最終人類史の秋祭り
《七曜の戦》の勝利により、多くの地域を最終人類史に奪還する事が出来ました。
東京23区の、墨田区、葛飾区、荒川区、北区、板橋区、足立区、練馬区、世田谷区、杉並区に加え、神奈川県の横須賀市。
更に、奈良県南部、大阪府東部、三重県などの住民の帰還が行われています。
この帰還した一般人達が、最終人類史の暮らしに馴染み、不安なく暮らせるように、皆で楽しめる秋祭りを行ないまうs。
季節は秋。風情のある京都や奈良の町、或いは、東京近辺で、ディアボロス達も浴衣に着替え、人々と共に秋祭りを堪能しましょう。
水の星に花と月の咲く(作者 絵琥れあ)
#最終人類史(新宿島)
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幾つもの、小さな水の星。
点々と海沿いの道に並んだそれらの中に、揺蕩うものがある。
ひらひら、ゆらゆら。ふわりふわりと漂って、踊る。
どん、どん、ぱん、と、音と共に咲く光を受けて、彩を変えていく。
ひゅるり、ひゅるるり。どん、どん、ぱん。
きらきらと、花と月の咲く。
●
「神奈川はシマセの故郷らしい。現地の祭りに遊びに来て欲しいと言われた」
淡々と告げるエドガー・ミシェル(孤光の金狼・g10162)は意外にも和の装い――即ち、浴衣姿をしていた。ただ、どうやら本人の意思で着たものではないようで、足元に違和感があるのか時折爪先に視線を落としている。
「シマセは運営側に回っている。だから僕の方から手短に説明する」
そも、今回の秋祭り。
《七曜の戦》で奪還した東京23区や、奈良県、大阪府、三重県の各地で、浴衣コンテストとコラボして行われるものの一環だ。
「目的は帰還した市民の暮らしの安定化だ。季節のイベントを行い、その中にディアボロスが参加することで、市民の心の平穏とディアボロスへの信頼が深まるだろうと」
だから、参加することに意義がある。そして、心から楽しむことで市民も安心してくれるだろう……。
「そう、ショウが言っていた」
締まらない。
気を取り直して、今回向かうことになるのは神奈川県横須賀市。
海沿いの公園、その中でも海に面した道には台に固定された球状の水槽が並べられ、中にはふわふわと様々な種類のクラゲが漂っているのだとか。
「横須賀にではないが、神奈川にそういった水族館があるらしいな。行ったことがあるならイメージが湧きやすいかも知れない。尤も、流石にそれよりはサイズも規模も小さいらしいが」
ともあれ、水槽内には勿論ライトが設置され、水槽内を淡く照らしているのだが。
そこに、花火が打ち上がれば。花火の色と光を映して、水槽内もその彩を豊かに変えていくのだと。
「写真を撮ってもいい、と言っていたな」
花火の上がる、祭りの夜限定の幻想的な光景。
カメラに、スマートフォンに、想い出を残しておくのもいいだろう。一人でも、二人でも、仲間達とでも。
また、余り抱え込み過ぎなければ飲食をしながら眺めることも可能だと言う。
「飲み物や食べ物は、芝生の広場で売っている」
屋台の食べ物は海鮮系がメインで、たこ焼きにイカ焼き、海鮮塩焼きそば。鮎の塩焼きに、海老や貝類の串焼きなんてものもあるらしい。
甘味はかき氷にアイス、そしてフルーツ飴。使われているのは神奈川県で秋に収穫されるものに因んで梨に葡萄、それから蜜柑。ブルーベリーもあるようだ。かき氷のシロップにも、本物の果汁と果肉が使われているとのこと。
飲み物もこれらの果物を使ったラムネやジュースが売られている。
