キャメロット城攻城戦~一生待機の竜鱗兵(作者 聖山葵)
#幻想竜域キングアーサー
#キャメロット城攻城戦<後編>
#キャメロット
#キャメロット城攻城戦
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「キャメロット城攻城戦の第一段階は最大限の成果を得ることが出来たようよ」
口を開いたクリスティーヌ・シュヴァリエ(サキュバスの陸戦砲兵・g03188)によると、優秀な指揮官を多く失ったキャメロット城は一時的に防衛能力が大きく落ちており、一気呵成に城の奥まで突入する事もできるんじゃないかしらとのこと。
「この機を逃す理由はないわよね?」
ドラゴンたちの根拠地が大きな隙を見せているのだ。
「みんなには城内に突入して指揮官を失って混乱している敵を掃討し、キャメロット城の奥深くへと向かって欲しいの」
この作戦は、敵が防衛態勢を整える前までに、どれだけの成果を得られるかが、重要となる。
「城内の敵を多く掃討する事が出来れば、おそらく複数の『ジェネラル級の円卓の騎士』と決戦を行う機会もめぐってくると思うから――」
戦場の一つ一つが重要な意味を持ってくると思われる。
「それで、みんなに掃討して欲しいのは、突撃竜鱗兵たちになるわ」
怪力と強靭な肉体を誇り、ドラゴンの軍勢の前衛として一心不乱に敵陣へ向け突き進み、敵の守りを打ち砕くのが役目のトループス級だが、やや知能に劣る部分もあり。
「指揮する者には従順らしいから出された待機命令を愚直に守ってるみたいなのよね」
尚、待機命令を出した指揮官のドラゴンはキャメロット城攻城戦の第一段階の方で既に討たれており、命令の撤回や新たな指示を出す者はなく完全な遊兵となってるのだとか。
「流石に攻撃されたりしたら応戦してくるでしょうけれど」
逆に言うなら先制攻撃は可能という訳だ。もちろん反撃のパラドクスを繰り出しては来るだろうけれども。
「それから、攻略旅団の方針によっては『断片の王であるアーサー王』に決戦を挑んだり『円卓の間などの重要なクロノ・オブジェクト』の探索などを行う事も可能になるかもしれないわね」
いずれにしても敵の戦力を削っておくにも越したことはない。
「キャメロットの城の外観は中世の石造りの城のようだけど大きさは通常の3倍以上でメインとなる通路はドラゴンでも移動可能なように作られているようよ」
とクリスティーヌは言うものの、全ての通路がドラゴンサイズという事は無い。メインとなる通路以外は竜鱗兵サイズの通路となっており、裏道のようにいろいろな場所に繋がっているらしい。件の突撃竜鱗兵たちが待機してるのはそんな竜鱗兵サイズの通路と繋がった中規模の部屋の様で。
「敵の部隊を倒した後は周辺を確保してもいいでしょうし、探索しつつ城の奥に向かってもいいでしょうね」
どうするかは君たち次第だ。
「グルルルルル」
その突撃竜鱗兵たちはただじっとしていた。部屋の上の方にある窓をちらちらと何体かが時折確認はしていたがそれだけだ。待機と言う命を愚直に守っているようで、窓の方を見るのは大きさ的に竜鱗兵サイズの通路から指揮官のドラゴンが姿を見せることがないことぐらいはわかっているからだろう。ただ、命を下してくれる指揮官がもうこの世のどこにも存在しないことは知らず、時折身じろぎしつつ新たな命を待ち続けるのだった。
リプレイ
西堂・千衛蔵
アドリブ・連携歓迎
放っておけばそれこそ一生待機していそうな竜鱗兵
そんな間の抜けた奴らは放って置けばいい気もした
だが、何故かそうするのは哀れに思えた
クロノヴェーダに同情したって仕方がないし、他にも置いてけぼりを食らった奴らは大勢いるはずなんだが、なんでだろうな
自分は頭が悪いからよくわからない
「なあ、どう思う赤煙?」
……答えはなし、か
それなら好きにやらせて貰おう
せめて奴らにまともな死に場所をくれてやろう
「トカゲ野郎ども! ディアボロスが来たぞコラぁ!
