シチリアン・メディア(作者 西灰三)
#断頭革命グランダルメ
#シチリア牧場計画を打ち砕け
#シチリア島
#有角公アムドシアス
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絵画、もっと広く取れば芸術作品というのは古来より情報媒体の機能を持つものである。宗教家や王権にとっては自分達の権力や権威を文字を知らない民衆に広めるための術であり実用品としての側面を切り離して考える事は難しい。
「良くぞ見よ! これが我らが偉大なる皇帝、ナポレオン様の御姿を描いたものである!」
ジャック・ルイ・ダヴィッドは画家の名前を奪った淫魔である。もっとも名前を奪われた側の画家もナポレオン寄りの人物ではあったので動機はそこまで変わらないかもしれない。ともかく淫魔の描くナポレオンの姿は確かに雄々しく勇ましく、今にも動き出さんという迫力のあるものだった。確かにそれを見たシチリア島の住人からは感嘆の声が漏れる、が。
「ジャック様。確かに魅力的な絵ではありますが我々は淫魔です。この絵は大天使に預けたほうがより力を得られるものかと」
「何だって!?」
ちょっとジャックの溢れる思いが絵に反映されてしまっているらしい。『堕落』とはどう考えても相性がよろしくない。
「アムドシアス様、引いては更に上にいらっしゃられるナポレオン様はこの島でより多くの力を得ることをお望みのはずです。ここは一つ情欲を引き起こすような作品に注力したほうが良いかと」
「むむむ、仕方ない。ならばその通りにしよう」
かくてジャック・ルイ・ダヴィッドは次の作品に着手する。絵というものはそれが朽ちない限り見るものにずっと影響を与え続けるものなのだ。
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「断頭革命グランダルメのシチリア島にはTOKYOエゼキエル戦争のジェネラル級アークデーモン『有角公アムドシアス』が漂着してるんだって」
森部・灯(全力全開高気圧バール!・g03325)がシチリア島探索の結果を説明する。散々重要拠点を潰されてきた彼らにとってはアークデーモンや大天使の漂着は起死回生の一手となりうるだろう。
「で、アムドシアスはそのままシチリア島に居着いてるみたい。シチリア島を『信仰』『畏怖』『堕落』で支配してエネルギーを生み出す牧場にしようとしてるみたい」
しかし七曜の戦からしばらく経っているがこの計画はまだ途中らしい。
「だからたくさんのエネルギーが大陸軍のものになったってことは無いみたい。でも時間の問題だからほっとくとナポレオンにエネルギーが届けられちゃうんだ。というわけで今のうちに計画自体をぶっ壊してクロノヴェーダを撃破しちゃおう!」
灯は概ねの作戦目的を伝えると実際に行う事を説明する。
「さっきも言ったけどシチリア島の町にはアムドシアスと同様にTOKYOエゼキエル戦争から漂着した、大天使やアークデーモン、あと現地で配下にした淫魔達に支配されて『信仰』『畏怖』『堕落』の状態を強制され、エネルギーを搾り取られようとされてる……みたい。抵抗した人も居たんだけどそういう人は牢に捕まってるんだ」
どうもクロノヴェーダに反抗するのは一般人としては強い意志の力を持つ、ということでアムドシアスが直接何かに利用する予定らしい。
「皆に行ってもらう町にはめちゃくちゃえっちな絵がいっぱい飾られてるよ。見てるだけでそんな気持ちになっちゃうらしいからなるべく皆見ないように過ごしてるみたい。あ、ディアボロスには全く効かないから皆は気にしないで良いよ?」
その力に抗おうとした一般人が絵を焼こうとしたらしい。まずはその人物を探すと良いだろう。
「別に助けなくてもいいけれども、助けられれば解放したあとの町を良い方向に向けてくれるんじゃないかな。あと敵とも直接接触してるから、敵の情報をある程度分かると思うよ。クロノヴェーダとの戦いに有利になるんじゃないかな?」
そのこの町を支配するクロノヴェーダは絵描きの淫魔らしい。また数は少ないながら配下の淫魔もいるらしく、町と絵描きの間を行き来して活動を行っているようだ。
「倒さなきゃいけないのは絵描きのアヴァタール級の方だけど、手が空いてたらトループス級の方もよろしくね!」
具体的な作戦の説明を終えると彼女はパラドクストレインへの案内に移る。
「正直、シチリア島ってちょっと見逃しがちだったところだと思うんだ。けど計画の完成前に分かったのは攻略旅団の提案と現地調査に行ったみんなのおかげ。ここは一つしっかり補給路を断ってナポレオン達を干上がらせちゃおう!」