「クラゲを見ながらなら、飲み物と食べ物は一つずつ。芝生や展示のない護岸スペースで食べるなら、飲食の制限はない」
但しゴミはちゃんとゴミ箱に捨てましょう。市民の皆さんが設置してくださっています。
「説明は……こんなところか」
短く一息吐いたエドガーの背後に、風が吹く。その髪を、耳を、尾を、そして浴衣の裾を揺らしていく。
パラドクストレインが、来たのだ。
「僕は気の利いたことは出来ないし、祭りを楽しむというのもよく解らない」
だが、と。
違う彩の双眸が、まっすぐにディアボロスを射貫く。
冷たいが、何処までも澄んだ眼だった。
「お前達なら、喜ばれるだろう」
ずっとずっと、人々の為に戦い抜いて。
そんな中でもずっと、人々の為に寄り添い続けてきた、ディアボロスだから。
●
きらきら、ゆらゆら。
「よしっ、これで展示は全部終わりましたね。後は……」
最後の水槽のセットを終えた青年が、組み立てられて広場に並ぶ屋台へと目を向ける。
風に乗って、新鮮な海産物の焼けるいい匂いが海沿いまで漂ってきていた。
「ディアボロスの皆さんの為にも、腕によりをかけて作らなきゃならないねえ!」
「どうしよう、来てくれるかな……あー今から緊張してきたっ!」
「気が早いってー。ま、気持ちは解るけどさ。普段色々お世話になってるけど、実際に会ったことはないんだよね……どんな人達なんだろ」
ディアボロスが来てくれるかも知れないとあって、祭りが始まる前から広場は盛り上がりを見せているようだった。
そんな会場の高揚感の中に在っても、揺蕩うクラゲはマイペースに、水の星を泳いでいる――。
リプレイ
空木・朱士
【1】クラゲの水槽と花火を楽しむ。
横須賀に行くのって初めてだなぁ。
せっかくだから新しく買った矢絣柄の浴衣に袖を通し小旅行気分で出掛けるとするか。
水族館の水槽でなら海月も見た事あるけど…
球状の水槽ってどんな感じなんだろ?
大きな金魚鉢みたいな感じかな?
ワクワクしながら先ずは芝生の広場で飲み物を買っていこう。
…ん?……カレーラムネ…?
えーと、梨ラムネもらおうかな。
ブラブラとのんびりラムネを飲みながら歩いて水槽を見て回る。
気に入ったクラゲをスマホで撮ったり、水槽と花火を同時に撮るのは…こ、構図とタイミングが難しいな。
何枚か撮ったら満足して後はじっくり見る事にする。
こんなに綺麗なのに画面越しで見てるばっかじゃ勿体ない。
花火を見ると高揚と同時に少し寂しい気持ちになるのは何故なんだろう…。
水槽も海月も鮮やかに彩られて滲んで色を変えて…
まるで万華鏡の中に迷い込んだみたいな…不思議な感覚がする。
…感傷的になるのは柄じゃないなー。
さっきの広場に戻って市民の人達誘って皆で屋台グルメ制覇してやろっと!
●
横須賀はすっかり太陽も姿を隠したが、夜天の下は祭りの賑わいで俄かに活気づいている。
(「横須賀に行くのって初めてだなぁ」)
花火の始まりを待ち、空を仰ぐ空木・朱士(Lost heart・g03720)は、纏う金赤に矢羽根の並ぶ矢絣柄の浴衣をばっちり決めて、ちょっとした小旅行気分。
祭りと言えば、やはり花火に屋台……ではあるが。
この祭りではもうひとつ、珍しいものがある。
(「水族館の水槽でなら海月も見た事あるけど……球状の水槽ってどんな感じなんだろ?」)
大きな金魚鉢みたいな感じかな、と想像を膨らませつつ、ワクワクと逸る心はそのままに、まずは広場に連なる屋台で飲み物を。
「いらっしゃい! 好きなのを選んでおくれよ!」
