械腕の一つが機能不全に陥り、反撃をやり過す事に成功する。
「お見事です。次は私の番ですね」
と、ニコルは小型拳銃から、箒に持ち替えていた。
「今更、そんなもので何ができると――」
だが、鉄爪貴婦人も怯まない。
(「これまで接近して戦う姿はみせていないですから、そういう判断となるでしょう。私なら、与しやすいとでも?」)
「……っ?!」
だが、ニコルの接近しての踏み込みは、鉄爪貴婦人の予想を超えて熟練していた。
ニコルは世界の変革を望む意志を箒に宿す。
「これが罪なき人々を処刑した罰でございます」
「グゥ……!」
思い切り振り下ろおろされた一撃に、鉄爪貴婦人の機械の身体が軋んだ。
「見た目に反し何と醜いことでしょう、お嬢様の足元にも及びません」
「言ったよね。ほんと、悪趣味で格好悪いって。まだまだ全力でぶん殴ってやるからね」
ニコルとエメの怒りの火は、鉄爪貴婦人が倒れるその時まで冷めない。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】がLV2になった!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【ラストリベンジ】LV1が発生!
赤城・啓慈
見えた、アレが人形共の親玉か。
処刑など肴にせず、人形らしく振る舞えばよかったものを。贖え!
私ではあの機械腕を逃れられそうにない、か。だが手段はある。元素葉符を手に、拘束されたタイミングでパラドクス発動。貴様の顔面に激流を放ち、迎撃する。
流水は凍りにくい。それに、貴様らはずぶ濡れになろうが、切り捨てられようとも蠢くのだろう?
ちょうどいい。乾かしてやる。元素葉符から火属性魔術を高速詠唱。火刑だ、人形。
クルドール・プリスカード
啓慈様(g00630)に対するPOWをディフェンスします
アヴァタール級と一人っきりでの戦闘…
回避を優先した立ち回りをしましたが、もう限界が近付いてまいりましたね…ですが、周りを撃破してきた仲間達が駆けつけてきてくれました
ここからが正念場です。お前はもう、逃げられません
そして第2ラウンドと同時にネメシス形態を発動と致しましょう。
啓慈様が発生させた【水源】に錆びたのこぎりを浸し『呪詛』で汚染させます。錆の毒を含んだ水を喰らわせてやります
その後は仲間が作ってくださった隙を突いて、ネメシスや残留効果による強化されたSPDと火力強化系残留効果で強力な『錆の一撃』で切り裂きます
腐り朽ちるといいです…
●
エメ・シャミナードの電磁槍が縦横無尽に振るわれ、ニコル・リヴィエールが発する【勝利の凱歌】が戦場を希望で埋め尽くす。
「――見えた。アレが人形共の親玉か」
戦況は優勢なれど、鉄爪貴婦人は未だ健在。赤城・啓慈(歩く金のなる樹・g00630)は虹色の葉扇――元素葉符を構え、機を伺う。
「……確かに、私ではあの機械腕を逃れられそうにない、か」
冷静沈着に分析して啓慈が至った結論は、決して明るいものではない。
しかし……。
「か。だが手段はある」
機械腕から逃れられないのなら、逃れられない前提で行動すれば良いだけの話だ。
啓慈が突如として発生させた膨大な流水が、鉄爪貴婦人を呑み込まんとする。
「残念でしたね」
だが、鉄爪貴婦人はそれをを回避。そして反撃のために機械腕で啓慈を拘束。唇から、超低温の冷気を吹き付けてきた。啓慈は冷気に侵されながらも、耐える。
「流水は凍りにくい。俺が逃れられなかったように、今度は貴様がそうなる番だ」
拘束された啓慈が、青龍水計を発動させる。至近距離で顔面から激流に呑み込まれた鉄爪貴婦人は、今度こそ逃れられなかった。
アヴァタール級を相手に、一人っきりでの戦闘。
回避を優先したクルドール・プリスカード(壊れかけた・g01966)であったが、ダメージの程は隠し切れない。
だが――。
「仲間達が駆けつけてきてくれました。ここからが正念場です。お前はもう、逃げられません」
鉄爪貴婦人が失ったものが、クルドールの周りにはあった。
クルドールは、ネメシス形態へと変身した。
「第2ラウンドと参りましょう」
クルドールは【水源】に錆びたのこぎりを浸し、呪詛を唱える。
錆の毒を含んで汚染した水を撒き散らすと、鉄爪貴婦人が僅かに怯んだ。
「卑怯な!」
「貴様らはずぶ濡れになろうが、切り捨てられようとも蠢くのだろう? ちょうどいい。乾かしてやる」
重ねて水流に襲われる鉄爪貴婦人を憐れむように告げる啓慈。
彼は高速詠唱し、元素葉符を仰いで火属性魔術を行使する。
「火刑だ、人形」
「貴方がたは……!」
ダメージはともかく、どうやら嫌がらせにはなったようだ。
「隙を生み出してくださり、感謝致します。啓慈様」
クルドールは、錆だらけの鋸刃を握る。迸る力は、重なる残留効果も相まって、先ほどまでとは比にならない。特に怒りによって増幅されるダメージは!
「腐り朽ちるといいです……」
クルドールの冷酷な声色が戦場に響き渡る。明々白々な罪を背負う鉄爪貴婦人へと向けるその酷薄さは、機械の身体ですら身震いさせてしまいそうな程。
「――――!!」
錆の一撃でズタズタにされ、腐食させたクルドールの一撃は、鉄爪貴婦人に言語化不能なダメージを与えた。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【水源】LV1が発生!