灯はそう言葉を交わしつつディアボロス達を送り出した。
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「くそったれ! 俺をここから出せ!」
牢に捕まっている青年が一人、吠えていた。始まりは妙な絵が飾られた事だった。彼の友人はそれを見てから精神のタガが外れたように女を襲うようになり、襲われた女も絵を見せられて容易に股を開くような存在になってしまった。それなりに敬虔だったはずの彼らの変化に人々は俯きがちになり、誰も前を向いて生きることができなくなっている。彼にはそれがたまらなく嫌だった。
「ざけんな! たかだが絵ごときに好きなようにされてたまるか!」
そして彼は宵闇の中松明で絵を焼き、そして捕まった。あるいはその勇気があったからこそ生かされているのだが、それは彼に知る由もない。
「畜生……」
いつまでも皆正気でいられるわけがない、彼はその未来を考えると鉄格子を掴んだままうなだれるのだった。
リプレイ
マリアラーラ・シルヴァ
共闘アドリブ歓迎
「人々は俯きがちになり、誰も前を向いて生きることができなくなっている」って
物理的に前向いちゃったらヤらしい絵が見えちゃうからって事でもあるのかな
でも良い事もあるの
俯きがちで下を向いてるなら
背が低いマリアのこともすぐに気づいてくれるはずだもん
マリアが町の中をフラフラしてれば
絵から目を背け俯けるような目端が効くうえに敬虔なオトナの人が
マリアのような子供がヤらしい絵を見なくて済むように
安全な場所に連れて行ったくれたり
ベーダが来たらすぐ合図できるように見張ってくれたりと
皆で一丸になって協力してくれると思うの
そしてそんな敬虔な人達なら
絵を焼こうとしたオジサンも何とかしてあげたくて
入れられてる牢屋の位置や見張りが居るかとか
縄で縛られてるとかのどんな捕まりかたしてるかとか
そういう情報を共有してるかも
だからもしマリアの目論見通りに話が進んだら
【プラチナチケット】で町を救いたい同志だと思い込ませ
大陸軍風紀委員会と連絡が取れたから
証拠を掴むためにオジサンと接触したいのって情報をねだってみるね
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断頭革命グランダルメはシチリア島にある町の一つ。その立ち並ぶ白い建物の壁からマリアラーラ・シルヴァ(コキュバス・g02935)がひょっこりと顔を出し、道行く人々が頭を下げながら足早に行き来しているのを観察している。あるいは町のどこかから聞こえてくる嬌声から逃れたいのかもしれないが、
「確かにみんな下を向いちゃってるみたいだね」
その彼女の視界にはあられもない姿の男女が絡み合った絵が建物の壁に飾られていた。人々はその絵を避けるような道を選んでいるようだ。いずれにせよ少女には直接の影響がない。マリアラーラは通りに出て歩きだす。彼女に声がかけられたのはそれから程なくしてだった。
「これ、お嬢ちゃん。外にいちゃダメよ」
小さな彼女の足元が地面を見ていても目に入ったのか、中年の女性がマリアラーラに声をかけた。その言葉に対して少女は疑問の響きを乗せて返す。
「どうして?」
「どうしてもよ。早くお家に帰りなさい」
「……帰っても仕方ないもの」
少女に詳細を語るのが憚られたのか女性は理由を言わずに少女を諭そうとする。しかしマリアラーラの返事で女性は押し黙り、そして口を開いた。
「お嬢ちゃんに行く当ても無いのはわかったわ。じゃあ私の家に来なさい。……でも町中にある絵だけは見ちゃダメよ?」
「そんなダメな絵をなんとかしようとしないの?」
女性に連れられながらマリアラーラは問う。だが女性は首を横に振る。
「しようとした子もいたんだけど、踊り子みたいな連中に捕まって詰め所の牢屋行きよ。やんちゃ坊主だったんだけど友達が絵のせいおかしくなって、それでって事みたい」
現地での問いかけ方を考えながらのやり取りだが、それなりの情報を得ることに成功する。女性に案内されながら得た情報を活かす為の思考をマリアラーラは進めるのだった。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
テネブレーヌ・ラディーリス
相変わらず文化に便乗することが好きな淫魔がやりそうなことね
音楽を政治や煽動に使う輩は好きじゃないの、ディアボロスなりのやり方で阻止させて貰うわ
さてと相手が文化に便乗するなら私も便乗させて頂きますかっと
欲しい情報は牢の位置、それから警備のパターン
……わかっているわよ?