なんて、ディアボロスが自分の店に来てくれたとあり上機嫌な店員さんにお礼を言って、並ぶラムネの瓶を見比べて。
「さて、どれにしようかな……っと、……ん?」
……なんだろう地域柄だろうか、カレーラムネなるラベルが見えた気がするんだけれども。
「えーと、梨ラムネもらおうかな」
「あいよっ!」
よかったオススメとか言われなくて。
というわけでいよいよ、ラムネ片手に海沿いの道へ。
設営された水槽を眺めながら、のんびり歩く。時折、爽やかな梨の甘みが弾けるラムネで喉を潤しながら。
碧い照明で照らされた球体の水槽はまさに水の星――寧ろそこに、ひとつの小さな宇宙が集約されているようにも見えた。それが幾つも連なって並び、星間を、宇宙を旅している感覚がある。
光を宿したクラゲが星の中を漂う。無心で、ふわふわと。
種類も幾つかいるようで、無彩色のもの、色鮮やかなもの、特徴的な形をしているものなど様々だ。
「お、いいじゃん」
朱士はその中でも気に入ったクラゲをスマホのカメラに収めたり、水槽と花火を同時に撮るのに挑戦したりして。
「……こ、構図とタイミングが難しいな」
何分、こんな形でクラゲや花火を見ることなんて初めてなものだから、撮り慣れていなくて。
悪戦苦闘し、何度か失敗したものの、苦労の甲斐あり納得の行くものを何枚か撮り終えたら。
「よし、後はじっくり見る事にしよう」
満足して、そっとスマホを下ろす。
想い出が色褪せぬよう、記録に残しておきたいと思うのも、自然なことだが。
(「こんなに綺麗なのに、画面越しで見てるばっかじゃ勿体ない」)
いつか褪せるとしても今、この瞬間に生でその目に焼きつけられる美もある。折角来たのだ、堪能しなければ。
水の星に映り彩る花火を、今度は朱士自身のその目で、天を仰いで望む。
(「花火を見ると高揚と同時に少し寂しい気持ちになるのは何故なんだろう……」)
火の光、花の彩は打ち上げられるごとに異なる姿を見せる。
その度に、水槽もクラゲも鮮やかに彩られる。揺蕩う水に滲むようにして、その色を変えてゆく。
まるで万華鏡の中に迷い込んだみたいだと、朱士は思った。
(「……不思議な感覚がする」)
まるでここが現実じゃないような。
どこか違う異世界に、取り残されたような。
儚く、煌めいて、美しい世界だ。けれどどこか寂しいような、何とも言えない心地がして。
らしくないなと緩く、頭を振る。
(「……感傷的になるのは柄じゃないなー」)
楽しむものだ。
祭りも、花火も、遊泳するクラゲも。
用意してくれた人々も、きっとそれを望んでいる。
「よし、さっきの広場に戻って市民の人達誘って皆で屋台グルメ制覇してやろっと!」
だから朱士は、思い切り楽しむのだ!
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
近衛・悠
弟分のミシェル(g03431)と参加
【2】でミシェルと思う存分屋台グルメを楽しむぜ。
浴衣は紺色の無地に黒い帯。横に並んでるミシェルを見ていつの間にか身長が追いついてきてびっくりする。え?170c m越えた?会ってから2年経っただけだよな。俺もうかうかしてられない。
海沿いの公園だから海鮮が豊富か。まず海鮮塩焼きそば。たこ焼き。ミシェルは鮎の塩焼き欲しいか。なら二人分と。海老の串焼きと・・もう持てないな。デザートはミシェル持ってくれ。
梨と葡萄のフルーツ飴をそれぞれ二人分とブルーベリーのラムネと。まあ、買いすぎだな。でも俺とミシェルの二人なら全部食べれるだろ?