【腐食】がLV3になった!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV5になった!
刀匠其之他一切不明・刻切陽丸
●連携可
貴婦人ってわりには貴くはないね、改名を進めるよ
絡繰との戦いで相手に死角からの不意討ちが得意とバレてる、そいつを利用しよう
『忍び足』で足音を消し『呼吸法』で息も短く静かに吸う
こうして音による判別をしにくくすれば相手はこちらから目を離さないよう『精神集中』を向けるはずだ、その間は味方が隙を突きやすくなる
味方の不意討ちが気づかれそうになったら『呪詛』を出し攻撃するように見せかけだけ抜刀の構えをとることでこちらに意識を向けさせよう
敵がこちらに抜かせまいとしてきたら爪が届く前に「小型拳銃」による選択パラドクスで攻撃
刀に注意を向けさせて本命を隠す、これも『暗殺』の一種さ
雨ヶ屋・マヌエ
刻切陽丸さんをディフェンスする。
[電撃使い]である相棒、モーラット・コミュのスタナに援護を任せつつ、あたし自身は【トラップ生成】で仕掛けたワイヤートラップの発動を狙う。
地面に転がるサンソン式自動人形の残骸からワイヤーが跳ね上がり、鉄爪貴婦人の腕に絡みつくのだ。
もちろんこんなものは簡単に振り解かれるだろうが、味方が勝負を仕掛ける一瞬の[時間稼ぎ]ができたならそれで十分。
ついでに拳銃で援護射撃しておこう。
あたし1人で罠や援護のタイミングを図るのが難しければ味方の声掛けに応じるのもいいね。その際には「はい!」と元気よく返事をしておこう。
●
「――――!!」
鉄爪貴婦人の声なき絶叫。
赤城・啓慈が生んだ水流によって呑まれた後に炎上させられた挙句、クルドール・プリスカードによって細部までズタボロにされた鉄爪貴婦人は、酷い有り様であった。
「貴婦人ってわりには貴くはないね、改名を進めるよ」
「殺して差し上げましょう!!」
刀匠其之他一切不明・刻切陽丸(かざすその名に決意を込めて・g01258)が容赦なく皮肉気に嘲笑うと、鉄爪貴婦人は楚々とした仮面を捨て、鉄爪を剝き出しにした。
「スタナ、電撃だ!」
雨ヶ屋・マヌエ(ボランティア・g01424)の相棒たるモーラット・コミュ『スタナ』が、電撃を迸らせる。
(「あたしと刻切陽丸さんの援護はその調子で任せたぞ、スタナ。その間に、あたしは――」)
マヌエの視線が向けられたのは、戦場内の地面の上に無造作に転がる地面に転がるサンソン式断頭人形の残骸。【トラップ生成】により、そこら一帯は非殺傷性の罠地帯となっていた。
(「それほど強力な罠ではないが、一瞬の時間稼ぎには十分だ」)
刻切陽丸は、鉄爪貴婦人の視線を感じていた。
「死角からの不意討ちが得意とバレてる、な」
「一度見せた戦略が通用するとは思わない事です」
事実、鉄爪貴婦人は刻切陽丸から目を離さない。
時折、スタナの雷撃とマヌエの射撃に意識を乱されるも、鉄爪貴婦人はあくまで刻切陽丸に集中しているようだ。
(「なら、そいつを利用しよう」)
刻切陽丸はそのために、あえて足音を消し、呼吸を最小限に抑えていたのだから。
踏み込んだ刻切陽丸は、呪詛を唱え、抜刀の構えをとる。
「させません!」
鉄爪貴婦人は、抜刀させないためにさらに距離を詰めてきた。
――が!
「俺にばかり集中していると、足元を掬われるよ? なぁ、マヌエ」
「はい!」
マヌエの元気のいい返事が響き渡った瞬間、鉄爪貴婦人の腕にはサンソン式断頭人形の残骸から跳ね上がったワイヤーが絡みついていた。
「こんなもので私の動きを抑制できるとでも思いましたか?!」
鉄爪貴婦人は、ワイヤーをすぐさま振り払う。
「もちろん思っていません。ですが、それで十分なんです」
マヌエも、ワイヤートラップでいつまでも鉄爪貴婦人を拘束できるとは思っていない。
「そういう事だよ、偽貴婦人」
ただ、刻切陽丸が鉄爪貴婦人の頭部に小型拳銃を突きつける時間さえ稼げればいいのだ。
「っ――」
最後の抵抗とばかりに鉄爪を高速で繰り出そうとする鉄爪貴婦人。
「刀に注意を向けさせて本命を隠す、これも『暗殺』の一種さ」
「さようなら、です」
だが刻切陽丸はそれよりも速く致命的な一撃を放ち、マヌエも念には念を入れて弾丸を叩き込むのであった。
●
サンソン式断頭人形と鉄爪貴婦人を失ったバスチーユ監獄は大混乱に陥っていた。
やがて、ディアボロスが協力して脱出の準備を整えていた牢から、脱獄した人々が飛び出してくる。
久しぶりの外の空気に感涙を流す者。笑顔の者、愛する人に会える喜びに浸る者。
その中には一人の女の子の姿もあった。
「本当に良かったです!」
マヌエは、義勇兵としてやり遂げたのだ。
皆の脱出を見届けたディアボロスは無事に任務を終え、帰還するのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【モブオーラ】がLV4になった!
効果2【フィニッシュ】がLV3(最大)になった!