最終人類史の秋祭り

 《七曜の戦》の勝利により、多くの地域を最終人類史に奪還する事が出来ました。
 東京23区の、墨田区、葛飾区、荒川区、北区、板橋区、足立区、練馬区、世田谷区、杉並区に加え、神奈川県の横須賀市。  更に、奈良県南部、大阪府東部、三重県などの住民の帰還が行われています。
 この帰還した一般人達が、最終人類史の暮らしに馴染み、不安なく暮らせるように、皆で楽しめる秋祭りを行ないまうs。
 季節は秋。風情のある京都や奈良の町、或いは、東京近辺で、ディアボロス達も浴衣に着替え、人々と共に秋祭りを堪能しましょう。

先輩、ウチ……文化祭がやりたいッス!!(作者 唐揚げ
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#最終人類史(新宿島)  #最終人類史の秋祭り 


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「ウチ、今年で17歳なんスよね」
 なにやら唐突に語り始めた七田・ナナ(エンジョイガール・g05125)。
「でもウチ、ディアボロスになる前何やってたのか全然覚えてないし、なってからも運び屋やったり美味しいもの食べたり戦ったり先輩がたのご案内したりで、学生らしいこと何ひとつやった覚えがないんスよ……!!」
 漫画なら「ガガーン!」とでっかいオノマトペを背負い、稲妻が走っていそうな迫真の表情だ。めちゃくちゃどうでもいいが。
「いや、別に不満なんて何一つないんスけど。でも……でもこのまま18歳になっちゃうのはなんか惜しい気がするッス!」
 拳を握りしめプルプル震わせる。いつも以上にテンションがおかしかった。

「というわけで、浴衣コンテストとコラボするのをいいことに文化祭をやることにしたッス!」
 などとさらっと自分で言う始末である。特に悪びれた様子はない。
「え? 「浴衣コンテストとコラボするなら浴衣が似合うお祭りのほうがいいんじゃないか」……ッスか?
 いや~、ぶっちゃけそーゆーお祭りっぽいお祭りは、他の時先案内人の先輩がたにおまかせしよっかなって!」
 よほど学生っぽいイベントが楽しみたいのか、もはやぶっちゃけにぶっちゃける。照れた顔で頭をかいている場合ではない。
 まあ実際、ここ新宿駅グランドターミナルでは様々な秋祭りの告知が行われていた。屋台に水族館、花火に公園で散策など、秋と浴衣になぞらえた色とりどりのイベントが目白押しだ。みなさんも是非チェックしてみていただきたい。

 閑話休題。
「でも実際マジで考えてみてほしいんスよ。もーちょっとしたらハロウィンで、それ終わったらクリスマスじゃないッスか?」
 ナナは指折り数え始める。
「クリスマスの次はお正月でー、お正月が終わったら節分にバレンタイン。そのあとはホワイトデー、お花見……ってやってる間に『歴史の奪還戦』とか色んなディヴィジョンの決戦とか挟まるわけッス。つまり今がベストタイミングなんスよ!」
 いつになく力説する! 本当に文化祭がやりたくて仕方ないらしい。
「だからやるッス。やるったらやるッス! っていうかもうウチ大阪にある学校をお借りしちゃったッス!!」
 すでに退路は断たれていた。地域の皆さんは快く許可を下さったという。
「そーゆーワケなんで、先輩がたにも参加していただきたいッス。もちろん設営側でも見て回る側でも、どっちでもハイパー大歓迎ッス!」
 ナナはグッとサムズアップし、笑顔で言いきった。

 で、肝心の文化祭の内容について聞かされると、サムズアップしたままぴしりと固まる。
「…………《七曜の戦》もあったことだし、これまでの戦いの内容を市民の人たちに知ってもらういいチャンスだと思うッス! あとは……えーっとほら、お祭りだし屋台とか校庭に出したり、花火打ち上げたりとかも楽しいッスよねー!」
 ありきたりな内容しか出てこない! つまりこいつは文化祭で何をやるかはまったく決めていないのだ!
「やだー! ウチ絶対文化祭するッスー! 漫画とかで見た楽しい準備とか先輩がたとやるッスー! やるったら絶対やるッス~~~!!」
 その場に横んなってジタバタする有様だ。ただの駄々っ子である。
「だいたい秋って季節がいけないんスよ! 食欲の秋とか芸術の秋とかスポーツの秋とか、なんでもありじゃないッスか!」
 しかもなんか世界に対してキレ始めた。
「ハイパー美味しいし! 秋刀魚とかお芋とか! 読書も楽しいしアートも捗るし身体動かすのも最適な季節だし!
 なんでもできちゃうんだからなんでもしたくなっちゃうんスよ! だから……だからウチは悪くないッス……!!」
 断固として批判は受け付けない構えを取る。今日ばかりは鋼の意思を決めているようだ。

「……と、とにかくッス」
 むくりと立ち上がるナナ。
「開催場所は大阪府にある高校ッス。けっこうおっきめのところで、一日まるごと貸してもらえることになったッス。
 飾り付けとか出し物なんかに必要な材料は全部新宿から持ってけばいいし、気にする必要はないッスよ!」
 先述の通り、市民の皆さんも手伝ってくれる。基本的な装飾は任せてしまうのも手だろう。
「地元のコたちもお店出したりして盛り上げてくれるそうッス。そっちを見て回るだけでも絶対ハイパー楽しいッスよ!
 体育館のステージ借りてイベントやるのもアリだし、絵とかレポートをまとめて張り出したりお店開いたり……。
 や、やっぱり文化祭ってハイパーワクワクするッス! するッスよね!? 学生経験者の先輩がたはズルいッス……!」
 ディアボロスにはディアボロスの悲哀があるようだ。中には共感する者もいるかもしれない。
「あ、参加は浴衣でもそうじゃなくても、どっちもオッケーッス! ウチせっかくだし学生っぽいコーデするッス」
 地元の方々の出店は主に校庭、一部は校外を取り巻く形で出店される。ディアボロスが出す場合も同様だ。
 浴衣の似合う祭りらしい気分を楽しみたければ、そちらを見て回るのがいいだろう。祭りにありそうな店は大抵ある。

 とまあここまでナナの話を聞いてみれば分かる通り、浴衣コンテストに合わせて開催するには少々不似合いな気もする彼女の企画だが……ようやく冷静になったナナは、人差し指をつつき合わせながら目をそらした。
「だ、ダメッスかね、秋だしお祭りだしアリだと思った、んス、けど……」
 本人的にも自信はあまりないらしい。勢いで誤魔化そうとしていた部分が大きいようだ(文化祭やりたいのもマジだが)。
「……先輩がたのこと、ちゃんと"先輩"って呼んでみたくて……」
 らしくもない照れた顔で、ぼそぼそと呟く。もちろん地元の皆さんとの交流も忘れてはいない。本当である。
「ウチは、最終人類史の人たちとも、先輩がたとも楽しい時間が過ごせれば……それでオッケーッス」
 だからもしも、笑って許してくれるなら。
 ナナは少し困ったように笑いながら、小首を傾げた。

●最終人類史:大阪府東部のとある私立高校
 いつの時代も世の中も、変化に一番早く順応するのは若者である。たとえそれが歴史の簒奪という未曾有の事態でさえ。
「ねー、そっちの飾りつけ終わったー?」
「いや全然! 話ん夢中で忘れてた」
「役に立たねー!」
 ガヤガヤと騒がしい校内では、学生たちの気楽で賑やかな声が飛び交う。
「やべ、机の奥に購買で買ったパン入れっぱじゃん」
「おい捨てろよそれ! ディアボロスの人が食ったらヤバいって!」
「あんたディアボロスのことなんだと思ってんのよ……」
 設営スペースの確保のため、散らかり放題のロッカーを慌てて片付ける男子生徒。
「ねえねえ、当日どうする?」
「決まってんじゃん、カッコいい人見つけてサインもらわなきゃ!」
「いやーそれだと多分来る人みんなにサインねだらないといけない気がする」
 非日常の気配――といっても今の最終人類史そのものがある意味非日常なのだが――に沸き立つ女子生徒たち。
「せんせー、当日ってディアボロスの人たちどんなことするんすか?」
「なんかまだ全然決まってないらしい」
「え!? んじゃ当日準備から始めるってことなんですか!? ディアボロスやべー!」
 何処かの誰かのせいで風評被害が発生していたり。
 ともあれ、こちらもこちらで当日を楽しみにしているようだ。

 しかしなにせ、企画者当人が見切り発車でしでかしたイベントである。出し物やお店をやるつもりなら、そうしたディアボロスは当日の朝からこういう風景を繰り広げる(か混ざる)ことになるだろう。それはそれで楽しいものだが。
 さすがに日が暮れれば、多少は雰囲気も落ち着いて穏やかに祭りを楽しむ空気になる(はず)。丸一日貸し切りの豪勢な文化祭、はたして成功するか否か……そのへんは、ディアボロス次第である。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
3
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【神速反応】
1
周囲が、ディアボロスの反応速度が上昇する世界に変わる。他の行動を行わず集中している間、反応に必要な時間が「効果LVごとに半減」する。
【友達催眠】
1
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【活性治癒】
8
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【口福の伝道者】
2
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【おいしくなあれ】
4
周囲の食べ物の味が向上する。栄養などはそのまま。効果LVが高いほど美味しくなる。
【建物復元】
1
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。
【アイテムポケット】
2
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV6 / 【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV2 / 【凌駕率アップ】LV1 / 【反撃アップ】LV1 / 【アクティベイト】LV1 / 【リザレクション】LV3(最大) / 【ドレイン】LV5(最大) / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

唐揚げ
 秋祭りシナリオです。秋の祭りなのだから文化祭だって問題ない(はず)という気持ちでお送りします。
 浴衣でご参加頂いても、制服に着替えちゃってもOKでしょう。あるいは両方楽しむという手も……!?
 割と幅広く色々やれるのではないかと思います。もちろん参加に年齢制限は一切ありません。

 お店を出したりなにかしらのステージを披露、あるいは作品を展示したりするなら、朝からてんてこまいになるでしょう。
 そのへんすっ飛ばしてイベント中をメインにしたい場合は、お昼あたりが舞台になるかと思われます。
 花火とかお囃子とか、祭り! って感じのイベントを楽しみたければ夕方~夜が狙い目です。花火も上がります。
 どの時間帯にどんなことをやるのか、ある程度わかりやすく明記していただけると採用しやすいです。
 特定の時間に絞らず全体的に参加するとかももちろんアリです。というわけで、実際出来上がるリプレイは多少時間軸が前後したりするかと思われます。

 場合によっては、ご参加頂いた方全員を一気にまとめて採用してリプレイにしちゃうかもしれません。
 個別ないしグループ参加で、かつ採用される時にリプレイを分けてほしい場合はプレイングのどっかにご明記ください。
(ご希望に沿えるかは確約いたしかねますが頑張ります)
 あと、呼べばナナも出てきます。賑やかしに必要そうなら気軽に呼んでください。

 プレイングの受付締切日については……なんとも言えません。最初にプレイングを頂けるのがいつかによります。
 とりあえず、9/27朝あたりまでは確実に受け付けていると思います。余裕をもってご参加頂く場合はお早めに。
202

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


吉音・久美
アドリブ連携歓迎
口調が安定しないキャラなので好きなような口調で喋らせて問題ありません

いいじゃん文化祭やろうよ文化祭、久美ちゃんも生後半年で経験ないから仲間でございましょう

とりあえずテントとか用意しなければならないのか……めんどくせえな……適当なクラスにシレッと混ざって参加しちゃ駄目?
駄目なら仕方ないから他に人が来なさそうな屋上に居を構えるで候、派手なパフォーマンスをしちょるけえ広いとおるんが良か

して何を出すかって?それは久美ちゃん印のツナマヨに決まっているで候
選択PDを発動して凄まじい勢いでツナマヨを調理調理調理ぃ!勿論油でじっくりコトコトツナを作る所から始まりマヨネーズも手作りじゃ!手が足りなければ顕現術式・現象流出で超常現象を起こし無数の残像を残す超高速料理で高校生どもの度肝を抜いてやろう!たまに鍋が七色に光るかもしれないが久美ちゃんの溢れ出る料理ぢからが可視化したものなので健康を害するものではございません

さあ完成だ、おあがりよ!
大丈夫食べても死なないから、素直な感想聞かせて?


天瀬・初名
アドリブネタ堕ち歓迎!
ナナちゃんお誘いありがとー!で7月はおたおめだったのです!お祭り大好き!
せっかくだから浴衣で上から学ラン羽織ってハチマキにたすき掛けもして出店でたこ焼き焼いちゃうよ!
たこ焼きは自由なのです!タコ入ってないどころかウインナー入れてもめちゃ美味しいしホットケーキ焼いてもいいし(上手く丸にはならないけど)焼きそば丸く焼き上げてもいいのです!(PLが昔やった、見た目は焦げ目あって凄く美味しそうだけど味変わんなくてやる意味はないな感が新鮮だった)
おーっとそこのおにーさん!たこ焼き食べたそうな顔してる!そこのおねーさん、たこ焼きの亡霊に憑かれてるのです!ウチのたこ焼き食べたらお祓いできるよ!決して無理な勧誘はせずにガンガン通りがかる人には声かけします!
売り上げが目的じゃないのです!みんなの笑顔たっぷりチャージしたいだけなのです!
スカート丈がチラチラしそう?
それでお客様集まるなら大サービスしちゃうけど今日はよい子のでぃあぼろす劇場だから妄想で我慢してね!多分時々見えちゃうけど!