護岸のベンチに座ってミシェルと屋台グルメに舌鼓を打つ。美味しいな。これまで大変だったからこうしてゆっくりできる時はなかったな。ああ、こうして成長したミシェルが傍にいる事が嬉しいな。
ああ、花火が綺麗だな。来年もこうして花火を一緒に見れたらいい。ああ、そうして見せるさ。(ミシェルの頭を撫でる)
ミシェル・ラークリーズ
兄貴分の悠お兄さんと参加(g02300)と参加
【2】で悠お兄さんと屋台の食べ物を食べ歩くよ。とっても楽しみにしてた。
浴衣は白地に青い帯。うん、2年で17cm伸びた。170cm代達成したけ
ど、まだ伸びたい!!目標180cm!!(手を握る)
さすが横須賀の公園だね。屋台は海鮮物の宝庫だ。まずは海鮮の塩焼きそばとたこ焼き。僕鮎の塩焼き食べたい!!あとイカ焼き・・・あ、流石に悠お兄さんでもこれ以上持ちきれないか。じゃあデザート僕持つよ。
梨と葡萄のフルーツ飴とブルーベリーのラムネ。(隙間風吹いてる財布見て)うん、買いすぎたね。まあ、僕と悠お兄さんなら残さず平らげるでしょ。
護岸のベンチに座ってお兄さんと屋台グルメを美味しくいただく。確かにここ数ヶ月目が回るような状況だったよね・・秋風が心地いい。悠お兄さんが変わらず傍にいるのも。
花火が綺麗だね。まあ、今年の夏が凄い状況だったし。僕も来年もお兄さんと花火を見たいなあ。絶対この日々を守ってみせる。
●
「ミシェル……知らない間にまた伸びたな?」
「うん、二年で17cm伸びた」
えっ、と一瞬言葉を失う近衛・悠(黄昏のフラメント・g02300)である。
並ぶミシェル・ラークリーズ(彩光のグレイス・g03431)は彼の弟分。彼自身、長身の部類に入るのだが、いつの間にかミシェルの身長も追いついてきていたものだから驚いた。
「170cm代達成したけど、まだ伸びたい!! 目標180cm!!」
「会ってから二年経っただけだよな。成長著しいな……俺もうかうかしてられない」
ぐ、とミシェルは拳を握り決意表明。腰回りを彩る青い帯も微かに揺れて。
一方の悠、弟分の成長は勿論嬉しい……ものの、幾分か複雑な思いもありつつ。
とは言え、互いに互いは大切な家族。まだまだ負けない紺無地と、ぐんぐん伸びる白無地。二人、揃って屋台を歩く。
「よし、今日は思う存分屋台グルメを楽しむぜ。海沿いの公園だから海鮮が豊富か」
「だね。とっても楽しみにしてたんだ。さすが横須賀の公園だね」
食欲をそそる、魚や貝の焼ける匂いがそこかしこから漂ってくる。
この祭りの屋台は、港町故の海鮮系グルメが多く、また甘味にはこの神奈川で今時期旬を迎えるものを多く取り入れているようだ。
海沿いで行われているクラゲの展示と併せて、地域の特色を出そうとしているのだろう。
「屋台は海鮮物の宝庫だ。何から買おう?」
「そうだな、まず海鮮塩焼きそば。それから、たこ焼き……」
「あっ僕、鮎の塩焼き食べたい!! あとイカ焼き……」
どれもこれも美味しそうで、つい目移りしてしまう……と言うか。
いっそもう全制覇したいくらいの勢いなのですが!
「なら、鮎の塩焼き二人分と。海老の串焼きと……もう持てないな」
「……あ、流石に悠お兄さんでもこれ以上持ちきれないか」
如何な悠と言えども、キャパシティの限界はあるもので。
「じゃあデザート僕持つよ」
「ああ、頼んだ。デザートはミシェル持ってくれ」
さあ早速成長を見せる時! と言わんばかりにやる気のミシェル。そんな弟分の言葉を頼りにすることにして、悠は彼を伴い甘味の屋台スペースへ。
こちらは選別して、梨と葡萄のフルーツ飴をそれぞれ二人分。飲み物はブルーベリーのラムネ。
……ええ、選別した筈なのですが。
「まあ、買いすぎだな」
「うん、買いすぎたね」
隙間風を吹いている財布を二人で見て、双方確信。明らかに前半のほぼ全制覇の勢いが響いてます。
「でも俺とミシェルの二人なら全部食べれるだろ?」
「まあ、そうだね。僕と悠お兄さんなら残さず平らげるでしょ」
お残しなんていたしません、その辺りの抜かりはありません。
何と言っても食べ盛り、育ち盛りの十代男子二人なので!
