キャメロット攻略作戦

 アイルランドに加えて、イングランド中南部を奪還した事で、幻想竜域キングアーサーの拠点である『キャメロット』の攻略が可能になりました。
 断片の王たるアーサー王の居城である、キャメロットの城は、侵入する方法が不明だったのですが、『マンクニウム』に近い防衛システムである事が判明しました。
 キャメロットの都市を護る『城壁』に、マンクニウムの『砦』に相当する、迷宮が用意されており、この迷宮を全て制圧しない限り、キャメロットの城に侵入する事が出来ないようです。
 キャメロット城壁迷宮に挑み、断片の王の元に向かう道を切り開きましょう。

●期限延長

 攻略旅団の提案により、攻略期限が1ヶ月間延長されました。
 10/22以降に公開されるこの事件のシナリオは、難易度が上昇します。

食い倒れ迷宮(作者 鏡水面
3


#幻想竜域キングアーサー  #キャメロット攻略作戦  #キャメロット 


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●試されし胃袋
 ここはとあるキャメロット城壁迷宮のひとつ。迷宮の主を務めるウィズレオンは、ディアボロスの強襲に不安がる配下を宥めていた。
「なに、案ずることはない。こんな時のために、特別な迷宮を用意しておいた」
「と、特別な迷宮……?」
「普通の試練では面白くないだろう。趣向を凝らし、私は特別な迷宮をデザインしたのだよ」
 配下の問いに、ウィズレオンはスッと目を閉じ、息を大きく吸い込む。
「……腹が減っては戦は出来ぬと言うが、腹を満たし過ぎても体が重くて戦えぬというもの」
「つ、つまり……?」
「つまり」
 ウィズレオンはカッと目を見開いた。杖を振り上げ、声を響き渡らせる。
「奴らの腹をとことん満たす! いや満たすのでは足りん、溢れさせるッ! アーサー王の庇護のもと爆誕した、この食い倒れ迷宮に一切の死角なし! 愚かなディアボロス達よ、この迷宮に挑戦したが最後、最期の晩餐になると知れ!」
 腹の膨れたディアボロス達など恐るるに足らず、そこを叩けばいいのだと、ウィズレオンは声高らかに笑った。

●ふしぎな迷宮
「……あー、そう来たかァ」
 フロラン・フォンテーヌ(天使のリアライズペインター・g03446)は何とも言えない表情をした。が、それも一瞬。集まったディアボロス達へと、今回の任務について説明を始める。
「キャメロット城壁迷宮の情報を感知したよ。皆にはそこを制圧し、キャメロットに攻め込む準備を整えて欲しいんだ」

 アーサー王の居城であるキャメロットの城は、『マンクニウム』と同様のシステムによって防御されている。キャメロットの城壁迷宮を制圧しなければ、侵入は不可能だ。
「城壁迷宮自体には簡単に入れる。迷宮の外側に警備は置かれていないからね。……それで、肝心の城壁迷宮を制圧する方法なんだけど」
 フロランは深刻な表情で腕を組み、ゆっくりと口を開いた。
「……迷宮の魔法によって生み出された料理を、とにかく沢山食べてくれ。そうすれば、謎解き部屋に繋がる扉が現れる。……何を言っているのかわからないかもしれないが、言葉のとおりなんだ。いや本当に不思議だよね迷宮って!」
 ディアボロス達が城壁迷宮に入ると、そこには西洋風の大きな広間と、奥まで伸びる長いテーブルが現れる。椅子に腰を掛ければあら不思議、次々と料理が現れるという。それらを平らげれば、一定量を越えたところで謎解き部屋に繋がる扉が現れる……という仕組みだそうだ。魔法で生み出された食べ物は、城壁迷宮内のみで実体化するものであり、外に持ち出すことはできない。
 そして、食事終了後には謎解き部屋で、最後の扉を開くための『謎』を解く必要がある。
 謎を解き、迷宮を護るウィズレオンを撃破する事で、城壁迷宮の制圧を行う事ができるのだ。
 ちなみに迷宮内には警備中の突撃竜鱗兵もいるが、ウィズレオンから指示を受けているのか、食事中は襲ってこない。

「出される料理は食べても悪影響はないから安心して。それじゃあ、気を付けていってらっしゃい!」
 一通りの説明を終え、フロランは皆を送り出した。食事直後の戦闘になるだろうが、どうか頑張って欲しい。

●謎解き
 ディアボロス達が謎解き部屋への扉を見つけた場合、以下の謎が壁に刻まれた部屋に入ることができる。
 古代遺跡のような石壁で囲まれた部屋は、厳かな雰囲気さえ感じられる。
 
 ====================
 迷宮の主の好物は何?

 1.アズライト
 2.マラカイト
 3.ペリドット
 
 ヒント:同じ色が好き
 ====================
 
 ……好物ではなく鉱物なのだが、もしかしたら食べるのかもしれない。
 部屋の中央には台座があり、三種の宝石が並べて置かれている。そのうちからひとつを選び、壁の中央に嵌めるらしい。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【プラチナチケット】
1
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【隔離眼】
1
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【冷気の支配者】
1
ディアボロスが冷気を自在に操る世界になり、「効果LV×1km半径内」の気温を、最大で「効果LV×10度」低下可能になる(解除すると気温は元に戻る)。ディアボロスが望む場合、クロノヴェーダ種族「アルタン・ウルク」の移動速度を「効果LV×10%」低下させると共に、「アルタン・ウルク」以外の生物に気温の低下による影響を及ぼさない。
【エイティーン】
1
周囲が、ディアボロスが18歳から「18+効果LV」歳までの、任意の年齢の姿に変身出来る世界に変わる。
【スーパーGPS】
1
周囲のディアボロスが見るあらゆる「地図」に、現在位置を表示する機能が追加される。効果LVが高ければ高い程、より詳細な位置を特定できる。
【書物解読】
1
周囲の書物に、執筆者の残留思念が宿り、読むディアボロスに書物の知識を伝えてくれるようになる。効果LVが高くなる程、書物に書かれていない関連知識も得られる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【クリーニング】
2
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV1 / 【凌駕率アップ】LV1 / 【反撃アップ】LV1 / 【リザレクション】LV1 / 【ドレイン】LV2 / 【ロストエナジー】LV2

●マスターより

鏡水面
 こんにちは、鏡水面です。食欲の秋ですね。
 美味しいものをたくさん食べて、キャメロット攻略作戦、張り切って参りましょう!