●それぞれの文化祭
 文化祭当日。
 ディアボロスのために一日まるっと貸し出された校舎には、それでも多くの生徒たちが詰めかけている。大半はお手伝いのために、一部はイベントを見て回るディアボロス向けの出し物をやっていたり様々だ。この秋祭りは、最終人類史の人々とディアボロスが交流するイベントも兼ねているのである。
「いやー、大盛況ッス! 企画してよかったッス~」
 発起人であるナナは、ガヤガヤ騒がしい校舎を見て周りすでに満足げだ。別に当人は大したことはしていない。
「まだ準備中のとこも多いッスね、ウチも先輩がたのお手伝いとかを……」
「ナナちゃんナナちゃん、こっちこっちー!」
「お?」
 自分を呼ぶ声にきょろきょろ周りを見渡すナナ。

「こっちだってばー! 今日はお誘いありがとねー!」
 と、ぱたぱた手を振りやってきたのは天瀬・初名(カオス処方箋・g00765)だ。その格好は秋祭りらしく浴衣姿、なのだがそれだけではなく……。
「おおっ、初名先輩こそご参加感謝ッス! ……ところでなんスか、その格好??」
「あ、これ? 似合うでしょ!」
 初名は、浴衣の上に羽織った学ランをビシッと見せつけた。なお、角がせり出した額にはガチッとハマキも巻いており、腕にはたすき掛けをしている。ものすごくカオスだ!
「今日はねー、出店でたこ焼き焼いちゃおうかなって! 文化祭ならお店出してナンボだからね!」
「なるほどッス! 先輩のたこ焼き……」
 ナナのお腹がぐぅ~と盛大に鳴いた。初名はにこりと笑う。
「腕によりをかけて作るから楽しみにしててね! ナナちゃんは特別にごちそうしちゃうよ!」
「ええっ、いいんスか!? でもどうして??」
「だってほら、7月は……」
「ダメダメ、ダメですよぉ!」
「「お??」」
 初名が何か言いかけたところで、近くのクラスから学生の悲鳴じみた声が響いてきた。

 はて何かトラブルでも起きたのか、とにょっきりドアに顔を覗かせる二人。
「えー、いいじゃないか! ほら久美ちゃんディアボロスぞ? 特権ってことでなんとかならんでござるか??」
「ダメダメ! 僕らは僕らでもう出し物決まっちゃってるんですって!」
 教室には吉音・久美(未来はここから始まる・g09562)がいた。どうやら久美が何か無理めなお願いをしたらしく、クラスのリーダー的存在であろう男子生徒が困っているようだ。
「そもそも、なんで僕らの教室を一緒に使いたいんです? その理由と出し物の内容次第ですけど……」
「え? テントとか設営すんのめんどくせえなって」
「めっちゃモノグサだこの人!!!」
 けろっとした顔で言いやがる久美に思わず生徒はツッコミを入れた。
「ねぇ~よかろう? よいでございましょう? ここでこうして話しているのも何かの縁ってことで」
「何かの縁も何も、設営中にいきなりディアボロスさんが教室ジャックしにきたんですよね!?」
「違う違う! 久美ちゃんそんな物騒なこと考えてないでおじゃ!」
 久美は笑顔でパタパタと手を振り否定した。
「ただみんなの努力に相乗りして楽したいだけじゃよ」
「余計最悪だこれ!!!」
「「…………」」
 初名とナナは顔を合わせた。予想外のトラブル……トラブルと言っていいんだろうかこれは? である。

「うーん仕方ねえダス、こうなったら屋上を使うで候」
「あ、あの先輩、一体何をするつもりなんスか……?」
 仕方なく教室を出た久美に、恐る恐る質問するナナ。
「愚問でございますわ! そんなの久美ちゃん印のツナマヨに決まっておりましょう!」
 久美は腰に手を当て堂々と胸を張る。
「ちなみに派手なパフォーマンス付きじゃけん広いところを使いたいんじゃ」
「ツナマヨ握るのにパフォーマンスとか聞いたことないんスけど」
「なにそれ面白そう!! ういなちゃんも負けてらんねーなこれ!!」
「初名先輩!?」
 謎の対抗心を燃やす初名! 出会ってはいけない二人が出会ってしまった感がある!
「やっちゃいますか初名ちゃん!」
「いきますか、魔王軍コラボ……!」
「あ、やべえッスこれカオスになるやつ!!」
 ナナは本能的に危険を感じた。だがナナが止める前に、完璧に意気投合した久美と初名はるんるん気分で屋上に向かっていった……。

 ……それからしばらくあと!
「へーいおにーさん! たこ焼き食べたそうな顔してる!」
「え? いや今は焼きそばって気分」
「ならういなちゃん印の特製たこ焼きをおあがりよ! 大丈夫焼きそば入ってるから!」
「たこ焼きじゃないの!?」
 そこにはカオスが広がっていた。
 鉄板の上(そもそもたこ焼き屋なのに鉄板がなんであるんだ?)でじゅうじゅう焼きそばとホットケーキを焼きつつ、たこ焼きもついでに焼いて売りまくる初名! なお、焼きそばは焦げ目があって非常に美味しそうだが、別に味は変わらないのである。
「おっと、おまちなさい旦那。久美ちゃんのツナマヨショーも見ていきなぃ!」
 なぜか江戸っ子口調になった久美は、チャキーン! と包丁を煌めかせた! ツナマヨパフォーマンスとは、一体……!?

「はい、まずは油でじっくりコトコトツナを作るところからやっていきまーす」
「「「具材から手作りしてるーっ!?」」」
 通行人たちは思わずツッコんでしまった! なお、マヨネーズも手作りである。パフォーマンスとは??
「てやんでい! ここからが見どころだロボ!」
 久美の口調は安定しない(デフォである)。と思ったら、ものすごいスピードで複数の作業を並行処理する! あまりのスピードに残像が生じて見えるほどだ!(※料理漫画でよくあるいささか過剰な表現)
「あの、なんか鍋が七色に光ってるんですけど」
「これは久美ちゃんの溢れ出る料理ぢからが可視化したものなのでただちに健康を損なうことはありません」
「なんで急に機械音声みたいになんの!? 怖い!!」
 ヤバい。こんなものを食べるとヤバいことになる。
 本能的に危険を感じた高校生たちは、こっそりとその場を離れようとする……。

 だが、しかし! そこには初名がいた!
「まあまあ、みんなで笑顔チャージしよう? ね?」
「「「アイエエエ!」」」
 初名は満面の笑顔だ(カオス状態だから)! 実際別に悪意はないのだが、ギラギラとなんかオーロラみたいなオーラ放ってるツナマヨ(不確定名)のせいで怖さMAXである! いや別に無理強いしてるわけじゃないんだけど。
「ほらたこ焼きあるよ! たこ入れてないけど」
「入ってないの!?」
「代わりにウィンナー入れたからね! あっチョコ入れたのもあるよ!」
「たこ焼きとは一体……?」
 具材すらカオス極まる有様だ。もはや高校生たちに逃げ場なし!
「さあ完成だ、おあがりよ!」
「こっちも出来たよ、たこ焼き入りたこ焼き!」
 デン! 高校生たちの前に否応なく出されるカオス料理たち。
「大丈夫ですかねこれ、お腹壊したり……」
「もー、ういなちゃん今日はみんなを楽しませるつもりだから心配ないよー!」
「そうでやすそうでやす、少なくともこのツナマヨで死にはしないでやんす」
「死ぬのに近い何かが起こる可能性はあるの久美ちゃん!?」
「ただちに健康を損なうものではありません」
「だからなんで機械音声になるの!? 怖いんだけど!?」
 思わず初名がツッコミに回ってしまうほどの恐ろしさだった。

「なんてこったッス、このカオスを終わらせるには……ウチがあるだけいただくッスー!!」
 そこにナナ参上! 虹色に輝くツナマヨ(ツナマヨとは?)をもりもり食べていく!
「あっナナちゃんだ! このたこなしたこ焼き入りたこ焼きをお食べ!」
「なんスかそのトゲアリトゲナシトゲトゲみたいなやつ!? いただくッス!」
「ツナマヨなしツナマヨおにぎりもあるでよ」
「だからなんスかそのトゲアリトゲナシトゲトゲみたいなやつ!? いただくッス!!」
 唖然とする高校生たちを他所に、ナナはもりもりとカオス料理を食べまくった。
「あ、なんだかんだハイパー美味いッス! おかわりッスー!」
「よかったー! ナナちゃん、改めて7月はおたおめだよ!」
 初名はニコニコと笑いながら新しいたこ焼きを焼いていく。たこは入っていない。
「さあ他の皆さんも久美ちゃん特製ツナマヨをどうぞお食べよ! 死にはしないから感想聞かせて?」
「「「死に近い何かは起きるの!?」」」
 久美の方は相変わらずギラギラ七色に輝いていた。おにぎりとは??
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV2が発生!

音無・サカハ
アドリブ·連携歓迎

文化祭、まさに青春でもっと大事なの一大イベント、一緒に青春を楽しむのもよし、この場合で告白する人もう相当いるだろ

なお、この記憶喪失した男にとって、もっと大事なことがある、それが...

「完全に忘れた...浴衣」

そう、最近は色々あって、彼は完全に浴衣の準備を忘れた、完全のガバである

でもこうなった以上はもう仕方がない、だったらもうやるしかない!

ここにいる生徒の皆さんにも盛り上るために、店を出さないと
まずは契約獣のプロミネンスドラグナーを召喚、そしてここでパラドクスを発動、小さいな白いドラゴたちを出す

そして人形や服、トークンなどなど、手作った物を並べて...よし!

これで射的の店の出来上がり!空気銃の代わりに小さいなドラゴンを使う、知能があるから、ちゃんと話ればいける、こいつらのプレス攻撃の威力は水鉄砲くらいしかない上に、水のブレスため、安全です

大当たりは色々な復讐者モチーフのアクリルスタンド、ナナの色入フィギュアと音無の手作りバイク、ゲーム機まである

「さぁ、一回50円だ」


凍雲・雪那
※白地に水色の雪華柄の浴衣を着用
基本無表情固定です
アドリブ歓迎
音無・サカハ(g10149)と同行

あ、サカハさーん。
人手欲しいって聞いたから、手伝いに来たよ。
それで、なにやるの?
……って、サカハさん。浴衣、忘れたの?
ちょっと、ガバくない?しっかりしてよ……

ふむ、ふむ。
お店……これは射的、だね。
銃の代わりが、ちっちゃいドラゴン。変わってるけど、一般人の人達にボク達を理解してもらうには、うってつけかも。
よし、ボクも商品増やそう。これでも一端のスノウメイジだから、ね。
氷のフィギュアぐらい、不融処理をした上で容易く作れる。
折角だし、サカハさんのものを目玉にしよっと。1/10サイズのサカハさん氷像、細部までしっかり拘るね。
流石に、知らない人のは肖像権的にアウトだろうし、サーヴァントとかその辺りで、お茶を濁して……と。

うん、準備はおっけー。
後は、呼び込みでも、しようかな。
いらっしゃーい。射的だよー安いよー。

……高校生だと、先輩さん、かな?
ん。可愛い後輩に、いいとこ見せて欲しいな。なんて。


●こっちでも文化祭
「…………」
「えーと……あ、サカハさんいた。おーい、サカハさーん」
 なにやら天を仰いで無言で打ちひしがれる音無・サカハ(過去を探す旅人・g10149)に声をかけ、トテトテと歩み寄る凍雲・雪那(報仇雪恨の皓巫姫・g07783)。無表情のまま、こてんと首を傾げる。そんな雪那は水色の雪華柄の涼やかな浴衣を身に纏っていた。
「サカハさん? 人手がほしいって聞いたから手伝いに来たんだけど……どうしたの?」
「……たんだ」
「え?」
「完全に、忘れた……」
 サカハは片手を目元に当て、俯いた。よく見るとその格好は普段通りの私服だ。
「…………浴衣、忘れた……!!」

 そう、サカハはいちばん大事な浴衣を忘れてしまったのである。
 まあ友人の戦いをサポートしたりなんだり、色々ありすぎたせいなのだろう。ディアボロスは常に多忙なのだ。
「えぇ……ちょっと、ガバくない? しっかりしてよ」
 雪那は無表情で呆れた。表情がないせいで余計に刺さる。
「俺だってわかってますよ雪那さん完全にガバです……でもこうなった以上、もうやるしかないんですよ!」
「そっかー。で、何やるの?」
「いやいいんですけど早いですね流すの!?」
 まあそれも雪那らしさか、と思い直し、サカハは咳払いした。

 そんな彼が、雪那というヘルパーを呼んでまでやろうとしていたことというのは……。
「そっちに人形を並べてください!」
「はいはい。飾り付けも……うん、おっけーだね」
 奥行きの広い屋台に、横並びにされた人形、服、トークンなどなど。サカハ手作りの景品の数々。
 そして手前にはカウンターが置かれている。
「よし、手伝ってもらったおかげで射的店が出来ました、ありがとうございます雪那さん!」
「いやいや、どういたしましてだよ。ボクもいくつか商品並べさせてもらったし」
 見てみると、なるほどサカハのハンドメイド以外にも、キラキラと氷のように輝くフィギュアがある。多彩なものだ。
「それも実にありがたい……んですけど、あの」
「ん? 何? 早くお店開けちゃおうよ」
「いやその……一等賞みたいに真ん中に置かれてるアレは……?」
 サカハが指さしたのは、サカハである。