「さて、買えるだけ買ったし護岸に移動するか」
「ベンチに座って食べよう。落としたら勿体ないし」
折角思い切って沢山買ったのだ。ゆっくりじっくり堪能したいし、無駄になんてしたくない。
早速、護岸に設置されているベンチに腰掛け、二人で屋台グルメに舌鼓。
海鮮系はどれも食材の旨味や食感が引き立てられるように調理されていて、味付けも絶妙だ。甘味に飲み物も果物本来の味と、砂糖の甘さの調和が取れている。
「美味しい!」
「ああ、美味しいな。しかし……」
「悠お兄さん?」
ふと、徐ろに空を仰いだ悠へと顔を向け、ミシェルは首を傾げる。
空と同じ、青藍の瞳に映った兄貴分の横顔は、心なしかしんみりとしていて……しかし同時に、どこか嬉しそうでもあった。
「これまで大変だったから、こうしてゆっくりできる時はなかったな」
ああ、と。
ミシェルにとって悠の言葉は、その表情の意味に得心が行くのに充分なものだった。
「確かにここ数ヶ月、目が回るような状況だったよね……ああ、秋風が心地いい」
涼やかな風を受けて、ミシェルは目を瞑る。
苦しい時があったからこそ、この平穏な時がより一層輝かしく、尊いもののように思える。
それに。
「悠お兄さんが、変わらず傍にいるのも」
今度は、その言葉に悠が目を瞬かせる番だったが。すぐにふと、穏やかな微笑みを湛えて。
「ああ、俺もこうして成長したミシェルが傍にいる事が嬉しいな」
大切な家族が、この心安らぐ時間に傍にいてくれる。このひとときを、想い出として共有することが出来る。
その想い出を、彩るように、華を添えるように、花火が上がった。
「花火が綺麗だね」
「ああ、綺麗だな」
心から、そう思った。だからこそ、それ以上の言葉はいらない。
ただ、それでも言うべきことがあるとするならば、それは。
「来年もこうして、花火を一緒に見れたらいい」
この平和を、家族の絆を、今だけのものにしない為に。
約束であり、決意だ。
「まあ、今年の夏が凄い状況だったし。僕も来年もお兄さんと花火を見たいなあ」
戦うのは、その為だ。
守る為に、戦うのだ。
「絶対、この日々を守ってみせる」
「ああ、そうして見せるさ」
けれど、束の間としても今だけは休息を。
来たるべき戦いの日々に、ひとつでも多くの想い出を胸に抱いて立ち向かえるように。
そっと、悠はミシェルの頭を撫でる。
ミシェルは一瞬、驚いた顔を見せたが、すぐに嬉しそうにして、笑った。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
宮村・凪
【紺の甚平に草履姿、くるくると振り回す巾着の中では小銭や麻雀牌の音がカチャカチャチャリチャリと音を立てている】
今日は麻雀も勝ったし、気分がいいから祭りでも見て回るか~
祭りといったら屋台…やっぱかき氷が安牌だな。
【2】で祭りを見て回るよ
徹マンで消耗しきった頭にかき氷が染み渡る~…うっ、いてて(頭痛)
かき氷なんか食べたの何年ぶりだろなぁ…ん、イカ焼きの匂い…ということは…あ~~ビールが飲みたい…!どっかで売ってないかな、探してみるか
【ふらふらと祭りをまわることに
徹夜でハイになっているためか、どこか浮足立った様子】
ていうかやっぱカップル多いな…。
ま、いいけどね、本当に、全然気になんねーし…ふあぁ…やべ、気抜くと寝そうだ…
(ほぼ初めてのシナリオ参加です。いろいろとご容赦ください。。アドリブなどすべておまかせです)
●
くるくると、振り回されて巾着が回る。
その持ち主である宮村・凪(国士無双・g10471)は、如何にも上機嫌といった様子でカチャカチャ、チャリチャリと音を鳴らしていた。
