キャメロット城攻城戦<後編>

 ディアボロスの活躍により、攻城戦で障害となる優秀な前線指揮官の各個撃破は、最大限の成果を上げることが出来ました。
 キャメロット城は、幻想竜域キングアーサーの根拠地である為、城内の防衛戦力は強大ではありますが、指揮官不在では、その戦力を有効活用できません。
 この混乱を利用して、キャメロット場に深く攻め込んでください。

 キャメロット城の混乱が収まり、敵が防衛態勢を整えてしまえば、それ以上の攻略は不可能となるので、短期決戦で可能な限り成果を出しましょう。

※キャメロット城攻城戦後の作戦について
 <前編>での成功数により、攻略に必要な成功数が低下&選択肢が減少しました。
 <後編>の成功後、アーサー王を護る円卓の騎士(ジェネラル級ドラゴン)との決戦が発生します。
 シナリオ数が多ければ多いほど、決戦可能な円卓の騎士の数は増加します。
 成功数10以上:1体
 成功数15以上:2体
 成功数20以上:3体
 以下、成功数が5増えるごとに、決戦可能な円卓の騎士が1体追加されます。

 円卓の騎士を撃破しておけば、幻想竜域キングアーサーに対する歴史の奪還戦ディアボロス・ウォーを有利に進めることが出来るでしょう。
 攻略旅団の提案があれば『アーサー王との決戦』や『円卓の間(など重要なクロノオブジェクト)の探索』といった作戦を挑む事も可能です。
 そうした提案が採用された場合は、ジェネラル級との決戦1体分の代わりに、提案内容に沿った重要シナリオが運営されます。

キャメロット城攻城戦~炎の意思(作者 水上ケイ
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 新宿駅グランドターミナル。キングアーサー行のパラドクストレインの一つの前で、古宮・泉美(MOMO・g03355)が話し始めた。
「キャメロット城攻城戦前半戦、お疲れ様でした! 皆さんの活躍で攻城戦の第一段階は最大限の成果を得ることが出来ました。
 優秀な指揮官を多く失ったキャメロット城は、一時的に防衛能力が大きく落ちており、今なら一気に城の奥まで突入する事が可能とみました」
 後半戦の作戦はシンプル。この勢いにのって城内に突入し、指揮官を失って混乱している敵を掃討し、キャメロット城の奥深くへと向かうのだ。
「可能な限り、突き進みましょう。この作戦は、敵が防衛態勢を整える前までに、どれだけの成果を得られるかが、重要です」
 城内の敵を多く掃討する事で、複数の『ジェネラル級の円卓の騎士』と決戦を行う事が可能になるだろう。
「また、攻略旅団の方針によりますが、『断片の王であるアーサー王』に決戦を挑んだり、『円卓の間』などの『重要なクロノ・オブジェクト』の探索などを行う事も可能になると思います」

 そして泉美は、さらに細かい説明にはいる。
「こちらの皆さんには、指揮官の戻りを待つ『蒼炎のジャッカー』の撃破をお願いしたいです」
 彼らは指揮官のアヴァタール級が戻らない為、出撃準備を整えて、城門に近い一室に待機している。彼等は、本来ならば敵戦力の中心を担う大群なのでここで撃破しておくことは後の戦況を有利にするだろう。
 キャメロット城は石造りの堅牢な中世の城という外観だが、城自体が巨大なクロノ・オブジェクトであり、外部からの破壊は困難だ。ドラゴン族お得意のダンジョンを思い出すディアボロスもおそらくいるだろうと、泉美は言う。
「今回戦場となるのは、石造りの巨大な一室です。堅牢で簡素、トループス級は指揮官の到来を整列して待っています」
 ドラゴン用なので天井も高く、ドラゴンが飛んだり戦闘したりするにも十分の大きさだ。
「この部屋にはこの部隊だけしかいませんね。皆さんなら大丈夫ですし、作戦はお任せします」
 突入に利用できるのはドラゴン用の大扉が部隊の正面に、竜鱗兵用(つまり人間サイズ)の小さい扉が後方にあるが、指揮官がいない今なら、力押しでも倒せるだろうと泉美は言った。

「キャメロットの城の大きさは通常の3倍以上で、メインとなる通路は、ドラゴンでも移動可能なように作られているようですが、メインとなる通路以外は、竜鱗兵サイズの通路となっており、裏道のように、いろいろな場所に繋がっているのですね」
 泉美は説明をそこで区切り、改めて付け加えた。
「今回のシナリオの攻略状況が、攻略旅団の提案の成否を分ける事になるので、可能な限り攻略を進めたいですね」