●基本的な方針
 ①→②③④の順に進行します。

 選択肢①
 難しいことは言いません。とにかく食べまくってください。
 わいわい楽しく食べるも、ひとりで黙々食べるもよし。食べ続ければそのうち謎解き部屋の扉が出現します。
 食べたい料理、好物などあればプレイングに記載をお願いします。
 ※実在する料理や食べ物でお願いします。
 ※商品名は権利に抵触する危険性があるのでご遠慮ください。
 
 選択肢②
 謎を解くと、アヴァタール級に挑めるようになります。

 選択肢③④
 いつもの戦闘です。普段どおり戦っても良いですし、お腹がいっぱいの状態を意識した戦闘でも面白いかもしれません。(満腹感自体は戦闘判定に影響しません)

 プレイングの採用状況については雑記に記載しますので、ご確認いただけますと事故が減ります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。それでは、皆様のご参加お待ちしております!
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


ブロス・ブラッドハート
にーちゃん(g00444)といっしょ
(大食いの子です)

へぇー、わかってるやつもいるじゃんか!
新宿島でも腹が減っては戦はできぬ
食って兜の緒をしめろ
っていうもんな

広間が見えたらテーブルに一番乗り!
隣ににーちゃんを呼んで椅子から足をぶらぶら
楽しみでパタパタ揺らしながら悪戯げなスマイル
にしし、この涼しさなら熱いもんも辛いもんもいけそうだなっ

そびえる肉の山に白いご飯の頂き、出てこいっ、チョモランマ超カロリーカレー…!!
野菜が溶けちゃったどろどろのカレールーに大盛りのご飯
そこにハンバーグ、トンカツ、唐揚げをのっけちゃう贅沢DX仕様
アイテムポケットで炭酸飲料も持ち込んでカレーと炭酸の無限ループ!
ぷはーっ、たまんねーぜ!!

……にーちゃん、おっさんくさいぞ
食べ盛りってやつなんだからガッツリいこうぜ
てことでおれのデラックスなカレーをわけてあげよう
はいっ、あーん♪

えへへ、おいしい?
じゃぁ、にーちゃんのもひとくちちょーだいちょーだい~!
(餌待ちの雛スタイルで口あけ)
アドリブ・連携歓迎


河津・或人
ブロス(g03342)と一緒

方針自体は概ね合ってると思うんだが…
何だろう、この、(一方的な)まんじゅうこわい感…

さてその無茶苦茶万能な罠…?罠??に対応すべくは
事前の持ち物に胃もたれ防止の市販薬
(ブロスと比べて)歳とるとこういうのが手放せなくなってきてな
あとは味変用スパイス(少量)
登山(某デカ盛り喫茶へ食事に行くことの意)のときにパセリや梅干しが神の賜物に思えるアレを再現だ!

熱々メニューに【冷気の支配者】で冷房を効かせて、快適な食事タイムと行こう

もしオーダー通り出て来るならラーメンで
いい店の情報知ってそのうち行きたいと思ってても意外と行けなかったりするから
その店の味ではなくとも、何かそれっぽいので代用しよう
醤油、味噌、とんこつ、ちょっとスタミナ丼(小)挟んで塩、つけ麺…!

ブロスも食うか?
ちょっと交換すればお互い味変になるしな
いやいや、食べ盛りでもキツイもんはな…
それじゃ、あーん!

スープを吸わないように麺優先で攻略して
辛いときは胡椒とかで気を紛らわせよう


●キャメロット城壁食堂
 キャメロット城壁迷宮は、試練に挑む者を待ち構えるように聳え立っていた。
 迷宮の広間に入るやいなや、ブロス・ブラッドハート(深紅の稲妻・g03342)はテーブルへと飛び付くように着席する。
 後から入ってきた河津・或人(エンジェルナンバー・g00444)へとぶんぶんと手を振った。
「にーちゃん! こっちこっちー!」
「おー、今行くぜ!」
 二人が椅子に座ると、怪しげなピンクの煙に巻かれながら、ぽんっとグラスに入った水が出てくる。自由に注げるピッチャー付きだ。
「方針自体は概ね合ってると思うんだが……何だろう、この、(一方的な)まんじゅうこわい感……」
 ともあれ、この恐ろしく万能な罠に対応すべく準備はしてきた。――否、罠と言っていいのか疑問ではあるが。
 ブロスは期待に足をパタパタとさせながら料理を待っている。
「クロノヴェーダにもわかってるやつがいるじゃんか! これからいっぱい料理が出てくるんだろ? 楽しみだなっ!」
 彼が悪戯げな笑みを浮かべたと同時、目前で再びぽわんと煙が弾けた。望んでいた香りが鼻を刺激する。
 煙が晴れた先。二人の目前には偉大なる試練を体現した峰のように、カレーとラーメンが聳え立つ。
 右に、白いご飯の頂き。山に茂る樹林群のごとく、米を覆い尽くす肉の山。そびえる肉に注がれたルーには、野菜の面影はなし。
 なぜなら全部、マグマに落ちたかのごとくドロドロに溶かされてしまったから。
 マグマのごときカレールーの上には、ハンバーグ、トンカツ、唐揚げが積み上がる。
 大自然の威容を再現したかのような姿――チョモランマ超カロリーカレーである。
 左に、人類が生み出した叡智の結晶……その集大成のひとつと言っても過言ではない、数々のラーメン達。
 醤油、味噌、とんこつ……まさに群雄割拠、テーブル上は味の戦国時代。おまけにスタミナ丼、塩やつけ麺も添えて。
 ラーメンの御供にオススメです、と言わんばかりにチャーハン、餃子にゆで卵の山もドカンと追加。……少々、いや、滅茶苦茶盛り過ぎでは?
 こんなにいっぺんに出されたら、麺が伸びたり冷めてしまうのではと不安になるかもしれないが、安心して欲しい。
 ここは迷宮。キャメロット城壁食堂限定、妙な方向に振り切れた魔法の力が何とかしてくれる。
「うわーっ! すげー! ほんとにいっぱい出てきた!」
 ブロスが瞳をキラキラと輝かせる。その横で、或人が残留効果を発動させようとした。
「さて、食べやすいように冷気の支配者を……」
 食事中の二人を遠くから見ているだけだった突撃竜鱗兵達が、慌てて駆けてくる。
「あーっ! お客様いけません!」
「当迷宮ではお食事中に特殊な力を使うと入店資格を失ってしまいやすぜ!」
「力を使わず、その身ひとつでお楽しみくだせえ!」
 ――『キャメロット城壁迷宮の探索』時のみ、パラドクスを利用した場合は、迷宮の外にはじき出され攻略の資格を失ってしまう。パラドクスの使用によって発現する残留効果も例外ではない。
 謎の店員ムーブで突撃竜鱗兵が止めに来る光景は珍妙だが、今回は理由がある。彼らはディアボロスに沢山食べてもらいたくてしょうがないのだ。
 事情は概ね把握した。だが、或人には、白い湯気をたてるアッツアツのラーメンが強敵に見えてくる。
(「冷気の支配者なしで食い切れるか? この、大量のラーメンを……」)
 胃袋と相談している暇はない。ごくりと息を呑む或人へと、ブロスが声を掛けた。
「大丈夫だよ、にーちゃん。おれたちならやれる。絶対にこの試練を越えられる!」
 彼の声は自信とやる気に満ち溢れている。
「……ああ、必ず踏破して見せよう。強力な味方も持ってきたしな!」
 その雰囲気に引っ張られるように、或人は笑みを浮かべた。胃腸薬に味変用スパイス、準備は万全だ。
 