 いや、訂正しよう。キラキラと輝くサカハだった。本物の1/10サイズの。
「何って、1/10サイズのサカハさん氷像だよ」
「俺の!? 氷像!!??」
「知らない人は肖像権的にアウトだし。ここサカハさんのお店だし。必然的にそうなるでしょ?」
「俺にも肖像権があるんですが……!?」
 困惑するサカハと、無表情でこてんと首を傾げる雪那。ちぐはぐな構図である。なお、氷像サカハは凛々しい顔つきでカッコいいポーズをしていた。ものすげえ目立つ!
「じゃあ、ボク、呼び込みしてくるね」
「えっあっいやあの。雪那さん? 雪那さん!?」
 ぽかんとしているうちに、雪那はそそくさと呼び込みに行ってしまった。
「いらっしゃーい。射的だよー安いよー」
「射的だってー」
「ほんとだ、なんか色々……えっ何あのでっかいやつ」
「1/10サカハさん氷像だよ。当てたらゲット。目玉景品だよ」
「「目玉なの!?」」
 通りすがりの女子高生たちも困惑していた。当然である。

 なんか一部トンチキな景品がなくもないが、それはそれとして客入りは上々だ。案外マジで目玉景品が目玉として功を奏したのかもしれない。
「すみませーん、射的1回お願いしま―す!」
「ああ、50円だ……なんだろうこの落ち着かない感じ……」
 店番をしつつ、自分の氷像をチラチラ見るサカハ。あれゲットしてどうすんだと本人は思わなくもなかった。
「盛況だね。手伝ったかいがあったよ」
「こっちこそありがとうございます雪那さん。それにしても手伝ってもらっちゃってすみません」
「ん。いいってこと」
 雪那は無表情で言った。
「ここにいるの、高校生の人たちでしょ。つまり、ボクにとっては先輩さんで、サカハさんにとっては後輩でしょ?」
 両手の人差し指で、くいっと口の端をあげてみせる。
「そんなかわいい後輩に、いいとこ見せてほしいな。なんて」
「……ははっ」
 そう言われたら、サカハとしては頑張るしかない。
「じゃ、後輩たちのためにも頑張りましょう。別の後輩にも手伝ってもらいましたしね!」
「ん」
 雪那の表情は相変わらずだが、楽しそうなのはサカハにも聞くまでもなくわかった。
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!

カルメン・リコリスラディアタ
【銀プロ】
アドリブOK
呼称は男女問わず:(名前)ちゃん


すっげー!現代の学校だ文化祭だー!
ドラマとか漫画でしか見たコトない光景が本当に広がってるにゃー♪
今を生きる学生達にとって当たり前の学校もロマノフから来た俺にとっては何もかもが新鮮。

見て見て、セーラー服だぜ!似合うー?
ソラちゃんセーラー服似合い過ぎるぜ!

体育館のステージ舞台での銀プロライブは
パンクロックなアクセを付けてアレンジした彼岸花の刺繍入りのクールな黒セーラー服風衣装を着て
このご時世で勉学に励み青春を謳歌する学生達に「toy!toy!toy!」(おもちゃ箱のようなはちゃめちゃさと可愛さのあるポップな応援ソング)と
EasterBunny(生きる事の楽しさ尊さがテーマのイースターなロック)を歌うぞ!

ライブ後は彼岸花の浴衣に着替えて文化祭独特の雰囲気楽しみながら屋台巡りしようぜー。
大阪だしお好み焼き、焼きそば、たこ焼き風シュークリーム食べよっと。
サイン?記念写真?もっちろんイイぜー!

夜空見ろよ花火も打ち上がってるぞ!文化祭、最高だぜ!


ソラ・フルーリア
【銀プロ】の皆と!
※アドリブ歓迎します。

わぁ、盛り上がってるわね!
アタシ高校行ってないし中学までの記憶も曖昧だから、TOKYOでの文化祭の記憶は無いんだけど……。
こういうのは盛り上がったもん勝ち!そうよね!

さて、体育館のステージでスペシャル銀プロライブを開催しちゃうわよ!
アタシは初めての衣装が制服風だしコレで……。
いや、ここはあえて普通のセーラー服でJK気分を味わってみようかしら!
わ、カルメンの衣装もイケてるわね!ロックなセーラー服でカッコいい!

セトリはアタシの1stシングル、ディアボロスとしての強い信念をポップに歌う「BREAKTHROUGH!!」と、どんな時も頑張る皆を応援する2ndシングルの「サンSUN!チアリーダー!」の2曲構成よ!

夕方になったら浴衣に着替えて屋台巡りと洒落込むわ!
色々屋台が有るわね!あ、普通のたこ焼きも有るわよ!さすが大阪!

あら、サイン?
勿論OK! 上手にサイン書けてこそトップアイドルよ!(ふふん)

ナナがあんな必死になる気持ちがわかったわね!
文化祭サイコー! 


土岐野・有人
【銀プロ】の皆さんと参加です。

文化祭のステージですか…高校の文化祭と言うのは珍しいかもしれませんが、定番のお仕事ですね。しっかりプロデュースしましょう。
「こちらがセットリストです。スポットライトのタイミングはこちらで。」
文化祭の実行委員の方々と綿密な調整をして、他のステージを使う方にも挨拶を。有望そうな方がみえたら名刺を渡して挨拶しておきましょう。

「さぁ、そろそろ出番ですよ。」
時間になったら社長(ソラさん)とカルメンさんたちに声をかけます。

夕方になったら、先日新調したばかりのシルバースカイプロダクション(SSP)のロゴ入り浴衣を着て屋台めぐりへ。ちなみに団扇も『銀空』のロゴ入りです。

高校の文化祭らしい屋台を見てウン十年前を思い出しつつ、大阪名物のネギ焼きをいただきながらうちのアイドル達の様子を見ています。
サインくらいなら大丈夫でしょうけど、あんまり混雑するようなら端に寄って列を整理しましょう。アイドルと一緒に写真撮影ですか?まぁ、これもサービスです。カメラ貸してくだされば撮影しますよ。


●アイドルたちのお忍び秋祭り?
 文化祭といえば? ……そう、ステージである。
 大抵は学生バンドの(いい意味で)アマチュア感バリバリな出し物がメインになるが、そこはディアボロスの文化祭、メインを張るのは当然プロ顔負けのアーティストたちだ。
「というわけで……スペシャル銀プロライブ、開催よ!」
 バン! ソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)が企画書をテーブルの上に広げた。
 時刻は早朝。まだ生徒の数もまばらな時間帯である。
「我々のような外部のアーティストが招かれる文化祭というと、基本的には大学レベルなのですが……定番といえば定番のお仕事ですね」
 土岐野・有人(ファントム・オブ・ザ・シルバースカイ・g02281)は中指でくいっとメガネを押し上げる。
「そっかー、ドラマと漫画でしか見たコトないけど、ホントに文化祭やんだなー!」
 カルメン・リコリスラディアタ(彼岸花の女・g08648)は今からワクワクしている様子。日本の学校文化は海外に比べると独特なところが多い、なのにフィクションのおかげで妙に広まっているのは最終人類史でも同じである。

「まあ、実はアタシも高校行ってないし、中学までの記憶も曖昧なのよね」
 ソラは腕を組み、悩ましげな顔をした。
「だからこのメンバーの中で一番学校の文化祭に詳しいのって、有人かも。プロデューサーとしての働き、期待してるわよ?」
「もちろんです」
 有人は自信に満ち溢れた笑みで言い切る。
「どのようなステージであれ、最高のライブにしてこそのプロデューサーというもの。裏方仕事はお任せください」
「頼りになるぜー! そのぶん全力で盛り上げるからな!」
 カルメンはグッとサムズアップした。
 新鮮な学校風景を目の当たりにしたことで、カルメンはいつもよりやる気十分だ。この様子なら、ポテンシャルを存分に発揮してくれるだろう。

 そうと決まれば、まずは有人の出番である。
「すでにセットリストは用意してあります。早速、実行委員の方々と顔合わせしておきましょう」
「やるわね、有人! じゃあアタシたちは衣装合わせをしましょっか!」
「オッケー! ここは俺もセーラー服着ちゃうかぁ~?」
 きゃっきゃとかしましく騒ぐメインアイドルたち。彼女らをよそに、有人は生徒たちに丁寧にお辞儀している。
「はじめまして、皆さん。今日はどうぞよろしくお願いします」
「えっ、あ、よ、よろしくお願いします!」
「すごい、イケメンだ……!」
「あの二人もかわいいし綺麗……」
 生徒たちはドギマギしている。ディアボロスは美形揃いだが、銀プロの面々は(アイドルを志望しているせいか)際立って顔がいい。純朴な学生が浮足立つのも当然だろう。
「そう堅くならないでください。それと、私はあくまでプロデューサーですので」
 有人はフッと緊張を解きほぐすために微笑みかける。たとえ相手がアマチュアの学生だろうと、挨拶周りは業界人のマナーだ。
 こういうところでコミュニケーションを取ることで、本番の不測の事態を防ぐことが出来るのである。
(「何名か有望そうな方もいますね、あとで名刺を渡しておきましょう」)
 実はもう一つ、有人のヘッドハンティング的な狙いもあるのだが、まあこちらはさておこう。

 一方その頃、舞台衣装に着替えたソラとカルメンがステージにやってくる。
「ほう……」
 スポットライトの角度調整をしていた有人は、二人を振り返り感心した。
「ふふっ、どうかしら! ここはあえてのストレートなセーラー服で馴染みやすさを狙ってみようと思うの!」
「さっすがソラちゃん、セーラー服似合いすぎだぜ! 俺のはどう~?」
 ソラはあえてアレンジを抑えた、学生にも馴染み深い衣装。一方カルメンは、パンクロックアレンジに彼岸花の刺繍を入れた黒セーラー服である。
「とてもクールですね、お二人ともよくお似合いです」
 有人は確信した。このステージ、期待以上のものになるに違いない……と。


 時間というものはあっという間に過ぎる。
 リハーサルに割けた時間は(通常の催しで考えれば)あまりにも短いが、ディアボロスでもある3人にとってはなんてことない。開演直前でも自信満々である。
「わぁ、盛り上がってるわね……!」
 舞台袖から観客席をチラ見したソラは、ガヤガヤと騒がしい生徒たちの姿に笑みを綻ばせた。
「前の出し物で上がったボルテージ、俺らが最高潮にブチ上げちゃおうぜ!」
 カルメンは特に気合十分だ。
「それでこそ、SSPのアイドルです。さぁ、出番ですよお二人とも」
 ソラとカルメンは有人に頷き、BGMが切り替わるとともにステージに飛び出した。

「みんな、今日は楽しんでるーっ!?」
「お次は俺たちSSPの、スペシャルライブだぜー!」
 二人とバックバンドが姿を見せると、観客は大盛り上がりだ。学生だけでなく、この機会に祭りに来た周辺の住民の皆さんもいる。
「それじゃあ早速一曲目、いってみましょうか――BREAKTHROUGH!」
 ソラが曲名をコールすると、事前に練習を重ねた軽音楽部の生徒たちが熱の籠もった演奏でさらに盛り上げてくれる。
 ソラ自身も『レゾネイト』を手に、いつもより張り切って歌声を届けた。
「"アナタにももう見えるはず♪ すぐ先にある未来へ突き進め! BREAKTHROUGH!!"」
 その気になればパラドクスにさえ昇華された歌声は、残留効果など使わずとも自然と人の心を鷲掴みにする。
 復讐者の信念を歌い上げた曲で、体育館はあっという間に熱気で満ち溢れた!

 その裏では、有人の指示の下、生徒たちが全力でステージ演出に取り組んでいるのだ。
「このままカルメンさんのパートに入ります。5秒後にライトを切り替えてください」
「はいっ!」
 息つく暇もなく、演奏がカルメンの担当曲に雪崩れ込む。ソラとカルメンは視線を交わして頷き合い、ポジションを交換した。
「お次は俺だ! 青春を謳歌するみんなに届け、"toy!toy!toy!"」
 最終人類史は不安定な世界だ。ディアボロスの戦いがなければ、いつ終わってもおかしくない。
 そんな非日常的な日常の中でも、懸命に生きる若者たちに向けたポップな歌声が、彼らの心をアツくする。
(「カルメン、いつもより生き生きしてるわね!」)
 ソラはバックバンドのメンバーにもスマイルを送り、緊張しすぎないケアするのも忘れない。
 そのおかげで、ステージ上の音が一体となって体育館に響き渡った。

「みんな、どう? アタシたちSSPのこと、知ってくれたかしら!」
 観客の大きな声が応える。どんな時でも新たなファンへの歓迎の気持ちと感謝を忘れないからこそのアイドルだ。
「そんじゃ、もいっちょ応援ソングお願いしちゃうぜソラちゃん!」
「ええ、任せて! どんな時でも頑張るみんなへ……"サンSUN! チアリーダー!"」
 カルメンがいい具合に繋げたバトンを再びソラが受け取り、応援ソングの連打でさらに盛り上げる。
(「こんなこともあろうかと、使い捨てのサイリウムを配布しておいて正解でしたね」)
 ステージ裏で、有人はメガネを押し上げニヤリと笑った。観客席は、ソラのイメージカラー一色に染まり切っている。
(「綺麗な景色……」)
(「こりゃ、まだまだ力振り絞らないとな!」)
 渾然一体となったステージの雰囲気が、二人の心も否応なく高揚させる。
 言っても所詮は学生主導のステージである、ドームだとか大型ライブハウスだとか、そういったプロ専用の箱に比べれば音響然り演出設備然り、ポテンシャルは月とスッポンだ。
 有人のサポートがあっても、スタッフのパワーもどうしてもプロのそれには見劣りしてしまう。