 石造りの部屋に部隊が待機して、どれくらい経つだろう。
「ブレオベリス卿は息巻いて出て行かれたが、お戻りが遅いな」
 蒼炎のジャッカーの1体が心配気な様子をみせる。
 彼等はこの場所で出撃準備を整えて、指揮官の到来を待ちわびていた。
「うむ……だが、準備を整えて待てとおっしゃったぞ」
「そうだ。我らは出撃命令なくば、動けぬ」
 ジャッカー達は正面の扉をみつめ、それが開くのを、今か今かと待ち受けていた。
 そしてジャッカー達の後ろには、普段見向きもされない、下働きの竜鱗兵用の扉があった。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【書物解読】
1
周囲の書物に、執筆者の残留思念が宿り、読むディアボロスに書物の知識を伝えてくれるようになる。効果LVが高くなる程、書物に書かれていない関連知識も得られる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【寒冷適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、摂氏マイナス80度までの寒さならば快適に過ごせる世界に変わる。

効果2

【命中アップ】LV1 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

水上ケイ
 水上ケイです。キャメロット城突入の後半戦をお届けします。

 1章のみの戦闘シナリオです。
 詳細はオープニングをご覧ください。

 採用は成功数を大幅に越えない程度になる予定です。

 ※パラドクス効果1は基本的に戦闘中は有効ではありません。
 ※戦闘中の飛翔は使用可能です。飛翔での『移動』は非推奨です。
 ※敵は攻撃したものと同じ能力値で反撃します。

 皆さまのカッコいいプレイングをお待ちしています!
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


エアハルト・ヴィオレ
とうとう断片の王の居城まで来ました。長かったですね。気を引き締めて、確実にアーサー王の元へ辿り着きたいですね。

王の居城故、複雑な造り、防衛戦力の充実。流石ですね。なら私は少しでも有利な状況で接敵すべく、竜鱗兵用の扉・・・人間サイズの扉から後方から
戦場となる部屋に入りましょう。

裏道を通る分、【パラドクス通信】で仲間との連絡を密にしましょう。

後方から接敵するものの、敵の攻撃範囲は侮れない広さゆえ、【戦闘知識】【観察】で敵の立ち位置と尾の振り方の軌道から敵の攻撃を分析、【残像】で致命傷を回避します。

攻撃は巨体からの尾の攻撃ゆえ、隙は【看破】しやすいはずですね。隙を逃さず、迅雷の衝撃を込めた弾を【連射】【弾幕】【制圧射撃】で放ち、【貫通撃】で確実にそのドラゴンの鱗を撃ち抜きます。

後方の有利はなるべく活かしたいですね。しかし弾丸での制圧が叶わず接近を許したら、信念の剣で対応します。

敵も必死なのでしょうね。でも私達復讐者も譲れません。ここを通してもらいますよ!!


シル・ウィンディア
ファギーおねーちゃん(g00880)と一緒に作戦開始っ!
ディフェンス指定:ファギーおねーちゃん

お城の中に突撃っ!
ここから先、派手なお出迎えがあるけど頑張っていこうね、ファギーおねーちゃん。

相手は炎の竜か…。
おねーちゃんに考えがあるみたいだから、ちょっと派手に動いてみるかな?

右手に世界樹の翼type.Aをもって前に立つよ。
ファギーおねーちゃん、わたしが駆けだして攪乱するから、好きに動いてね。全力でフォローするからっ!
そう伝えてからまっすぐ駆けだしていくよ。

駆けだしつつ、高速詠唱を開始。
左右にステップを繰り返しつつ前に出て、狙いをぶれさせるように動きつつ、八芒星精霊収束砲っ!
一気に撃ち抜かせてもらうからっ!