 さっそく二人は山のような料理の攻略を開始する。水と同様に炭酸飲料もテーブルに出現したのは僥倖だった。
「ぷはーっ、たまんねーぜ!! 炭酸飲料でカレーの味をリセットからの再投入、無限にイケる!」
 ブロスはカレーと炭酸飲料を交互に回し、胃袋へと流し込んでゆく。
 或人はつけ麺にスパイスをふりかけ、味に変化を付ける。味に飽きて箸を止めるわけにはいかないのだ。
 登山で言うなら山の中腹に差し掛かったくらいか。
「食後の胃腸薬、必要になりそうだな……持ってきて正解だった」
 胃腸薬をお守りのように脇に置く或人を、ブロスがじとっと見つめる。
「……にーちゃん、おっさんくさいぞ。食べ盛りってやつなんだからガッツリいこうぜ。せっかくだし、おれのデラックスなカレーをわけてあげよう」
 スプーンにこんもりとカレーを盛り、ブロスは或人へと差し出した。
「いやいや、食べ盛りでもキツイもんはな……って、スプーンにのせれるレベルを越えてないか?」
 何口分ものカレーが、スプーンを押し潰さんばかりにのっている。
「はいっ、あーん♪」
 太陽のように輝くブロスの笑顔と、重量級のカレー。或人は覚悟を決め、カレーを頬張った。
 舌を通し脳に電流が走る。その感覚は、喜びの感情を引き出した。
「う、美味い! ジューシーな肉とカレーが見事に調和している……!」
 思わず食レポ風の感想を口走る或人に、ブロスは嬉しそうに頷いた。
「えへへ、よかった。じゃぁ、にーちゃんのもひとくちちょーだい!」
 餌待ちの雛のように、かぱっと口を開けるブロス。或人はスタミナ丼をスプーンで多めに掬った。
「ちょっと交換すればお互い味変になるしな。ほら、あーん!」
 ブロスの口へとひょいと入れてやる。ブロスはもぐもぐと咀嚼して、とろけるような触感に歓喜の唸り声を上げた。
「んん~っ! 柔らかい肉に絡む濃厚なタレ! 最高だぜ!」
 和やかに談笑しながら、二人は順調に料理を平らげてゆく。謎解き部屋の扉が現れるまで、あと少し……。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!

久住・野乃 (トレインチケット)



●和菓子三昧
 望んだ食べ物がテーブルに並ぶ奇妙な迷宮――キャメロット城壁食堂。
 そこにもう一人、挑戦者が現れる。否、挑戦者というよりは、頼まれて来たと言った方が正しいかもしれない。
「たくさん食べるのは難しいかもしれないですけど、いっぱいがんばりますっ」
 そう意気込むのは久住・野乃(六尾のもふ狐・g03512)。気合を入れるように、耳をぴんと立たせる。
「キュウッ!」
 彼女に呼応するように、くーこが元気よく鳴いた。野乃はドキドキしながら、椅子に腰かける。
 直後、ぽんっとパステルカラーの煙が弾け、和菓子がずらりと現れた。ご丁寧にお茶まで用意してある。
「本当に出てきました……迷宮でお菓子が食べられるなんて不思議ですね」
 恐る恐る、羊羹を食べてみる。なめらかな舌触りに、小豆の甘さが程良く広がった。
「ちゃんと羊羹の味が再現されてます……」
 緑茶で口の中をリセットし、今度はみたらし団子を手に取ってみる。焼きたての団子は温かく、タレは飴細工のように煌めいていた。
 はむっと団子をひとくち。舌の上で踊る味わいに、野乃は大きな瞳を輝かせた。
「お、美味しい、もちふわのお団子とタレが口の中で溶けるようですっ」
 ふわふわの尻尾を上機嫌に揺らしながら、残りのみたらし団子も平らげる。
 テーブルを見れば、大福、どら焼き、落雁……様々な菓子が取り揃えられている。
 もう少しだけなら食べられるかも、と野乃は菓子へと手を伸ばした。
善戦🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【クリーニング】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!

●謎解き部屋へ
 ディアボロス達の食べっぷりに応えるように、謎解き部屋へと続く扉が現れた。
 謎解き部屋に入り、そこで謎を解けば、ウィズレオンが居る場所へと続く道が現れる。
 あとで全員相手取る面倒を避けたければ、先に突撃竜鱗兵を倒しておくというのもアリだろう。
龍胆・茜
まずは沢山の料理を食べた皆さんに労いと感謝を。
次は私が頑張る番ね。
役に立てれば良いのだけれど。
(食事中はヨーグルトやゼリーなど軽いものをちまちま口にしていた)

同じ色が好き?
同じ色が好きって何と同じ色が好きなのかな?
壁に刻まれた謎を読んでから宝石の並べてある台座へ向かう。

宝石の色は違うよね?
アズライトは青だし、マラカイトは緑。
ペリドットも緑だけど、どちらかと言えば黄緑より……。
透明度もアズライトやマラカイトとは違うし。
何と同じ色が好きなのか、まずはそれが分からないとダメだなー。

同じ色……。同じ色……。
迷宮の壁と同じ色とか……。いや、ないない。
台座と同じ色? それとも扉。
んー、あっ、もしかして……。
自分の肌と同じ色って事かな?
緑ならマラカイトとペリドット。
マラカイトは深緑だから色的にペリドットだけど……。
もしこれが正解ならどれだけ自分大好きなんだろう。
宝石が合っているかの不安を抱きながらペリドットを嵌める。

