キャメロット城攻城戦<後編>

 ディアボロスの活躍により、攻城戦で障害となる優秀な前線指揮官の各個撃破は、最大限の成果を上げることが出来ました。
 キャメロット城は、幻想竜域キングアーサーの根拠地である為、城内の防衛戦力は強大ではありますが、指揮官不在では、その戦力を有効活用できません。
 この混乱を利用して、キャメロット場に深く攻め込んでください。

 キャメロット城の混乱が収まり、敵が防衛態勢を整えてしまえば、それ以上の攻略は不可能となるので、短期決戦で可能な限り成果を出しましょう。

※キャメロット城攻城戦後の作戦について
 <前編>での成功数により、攻略に必要な成功数が低下&選択肢が減少しました。
 <後編>の成功後、アーサー王を護る円卓の騎士(ジェネラル級ドラゴン)との決戦が発生します。
 シナリオ数が多ければ多いほど、決戦可能な円卓の騎士の数は増加します。
 成功数10以上:1体
 成功数15以上:2体
 成功数20以上:3体
 以下、成功数が5増えるごとに、決戦可能な円卓の騎士が1体追加されます。

 円卓の騎士を撃破しておけば、幻想竜域キングアーサーに対する歴史の奪還戦ディアボロス・ウォーを有利に進めることが出来るでしょう。
 攻略旅団の提案があれば『アーサー王との決戦』や『円卓の間(など重要なクロノオブジェクト)の探索』といった作戦を挑む事も可能です。
 そうした提案が採用された場合は、ジェネラル級との決戦1体分の代わりに、提案内容に沿った重要シナリオが運営されます。

キャメロット城攻城戦~結界を破るばかりが能じゃない!(作者 柊透胡
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「『幻想竜域キングアーサー』の牙城、キャメロット城の攻城戦第一段階は、皆さんの奮戦で最大限の成果を得る事が出来ました」
 新宿駅グランドターミナル――今日もプラットホームに出現したパラドクストレイン1号車の傍らで、篁・弧珀(陽炎う陰陽射手・g03309)はその行き先を案内する。
「現状、優秀な指揮官を多く失ったキャメロット城は、一時的に防衛能力を大いに損ない、城の奥まで一気呵成の突入が可能となっています」
 この勢いに乗って城内に進撃し、指揮官を失い混乱の最中に在る敵を掃討。キャメロット城の奥深くへ斬り込むのが今回の作戦となる。
「制限時間は、敵が防衛態勢を整えるまで。その前にどれだけの成果を得られるかが、重要となります」
 城内の敵を数多く掃討する事で、1体ならぬ複数の『ジェネラル級の円卓の騎士』に決戦を挑めるだろう。
「他にも……攻略旅団の方針によっては、『断片の王であるアーサー王と勝敗を決する』、『円卓の間などの重要なクロノ・オブジェクトを探索する』といった作戦も行えるようになるでしょうね」

 キャメロットの城の外観は、所謂『中世の石造りの城』だが、大きさは通常の3倍以上。主となる通路は、ドラゴンでも移動可能なように造られているようだ。
「とは言え……全ての通路が、ドラゴン向けの寸法でもなさそうです。竜鱗兵が使う通路もあって、裏道のように色々な場所に繋がっているようですよ」
 既に、キャメロット城のあちこちに突撃したディアボロスもいるようだ。ドラゴンを撃破して主となる通路を確保しても良いし、裏道を制圧・探索して、城の奥に向かっても良いだろう。
「キャメロット城の探索目標については……攻略旅団の提案を、随時確認して頂ければ」
 攻略旅団よりどのような提案があるにしろ、本作戦の成果が、その提案の成否を分ける事になるだろう。
 万が一にも、今回の攻城戦をしくじれば、折角の好機をふいにする事になる。『幻想竜域キングアーサー』の奪還戦の機会をも、当分は逸する事になってしまうのだ。
「今の内に可能な限り、キャメロット城の攻略を進めておいて下さいね」
 ――ディアボロスの健闘を祈る。