攻撃はファギーおねーちゃんが攻撃した対象を中心に行うね。
攻撃対象を重ねて、少しでも早く落とさないと。

後は、敵に近くでパラドクス砲撃を繰り返しつつダメージを与えていくよ。
一通り落ち着いたら、ファギーおねーちゃんの元へ戻るね。
ひとまずお疲れ様、だね。

後はこの先の王様に向かうだけっ。


ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎

このまま一気にドラゴン達の喉元まで迫ってやりましょう

後方の竜鱗兵用の扉から突入します
可能なら他の仲間と突入タイミングを合わせ、奇襲できれば幸い

ブレオベリスは戻ってきませんよ
既に、私達が倒してしまいましたから
嘘だと思うなら、私達を打ち負かしてみればいい
できるものなら、ですが

宙に展開した鍵盤で「月虹」を演奏
猫の姿にも似た月の化身を喚び、鋭い爪で切り裂きます
体力が低い者を優先し、仲間と攻撃目標を揃えて各個撃破し数を減らし
もし他のドラゴンに指示を出している個体がいれば、仲間に伝達し優先して狙うようにしましょう

ドラゴン周囲に散開して布陣し、数を減らす度に包囲網を狭め
一匹たりとて逃しません
伝令を企み部屋から脱出しようとする動きがあれば、そちらも阻止するように追撃します

反撃には魔力障壁を展開して耐えます
今は護りではなく、攻めに重きを置くべき時
グロリアスで回復しつつ、負傷を恐れず演奏を続けます

ブレオベリスも貴方達も強かったですよ
けれど、私達も負けてやる訳にはいかないのです
先へ進みましょう


ファギー・ルヴァン
シルちゃん(g01415)と参戦
お城の中、初めて入ったけど…すごく広いね
広くて、大きくて…油断していると、吸い込まれてしまいそう…
コロロ、冒険したそうだけどそれはまた今度だよ
全部…取り戻せたら、また連れて行ってあげるから

戦場となる部屋の出入口で息を潜めて待機
シルちゃんからの合図をきっかけに部屋に入り、すかさず【高速詠唱】
相手は炎の竜…こっちも炎で対抗したいところだけど…今回は確実に仕留めさせてもらいます…!
杖と共に持っていたランタンを揺らし、空気中の水分をかき集め、シルちゃんを狙う竜に向かって『貫き穿つは、氷雪の弾丸』で攻撃
無理はせず、一体ずつ確実に当てることを心がけます

シルちゃん、大丈夫?私も…シルちゃんのこと、絶対に、護るから…!

隙を見てコロロを偵察に向かわせ、竜牙兵用の扉を探してもらいます
シルちゃん…コロロが扉を見つけたみたい…!気づかれて封鎖される前に、急いで行こう…!
シルちゃんに呼びかけて合流したら、急いで扉に向かいます


 ディアボロス達は市街地を突破し、キャメロット中央にひと際高くそびえるアーサー王の城に突入した。この城には歴史の改竄により、本来より千年以上も先取している様に見える建築様式が使われており、魔術的な力で内部の空間は拡張されている。
 ディアボロス達は一斉に城内に攻め込んだが、その中でブレオベリス配下の蒼炎のジャッカー達を倒すべく、動いたのは総勢4名だった。

 その一人、ファギー・ルヴァン(明けぬ夜森の魔法つかい・g00880)がふと呟く。
「お城の中、初めて入ったけど……すごく広いね。広くて、大きくて……油断していると、吸い込まれてしまいそう……」
 人間にとっては広大な廊下、高い天井。ここはドラゴン達の城なのだ。広くて、大きくて……油断していると、吸い込まれてしまいそう……。どこか眩暈を覚えそうな感覚を経験するファギーだが、モーラット・コミュのコロロの動きにハッとする。
「コロロ、冒険したそうだけどそれはまた今度だよ。全部……取り戻せたら、また連れて行ってあげるから」
 ふわふわ流れていきそうなコロロをなだめた。
「ここから先、派手なお出迎えがあるけど頑張っていこうね、ファギーおねーちゃん」
 シル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術士・g01415)が、そんなファギーに声をかける。
「相手は炎の竜か……おねーちゃんの作戦に合わせるね」
「ん。シルちゃんの合図を待つね」
 その言葉にうなずきながら、ちょっと派手に動いてみるかな? とシルは思っていた。

 またエアハルト・ヴィオレ(天籟のエヴァンジル・g03594)はこの城に突入した時、ある種の感慨を感じていた。
「とうとう断片の王の居城まで来ました。長かったですね。気を引き締めて、確実にアーサー王の元へ辿り着きたいですね」
 その声音は落ち着いていたが、王の居城故の複雑な造り、防衛戦力の充実に敵ながら流石だとエアハルトは思考する。
「ええ。このまま一気にドラゴン達の喉元まで迫ってやりましょう」
 応えたのはソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)である。演奏家らしい若い声に、今日は強い気迫が隠れている。
 彼等は事前情報に従って動き、粛々と目的の場所に到着した。眼前にはとてつもなく大きなドラゴン用の扉が聳えている。
「私はもう一方の扉から突入します。連絡は密にしますので」
 エアハルトはパラドクス通信を発動してシルとファギーに告げた。
 ソレイユも言葉を添える。
「私も後方から行ってみます。できれば、突入タイミングを合わせて奇襲できればと思いますが」
「そうだね」
「わかりました」
 事前情報で聞いた、突入に使用できる扉は二つあった。
 軽い打ち合わせののち了解、と各人頷き、ディアボロス達は所定の位置につく。