※アドリブ歓迎


●宝石と謎
 キャメロット城壁迷宮のテーブルには、未だ多くの料理が並んでいる。
 だが、ディアボロス達が平らげた料理も数知れず。その結果現れた扉に気付き、龍胆・茜(吸血鬼のダークハンター・g10438)はスプーンを置く。
 彼女の目前には、トッピング用のジャムや蜂蜜を取り揃えたヨーグルト、果実が丸ごと入ったフルーツゼリーが並んでいた。どれも美味しいが、食べきれる量ではない。
「料理を沢山食べてくれた皆さんには感謝しないと。次は私が頑張る番。行ってくるね」
 料理の香りが漂う広間を通り抜け、出現した扉の前に立つ。重たい扉を開くと、事前の情報どおりの光景が広がっていた。
「えーっと、謎はこれだね。迷宮の主の好物は何か……」
 壁に刻まれた謎を上から下までしっかりと読み込んだ。宝石が並ぶ台座へと足を運び、その前で考え込むように腕を組む。
 手のひらに乗るくらいの大きさの宝石を、ジッと見つめてみた。
 青く艶やかなアズライト、鮮やかな深緑を湛えるマラカイト、爽やかに煌めく黄緑のペリドット。透明度にも違いがあり、三種の宝石が各々の個性を主張していた。
(「持ち帰りたくなるくらい綺麗だけど、任務は真面目にこなさないとね」)
 宝石の誘惑的な輝きにも、茜が心を揺らがせることはない。彼女はすぐさま謎解きへと取り掛かった。
(「同じ色が好き? 同じ色……何と同じ色が好きなのかな? まずはそこを把握してからだよね」)
 迷宮の壁へと視線を向けた。しかし、すぐに首を横に振る。迷宮の壁は全体的に薄い灰色だ。
 次に台座を見る。こちらも宝石の色とは程遠い。扉の色も同様だ。
(「んー……あっ、そういえば……敵の容姿についても情報をもらってたよね。あの色って……」)
 もしかして、と茜は思考を巡らせる。ウィズレオンの体は黄緑に近かったはずだ。
 となると、自分の肌と同じ色ということだろうか。
(「緑ならマラカイトとペリドット。マラカイトは、深緑だから色的にペリドットだけど……」)
 合っているだろうか。一瞬不安に駆られるが、自分の心を励まし落ち着かせる。
(「自分の判断を信じよう。大丈夫、間違っていたとしても死ぬわけじゃないし」)
 思い切って、ペリドットを壁の中央に嵌めてみた。
 すると、宝石を嵌めた壁がシャッターのように上がり、奥へと続く道が現れた。茜の選択は正解だったのだ。
 茜は安心したように息を吐きつつ、この謎を作ったであろうウィズレオンのことを考える。
「自分大好きなタイプだったかぁ。どんな気持ちで、この謎を作ったんだろう……」
 自信満々で作ったのかな。試練と謎を乗り越えたディアボロス達が押し寄せたら、どんな顔をするんだろう?
 茜は近い未来を想像しつつ、新たに出現した道の奥を見据えた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【書物解読】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!

ブロス・ブラッドハート
お、お前はさっきのホールスタッフ竜鱗兵!
言いたいことが山ほどあんだ
ここで会ったが百年目、いざ覚悟ぉー!

竜鱗兵に突撃したら手前でスライディング正座
さっきのカレーたいへんおいしゅうございましたー!
まったく、伝える前にどっか行っちゃうなんてひでーぜ
おれの気持ちこれから存分に語らせてもらうかんなっ

百エ物語を相手にぶつけるぜ
おれはつねづね、辛いだけがカレーではないと思ってるのだ!
本格的なスパイスカレーが銀幕のスターだとしたら、お家のカレーはどんな具材も包み込む名脇役
じゅーすぃーな肉汁と野菜のエキスが染み出たカレーの旨味!野菜とお肉がカレーを仲人にマリアージュした奇跡のお味っ!!
おれはもう…香りだけでスパイスロードを旅した気分だったぜ
お前の手は戦うためじゃない、料理のために使うべきだろ!(どぉーん)

悪意も呪詛もどんとこい!
さっきのご飯の礼がわり、相棒(大剣)でがっつり受け止める
へんっ、カレーの方が衝撃強かったぜ!

おれたち違う出会い方をしてれば
店員と常連になれたかもしれねーのにな…!
アドリブ・連携歓迎


河津・或人
さっきはありがとう…
御馳走さまを言うのはわが国の礼儀、
ただしスタッフに言うかどうかは世間評が分かれるとこだな!
(俺は言うけど)

さーて、ちょっと満腹なので遠距離攻撃で失礼しよう
すぐに腹ごなしできる若人(俺比較)と違ってすこし消化に時間が掛かるんでな
麺のごとくのびろ、双竜波…!
ん-、おっさんがそば打ちにハマる気持ちがなぜか今はちょっと分かるかも…
自分でも究極を目指して作ってみたくなる、そんな感じで道具から揃えるのも楽しみなのかもしれない
そのまま脱サラして商売始めるところまでがテンプレだが俺は多分そうはならない…でも自作はいいな
――そのために、きっかり終わらせて帰るぜ!

反撃に大暴れして俺に殴りかかってもいいが、満腹の相手を全力で殴ると
場所を選ばなければあまりよろしくないことになるぞ…!
(などと脅しをかけて腹部への攻撃を躊躇わせる試み)
…って大声で聞こえてねーか、普通に避けるっ