 しかし、それを言い訳にするようではアイドル失格だ。
 現にこのステージは、最高のものとなっていた。誰よりも3人が、今日を忘れられない一日にしようと全力を振り絞って心から楽しんでいるからこそ、観客や学生たちがそれに応えてくれているのだ。
「オーケイ! そんじゃ俺の2曲目! ここらで一発、ロックでもいってみっかァ!」
 ギュイイイン! と、爪弾いたギターのディストーションサウンドが響き渡る。
「最後まで盛り上がっていこうぜ、ソラちゃん!」
「もちろんよ!」
 カルメンは汗を拭うことも忘れて叫んだ。
「生きることってサイコーに楽しいよな! そんな思いを籠めて歌うから聞いてくれ――"EasterBunny"!」
 七色のスポットライトがステージを照らす。サイリウムがカルメンのイメージカラーに切り替わり、体育館を染め上げた。
 カルメンの歌声に合わせて、ソラの、バックバンドメンバーの、そして観客の歌声が外まで盛大に響き渡る……。


 そして、夕方。
「お二人ともお疲れ様でした。今日は私が奢りますよ」
 おろしたてのSSPロゴ入り浴衣を涼やかに着こなした有人が、ネギ焼き片手に微笑む。
「えっ、ホント!? じゃあアタシ、たこ焼き食べたいわ! 大阪といえば、やっぱりたこ焼きよね!」
「いやいや、屋台といや焼きそばも外せないぜソラちゃん!」
 あれだけ激しいライブを終えたあとなのに、カルメンもソラもけろっとしている。伊達に一流のサウンドソルジャーではないらしい。
「……お二人とも、一応お手柔らかにお願いしますね?」
「わかっふぇるわかっふぇる、大丈夫ふぁっへ(もぐもぐ)」
「カルメンさん、すでにものすごい勢いで食べていらっしゃるようですが本当に聞いていますか……?」
 いつの間に両手に抱えるほどの食材をテイクアウトしたんだろうか。有人はちょっと不安になった。

 お好み焼きにたこ焼き風シュークリーム、りんご飴やチョコバナナ。
 ライブで発散したカロリーを取り戻すかのように、気ままに屋台を楽しむ二人(と、はるか過去の青春を思い出して遠い目をする有人)。
「あ、あの、すみませんっ!」
「おや?」
 そこになにやら緊張した様子の女子生徒たちがやってくると、有人は二人に目線を送った。
「……もしかして、サインがほしいのかしら?」
 ソラが小首を傾げて質問すると、生徒たちはドギマギしながらこくこく頷いた。
「もっちろんイイぜー! 記念写真も大歓迎だ!」
「ホントですか!?」
「それはそうよ! 上手にサインを書けてこそのトップアイドル、だものね?」
 ふふんと得意げに胸を張りつつ、ソラは有人にこっそりウィンクした。
(「なるほど、ファンの列整理は私の仕事ですね」)
 敏腕プロデューサーは即座にアイドルの意図を理解し、団扇を目印代わりに周りに集まったファンたちを誘導する。
「皆さん、慌てずに並んでくださいね。記念写真は……まあ、サービスということでいいでしょう」
「そうこなくっちゃ! さあ、みんな並んで並んで!」
 カルメンは有人の気配りに笑顔で感謝し、ファンと肩を組んだり横に並んでピースしている(ソラはハートマークを作ろうとしたファンの隣でサムズアップしていた)。
「あの……」
「あなたも記念撮影ですか? カメラを貸していただければ私が……」
「いえっ、プロデューサーさんと撮影させてくださいっ!」
「……はい?」
「いいじゃない、プロフェッショナルは人を惹きつけるものよ! アタシが撮ってあげちゃう!」
 なんて一幕もあったとか。

 ステージに屋台に、文化祭を盛大に楽しんだSSPの一同。
「ナナがあんな必死になる気持ち、わかっちゃったわ! 文化祭サイコー!」
 ソラはご満悦である。
「ソラちゃんの言う通り……って、空見て空!」
「え? 急に呼び捨てにしてどうしたの??」
「いや、そうじゃなくて! 空だって、上!」
 カルメンが指差す方を見ると、ドドン、パーン! と綺麗な花火が光り輝いた。
「風流ですねぇ」
 団扇で自分を扇ぎつつ、有人はのんびりと笑う。
 彼らの文化祭は、最高の一日となったようだ。
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】がLV4になった!
効果2【ドレイン】LV3が発生!

アルラトゥ・クリム
学園祭かあ。良いんじゃないかな?
及ばずながら、私もちょいと協力させて貰おうかな。

うーん。いちおー私も学生兼業ディアボロスなんだけど。
中学生で既に、某スプリガンみたいな出席状態だからなあ…
来年から高校生なんだけど、大丈夫なのかな。出席日数とか出席日数とか…

さて置き
今回結局披露する余裕が無かった、紺地に鈴蘭の柄の浴衣を着て
学園祭なら大体設置されてると思う、ステージ舞台の空き時間を確認して
その時間に自分のライブを突っ込ませて貰う
もし他にソロ参加のミュージシャンやアイドルがいたら、即席ユニットを組んでも良いね

ステージではパフォーマンスも兼ねて
コネクトでサウンドユニット(今回はPA機器利用)と『Once Again』を召喚装備
注目を惹いた所で思いっきり叫ぶ!
「さあ、ショータイムだ!私の歌を聴け!」
(最初のIS:DYNAMITE EXPLOSION)

途中にバラード曲も挟みつつ、貰った時間一杯まで思いっきり唄い上げ
出し惜しみ無しの全力全開でステージを盛り上げるよ!

アドリブ絡み連携歓迎


阿良々木・蘭
アドリブ、連携、大歓迎

折角だから浴衣で参加
浴衣のモチーフはアガパンサス、和名は紫君子蘭
南アフリカを原産地とするヒガンバナ科の花

みんなとはぐれて迷子になってるわけじゃないもん(迷子です)

体育館のステージで周りの迷惑にならないように後ろの方で観察
問題なければケミカルライトを振って応援
それぞれのイメージカラーがあるからそれに合わせた推しカラーで応援
3人いたら3人分まとめてふって応援
ステージに立ってる人に見えれば充分

誰かが体育館を【ハウスキーパー】で守護霊を宿らせてるから
快適な空間で体調不良になる人は減りそうだね
【温熱適応】をあるから熱中症も減りそうだけど
それでも酸欠や貧血で体調不良になる人は出そうだから注意は必要だね
そうならないためにの水分補給は喉が渇く前にこまめに取る
水分補給した時に【口福の伝道者】で出現する水分はみんなに配る


ライカ・ネイバー
はいこんちは!
お手伝いさんが来ましたぞ!
ナナちゃん元気ですか?

文化祭って事でしょ〜?
ちょいと考えがございまして……あっまたカニ擦ると思いました?
今回はちょいとかっこ良さげなヤツなんすよ〜

フリーランニング的なサムシングでいっちょ賑やかしでもするつもりでしたが
一人じゃいまいちパンチに欠けるんじゃねぇかと思いまして
早い話がナナちゃんにもお手伝いいただけたらラッキーって訳ですな!

……ここだけの話ぃ、お腹周り、気になってたりなかったりしません?
これからドゥンドゥン脂肪を焼こうぜ?
まぁ断られたらわたし一人で行きますけど!
行きますけど!(ちらり)

危ないから極力人混みは避けて屋根とか壁とかをタッタカ走り回る感じで行こうかなと
もーまんたいもーまんたい
前宙バク宙側宙出来りゃおっけーですし
なんならわたしのマネしてくるくる回っとけばどうにでもなりますんで!

ほんじゃ会場一周RTA開始ですいざ鎌倉!


●アイドルたちの文化祭、の合間に……?
「……はぁ~~~、SSPのライブ最高すぎるぅ……」
 両手にサイリウムを装備(※サイリウムではなくケミカルブレイドです)を握りしめ、ぷるぷると感動に打ち震える阿良々木・蘭(紫君子・g02198)。
 ついさっきまでステージを盛り上げてくれていた、とあるアイドルたちのライブに本気で感動しているのだ。
 なにせ推しがステージに立ったのである。体育館だろうと南極だろうと世界の彼方だろうと、駆けつけて応援してこそのファンというもの。隣でモーラット・コミュの『わっふる』も大盛り上がりしていた。
「もうこれだけで今日文化祭に来た甲斐あったなぁ……ステージに来るの遅くなっちゃったけど」
 別に迷っていたわけではない。
 ただ推しがいつステージに出るのかチェックしようと思っていたらリハーサル中の体育館に足を踏み入れかけ、「推しが練習してるところを見るなんて恐れ多い」と慌てて離れたら自分がどこにいるのかわからなくなってしまっただけである。それ迷子って言わない?
「でも、まだまだステージあるみたいだし、最後まで楽しまないと失礼だよね!」
「もきゅ!」
 蘭は別の色のケミカルブレイドを取り出して気を引き締めた。
 推しのステージが終わったからといって、そそくさとその場を離れては他の演者に対してあまりにもシツレイが過ぎる。
 アイドルを推す者、すべてのステージを等しく全力で楽しんでこそなのだ……!

 と、体育館の後ろのようで意気込む蘭はさておいて。
「ようし、それじゃあ……この空き時間は、私が頂いたっ!」
 ざんっ! と颯爽とステージに現れたのは紺地に鈴蘭の柄の浴衣を粋に着こなしたアルラトゥ・クリム(現代の魔法使い・g05088)である。
 どうやら、ステージの合間の空き時間をうまいこと貰い、出番をゲットしたようだ。
「おおっ、次の演者さんもディアボロスさんなんですね!」
「もきゅ……!」
 盛り上がる観客たちの後ろで、蘭も目を輝かせる。
「さっきのアイドルのみんな、すごかったね。みんなもう体力尽きちゃったかな?」
 アルラトゥは観客たちがクールダウンしすぎないように、機材調整をしながらトークを続けた。
「もしへとへとな人がいたら、座ったままでも全然オッケーだよ。
 まだ元気なら、よければ盛り上がってね。そのぶん、私も最高の演奏をするつもりだからさ!」
 機材調整が終わる……サウンドユニットが背後に浮かび上がり、心地よいハウリングが体育館を震わせた。
「さあ、ショータイムだ! 私の歌を聴いて!」
 激しいロックサウンドがスピーカーから発射され、観客を……一瞬唖然としてすぐに笑顔になった蘭も巻き込み、再び激しいライブの熱で体育館を席巻する!

「うおー、先輩がたのライブハイパー盛り上がってるッス!」
 と、そんなアゲアゲな会場に、こっそりと入り込んでいるナナ。
 サイリウムが色とりどりに輝いてウェーブする様を、ステージとは真反対の方角から見て目をキラキラさせた。
「カッコいいッスね~、ウチもああいうことできればなぁ……」
「おや、ナナちゃんは得意そうな気がしますけどね?」
「どわぁっ!?」
 その背後からさらにひょっこり、というかにょっきり顔を見せたライカ・ネイバー(ハイパーエクストリームお手伝い・g06433)にびっくりするナナ。
「び、びっくりしたッス! なんスかライカ先輩!」
「いやぁ、文化祭のお手伝いをしようと思ってきたらライブを観覧中だったようなので」
 ライカは意地悪な笑みを浮かべつつ、ステージを見やる。
 ステージ上では、アルラトゥがロックな曲から一転してバラードに移り、しっとりした雰囲気で観客を酔いしれさせているところだ(蘭もすかさずケミカルブレイドを青にして気持ちよく揺れている)
「蘭くんも楽しんでますねぇ、うんうん何より何より」
「そ、それはウチもとってもいいコトだと思うんス、けど……」
 ナナはじとーっとした疑り深い顔でライカを見つめる。
「おや、なんですかナナちゃん」
「……まさかとは思うッスけど、カニ……」
「あははは! 今回はカニ擦ったりしませんよ!」
 ライカはけろっとした顔で笑う。
 カニってなんのこと? と思うあなた。あなたは幸せである。カニでトラウマを植え付けられた幼稚園児よりははるかに。
「でもまだまだ盛り上げられそうな気がしますねぇ……どうです? ここはナナちゃんも手伝ってくれません?」
「え? ウチもッスか?
「ええ! 一人じゃいまいちパンチに欠けますし」
 ライカはにこりと頷いて、ナナに顔を近づけた。

「……それにここだけの話ぃ、お腹周り気になってたりなかったりしません?」
「……!!!!」
 ナナは大きく目を見開いた。そしてキョロキョロあたりを見渡し、歌唱に熱中するアルラトゥも、サイリ……ケミカルブレイドを振りまわす蘭も気付いてないことを確認する。
「ど、どーして知ってるッスか!?」
「ふふふ。これからドゥンドゥン脂肪を焼こうぜ……!」
「……ま、まあそういうことなら……」
 ナナはライカの底知れなさに舌を巻いた。この女、恐ろしい……!