一般人装う時は旅の踊り子名乗っているけど、こんな形だから淫魔と警戒されることぐらい
それならわざと襲われちゃおうかしら
酒場で酔って様子のおかしい人達を誘っちゃってね
ねえ、素晴らしいアートを剥がそうとした人ってどこにいるのか知っている?
魅力的な踊り子達が連れていって…へぇ
貴方、彼女達を目で追っているのでしょう?
隠さなくてもわかるわ、抱きたいのよね?
だからどこ行ったか教えて?私を貴方の好きにしていいから……
もちろん【現の夢】で幻を見せるだけにしておくわ
周りの人も【現の夢】で白昼夢ってことにしておく
……わかっているわよ?
えっちな展開にはしちゃダメって
ほんとにわかっているからね?
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「……相変わらず文化に便乗する事が好きな淫魔がやりそうなことね」
古い町並みの中をテネブレーヌ・ラディーリス(夜を駈ける変身ヒロイン・g01274)は歩きながら辻にかけられた絵画をみやりながら通り過ぎる。
(「こういうの好きじゃないの、ディアボロスなりのやり方で阻止させて貰うわ」)
彼女はすらりと歩み嬌声の響く酒場へと足を踏み入れる。相手がこのような手管を使うならばそれを逆用してしまえばいいということ。
「……開いてるかしら?」
酒場の中にはまぐわう男女と空瓶が転がっており、あるいは疲れて倒れた女と相手を探していた男がテネブレーヌを認める。
「へへ、ねーちゃんもか?」
「ええ、そうよ? でもその前にお話ししてくれると嬉しいわ」
彼女は適当に椅子を引き足を組んで腰掛ける。
「そうしたらやらせてくれるんだろ?」
「ええ」
コケティッシュに微笑むと手で男を制しながら彼女は問いかける。
「ねえ、あの素晴らしいアートを剥がそうとした人ってどこにいるのか知っている?」
「……ああ、あいつか」
性欲で燃えていた男の目がかすかに暗くなる。
「バカな奴だ。あんなにキレやがって……。挙げ句変な異国風の女に連れてかれたよ」
「魅力的な踊り子達が連れていって……へぇ。貴方、彼女達を目で追っているのでしょう?」
これはカマかけである。おそらく捕まっている青年とこの男は知り合いだ、ならば少し押せば教えてくれるだろう。
「……まあ」
「隠さなくてもわかるわ、私を抱きたいのよね? だからどこ行ったか教えて?私を貴方の好きにしていいから……」
「……墓場近くの詰め所だ。そこに連れてかれた。交代で女たちが見張ってるようだ」
「……ん?」
男はふと目覚めた。まぐわったあと酔いと疲れで眠っていたらしい。彼はやはり酒場の片隅で横になっている女を起こして続きを再開する事にした。
酒場を後にしたテネブレーヌは何故か脳裏で繰り返す。
(「分かってたから。えっちな展開にはしちゃダメって、ほんとにわかってたからね?」)
えっちなのは危険。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【現の夢】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
マリアラーラ・シルヴァ
共闘アドリブ歓迎
予知や町の人から聞いた話をまとめたよ
・墓地の近くの詰め所の牢屋に町の人達は捕まってる
・たぶんベーダな踊り子が交代で見張ってる
・ベーダはそれほど数は多くなく町と絵描きの間を行き来して活動を行っている
そうすると忍び込んで牢屋を壊せても捕まってる人達だけでの脱出は危険
かといって見張りベーダと戦闘したら巻き込んじゃうかもしれない
だからベーダをおびきだす作戦が必要だと思うの
あんまりいい作戦じゃないけど
マリアが描いたナポレオンの絵を
(画力は偉大なるナポレオンは最強!とかの煽り文句でカバー)
町のやらしい絵の上に【光学迷彩】で隠れながら貼っていくよ
上手くいけば
堕落エネルギーが中々集まらないから
絵描きベーダが業を煮やしてナポレオン描き始めちゃったんじゃないかって
見回りベーダ達が丁寧にナポ絵を剥がして回ったり
バレないように画風変えてもダメです!って
絵描きベーダへ文句いいに行ったりして
見張りがいなくならないかなって
マリアに声かけてくれたおばさまのためにも
できるだけ早く町の平和を取り戻さないとね
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マリアラーラ・シルヴァ(コキュバス・g02935)は情報収集の中で得た通りに墓地近くの牢屋が見える所に来た。なるほど事前にあった通りに見張りの淫魔が立っている、常に同じ個体の淫魔がいるとは考えにくいのでローテーションは組んでいると考えられる。