 突入寸前、シルとファギーはドラゴン隊正面の大扉の前で「やろう」と頷きあった。パラドクス通信でゴーサインを確認したばかりだ。
 先手を担うシルは右手に世界樹の翼type.A を持ち、ファギーに改めて告げる。
「ファギーおねーちゃん、わたしが駆けだして攪乱するから、好きに動いてね。全力でフォローするからっ! 」
 ファギーは頷き、扉の陰で息を殺す。
「じゃ、行くよっ! それっ」
 シルは大扉を押し開け、まっすぐに駆けだしたが、扉を見守っていたドラゴンがすぐに反応する。
「何者?!……」
「敵だ! ブレオベリス隊戦闘開始だ!」
「な、なにィッ?!」
 戸惑う者もいたが、総じて敵群からの攻撃は速かった。
 一斉に飛来する火線の中、左右にステップを踏んで可能な反撃を放ちながら、シルは直撃を避けようとする。一気に苦しい立場に追い込まれながらもシルは高速詠唱から攻撃に転じた。たちまち目も眩む魔砲が敵陣を貫き、定まった指揮官を持たぬ場内は混乱した。
 当初の目的である敵の攪乱は達成され、そして味方はその隙を見逃さなかった。
「シルちゃん、大丈夫?」
 続いて突入したファギーは焦りながらも高速詠唱する。
 ドラゴンは倒す、そして――。
(「私も……シルちゃんのこと、絶対に、護るから……!」)
 ファギーはシルを狙う一体を狙った。
『淡雪も吹雪も……今ひとつとなり、刹那を駆け抜けろ……』
 パラドクスに反応して杖と共にランタンが揺れる。
(「相手は炎の竜……こっちも炎で対抗したいところだけど……」)
 空気中の水分をかき集め、氷雪魔法を放つ。
「ディアボロス思い知れ……!」
 蒼炎のジャッカーの炎の刃が迫るが、反撃に怯んではいられない。
「今回は確実に仕留めさせてもらいます……!」
 ――貫き穿つは、氷雪の弾丸。
 炎の刃がこぼれ、魔法の弾丸が青く敵に弾ける。 

 エアハルトとソレイユもタイミングを合わせて後方の扉から突入していた。この二人はともに手練れで、突入と同時に、技能を積んで磨きをかけたパラドクスを武器に猛然と攻めた。
(「少しでも有利な状況での接敵……思惑通り、敵の背後をつけましたね」)
 エアハルトの思考を読んだかの如く、ソレイユが言った。
「奇襲成功ですね。シル達の先手も凄かったけど、私達も不意をつけたようです」
「ええ。この調子で畳みかけましょう」
 二人はさっと敵を囲むように散開する。
 戦闘の流れは一気にディアボロス側に傾いた。
 エアハルトは雷の銃弾をドラゴン隊に連射した。同時に襲ってくるドラゴンの尾を冷静に観察し、敏捷な動きを見せる。
(「どのような動きにも癖はあるのですよ。致命傷を避けることは可能!」)
 軍を率いていたエアハルトには長年の戦闘のカンというものも備わっていたのだろう。その動きに一切のムダはなかった。尾を打ち振る敵の動きを睨み、敵の長大な体躯を蹴って赤銅色の拳銃で狙う。迅雷のパワーを纏ったパラドクスの弾丸が激しい光の幕を描いた。ドラゴンは鱗を散らし、一匹がのたうち回って力尽きる。
 一方のソレイユは、宙に展開した鍵盤で「月虹」を奏でた。エアハルトの弾幕が消えやらぬうちに、ソレイユのパラドクスに喚ばれた、狂気を孕む月の化身がジャッカー達に襲いかかり、また一匹が動きを止める。
 混戦模様の広間には怒号が飛び交うが、敵は本拠地ということもあろうが、すぐに総崩れにはならず、意地をみせた。
「怯むな! 城を守れ!」
 ジャッカーの一体が声高に叫ぶ。