回る巾着の中で踊っているのは、小銭と麻雀牌だ。何を隠そう、対局後である。なお昨晩から卓を囲み、その後一睡もしていない模様。
「今日は麻雀も勝ったし、気分がいいから祭りでも見て回るか~」
その姿は紺の甚平に草履姿で、まさに祭りには打ってつけの出で立ち。色素の薄い金の髪と顔立ちが柔らかい印象を与える為か、引き締まった色合いは様になっている。
「祭りといったら屋台……やっぱかき氷が安牌だな。え〜っとかき氷の屋台は、っと……あったあった」
果物を使ったシロップをふんだんに掛けたかき氷を手にきゃっきゃとはしゃぐ少女の姿を見つけて、彼女が後にした屋台を凪も覗く。
聞けばクエン酸は疲労回復にいいらしい、ということで蜜柑のかき氷をオーダー。一口食べれば甘さの中にも確かな酸味があり、氷の冷たさも相俟って、清涼感が一息に全身を駆け巡った。
「あ〜……徹マンで消耗しきった頭にかき氷が染み渡る~……うっ」
不意に頭を押さえる凪。
「……いてて……」
お約束の頭痛。
いや、彼の場合は寧ろ徹夜の方が響いているような気はするが。
少し食べるペースを落としつつ、さくさくと咀嚼すれば舌の上で溶けていく感覚もどこか懐かしい。
(「かき氷なんか食べたの何年ぶりだろなぁ……」)
童心に帰る、とはこのことを言うのだろうか。自分にも先程の少女のような、あんなに無垢な少年の自分があっただろうか……なんて、思索に耽っていると。
「……ん?」
何やら、香ばしい香りが漂ってきた。
これは、食欲をそそる……と、言うよりは。
「イカ焼きの匂い……ということは……」
すっくと立ち上がる凪。
その徹夜明けに澱んでしまっていた瞳に、きらりと意思の光が宿り。
「あ~~ビールが飲みたい……!」
つまりはそういうことだ。
凪にとってイカ焼きの香りと味は、酒が進むつまみのそれなのである!
「……ん、どっかで売ってないかな、探してみるか」
思い立ったが吉日、ということで。
気の向くまま、心の赴くままにふらふらと祭りを歩く。どこか浮足立った様子なのは、徹夜ハイだからだろうか。
(「ていうかやっぱカップル多いな……」)
海沿いの展示スペースほどではないが、屋台の連なる芝生スペースにもそこそこに恋人達の集いが見受けられる。
仲睦まじく、幸せそうだ。祭りという特別な催しの場という空気感がそうさせるのだろうか。
(「ま、いいけどね、本当に、全然気になんねーし……」)
凪のその言葉は、少なくとも半分は本心だった。
と、言うのも。
「……ふあぁ……やべ、気抜くと寝そうだ……」
大きな欠伸がひとつ。やはり睡魔はすぐそこまで迫ってきていたようで。
とは言え、折角の祭りだ。時間、もとい己の限界が許す限りは、しっかり堪能するとしよう。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【書物解読】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
イツカ・ユメ
古安くん(g02347)と
【1】
ふふーん!仕立ててもらった浴衣に合わせてネイルもばっちり!
古安くんの浴衣姿は大人っぽくて素敵だけれど、楽しそうな表情は歳相応でちょっと可愛いかも。
…贈った腕時計が見えて、嬉しくなったり。
手を繋いで、少しだけドキドキしながら。
いざ、お祭りデート!
花火までまだ時間はありそうだし、まずは屋台へ。
ふふ、この賑やかな空気と美味しい匂いだけで楽しくなってきちゃうね。
全部食べたい気持ちをぐぐっと堪えて、蜜柑ラムネと海鮮塩焼きそばをゲットだよ!
くらげ。漢字だと海の月、って書くんだよね。
水槽を漂う姿は確かにお月様みたいで綺麗。
ふわふわ漂う姿を眺めてると癒されるし時間も忘れちゃう……って、そろそろ花火?