 と、そんなやりとりがあることも露知らず、バラード曲を歌い上げたアルラトゥ。
「それじゃ次の曲、いってみようか! みんな、まだまだ盛り上がれるよね!」
「「「いえーい!!」」」
 観客は盛大な声援で応えた。その中には、もちろん蘭もいる。
「ふー、思ったよりずっと楽しい……! あ、でも皆さん大丈夫かな、貧血とか酸欠とか……」
 後ろにいるおかげか、蘭にはある意味ステージ上からよりも観客の体調がチェックできた。
 こういう催しに慣れていない人もちらほらいるようで、せめて水分補給ぐらいはしたいと考える。
 しかし、ライブを楽しむ者としては全力で楽しむことに取り組みたくもある。一体どうすれば……!?
「そこの蘭くん!」
「えっ!? ライカさん!?」
「ウチらに! おまかせッス!」
「ナナちゃんも!? なんで!?」
 ザッ! と横から現れたお手伝いーズ(即興命名)に目を白黒させる蘭。
「いいからいいから、ささ、ぐいーっと!」
「あ、うん……」
 蘭はライカに促され、ごくごくと水を飲んだ。
 【口福の伝道者】の効果で、ぽぽぽん! と同じペットボトルが無数に出現する。
「そしてこれをわたし達がお届けですぜ、ナナちゃん!」
「こーゆーのならハイパー得意ッス、行ってくるッスよ蘭先輩!」
 二人はひょいひょいとペットボトルを拾い上げ、パルクールめいた軽やかな動きで観客席を右に左にすいすい進む。
「はいこちらどうぞ~、無料で配布中ですよー」
「水分補給は大事ッス!」
(「……なんか野球場のお姉さんみたいな人たちがいる!?」)
 さすがにこれだけ機敏に動き回れば、ステージ上のアルラトゥからも丸見えだ。
(「せっかくだしボクも盛り上げ……そうだ!」)
 アルラトゥは頭の中で名案を思いついた。

「私にも水分、もらえるかな!」
「「!」」
 アルラトゥが名指しで声をかけると、二人は顔を見合わせて頷き、そのままステージ上にジャンプイン!
「ありがとう。せっかくだし、このまま一曲いってみよう!」
「おお、まさかのダンサー抜擢!? これは見逃せない!」
 蘭はケミカルブレイドを振り回す。ステージはさらに盛り上がった……!
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】がLV5になった!
【建物復元】LV1が発生!
【おいしくなあれ】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV4になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!
【リザレクション】LV1が発生!

備傘・鍬助
新宿医院

こういう風に人が集まるのであれば、急病人も出る、けが人も出る…
医者として、それは見過ごせないのだよ
というわけで、救護班をみんなで結成して直して回るのだが…

皆の衆、なぜ、目を背けるのかね(女生徒制服ミニスカモードを堂々と着こなしつつ)?
場の雰囲気を壊さず、なおかつ、溶け込むこの姿をしているだけなのだが(ずずぃっとにじり寄りつつ胸を張る)?

そうか、つまり、積極性が足りない、そういうことだな?
みんなが言いたいのは、いつも通り、受け身ではなく、攻めて、直す、そういうことだな?

さぁ、体調が悪い奴はいねぇが!ケガしてるやつはいねぇがぁぁ!!
二足歩行なんぞ、移動速度に限りがある、手も使った四足歩行で、迅速に治療に駆けつけてやろうじゃないか。

ん?何か見えてると?スカートが短い、と?
気にするな
見えてもいいように履いているのだからな
そんなもので医者魂が止められると思うな!

…なんか、頭のどこかで冷静になろうという言葉が走ったような気がするが、気にしたら負けだと思う

アドリブ、絡み、好きにしてくれ


狭間・ならく
■新宿医院
秋祭り……文化祭、学園祭……? ほう。
見たところ文化的って感じでもねェが……マ、別にいいか。

誘われたからにゃ全力で遊びに行くのがナラクさんだ。なァに、ガキども(生徒たち)の邪魔はせんように【エイティーン】で見た目の年齢を下げりゃ学校でも目立たねーように……いや、悪ィ、シュースケを目立たせんようにするのはさすがの嘘つきナラクさんも無理だったわ。

おいコラ。
せっかく救護室があンだからここで大人しくしてろってーの。……あー、いや。でも、まァ、祭りだしな。買い物なり見物なり、したいならしてきたらいいンじゃねェの。
(医者であるシュースケ以外は)交代で復讐者の何人かがいりゃそれでいいだろ。
逆に言やシュースケはここで待機だろが走り回るな!

あ?
ナラクさんはサインとかはせんぞ。学校で復讐者のおるのが珍しいのは分からんでもないが……そういうのは(当旅団お人好し筆頭の)イズルに頼め。ほれ、硯と筆なら貸してやるからよ。

※なおナラクさんは浴衣を持っていないので浴衣は着ない


赤上・イズル
■新宿医院
■アドリブ歓迎

文化祭とは楽しくも危険なものと聞き及んでおります
俺も文化祭の経験はないので予備学習してきました
(手には『陰キャな俺が異世界転生したら特殊ギフトで文化祭無双な件』という本)

なんでも興奮し抑制の効かなくなった学生らでハプニングが続出するまさに修羅場…
新宿医院に所属する者として院長のお手伝いをし
怪我や体調を崩された方々を救護せねばですね!

は…? 何故院長(備傘さん)は女子生徒の制服姿なのですか?
真面目にやってください!(とかいう自分はナース服)
お医者さんのお手伝いと言えば看護師さんですよね
看護師さんといえばナース服…って、院長!どこ行くんですか待ってください!

四足歩行で駆けていく院長を追いかける
お医者さんの回診にナースがついていけないなどあってはなりません!
とばかりに全力疾走するも…
くっ、速い!これがどんな服装であれ、人を救いたいと願う医師の力…!

ナラクさんも院長を止めてください!
え?サインですか…?サインサイン…
うーんと考えた末に毛筆でめっちゃ達筆に『心頭滅却』と書く


●文化祭の定義に関して
 文化祭。
 それは甘酸っぱい青春の1ページにして、とても危険で油断ならない催し。
 ちょっとの気の緩みが大きな事故に繋がる。そしてこう、消えないトラウマを心に刻みつけたりする。なのでとても……ヤバい!

「俺は今日のために予備学習してきました。それによれば、文化祭とはそういうイベントのようです」
『陰キャな俺が異世界転生したら特殊ギフトで文化祭無双な件』と題された文庫サイズの本を手に、超シリアスな顔で言い切る赤上・イズル(赤き悪魔・g04960)。残念ながら彼は他の例に漏れず文化祭というイベント未体験勢であり、その認識に関してとてもバイアスがかかっていた。そもそもなんでそんなラノベを学習材料にしようと思ったのかが問題である。
「興奮し抑制の効かなくなった学生たちがハプニングを続出する、まさに修羅場! いくら楽しくとも、そんな危険な催しをなんの備えもなく開催するのは危険すぎます!」
「イヤ待てや」
 ビシッと狭間・ならく(【嘘】・g03437)がツッコミを入れた。めちゃくちゃダルそうに。
「そりゃイベントだからアブないのはあるけどよ、だからってそンな危険視するほどのモンでもねェだろ」
「でもこの本にはそう書いてあるんですよ!?」
「そもそもなンだよそのピンポイントすぎる無双してる本はよ。異世界転生したなら異世界で無双しろや」
 ならくのツッコミはごもっともである。普通に考えれば(イベントとしてそれなりの危機管理は当然として)イズルが言うほど危険に備える必要はないのだが……。

「なるほどな。つまり私たちの出番というわけだ」
 備傘・鍬助(戦闘医・g01748)は普通の範疇を逸脱していた。なぜなら変人で変態だからである(※これはこれで大いに語弊あり)
「君の言葉はしかと受け取った、赤上。医者として私が立ち上がらなければならないのだな!」
「さすが院長……! それでこそです!」
 イズルは感激した。やっぱりなんだかんだ言って、鍬助は立派なお医者さんなのだ。
 何かと理由をつけては変態みたいな(というかそのもの)格好をして、カサカサと変態みたいな(というかそのもの)動きをして最終人類史の皆さんをビビらせている怪人ではないんだ!
「赤上、君の力も貸してもらうぞ。救護班結成だ!」
「はい、俺が役に立てるならなんだってします!」
「アホくせェ」
 ならくはすでに呆れていた。


 ……とまあ、そんな勘違い(もはや意図的にさえ思えるが)を経て迎えた当日。
 熱意の程度はともあれ、救護用の施設やスタッフが充実していること自体は悪くない。大人数が参加しているイベントなら、大なり小なりトラブルが発生するのは必然だからだ。
「なんか明らかにヤバそうだけど、でもイベント運営を助けようとしてくれる人を止めるのも間違ってるよね」的なやんわり消極的な受容とそっ閉じ的日本文化が混ざりあった結果、新宿医院の面々を止めてくれる人は誰もいなかった。学生たちには変態院長を止められなかったとも言う。
「さあ、いよいよ当日だ。急病人やけが人に万全に備え、誰もが楽しく文化祭を安全に過ごせるようにしよう」
 キリッ。搬送用の特設テントに集まった鍬助は、二人に向かって真顔で意気込みを述べた。
「…………イズル、言い出しっぺなンだからツッコミ任せたぞ」
「えっ!? なんですか言い出しっぺって!?」
「自覚ナシかよ。余計扱いづれェよ」
 ならくはすでに色々諦めていた。ちなみに、彼女自身は【エイティーン】の効果で普段より若々しい見た目になっており、ちょっとスレた学生と言っても通用するようにしている。学生の学び舎で遊ぶなら見た目も溶け込むようにしてこそ、というならくなりの心意気だ。こんな素敵な思いつきが出来るならくですらボケ二人が結託すると止めらんないのヤバいですね。

「おい、何を話しているんだ二人とも。気を緩めてはいけないぞ」
 鍬助はビシッと二人を指さした。
「そういうところから些細なトラブルが大事故に発展しかねないんだ。けが人を治して回る我々が怪我をしては元も子もない」
「その格好でマトモな倫理吐くのバクだろもはや」
「そうですよ! 院長は何故女子生徒の制服姿なんですか!?」
「……?」
 鍬助は二人のツッコミを受けて真顔のまま首を傾げた。
「何故って……場の雰囲気を壊さず、なおかつ、溶け込むためだが? もしや、私はまた何かやってしまったのか?」
「なンでそこで異世界転生ものの主人公みてェな反応すンだろ。拾わなくていいだろソコはよ」
 ならくは鍬助の眩しい太腿を汚物を見るような目で見下ろした。ムダ毛の処理がされていないのが余計におぞましい。
 ……そう、太腿だ。つまり鍬助はどういうルートで入手したのかわからない女子用の制服を身につけており、なぜか通常よりも丈の短いミニスカートにカスタマイズしていた。ほんとなんで?

「あのーすいません、友達がちょっと気分悪いってヒィ!」
 普通のテントだと思って駆け込んだ生徒がそのおぞましい格好を見て悲鳴を上げる!
「何? それはいけない。さあ休んでいきなさい」
「いえ大丈夫です! なんか振り切って逆に大丈夫になりました!」
「いやいや無理をしたら大変なことになるぞ(ずい)君たちのために用意したんだから遠慮せず(ずずい)」
「「結構です!!!」」
 学生たちは脱兎の如く逃げ出した。当然である。

 テントに沈黙が訪れた。
「……オイどうすンだよ逆効果じゃねェか」
「そもそも気分の悪さってカンストすると逆に健康になるものだったんですね、初めて知りました」
「感心するトコそこじゃねェだろ」
「わかった。つまり……積極性が足りない! そういうことだな!?」
「どォいう思考回路でその結論に至ったンだよシュースケ!!」
 ならくのツッコミが追いつかない! この場で一番過労でぶっ倒れそうなのは間違いなく彼女である。
「いやみなまで言うな、受け身でなく攻めの姿勢で治さねば追いつかない、そういうことであれば私は一肌脱ごう!」
「脱ぐなや! 着ろや! いやより正確に言うなら着替えろや!」
「そうですよ! お医者さんのお手伝いと言えば看護師さん! 看護師さんといえばナース服ですよ!」
「服のチョイスの話してンじゃねェよ! チョイスが間違ってンのは確かだがよ!」
 イズルもイズルでただの趣味が露呈してないだろうか? マリコさんは大変に呆れている(モコモコ野郎はならく大変そうだなって顔で屋台の焼きそば食べてる)
「いいやこうなれば徹底的だ! うおおお体調が悪い奴はいねぇが! ケガしてる奴はいねぇがぁぁ!!」
 シャカシャカシャカ。なぜか四足歩行でテントを飛び出す鍬助! 上がる悲鳴! 大惨事だ! どう考えてもこいつがトラブルを起こしている!
「止まれや! 1億歩譲って格好を許容するとしてもせめて待機してろや! つかなンでナマハゲなンだよシュースケェ!!」
 さすがの嘘つきナラクさんも、暴走モードに入った鍬助は止められない。悲鳴をセンサー代わりに飛び出し追いかける!
「くっ、なんて速度……! どんな服装であれ人を救いたいと願う医師の力なんですね……! 意思だけに!」
 イズルは苦悩した。鍬助の覚悟は尊く気高いものだが、あのゴキブリみたいな動きは別の大事なものを犠牲にしてしまっている。そして多分学生たちの大事ななにかも奪う。主に思い出とか。
「ダジャレしてる場合じゃねェだろ! そもそもの発端誰だと思ってンだ!」
「あの、すみませんサインしてください!」
「どォいうタイミングだよ! そういうのはイズルに頼め! ほれ硯と筆なら貸してやるからよ」
「えっ!? 俺ですか!?」
 突然サイン役を押し付けられたイズルは毛筆を手に混乱した。その間にも鍬助はあちこちで悲鳴を起こしている! 大惨事だ!
「医者魂は誰にも止められないぞぉおお! 見えてもいいように履いているから安心しろぉおお!」
「気をつけるべきポイントが他にも山ほどあンだろシュースケェ!!」
「えーとえーと……よし!」
 イズルは達筆な字で「心頭滅却」と書いた。今の心境にぴったりである。もうツッコミどころしかなかった。
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】がLV7になった!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV5(最大)になった!
【能力値アップ】がLV3になった!