 前方扉側からも、ファギーとシルが攻撃対象を揃えて敵を確実に葬っていった。 
 シルはファギーに「大丈夫」と頷き、力を振り絞る。エネルギーと魔力が集い、見る見るうちに大きな光の翼が現れる。
「八芒星精霊収束砲っ!」
 魔術の砲撃がシルの小さな身体から撃ち出され、眩しく敵を薙ぎ払う。
 シルは果敢に敵の真っただ中でパラドクス砲撃を撃ちまくり、多くの敵を仕留めたのだ。ファギーの丁寧で確実な魔術攻撃も敵への損害を着実に積み重ねた。
 そして戦局を睨み、ファギーは隙を見てコロロを偵察に向かわせた。コロロ念願の『探検』の成果を期待して、ファギーが命じたのは「竜鱗兵用の扉の探索」だ。情報によれば城内の様々な場所へ通じるという扉である。
 ファギーはこの戦いの後を見据えて、奥へあるいは重要な場所へ通じている可能性のある扉をできるなら探しておきたかった。
 コロロがフワフワ戦場を抜ける。それを援護する様に魔砲を走らせて、シルがぼやいた。
「敵も粘るね、あと少しなのに」

 戦ううち、ソレイユは一つの個体に気付いていた。指揮官がいない今、残存数も少なくなったこの隊の、中心となって他の個体を励ましている。
「エアハルト、あいつを狙います」
「了解、ソレイユ君」
 ソレイユの奏でるメロディーが狂気の化身を放ち、標的を狙う。そのジャッカーの一体も凄まじい眼光と共にブレスを放った。炎の刃と共に怒りに燃える敵の声が響く。
「おのれ、指揮官の留守を衝いてくるとは。だが我らを侮るな!」
 ソレイユは薄く笑った。
「ブレオベリスは戻ってきませんよ。既に、私達が倒してしまいましたから」
「な、なんだと! 」
 敵に走る動揺を見逃さず。
 これでもかとソレイユは挑戦した。
「嘘だと思うなら、私達を打ち負かしてみればいい。できるものなら、ですが」
「クソ! 伝令を」
 慌てて去ろうとした一体を、ソレイユは即座に追撃する。
「行かせませんよ」
 月虹ソナタが光を放つ。伝令がこの部屋を出ることは叶わない、絶対に。
 ソレイユの意思がメロディーを綴り、伝令が弾け飛んだ。
「ク。せめて貴様達はここで倒す! 上官の仇!」
 そんな彼らに、手負いのドラゴン達は最期の力を振り絞って猛攻をかけてきた。
 エアハルトが跳ぶ。白銀の長剣で敵の一撃を払いのけ、身を翻す。銃声と共に長い体躯が弾けるように爆裂する。
「これで終わり! ファギーおねーちゃん」
「シルちゃん、合わせるよ」
 魔砲と美しい氷雪がさらに別の個体に命中し、それは長々と床に伸びて動きを止める。
 そしてソレイユは、この戦いを締めくくる最後の音を高く奏でた。澄んだ音は炎の竜を討ち取り、月の化身は役目を果たして消える。
 彼はふうっと息を吐いて、蒼炎のジャッカー達の骸に呟いた。
「ブレオベリスも貴方達も強かったですよ。けれど、私達も負けてやる訳にはいかないのです」
 そして顔を上げ、仲間にふっと笑顔を見せる。
「先に進みましょう」

 ここは敵の本拠地。まだこの後も、おそらくさらなる強敵との戦いが待っている。
 ディアボロス達は互いに、ひとまずの勝利をねぎらい……そして勝利の先を睨む者もいた。

 シルはファギーに声をかける。
「ひとまずお疲れ様、だね」
「お疲れ様、シルちゃん。あのね……コロロが扉を見つけたみたい……! 気づかれて封鎖される前に、急いで行こう……!」
 この城に数多あるという竜鱗兵用の扉の一つ。それが何処に通じているかはわからないが、可能な限り、城の重要と思われる地区を目指してみることはできる。
 シルも力強く頷いた。
「後はこの先の王様に向かうだけっ。行こう!」

 キングアーサーでの戦いはいよいよ佳境を迎える。
 ディアボロス達はそれぞれの想いを抱いてキャメロット城を駆けた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【寒冷適応】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2023年10月28日