 「竜鱗呪術兵『結界喰らい』」は、今は亡き『妖精郷』への再侵攻の為に生み出された。妖精郷の結界を破り、ドラゴンを消耗させず侵攻させるのが役割であり……ぶっちゃけ、結界破りの術式以外の戦闘力は、高くない。
「いや……我らとて、結界を破るばかりが能じゃない!」
 いっそ華奢な体格の『結界喰らい』は、何というか……影が薄い。ディアボロスの侵入を許してしまったキャメロット城は、今やてんやわんやだ。戦力と呼ぶには頼りない竜鱗兵を顧みる余裕など、ドラゴンにもないのだ。
 味方にすらノーマーク――だからこそ、出来る事がある!
「侵入したディアボロス共を捜せ……けして、気取られてはならんぞ。どんな姿で、どんな武装で、どんなパラドクスを使うか……ディアボロス共の戦いぶりをつぶさに観察し、残らずドラゴン様に報告するのだ」
 遠からず来るドラゴンの反撃の一助となるように。
「彼奴等には絶対、手を出すな。もし見付かったら、全力で逃げよ。情報を得て、ドラゴン様がおわす場所に逃げ込めれば、我らの勝ちだ!」
 リーダー格の言葉に、真剣な面持ちで頷き合う『結界喰らい』達――キャメロット城の片隅で、竜鱗呪術兵の命とディアボロスの情報を賭けた『鬼ごっこ&かくれんぼ』が、始まろうとしている。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【迷宮化】
1
洞窟や家屋、砦などの内部を迷宮に変化させる。迷宮化により、敵は探索や突破に必要な時間が「効果LV倍」される。
【泥濘の地】
1
周囲の地面または水面が泥濘に変わり、ディアボロスは指定した「飛行できない対象」の移動速度を「効果LV×10%」低下させられるようになる。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV1 / 【反撃アップ】LV1

●マスターより

柊透胡
 こんにちは、柊透胡です。
 今回は、『幻想竜域キングアーサー』キャメロット城攻城戦のパラドクストレインに、時先案内人篁・弧珀がご案内致します。
 『後半戦』は、集団戦一章のみの、特別シナリオになります。

 キャメロット城内のメイン通路はトループス級のドラゴンが多数行き来出来、飛んだり戦闘したりが可能な広さとなっています。
 メインの通路以外に、竜鱗兵が出入りする細い通路もあります。
 巨大なメインの通路の両脇には、キャットウォークのような竜鱗兵の為の階段とか通路がある場合もあるようです。

 今回の敵、トループス級「竜鱗呪術兵『結界喰らい』」は、ディアボロスの偵察を主目的としており、戦おうとしません。ディアボロスに見付かれば、逆説連鎖戦の反撃こそ行いますが、基本はドラゴンが駐留する場所まで逃げて、ディアボロスの情報を伝えようとします。
 逃げ隠れする彼らを発見、撃破すれば、敵が得られる情報が減る事で、次なるドラゴンの作戦に影響を与える事が出来るでしょう。
 実際、あんまり強いトループス級とは言い難いですので、索敵と逃亡阻止に力を入れて、しっかり倒してくださいね。

 シナリオの性質上、完結の速度重視です。攻略完了に必要な成功数を大きく超過しての採用は致しませんので、宜しくお願い致します。

 それでは、キャメロット城より、皆さんの熱いプレイングを待ちしています。
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


文月・雪人
※アドリブ連携歓迎

成程、このタイミングで情報収集に徹するとは、
混乱の中に在るとはいえ、敵もまだまだ冷静だね。
しかし地の利が向こうにある状況で、
隠れているだろう複数の敵を、全て見つけ出すのも大変だ。
ならばその地の利ごと、ひっくり返してしまうのはどうだろうか。