●VSホールスタッフ
 ディアボロス達はひたすらに食べ続け、試練を越えた。その事実に気付いた突撃竜鱗兵達は、ブロス・ブラッドハート(深紅の稲妻・g03342)と河津・或人(エンジェルナンバー・g00444)の前に再び現れる。
 今度は店員ではなく戦闘員としてだ。彼らの姿を視界に捉え、ブロスはぱあっと表情を輝かせた。
「あーっ! お、お前達はさっきのホールスタッフ竜鱗兵! どこ行ってたんだよ、探したんだぜっ」
 ここで会ったが百年目。気合十分なブロスの声に、状況が読めていない竜鱗兵は意地の悪い笑みを浮かべる。
「いい喰いっぷりだったぜェ……腹が膨れて動けないんじゃねぇか? かかれっ!」
 だが、彼らが行動を起こす前に、ブロスは動いていた。彼の身のこなしに敵は動揺する。
「は、速いッ! いっぱい食べたはずでは!?」
 風のような速さで竜鱗兵の目前へと迫るブロス。身構えた竜鱗兵へと、彼は鮮やかなスライディング正座を決めた。
「さっきのカレーたいへんおいしゅうございましたー! 大感謝っ!! ありがとうございまーす!!!」
 その正座は、感謝から生まれた渾身の一礼である。
「えっ……」
 予想外の動きに敵が固まる。
 そう、ブロスはこの気持ちを伝えたかった。お礼を言おうと思ったら傍にいない時の残念さたるや、筆舌に尽くしがたい。
 再会の喜びを胸に、彼は思いの丈をぶつける。
「おれはつねづね、辛いだけがカレーではないと思ってるのだ! 本格的なスパイスカレーが銀幕のスターだとしたら、お家のカレーはどんな具材も包み込む名脇役。じゅーすぃーな肉汁と野菜のエキスが染み出たカレーの旨味! 野菜とお肉がカレーを仲人にマリアージュした奇跡のお味っ!!」
 湧き上がる情熱と共に紡がれる言葉は、パラドクス『百エ物語』。カレーへの熱い想いが力となり、竜鱗兵の心へとダイレクトに届く。
 ブロスのキラキラと輝く無垢な瞳に、竜鱗兵が思わず目をギュッと瞑った。
「な、なんだこれは……眩し過ぎて見てられんッ!」
「おれはもう……香りだけでスパイスロードを旅した気分だったぜ。お前の手は戦うためじゃない、料理のために使うべきだろ!」
「くうっ、何だこの気持ちは? 俺を惑わすんじゃねぇ!」
 武器に悪意と呪詛を籠め、竜鱗兵はブロスへと飛び掛かる。ブロスは相棒の大剣、紅角刀を構え衝撃を受け止めた。
 何てことはない、さっき食べたカレーの衝撃の方がいろんな意味でデカい。
「惑わしてなんかないぜ、感じたことをそのまま伝えてるだけだ! 腹いっぱい食べたおれは、元気1億倍だぜっ!」
 勢いのまま、竜鱗兵の武器を弾き返した。武器を弾かれ、竜鱗兵は飛び退くことしかできない。
「クソッ、全然倒せないじゃねーか!」
「あいつだ! 胃腸薬がどうとかキツイとか言ってたから、きっと簡単に倒せるはずだ!」
 竜鱗兵達は或人へと狙いを付けた。しかし、或人は一切動じない。それどころか、ぺこりと丁寧にお辞儀をする。
「ああ、さっきは美味しい料理をありがとう。御馳走さまでした」
「あ!?」
 こいつもか、と竜鱗兵達が戸惑いにざわつく。
「料理をいただいた後に礼を言うのは、わが国の礼儀なんでな。それは敵であっても変わらないってことだ」
 ちなみに或人はスタッフにも礼を言う主義だ。すべての関係者に感謝を。だが、竜鱗兵達には、その素晴らしい心構えが心底理解できないようだ。
「そういうことはなあ! ウィズレオン様に言え! もっともこの先は通さんがな!」
 武器を掲げ、大声を上げながら迫り来る。彼らに負けじと、或人は大きな声で語りかけた。
「反撃に大暴れして俺に殴りかかってもいいが、満腹の相手を全力で殴ると、場所を選ばなければあまりよろしくないことになるぞ……!」
「よく聞こえねえなあ!」
「いいのか? よくキラキラに加工されるアレがもれなくリバースするかもしれないぞ! 俺の口から!」
 襲い来るうち1体の動きが、ほんの僅かに緩慢になった。
「ウッ……想像したら吐き気が」
「お前が戻しそうになるな! クソッそんな精神攻撃、オレらには効かんぞ!」
 そんな技能は使っていない。或人はただ避けるために集中していただけである。或人は思わず真顔になった。
「聞こえないって言いながら聞いてくれてるの、もしかしてお前らツンデレなのか……?」
「知るかあっ!」
 竜鱗兵達は武器を振り回す。或人は後方へと退きながら、距離を取りつつパラドクスを展開した。
「遠くから失礼するぜ。麺のごとくのびろ、双竜破……!」
 プログラムを瞬時に構築する。電子の光が積み重なり、形作られたのは二体の龍。電子の龍は、プログラムとは思えないリアルな咆哮を上げ、敵へと襲い掛かる。
 螺旋を描きながら敵へと巻き付くその様相は、まるで箸やフォークに巻いた麺のようだ。麺類ばかり見ていたせいか、或人はそば打ち職人のことを思い起こす。
 今ならそば打ちにハマる気持ちが、少しだけわかる気がする。目指すは山の頂――究極へと至るために武器(道具)を揃え、社会的な束縛から脱却する――そんな人生の一幕が。
「にーちゃん! 腹具合は大丈夫か?」
 ブロスが或人へと声を掛ける。或人はこくりと頷いて、笑みを浮かべてみせた。
「ああ、問題ない。いい具合に消化できてきた気がする」
「んじゃ、こっから二人で全力と行こうぜ!」
 二人は互いの武器を手に、残る竜鱗兵達と対峙する。
 ブロスの料理への熱い想いが敵の心を焦がし、同時に或人の龍が敵を餌だと思い込んだかのごとく喰らい付く。
 倒れ、数を減らしつつある竜鱗兵達へと、ブロスは願うような眼差しを向けた。
(「もし、生まれ変わることがあったら、食べ放題バイキングでまた巡り会おう……なんてな」)
 違う出会い方をしていれば、店員と常連になれたかもしれない。現実とは非情である。
 或人も目前の現実を受け入れる。彼が持ち込んだ龍……もといパラドクスに喰われる竜鱗兵達から、決して視線を逸らさない。
「ここで食い倒れるわけにはいかないからな。きっかり終わらせて帰るぜ」
 そう、彼らは迷宮を攻略しに来たディアボロスなのだ。料理の恩はあれど、目的は果たさねばならない。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
【スーパーGPS】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!

アンゼリカ・レンブラント
救援機動力で駆けつけ戦闘に加勢
ここなら食べ放題って聞いたよ!
カレーとかおにぎりとか食べられるかなー
炭水化物だけじゃなく肉も魚も、今なら沢山食べられそうだ!

勇んで駆け込んできたけれど
え、もう終わってる?

……わーんっ!

しょんぼりするけどこの悔しさを敵の殲滅に発揮するんだ
切り替えて【パラドクス通信】で仲間と連絡を取り合い
しっかり連携しつつ攻めるんだっ!