捌碁・秋果
※絡みアドリブ歓迎
服装は去年のディアコレで着用した古風な学ラン

文化祭、この日を待っていた…!
『美術鑑賞同好会特別号』の配布を行おう
これは同好会の会報という体の趣味で一人で書いたレポート
…情熱のカタチを世に出せるチャンス
がんばるぞ!

早めに教室に入ったら自分のスペースで準備
ポストカードサイズの額縁に「美術鑑賞同好会」と書いた札を入れ、机の上に立てる
準備してきた『美術鑑賞同好会特別号』を机の上に置き、準備完了
特別号のテーマは企画展の比較
ある公立美術館で行われた3つの企画展を題材に、展示ごとにパーテーションで展示空間をどのように変えたかの比較、目玉の展示物は何故選ばれたかの説明、展示物がプリントされたフライヤーのデザインとキャッチコピーについての考察された内容

36ページのコピー本
我ながら製本は良い感じ
…でも、こんな冊子を誰が手に取る?絵が好きな人はストレートに絵画の展示に行くだろう
一生懸命調べて書いたけど、素人考えのレポートなんて…
いや
私は私の表現をした、それがすべて
誰が来ても来なくても構わない


ロイド・テスタメント
★アドリブ、絡み歓迎

ナナさんが学園祭を楽しみたいと、でしたら1つ手を貸してあげましょう
浴衣版執事喫茶もとい金魚喫茶でございます
夏っぽさ、ブタ型の蚊取り線香入れ、風鈴、本物の金魚からモチーフを取り入れた装飾!
メニューも現代風に、フローズンラムネ、まるごと凍らせたフルーツでかき氷、ひやしあめ、お洒落なフルーツ飴(りんご、みかん、いちご、ぶどう、プラム、スイカ)
ミニ流し素麺まで完備でございます!
こういう時の掛け声は、『夏におかえりなさい。お嬢様(お坊ちゃま)』にしておきましょう
「どうですか?少し張り切って用意してみました」
ゴリラ(シャーリー)は居ない、気配を感じても居ない、いいね?
「ナナさん、私も文化祭が分かりませんが、私なりの出し物としてこういう形になりました。VRで擬似西瓜割りも出来ますよ」
そういえば、何故かある光るストロー……まぁ、金魚入れる袋に飲みのもを入れてストロー挿せば映えってヤツになりそうですね
「お化け屋敷もお疲れ様でした。イヤな事を忘れる程に楽しんで下さいね。ナナさん」


シャーリー・ラフォルス
★アドリブ、絡み歓迎

きゅん♥霊長類だらけのメイド喫茶

「うほほ♥(お帰りなさいませ、ご主人様♥)」
愛らしく乙女で繊細な霊長類(ゴリラ)なわたくしがお出迎え♥
※ゴリラは繊細で強く、シルバーバックが美しい(オス限定)生き物と聞いて『イケる!』と何故か思ってしています
「うほ!(この気配は、クソデーモン!)」
やめるのよシャーリー、今はクソデーモンよりもわたくしが宇宙1愛くるしい存在!
「うほ?(さぁ、ナナ様。ご注文は?)」
それとも、
バナナ(高級)?
バナナ(自作)?
バナナ(チップス)?
バナナ(パフェ)?
バナナ(カッチカッチ)?
バナナ(スムージー)?
バナナ(チョコ)?
バナナ(スターゲイジーパイ)?
バナナ(食べられるスライム)?
バナナ(七色発光)?
バ・ナ・ナ?
「うほほ♥(遠慮しないで♥)」
クソデーモン用にチョコバナナ食べてるナナ様を撮っておきましょう!
3Dご主人様の素材にもなるうほほ♥
「おいしくなーれ、うほ♥うほ♥」
「裏メニュー、ゴリラと擬似ケッコンチェキがオススメでございます!」
可愛く撮るのでございます


高遠・葉月
アレンジ歓迎。

ふむ。(しゃけを頭に載せて腕を組む。偉そうだ)
…なるほど。学生のやるような文化祭がしたいと。
いいわ。ナナの願いならばあたしは無下にしない。
その願い叶え倒してあげるわ(サムズアップ)

道々ナナと屋台のもの買い食いしながら(奢りつつ)
秋祭りを楽しむ。学生側っぽい区画の方に向かってあるいてく。

学生がやる文化祭っぽい定番はアレね。
お化け屋敷…は置くとして(目が一瞬虚ろになった)
…うん、あった。アレ。メイド喫茶(なぜかあった)
老若男女とわずメイドになって客をもてなすって聞いたわ、どこかで。

ん、こんにちは。…ああ、いいわ。お帰ってないから。あたしも設営側。
連れてきたの。労働力。はい
(ナナを差し出す。しゃけも差し出す。自分は差し出さない。非道)
自分はメイド化した恥じらうナナを相手に愉悦しつつ甘味を楽しみたい。


(メイド喫茶の体をしたなにかだ。どういうのが居てもどういうメニューでも問題無いです。頭悪い学生のノリで)
(勿論ナナ側の逆襲もご随意に。巻き込みやどちゃくそ高価とかしっぺ返し可)


●文化祭の ほうそくが みだれる!
「……よしっ」
 とある教室の一角。
 こじんまりとしたスペースを借りた捌碁・秋果(見果てぬ秋・g06403)は、設営を終えて一人ガッツポーズした。
 机の上は『美術鑑賞同好会特別号』と題された、手製のコピー本が並べられている。この日のためにせっせとコンビニ製本したのである。我ながら製本はいい感じだ。ポストカードサイズの額縁に入れられた「美術鑑賞同好会」の札も、いい具合にハンドメイド感を出している。
「待ちに待った文化祭……どんな結果になろうとも、私は私のカタチで表現したんだ……!」
 古風な学ラン姿の秋果は、自分に言い聞かせるように呟いた。
 あえて悪い言い方をすれば、所詮はアマチュアのコピー本だ。
 わかりやすい絵画の展示には勝てないし、喫茶店だとかお化け屋敷だとか、そういうお祭りらしい出し物と違って華がない。人を惹きつける効果は、それらに比べれば薄いだろう。
 しかし、秋果は後悔していなかった。誰が来たとしても……誰も来なかったとしても、ここに自分の意思で、自分の力で作り上げたモノがあるのだ。今の時点で満足している。
「……でもどうせなら、少しくらい取ってくれる人がいたら……」
 なんて願ってしまうのはわがままだろうか? 秋果は期待と不安でソワソワしてしまった。
「……まあでも、素人考えのレポートなんてやっぱり」
「あー!!」
「!?」
 いきなりの声にびくっとする秋果。見上げるとそこには、この秋祭り企画の発起人であるナナがおり、自分を指さしている。その格好はメイド服だ。……何故?
「よかったー秋果先輩のスペース見つけたッス! うっ……うううう~~」
「えっ、泣くほど!? 何があったのナナちゃん!?」
 いきなり自分の前で崩れ落ちてしくしく泣き始めたものだから、流石の秋果も困惑した。
「よくぞ聞いてくださったッス、此処に来るまでハイパー大変だったッス……」
 ナナはぐったりした顔で語り始めた……。


 始まりは、高遠・葉月(猫・g04390)と買い食いしている最中のことだった。
「先輩、このたこ焼きハイパー美味しいッスよ!」
「ん、中々ね。お礼にわたしのもあげる」
「わーい! いただきます! ッス!!」
 両手に山盛りの食べ物を抱えて、ぱくぱく食べたり食べさせあったりしながら屋台巡り。これぞ文化祭って感じの光景だ。
「はー、最高ッスね文化祭! 企画してよかったッス! しかも奢ってもらっちゃって……ホントによかったんスか??」
「当然じゃない、先輩だもの。それに、言ったでしょう?」
 ふふん、と得意げな顔で髪をかきあげる葉月。
「学生のやるような文化祭がしたいなら、その願いを叶えて倒してあげる……って。わたしは嘘は言わないわ」
「えへへ、さすが葉月先輩ッス。いつもいつもお世話になってばかりッス!」
 ナナは嬉しそうにはにかんだ。葉月も悪い気はしていないようだ。

 そう、ここまではよかった。ナナも一切難しいことは考えず、全力で文化祭を謳歌していたのである。
 しかし屋台の列を離れて催事用スペースに入ったところで雲行きが怪しくなってきた。
「……ところでナナ、文化祭の定番といえば何を思い浮かべるかしら?」
「え? ……うーん、お化け屋敷とか……?」
「お化け屋敷は置いときましょう。ね」
「先輩なんで急に目が虚ろになったんスか」
「いいから置いときましょう」
 夏の肝試しのトラウマがよほど深かったのか、急に目から光が消えた葉月にビビるナナ(本人も怖いものは苦手)。
「えっと、じゃ、じゃあ……あ、そうだ! 喫茶店ッス!」
「ああ、それも定番ね。ちょうどそこにあるじゃない」
 葉月が指さしたのは喫茶店スペースの看板だ。

 ……ただし、喫茶店の前にデカデカとハートマークつきで「メイド」と書かれている。
「あっほんとだ、って喫茶は喫茶でもコンカフェじゃないッスかあれ!?」
「わたし、知ってるわ。あれって、老若男女問わずメイドになって客をもてなすところなのよね?」
「どういう経路で得た情報なんスか!? 偏りがひどいッス!」
「大丈夫、さあ行くわよナナ(ずるずる)」
「えっあの先輩!? 力強いッス先輩! こんなとこでパラドクス効果使わなくてもあー! あー!!」
 ナナは有無を言わさずスペースに引きずり込まれていった。


「……あ~」
 ここまで聞いた秋果は色々合点がいった。
 おそらくなんやかや理由をつけてメイド服を着させられ、そんでもってへとへとになったというところか、と。
「大変だったねナナちゃん、でも泣くほどだったの?」
「そこがただのコンカフェだったらまだマシだったッス」
「ただのコンカフェって時点でパワーワードなんだけど……」
 まだ話に続きがあるらしい。秋果は不安になってきた。


「皆まで言わなくていいのよナナ、あなたは学生らしい文化祭を楽しみたいって言ってたんだから。つまり運営側に回るのも大事よね。メイド姿で」
「先輩! 本音ちょろっと出てないッスか!? えっていうかウチがメイドになるんスか!?」
「というわけで労働力を連れてきたわよ(がらら)」
「ウチドナドナされたんスか!?」
 とかなんとかやりとりしながら扉を開いたわけである。

 すると、メイドが出迎えた。
「うほほ❤(おかえりなさいませ、ご主人様❤)」
「「…………」」
 メイドである。ただし、ゴリラみてーな格好をしたメイドだ(ゴリラみてーな格好をしたメイドとは?)

 ピシャッ(葉月が勢いよくドアを閉める音)
「スペース間違えたかしら」
 葉月は看板を二度見した。「❤メイド❤喫茶」間違っていない。
「うん、あってるわね」
「あの先輩なんかメイドの前にちっさく書いてあ」
 がららっ(葉月が勢いよくドアを開ける音)

「うほうほほ❤(ご注文はバナナ? それともバ・ナ・ナ?)」
「「…………」」
 なぜかさっきと違うポージングで、シルバートレイの上にバナナ(高級)とバナナ(自作。自作!?)とバナナ(チップス)とバナナ(七色発光)を載せたシャーリー・ラフォルス(軍人(駄犬)メイド長・g05277)がポージングしている。

 ピシャッ(葉月が勢いよくドアを閉める音)
「スペース間違えたかしら」
 葉月は看板を二度見した。「❤メイド❤喫茶」間違っていない。
「うん、あってるわね。……あってるけどなんでゴリラがいるのよ!?」
「葉月先輩、葉月先輩」
 ナナは恐る恐る看板の上の方を指さした。
「あの、ここ……」
「……んん?」
 葉月は顔を近づけてよーく読んでみた。ナナの言う通り、小さく何か書いてある……。

『(めっさ米粒みたいな大きさで)霊長類だらけの(こっから普通のフォントサイズ)❤メイド❤喫茶』

「詐欺じゃない!!!!」
 スパーン! 葉月はナナを抱えたまま扉を開けて叫んだ!
「うっほ❤(ご注文はスターゲイジーバナナでございますね❤ あとサギでなくゴリラでございます❤)」
「ぎゃあシャーリー先輩の圧が強いッス!!」
「さっきからなんで「うほほ」だけで会話出来てんのよ!? あとこれただのバナナ何本も縦にぶっ刺しただけのパイじゃないの!!」
 葉月のツッコミが間に合わない! シャーリーのパワープレイだ! ナナは慣れているのですでに諦めていた(抱えられてるし)