先ずは敵の視点になって、潜んでいる場所を推理する。
侵入者の情報を得たいなら、あまり奥まった場所に居ても意味がない。
侵入経路を推測した上で、身を隠したまま観察できる位置を選ぶだろう。
そして情報を得た後の報告は、誰か一人でも逃げきれたなら達成は可能だ。
仲間が見つかり攻撃されても、別方向へ逃走可能な場所が望ましい。
となれば、『主要通路に小さな通路が幾つも繋がっている場所』が怪しいね。

該当場所に差し掛かったら、
『エレクトロモンスター』のパラドクスを使用して、周囲を一気に【迷宮化】する。
具現化する迷宮は、隠れる場所のない硝子の迷宮だ。
そこの主たるモンスターは、トカゲの天敵、4体の大蛇。
迷宮内を慌てて逃げる竜鱗呪術兵達を、丸のみにして倒していこう。


 正しく、破竹の勢い――キャメロット城に攻め込んだディアボロス達は、城内のあちこちで逆説連鎖戦を繰り広げる。
 だが、戦場と化したキャメロット城で、全ての敵が闇雲に突撃してくる訳では無い。
(「成程、このタイミングで情報収集に徹するとは……この混乱の中で、敵もまだまだ冷静だね」)
 見た限り、ディアボロスの戦いぶりから情報を得んとする部隊は、1つや2つではない。それも、地の利は明らかに敵に有る。
(「隠れているだろう複数の敵を、全て見つけ出すのも大変だな……」)
 文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)は考える――先ずは敵の視点になり、潜伏場所を推理する。
 ――侵入者の情報を得たいなら、あまり奥まった場所に居ても意味がない。
 侵入経路を推測した上で、身を隠したまま観察できる位置を選ぶだろう。
(「……そして、情報を得た後の報告は、誰か1人でも逃げきれたら達成は可能だ」)
 喩え仲間が発見され攻撃されたとして、自身は別方向への逃走が可能な場所が望ましい。
「となれば……」
 雪人が怪しいと考えたのは、『主要通路に小さな通路が幾つも繋がっている場所』。
 ドラゴンも通れるだろうメイン通路に目を走らせる。ドラゴンの頭がつかえないよう、所謂吹き抜け状態であり、壁面は複数階層分、回廊が重なっている。恐らく、上下階の行き来も可能だろう。
「……いた!」
 果たして、回廊の片隅に紫の細身を認めた瞬間、雪人はパラドクスを放つ。
「トカゲの天敵と言えば、大蛇だよね」
 『エレクトロモンスター』――自らがデザインした「電脳の怪物」を、その住まう迷宮ごと現実世界に具現化させるパラドクス。
 4体もの大蛇が竜鱗呪術兵『結界喰らい』目掛けて奔ると同時、住処たる『硝子の迷宮』が具現化し――。
「え……」
 すぐさま、周囲の情景は元のキャメロット城に戻る。逆説連鎖戦の常として、結界破りの戟が四方から飛来したが、雪人が眉根を寄せた理由は反撃の痛みではない。
「残留効果が、消えた……?」
 残留効果【迷宮化】を敵の足止めに使おうとした雪人だが、足止めが可能かどうか以前に、上手く発動しなかった模様。
 キャメロット城は、クロノ・オブジェクトだ。断言は出来ないが、無効化されたのかもしれない。
「面倒な……」
 地の利ごとひっくり返せれば楽勝だったが、出来ない事は仕方ない。
 幸い、索敵自体は上手くいったのだ。後は……逃さず倒せば、それで良し。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【迷宮化】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!

ジェイ・スオウ
【連携&アドリブ歓迎お任せします。】
どの世界にも居るよナ。モブが。オレもわかるゼ?
オレも同じモブだからナ??
怪しい紫な出で立ちデ??そこまでの見た目なのに周りから認識度が薄イ??
しかも暗躍業をしていらっしゃるトカ?どこまで神経逆なでしてくれるんダ??

お前らの見た目絶対逃すわけネーダロ。
さながらソッチの世界のオレじゃネーカ。

見つけたら一気に【飛翔】で追いつく。進行方向に立ちはだかってやろうジャン?
どうやどうやって逃げるか、隠れるか。今何を思っているノカ‥手にとるようにワカルゼ?