飲み物で乾杯して、屋台グルメをお供に花火鑑賞。
お裾分けのたこ焼きもいただきまー…あちち。
ぁ、蜜柑ラムネ美味しい!甘酸っぱくてしゅわしゅわ!
古安くんも飲んでみる?
花火で色付く海月達が浮かぶ水槽を眺めながら、戻ってきた蜜柑ラムネをもう一口……あれ?これってもしかして間接キス、
九重・古安
イツカ(g02834)と参加だ。
折角浴衣を仕立てたことだし、たまには歳相応に祭りを楽しもうと思ってな。イツカの浴衣もばっちり似合っているぞ。
誕生日祝いにもらった腕時計も着けて、いざお祭りデートだ。うっかり逸れてしまわないように手を繋いでいくか。
まずは屋台で食べ物飲み物を調達して、それから海月の水槽を見に行こう。
どれにするか迷いどころだが……タコ焼きにするか。これなら後でイツカと分けて食べられる。飲み物は季節の果物で葡萄ジュースにしよう。
ふんわりと水槽を漂う海月を見ているとつい時間がたつのを忘れてしまいそうだな。賑やかな祭り会場でもここだけ別空間のような感じだ。
……そろそろ花火が上がる時間だろうか? 丁度良い、ここで乾杯といくか。
月は月でも水槽の中に浮かぶ、か。花火で色づく姿もまた粋なものだ。それに加えて祭りの屋台で買ったものを飲み食いすると特別感があるな。さっきのタコ焼きを一つイツカに勧めてみるか。
……俺は俺で勧められるままに一口頂いてしまったが、よくよく考えるとこれは間接キスなのでは。
●
くるりとひとつ、イツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)がその場で回れば浴衣に咲く百花繚乱、青花が帯飾りの花と共に揺れる。
(「ふふーん! 仕立ててもらった浴衣に合わせてネイルもばっちり!」)
爪の先まで鮮やかな花色に、心も踊る。
準備万端、気合十分。いや、十二分と言っても過言ではない。
張り切るのには理由がある。イツカの視線の先には鉄御納戸の矢絣を纏う、粋でいなせな伊達男。
(「たまには歳相応に祭りを楽しむのも、悪くはないな」)
平素、年の割に老成しており達観した言動も多い九重・古安(巻き戻り路逸れる針・g02347)だが、今はその纏う雰囲気も楽しげに見える。
「古安くんの浴衣姿、大人っぽくて素敵だけれど……」
「ん?」
首を傾げる古安に、はにかみながら柔く笑うイチカ。
「楽しそうな表情は歳相応でちょっと可愛いかも」
その声音は、誰が聞いても解るほどに喜びと幸せに満たされていた。
喜びの理由は、もうひとつ。
(「誕生日に贈った腕時計」)
古安の腕には、確かに。
イツカが贈った、流星群の夜にも似た腕時計が、しっかりと煌めくのが見えたから。
気合が入っているのは、もしかしたら古安も同じなのかも知れない。
「イツカの浴衣もばっちり似合っているぞ」
告げられた言葉のひとつひとつに嬉しさも愛しさも、どこまでも募っていく。
それは、告げる言葉にも想いが込められているから。
「さて、うっかり逸れてしまわないように手を繋いでいくか」
「うん!」
差し出された古安の手を、しっかりとイツカは取る。少しだけドキドキしながら。
いざ、お祭りデートの始まりだ!