「お嬢様がた、どうか落ち着かれてください」
 そこにサッと涼やかに割り込むイケメン。彼の名はロイド・テスタメント(元無へ帰す暗殺者・g00322)だ。
「あっロイド先輩! いいところに!」
 ナナは良識人の登場に目を輝かせた。
「シャーリー先輩がまた暴走してるッス! あとついでに葉月先輩になんとか考え直すよう説得してほしいッス!」
「このゴリラはともかくわたしは何もしてないでしょ!?」
「ウチすでに労働力として確保されてるんスよ!?」
「なるほど、事情はわかりました」
 浴衣姿のロイドはフッとイケメンにしか許されないクールなスマイルを見せた。
「実は私、ナナさんのために喫茶店スペースを用意するつもりでいたのです。こんなゴリラの詐欺スペースは撤去してそちらで歓待いたしましょう」
「うほォ……!!(なんだァてめぇ……?)」
 シャーリーがめっさヤンキー漫画みたいな顔でガンをつけるがロイドには通じない! イケメンだからだ!(あとこの二人が喧嘩するのはいつものことなので)
「その名も夏の浴衣版執事喫茶……もとい、金魚喫茶でございます。実は既に設営も終わっていまして」
「うほォ!?」
 シャーリーは愕然とした。勝手にスペースの一部を改装されている!
 んでそのスペースがどんなとこかというと、ブタ型の蚊取り線香入れや風鈴、本物の金魚が泳ぐ金魚鉢などの夏らしい装飾で涼やかに彩られており、メニューにもフローズンラムネやフルーツかき氷などなど、おしゃれで季節感ばっちりの品々が並んでいる。
「どうですか? 少し張り切って用意してみました」
「さ、さすがロイド先輩ッス……!」
 ナナは感動した。そうだよこういうのが文化祭なんだよ、と全力で言いたい気分だった。
「ナナさんはお化け屋敷でも苦労されていましたからね。本当にお疲れ様でした。どうぞイヤなこととゴリラを忘れるほどに楽しんでください」
「うほうほほ!!(こんな出し物よりゴリラとの疑似ケッコンチェキがおすすめでございます!)」
「うわあシャーリー先輩の圧が相変わらず強いッス!」
「ゴリラ? 私には見えませんね。いたとしてもいなかったことにすれば存在しないも同然です」
「ロイド先輩がハイパー力技でシカトしようとしてるッス!?」
「…………」
 葉月(ナナを抱えたまま)はしばし黙っていたが、クワッと目を見開いた。

「わかったわ」
「え? 何がッスか先ぱ」
「ナナ。あなたがメイド喫茶をやってコンカフェ三国志を起こすのよ!!」
「コンカフェ三国志!!!??」
「そしてわたしをもてなしなさい! 甘味とかで!」
「やっぱり本音そこッスよね!?」
 葉月も葉月で自分のやりてえことをゴリ押ししてきた! ナナは視線でロイドに助けを求める!
「ほう……つまり、私の金魚喫茶に対抗すると? 面白い提案ですね」
「ロイド先輩!?」
「うっほ!!(勝負となれば負けられないのでございます! あとナナ様のメイド服姿撮れるし)」
「シャーリー先輩!?」
「ここにゴリラはいませんが中々"理解って"ますね。衣装は私が用意しましょう」
「だからロイド先輩!!??」
「あなたなかなかやるわね! さあそうと決まれば準備よ!」
「誰かー! 誰かー!!!」
 まさかの四面楚歌状態が露呈した瞬間だった。救いを求める声はむなしくこだました。


「…………ということがあって、そしてこの通りッス」
「えぇ……」
 秋果は途中何度か「あれこれ私夢見てる?」と疑いそうになったが、残念ながら全部現実だった。
「ホントは先輩のコピー本読みに来たかったのに、接客合戦で時間が取れなかったッス……! なんとか抜け出せてよかったッス!」
「そ、それは苦労したね……ん?」
 嬉しそうに本を手に取るナナから顔を上げ、訝しむ秋果。はて、遠くから何か聞こえるような……?

「うおー、これすごいッス! 内容ハイパー真面目だし、ウチでは気付かないようなことがたくさん書いてあって参考になるッス!」
「あ、ありがとう。えっとね、特にこのフライヤーのデザインとキャッチコピーについての考察が頑張ったところなんだけど……」
 ストリートアートをかじっているナナ的に芸術には興味があるのか、レポートの内容は(頭が足りないなりに)目を輝かせている。秋果も悪い気はせず、できるだけ咀嚼してもらえるよう自分なりの解説を織り交ぜて説明してあげる……のだが、やっぱりなんかドドドド……と軽い揺れと足音が近づいている気がして首を傾げた。
「あの、ナナちゃん」
「はいッス?」
「……何か近づいているような……?」
「え?」
 二人は教室の外を見た。

「うほほーっ!!(ナナ様! こちらの食べられるスライムバナナもおすすめでございます!!)」
「「ギャーッ!!」」
 地鳴りの正体はゴリラだった! いやメイドだ! ゴリラでありメイドだ! つまりシャーリーだ!
「おいゴリラやめろナナ様が、っていうかこのあたりの学生様がたがみんな怯えてるだろ殺すぞ!」
「ちょっと! なんでわたしも巻き込まれてるのよ!? まだ甘味を味わい足りないわよ!!」
「ウギャーロイド先輩と葉月先輩も来たー!?」
「えぇ……」
 なぜかメイド服姿になっている葉月とロイドもついてきたので、秋果は完全にあっけに取られた。
 ぽかんとする彼女のスペースの前ですったもんだの騒ぎが始まり、その騒ぎが周りのスペースや通りがかった一般客の注目を集める。
「こうなったら喫茶移転といたしましょう。第二ラウンドでございます」
「うほほ!!(望むところですわクソデーモン!!)」
「はいナナ。これ映える系の金魚パフェですって」
「いやあのウチ秋果先輩の説明もっと聞きたギャー!!」
 そしてものすごい勢いで新たなコンカフェの設営が進む。メイド喫茶with浴衣執事feat.美術レポート状態だった。文化祭のほうそくがみだれる!
「なんかすごい騒ぎになってるねー」
「あ、ねえねえ! このディアボロスさんの本、面白そう!」
「えっ、この流れで私の本手に取ってもらえるの……!?」
 因果はどう落着するかわからないものである。注目が集まったのは確かであり、その流れで必然的に(巻き込まれただけの)秋果のスペースにも人が流れることになった。せっせと製本したコピー本がどんどん掃けていく。
「あ、あの! ここで美術部に所属してるんですけど、よければ企画展のお話とか聞かせてもらっていいですか……!?」
「えっ、もちろん! ……でもここで大丈夫かな……?」
 おずおずと声をかけてきた内気そうな女子生徒に明るく応える秋果。

 怪訝そうにする彼女の視線の先では、コンカフェ三つ巴合戦第二ラウンドが幕を開けていた。
「おいしくなーれ、うほ❤うほ❤」
「負けてられないわよナナ、さあほら私のパフェ。はい」
「う、うぐぐぐ……! お、おいしく、なあれ……ッス! これハズすぎるッスー!!」
「おっと、皆様もおかえりなさいませ。よければ美術を楽しみながら涼やかなフルーツかき氷はいかがでしょうか? さあ、あなたも」
「意外としっかり接客してる……って私も!? あ、どうも……」
 ロイドの気配りに目を白黒させつつ、もらったかき氷を食べる秋果。普通に美味しい。
「うほほほ❤(皆様! 裏メニューの疑似ケッコンチェキはメンバー限定でございます! 押さないでくださいませ~❤」
「ナナ、こっちもチェキで客を集めるわよ! しゃけ(※葉月のスフィンクス)もほらメイド服着て!」
「せんぱぁい、ウチこういうの恥ずかしくて無理ッスよぉ……! っていうか秋果先輩の解説もっと聞きたいんスけど……!」
「接客しながら聴けばよいのではないですか?」
「私も客になってる……!?」
 もはや教室のスペースすべてがひとつの出し物としてミックスされていた。
「……文化祭ってこういうのだったっけ……?」
 コピー本を受け渡しつつ秋果は首を傾げた。とりあえず、用意した本がすべてなくなって大好評だったことは確かである。
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】がLV8になった!
【神速反応】LV1が発生!
【おいしくなあれ】がLV2になった!
【怪力無双】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!
【リザレクション】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV4になった!

篝・子火
【羽根車】
学校。子火も初めてだな。
寺で見聞きするくらいだったか。
正しい文化祭とやらは分からんが…全力でいこう。
パキラ、フィオリナ。着替えに行くぞ。

フィオリナ何着ても可愛い…髪の毛結んでも良いかもな。二つ結びにしよう。
パキラはサイズがかなり小さいな。着れるのかこれを……。尻尾うまく出せるか?
似合うと言われると調子に乗ってしまうが…今回は揃いにしよう。お揃いだぼたぼカーディガンで攻めよう。

ちょっと男子。遅いぞ。
先生を待たせるな…お腹が空いて先生はお怒りだ。
(なあ、モロク。と自身の腹の虫鳴らし)
冗談だ。
腹が耐えられんから、全力で焼きそばを買ってくる。
行くぞ、ケペシュ。先生に献上せねば。
松露、とうもろこしは子火の分も頼んだ。じゃがバターも。

屋上だと、下から見るより迫力があるな。
おや、太鼓の良い音がする。
阿波踊り。良いな、教えてくれ。
子火は右手を挙げれば右足が出るような奇怪な踊りしかできんが大丈夫か?
實生ももしや仲間か?奇怪踊りを披露しよう。


モロク・アルデバラン
【羽根車】

なるほど「こみっく」で見たが時代も国も違えば学舎も違うわけだな。
吾輩は寺院に属しておったが禍中であったしこのような祭りはなかった。またとない機会である。「青春」とやら、存分に楽しむとしよう。

吾輩が学徒装束とは行かぬな。ほら、年齢とか。
普段の白衣とスーツでよかろう。「先生」タグを首からぶら下げておけば立派な関係者の完成。ふふ、先生か。良き響きであるな。

ふむ、吾輩らで出店か。そうだな例えば…(火柱、黒焦げが心配なので調理系は言わなかった)
屋台のことを考えておったら腹が減ったな。色々あると悩ましいな。一先ず焼きそばをいただいてあとは練り歩きながら考えるとしよう。パキラ殿、吾輩もいただこう。いくつもあるようだし運ぶのに手を貸すのだ。
待てい、子火殿。子火よ!ありがたいが、廊下を走ってはならん!(追うが息切れ)

花火とな?勿論屋上で見るほかあるまい。
学舎で寝転ぶとは言語道断!だが今宵は祭り。先生の吾輩がOKというのだからOKなのだ。
先生も寝転ぶし、踊る。松露師範に倣い【情熱】全開で舞る。


ケペシュ・ナージャ
【羽根車】
「下の名前+殿」呼び

学校ですか、話には聞いたことがありますが
俺自身は行ったことがありません
初体験仲間も多くて安心しました
モロク先生、引率お願いしますね

男性陣の着こなしを参考にしつつ制服と奮闘
不思議なもので、制服姿で並ぶだけで学生気分になってきました
實生殿も松露殿も立派な学生の出立ちですね

お待たせしました、と子火殿に叱られつつ
腹が減ったのは俺も同じで
先生の雷が落ちる前に食べ物を調達に行きましょう

これが文化祭ですか、賑やかで活気がある
店を巡るのも楽しいですが、店を出す側もまた違った楽しさがあるんでしょうね
火柱が上がったらちょっとした事件になるかもしれません
文化祭で火災が、なんて

俺は焼きそばとチョコバナナに目をつけています
良ければたこ焼きも一つください、實生殿
パキラ殿の南瓜尽くしも美味そうですね

屋上で寝転がりぼんやりと花火を眺めていると
知らないはずの「青春」を感じて

こ、これが阿波踊り…熱いソウルを感じます
フィオリナ殿にそう言われると弱いですね
では俺も踊りに加わっても良いですか


パキラ・ミー
【羽根車】
学校とは?(主従揃ってこてりと首傾げ
楽しいなら何でも良いのだね!
掛声に良い子のお返事をしてれっつお着換えなのだ
尻尾はネージュさん共々ふさふさだからねえ
サスペンダーとベルトで何とかしたのだ
ガリさんは男子の制服も似合いそうなのだねえ
しかしお揃いも捨てがたいのだ
(ううう。結局本人にオマカセ
バラン先生お待たせしたのだ!

人が多いのはお祭りらしいのだが
同じ服装の人がこんなに居るのとびっくりなのだねえ
しかし美味しそうな匂いには負けるのだ
(ふらり飛んで行きそうな相棒のしっぽを捕まえつつ
南瓜の芋餅と、ちっちゃいオバケ南瓜
チョコバナナ発見!ナーさんも要るのだ?
南瓜尽くしもどうぞなのだよ
火柱はキャンプファイアーにすれば解決なのだね!

屋上は花火を見たり、食べ物の交換会をしていたら結構忙しいのだね
もぐもぐしているので寝転がるのはうう
いすみのおにーさん、これは食べたのだ?(南瓜の大学芋を差し出し

みんな積極的に踊っているのだねえ
ではミーはハギさんに習っているところも含めて
皆の雄姿を動画モードで撮るのだよ!


フィオリナ・ネージュ
【羽根車】

学校は私も通っていなかったので
文化祭楽しみです
放課後まで残り皆で協力して催し準備に
ときには夕日をバックに土手で殴り合いをするのですよね
青春です…(間違った知識インプット)

女子組で制服お着替え
じゃあ子火先輩、髪結んで頂けますか…?
パキラちゃんが後輩なら毎日可愛がります
ふふ。お揃い!
男子制服版も見てみたいですね

店出すなら火を使わないものにしましょう實生さん
チョコバナナとか……言ってたら食べたくなってきました
パキラちゃん早速見つけてますね!
ケペシュさんにチョコバナナどうぞと差し出して
たこ焼きにとうもろこしも…いい匂い
松露さん私もじゃがばたを…
(子火さんの後ろから覗きお腹の虫合唱)

モロク先生のお許しが出ているので
沢山食べ終えたら
遠慮なくころんと寝転び
實生さんの羽毛布団魅力的ですね

花火が上がれば慌てて起き上がり
たーまやーって尻尾は機嫌良く振りふり
阿波踊りですか、真似して踊ってみます
どうですかっ(自信満々のドヤ顔)
くっ…ロボットじゃないですよ
ケペシュさんも良ければ踊ってみませんか!