こちらは狙う個体をなるべく合わせ効率的に数を減らし
敵からの攻撃はなるべく狙いを合わせられないよう
足を使いかく乱しつつ攻めていこう

私もパラドクスの雷剣斬撃を撃ち込んだら
反撃をしっかり堪えて一撃離脱、
仲間と囲むような位置取りを心がけていくねっ!

そんな悪意と呪詛に私達が屈する、もんかっ!
はらぺこだけどお前達をしっかり片づけて
美味しいもの食べるんだものね

敵の数が減っていけば徐々に仲間と示し合わせて
包囲出来るように動いていけるといいかな
1体たりとも逃がさないよっ!
全力の《雷剣波紋衝》を撃ち込んで殲滅するね!
これで、どうだーっ

さぁ、あとはアヴァタール級だね!


●ラストオーダーを過ぎて
 ランチかディナーか定かではないが、お食事タイムは終わりを迎えた。
 和やかカオスな食堂から、修羅場へと様変わりしたキャメロット城壁食堂――そこにまた、非情なる現実に直面する人物が、もうひとり。
「こんにちはーっ! 食べ放題と聞いて来たよ! カレーとおにぎりの大盛お願いしまーす!」
 アンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)は、元気いっぱいに迷宮の扉を開いた。
 それはもう、営業時間が終了していることに気付かずレストランに入ってしまったかのごとく。目の前に広がる光景を見て、彼女はすべてを悟る。
「……え、もう終わってる?」
 仲間達は戦闘中。食事中の者は既に誰一人としていなかった。
 古今東西の具を取り揃えたおにぎりマウンテン、スパイスの旨味たっぷりのカレー、多種多様な肉と魚のコラボレーション。
 脳内で繰り広げていた食の理想郷が、泡沫のように消え失せる。
「……わーんっ! 出遅れた! せっかくお腹を空かせて来たのに……」
 しょんぼりするアンゼリカに、生き残っている竜鱗兵が嫌な笑い声を上げた。
「ゲハハッ! 残念だったなァ! おめぇの飯ねぇから!!」
「ううっ……こうなったら、食べ放題に間に合わなかった悔しさを力に変えるんだ!」
 アンゼリカは気持ちを切り替え、キッと敵を睨み据える。
 先に戦闘を開始していた仲間の手が届かぬ所をカバーするように、フリーの竜鱗兵をその眼に捉えた。
「空腹のディアボロスなんざ敵じゃねぇ!」
 悪意と呪詛に満ちた武器を手に竜鱗兵が迫った。アンゼリカは大剣を構え、精神を研ぎ澄ませる。
「わかってないね。はらぺこのディアボロスは、すっごく狂暴なんだから!」
 彼女の体と剣を黄金の輝きが包み込んだ。それは獅子の姿へと形を変え、飢えた獣のごとく牙を剥く。
 猛々しい雷光が、空間を貫くように咆哮を上げた。
「これは食べられなかったおにぎりの分! これで、どうだーっ!」
 その斬撃は雷撃を纏い、強い衝撃と共に敵を薙ぎ払う。激しく爆ぜる光にその身を焼かれ、竜鱗兵達は叫び声を上げた。
「グアアァッ!? あ、あちぃ!」
「くそっ、はらぺこになんて負けるか!」
 何とか持ち堪えた竜鱗兵が、マリススマッシュをアンゼリカへと放つ。彼女は身に纏ったオーラでその衝撃をしっかりと受け止めた。
「そんな悪意と呪詛に私が屈する、もんかっ!」
 ここで美味しい料理が食べられないのなら、敵を片付けてから新宿島で美味しいものを食べてやるのだ。
 お気に入りのお店のごはん、それに秋の限定スイーツを――そのためにも、一匹たりとも逃がさない。
 竜鱗兵達の武器を、彼女は悉く弾き返した。
「つ、強い……! これが空腹の力!?」
 息つく暇など与えない。焦る敵へと、アンゼリカは力強く言い放った。
「まだ終わってないよ! カレーの分と、牛ヒレのステーキに魚のムニエルと……とにかく沢山の分が残ってる!」
 腹の代わりに心を満たすべく、彼女は戦場を駆ける。敵を殲滅し、無念を晴らすのだ。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!


 ディアボロス達の苛烈な攻勢は、着実に突撃竜鱗兵を減らしていった。
 そうしてすべてを掃討し終え、残すはアヴァタール級――ウィズレオンのみだ。
 この奇妙な迷宮をデザインした張本人であり、レストランで例えるならシェフのような存在である。
 さあ、彼を倒し、この城壁迷宮を制圧する時だ。
ブロス・ブラッドハート
ホールスタッフにはお礼をさせてもらったからな
あとは厨房、普段は会えないシェフにもご挨拶だ!
クラシックブリティッシュな内装に、ちょっと強面なウェイターさんによる行き届いたサービス
なにより絶品の料理と驚異のラインナップ!
ウィズレオンくん、このお店はぁ~~(どこどこどこ…どん!)ディシュラン★★★★獲得でーっす!おめでとうっ

食べさせてくれたカレーのおかげでおれの喉も絶好調だぜ
感謝の気持ちと一緒に、とびっきりの炎をプレゼントだっ!
カレーゾフレイムをぼんぼこ大判振る舞いするぜ
どーだこの極強火っ、それも最高に美味しかったお前らの罠あってこそだろ
本気で思うぜ、お前ら人の笑顔をうむシェフとかウェイターの方が向いてるってな

くっ、やべーな…
おなかいっぱいで動いてのてきどな疲労感、そのうえあの光を見てると……なんかすげーねむい!
うう、ほっぺツネっても寝落ちしそぅ
ここはにーちゃん!味変用の梅干しプリーズ
まるまる一個口にいれて気持ちだけでも幻惑効果に対抗だ!
眠気になんて絶対に屈しない…!