(「やっぱりここで直接助け出すのは危ないかなあ」)
あえて敵が分断されているここで直接戦闘し撃破する、という選択も可能だろう。マリアラーラの見る限り淫魔自体の強さはそうでもなく、奇襲をかければ労無く倒せるだろう。ただ、牢屋がどうなってるか分からない以上、捕まっている青年が巻き込まれて死んだり苦し紛れに殺される可能性もある。
「やっぱりベーダをここから引き剥がさないとダメかな」
独特の略語を口にした彼女は見張りをこの場から動かすための活動を始める。
マリアラーラが墓場付近から離れて暫く。見張りをしている淫魔の元にやはり似た様相の淫魔が駆け寄ってくる。
「どうした? まだ交代の時間ではないぞ」
「少し手伝ってもらう事ができた。『絵』の上から別の稚拙な絵をかけたイタズラをされている」
「それを片付けろと言う事か、そんなに多いのか」
「そもそも『絵』があちこちにあるからな」
「……もしかしてあいつの仕業ということは?」
「それはない、下手な絵だからな。描くつもりなら全力を出しているだろう」
「確かに」
彼女達としても青年の確保は堕落のエネルギーを集める事よりも優先度は高くない。マリアラーラの芸術スキルが元の描き手を上回っていれば彼女らも直談判に行っていたかもしれないが。ともかくマリアラーラは淫魔達が自身の絵を外すのを確認し、自分を気にかけてくれた女性のいる町を救うために次の行動へと移るのだった。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!

花塚・夜壱
(トレインチケット)
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「もう見張りはいない……カ?」
ジェイ・スオウ(お茶友・g10376)が墓地近くの牢屋のある建物を、物陰から観察し周囲を警戒する花塚・夜壱(月下鬼人・g00016)に問う。
「町の側にも淫魔の気配はない。だが戻ってくるまでに然程時間はかからないだろう、手早く済まそう」
ジェイの言葉に頷いた夜壱。二人は足早に建物の中へと侵入し、警戒しつつも奥へ奥へと進んでいく。内部は通常のものであり入ってから程なくして地下に続く階段があった。彼らはそのまま降りていくと石の積まれた壁とサビの浮き始めた鉄格子が出迎える。
「……誰か来たのか?」
二人の気配に気づいたのが若い男の声が奥から響く、ジェイと夜壱が近づくと壁に背を預けた青年が鉄格子の向こう側にいた。
「あの変な女達じゃないようだな?」
「ああ、お前を助けに来た」
夜壱が端的に言う。その隣でジェイが唇の端を吊り上げて言う。
「淫魔達に良いようにされてるのに反抗した君をそのままにしておけなくてナ」
「そいつぁ随分と買ってくれてるな、涙が出そうだぜ。だがそうは言うが鍵はあいつらが持ってる、どうするんだ?」
助けに来た二人を見た青年はとりあえずは信用したらしい、だが確かに牢の扉には鍵がかかっている。
「それはネ」
すっとジェイがどこからか使い込まれた鉄パイプを取り出す。そのあんまりにもあんまりな形状に青年は眉をひそめる。
「危ないから扉から離れていてくれ」
夜壱もまた如意棒を手にしている。どう考えても力技で破壊するつもりである。青年は慌てて扉から離れると、二人の武器は振り下ろされ耳障りな鈍い音が狭い地下牢に響き渡る。
「無事か?」
「耳以外はな」
夜壱の問いに顔をしかめる青年、だが耳鳴りが収まるまでの時間をここで過ごすわけにはいかない。
「まずはここを離れようカ、良い隠れ家とか知らないカ?」
「ああそれならアテがある、……っ」
ジェイに答えて歩き出そうとした青年の足がもつれる、倒れようとした所を夜壱に支えられる。
「すまねえ、久しぶりに足を使うもんだからコケちまった」
「その場所までは俺が背負っていこう」
「落ち着いたら茶を入れるゼ、それくらいの暇はあるダロ」
「茶と聞けば俺も一服預かりたいな」
かくして二人は囚われていた青年を救出する、あとはこの町に蔓延る淫魔達を撃破するだけだ。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【隔離眼】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
マリアラーラ・シルヴァ
共闘アドリブ歓迎
町の人の救出うまくいって良かったの!