葉切・松露
【羽根車】

へぇ、みんな学校行ってないですか。おれも中学校は行けてないですから、文化祭初体験仲間ですね!

おれも制服着るですよ。あ、パーカーに翅の穴開いてるですから、ズボンと上着だけでいーです!
おお…なんだか制服だと、みなさん雰囲気変わるですねぇ。同じ年頃になったみたいでちょっと嬉しいです!カッコイイですよ!
…殴り合うですか?隠れんぼじゃだめですか?

モロク先生お怒りですか!?って、なんだぁ。しかねーさんがお腹空いただけですねー?
はーいとうもろこし!おれとうもろこし食べたいです!あとじゃがバターも!
ふふ、ねーさん達の分もばっちり買っとくですよ!

おっとっと、買いすぎたです…大丈夫、おれ力持ちですから!
……えっと、今買ったやつだけ一番上に乗っけて貰ってもいーですか?

屋上で見られるのいーですね、特等席です!大きい。きれいですねぇ。
…ふふふ!じゃあ本場の阿波踊り、伝授するですよ!大丈夫、おれにまかせてください!
こ、これは…ロボットダンスですね!?すごいです!ミーちゃん、シャッターチャンスですよー!


一角・實生
【羽根車】7名

文化祭
俺、学校というものに行ったことがないから楽しみでさ
ずっと集団生活ではあったんだけれどね
殴り、合い?
学校ってそんなに暴力支配なんだ……怖いところだな

制服を着るよ
年齢的にぎりいける筈
いいね、ナージャさんも葉切さんも似合ってる
う。制服は翼穴をあけないと背中がはちきれそう

ごめん、遅刻した
あっ……アルデバラン先生すみません

俺達も食べ物の店を出しても良かったかもな
料理スキルマイナスでも気持ちさえあれば、きっと結果はついてくる

ナージャさんは食べたいものはあったかい
俺はたこ焼きといか焼きを確保するよ
うん、いっぱい(文字通り)買って沢山(文字通り)食べよう

学校の屋上で飲み食いしながら花火を待つよ
花火が始まったら仰向けに寝転がってさ
ネージュさんとミーさんは尻尾大丈夫かな
背中が痛い人は翼布団どうぞ(ファサア
南瓜の大学芋? 食べてない、食べる

お囃子だ
皆で踊りに行こうか
葉切先生、踊りの伝授お願いします

右手右足の同時出しはしないけど自信はないかな
ミーさんに手を振――うわ、翼にたこ焼きのソースが


●夏に別れを、秋に歓迎を
 一部で筆舌に尽くしがたいカオスが繰り広げられている文化祭。騒がしくはあるが、裏を返せばディアボロスも人々も目一杯楽しんでいる証拠だ。
「なるほど、事実は小説よりも奇なり、とはよく言ったものだ。「こみっく」で見たが、実際の文化祭はこれほど騒がしいものなのだな」
 メイドと執事と美術が交錯し、アイドルがライブし、たこ焼き入りたこ焼きという謎の物体やツナマヨなしツナマヨおにぎりなどの謎の食品が荒れ狂う会場を見渡し、別の方向に感心するモロク・アルデバラン(誇り高き砂暮らし・g01160)。
「学校……話には聞いていましたが、随分、その……変わった場所なのですね」
「俺も学校には行ったことないんだけど、少なくともこの光景をデフォと考えるのはよくない気がするな」
 真顔で納得するケペシュ・ナージャ(砂蠍・g06831)に、苦笑いしつつやんわりとツッコミを入れる一角・實生(深い潭・g00995)。
「まあ、みんな初体験仲間なんだし、正しい文化祭とやらにこだわらなくてもいいんじゃないか? 寺で見聞きするものより楽しそうだしな」
 と、おおらかに笑う篝・子火(天高し・g02594)。器が大きいとこういう時に動じないのである。
「うんうん、楽しいのならなんでもいいのだね! みんな笑顔で騒がしくて、ミーもわくわくしちゃうのだ!」
 パキラ・ミー(我楽多の星・g01204)もにこにこと楽しそうである。楽しそう、だけで済ませてよくない光景(カサカサ四つん這いで高速移動するミニスカ姿の謎の男性医師など)も時折視界にかすめたりするが、そのへんはディアボロスならいつものことなのかもしれない。
「あとは放課後までみんなで残って準備とかして、ときには夕日をバックに土手で殴り合いをするのですよね、青春です……」
「……殴り合うですか? かくれんぼじゃだめですか? おれ、あんまり乱暴なのはよくない思うです」
 明らかに情報源が偏っているフィオリナ・ネージュ(華たそがれ・g09310)に、少し不安そうな顔をする葉切・松露(ハキリアリのきのこ農家・g03996)。元となる知識が薄いとこういう時にツッコミにすら回れないのは危険だ。エコーチェンバー現象めいて誤解が誤解を呼び、トンチキ文化祭が日本の文化のデフォになってしまう……!
「学校ってそんなに暴力支配なんだ……怖いところだな」
「吾輩は寺院に属しておったしこのような祭りもなかったからわからぬが、そんなことはないというのは間違いないのである」
 流れるようにボケに回った實生に、今度はモロクがツッコミを入れた。分担が大事なのだ(?)
「ふふ、では今日はモロク先生が引率、ですね。初体験な生徒たちをしっかり指揮してください」
「ふーむ、となると先生を怒らせないように早く準備しないといけないな。パキラ、フィオリナ。着替えに行くぞ」
 くすりと笑うケペシュに乗っかり、子火は今にも飛び出してしまいそうなパキラとフィオリナを更衣スペースのほうに誘導した。
「はーい! お着替えなのだ!」
「じゃあ子火先輩、髪を結んでいただけますか……?」
 元気よく返事するパキラとおずおずお願いするフィオリナを連れて、女子組は一旦別れることとなる。

 それからしばらくして。
「ううむ……これがセイフク……なかなか難しいものですね」
 どこかぎこちない動きでスペースから出てきたケペシュ。他の男性陣の着こなしを参考に彼なりに奮闘してみたのだが、いかんせん着慣れない衣装なので着ているというよりも着られている感が否めない。シワを作ってしまいそうでどこまで手足を曲げたものか困っているようだ。
「いやいや、とっても似合ってるですよ。いつもと違う雰囲気で、カッコイイです!」
「うん、ナージャさんも葉切さんもお似合いだね。俺は……」
 松露はいつものパーカーの上に学ランを羽織ったラフなスタイル。年齢的に高校生というより中学生のように見えるが、ある意味一番この中でしっくり来る着こなしぶりだ。
 肝心の實生はというと、どうやら翼のせいで背中側がパツンパツンになっているらしい。穴を開けたものか我慢すべきか、迷っていたせいで少し時間がかかってしまった。

 つまり、女子組のほうは既に着替えを終えてその場で待っているのである。
「ちょっと男子、遅いぞ。モロク先生がお怒りだ」
 と、いかにも男子に小言を言う年頃の女子っぽく腕を組む子火。彼女はだぼだぼのカーディガンを羽織った冬服スタイル。長身にぴったりのサイズの制服を用意してもらっていたおかげで、クラスのまとめ役を買って出る大人びた三年生といった雰囲気だ。
「そーなのだそーなのだ、待たされてお腹ぺこぺこなのだー!」
「ふふ。パキラちゃん、かわいらしいですね。子火先輩もよくお似合いですけど」
 子火に合わせてガヤに回るパキラ、そしてそんなパキラの愛くるしさににこにこ微笑むフィオリナ。二人も子火とおそろいの制服姿で、3人並ぶとそれぞれ別学年の先輩後輩トリオのようにも見える(パキラは年齢的に飛び級した天才生徒というところか)。もちろんパキラの言葉は本気でなく、ふさふさの尻尾が『プミラ』と一緒に楽しげに揺れていた。

「う、すまない。俺が手間取らせてしまったものだから」
「どうか勘弁してください、モロク先生。俺たちも反省していますから」
「……ふむ、わかっているのであればよいのである。お説教は勘弁してあげよう」
 申し訳無さそうにする實生があまり真剣に取り合わないよう、ケペシュは少しおどけてみせた。するとモロクもそれにノッて、おほんと偉そうに咳払いしてみせる。
 先生役を与えられたモロクは、もちろん制服ではない。普段通りの白衣にスーツ姿、おまけに「先生」と書かれたタグを首から提げており、貫禄も相まって完璧に関係者としか見えない。
「しかし「先生」か。よき響きであるな……」
「モロク先生が感じ入ってるです……お怒りは回避ですか?」
「おっと、それとこれとは話が別だ。そもそも吾輩は怒っているなどとは一言も言っていないのであるが?」
 じろり。子火をこれみよがしに横目で睨んでみせる。すると、子火の腹の虫がぐぅと盛大に鳴り響いた。
「……冗談だ。腹が耐えられなかったのでつい男子をダシにしてしまった」
 どっ、と一同の間に笑いが生まれた。子火は照れくさそうに頭をかいた。


 お互いのファッションについて褒めそやしたり「異性装ならどんなふうになるか」を話し合ったりしつつ、主に子火のために屋台巡りから始めることにした一行。
「よし、こうなったらお詫びの意味も籠めて、全力で焼きそばを買ってくる」
「うむうむ、いい心がけである」
 モロクは子火の模範的態度(といっていいのだろうか?)と、わざと偉そうに顎を撫でながら頷いた。
「さあ行くぞケペシュ。先生に焼きそばを献上せねば」
「えっ、俺もですか?」
 きょとんとするケペシュ。彼のお腹の虫も、ぐぅ~と大きく派手に鳴った。
「……まあ腹が減ったのは俺も同じです。先生の雷が落ちる前に調達しましょうか」
「モロク先生の雷……比喩じゃないのです……! 怖いからおれ、とうもろこし買ってくるのです! あとじゃがバター!」
「それ、葉切さんが食べたいだけだったりしないかな? なんてね」
 くすりと微笑む實生。
「ミーたちの分も忘れずに買ってきてほしいのです!」
「じゃあ、私たちはチョコバナナとか買ってきましょうか?」
「賛成なのだ! あ、でもあのカボチャの芋餅とかも美味しそうなのだ……!」
 せっかくフラフラ飛んでいきそうなプミラのしっぽを捕まえていたのに、肝心のパキラが美味しそうな匂いにつられて負けてしまいそうだ。
「迷子にならないように気をつけてくださいね、パキラちゃん?」
「はっ、そうなのだ、こんなに同じ服装の人がいるとびっくりして迷ってしまいそうなのだね……」
 フィオリナの言葉に我に返ったパキラは、きょろきょろと周りを見渡して仲間たちの居場所を確認した。
「うむ。各自、他の生徒に迷惑をかけぬよう注意すること。それと、買いすぎて食べ残したりしないようにするのである」
 おほん、とまた咳払いをしたモロク"先生"が、修学旅行の引率教師めいて"生徒"たちに注意する。
「大樹部だよアルデバラン先生、食べることに関しては特にね」
 實生は余裕の笑みで言った。その点に関しては、誰も不安を抱いていないようである。

 ……とまあそうして、たこ焼きだのイカ焼きだの、りんご飴に少し早いハロウィンめいたおばけつきのお菓子やら……。
 秋祭りにふさわしい屋台の品々を各々自由に買い込んできた一行は、屋上の一角をお借りしてさっそく食事に勤しむことに。
「うん松露の買ってきたとうもろこし、美味いな。よくやったぞ」
「えへへ、褒められたです! しかねーさんの買ってきた焼きそばもおいしーですよ!」
 松露はにこにこと嬉しそうに笑顔を浮かべる。ほくほくのじゃがバターも、ぺこぺこのお腹には最高の食材だ。
「これなら、俺たちもお店をダシてもよかったかもしれないね」
「そうですね。でも、火柱が上がったりしたらちょっとした事件になるかもしれません。文化祭で火災が、なんて」
「じゃあ、その時はキャンプファイアーということにすれば解決なのだね!」
 實生は「それは解決してるんだろうか?」と思ったが、パキラのくれた芋餅が美味しかったので口に出さないことにした。何事も野暮はいいっこなしだ。
「ふう、どれもこれも美味しくてお腹いっぱいです……あ」
 ぽんぽんとお腹を撫でつつ空を見上げたフィオリナ――その目に、ぱぱんと空ではぜた花火が映った。

「ほう、風流であるな」
 イカ焼きをかじりながら、目を細めるモロク。やはり貫禄がある。
「こういうの、いいね。そうだ、寝っ転がりたい人は俺の翼布団を使ってくれて構わないよ」
 ばさぁ、と翼を広げ、屋上に横になる實生。至れり尽くせりである。
「いすみのおにーさん、太っ腹なのだ!」
「じゃあ遠慮なく……あ、向こうでお囃子も始まりましたよ」
「なんと!? ふふふ、じゃあ本場の阿波踊りを披露するですよ!」
「何? であれば子火も行くしかないな。正直踊りは不得手だが」
「こら二人とも、屋上は走るの禁止である!」
 などと騒がしい一同を見て、ケペシュは穏やかに微笑んで目を細めた。
 空では花火が色とりどりの華を咲かせる。涼やかな秋祭りの日、彼らにとっては日常が非日常のようだった。
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【怪力無双】がLV3になった!
【おいしくなあれ】がLV4になった!
【アイテムポケット】がLV2になった!
【友達催眠】LV1が発生!
【口福の伝道者】がLV2になった!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV6になった!
【リザレクション】がLV3(最大)になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
【凌駕率アップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2023年10月06日