アドリブ・連携歓迎


河津・或人
今回は一生に一度は言ってみたい台詞「シェフを呼んでくれ」が達成された状態ので
人生のトロコンに一歩近づいた、そうポジティブにとらえよう
ごちそうさまでした!
控えめに言っても天才の発想だと思う
(何故これを別のことに活かせなかったのか…)

さて、料理を堪能しきって腹ごなしも終えた後はいろんな意味でお片付けだ
男の料理の良くないところザ・ワーストである片づけ物!
これを防ぐべく滅光の奔流で攻撃だ
え、もう【クリーニング】ある!?
いやまぁ、こういうのは雰囲気が大事――ってことで
お互いの全力魔法のぶつかり合いに持ち込むぜ
そしてお皿も綺麗に、もちろん調理器具と厨房も清潔に
Lv2ありゃ届くだろ、重ねて正解だ!
整理整頓も(必要なら)忘れずに、だな

梅干し…確かあったがパラドクスに対抗できるか!?
無いよりマシだ、カリカリしたやつ(個包装タイプ)を受け取れブロス!(投げ)

アーサー王の庇護のもと爆誕した迷宮も終わりか
勿体ないから居抜きしてビュッフェ始めるとかできねぇ?
できない? そっかー…(しょんぼり)


アンゼリカ・レンブラント
シェフの登場だね
来店時間が遅れて食べられなかった私怨をぶつけるよ

カレーの分と、牛ヒレのステーキに魚のムニエルと
そして忘れちゃいけない秋の限定スイーツ
それらをおいしく平らげるため、
大勝利して凱旋するんだ、いざ勝負っ!

相手は強敵、【パラドクス通信】を使い
仕掛けるタイミングを仲間と合わせ攻撃していこう
敵の幻惑効果のある光による攻撃には
意識をしっかり持って我慢
わわ、眠そうな仲間がいれば「しっかり!」って声がけ

私ははらぺこだから眠くなんてないもん
悔しくなんか、ないっ!
奪還への志を、キャメロット攻略への意気込みを
そして空腹の逆恨みを光剣に乗せ叩き込んでいくよ

POWでは仲間をディフェンスして
反撃の機会を得られればいいかな
そのくらい!私の勇気と気合を封じ込められるもんかー!

敵の消耗が分かればみんなとラッシュだね
呼吸を整え、最大まで力をためた一撃で仕留めるのを狙うよ
今こそ最大まで輝け、《光剣収束斬》!
アーサー王への道を、切り拓けぇっー!

終わったら
わわ、もう腹ペコ我慢できないや
新宿島に帰って勝利の晩餐だよ!


●シェフに挨拶
 ある者は料理をたらふく食べた満足感を、またある者は腹を満たせなかった無念を胸に。
 試練を越え謎を越え、ディアボロス達は迷宮の最深部――ウィズレオンが構える広間へと辿り着いた。
 彼らの姿を見て、ウィズレオンは焦燥を隠すことなく声を荒げる。
「なっ、なんと……私の至上の迷宮を攻略しただとッ!?」
 驚愕するウィズレオンへと、河津・或人(エンジェルナンバー・g00444)は晴れやかな表情でお礼の言葉を告げた。
「控えめに言っても天才の発想だった。敵として戦うのが惜しいくらいだ。美味しい料理、ごちそうさまでした!」
 シェフを呼んでくれ。一生に一度は言ってみたい台詞が達成され、彼の心にはトロフィーが輝いている。
 しかし、燦々と輝くトロフィーの裏に、悲しい感情があるのも事実。何故この発想を、別のことに活かせなかったのか。
 そんな或人の想いなどつゆ知らず、ウィズレオンは捲し立てるように言う。
「しかもなんだか元気そうではないか! 突撃竜鱗兵はどうした!?」
 食後のディアボロス達を仕留めるために配置していたのだろう。キョロキョロと周囲を見渡す彼へと、或人は答えを伝える。
「あのホールスタッフ達か。彼らには強制的に退勤してもらったぜ。彼らにも色々と世話になってな……」
 結末が撃破だとしても、世話になったことは変わらない。だが、しんみりとした空気はあまり出したくない。
 食後のハイテンションを維持したまま、ブロス・ブラッドハート(深紅の稲妻・g03342)が称賛をおくる。
「クラシックブリティッシュな内装に、ちょっと強面なウェイターさんによる行き届いたサービス。なにより絶品の料理と驚異のラインナップ! ウィズレオンくん、このお店はぁ~~」
 背後でドラムのような音が聞こえる気がする。実際に聞こえるわけではない。ブロスの語り口による雰囲気が、ドラムの音を思い起こさせた。
 ドコドコドコドコ……ドン!
「ディシュラン★★★★獲得でーっす! おめでとうっ」
 ぱんぱかぱーん! とファンファーレの音が鳴り響いた――ような気がした。あくまで気分である。
 高評価の空気感を察したのだろう。ウィズレオンは戸惑いながらも、湧き起こる嬉しさを隠しきれず尾を揺らした。
「ディシュランとやらが何かは知らんが、褒め称えられているというのはわかるぞ!」
 そんなウィズレオンの様子を、アンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)は複雑な表情で見つめていた。
「そんなに素敵な料理がテーブルに並んでいたんだね……味のオンパレード、私は体験できなかったけどね」
 仲間達が味わったであろう料理を想像する。ラーメンの大行列に、肉マシマシなスパイスカレー……デザートもあったに違いない。
 ぐうう~、と大きな腹の音が鳴り響いた。それは果たされることのない満腹への渇望。時間という制約が、彼女の腹を満たすことを許さない。
 ウィズレオンが、その音に驚愕する。
「ぬっ!? その天を貫くような腹の音……もしや何も食べておらんな?」
 アンゼリカにできることは、もはやひとつだけ。すべての無念、私怨、渦巻く感情を敵にぶつけることのみである。アンゼリカは鋭くウィズレオンを睨み据えた。
「来店が遅れて食べられなかったんだ……ここでお腹いっぱい食べられないのなら、あとはシェフを倒すだけっ!」
 目指すは大勝利。その後は、凱旋からのご馳走が待っている。
「ぬぅ、空腹の苛立ちをぶつけてくるとは! さすがディアボロス、恐ろしきクレーマーよ!」
 どんなに優秀なシェフと言えど、クロノヴェーダである以上、争いは避けられない。
 かくして、ディアボロスとウィズレオンの戦いが幕を開けた。