あとはお兄さんが案内してくれた隠れ家で
【活性治癒】による治療と並行して
絵描きベーダが居る本拠地の場所やベーダ達の情報を聞き出せば
おばさまが住んでるこの町に
二度と悪さできないよう懲らしめる事が出来るよね
マリアは牢屋の見張りに戻ってくる踊り子ベーダを狙うね
自分達より上位の絵描きベーダをあいつなんて呼ぶんだもの
絵描きベーダを御すのが得意な個体かもだから放っておけないよ
破られた牢屋
生意気そうな子供復讐者
青年を奪われた失態を隠すにしても挽回するにしても
この子供をどうにかすればいい
そう私は「あいつ」とは違うのだ
そんな風に思考を誘導するよう
あんなイタズラにひっかかるなんてお間抜けさんなのってプライドを擽れば
逃走という選択肢を封じれると思うし
子供の挑発だと冷静に努めようとしつつマリアを見た目で侮どるだろうから
不意打ちなパラドクスの光線で一気に勝負を決めちゃうね
もし反撃されても
魅力的ダンスは仲間がいてこそでしょ?
そんなの効かないよって返り討ちにしちゃうの
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画家のアヴァタール級の取り巻き……というか小間使いの淫魔の剣舞団の一体が、絵に対するイタズラの片付けの残りを他の者に任せて牢の見張りにと帰ってくる。
「まだあの町にこんな事をできる者がいたとは、見つけ次第……。ん?」
淫魔が地上構造物に足を踏み入れた瞬間妙な違和感に囚われる、それがなんであるかを考えて判断するよりも論より証拠と足早に地下に降りる。
「こんにちは、踊り子のベーダさん」
「ディアボロス! 入り込んでいたのか!」
青年の代わりに地下にいたのはマリアラーラ・シルヴァ(コキュバス・g02935)。明らかな異分子に油断することもなく淫魔は踊るような足取りと共に斬りかかる、がその動きをマリアラーラの放つ謎の光が阻む。
「失態を取り戻そうとでもしてたのかな?」
微笑む少女に淫魔は苦虫を噛み潰したような表情が浮かんでいる。そもそもトループス級たる彼女は一体でディアボロスと戦うような戦闘力はない。そして逃げを打つにしても戦闘と逃走を同時に行うのは至難の業である。
「知ってるよ、あなた達が絵描きベーダを御すのが得意なのも、居場所を教えてくれないかな?」
もっとも今回はアヴァタール級の場所は調べなくとも救援機動力でたどり着ける。故に彼女の言葉を一言で言うのならば挑発だ。もっとも既に淫魔はそれに乗らざるを得ないが。
「問われて言うものか! 死ね!」
「魅力的ダンスは仲間がいてこそでしょ? そんなの効かないよ。光になっちゃえ」
再度の光が淫魔を飲み込む。そしてその後には何も残らない。
「……あとはあの絵描きベーダをこらしめて、おばさまの住んでるこの町を助けるだけだね」
彼女は階段を登りこの一件の首謀者のアヴァタール級淫魔の元へと向かうのであった。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
零識・舞織
皆さんのおかげで囚われていた方は無事救出出来たようですし、こちらは露払いといきましょう。
【光学迷彩】をお借りしてバレずに手に持った人妖筆を使って一つ目の龍神の絵を描き上げパラドクスによる奇襲を仕掛けます。
この暴風は強力ですから服どころかその肌すら引き裂きますよ!