死にたい奴からかかって来やがれ!!」
部屋の上の窓から飛び込んで、目についた敵に突っ込む
まずは奴らの武器と自分の頭と、どっちが固いか試してやろう
その後は囲まれないために部屋から通路に逃げ込む
少し走ったら立ち止まって、自分を追って来た敵と戦う
同じように一撃離脱の戦い方をする味方とは別の方向に走って、敵を分散させるか
目の前の敵を全て倒したら、部屋に戻って同じことを繰り返す
「貴様らも、空が飛べたら指揮官と一緒に戦えたのにな」
終わったらそれだけ言って帰るぜ
オスカー・メギドューク
・心情
さて、円卓の騎士を騙る竜達との決戦に赴く為にも、雑兵の掃討をしっかりとせねばね?そう、例えば新たな命令を待ち待機する彼らのような兵もだ
油断はせず、さりとて確実に仕留めるとしよう
・戦闘
パラドクス『槍牙煌撃』で【突撃】と【一撃離脱】を繰り返し攻撃していこう
相手への攻撃も、パラドクスの余波で武器を【破壊】・【粉砕】できればよいがね?念の為に頭を【結界術】で覆っておこう
後は、【臨機応変】に動いていくさ
・その他
アドリブ等は大歓迎だよ
シル・ウィンディア
指揮官がいれば、とっても厄介な相手だったんだろうね。
でも、その指揮官は倒れているから…。
…弱いわけじゃないだろうし、油断なし、先手必勝でいかせてもらうよっ!
視認した時点で、高速詠唱からの天翔残影砲!
攻撃対象は、味方が攻撃した敵がいれば、その敵を中心に攻撃を広げていくよ。
狙いは、少しでも早く敵の数を減らすことだからっ!!
敵パラドクスは、背中に発現した光の翼を体の前にもっていき、体を覆うようにして防御を行うよ。
痛いけど、それでも生身で喰らうよりはね。
上下の機動も使えるなら、上下左右で揺さぶりをかけながら天翔残影砲。
残像も生み出しての砲撃だから、どこから来るかはわからないでしょっ!
ディフェンス可能な味方がいれば、WIZでのディフェンスを行うよ。
簡単に抜かせてあげないからねっ!
そして、これは反撃ですっ!!
…ふぅ、何とかなったかな。
しかし、連戦はきついー!
でも、それでもここまで来たんだから、もう一息…。
気合入れなおしていくよっ!
「指揮官がいれば、とっても厄介な相手だったんだろうね。でも、その指揮官は倒れているから……」
通路を往くシル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術士・g01415)の独言を聞きつつ、西堂・千衛蔵(竜燈鬼・g01901)の脳裏に浮かぶのは時先案内人が説明した竜鱗兵たちのことだ。
「放っておけばそれこそ一生待機していそうな竜鱗兵」
そんな間の抜けた奴らは放って置けばいい、と考える自分が居て。同時に放置することを哀れに思う自分もまた千衛蔵の中に存在し。
「クロノヴェーダに同情したって仕方がないし、他にも置いてけぼりを食らった奴らは大勢いるはずなんだが、なんでだろうな」
口に出してみても、よくわからず。
「なあ、どう思う赤煙?」
首に巻き付いたミニドラゴンの赤煙へ問うてみる。
「……答えはなし、か」
敵が待機する場所へとたどり着くまでの間だ、それほど猶予もなかった。だからという訳ではないだろうが、赤煙は答えらしき反応を見せず。
(さて、円卓の騎士を騙る竜達との決戦に赴く為にも、雑兵の掃討をしっかりとせねばね?)
通路の出口の先、チラホラと敵の影が見え始めたことで、オスカー・メギドューク(“槍牙卿”・g07329)は気を引き締める。
「そう、例えば新たな命令を待ち待機する彼らのような兵もだ」
「そうだよね。……弱いわけじゃないだろうし、油断なし、先手必勝でいかせてもらうよっ!」
ポツリ漏れたオスカーの呟きに口には出していない心境もいくらか察したのだろうか。シルは相槌を打って。
「それなら好きにやらせて貰おう」
二人のやり取りを見た千衛蔵だけがまっすぐ伸びる通路を逸れた。呟きはオスカーたちに向けたものではなく、首に巻き付いたままの赤煙に零したもの。竜鱗兵たちを討つという意味でシルたちと目的は同じ、ただ、仕掛け方が若干違うだけだった。
「光よ、我が手に集いて、すべてを撃ち抜く力を……。最大稼働、乱れ撃つよっ!」
その一方で、シルは高速の詠唱を終えると背中2対の光の翼を展開して通路の先の部屋に飛び込みながら連続で砲撃を見舞う。
「ガアアアッ」
「グギャアッ」
先制の砲撃に悲鳴を上げる竜鱗兵たちを天井付近で眼下に捉えるものんびり眺めるような暇はない。それは、シルにとってかそれとも竜鱗兵たちにとってか。