●さらば、食い倒れ迷宮
「美味しいカレーライスを……肉料理の数々を、ありがとうございまーっす!!!!」
 感謝と共にブロスの口から放たれるのは、最大火力のカレーゾフレイムだ。カレーのおかげで喉は絶好調。剛速球の火炎弾が、感謝の数だけ撃ち放たれる。
 迷宮産の美味しい罠あってこその極強火であると、ブロスは強く感じている。火炎弾は次々に撃ち込まれ、ウィズレオンの体を燃え上がらせた。
「グウッ、どういたしましてなんて言うと思うてか!」
 言ってるじゃん、というツッコミはさておき。炎に耐えながら、ウィズレオンは杖を掲げる。同時に輝く幻惑の光が、ブロスを包み込んだ。
 精神を搔き乱され、視界がぼやける。
「くっ、やべーな……目の前がぼやけて……なんかすげーねむい……!」
 満腹感と戦闘による適度な疲労感が、そして幻惑の光が、ブロスを眠りの国へと誘おうとしているかのようだ。
 自分のほっぺをつねるブロスへと、アンゼリカが必死に声を掛ける。
「しっかりして! 眠っちゃだめだよ、食後すぐ眠ると体にも悪いんだから!」
「ううっ、そうだよな……おれ、がんばらないと……」
 届くその声に、なんとか意識を繋ぎ止めながら――ブロスはあることを思い出した。
「……にーちゃん! 味変用の梅干しプリーズ! 刺激で幻惑に対抗するっ!」
 ブロスの緊迫した声に、或人がハッとする。確かに持ってきた。だが、パラドクスに対抗できるか。
 脳裏を真っ当な思考が過ぎるが、事は緊急を要する。細かいことなど気にしていられるか。
「ええい、無いよりマシか!? ブロス! 受け取れっ!」
 綺麗なフォームでカリカリ梅(個包装タイプ)を投球する。無駄のない動きでカリカリ梅をキャッチし、ブロスは即座に口へと放り込んだ。
 脳にまで染み渡るような酸っぱい味わいと共に、ブロスは目を覚ます。
「うん、もう大丈夫だっ。峠は越えたぜ……!」
 ――念のため明言しておくが、カリカリ梅にパラドクスをどうにかする効果はない。単純に、ブロス自身が彼の力で耐え抜いたというだけの話だ。
 何も知らぬ者が見れば、カリカリ梅に大いなる力が宿っているように見えるかもしれない。
 ヒュプノフラッシュを受けても元気な様子のブロスに、ウィズレオンはぐぬぬと唸る。
「やはり一筋縄では行かぬか……!」
「私達はたくさんの戦いを乗り越えてきたんだ。そう簡単にやられたりしないよっ!」
 アンゼリカの手の内に黄金の光が宿る。攻撃の前兆に、ウィズレオンは反撃の構えを取った。
 放たれた幻惑の光を、アンゼリカは耐え抜く。精神を搔き乱す光にも彼女は動じない。敵の精神攻撃よりも、満たされぬ腹の無念が勝る。
「私ははらぺこだから眠くなんてないもん。悔しくなんか、ないっ!」
 今や空腹こそ彼女の原動力。手の内で渦巻いていた黄金の光が勢いを増し、一際強く輝いた。同時、急速に伸び広がった光の束が、巨大な剣の姿を形作る。
 暗闇を貫くような輝きは彼女の力。魔力とオーラを凝縮した裁きの煌めきである。
「勇気、気合、奪還への志――さらには空腹の逆恨みを集結させるっ! この一撃、ぜんぶ味わってもらうから!」
「ま、眩しい……!」
 あまりの眩しさにウィズレオンが目を細める。光の柄をギュッと握り締め、アンゼリカは巨大な光剣を振り上げた。
「今こそ最大まで輝け、光剣収束斬! アーサー王への道を、勝利の晩餐への道をっ、切り拓けぇっー!」
 黄金の輝きが天から降り降ろされ、ウィズレオンを吞み込んだ。
 激しい光流が織り成す斬撃に焼き裂かれながらも、ウィズレオンは光から逃れ飛び退いた。
「ぬうっ……危うくステーキになるところだった……!」
 ディアボロス達の攻撃は、着実にウィズレオンを追い詰めていく。
 数々の魔法やパラドクスが荒れ狂うこの場所をお片付けすべく、或人はパラドクスを展開した。
「さて、男の料理の良くないところザ・ワーストである片づけ物! しっかりお掃除させてもらうぜ!」
「私の迷宮を勝手に掃除しようなどと……!」
 ウィズレオンは怒りのままドラゴンの幻影を出現させた。咆哮する幻影を前に、或人は聖なる輝きに満ちた結界を構築する。
「これが俺のパラドクス……塵ひとつ見逃さない、超優秀なお掃除スキルだ」
 それは神聖光輝陣とよく似ているが、或人流にアレンジし書き換えたパラドクスだ。
 あたかもプログラムを書き換えるように創られた結界は、幾何学模様を描きながら幻影とウィズレオンを包囲する。
「全力魔法のぶつかり合いだ。俺のパラドクスが何もかも綺麗にするのが先か、そっちの魔法が俺を破壊するのが先か」
 淡々と紡ぐ或人へと、ドラゴンの幻影が口を広げる。破壊光線が放たれると同時、滅光の奔流も最大火力で発動する。
「お皿も綺麗に、もちろん調理器具と厨房も清潔に!」
 激しい輝きがウィズレオンを、ドラゴンの幻影ごと呑み込んだ。
「グアアアァアアッ!!!」
 掃除とは、まさにクロノヴェーダの討伐である。数多の攻撃を受け続け、ウィズレオンはついに倒れ伏した。
 絶命する直前のウィズレオンへと、ブロスは心の底からの言葉を告げる。
「……お前さ、人の笑顔をうむシェフとかウェイターの方が向いてたと思うぜ」
 ブロスの言葉に、ウィズレオンは掠れた声で笑った。
「ふふ……世迷言、を……人の笑顔を生むなど、馬鹿らしいにも程があるわ……」
 それが彼の最期の言葉だった。
 迷宮の主は死んだ。少々湿っぽくなりつつある空気を変えるように、或人は冗談交じりに言った。
「アーサー王の庇護のもと爆誕した迷宮も終わりか。勿体ないから居抜きしてビュッフェ始めるとかできねぇ?」
 残念ながらできない。迷宮としての機能を失ったキャメロット城壁食堂が、再び料理を出すことはないだろう。
 戦闘を終えて、アンゼリカの腹が再び響いた。ぐぎゅうぅと泣き叫ぶ腹を、彼女は慌てて手のひらで押さえる。
「わわ、もう腹ペコ我慢できないや。新宿島に帰って勝利の晩餐だよ!」
 ――こうして、ディアボロス達はシェフ……もといキャメロット城壁迷宮を守るクロノヴェーダを倒し、新宿島へと帰還するのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【隔離眼】LV1が発生!
【クリーニング】がLV2になった!
【エイティーン】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ドレイン】がLV2になった!
【リザレクション】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2023年09月30日