既に淫魔の恐ろしさを知っている私にはそのような攻撃は効きませんよ。動きが止まるのはパラドクスによる不可抗力であり私に煩悩も動揺も一切ありません。
さてまさかこんなところまでTOKYO残党の影響力があるとは思ってませんでしたがそれまでこのディヴィジョンが揺らいでいる証拠になるのでより揺らいでいただきましょう!
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「……全く一体誰がこんな事を……」
町中にかけられたイタズラの絵を外して回りながら淫魔はごちる。正直な所時間があればまぐわいたいこところではあるのだが、なにせ主のジャック・ルイ・ダヴィッドがいまいち信頼できない。そのままにしておくと思い切り趣味のナポレオン崇拝に走りかねない。ため息をつきながら作業をしていると突如暴風が巻き起こり体が吹き飛ばされる。
「敵襲!?」
空中ですぐさま身を翻し剣戟を放つ淫魔、その切っ先を向けられていたのは零識・舞織(放浪旅人・g06465)だ。【光学迷彩】で隠れていたつもりだがそもそも戦闘用の残留効果ではなく、環境や状況をうまく利用したときに少しばかり有利になるものであり、彼の体に切り傷が生じてしまう。
「やれやれ無傷とはいきませんか」
「これは貴様の仕業か!」
パラドクスの本質であるダメージによる痛みを確かめる舞織は淫魔の問いには答えない。そして戦いの気配を聞きつけた淫魔がもう一体来る。
「これだけですか。TOKYO残党の影響力があると聞いて来ましたが、この程度の戦力しか用意できてないとは。このディヴィジョンが揺らいでいる証拠でしょうか」
「ここまでディアボロス達に露見しているとは……!」
剣を構える淫魔達の前で彼は一つ目の龍神の姿を書き上げて再度けしかける。
「この暴風は強力ですから服どころかその肌すら引き裂きますよ!」
彼の言葉の通り吹き荒れる風が淫魔達を吹き散らしこの町から消失せしめるのだった。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【飛翔】がLV2になった!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
マリアラーラ・シルヴァ
共闘アドリブ歓迎
救援機動力で辿り着いた先
そこは郊外の館?忘れられた洞窟?
ううん…そこはアトリエ
お小言ベーダが居なくなって
画家ベーダが思う存分情熱を燃やせる状態だもの
きっと溢れるほどのナポレオンに出迎えられる
間違いなく強敵なの!
どこかに誘い出したかったけど
その先でおばさまが巻き込まれたら大変だもの
勇気を出して敵陣に飛び込むよ
たぶんだけどマリア達が観覧者のうちは
ベーダも画伯として振る舞うだろうから
素晴らしい出来映えなのって
どんな風にナポ崇拝してるか話を振りつつ
ベーダの武器になる絵画の場所を確認するね
準備ができたら
でも貴方ずっとナポに会ってないでしょ?って
理想が妄想まで昂ってると指摘しつつ一斉攻撃なの
パラドクスのワルツで
出てきた軍勢をいなしながら画伯に肉薄するよ
整然としてたらマリアみたいな子供が踊り抜ける隙間ができちゃうし
死んでない仲間は踏み越えるには邪魔でしょう?