「「グルオアアアッ!」」
砲撃に吹き飛びあるいは仰け反ったり倒れた竜鱗兵たちはすぐさま身を起こすと、手にした武器を掲げ、床を蹴り突進せんとして。
「煌めき穿て、我が『牙』よ!!!」
手にしたバスターランスことメギドュークの槍へ青いオーラの翼を纏わせたオスカーが高く舞い上がったかと思えばシルに続く形で竜鱗兵たちの待機所に突入、次撃とでもいうべき一撃が手負いの一体にトドメの一撃を叩き込む。
「ガ、ア、アァアアア!」
そう、傷は明らかに致命傷。故に空間を歪め命尽きんとする竜鱗兵が振るった武器の一撃はせめて一矢報いんとした最後の意地であったか。
「いや、危なかった。そう……一撃離脱で離れようとも空間を歪めての反撃なら普通に届きうる。念のために備えていてよかった、と言うべきかな」
ちらり倒れ伏した竜鱗兵の手から零れた獲物が半ばから砕けていたのをオスカーが目に止めた時だった。
「トカゲ野郎ども! ディアボロスが来たぞコラぁ!」
竜鱗兵たちの何体かが気にしていた窓から千衛蔵が飛び出し。
「巻き添えになりたい奴は前に出ろ!」
勢いのまま敵中に飛び込み叫ぶ声に竜鱗兵たちがすぐさま反応できなかったのは、立て続けの先制攻撃によってシルとオスカーに意識を割かれていたかとも無関係ではないだろう。だが、驚き立ち尽くして隙を晒す竜鱗兵を放置する理由にもならなかった。
「ゴッ」
勢いの乗った角を叩きつけられ頭部を砕かれた竜鱗兵は血を吹き出しながら床へ倒れ込むと起き上がってくることもなく。
「死にたい奴からかかって来やがれ!!」
挑発する様に吠えてから千衛蔵は転進、シルとオスカーの出てきた通路目掛け走り出す。
「グルルル」
「ガアッ」
仲間を倒され指揮する者も不在であるからか、何体かの竜鱗兵が千衛蔵を追おうとするもそれは待機所の空に陣取って居たシルとオスカーへ背を向ける愚行。
「チャンスだよ!」
攻撃をすれば再び反撃してくる竜鱗兵も居るであろうが、シルの狙いは少しでも早く敵の数を減らすこと。
「だからっ!!」
こちらに意識を向けていない敵は見逃せなかった。
「グギャアッ」
「ガッガアアアッ」
意識外からの連続砲撃に手負いだった竜鱗兵は力尽きてゆき。
「ゴオオオッ!」
傷を負いつつも倒れず踏みとどまった竜鱗兵が武器を掲げて反転。シルに突進せんとして、これを見たシルは光の翼で自身を庇うように身構える。
「痛いけど、それでも生身で喰らうよりはね」
「だったら」
その直後。突進してくる竜鱗兵へ横合いからオスカーが突撃していったのは。
「ギャア」
背中をメギドュークの槍で粉砕された竜鱗兵はどう、と倒れ伏し。
「ありがとう!」
「いや、その献身に報いてみただけさ」
シルの礼に軽く手を挙げて応じるとオスカーは手にした槍を一振りしてから視線を敵へと戻す。討つべき敵はまだ全滅には至っておらず。
(せめて奴らにまともな死に場所をくれてやろう)
声には出さず、視線はそらさず、助走をつけて飛び上がると、自身を追いかけてきた竜鱗兵に硬質化した腕を振り下ろし、叩きつける。
「グギャアアアッ」
痛打を浴び断末魔を挙げながら振るった竜鱗兵の武器が千衛蔵の頭部を掠めるも、千衛蔵は敵の死体をまたいで再び走り出す。そこからはおおよそ繰り返しに近かった。
「戻るか」
追いかけて来ていた最後の一体が力尽きるのを見届けると、再び敵を釣りだすべく傷ついた身体で待機所に引き返し始め。
「……ふぅ、何とかなったかな」
そこで見る。肩で息をしつつ座り込んだシルと。
「大丈夫だったかな?」
こちらも何とか終わったよと声をかけてくるオスカー。二人の周囲には何体もの竜鱗兵の死体が転がっていて。
「ああ」
「しかし、連戦はきついー!」
千衛蔵が応じたタイミングでシルが呻く。複数を巻き込む攻撃を繰り出していた分、反撃を受けることも多かったことを加味すれば無理もないのかもしれない。
「でも、それでもここまで来たんだから、もう一息……」
顔を上げ、ゆっくりとシルは立ち上がり。
「気合入れなおしていくよっ!」
己を奮い立たせる中。
「貴様らも、空が飛べたら指揮官と一緒に戦えたのにな」
もはや物言わぬ躯に目を落とした千衛蔵は呟くと踵を返すのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
【飛翔】LV2が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!