お前らの得た情報をドラゴン共に渡すわけには行かネエ。
絶対にこの先に続く仲間の邪魔はさせネェ。

モブで被りが発生なんて吐き気がするワ。
オレはモブでもモブ界のセンターを狙ってるんデナ?
1つアドバイスヲ、こういう裏方業務は慌てたら駄目ダゼ?
お前らはココデ退場して貰ウ。
「降レ。魔女の金平糖」

仲間の残してくれてる残留効果で目星をつけて
―次ダ。


 ディアボロスを偵察していたと思われるトループス級「竜鱗呪術兵『結界喰らい』」は、吹き抜け上階の回廊に潜んでいた。
「に、逃げろ……!」
 パラドクスを浴びせられ、咄嗟に反撃しながら身を翻す。仲間の何体かが大蛇に丸呑みされたが、構わず駆け出した。
「だ、大丈夫だ。1階から一足飛びでここまで来るなんて……」
「は? お前らの見た目、絶対逃すわけネーダロ」
「!?」
 まさか、すぐさま背後から声が掛かろうとは。
「どの世界にも居るよナ。モブが……オレもわかるゼ? 同じモブだからナ??」
 ジェイ・スオウ(お茶友・g10376)は、いっそにこやかだった。
「さながら、ソッチの世界のオレじゃネーカ」
 連中を発見するや、残留効果【飛翔】で追い掛けたのだ。もし『結界喰らい』らが戦う心算であったなら、集中砲火で即撃墜の憂き目だったろうが、一目散に逃げ出してくれたなら追い掛ければ良い。
「そんな、怪しい紫な出で立ちデ?? そこまでの見た目なのに、周りから認識度が薄イ?? しかも、暗躍していらっしゃるトカ?」
 流石に、地の利の判らぬ場所で敵の進行方向には回り込めなかったが……トカゲのような眼がギョッと見開いた様からして、彼奴等は十分に驚いたようだ。
「……どこまで神経逆なでしてくれるんダ? モブで被り発生なんて、吐き気がするワ」
 一転、真顔で吐き捨てたジェイは、確かに紫髪で紫の着流し。カラーリングは『結界喰らい』と似ていない事も無い……。
「い、言いがかりだ!」
 ……まあ、客観的に見れば、竜鱗呪術兵の言う通りだろうが、ジェイに取り付く島は無い。
「オレは、モブでもモブ界のセンターを狙ってるんデナ? ――降レ」
 天井こそ高い狭路。『結界喰らい』らの頭上が煌めくや、夥しい数の魔女の金平糖――煌めくの魔力の礫が降り注ぐ。
「お前らは、ココデ退場して貰ウ」
 連中が得た情報を、ドラゴン共に渡す訳にはいかない。
「絶対に、この先に続く仲間の邪魔はさせネェ」
 ジェイにしても、こちらの方が本音だろう。
「ぐ……おのれ!」
 何とか結界浸食の呪詛を展開した竜鱗呪術兵達だが、如何せん、結界でない対象には威力が弱まってしまう。
「1つアドバイスヲ……こういう裏方業務は、慌てたら駄目ダゼ?」
 耐え切れず、床に折り重なった骸を見下ろし、ジェイは最後まで軽口を叩く。
 倒された2体を盾に、残る竜鱗呪術兵は逃げたようだ。だが、ジェイは焦る様子も無く、飛翔による追撃を再開する。
(「どうやって逃げるか、隠れるか……モブのオレには、手にとるようにワカルゼ?」)
 ――次ダ。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!