ダンスが苦手そうなベーダの足を
ヒールの踵でえいって踏み抜くごめんあそばせアタックして
まずはベーダのナポ賛美の勢いを削ぐことを狙うね
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この町に残るアヴァタール級を倒すべく、その根城にまでたどり着いたマリアラーラ・シルヴァ(コキュバス・g02935)を待っていた建物は、広くはあるものの取り立てて豪奢とは言えない設えのものだった。もうそこを守るトループス級淫魔もいない建物に入ると、アヴァタール級がアトリエとして使っている部屋を探す。
(「こっちかな?」)
画材特有の臭いを追いながら慎重に歩くマリアラーラ、通路の壁にはナポレオンの絵が掛けられており、床側には雑に裸婦画が立てかけられている。それらを見やりながら足を進めると、開けっ放しの扉とその奥でキャンバスに向かっているクロノヴェーダの姿が目には入った。クロノヴェーダ・ジャック・ルイ・ダヴィッドも彼女の気配を感じ振り返る。
「遅かったじゃないか。……おや? お客さんかな?」
「こんにちは、いい絵だよね」
マリアラーラはするりと部屋の中へと入りジャックと対面する。無論警戒は解かない、なにせこれから戦うのだ。
「貴方の気持ちが入っていた絵は本当に」
「ああ、分かってくれるかい。この島に来てとんとナポレオン様を絵に残す機会が減ってしまってね」
「そうよね、会えない気持ちも一緒に描かれてたよね」
マリアラーラはこの敵と相対する前に芸術について学んできた、故に分かる。
「そうだ、君は分かってくれるかい?」
「分かるよ、だから今度会う時の為にダンスの練習をしよう?」
瞬間互いのパラドクスが発動し、この場に絵から軍勢が現れマリアラーラに襲いかかり、彼女は踊るようなステップで彼らを掻い潜る。
「いやはや、私は舞踏会は苦手でね」
「だから練習するの」
兵士をいなしたマリアラーラはジャックの手を取りながらもその足を思い切り踏みつけ、逆説連鎖戦の始まりとなるのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【士気高揚】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
リュカ・テネブラルム
(トレインチケット)
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「ふむ……、ジャック・ルイ・ダヴィッド氏ですか」
「おや、私の名前を知っているのかい?」
絵から無限に出てくるナポレオンの軍勢に向けて刃を飛ばし、その首を刎ねるリュカ・テネブラルム(彼岸へと愛をこめて・g05363)が敵の名を呟いた。
「曰く、『筆のロベスピエール』と聞き及んでおります。もっともロベスピエール当人とは違い首の皮は繋がったままだったそうですが」
なお最終人類史のジャックは普通に投獄で済んだらしい、恩赦で出た後ナポレオンを描く様になったとか。人材育成もしていた等、美術史上では重要なポジションだからこそアヴァタール級としてもこのような役回りなのだろう。
「なるほどね、では君はここにある絵を見てどう思う?」
「技術と思いの込められたとても良い作品だとお見受けしました。しかし私は今回貴方のための処刑人として参っているのです。不埒な振る舞いはご容赦を」
「いやいやかしこまる事はないさ。感想をもらえるだけでこちらとしては得難い機会さ」
社交の言葉を交わしながらも、やってることは殺し合いである。首の切られた軍勢の死骸が倒れる度にそれは山となり次の兵士に踏み潰されていく。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【一刀両断】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
零識・舞織
アドリブ・連携歓迎です。
史実では有名なサン=ベルナール峠を越えるボナパルトを描いたルイ・ダヴィッドの名を騙る淫魔ですか。ナポレオンの庇護を受け栄達したとはいえここまでのナポレオン狂いにはなってはいないでしょうに、やはりクロノヴェーダというのは歴史に泥を塗る存在ですね。
そちらが騎士を描くならこちらはそれを数で轢き潰す妖怪を描いて見せましょう。いかに歴戦の騎士を気取っても所詮は画家、こちらも手傷を負うでしょうが慣れない真似をする相手の方がダメージがデカいと踏んで不退転の意思で挑みます。
絵とは人の心を動かすものですが決してあのような歪んだ衝動に突き動かすものではなんでもありません。
補給線も断たねばなりませんので容赦なく倒させていただきます。
テネブレーヌ・ラディーリス
※アドリブ・連携歓迎です
みんなのおかげで後は黒幕を倒すだけね
……どれだけかっこつけていても、淫猥な絵画を町中に貼りまくった変質者なのよね彼
いっそのことただの淫○の方がまだマシだったかも知れないわ
絵画から実体化させた武具は並のものじゃないでしょうけど、
あくまでイメージによるもの、だから物語のような強さは出せないわ
ブレイジング・フレイジング・ディレインジア
灼熱の結界の中で作った武具諸共融けてしまいなさい
絵画から再生する?この炎の中でキャンパスはどれだけ持つかしらね
それでも無理して突っ込むなら足元のタイルを【隔離眼】で"閉まって"バランスを崩してしまいましょうか
空を飛べるなら問題はないけど貴方の思い描く騎士の戦い方じゃあ
そんなことはできないでしょ
熟練した騎士、確かに技能としては凄いけど……
灼熱の帯が降り注ぐ空間での戦闘は想定していた?