●
花火が始まるまでにはまだ時間があるようで。
まずは食べ物と飲み物を調達しようと、ふたり連れ添って屋台を見て回る。
「ふふ、この賑やかな空気と美味しい匂いだけで楽しくなってきちゃうね」
「そうだな。……さて、どれにするか迷いどころだが……タコ焼きにするか」
大きなタコが入っているということで、食べ応えもありそうだし。
何より、偶数個入りというのがいい。古安は満足げに頷く。
(「これなら後でイツカと分けて食べられる」)
シェアをするにはうってつけのお祭り屋台グルメだ。
一方のイツカは、少し悩んでいる様子。
(「本当は全部食べたいけど」)
その気持ちは今はぐぐっと堪えて。
「決めた! 海鮮塩焼きそばにする」
「飲み物はどうする?」
「んー……蜜柑ラムネ!」
「解った。買ってこよう」
ここで一旦別行動。とは言っても隣の屋台ですが。
イツカが焼きそばを購入して屋台の列から離れると、丁度蜜柑ラムネと、自分の葡萄ジュースを確保した古安が戻ってくる。
「よーし、戦利品ゲットだよ!」
「では、そろそろ行くか」
手をしっかりと繋ぎ直して、クラゲの待つ海沿いの道へ。
海に面したその場所に、幾つもの水槽が星のように連なっていて、その中を光に照らされたクラゲがゆらゆらと揺蕩っている。
暫し、イツカも古安も、言葉なくその光景を眺めていたが。
「くらげ。漢字だと海の月、って書くんだよね。水槽を漂う姿は確かにお月様みたいで、綺麗」
「ああ、ふんわりと水槽を漂う海月を見ていると、つい時間がたつのを忘れてしまいそうだな」
まるでふたり、緩やかに宇宙を漂っているような、星の海を泳いでいるような。
ただ眺めているだけではない、自分達もその世界に入り込んだような、不思議な感覚だった。
「賑やかな祭り会場でもここだけ別空間のような感じだ」
「だね、ふわふわ漂う姿を眺めてると癒されるし時間も忘れちゃう……」
水槽の光に照らされたイツカの表情は安らぎを湛え、その眼差しは優しげだ。
古安はクラゲを眺めながらもその表情も堪能していたものの、やがてふと思い出したように。
「……そろそろ花火が上がる時間だろうか?」
「って、そろそろ花火?」
ああ、と腕時計へ視線を落とし、古安が頷く。
「丁度良い、ここで乾杯といくか」
そして、葡萄ジュースを軽く掲げて見せて。
「いいね、乾杯!」
イツカもラムネの瓶をかちゃん、と軽く当てて。
すると、それを見計らっていたかのように花火が上がり始める。
「いいタイミングだったね」
「そのようだ。ゆっくり鑑賞しよう」
ひゅるる、ひゅるるり、どん、どん、ぱん。
天には言うまでもなく、水の星にも映り込んだ花と、ゆるり漂い続ける小さな月がそこにある。
「月は月でも水槽の中に浮かぶ、か。花火で色づく姿もまた粋なものだ」
「ね。いつもと違う姿が見られるの、何だか嬉しくなっちゃう」
今日この日の、互いの装いのように。
「ああ、それに加えて祭りの屋台で買ったものを飲み食いすると特別感があるな。……そうだ、タコ焼き一つ食べるか?」
「いいの? いただきまー……あちち」
「む、大丈夫か?」
お裾分けを一口齧れば思いの外熱かったらしく、思わず口をはくはくさせたイツカに、古安は気遣わしげな視線を向ける。
大丈夫、とイツカは冷たい飲み物で舌を癒やすように流し込むと。
「ぁ、蜜柑ラムネ美味しい! 甘酸っぱくてしゅわしゅわ!」
甘さと酸味、そして弾ける炭酸が快い清涼感を与えてくれる。
それを興味深そうに眺める古安に、イツカは瓶を差し出して。
「古安くんも飲んでみる?」
折角のお裾分けだから、これは交換ということで。
お言葉に甘えて、古安も一口。花火の彩りに染まるクラゲとその水槽を見つめながら、返ってきた瓶にイツカも再び口をつけて。
(「……あれ?これってもしかして」)
(「……勧められるままに一口頂いてしまったが、よくよく考えるとこれは」)
間接キス――なのでは、と。
ふたり思い至る。それと同時。
ひゅるるるる、ぱん、ぱらぱら、はらり。
夜空に、水面に、一際大輪の花の咲く。
照らされたふたりを、見守るように。
月の眼が、それを見ていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV2が発生!