花塚・夜壱
情報収集か
自分ができることを、最大限に成す
敵ながら素晴らしい心構えだ
だが……俺にも譲れないものがある
逃がさないぞ

【観察】と【戦闘知識】を活かす
まずは城内の隠れやすい場所や細い道を特定
如意棒を伸ばして、地面へと【衝撃派】を放つ
さて、反響や相手の反応に耳を澄ませて探そう
こう見えて、昔から鬼ごっこは得意なんだ
幼馴染みがよく、人目を盗んで深夜に外へ出ようとしたから……

敵を見つければ、まずは【泥濘の地】で敵の出だしを挫く
どこへ行こうとも、これで足跡は残るはずだ
例え逃したとしても、次の追跡に役立つと良い
如意棒を使用し『神去』で攻撃
この魔力の波……絶てるものなら、絶つと良い
反撃してくれるならありがたい
反撃の間、お前たちの足も留まってくれるからな

見かけたら、率先して攻撃
能力値アップで、ジワジワとダメージ力も上がっているはず……
少しでも、敵の情報収集を阻止しないとな


 妖精郷亡き今、その再侵攻の為に生み出された「竜鱗呪術兵『結界喰らい』」は、トループス級の中でも弱い部類だろう。
(「だが、情報収集を……自分ができることを、最大限に成そうとする。敵ながら素晴らしい心構えだ」)
 好ましく思おうとも、花塚・夜壱(月下鬼人・g00016)にも……譲れないものがある。
 だから、けして逃がさない。
(「こう見えて、昔から鬼ごっこは得意なんだ」)
 人目を盗んでは深夜に出掛けようとした幼馴染みを脳裏に浮かべ、思わず唇を緩めるのも束の間。
「この辺りは……」
 捜索は、隠れ易そうな場所や、竜鱗兵だけが通れそうな細い通路を重点的に。竜鱗呪術兵『結界喰らい』らを、着実に追い詰めている。
 カツン――。
 如意棒で床を叩き、夜壱は反響に耳を澄ます。
「そこか!」
 階下の戦場の喧騒が響く中、通路の奥の足音は異質。駆け出すのももどかしく、一足飛びに低空を飛翔する夜壱。
(「駄目か……」)
 敵の細身を認めるや、残留効果【泥濘の地】を展開するも、泥はすぐに掻き消えた。
 キャメロット城はクロノ・オブジェクトだ。先んじて【迷宮化】も無効化されたようで、それと同様の理由だろう。場所にも依るかもしれないが……少なくとも、この近辺と残留効果の相性は悪かったようだ。
 尤も――【泥濘の地】の効果は「ディアボロスが指定した『飛行できない対象』の移動速度を低下させる」だ。夜壱が期待した「足跡で敵の痕跡を残す」のは、難しかっただろう。
 残留効果は範囲も効果も、厳密だ。便利使いは厳しい。
 それでも、敵を視認できれば、パラドクスで攻撃出来る。
 ――フフン、カフカを手伝わせてあげます。
 如意棒が纏うのは、鬼人ならぬデーモンの魔力。力強く振るえば、魔力が白く波立ち『結界喰らい』を薙ぎ払う。
「は、反撃しろ!」
「それは何より」
 いよいよ、追い詰められたのだろう。敵の長杖の髑髏の意匠が次々と魔刃を吐く。
「その刃で、この魔力の波を……絶てるものなら、絶つと良い」
 逆説連鎖戦のパラドクスの交錯はいっそ自動的ながら、覚悟を決めた竜鱗呪術兵自ら『攻撃』するようになれば、その逃げ足も止まるというもの。
 ――――!!
 哀しい哉、結界破りに特化した刃が夜壱に殺到しようと、触れなば切り裂く神去らせし波立つ一撃は、正に悪魔を彷彿とさせる蹂躙そのもの。
(「カフカ君のドヤ顔が、目に浮かぶようだ……」)
 それはもう、鮮明に。

「む、無念……」
 最後の1体を斃して尚――階下から激しい戦闘音が聞こえてくる。
 主たる防衛戦力との戦闘に比べれば、今回は局地戦に過ぎない。
 だが、『情報』も大きな武器であれば。
 敵の情報源を1つ断った事で、ドラゴン側の作戦に影響を及ぼしたのは、確実だろう。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2023年10月29日