何でも有りの戦場では生半可なイメージは通用しないわよ
…なんで戦い方が上品なのに作戦がアレだったのかしら
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「史実では有名なサン=ベルナール峠を越えるボナパルトを描いたルイ・ダヴィッドの名を騙る淫魔ですか」
「ふむ、そうだね。故に私も今こうして筆を取っているというわけさ!」
零識・舞織(放浪旅人・g06465)の言う通り史実のジャック・ルイ・ダヴィッドは画家である。まあそこまでは良い。
「ナポレオンの庇護を受け栄達したとはいえここまでのナポレオン狂いにはなってはいないでしょうに、やはりクロノヴェーダというのは歴史に泥を塗る存在ですね」
「この歴史では君の言う事のほうが間違っているのさ、ナポレオン様こそこの地球を統べるべく生まれた大いなる皇帝!」
そんな高らかに謳い上げる彼をテネブレーヌ・ラディーリス(夜を駈ける変身ヒロイン・g01274)が冷めた目で見据えている。
「……どれだけかっこつけていても、淫猥な絵画を町中に貼りまくった変質者なのよね、彼」
「ノンノンノン! それは仕方無かったのさ。私の主義に反すると言えども、ナポレオン様の指示ならば当然そちらが優先されるというもの!」
「……ちょっと目がイってるわよ? いっそのことただの淫◯の方がマシだったかも」
アヴァタール級の中でもここまで心酔しているタイプのもやや珍しい。敬っているにしてももう少し目に理性の光があるような気がするが。
「ともあれ君たちは私達の、ナポレオン様の敵だ。つまりここで討たねばならないということ、覚悟は良いね?」
絵画から鎧と武具を実体化させ装備するジャック。筆を剣に持ち替えた彼はディアボロスを討ち果たさんと切りかかってくる。
「そちらが騎士となるならそれを数で轢き潰す妖怪を描いて見せましょう。いかに歴戦の騎士を気取っても所詮は画家です」
「いいや、今の私はナポレオン様麾下の騎士さ。怪物退治などそれこそ誉れ高い戦いだね」
舞織の絵から生じた妖怪達をジャックは切って捨てていく。それはその妖怪たちの本質が絵であり、だからこそそれに長けた敵に取っては抗しやすい相手なのだろう。だからといって彼も無傷という訳では無いのだが。
「まるで物語の主人公気取りね。絵画から実体化させた武具は並のものじゃないでしょうけど、あくまでイメージによるもの、だから物語のような強さは出せないわ」
「そうかい? なら試してみるといいさ」
そう切り返すジャックを包むパラドクスをテネブレ―ネは放ち、自身の言葉を証明しようとする。
「なら受けてみなさい。ブレイジング・フレイジング・ディレインジア。灼熱の結界の中で作った武具諸共融けてしまいなさい」
「なるほど、炎に包まれる戦場か。これは今度の作品に活かせそうだ」
「熟練した騎士、確かに技能としては凄いけど灼熱の帯が降り注ぐ空間での戦闘は想定していなかったようね。何でも有りの戦場では生半可なイメージは通用しないわよ」
逆説連鎖戦故の炎と妖怪の群れに襲われていてもジャックは依然余裕を崩さない、いや確実にダメージは入っているはずなのだが、どうも正気から遠い感じがする。
「絵とは人の心を動かすものですが決してあのような歪んだ衝動に突き動かすものではなんでもありません」
「はて芸術論かい? じゃあ君は歪んでいる衝動と正しい衝動の区別は付くのかい? そもそも芸術というものは人の心に変化を生じさせて行動を促すものだろう?」
追い詰められているはずなのにいけしゃあしゃあとジャックは言う。尤も史実の彼ならばおそらくこのような返事はしなかっただろう。
「……なんで戦い方とか考え方がマトモなのに作戦がアレなのかしら……」
「それは直接の上長に聞いてもらえると嬉しいね、私としてももっとナポレオン様の素晴らしさを」
と、彼が言い掛けたところで限界が来たのか妖怪の群れに飲み込まれていく。これ以上話すことは無いし、まあちょうどいい頃合いだろう。
「補給線も断たねばなりませんので。ここで終わりです」
かくてこの町に起こっていた策略の一つは潰えた。アムドシアスの野望を崩すまで、後少し。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【液体錬成】LV1が発生!
【スーパーGPS】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!